スタートアップ企業と中小企業の違いは?5つの観点から徹底比較!

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はじめに

就職活動をしていると、さまざまな企業に出会うのではないでしょうか。

多くの人が知っていて従業員数も多い大企業から、従業員数が少ない中小企業まで、一口に企業といっても従業員数や規模が大きく異なります。

また、比較的新しいベンチャー企業や今までになかったビジネスを展開するスタートアップ企業も目立つようになりました。

今回は、スタートアップ企業と中小企業について解説します。

自分に合った企業を見つけるための参考にしてください。

スタートアップ企業の定義

スタートアップ企業という言葉自体には、実は明確な定義がありません。

一般的にそう呼ばれる企業の特徴としては、革新的なビジネスを展開し、いまだ成長途中であることが挙げられます。

また、創業から2年から3年程度とまだまだ新しい企業も多いです。

そもそも、スタートアップ企業とは、今までなかった新しいビジネスを展開し、一気に社会に大きな変革をもたらすために、創立された企業という意味があります。

創業者も、自分の会社を育てたいという気持ちはなく、ある程度成功したら売却して、また新しいビジネスを始めることも珍しくありません。

本当にその企業が打ち出した新事業が成功するかは未知数です。

もっと詳しくスタートアップ企業について知りたい方はこちらをご覧ください。

https://shukatsu-venture.com/article/306325

中小企業の定義

一方、中小企業は、中小企業庁という官庁もあるくらい、その定義は明確であり、業種ごとに異なります。

【1】製造業、建設業、運輸業、その他の業(ただし、下記【2】~【4】を除く)
資本金額:3億円以下または常時従業員数:300人以下
【2】卸売業 資本金額:1億円以下または常時従業員数:100人以下
【3】小売業 資本金額:5千万円以下または常時従業員数:100人以下
【4】サービス業 資本金額:5千万円以下または常時従業員数:50人以下

中小企業は、事業内容ではなく、その会社の資本金や従業員数など、会社としての規模でそう分類されていると言えます。

新しいビジネスに挑戦しているところもあれば、既存のビジネスを地道に行っているところもあるのです。

スタートアップ企業も中小企業に含まれる

上述したように、スタートアップ企業の定義には、明確なものはありません。

一方、中小企業かどうかは、資本金や従業員数が定義に当てはまるかどうかで決まります。

ただ、スタートアップ企業の多くが、中小企業に含まれるでしょう。

スタートアップ企業はまた創立されたばかりで、社長以下少ない人数で会社を回しているところがほとんどです。

これまでになかった新しいビジネスということで、実験的な側面もあり、資本金に関してもそう豊富ではありません。

創業者としても、会社を大企業にしたいという願望はなく、ある程度の成功を収めたら、また新しい企業を立ち上げることも視野に入っていることもあります。

ですから、スタートアップ企業の多くは中小企業に含まれ、大企業はほとんどありません。

スタートアップ企業と中小企業の比較

中小企業というと、「社員が少ない」「経営が安定していない」などのネガティブな印象を持っている方もいるかもしれません。

しかし、中小企業にもその個性を生かして、堅実な成長を続けているところもたくさんあるのです。

ここでは、スタートアップ企業とそれ以外の堅実な成長を続けている企業を比較し、その違いについて解説します。

スタートアップ企業とベンチャー企業の違いをもっとよく理解したい方は、こちらも合わせてご覧ください。

https://shukatsu-venture.com/article/306025

事業編

スタートアップ企業と堅実な成長を続けている中小企業では、行っている事業に関しても違いがあります。

前述したように、スタートアップ企業は、既存の概念にはない新しい事業を行う企業です。

世の中をあっと言わせるような、斬新な商品やサービスを扱っています。

一方、中小事業が手掛ける事業は、企業によって異なり、新しいものも古いものもあります。

老舗と言われる中小企業の中には、一つの製品を長きにわたって作り続け、それで成功しているところもあるのです。

スタートアップ企業

スタートアップ企業とは、それまでは世の中に存在しなかった、新たなサービスや商品を、製造・販売する企業のことです。

既存の概念を打ち破るような新しいビジネスを展開することで、社会に急激なイノベーションを起こすことを目的として立ち上げられています。

この点が、少しずつ売上を伸ばしながら、堅実な成長を続けることを目標としている中小企業と異なっているところです。

まったく新しい事業を展開するためには、比較的新しい分野におけるビジネスであることが多く、スタートアップ企業にはIT系の企業が多く見られます。

また、コンセプトそのものが斬新すぎて、既存の分野にはカテゴライズされにくい事業を展開しているケースも珍しくありません。

中小企業

堅実な成長を続ける中小企業は、長期的に成長していくことを目標としています。

ですから、売上を急激に伸ばすことや社会的な認知度を一気に伸ばすような経営戦略を採っているところはあまり多くありません。

一気に成長してそこで頭打ちになってしまうようなことはできるだけ避け、たとえゆっくりであっても、少しずつ会社を大きくしていくことを目標としています。

堅実な成長をしている中小企業と、スタートアップ企業が異なるのはこの点です。

長期的な成長を目標とし、堅実に成長している中小企業はどの業界にも存在します。

特定の分野だけに見られるわけではありません。

新旧を問わず、さまざまな事業を展開しており、たくさんの企業がひしめき合っています。

年収編

誰にも真似できないような斬新な事業に関わりたい、誠実なビジネスで少しずつ顧客を増やしていきたい、など仕事に対する理想は人それぞれです。

しかし、実際に働くとなると、どれだけ稼げるのかということも同じくらい重要になってきます。

自分や家族の生活を支えるには、どうしてもお金が必要です。

年収が高いが安定していない企業か、年収がそれほどでなくても安定している企業か、どちらを選びたいかよく考えたほうが良いでしょう。

スタートアップ企業

スタートアップ企業は、今まさに成長している途中であるため、残念ながら倒産してしまうおそれもあります。

もともと安定経営を目指すタイプの企業ではないので、経営が安定しているとは言えません。

安定性を重視したい方は、スタートアップ企業は選択肢に入れないほうが良いでしょう。

ただし、一般的な中小企業よりも年収が高い傾向があります。

なぜなら、経営が安定していないにもかかわらず、優秀な人材を確保するためには、年収を高くして就職希望者を呼び込む必要があるからです。

スタートアップ企業の平均年収は約433万円で、それ以外の中小企業と比較すると40万円ほど高くなっています。

新しいビジネスで自分を試したい方や安定性よりも年収を重視したい方に、ぴったりです。

中小企業

堅実な成長を続けている中小企業には、すでに確立されたビジネスモデルがあります。

だからこそ、安定した経営が可能になり、成長し続けられるのです。

また、スタートアップ企業のように、これまでになかったまったく新しい事業を展開することはありませんが、すべてが古いビジネスというわけでもありません。

それこそ、会社を成長させるために、小さな変革を繰り返して今に至っています。

もちろん、新しいサービスや製品を売り出すこともあり、古い商売だけにしがみついているのではありません。

経営が安定しているため、比較的年収も安定しており、平均年収は約392万円です。

スタートアップ企業より金額は劣りますが、安定性においてはこちらに軍配が上がります。

社風編

実際にそこで働くのであれば、年収以外にも注目すべき部分があり、その一つが「社風」です。

どの企業にもその企業独特の社風があり、それはスタートアップ企業でも、中小企業でも変わりません。

ストレスなく気持ち良く働き続けるためには、自分に合った社風の企業を選ぶことが大切です。

自分に合わない会社で無理を続けても、良いことはありません。

自分に合っているのは、果たしてどちらの社風なのか、本項を参考にしてじっくり検討してみてください。

スタートアップ企業

スタートアップ企業では、経営者を含め社員の年齢層が比較的若く、20代から40代で構成されていることがほとんどです。

中には、社員の平均年齢が20代という企業も存在するくらい若いイメージがあります。

経営者も若くして起業したタイプが主です。

また、社内は実力主義で、年齢や社歴に関係なく、昇進や昇給はその人の実力で決まるところが多いという特徴もあります。

さらに、社員同士の年齢が近いため距離が近く、役員と社員の間の壁もあまりないでしょう。

上司と部下、というよりは、同じ会社で働く仲間といった雰囲気があります。

若手社員の意見も通りやすく、風通しの良い職場である確率が高いです。

実力でのし上がっていきたいタイプの方には合っているでしょう。

中小企業

スタートアップ企業以外の中小企業の経営者の平均年齢は60歳ほどです。

まさに、社長といったイメージの年齢と言えるでしょう。

規模の小さい、家族経営に近いところでは、役職は世襲になっているところもあります。

ただし、世の中には非常にたくさんの中小企業が存在し、その社風はさまざまです。

まだ、年功序列を採用しているところも多く、年齢や社歴が上がるごとに昇給や昇進があるところも珍しくありません。

実力が正当に評価されない不安はあるかもしれませんが、確実に昇給や昇進があるという良さもあります。

社員の年齢層も20代から60代までと幅広く、若手社員からベテラン社員が揃っているのも特徴です。

ベテランの社員から学べることもたくさんあるでしょう。

待遇編

待遇面に関しては、やはり大企業であれば各種制度が整っていて、待遇が良いというイメージがあります。

社員が多ければ、誰かが休んでもフォローに入る余裕があり、有給休暇も取りやすいのは確かです。

スタートアップ企業と中小企業は、どちらの社員が少なく、ギリギリの人数で業務を回しているところも多く、待遇面では大企業に劣るというのは否めません。

また、スタートアップ企業は起ち上がってから間もないため、まだ各種制度が整っていないケースもあります。

スタートアップ企業

スタートアップ企業の場合、福利厚生が充実している企業はまだ少ないのが現状です。

まだ創業してから間もないため、手厚い待遇は望めません。

その一方で、人材を確保するためにバースデー休暇などのユニークな制度を用意している企業もあります。

また、スタートアップ企業では、有給休暇の取得が難しいところも多いです。

有給休暇は、労働者に認められた正当な権利ではあるのですが、社員数が少ないと、1名休んだだけでも業務が回らなくなってしまうことも少なくありません。

そのため、有給が欲しいとはなかなか言い出せない雰囲気の企業もあるので注意が必要です。

人員が少ないせいで残業も多く、スタートアップ企業は、待遇面に関しては決して良いとは言えません。

中小企業

スタートアップ企業以外の中小企業は、創業からある程度の時間が経っており、待遇面でもだいぶ安定しています。

大企業には劣るかもしれませんが、最低限必要な制度は揃っていると考えても良いでしょう。

食事補助や健康診断補助などの、基本的な福利厚生なども、きちんと整っているところが多いです。

しかし、やはり慢性的な人手不足である場合も多く、スタートアップ企業同様に、残業は覚悟しなければなりません。

ただし、残業の際も割増賃金率の引き上げや代替休暇の取得義務が、会社に設けられています。

なお、求職者の多くが、会社選びの条件の一つとして福利厚生を挙げているため、人材確保のために福利厚生の充実を図っている企業も増えてきています。

求められる人材編

スタートアップ企業とそれ以外の中小企業では、求められる人物像も異なります。

スタートアップ企業は、これまでにない事業を行っているため、予期せぬことも多々起こります。

一方、それ以外の中小企業であれば、ビジネスモデルが定着しているため、突発的なトラブルがない限り日々のやるべき仕事はそこまで変わりません。

ですから、それぞれ自社の特性にあった人材を探しています。

自分はどちらにより適性があるのか、考えてみましょう。

スタートアップ企業

スタートアップ企業には、ビジネスモデルが存在しません。

そのせいもあって、思いがけないトラブルに見舞われるのはもはや日常茶飯事です。

毎日のように起きるトラブルに、その都度対処していかなくてはなりません。

スタートアップ企業が求めているのは、トラブルに見舞われても、常に向上心を持って対応できる人材です。

また、変化を柔軟に受け入れられる人も、スタートアップ企業に向いています。

ビジネスモデルが確立されていない分、スタートアップ企業では、自分で新しいビジネスモデルを作り出すという気概を持ち、試行錯誤ができる人材が必要です。

ですから、より良いものを求める向上心や良いものはどんどん取り入れていく柔軟さを持った人が歓迎されます。

中小企業

スタートアップ企業に比べて堅実な成長をしている中小企業は、中小といえど従業員はそれなりにいます。

そのため、ほかの社員と団結して、いかに仕事を効率的に回していくかが成功するためのポイントです。

ほかの社員と団結して仕事を進めるためには、会社の意向をよく理解している必要があります。

また、どのような仕事を振られても、それなりにこなせるバランス感覚も持っていなければなりません。

集団の中で自分が今どのような仕事をすべきか判断し、それを遂行できる能力の持ち主が、堅実な成長を続ける中小企業で評価される人物像です。

ルーティーンワークが苦でない方や言われたことを素直に吸収し、周囲と協力できる方が、こういった中小企業に向いていると考えられます。

まとめ

中小企業には、今までになかった新しい事業を展開するスタートアップ企業と堅実な成長を続けている企業とがあります。

スタートアップ企業という言葉自体に明確な定義はありませんが、新しい事業でイノベーションを起こすことを目標としており、会社を大きくすることはあまり考えられていません。

規模自体は似たようものであっても、両者にはいくつか違いがあります。

どちらが自分に向いているのか、その違いをよく知って検討する必要があるでしょう。

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