はじめに
就活を進めていくにあたって、その軸を定めておくことは重要です。
これは文字通り、就職活動を進めていくうえで、自分がどういったことを重視しているのかを示す価値観の基準を意味します。
就活の軸は、もちろん人によってさまざまですが、やりがいを就活の軸にしている人は、就活自体がうまくいきやすい可能性があるのです。
今回は、やりがいを就活の軸にすることで得られるメリットなどを紹介していきます。
就活の軸を何にすれば良いのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
【就活の軸でやりがい】就活の軸でやりがいについて扱うのは高評価
まず前提として、就活の軸でやりがいについて扱うことは、採用担当者や企業から高評価されやすい傾向があります。
これは、日本の採用活動が現時点の能力などよりも、将来性を重視した採用を行っていることが要因です。
応募者のポテンシャルを見るため、まず就活の軸をはっきりと定められているだけでも、かなり好印象を与えられます。
また、仕事に一生懸命取り組んでくれそうか、一緒に働きたい人柄であるかなどの要素は、採用活動においてとくに重視されるポイントです。
やりがいを就活の軸にしている人は、その仕事に対し意欲や興味がある、仕事に対し全力で取り組む理由があると判断されやすいでしょう。
真面目な人柄や仕事への熱意をアピールするためには、非常に有効といえます。
【就活の軸でやりがい】就活の軸でやりがいについて扱う際のポイント
では、実際に就活の軸をやりがいにした場合、注意するべきポイントを解説します。
重要なのは、やりがいを軸に据えたときに、それをいかに企業や採用担当者に伝えられるかという部分の心構えです。
ただやりがいを軸にしただけでは、就活がうまくいくことはあり得ません。
自分にとってやりがいとは何なのかを明確にしたうえで、相手にアピールする手立てを考えましょう。
ここでは、以下の2つをアピールする方法について紹介します。
仕事への熱意をアピールする
やりがいがある仕事に精力的に取り組みたいことを言い換えれば、やりがいのある仕事への熱意があるということになります。
企業に応募した時点で、その仕事へのやりがいを感じていたことになるので、ここで企業側にアピールする内容は、「仕事に熱意を持って取り組む」という意気込みになるでしょう。
裏を返せば、やりがいを軸に就活を進めている人は、アピールの前提に「応募した企業の仕事にやりがいを感じた」という理由が存在するはずです。
もし「自社の仕事のどのような点にやりがいを感じたのか」などを聞かれたとき、自信を持って答えられなければ、それは就活の軸にやりがいを据えているとはいい難いかもしれません。
自分が「これだ」と思う仕事を探し、「この仕事に全力で取り組みたい」という熱意を伝えれば、面接官たちに好印象を与えられるでしょう。
なぜやりがいが大事なのかをアピールする
「やりがい」が大切な理由を明確に答えられるのも、やりがいを就活の軸にきちんと据えられている人の特徴です。
ESの提出や面接など就活が本格化する前に、なぜやりがいを大事にしているのか、自分の中で必ずはっきりとさせておきましょう。
やりがいのある仕事であれば、仕事を頑張る意欲がわいて作業効率が上がるから、仕事に全力投球で夢中になって取り組みたいからなど理由は人それぞれあります。
自分がやりがいを重視する理由をしっかりと作ることが重要です。
過去の経験から、やりがいを重視する理由を見つけ出せれば、志望理由などの内容に説得力も増し、さらに高評価を得られるでしょう。
自己分析で自分の好きなものや得意なもの、成果が出たことなどの深堀りをしていき、軸として申し分ない理由づけをすることで、就活がより進めやすくなります。
【就活の軸でやりがい】就活の軸でやりがいについて扱う際の注意点
ここまでで、就活の軸をやりがいにすることで得られるメリットを紹介してきました。
まず、就職活動をしていくにあたって、自らの軸を決めておくこと自体が非常に重要であるため、やりがいを就活の軸に定めることはそれだけで就活がスムーズになるでしょう。
しかし、やりがいを軸にする場合は、同時に注意点も存在するのです。
ここでは、就活の軸でやりがいを扱う際の注意点について解説していきます。
ぼんやりと軸を決めてしまったという方は、確認してみてください。
抽象的になる
やりがいだけでは、いったい何を指すのかが不明瞭です。
面接などでアピールをする際は、必ずやりがいという言葉を具体的な内容に言い換えるようにしましょう。
「やりがいのある仕事をしたいです」という言葉を聞いても、いったいどのような仕事なのか伝わりません。
また、単純に「営業の仕事にやりがいを感じた」といった内容でも、「他業界でも良いのでは」「自社である必要がないのではないか」などと思われてしまう可能性があります。
言い換える際は、できるだけ仕事内容や自分が働くビジョンに言及して述べると効果的です。
例えば「お客様との距離が近く、自分の対応がお客様の満足度に直結するところにやりがいを感じました」など、自分がやりがいを感じる対象をきちんと言葉にすることで、相手に伝わりやすいアピールができます。
思っていた仕事と違う時頑張れるか用意
実際に入社するまでは、その企業での業務内容を詳しく知ることはできません。
思っていた仕事、理想の仕事だけでなく、単純な事務作業など想像していなかったような業務の方が多い場合もあります。
「事務作業などの地味な作業でもしっかり頑張れますか?」と面接などで直接聞かれることも多いでしょう。
それでも頑張れる、取り組めるという理由を用意しておくことも重要です。
また、やりがいが「お客様の反応」や「業績が目に見える」など、フィードバックで感じられるものの場合もあります。
そういったケースでも「うまくいかないときに踏ん張れるか」などを質問される可能性があるので、頑張れる理由を用意しておきましょう。
この理由づけも、自己分析を繰り返すことで見つかる可能性があります。
【就活の軸でやりがい】やりがいがある仕事とは
では、具体的にやりがいを感じられる仕事には、いったいどんな要素があるのでしょうか。
ここからは、やりがいのある仕事に共通する要素について紹介していきます。
もちろん、ここで紹介した要素だけがやりがいになるとは限りません。
しかし、いまいちどのような仕事が良いのか分からないという方も多くいらっしゃるでしょう。
仕事でやりがいを感じたいと思っている方は、ぜひ以下の要素を参考にし、自身の価値観と照らし合わせながら企業選びを進めてみてください。
社会への影響が大きい
まず、社会的影響力が強い仕事はやりがいが大きいといえるでしょう。
生活を支えるインフラや多くの視聴者に見られるTVや広告などは、とくに社会的影響力が強く、自分の仕事によって人々の生活を支えることになります。
自分の成果が形となって表れるのも、こういった仕事の特徴です。
その分、仕事に携わる一人ひとりの責任が重く、一つの仕事の滞りが全体に影響を及ぼすことも少なくありません。
しかしその責任感の重圧も、場合によってはやりがいを感じるポイントとなるでしょう。
大手企業はやはり社会への影響力が強く、仕事も充実したものになりやすい傾向があります。
そうした社会に影響を与えるような仕事をしたいという方は、有名企業への応募を検討してみましょう。
人の役に立つ
また、人のために働く仕事や人の役に立つ仕事は、やりがいがある仕事といえるでしょう。
医者や看護師など、命を助けるといった責任の重い仕事だけではなく、物件選びを手伝うことで幸せな家庭を築くのを助けたなどのように、人の役に立つ仕事というのは数多く存在します。
本質的に、すべての仕事は人の役に立つものですが、よりそういったリアクションが具体的に感じられる仕事はやりがいを感じやすいでしょう。
接客業や医療関係、サービス業などは、対応した相手からの反応でやりがいを感じられる仕事です。
また、営業職などの職種は、人との会話によって契約を獲得し成果を上げる仕事のため、目に見えるやりがいをより多く感じられるでしょう。
裁量権が大きい
自分に裁量権があり、中心人物となってプロジェクトを進められるのもやりがいを感じられる仕事です。
チームの1人として参加するだけでなく、チームのリーダーとして参加する場合はやる気も上がりやすいでしょう。
主体的に仕事に取り組める環境があることも、やりがいという面では重要なのです。
裁量権が大きいということは、やらなければならない仕事の量も当然多くなります。
しかし、自分が興味を持ち、主体性を持って取り組むプロジェクトは、仕事自体を楽しく感じられるはずです。
また、チームを動かしていくことにやりがいを感じる人もいるでしょう。
新人ではなかなかポジションを得ることは難しいですが、将来的なビジョンとしてのやりがいを考えるのも、就活においては重要です。
【就活の軸でやりがい】例文6選
就活の軸をやりがいにすることが良い評価を与えられる可能性が高いことや、ポイント、注意点などについてはここまで紹介してきました。
ここからは、本記事の内容を元に作成した6つの例文を紹介します。
あなたがやりがいを感じる場面に最も近いものを中心に、ぜひ参考にしてみてください。
感謝された時
私は学生時代、ボランティアとして外国人の東京観光の通訳として働いていました。
しかし、対応する外国人の多くの方は初めての東京観光だったため、右も左も分からないような状態でした。
そこで、通訳として私たちが観光の案内をしました。
当然の役割を果たしたと感じていましたが、必ず外国の方が感謝をしてくれることにやりがいを強く感じました。
そして、そのやりがいは今までにない感覚で、このようなやりがいとを感じる場面を仕事にしたいと考えるようになりました。
貴社は常に顧客のニーズに徹底的に寄り添うことを大切にしていると就職説明会で伺いました。
このような姿勢はまさしく私の就活の軸に合致するものです。
貴社においては、顧客のニーズに応えて、顧客の皆様から感謝をされるような人物になって、自分の就活の軸となるやりがいを追求していこうと思います。
目標を達成した時
私は学生時代に部活動に所属しており、全国大会出場を目標にして部活動に取り組んでいました、
日々の練習の中では厳しいこともありましたが、目標の達成のために仲間とともに厳しい練習を乗り越えてきました。
その結果、本番ではベストパフォーマンスを出すことができ、目標の創部依頼初となる全国大会出場も叶えました。
日々の練習は非常に体力的にハードであり、辛いと感じることもありましたが、目標達成できた瞬間にそのような厳しい練習もやりがいの1つであったと実感できました。
目標達成した時に感じたやりがいはこれまでの人生においても経験したことがないものであり、もう一度あのような素晴らしい体験をしたいと感じています。
貴社においても目標達成を常に念頭において業務に取り組み、貴社のプロジェクトの成功に貢献したいと考えています。
人の役に立った時
私は学生時代、塾講師のアルバイトで、英語が苦手な生徒を中心に個別指導を行っていました。
多くの生徒は英語が非常に苦手であり、学校の授業に追いつくのが精一杯という状況でした。
しかし本人の目標である国立大学への合格を目指し、文法の成り立ちを理論的に説明することで理解を深め、最終的には英語を受験の武器として第一志望に合格しました。
彼を合格に導いたのは私が大学1年生の頃の話ですが、今でも近くを通るたびに塾に挨拶に通ってくれるため人の役に立つことがいかに素晴らしいか強く実感させてくれます。
貴社の理念である「利益とは、社会に提供した価値を定量的に表したものである」という考え方に強く共感しています。
このように、誰かのためになる喜びを大切にしつつ、定年まで働き続けたいと考えています。
困難を乗り越えた時
私は学生時代に苦手な英語とコミュニケーション力の両方を鍛えるため、アメリカに留学しました。
苦手科目であるため、話すことはおろか、相手が言っていることを理解することすら難しい日々でしたが、日本人がいない環境にあえて飛び込んだことにより、数ヶ月後には英語でコミュニケーションを取れるようになりました。
留学が終わる頃には考え事をする際には英語で行うようになるなど、英語力は格段に向上し、誰とでも臆することなくコミュニケーションを取れるようになりました。
そして困難を乗り越えることの大切さ、そしてやりがいを学びました。
貴社においては納期が厳しいプロジェクトが多いと説明会でお伺いしましたが、困難を乗り越える力強さを生かして達成に貢献したいと考えています。
成果を認められた時
私は大学に現役で合格しましたが、私の高校には過去にその大学を受験した人が1人もいないほどレベルが高く、周囲からは「記念受験である」と揶揄されました。
しかし、1日12時間以上の勉強時間を確保し、常に努力を続けた結果、なんとか合格することができました。
周囲からもその努力を認められ、自分の取り組んだことが認められることのやりがいを強く実感しました。
貴社は設立3年目ということもあり、様々な新規プロジェクトに取り組む上でそれぞれの難易度が異なることもあると説明会で伺いました。
しかし、 私はこのような困難を乗り越える力を活かし、周りが困難だと思うような難しい業務に対しても積極的に取り組み、活躍したいと考えています。
自分の成長を実感した時
私は学生時代、ファイナンシャルプランナー2級の資格に挑戦しました。
経済学とはあまり関連がない学部に所属していたこともあり、非常に難しいものでしたが、一つひとつ習熟度をチェックし、試験に向けて着実に知識を身につけていくことに楽しさを感じました。
そして自分の成長を感じることを通じて、これまで取り組んできた努力に対してのやりがいを持つこともできました。
一つひとつ、階段を上るように知識を磨き、合格できたことは、資格を得られただけでなく、自らが成長するための正しいアプローチを学べたという点でも非常に大きなものでした。
この経験をもとに入社後も積極的に成長し、慢心することなく常に努力を続けることでやりがいを感じ、そして貴社に価値を提供していきたいと考えています。
【就活の軸でやりがい】やりがいがある仕事をしたい人はベンチャー企業を選ぼう
就活の軸にやりがいを選んだ人は、ベンチャー企業と相性の良い傾向があります。
ベンチャー企業は、若手の人材が多く、将来的な可能性にあふれた企業です。
大手企業に比べ、安定が確約されているわけではありませんが、その分やりがいに満ちた仕事に携われる可能性が高いといえます。
やりがいを求める人にとっては、大手企業で働くよりも満足感を得られるかもしれません。
ベンチャー企業の魅力をやりがいという観点から紹介するので、参考にしてください。
裁量権が大きい
先ほど、やりがいを感じられる仕事は裁量権が大きいという説明をしましたが、ベンチャー企業はとくにその傾向が強いといえます。
一社員の提案や企画がそのまま事業として扱われることも多くあり、若いうちからプロジェクトリーダーになることも少なくありません。
自分のやりたい仕事を自分の考えで進められるのは、ベンチャーならではの強みです。
成果に応じて昇給や昇格もしやすい分、主体性を持って仕事に取り組まない限り成果は変わらず、ずっと同じポジションに留まってしまう可能性もあります。
やりがいを求め、常に成長意欲・向上心を持って仕事に取り組める人は、ベンチャー企業で活躍できる人材です。
そのため、就活の軸にやりがいを据えている人は、ベンチャー企業から好印象を抱かれやすいでしょう。
新しいことを作り出す
ベンチャー企業は既存の取り組みだけでなく、新しいことを作り出す取り組みを積極的に行っています。
次の世代の当たり前を作り出すという、社会的にも影響力が大きい仕事にチャレンジできるのはベンチャーの強みといえるでしょう。
やりがいという点では、非常に濃密な体験ができるはずです。
常に新しく時代の一歩先を歩いていく、能動性を求められる現場のため、変化を楽しめる人はベンチャー企業向きです。
自分で思考し、物事を前に推し進めていくことにやりがいを感じる人にはぴったりな職場といえます。
また、自分でやりがいを作り出していく前のめりな態度も、ベンチャー企業で働くうえでは必要です。
与えられる仕事ではなく、自分で仕事を生み出していくつもりで業務に取り組みましょう。
まとめ
やりがいを就活の軸に据えることで、どのようなメリットが得られるかを理解できたかと思います。
就活を進めていくうえで、自分の将来は本当にこれでいいのかと不安になることもあるでしょう。
そんなときに、道を照らしてくれるのが就活の軸というものです。
自分が今後やりがいを感じられる日々を過ごすために、どのような企業を選べばいいのか、どんな職種を希望するのかを一つひとつじっくりと考えて後悔のない就職活動をしましょう。