はじめに
webテストとは、就職活動において企業が応募者の能力や性格を見極めるために行うオンラインテストです。
実施する目的は、主に応募者の絞り込みとされています。
このwebテストは、自宅や学校などのパソコンから受験することもあれば、指定された会場で受験することもあります。
出題される問題の難易度はさほど高くありませんが、比較的短い時間で解かなければならないため注意が必要です。
今回は、webテストの種類や練習方法について解説していきますので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。
【webテストの練習方法は?】webテストの種類について
webテストにはいくつか種類があります。
その中でもSPIや玉手箱といったものは、実施している企業が多いです。
また、GAB・CAB・TG-WEBなども挙げられるでしょう。
GABは商社や証券会社、CABはIT企業、TG-WEBは大手企業やコンサルティング企業などがよく実施しています。
webテストでは、能力検査と性格検査の2つを行います。
応募した企業で必要なwebテストについて事前に把握しておくと対策しやすくなるので、まずはどのようなものがあるのか順に見ていきましょう。
SPI
SPIは、「Synthetic Personality Inventory」の頭文字を取って名付けられたwebテストです。
そして、多くの企業に採用されているテストとしても有名です。
SPIには自宅で受ける「webテスティング」と、共通会場で受ける「テストセンター」の2種類があります。
中学校〜高校程度の学力を問われるもので、難易度そのものは高くありません。
また、SPIは能力検査と性格検査の2つに分けられています。
能力検査は主に言語能力検査・非言語能力検査の2つに分かれており、平たく言うと、言語能力検査は国語のテストで、非言語能力検査は数学のテストのようなものです。
一方、性格検査は受験者の性格や思考などを図るテストですが、おおよそ直感で答えていくものなので、基本的に性格検査の対策は特に必要ありません。
玉手箱
日本エス・エイチ・エル社が提供している玉手箱も、SPIのように多くの企業が利用するwebテストのひとつです。
テストの形式としては、基本的に自宅のパソコンで受けます。
また、玉手箱には1つの出題形式に対して1種類の問題が出続けるという特徴があります。
制限時間は短いため、1つの問題にあまり時間をかけられません。
SPIと比べると、出題数が減る一方、難易度が少々上がります。
また、玉手箱も能力検査と性格検査の2つに分けられています。
能力検査で出題される問題は、計数と言語がそれぞれ3種類、英語が2種類の全部で8種類あり、企業ごとに問題の組み合わせ方が違う点に注意が必要です。
性格検査は、日本エス・エイチ・エル社によるテストならば基本的に同じようなものになります。
GAB
GABは「Graduate Aptitude Battery」の頭文字を取って名付けられたテストで、こちらも玉手箱と同じく日本エス・エイチ・エル社が提供しています。
GABはテストセンターのパソコンで受ける「C-GAB」、自宅のパソコンで受ける「Web-GAB」、そして企業で受ける「GAB」の3種類があります。
企業で受験する場合、基本的にマークシート方式でパソコンを用いません。
なお、以下ではまとめて「GAB」として扱います。
GABは、SPIなどと比べると難易度が高いです。
テスト内容としては計算・言語・英語の3分野で構成されており、長文読解や図表の読み取りが多く出題される傾向が見られます。
また、これらの能力テストと合わせて性格テストも受ける必要があります。
CAB
CABは「Computer Aptitude Battery」の頭文字を取って名付けられたテストで、主にSEやプログラマーなどが活躍するIT企業で採用されています。
こちらも玉手箱やGABと同じく日本エス・エイチ・エル社が提供しています。
CABも能力テストと性格テストの2つがあり、主に情報処理やシステム関連企業に必要な知識が問われるでしょう。
また、CABはテストセンターのパソコンで受ける「C-CAB」、自宅のパソコンで受ける「Web-CAB」、試験会場に出向いて受験するペーパー式の「CAB」の3種類があります。
webテストの内容は、暗算・法則性・命令表・暗号の4科目から成り立ち、出題される問題はどれも論理的な思考力を問うもので構成されています。
webテストの方がペーパー式よりも出題数が多く、問題の難易度も高いです。
また、企業が用意した会場でテストを受ける場合、電卓の使用は許可されていません。
TG-WEB
TG-WEBはヒューマネージ社が提供しているwebテストです。
自宅での受験がメインですが、テストセンターで受けることもあります。
大手企業やコンサルティング会社などが実施しており、徐々に導入する企業が増えてきているので知っておくと良いでしょう。
TG-WEBも、能力検査と性格検査の2つに分けられています。
能力検査の出題数は少ないですが、内容は他のwebテストと比べると少々難しい傾向にあり、そのため事前の対策が欠かせません。
さらに、他の試験との違いに、「従来型」と「新型」の2つがあることが挙げられます。
能力検査で出題される問題は、計数・言語・英語の3つです。
また、性格検査は7種類あり、それぞれの名称は「A8」「CAM」「CP」「G9」「T4」「Vision」「W8」となっています。
【webテストの練習方法は?】練習方法について
ここまで、webテストの種類について解説しました。
では、実際に自分が受けるテストは具体的にどのような対策をすれば良いのでしょうか。
能力検査も性格検査も、テストの画面や回答方法を事前に把握していることが大切です。
本番で失敗しないために、パソコンの操作にも慣れておいてください。
また、性格検査は設問数が多いので、形式を掴めていると良いでしょう。
そこで次は、練習方法についてwebテストごとに紹介していきます。
SPI
SPIには言語能力検査と非言語能力検査があると述べましたが、なかには英語検査、構造的把握検査を実施する企業も少なくありません。
これらの検査の対策に時間を取ることは難しいと思うかもしれませんが、SPIの対策では、複数の対策本に手を出す必要はありません。
問題文が違うだけで、基本的に解き方は同じだからです。
そのため1冊の対策本を使い、同じ問題を何度も繰り返し解くようにしましょう。
SPIは、基礎的な学力が身についていれば問題なく解くことが可能です。
しかし問題の後半に進むにつれて、難易度が上がっていく特徴があるので、きちんと解き方を覚えて解答率を上げましょう。
また、webテストでは電卓の使用が許可されていますが、時間内に解かなければいけないのでぜひ使いこなせるよう練習しておいてください。
玉手箱・GAB
玉手箱・GABの2つは問題の出題形式がほとんど同じであるため、同時に対策することが可能です。
つまり、玉手箱の対策本を使用すれば、GABの対策もできるということになります。
なお、玉手箱・GABの2つは正誤以外に「〜からは判断できない」(言語問題)といった問題が出るため、対策本の解説をよく読んで解き方を覚えてください。
また、制限時間に対して問題数が多く、効率良く解かなければいけないことに注意が必要です。
問題はさほど難しくはありませんが、求められている答えを瞬時に導き出さなければなりません。
問題を処理するスピードと正確さが重要になってくるので、普段から多くの問題を解いていき、直観的な判断力を養いましょう。
CAB
CABはできるだけ多くの問題に触れて、出題パターンを掴むことが重要です。
形式が独特であり、事前の対策が必須とされているので、対策本や対策アプリなどを活用して必要な知識を定着させましょう。
また、CABは同じ分野でも設問数がそれぞれ異なるので、分野ごとのコツを覚える必要があります。
たとえば、暗算ではスピードが大事なので、日頃から暗算するクセをつけて計算力を高めておくと良いでしょう。
また、命令表では数学の公式を特に必要としないため、思考を整理して解くようにすると良いです。
そして、法則性や暗号は苦戦する人が多いので、前もってさまざまなパターンの問題に触れて慣れておくようにしてください。
CABでは正答率を上げていくことが大事であり、多くの問題を解いて自分が苦手な問題を把握することが重要です。
TG-WEB
TG-WEBは、webテストの中では比較的難しく、しっかりと対策しなければなりません。
TG-WEBの能力検査は大きく分けると言語問題と計数問題の2つがあり、これらには従来型と新型の2種類が存在します。
従来型と新型では、それぞれ出題内容が異なるため注意しましょう。
TG-WEBの言語問題には長文読解や空欄補充などがあり、センター試験の現代文を解くことも対策のひとつになります。
一方、計数問題には展開図や推論などがあるので、対策本などを使って普段から慣れておくと良いでしょう。
従来型の問題は新型に比べると難易度が高い一方、新型は従来型よりも問題数が多いので、自分が受けるのはどちらなのかを調べ、それに合った対策を行うようにしてください。
【webテストの練習方法は?】おすすめの対策本
webテストの種類や練習方法について知った後は、いよいよ本格的に対策の準備に入ることでしょう。
webテストに合格するためには、対策本を活用することをおすすめします。
しかし、対策本はたくさんあるので、どれを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。
対策本には練習問題と答えだけでなく、解説やそれぞれの分野の特徴なども掲載されています。
対策本を購入し、それをマスターして高得点を目指しましょう。
最後に、おすすめの対策本をいくつか紹介していきますので参考にしてみてください。
これが本当のSPI3だ! 【2024年度版】
解説が中心に掲載されているため、SPI対策を始めたいという方におすすめです。
解説は講義形式になっており、丁寧でわかりやすく、性格検査の解説もあります。
これらに加え、SPIの主要3方式「テストセンター」「ペーパーテスト」「webテスト」の3つがすべてカバーされています。
それぞれの方式によって、出題分野や問題の傾向は決まっているので、過去の出題傾向を押さえた対策をするために有効でしょう。
また、2024年度版では、非言語問題の一部が差し替えられています。
さらに、問題と解説と答えが見開きで展開されているため、非常に見やすいレイアウトになっています。
そして出題範囲表もあり、方式ごとの出題範囲の確認に手間がかかりません。
問題量が多く、難易度にも幅があるので、まずはこの本から着手すると良いでしょう。
2024最新版 史上最強SPI&テストセンター超実戦問題
この本では、言語能力検査と非言語能力検査の徹底した対策が可能です。
先ほどご紹介した『これが本当のSPI3だ! 【2024年度版】』とは異なり、問題中心で構成されています。
難易度の高い問題も多く掲載されており、高得点を狙いたい人におすすめです。
また、テストセンター形式の模擬テストが収録されているのも嬉しいポイントです。
能力検査はもちろん、実際のSPI測定領域に基づく性格検査も行えるので、面接対策につながるでしょう。
そして、練習問題と模擬試験の解答は別冊になっているので、答え合わせも簡単にできます。
さらに、時間に追われる本番において役に立つ、メモの取り方や計算方法なども知ることができるので、持っておいて損はない1冊と言えるでしょう。
これが本当のCAB・GABだ!【2024年度版】
『これが本当のCAB・GABだ!【2024年度版】』は、1冊でCAB・GABの対策ができる良書だと言えます。
他の問題集では扱っていないような、難易度の高い問題に触れることが可能であり、さらに問題の解説も丁寧で読みやすいものになっています。
さまざまな種類がある日本エス・エイチ・エル社の採用テストの中から、特に多く使われているテストについて、効率的に対策することができる1冊と言えるでしょう。
また、難解で知られているWeb-CABの難問や、GABの高難易度版(GAB Compact)から選りすぐって掲載されているのも嬉しいポイントです。
そのためこの本をマスターできれば、本番では比較的スムーズに解けるはずです。
もちろん、このような対策本だけでなく、アプリなども活用して勉強するとなお良いでしょう。
これが本当のWebテストだ!(2)【2024年度版】
『これが本当のWebテストだ!(2)【2024年度版】』は、TG-WEBの対策をしたい方におすすめです。
2024年度版では、全面的な改訂が実施されています。
言語と計数の最新傾向の問題が大幅に追加され、より対策の効果が高い構成に変わりました。
言語問題を解くうえで重要な効率の良い解き方や、なじみのない問題の多い計数問題について知ることができます。
そして、早く確実に解くことのできる方法を丁寧に解説していることも嬉しいポイントです。
TG-WEBの出題内容が踏襲されているので、この対策本で練習を重ねていけば、短期間で臨む結果を出すことができるでしょう。
なお、webテストを実施している企業の一覧もついているので、自分の志望している企業があるかどうかチェックしてみるのもおすすめです。
まとめ
今回は、さまざまな種類があるwebテストについて、それぞれの特徴や問題を解く際に意識しておきたい点について解説しました。
試験本番に慌てないためには、自分が受験するタイプはどのようなものなのかを事前に知っておくことが大切です。
webテストは面接に進むためだけのものでなく、最終的な合否の結果にも影響を与えます。
問題の内容を把握し、適切な対策を行うことで高得点を取ることができるようになるので、早めに準備をして選考の第一段階を突破しましょう。