はじめに
医療系のベンチャー企業への就職を希望している人も多くいるでしょう。
医療系のベンチャーといっても、なかなか想像がつかないでしょう。
医療機関、新薬の需要が高まっている昨今、医療系のベンチャーはとても人気が高いです。
専門的な資格が必要な求人も多いですが、専門資格を持っていなくても応募できる求人もあります。
今回は、医療業界全体のこと、医療系のベンチャー企業まで徹底的に解説していきましょう。
医療業界に向いている人?
医療系のベンチャーに就職する際、特に明確にしておきたいのは志望動機です。
医療業界を選んだか自分の中にあっても言語化してまとめるのは難しいでしょう。
なぜその業界を選んだかは絶対に聞かれることなので、しっかりまとめておく必要があります。
自分の経験や医療業界に感じていることがあるならば、それをメインに作っていくとより良いものになります。
具体的な例を以下に挙げましたので、参考にしてください。
医療を身近に感じた
自身が通院や入院していた際に、医者や看護師をはじめ、薬や医療機器などのサポートを受けることが誰しもあります。
「日常的に誰もが利用する医療業界を身近な業界だと感じたため、医療業界に興味を持った」という動機付けも良いでしょう。
志望する医療機関を利用したことがあるならば、面接やエントリーシートで魅力を感じた点を挙げるのも有効です。
スタッフさんやサービスにおいて良いと思った部分に感銘を受け自分もそのような仕事がしたいという動機につながります。
医療業界で働いた経験はなくても比較的、日常で触れやすい業界でありそう考えると想像しやすくなるものです。
困っている人を助けたい
医療業界には、高齢化が進む日本で医療従事者が不足している現状があります。
そのような現状を知り、なんとか立て直したいという思いで医療業界にチャレンジするのも良いでしょう。
新型コロナウイルスも相まって、医療従事者の困難が取りざたされていますが、人に感謝されやりがいのある仕事です。
昨今、医療業界は需要が高まっていますし、求人数も多くなっています。
医療業界への就職を考えている人の中には、すでに「困っている人を助けたい」という気持ちがある人も多いでしょう。
医療業界の現状は詳しく知らなかったという人もこの機会に調べてみることで、今までとは違う動機が湧いてくるかもしれません。
元々、困っている人を放っておけないという性格の人も、医療業界に向いている可能性が高いでしょう。
医療業界に対して危機感を覚えた
前述した通り、高齢化や新型コロナウイルスによって医療のニーズが高まっています。
しかしながら、専門性や厳しい労働環境により人手不足が深刻です。
また、地域の医療格差や少数経営、赤字経営が顕著になってきています。
そのような医療業界の問題に対し危機感を覚えたということを動機にしても良いでしょう。
医療業界は、今や厳しい業界かもしれませんがいつの時代になっても世に必要とされる業界です。
医療機関の人手不足は深刻ですが、労働環境の厳しさが報道されることでさらに志望者が減っていることも事実でしょう。
そのような業界の状況を知り、医療業界の危機を救いたいということが少しでも動機としてあるなら面接などでアピールしてください。
医療業界の動向・将来性
医療系のベンチャー企業に就職したい人は、医療業界の動向もなるべく把握しておきましょう。
医療業界は、病院だけを指すのではなく医薬品業界、医療機器や医療用品を取り扱う業界など分かれています。
どの職種の業界が自分に合っているか改めて確認しておくためにも、詳しい医療業界の動向を知るべきです。
医療業界の動向を知り、業界全体や志望する企業への理解を深めましょう。
医薬品業界
医薬品業界には、新しい医薬品を開発できる環境が整っている国が少ないという現状があります。
日本に関しては環境は整っているものの、 企業の規模が小さく、外資との競争が激しいことが問題です。
世界的に、新薬の研究費は増加傾向にあり日本の小規模な企業では太刀打ちできないということもあるでしょう。
しかし、新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の新規開発も世界中で盛んに行われており、日本も例外ではありません。
新しい医薬品を開発できる環境が整っている国が少ない分、むしろ積極的に戦いたいというベンチャー企業も多いはずです。
規模の小さい企業でも、大きな事業に携わっている企業も多くあり将来性もある魅力的な業界でしょう。
医療機器、医療用品業界
医療機器、医療用品業界も昔と比べて、やはり動向が変化しています。
新型コロナウイルスの影響で市場は拡大し、医療機器、医療用品業界の需要の増大が見込まれている時です。
医療機器や医療用品の需要が高まる中、医療の場でもデジタル機器やAIなどの新しい技術もより進歩していっています。
画像診断などの領域は海外との競争力がありますが、日本はあまり存在感が発揮できていません。
またAI技術が、医療分野にも求められています。
AIの進歩で、治療できる病気の幅も広がりますし、医療の現場でAIは今後さらに需要が拡大するでしょう。
しかし、医療機器や医療用品業界も機械やロボットに頼るだけでは回らない仕事です。
医療機器やAIを製造する人、医療用品を販売する人など、これからも多くの人材が必要とします。
医療機関
高齢化や新型コロナウイルスによって、医療のニーズが高まっています。
病院など直接、患者さんと関わる医療機関の職業はやりがいも高く以前から人気のある職業です。
しかし、その専門性や厳しい 労働環境により人手不足が深刻化してきています。
高齢化や新型コロナウイルスによる患者の増加で、看護師をはじめとして医療従事者が不足していることも原因の一つです。
それに伴い、労働状況が悪化することで辞めてしまう人も増え、人手不足になる医療機関が後を絶ちません。
地域の医療格差や少数経営、赤字経営も顕著になってきています。
そのような問題も、人手不足に並ぶ大きな問題と言えるでしょう。
人手不足により少数経営となり、医療の質が低下し赤字経営へという負の循環に陥っているのが医療機関の苦しい現状です。
以上のような現状に伴い、医療機関の求人は増える一方で人手不足が深刻化していくという現状があるのです。
医療業界の仕事紹介
一口に医療業界の仕事といっても、その内容は細分化しており多くの職種があります。
中には、国家資格が必要なものもあり専門性が高い仕事も多いのです。
薬剤師、看護師などは、大変メジャーな職種で多くの人にとって想像がつきやすいでしょう。
ここからは、医療業界の仕事を具体的に紹介していきます。
中には、聞いたこともないというような職種もあるかもしれません。
興味のある仕事、自分に向いていそうな仕事を探してみてください。
病院関係
病院関係の仕事は、一番想像しやすいところかもしれません。
医師や看護師、薬剤師だけでなく、多くの職種の人が働いています。
病院関係の仕事は、国家資格が必要な仕事とそうでない仕事があるので注意が必要です。
資格を取ってから、求人に応募することもできるのでそれも含めて医療系のベンチャーへの就職を考えてみてください。
今更、国家資格を取るのは難しいという人のためにも国家資格が必要ない仕事も紹介していきます。
国家資格が必要な仕事と必要でない仕事、それぞれ見ていきましょう。
国家資格が必要な仕事
まずは、国家資格が必要な仕事のご紹介です。
医療系の仕事は、専門性が高く人の生命を預かる重い責任を負うため、必然的に資格を求められることが多くあります。
国家資格を取ることは、簡単なことではありません。
しかしながら、独学で勉強をして国家資格を取る人もいるので興味のある人は調べてみてください。
また、すでに資格を持っている人で医療系の企業に就職したい人もいると思います。
自分が就けそうな職業がないか、以下を見て確認してみてください。
医師や看護師、救命救急士など
医師や看護師、救命救急士は、病院を利用している患者と直接関わる仕事です。
特に医師は、患者の症状を診察し治療の方向性を決めることにおいて重要なポジションにあります。
また、救急救命士も、医療系の国家資格が必要な仕事です。
すべて、国家資格が必要な専門性の高い職業ですが医療系の仕事の中でもとても人気があります。
患者さんの病気の治療に直接関わる仕事なので責任重大ではありますが、患者さんの感謝の声を直接聞ける立場です。
また、自分の身につけた資格や知識で人を病から救うことができれば努力が大きく報われるように感じられるでしょう。
そのようなところも、これらの仕事の魅力の一つと言えます。
医師や看護師、救急救命士は国家資格が必要ですがその分とてもやりがいのある仕事です。
診療放射線技師、臨床検査技師など
診療放射線技師、臨床検査技師なども、国家資格が必要です。
多くの人が、一度はレントゲンや心電図などを使い体の状態を診てもらったことがあるでしょう。
診療放射線技師、臨床検査技師患者は、患者のレントゲンや血液、心電図などの生体情報をチェックします。
レントゲンや血液検査、心電図は、多くの病院で利用されていますが実は専門知識が必要な高度な医療技術です。
体の内部まで撮影したり採取した血液を検査したりしている人を病院で見たことがあるでしょう。
あのような検査をしているのは、医師ではなく診療放射線技師、臨床検査技師です。
国家資格がないと担当できない仕事ではありますが、患者の診断に大きく携わる仕事でとてもやりがいのある仕事でしょう。
理学療法士、作業療法士など
理学療法士、作業療法士は、リハビリを通して患者の機能回復をサポートする仕事です。
こちらも、国家資格が必要な仕事で専門性が高い職業とされています。
リハビリなどを行うことにより、衰えた体の機能を回復させるのがこれらの仕事でしょう。
医師の診断や薬剤師の仕事は、手術や薬で病気を治療しますが理学療法士、作業療法士は、あくまで機能を回復させる役割です。
病気や怪我によって動けず、衰えた筋肉を適切な方法で鍛えるのをサポートします。
衰えたり思うように動かなくなったりした部分を無理やり動かせば、症状の悪化を招くこともあるのです。
そのため、理学療法士、作業療法士などが持つ専門的な知識や方法、適切なサポートにより患者の体を回復に導く必要があります。
患者が完全に病から復活する最後の段階を手助けする役目なので、こちらも重要なポジションです。
薬剤師
薬剤師は、調剤や医薬品販売、創薬研究に携わる。薬を提供する仕事です。
病院から処方箋をもらい、その処方箋を元に薬局で薬を処方されたことは誰しもあるでしょう。
この薬剤師という仕事も、国家資格が必要です。
調剤というのは、簡単に言うと薬を適切な分量で調合し作ることですが国家資格を持っていないと扱えない薬品もあります。
用法や用量を間違えると、重篤な被害を体に催す作用がある薬品もありますので一般の人は簡単に扱える分野ではありません。
薬剤師の国家資格も大変、難しい資格ではありますが一般向けの教材もあり昔と比べ取得しやすくなっているのも事実です。
医師や看護師よりは、比較的ハードルが低い国家資格と言えますので気になる方は調べてみても良いでしょう。
国家資格が必要ではない仕事
ここまでは、国家資格が必要な医療業界の仕事を紹介してきました。
医療系の国家資格を取得するのは、自分には難しそうだと感じた人もいるでしょう。
しかしながら、医療業界の仕事にも、国家資格が必要でない仕事が存在します。
国家資格が必要でない仕事なら「これなら、できるかもしれない」と思える職業が見つかるかもしれません。
では、国家資格が必要でない医療業界の仕事を紹介していきましょう。
国家資格を取る自信はないけれど、医療業界に興味があるという人はぜひ参考にしてください。
医療事務や看護助手など
まずは、医療事務や看護助手などです。
医療事務は、病院や薬局の受付で事務対応を行います。
病院にも、お会計や待合室での対応をしてくれる事務対応担当の人がいるでしょう。
国家資格も必要なく医療の知識も多くは必要ありませんが、忙しい病院において大切なポジションです。
また、看護助手は、看護師のサポートを行います。
医師のサポートを行うのは看護師ですが、その看護師のサポートを行うのが看護助手です。
病院で働いたことのない人から見ると、そこまで難しくないような仕事にも見えるでしょう。
チームワークが大切な病院では、どのポジションの人も気が抜けません。
しかし、看護師と比べ専門性はそれほど高くないとは言えますし、国家資格は必要ない仕事です。
医療業界で働きたい人は、医療事務や看護助手の求人を探してみると良いでしょう。
医療機器メーカー
病院での仕事を紹介してきましたが、国家資格の有無にかかわらず病院で働くのは自分には合わないと感じた人もいるかもしれません。
また、医療業界全般、人の命や体の健康に携わる仕事ではあるものの、病院での仕事はさすがに荷が重いという人もいるでしょう。
そんな人は、医療機器メーカーに就職するという手もあります。
医療機器メーカーは他業界のメーカーと同様、製品を扱う会社です。
営業職や製造業をやってきて、医療業界に就職したいという人には大変、おすすめできます。
ここからは、医療機器メーカーの仕事を紹介しましょう。
営業
医療機関を対象に、医療機器や消耗品の提案営業を行います。
製品を企業に売り込むという点では、他業界の営業職と同じでしょう。
医療業界への就職を考えるまでは、営業職をしていたという方には医療機器の営業はおすすめです。
医療機器は、現代の病院で患者の治療を行う際に欠かせないものとなっています。
また、医療機器などの電気用品だけでなく注射器などの消耗品も取り扱うのが医療機器メーカーです。
一般的な営業職と同じように、製品を使用してもらえるよう医療機関へ提案します。
これまで、営業職で結果を出してきた人なら医療機器メーカーでもその力を発揮することは十分可能でしょう。
営業に自信がある人は、医療機器メーカーでの営業職をぜひ検討してみてください。
サービスエンジニア
サービスエンジニアは、自社の製品を利用してくれる医療機関を訪問し、点検や修理などを行います。
点検や修理の仕事は、世に多くあります。
しかし、医療機器メーカーのサービスエンジニアという職業は知らなかったという人も多くいるでしょう。
営業職が、製品を提案する仕事だったのに対しこちらはすでに使用してもらっている製品の点検や修理を担当するものです。
製造業やエンジニアをやっていた人は、医療機器メーカーのサービスエンジニアの職を考えてみても良いでしょう。
医療機関が使用している自社の製品に故障や誤操作がないか、定期的に点検します。
点検や修理を定期的にすることで、より安心して医療機器を使ってもらえるため、大変やりがいのある仕事だと言えるでしょう。
機械に詳しい人や細かい作業が得意な人は、医療機器メーカーのサービスエンジニアを検討してみてください。
アプリケーション(クリニカル)スペシャリスト
アプリケーション(クリニカル)スペシャリストという仕事も医療機器メーカーには存在します。
聞いたことがないという人も多いと思いますが重要な仕事です。
開発した自社の商品を提案する際に、専門的な観点からアドバイスをします。
営業と違うのは、提案する際により専門的な観点から製品を使ううえでのアドバイスを行う点です。
アプリケーション(クリニカル)スペシャリストが、適切なアドバイスを行うことで製品はより良い効果を発揮します。
こちらの仕事は、実際の勤務経験が ある人が多く活躍する職種なので、実務経験がない人にはハードルが高いかもしれません。
アドバイザーの仕事をしたことがある人や医療機器の専門知識が深い人はチャンスがあるでしょう。
医薬品メーカー
ここまでの仕事で興味が出たものも、あったことでしょう。
続いては、医薬品メーカーの仕事です。
医薬品メーカーは、薬局など医療機関に医薬品を卸します。
薬剤師は、処方箋通りに薬品を調合し患者に必要な分量を処方しますが、薬品メーカーは薬品そのものを取り扱っています。
医療機関と違い直接、患者と関わることはしませんが患者が飲用する薬を販売する大切な仕事です。
医薬品メーカーでも、医薬品を作る仕事、売る仕事など多くの分野に分かれているので自分に合った職を探してみてください。
研究・開発
医薬品メーカーの研究・開発の仕事は、その名の通り医薬品の研究・開発・製造を業務とします。
医薬品に関する知識が必須であり、専門性の高い知識が必要です。
新薬を開発したり既存の薬品よりも効能の高い薬品を開発したりします。
医薬品の開発や研究の仕事をするにあたって、必要な免許や資格は特にありません。
しかし、薬学や解剖学をはじめとした医学の知識が求められます。
新しい薬品を生み出すには、多くの医学や病気に関する知識が必要です。
学校あんどで、きちんと専門知識を身につけなければ現実的に研究・開発の職に就くのは難しいでしょう。
とはいえ、免許や資格は不要なので独学でも深い知識があれば雇ってくれる企業もあるかもしれないので探してみてください。
生産
生産の仕事では、開発された医薬品の品質管理や工務管理などを担います。
開発された薬品を売りに出すまでの、薬品の保管や管理などの業務が多いでしょう。
生産の業務も特に、学歴や資格は必要とされません。
しかしながら、医薬品製造管理者・医薬部外品等責任技術者、総括製造販売責任者などの仕事を持っていると有利でしょう。
危険物取扱者の資格も、製薬会社や医薬品メーカーでは役に立つ資格です。
国家資格などの特別な資格が必要でない仕事とはいえ、専門知識や有利な資格は持っておいて損はありません。
他業種の商品管理等の経験があるのなら、医薬品の生産の職種や資格について調べてみると良いでしょう。
前職の時から持っていた資格や知識が、医薬品メーカーでも役に立つ可能性も十分にあります。
MR
MRは、メディカル・レプリゼンタティブの略で医薬情報担当者を意味します。
自社の医薬品の効能等の情報を提供先の医療機関の医師に説明する役割です。
どちらかというと営業の仕事に含まれるので元々、営業の仕事をしていた人は向いているでしょう。
医薬品について説明を行うだけでなく、自社の医薬品を医療機関に売り込み世に普及しなければなりません。
営業の要素が強い職種ではあるので、営業職が苦手な人は注意しましょう。
自社で開発した商品の情報を医療機関に提供する仕事なので、医薬品についての知識はやはり必要です。
また、新薬の開発などに活かす情報を医療機関から収集します。
そのため、医薬品の知識とともに、コミュニケーション能力も必要な仕事と言えるでしょう。
PMS
PMSは、ポストマーケティングサーベイランス(Post Marketing Surveillance)の略で、製造販売後調査を意味します。
使用された製品の有効性や安全性を確かめ、研究・開発部にフィードバックする仕事です。
すでに、販売されている薬品の調査をするため研究・開発とは違いますが、間接的に関わる職種とは言えるでしょう。
PMSが調査しフィードバックすることで、既存の医薬品が改善されより良い医薬品が世に普及します。
使用された薬品の有効性や安全性を確かめる仕事なので、医薬品や医学の知識は必要です。
実際に、仕事をしてから知識を身につけることも可能ですが、学校に通って専門知識をつけた人のほうがやはり有利と言えるでしょう。
医療業界への就職・転職は?
ここまで、数多くの医療業界の仕事を紹介してきました。
興味のある仕事、自分に合っていそうな仕事が見つかったかもしれません。
他業界と迷っていたが、医療系ベンチャー企業に転職したくなってきたという人もいるでしょう。
専門知識がいるものの、とてもやりがいのある仕事であることがわかったと思います。
どの仕事が良いか、まだよくわからないという人のために、今度は働く場所についてそれぞれ詳しく紹介していきましょう。
どの組織が合っているかという点で考えてみるのも良いかもしれません。
病院関係
医師や看護師のような国家資格を必要とする職業の場合は資格習得から目指します。
医師や看護師は、どうしても資格や免許が必要です。
難しいことではありますが、独学で看護師の免許を取得する人もいますし、転職のための資格取得の講座も世に多く出回っています。
病院関係の仕事は、医師と看護師だけではありません。
しかし、勉強が得意でなく学歴にも自信がないという人は資格が必要でない職種を目指すと良いでしょう。
資格が必要ではない医療事務は看護師などと比べ、比較的には転職しやすい職業です。
医療系でない企業での事務経験がある人は、医療事務で活躍できる可能性が高いでしょう。
病院で働くのは無理だろうと諦めていた人もいるかもしれませんが、職種によっては不可能ではありません。
医療機器メーカー
前述した通り、営業、サービスエンジニアやアプリケーション(クリニカル)スペシャリストなどの職で就職が可能です。
また、医療機器メーカーは、入社時点では特別な資格は必要がありません。
研修や実務で、医療に関する知識はまかなうことができます。
入社後に、臨床工学技士やMDICの資格習得を進める企業も多いでしょう。
ただ、営業職は普通運転免許が必須です。
病院で対人の仕事をするよりも、医療機器などの製品と向き合う仕事がしたい人におすすめです。
営業はコミュニケーション能力が高い方は良いですが、知識の深さや技術で勝負できる仕事もあります。
医療機器メーカーには、企業によっては他にも多くの仕事が存在するでしょう。
機械に強い人は、医療機器メーカーで働くことを視野に入れてみてください。
医薬品メーカー
医薬品メーカーの研究・開発部門では、専門的な知識が求められ、医学部や薬学部卒が有利です。
企業ごとに、必須の資格が異なっています。
医薬品メーカーの営業職は、入社後にMR認定試験を受け合格しなくてはいけません。
病気を治療するための大切な医薬品を扱う仕事なのでその分、専門的な知識が求められます。
医薬品についての知識は、研究・開発だけでなく、営業の仕事をするうえでも大切です。
医療機器メーカーと違い、機械や用具を販売する会社ではないので主に薬品を取り扱うことになります。
病院で対人の仕事をするのも苦手だし、機械も得意でないという人は、医薬品メーカーに勤めるというのも一つの手です。
医薬品メーカーの職種については、仕事紹介の章で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
【医療系ベンチャーとは】医療ベンチャーの動向
医療系のベンチャー企業は、医療機器や医薬品メーカーだけではありません。
医師や看護師不足の解消や病院の業務の効率化、 電子カルテデータの活用などに貢献する企業も増えています。
AIを利用した、医療システムに特化した医療系ITベンチャーが発展しつつある時代です。
医療業界は今、さまざまな問題を抱えていますがその問題を解消する企業や技術が現れている現状もあります。
医師や看護師の不足、医療機関の労働環境の悪化、赤字経営などを解決するための企業で働きたいという人は多いでしょう。
医療系ベンチャーに就職すれば、現代の医療を救うというやりがいが見つかるかもしれません。
医療業界の問題を解決していきたいという気持ちがある人はぜひ医療ベンチャーを目指してください。
注目されている医療系ベンチャー・スタートアップ20選
注目されている医療系ベンチャー・スタートアップとして、どのような企業が挙げられるでしょうか。
ここでは、注目されている医療系ベンチャー・スタートアップ企業を10社紹介します。
エクサウィザーズ
エクサウィザーズは「AIを用いた社会課題解決」をミッションに掲げるAIプラットフォーム企業です。
特に医療・ヘルスケア分野においては、AIを活用した診断支援、創薬支援、介護業務効率化など、多岐にわたるソリューションを提供しています。
例えば、医療画像をAIで解析し、疾患の早期発見をサポートするシステムや、介護現場でのレコメンデーションエンジン開発などがあります。
高齢化社会における医療費の増大や医療人材不足といった課題に対し、AIとデータを活用して持続可能な社会システムの構築を目指しています。
複数の医療機関や製薬会社との連携も積極的に行い、実社会でのAI実装を加速させている点が大きな特徴です。
Preferred Networks
Preferred Networksは、ディープラーニングなどの最先端技術を社会実装することを目指す、日本を代表するAIスタートアップです。
医療分野では、AIを活用した医療診断支援や創薬、ゲノム解析など、生命科学と情報科学を融合させた研究開発に注力しています。
特に、がんの早期発見を目的とした画像診断AIや、新薬開発のプロセスを効率化するAI技術などが注目を集めています。
膨大な医療データをAIで解析し、医師の診断精度向上や研究開発の加速に貢献することで、医療現場の課題解決と新たな医療価値の創出を目指しています。
高い技術力と研究開発力で、医療の未来を大きく変える可能性を秘めています。
CureApp
CureAppは、疾患の治療を目的とした「治療用アプリ」の開発・提供を行う医療ベンチャーです。
アプリを通じて患者の行動変容を促し、生活習慣病や精神疾患などの改善を目指します。
例えば、高血圧やニコチン依存症、不眠症などの疾患に対して、医師が処方する形で使用される「デジタル療法」を提供しています。
医療機関と連携し、エビデンスに基づいた効果を検証している点が特徴です。
従来の薬物療法や手術とは異なる、新しい治療選択肢を提供することで、患者のQOL向上と医療費削減に貢献しようとしています。
ソフトウェアが医療機器として認められる「SaMD」の先駆者として、医療のデジタル化を牽引しています。
メドレー
メドレーは「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに、医療ヘルスケア分野における様々なITサービスを提供する企業です。
主要サービスとしては、医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」、オンライン診療システム「CLINICS」、医療情報サイト「MEDLEY」などがあります。
医療従事者と患者双方の課題解決を目指し、医療機関の採用支援や、オンラインでの医療提供を通じて、医療アクセスの向上や地域医療の発展に貢献しています。
特に、オンライン診療システムの普及を牽引し、患者がより手軽に医療を受けられる環境整備に尽力しています。
医療とITを融合させ、より効率的で質の高い医療サービスの実現を目指しています。
MICIN
MICINは、テクノロジーを活用して「すべての人が自分らしく生きられる世界」の実現を目指すヘルスケアテック企業です。
オンライン診療サービス「curon」を提供し、患者が自宅や外出先から医師の診察を受けられる環境を整備しています。
また、薬局と連携した処方薬の配送サービスや、健康データの管理・活用を支援するソリューションも手掛けています。
さらに、AIを活用した新薬開発支援や臨床開発の効率化にも取り組んでおり、製薬会社との連携も強化しています。
テクノロジーの力で医療体験をより身近で質の高いものに変革し、患者だけでなく医療従事者の負担軽減にも貢献することを目指しています。
Ubie
Ubieは「テクノロジーと医療で健康を支える」を掲げ、AIを搭載した問診システム「Ubie」を開発・提供するヘルスケアスタートアップです。
医療機関向けの「AI問診ユビー」は、患者が事前に症状を入力することで、医師の診察を効率化し、より質の高い医療につなげることを目指します。
また、一般利用者向けの「症状検索エンジン ユビー」は、ユーザーの症状から関連性の高い病名を提案し、適切な受診行動を促します。
医療従事者の業務負担軽減と、患者の医療アクセス向上に貢献しており、全国の医療機関で導入が進んでいます。
AIを活用して、医療現場のDXを推進し、より効率的でパーソナルな医療体験の実現を目指しています。
FRONTEO
FRONTEOは、自然言語処理とAI技術を強みとし、法務、知財、ビジネスインテリジェンス、そして医療分野でソリューションを提供する企業です。
医療分野では、AIを活用した診断支援システムや、創薬研究における論文解析支援、認知症患者の行動パターン解析など、多岐にわたるソリューションを展開しています。
特に、医療現場で蓄積される膨大な非構造化データをAIで解析し、医師の意思決定をサポートする技術に注力しています。
自然言語解析技術を強みに、医療現場における隠れた知見を発見し、診断精度の向上や新しい治療法の開発に貢献することを目指しています。
AIの力で医療の質の向上と効率化を図っています。
Repertoire Genesis
Repertoire Genesisは、T細胞受容体やB細胞受容体のレパートリー解析技術を基盤とするバイオベンチャーです。
免疫細胞の多様性を網羅的に解析する技術を用いて、がんや自己免疫疾患などの診断や治療法の開発に貢献することを目指しています。
特に、個々の患者に合わせたオーダーメイド医療や、新しい免疫療法の開発において、この技術が重要な役割を果たすと期待されています。
免疫レパートリー解析を通じて、疾患のメカニズム解明や治療効果の予測、個別化医療の推進に貢献しようとしています。
最先端のバイオテクノロジーを駆使し、難病治療のブレークスルーを目指す研究開発型企業です。
AMI
AMIは「世界中の人々を、診断から治療までをオンラインで完結できる医療サービスと社会インフラへ」というビジョンを掲げる医療ベンチャーです。
超聴診器「超聴診器 AMI」の開発に注力しており、心音や肺音などの身体情報をAIで解析し、疾患の早期発見や遠隔医療への応用を目指しています。
このデバイスは、非専門家でも簡単に扱えることを目指しており、僻地医療や在宅医療における診断支援ツールとしての活用が期待されています。
AIとデバイスを組み合わせることで、医療従事者の負担を軽減し、医療の質を向上させることを目指しています。
新しい技術で医療アクセスの課題を解決し、より多くの人々が質の高い医療を受けられる社会の実現を目指しています。
Healthcare Technologies
Healthcare Technologiesは、遠隔医療やオンライン診療を支えるテクノロジーを提供する企業です。
特に、法人向けの健康経営支援サービスや、遠隔での健康相談サービスに強みを持っています。
従業員の健康をサポートするためのオンラインツールやプログラムを提供し、企業の生産性向上と医療費抑制に貢献することを目指しています。
また、健康データの活用や、AIを活用した個別化された健康アドバイスの提供にも取り組んでいます。
テクノロジーを通じて、予防医療の推進と、より効率的でパーソナルなヘルスケアの実現を目指しています。
企業や自治体と連携し、誰もが気軽に健康相談できる社会インインフラの構築を進めています。
株式会社Araya
株式会社Arayaは、脳科学と人工知能(AI)を融合させた研究開発に特化しています。
同社の強みは、脳の活動を数学的にモデル化し、AIを用いて解析する「数理脳科学」という独自の技術です。これにより、脳の複雑な情報処理メカニズムを解明し、精神疾患や神経変性疾患などの根本原因を探る研究を進めています。
例えば、うつ病や認知症の早期発見を可能にするAI画像診断支援システムの開発や、脳波を利用してロボットを制御するブレイン・マシン・インターフェースの研究も手掛けており、従来の薬物治療や物理的な治療に代わる、新しい医療ソリューションの創出を目指しています。
株式会社T-ICU
株式会社T-ICUは、集中治療室に特化した遠隔集中治療支援サービスを提供しています。
日本のICUは専門医が不足している現状があり、同社のサービスは、遠隔地から専門医がリアルタイムで患者のバイタルデータや検査結果をモニタリングし、現場の医師や看護師に助言を行うことで、医療の質の均てん化に貢献しています。
特に、救急搬送後の初期対応や、重症患者の病状急変時における専門的な判断をサポートすることで、救命率の向上に大きく貢献しています。
このサービスは、地方の病院や小規模な医療機関でも高度な集中治療が受けられるようになるため、医療格差の是正にも繋がると期待されています。
株式会社Smartmedical
株式会社Smartmedicalは、音声解析技術を医療分野に応用したユニークなスタートアップです。
同社が開発した音声感情解析AI「Empath」は、声に含まれる抑揚やトーン、リズムなどの非言語情報を解析し、話者の気分や感情状態を瞬時に分析します。
この技術は、精神科領域におけるうつ病の早期発見や、コールセンターでの顧客対応品質管理、さらには高齢者施設での見守りサービスなど、多岐にわたる分野で活用されています。
また、オンライン診療プラットフォーム「Smart Clinic」も提供しており、Empathと組み合わせることで、遠隔診療における患者の心の状態を把握し、より質の高い医療提供を目指しています。
株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
株式会社メンタルヘルステクノロジーズは、法人向けメンタルヘルスケアサービスのリーディングカンパニーです。
企業のストレスチェック義務化に対応したクラウドサービス「eltex」を開発し、ストレスチェックの実施から結果分析、集団分析までをワンストップで提供しています。
さらに、オンラインで産業医やカウンセラーに相談できるサービス「eltex mental care」も提供しており、従業員が気軽に心のケアを受けられる環境を整備しています。
働く人々のメンタルヘルス問題を解決することで、企業の生産性向上や離職率低下に貢献しており、現代の働き方における重要な課題に取り組んでいます。
株式会社Welby
株式会社Welbyは、デジタルヘルスサービスに特化した企業です。
生活習慣病や慢性疾患を抱える患者向けに、スマートフォンアプリ「Welbyマイカルテ」を提供しています。
このアプリを通じて、患者は日々の血糖値や血圧、食事内容、運動量などのデータを手軽に記録・管理できます。
これらのデータは医療機関と共有され、医師や看護師が患者の状況を正確に把握し、よりパーソナライズされた治療計画を立てることが可能になります。
製薬会社との協業にも積極的で、デジタル技術を活用した新しい治療補助アプリの開発も進めており、医療のDXを推進する存在として注目されています。
株式会社ヘルスケアシステムズ
株式会社ヘルスケアシステムズは、病院経営の効率化と質向上を支援するコンサルティングサービスを提供しています。
同社の強みは、医療機関が保有する診療情報や経営データを深く分析し、データに基づいた経営改善提案を行う点です。
特に、DPCデータやレセプトデータを解析し、診療報酬の最適化や病床稼働率の向上など、収益改善に直結するコンサルティングを行っています。
これにより、医療機関はより効率的な経営が可能となり、その結果として、患者サービスの向上や医療の質の維持・向上に繋がります。
株式会社メドパス
株式会社メドパスは、遺伝子情報と生活習慣データを統合した個別化ヘルスケアサービスを展開しています。
唾液や血液から得られる遺伝子情報を解析し、将来の病気リスクや体質の傾向を予測します。
この情報に、日々の食事や運動、睡眠などの生活習慣データを掛け合わせることで、一人ひとりの身体に合った最適な健康プランを提案します。
従来の画一的な健康管理ではなく、科学的な根拠に基づいたパーソナライズされた予防医療を実現することで、健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。
株式会社LiLz
株式会社LiLzは、AI画像解析技術を活用した遠隔モニタリングサービス「LiLz Gauge」を開発しています。
元々は工場やインフラ設備の点検業務を自動化する目的で開発されましたが、その技術は医療・介護分野にも応用されています。
例えば、高齢者施設のベッドサイドに設置したカメラでAIが利用者の体動を検知し、転倒リスクを予測したり、在宅医療の現場で患者の容態を遠隔から観察したりすることが可能です。
人手不足が深刻な医療・介護現場において、AIによる自動監視は、職員の負担を軽減し、より質の高いケアを提供するための有効な手段として期待されています。
株式会社メディフォン
株式会社メディフォンは、医療分野に特化した多言語通訳サービスを提供しています。
増加する在日外国人や訪日外国人患者に対し、電話やビデオ通話を通じて、医療現場でのコミュニケーションをサポートします。
通訳者は全員が医療分野の専門知識を持ったプロフェッショナルであり、医療用語にも精通しているため、正確で安全な通訳を提供することができます。
また、通訳だけでなく、医療機関向けの外国人患者受け入れコンサルティングも手掛けており、外国人患者が安心して日本の医療サービスを受けられる環境整備に貢献しています。
株式会社CYBERDYNE
株式会社CYBERDYNEは、装着型サイボーグ「HAL」の開発で世界的に知られています。
HALは、脳からの神経信号を読み取り、モーターを制御して装着者の手足の動きをアシストするロボットスーツです。
脳卒中や脊髄損傷などで手足の麻痺を抱える患者のリハビリテーションに用いられ、自力での歩行機能の回復を促します。
同社の技術は、身体機能を改善させるだけでなく、脳と身体を繋ぐ神経回路の再構築を促す新しい治療法として注目されています。
医療現場だけでなく、介護や福祉、労働支援など、幅広い分野での応用が期待されています。
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おわりに
今回は、医療系ベンチャーに就職したい人のために医療業界や企業について紹介しました。
医療業界は今、問題が山積みではありますが、ベンチャー企業に入社し解決に貢献するのもやりがいがあるかもしれません。
前職で得た、知識や資格を活用できる職業や企業もあるはずです。
医療系ベンチャー企業は、魅力的な企業ばかりですが自分に合った企業を選ぶ姿勢は必要でしょう。
やってみたい仕事、興味が湧く企業を探す時の参考にしてみてください。