はじめに
新卒で就職活動を行う際と同じように、転職活動でも選考フローに面接を設けている企業がほとんどです。
そして、面接での評価は選考の合否に大きな影響を与えます。
そんな面接ですが、転職における面接は新卒の選考における面接と何か違うところはあるのでしょうか。
この記事では、転職活動の選考で受ける面接について、通過するコツやベンチャー企業の面接ならではの特徴などを解説しています。
これから転職活動で面接を受けるという人は、ぜひ読んでみてください。
【転職の面接のコツ】なぜ企業は採用面接を行うのか
転職活動をしている人は、志望先の企業に自分のスキルや特性をアピールするために履歴書や職務経歴書を作成します。
書式によっては自己PRなど、より深く自分について知ってもらうための情報を書き入れることもあるでしょう。
それだけ力を入れた書類があれば、わざわざ面接などしなくとも自分の魅力は伝わるのではないかと考える人もいるのではないでしょうか。
しかし、書面をざっと読んだだけではわからない人柄や魅力というものは存在します。
企業が面接を行うのは、入社を希望する人がどのような人柄を有しているのか理解を深めるためです。
また、書類から伝わりにくい希望者の入社意欲も面接を通して確認しようとしています。
希望者にとっても、書類には書ききれなかったアピールポイントを積極的に伝えていくまたとない機会です。
【転職の面接のコツ】面接を通過するコツ
無事に志望先の書類選考を通過したなら、面接もスムーズに通過したいところです。
自己アピールのために面接の機会を有効に活用するためには、事前の準備や当日の心持ちが大切なポイントになります。
特に、面接は当日までの準備で勝率がほぼ決まるほど事前にアピールの計画を立てる段階が重要なものです。
当日のポイントは、過度に緊張して大切なことを伝えられない事態に陥らないための心構えだと考えておきましょう。
面接を通過するために何をするべきか、コツやポイントを理解することが肝要です。
事前準備をする
面接を通過する確率を上げたいならば、事前準備を怠ってはいけません。
どんなに素晴らしいスキルや魅力を持っていたとしても、行き当たりばったりで話そうとすると、その半分もうまく伝わらないものです。
自分の魅力はどんな部分か、どのように伝えたら効果的なのかを事前に分析し、伝わるように話す練習を繰り返す必要があります。
つまり、志望先の企業に合わせて自己プロデュースの計画を立てるのが重要なのです。
面接当日に向けて、どのような事前準備が必要なのか見ていきましょう。
自己分析をする
企業に自分の魅力をアピールし、面接を通過して内定取得までの道を自己プロデュースするためにはまず自分について深く理解することが重要です。
面接前にさまざまな方法で自己分析をし、自らの内面を深掘りして自分の強みや欠点など、プラスな要素もマイナスな要素も理解しておきましょう。
人は自分で理解していないことは言葉で説明できないものです。
性格や得意なことなども、自己分析によって俯瞰的にわかるようにしておけば相手に伝わるように話せます。
面接担当者の質問に対する受け答えもスムーズにできるようになるため、自己分析をしっかりやっておいて損はありません。
マイナスな要素だと思った部分も、言い方によっては長所としてアピールできる可能性もあるため細かく理解しておくことが大切なのです。
業界・企業研究をする
自分の強みを企業に効率良くアピールするために自己プロデュースの計画を立てる際、事前に業界研究や企業研究を行っておくことも重要です。
同じ強みであっても、業界に適した人物像や企業の求める人材の条件によってアプローチの方法は変えなくてはなりません。
より効率的なアプローチの方法を選択するためには、その業界や企業がどのような人材を欲しているのか的確に理解する必要があるのです。
どこを取っ掛かりにしたら良いのかわからない場合は、自己分析の結果判明した自分が向いている業界とそこに向いているポイントや自分が本当にやりたいと思っていることを参考にすると良いでしょう。
本当にその業界や企業に共感できるか、働きたいと思えるかも含め、業界研究や企業研究を進めることが大切です。
どのような人材を必要としているか
企業に対して強みをアピールし、自己プロデュースするということはすなわち自分という人材を売り込むことと同義です。
そのため、企業側がどのようなニーズを抱えているかを理解する必要があります。
業界研究や企業研究を行う際は、業界全体に適した人物像や企業が求める人材がどのような条件で構成されているかを把握することが大切です。
調べてわかった業界や企業に必要とされている人材像に合わせ、自分の強みやスキルをどのようにアピールしたら良いのか計画すれば、より効果的に自分の良いところを売り込めます。
逆に言えば、どんなに素晴らしい長所を持っていても企業が求める人材像と合致しないのであれば企業からは魅力的に映りません。
どうアピールすれば企業が欲しい人材に見えるかを考えるために、業界研究や企業研究が求められるのです。
大切にしている考え方は何か
企業の面接を受ける際は、最終的にその企業から内定を貰った時に受けたいと感じるかどうかも重要です。
つまり、企業と自分自身との相性が良いかを事前に測っておく必要があります。
企業が掲げている企業理念、代表取締役社長や広報担当者などその企業を代表する立場の人からのメッセージを参考に、企業が大切にしている考え方を調べておくと良いでしょう。
企業の考え方そのものに共感できなければ、運良くその企業に入社できても結局現場に馴染めずに転職を繰り返す原因になります。
また、しっかり企業の持つ価値観を理解していなければ面接での受け答えが鈍り、入社意欲がないとみなされ選考を通過できない可能性が高いです。
企業研究を通して、その企業の風土や価値観、目指す方向などを把握しておきましょう。
面接の流れやマナーを確認する
面接前の準備として、面接当日の流れやマナーについても確認しておくと面接を受ける際に困らずに済みます。
身だしなみのポイントや持ち物など、社会人として当たり前のマナーも改めて確認し、新鮮な気持ちで緊張感を持って当日に臨めるようにしましょう。
面接は会場に着いた時点から始まっていると考え、立ち居振る舞いの理想像を再現できるよう練習しておくことも重要です。
また、入退室のマナーや志望先の企業に勤めている人への挨拶など、面接の受け答え以外にも評価の対象になりそうな点は徹底して研究しておくと良いでしょう。
受け付けなど面接が始まるまでの流れも把握しておけば、当日に慌てることなく落ち着いて行動できます。
書類を出すタイミングなどを調べ、スマートな印象を与えられるように準備しておきましょう。
よく聞かれる質問を確認しておく
面接を受ける前には、よく聞かれる質問について確認しておくと受け答えがスムーズです。
自己分析できちんと自分のことを理解していても、本番で想定外の質問をされて慌ててしまうことはよくあります。
面接でよく聞かれる質問を調べておき、それに対してどう答えるかを考えて対策しておけば、面接時にいきなり思ってもみなかったことを聞かれて困るということもありません。
また、そういった質問にすらすら答えられるか否かは、面接の対策や練習をどれだけしてきたかの指標ともなります。
ひいては、その企業への入社意欲を表すパラメーターでもあるため、対策を練って臨む方が企業に対するアピールにもなるでしょう。
対策が不十分だと判断されると、自己分析の確実性も疑われる可能性があるため注意が必要です。
面接時のポイント
面接には適度な緊張感も必要ですが、過度に緊張しすぎても本来の実力を出せなくなってしまいます。
そこで、面接時に緊張しすぎないような、そして面接担当者に良い印象を与えられるポイントを押さえておくと良いでしょう。
まずは、どのような人物であれば一緒に働けると思われるかをイメージすることが大切です。
働くうえで仕事のスキルはもちろん重要ですが、同時にコミュニケーション能力が重視されることは理解に難くありません。
相手の求めに応じて的確なレスポンスを返せるように気を付けましょう。
会話することを意識する
面接での受け答えは、面接担当者と会話するという意識で受けることが大切です。
会話のラリーを成立させるためには、きちんと相手の話を聞いて理解したうえで適切な解答を返さなければなりません。
面接担当者の質問を聞き、その意図について考えを巡らせてから自分の考えを述べるようにしましょう。
会話と言ってもフランクな受け答えをするわけではなく、きちんと節度ある言葉遣いや態度を心がけることが必要です。
その中で、きちんと話を聞いているという印象を与えるために、何を聞かれているのか理解するのが重要になります。
頓珍漢な解答を返してしまうと、話を聞いていない、あるいは聞いても正しく理解できないのではと判断されかねません。
企業はコミュニケーションが成立しない相手を取りたがることはないため、きちんと会話を意識しましょう。
自分の言葉で具体的に語る
面接で質問される内容にはある程度の傾向があり、その解説や解答例はインターネットで探せばたくさん出てきます。
しかし、実際に面接を受ける際はそれらの例文を丸写しして話すのではなく、自分の言葉で話すことが大切です。
面接担当者から繰り出されるさまざまな質問に対し、具体的な回答ができればその分評価も上がります。
事前に当日されそうな質問をピックアップしておき、自分ならばどのように答えるか考えて準備しておくと答えやすくなるでしょう。
質問に対する結論をまず考え、そこからどうしてその結論に至ったかを深掘りしていくと具体性を持たせやすくなり、面接に受かる確率も高まります。
例文の丸写しや嘘は見破られる可能性が高いため、必ず自分の言葉で素直に話すようにしましょう。
入社意欲を伝える
企業の面接担当者は、面接を通して志望者のやる気、つまり入社意欲を特に注視しています。
やる気のない人に入社されても業績にプラスに働くとは限らず、早期離職によって教育コストなどが無駄になる可能性が高いためです。
そのため、この企業でどうしても働きたい理由は何かを添えて入社意欲を伝えると、面接を通過しやすくなります。
しかし、理由を具体的に説明できないと単なる口先だけ、上辺だけと捉えられることもあるため、相手が納得できるような理由や根拠を用意しておくことが重要です。
追加の質問で深掘りされても対応できるように、過去の実体験に対する丁寧な自己分析にもとづいて、入社意欲とその理由を話せるようにしておくと良いでしょう。
提出書類を頭に入れておく
面接担当者の質問にすらすらと答えるためには、自分が選考書類に何を書いたのか頭に入れておくことが大切です。
履歴書やエントリーシート、職務経歴書など提出した書類の内容をインプットしておき、聞かれて答えた内容と書いた内容が食い違わないよう気を付けなくてはなりません。
書いたことと話したことに矛盾があると、どちらの内容も信憑性がなくなってしまいます。
つまり、この人はどちらか、あるいは両方の内容で嘘をついているのではないか、と疑われる要因になってしまうのです。
完成した書類を提出する前にコピーを作成し、面接までに自分でよく読み込んでおくこと、面接時にきちんと同じ内容を話せるように練習しておくことなどが重要になります。
【転職の面接のコツ】一次面接と二次面接の違い
選考フローにおいて面接を何回行うかは、その企業によって異なります。
書類選考後1度しか機会がない企業もあれば、複数回行いその都度異なる役職の面接担当者とやりとりしなくてはならない企業もあるのです。
複数回面接を行う場合、回数ごとに面接の役割が分けられていることもあります。
したがって、これから受ける面接が何回目なのかにより対策を変えなくてはならないことも多いです。
一次面接と二次以降の面接における違いを知り、それぞれに適した対策を練りましょう。
一次面接は主に基礎スキルの確認
一次面接は、主として志望者の基礎スキルを確認するために行われることがほとんどです。
転職であればすでに社会人経験がある人がほとんどですが、その中でビジネスパーソンとして基本的なスキルが身についているかを確認することが主要な目的となります。
まずは多数の志望者の中からある程度人数を絞らなくてはならないため、面接担当者からの質問も簡潔なものが多いです。
相手ときちんと会話できるコミュニケーション能力や社会人として当然のマナーを示すことができれば通る可能性も高まります。
かといって、あまりに解答を言い淀むようなことがあればそのまま落とされることもあるため、きちんと話す練習をするなどそれなりの面接対策が求められる段階です。
二次面接はより具体的になる
面接が複数回設けられている企業でも、2回で終わることがほとんどです。
つまり、二次面接は最終面接になることが多く、企業としても採用に本腰を入れるためより志望者を深掘りしようとしてきます。
面接担当者が採用の決定権を持っている役員になるなど結果が合否に直結することも多く、質問の内容も一次面接より具体的になる傾向が強いです。
そのため、一次面接が簡潔な質問で終わったからといって二次面接も同じだろう、と高を括っていると痛い目に遭います。
面接担当者による深掘りにも対応できるよう、対策に時間をかけてより精度の高い自己プロデュースを心がけることが必要です。
適度な緊張感を持って、しかし受け答えが固くなりすぎないように気をつけましょう。
【転職の面接のコツ】ベンチャー転職における面接の特徴
スタートアップ企業やベンチャー企業の面接は、一般的な企業の面接と少し趣が異なる場合があります。
大胆に事業を展開するイメージの強いベンチャー企業ですが、その採用に関する審査は非常に慎重です。
大企業や経営が安定している古くからの中小企業と異なり、ベンチャー企業は一つの失敗が大きく事業を傾けることになりかねません。
人事に関してもそれは同様であり、きちんとすでに働いている社員と同じ目標に向かって仕事ができる人を採用したいと考えています。
ベンチャー企業における面接の特徴について、詳しく見ていきましょう。
学歴よりも人間性が重視される
ベンチャー企業の面接では学歴よりも人柄や人間性が重視される場合が多いです。
成長段階にあるベンチャー企業は、多くの人材を欲する反面ごく少人数で業務を回していることがほとんどであり、その中で軋轢を生むことなく溶け込める人が求められています。
つまり、現場にうまくフィットして円滑に仕事ができる人柄が重要なのです。
自分の意見を言えることも重要ですが、きちんと周囲とのバランスも取れる人でなければ社内の空気が悪くなってしまいます。
社内の人間関係が悪化すると、入社した当人のみならずもともといた社員の中からも離職者が出かねません。
事業から手を引く人が多発する事態を防ぐため、志望者がどのような人柄なのか精査しているのです。
カジュアル面接が採られる
面接というと堅苦しいイメージが強いですが、ベンチャー企業の場合はよりリラックスして受けられるカジュアル面接の形式が採られていることも多いです。
カジュアル面接では、企業が志望者に対して質問を投げかけるだけでなく、志望者側からも企業に対して気軽に質問することができます。
そのため、気軽な情報交換の場として本面接の前にカジュアル面接の機会を作っている企業も少なくありません。
こういった気軽な面接形式であれば、選考を受ける人はより普段の自分に近い状態で面接に臨めます。
しかし、カジュアル面接だからと言って何も用意せずに参加するのは得策ではないでしょう。
転職の理由や志望動機など、あなたという人物について企業が知るための質問にきちんと答えられるようにしておくことが求められます。
社長面接がある
ベンチャー企業は、業務全体を通して社長との距離が近く、その影響が非常に強いです。
そのため、面接においても社長自らが志望者の見極めのために面接担当者として席に着いている場合があります。
社長と直接面接でやりとりするため、社長の判断で合否が決まることも多いです。
しかし、社長に気に入られれば採用につながるということでもあるため、社長直々の面接は大きなチャンスであるとも言えます。
志望している企業の社長は誰なのか、顔と名前をしっかり把握しておきいざという時にしっかりアピールできるようにしておくと良いでしょう。
企業の経営や今後の事業内容に対しての意見を求められる可能性もあるため、企業研究でそれらを頭に入れておき、忌憚無く意見を言えるようにするとプラスの評価が見込めます。
【転職の面接のコツ】面接対策はエージェントに任せよう
面接の対策で最も効果的なのは本番さながらの状況で何度も話す練習をすることです。
しかし、そのような面接対策をしようと考えると自分1人で続けるのには限界があります。
非効率的な対策ばかり行っていても、合格にはあまりつながりません。
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まとめ
面接は、書類選考では伝えきれなかった自分の魅力を企業にアピールするためのチャンスでもあります。
その分きちんと事前に準備を済ませ、万全の対策で臨むことが重要です。
自己分析や業界研究、企業研究を通して自分や相手への理解を深めるとともに、面接で頻出する質問内容に対するシミュレーションをすればより滑らかな解答ができるようになるでしょう。
効率的なアピールの計画を立て、面接本番までにしっかり自己プロデュースの手はずを整えることをおすすめします