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・OB訪問をする意図
・OB訪問をするメリット
・OB訪問の流れ
・OB訪問で聞くべきこと
・OB訪問をしたいと考えている人
・OB訪問の対策をしたい人
・OB訪問の流れを知りたい人
・OB訪問を活かしたい人
OB訪問は、志望企業を訪ねて実際に働いている姿を見たり、企業や業界について社員の方から話を聞いたりするものです。
効率的に就活を進めるために必要なものですが、中には「必要である理由が分からない」「周りがやっているから」といったように、なんとなくでOB訪問を活用している人も多いのではないでしょうか。
今回は、OB訪問のメリットや流れ、聞くべきこと、訪問時のマナーや依頼メールの例文などを解説していきます。
OB訪問について深く理解し、就活を有利に進めていきましょう。
目次[目次を全て表示する]
【OB訪問とは】OB訪問とは
OB訪問とは、興味のある業界や志望企業に勤めているOB・OG社員を訪ねて、企業や業界についての理解を深めることを指します。
OB訪問することで、自分が思い描いている企業や業界はイメージ通りであるのかを見極められます。
業界や企業について、ホームページなどで調べれば出てくる情報もありますが、実際に会社を訪ねて、会社全体の様子や社員の様子を自分の目で見ることで、求人やホームページでは分からない部分まで感じ取れるのです。
いつからやるべき?
一般的には、本選考が開始する卒業前年度の3月に、OB訪問を開始する人が多いです。
特に開始しなければいけない時期が決まっているわけではありませんが、早めにOB訪問を開始できれば振り返りの時間も十分にとれるのでおすすめです。
卒業年度に開始する人も少なくありませんが、遅ければ遅いほど焦りも出てきてしまいます。
知りたいことや聞きたいこと、実際に見ておきたい部分などをまとめる時間も限られ、OB訪問終了後に「あれも聞くべきだった」「あれも見ておくべきだった」と疑問点が出てくる可能性があるのです。
またOB訪問に参加したのち、その企業が自分には合っていないと感じたとしても、他の企業にOB訪問する時間がないという恐れもあるので、余裕を持った行動を心がけましょう。
【OB訪問とは】OB訪問のメリット
OB訪問することで、「社員の雰囲気を知ることができる」「企業や業界の知識を深めることができる」「選考対策を進めることができる」という3つのメリットがあります。
入社前に企業について詳しく理解できていれば、入社後のミスマッチを防げるだけでなく、新人のうちからキャリアプランを立てやすいのも魅力と言えるでしょう。
ここからは、OB訪問の3つのメリットについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
社員の雰囲気を知ることができる
OB訪問を実施することで、ホームページなどのネットでは分からない社員の雰囲気や本音を知れます。
入社前に会社の雰囲気を自分の目で見たり、社員の本音を聞いたりすることで、その企業が自分に合っているのかを確認できるのです。
たとえば仕事をするうえでの喜びややりがい、ストレスに感じることなど、さまざまな本音を聞いておくことで、自分が働いている姿を具体的にイメージしやすくなります。
面接時にも疑問点を質問できる場合がありますが、ストレスに感じることのようなマイナスな部分については、聞き方次第では評価にも影響する恐れがあるので、OB訪問の際に聞いておきましょう。
また、入社までにやっておくべきことや必要なスキルが分かると、事前準備に時間を費やせ、入社してすぐに即戦力として活躍できる可能性も高まります。
企業や業界の知識を深めることができる
OB訪問を実施することで、企業や業界の知識を深められます。
OB訪問を実施しなければ、企業や業界の情報は、自分で調べるしか方法はありません。
調べようと思えばある程度の情報を集めることは可能ですが、それは誰にでも調べられる情報でもあるのです。
たとえば、競合企業に負けない自社の強みや企業の課題についてなどは、その企業で働いている方に聞く以外に知り得ない情報です。
企業や業界の知識はあればあるほど就活に有利なので、企業や業界のことを熟知した、実際に働いている社員の方に聞くことが一番の近道と言えるでしょう。
また、適正がある人の性格や業界の動向などの情報も持っているので、OB訪問の際にはあわせて聞いてみましょう。
選考対策を進めることができる
OB訪問を実施することで、面接対策やES添削などの依頼もできます。
その企業で働いている社員の方々は、実際に面接を受け、採用を獲得してきた方々です。
そのため、その企業が求めている人材や、選考で評価されやすいポイントなどを理解している可能性が高いでしょう。
社会人目線からのアドバイスは非常に貴重なので、選考を有利に進めていくためにも、OB訪問で面接対策やES添削などをお願いすることをおすすめします。
ただしES添削については、OB訪問の場で手渡してお願いしないように気を付けましょう。
事前に添削の文章を送っておくと丁寧ですが、この際もただ送るだけではなく、メールのマナーについても注意しなければいけません。
【OB訪問とは】OB訪問の流れ
OB訪問には、業界や企業について理解を深められたり、雰囲気や本音を聞き出せたりなどメリットが多く、就活に有利なことが分かりました。
では実際にOB訪問を行う際には、どのような流れで進めていけば良いのでしょうか。
OB訪問は、いつでも構わず訪問していいというわけではなく、訪問中も社員の方々は勤務中であることを忘れてはいけません。
正しい流れを理解し、失礼のないよう進めていきましょう。
ここからは、OB訪問の流れについて詳しく解説していきます。
目的を設定して探す
はじめに、自分がどんな人に会いたいのかの目的を設定しましょう。
大学のキャリアセンターやOB訪問用のアプリ・サービスを活用することで、会いたい人をスムーズに探せます。
たとえば、営業職や企画職などの職種で会いたい人を探せば、自分の興味のある職種について専門的な知識を増やせるでしょう。
また、若手かベテランか年齢で探せば、それぞれの視点で社員同士の関係や仕事での喜びなどリアルな声を聞けます。
OB訪問に限った話ではありませんが、就活において目的を明確にすることは重要です。
「周りがOB訪問をしているから」などと、なんとなくでOB訪問を実施しても、就活に有利になるとは言えません。
OB訪問が無駄なものにならないためにも、目的をしっかりと設定して進めていきましょう。
アポイントをとる
次に、OB訪問したい人が見つかったら依頼します。
メールで依頼する場合は、件名やメッセージの内容など、メールのビジネスマナーについても注意が必要です。
電話で依頼する場合も、会社の方に迷惑がかからないよう時間や場所に配慮しましょう。
また、話すことを事前にまとめ、メモや筆記用具を手元に準備しておくとスムーズです。
OB訪問を依頼し、前向きな返事をもらったら日程調整に進んでいきますが、ここで注意しておきたいのが、自分の日程は事前に確認しておくことです。
特に電話でのアポイントで、日程を確認するために相手を待たせたり、後から自分のスケジュールが原因でキャンセルしてしまったりすると、意欲が感じられず悪い印象を与えてしまいます。
アポイントをとる前にも伝えたいことをまとめておき、失礼のないようにしましょう。
実際に訪問する
日程の調整ができたら、実際にOB訪問をします。
社員の方と顔を合わせたら、大学名と名前などの簡単な自己紹介をし、時間を作ってくれたことに対してお礼を言いましょう。
手土産を準備している場合は、このタイミングで渡すのがマナーです。
また、OB訪問中はメモをとることが基本です。
事前に質問したい内容をメモにまとめ、すぐに質問してメモができるよう、手元には大きすぎないメモ帳とペンを準備しましょう。
質問する際は、相手の話をさえぎらないことはもちろん、質問が多すぎても印象は良くありません。
会話も楽しみつつ、聞きたいことはしっかりと聞くというバランスが大切です。
質問したい内容は、あらかじめ前日までに相手に送信しておくと丁寧です。
お礼
OB訪問においても、社会人としての礼儀は大切です。
OB訪問後は、その日のうちにお礼のメールを送りましょう。
お礼のメールは、早ければ早いほど誠意の高さや礼儀正しさを感じられ、好印象につなげられます。
そのため、できるだけ早く感謝の気持ちを伝えましょう。
お礼のメールを送る時間は、遅くても夕方までに済ませておくと良いですが、OB訪問自体が遅い時間に開始し、お礼のメールが深夜になる場合もあるかもしれません。
この場合には、翌日午前中のうちにメールを送るのがマナーです。
メールを送るタイミングも重要ですが、内容にも注意しましょう。
忙しい中時間を作ってくれたことへの感謝の気持ちはもちろん、OB訪問で学んだことや今後の抱負などについても伝えられると丁寧です。
【OB訪問とは】OB訪問で聞くべきこと
OB訪問で質問したいことは、事前にまとめておくとスムーズですが、「何を質問したら良いのか分からない」と悩んでしまう人も少なくありません。
また、こちらから質問する前に、準備していた質問についての説明が行われる場合もあるかもしれません。
その可能性も踏まえ、いくつかの質問を準備し、優先順位を決めておくと良いでしょう。
ここからは、OB訪問で聞くべき5つの質問について詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
業務内容
「1日のスケジュールを教えてください」など、実際の業務内容について聞いてみましょう。
企業の1日のスケジュールは、ネットで調べても知り得ることのできない情報です。
これを聞くことで、会議の頻度や外回りの時間などを知れるため、自分が入社したときの働き方を具体的にイメージできます。
また、細かいスケジュールを聞き出せれば、入社後のミスマッチを防げます。
さらに、そのスケジュールから「どういう社風なのか」「どういったところで苦労しそうか」まで考えられると良いでしょう。
たとえば営業職の場合、会議の頻度が高ければ高いほど、営業する時間が限られるため「残業が多くなる可能性があるかも」「ノルマ達成に悩まされそう」などと推察できます。
社員の雰囲気
「御社の社員の方に共通する特徴には、どのようなものがありますか」など、社員の雰囲気が自分に合うのかを確認できる質問をしましょう。
どの会社にも自分と合わない性格の人はいますが、そのような人ともうまく付き合っていかなくてはなりません。
企業の社風や雰囲気によって、社員の方とコミュニケーションがうまくとれないなど、仕事を進めていくうえでマイナスな影響が生じる可能性もあります。
OB訪問する前は、企業の社風が自分に合っていると感じていたとしても、実際に訪問してみたら「自分とは合わないかも」と感じる場合も少なくありません。
仕事がストレスに感じてしまえば、最悪の場合早期退職してしまう恐れもあります。
志望する企業で長期的に活躍していくためにも、社員の方に共通する特徴を聞き出して、自分に合うのかを確認しましょう。
ワークライフバランス
「月にどの程度残業をされていますか」など、ワークライフバランスについても、自分の理想と近いのかを聞いておきましょう。
残業の頻度を聞くことで、趣味に没頭する時間など、仕事以外での生活リズムもイメージしやすくなります。
ワークライフバランスが整えば、たとえ仕事でストレスを抱えても、プライベートの時間で自分なりに発散できます。
また、仕事とプライベートのバランスが整えば、より仕事を頑張れるようになるでしょう。
一見マイナスな質問に感じますが、モチベーションアップのためには聞くべき質問なので、遠慮せずに聞いてみましょう。
将来的に結婚や出産をする可能性もあり、家事や育児と両立していけるかどうかを考えられるので、ワークライフバランスについては必ず聞いておきましょう。
就活
「御社に入社を決めた理由を教えていただけますか」など、なぜその企業に魅力を感じたのかを聞きましょう。
OBの方は、実際にその企業の面接を受けた方です。
そして、その志望動機は面接官に評価され、内定を獲得できたものです。
入社を決めた理由を聞き、自分の志望動機の参考にしてみると良いでしょう。
これまでに自分では気づけなかった、企業の魅力を知れるチャンスでもあります。
しかし、すべてをそのまま真似してしまうのは良くありません。
共感した部分や共通している部分を、自分の志望動機に当てはめてみましょう。
また、面接時の雰囲気や気を付けたいポイントに加え、今やっておくべきことなどもあわせて聞けると、さらに参考になります。
今後のキャリア
「今後はどのようなキャリアを考えておられますか」など、社員の方がどのような目的を持って働いているのかを聞いてみましょう。
OBの方の年次によって異なりますが、どのタイミングでどのようにキャリアアップを目指していけるのかなどを具体的に知っておくことで、自分のキャリアプランの参考にもなります。
また、社員はOBの方だけではありませんが、今後のキャリアを考えている方は、定期的に目標を見直していたり、自分の軸をしっかりと持っていたりなどといった共通点があります。
また現在の課題や問題に対して向き合い、解決する力を持っているので、このような方と一緒に仕事ができれば、自分自身も大きく成長できる可能性が高いです。
【OB訪問とは】OB訪問時のマナー
OB訪問の目的や聞きたいことが明確で、多くの知識を得られたとしても、訪問時のマナーが悪ければ、会社側から見た印象は決して良くありません。
OB訪問の際の良くない印象がマイナス評価となり、選考に落ちてしまう場合もあるかもしれません。
ここでの態度やマナーが、面接時の評価材料として利用される場合があるので、十分に注意しましょう。
OB訪問で特に気を付けたいマナーは「遅刻」「服装」「言葉遣い」の3つです。
ここからは、その3つのマナーについて詳しく解説していきます。
遅刻は厳禁
社会人として、遅刻は絶対にしてはいけません。
まずは、OB訪問の日程が設定できたら、日時や待ち合わせ場所を忘れないようにメモしておきましょう。
当日は、5分前には待ち合わせ場所に到着して、待機しておくのがマナーです。
公共機関の遅延などの理由でやむを得ず遅刻する可能性もあるでしょう。
そのような場合を除き、遅刻は社会人として許されるものではなく、時間の管理ができないだらしない人と印象付けてしまいます。
OB訪問の評価がその後につながる可能性もあるため、ここで印象が悪いとそのほかでたとえどんなに礼儀が正しくても、「だらしない人」というレッテルは貼られたままになっていまいます。
万が一のことがあってもスムーズに対処できるよう、会社の電話番号を登録しておいたり、現金を持ち歩いたりしておくと安心です。
どのような理由であっても、遅刻する場合は分かった時点ですぐに電話で報告しましょう。
服装
OB訪問を行う際の服装は、基本的にはスーツが無難です。
派手な色は避け、黒や紺などの落ち着いた色のスーツにしましょう。
しわや汚れがあるとだらしなく見えてしまうだけでなく、清潔感のないように見えてしまいます。
当日になってあわてることのないよう、余裕を持たせて2〜3日前までにはしわや汚れの確認しておくと安心です。
ほかにも男性は白のシャツ、ネクタイはグレーや水色、えんじなどの色を選びましょう。
女性は白のブラウス、肌に近い色のストッキングなどがマナーです。
場合によっては、私服を指定されることもありますが、普段から着ているような私服ではなく、オフィスカジュアルがおすすめです。
この場合でも、カジュアルすぎず清潔感を意識した装いを心がけて、OB訪問に臨みましょう。
言葉遣い
社会人にとって言葉遣いは、重要なビジネスマナーのひとつでもあります。
普段使っている言葉が正しい敬語だと思っていても、実は間違った使い方をしている可能性も考えられます。
OB訪問では、正しい言葉遣いが使えているのかどうかで、印象が大きく左右されると言っても過言ではありません。
企業によっては、OB訪問の評価が選考に影響する場合もあるため、面接ではもちろんのこと、OB訪問でも同じように注意する必要があります。
たとえば、一人称は「自分」ではなく「わたし」「わたくし」、返事をするときは「分かりました」ではなく「承知いたしました」「かしこまりました」が正しい言葉遣いです。
これらの正しい言葉遣いは、OB訪問の場でとっさに使えるものではありません。
使い慣れていなければ間違える可能性が高いので、敬語の使い方を今一度見直しておきましょう。
【OB訪問とは】OB訪問依頼メール例文
(宛名)株式会社〇〇 〇〇部〇〇課〇〇〇〇様
(本文)突然のご連絡で大変失礼いたします。
私は、〇〇大学〇〇学部の〇〇〇〇と申します。
現在、〇〇年度の新卒入社に向けて就職活動をしておりまして、貴社を志望しております。
大学のキャリアセンターで〇〇様を知り、OB訪問をさせていただきたくご連絡いたしました。
つきましてはご多忙とは存じますが、お受けいただけるのであれば、下記で〇〇様のご都合の良い日時を伺えれば幸いに存じます。
10月12日(木)14時以降
10月13日(金)14時以降
10月14日(土)10時以降
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
(署名)〇〇大学〇〇学部〇〇〇〇
おわりに
今回は、OB訪問についてのメリットやOB訪問の流れ、マナーなどを詳しく解説してきました。
まずはOB訪問の目的を明確にするところからはじめ、アポイントをとる際や当日までの準備、当日の流れなど最低限のマナーを守り、社員の方に失礼がないよう注意しましょう。
OB訪問での態度や意欲が、面接時の評価につながる可能性もあるので、遅刻や服装、言葉遣いには特に注意が必要です。
今回解説してきたことをぜひ参考にして、有意義なOB訪問を目指しましょう。