【志望者必見】物流業界とは?主な業務や向いている人を徹底解説!

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

物流業界とはどんな業界なのでしょうか。

就活を進めていく中で、物流業界という分野が気になっている人も多いと思います。

よく聞く名前ではありますが、実際にどのような業態があるのか、どのような人がその業界に向いているのかはあまりイメージできないかもしれません。

今回は、そんな物流業界の概要や、物流業界に向いている人などについて詳しく解説していきます。

物流業界を視野に入れて就職活動を行っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次目次を全て表示する

【物流業界とは】物流業界とは

この記事を読んでわかること

・物流業界について
・物流業界に向いている人
・物流業界に就職するためにするべきこと

この記事をおすすめしたい人

・物流業界について知りたい人
・物流業界に向いている人の特徴を知りたい人
・物流業界に就職するためにするべきことを知りたい人

物流業界の主な仕事は、商品を生産者から消費者まで運んで届けることです。

物流業界は、企業間の商品の取引を行う企業、企業と個人間を結ぶ企業、個人間の取引を行う企業などさまざまな形態に分かれています。

商品を運搬する手段は「陸運」「海運」「空運」「鉄道」と多種多様であり、商品の内容や規模によってやり方は大きく変わってきます。

また、物流業界は商品の運搬を行っているだけではなく、倉庫での保管や商品の包装など、物の管理に関する業務を幅広く行っていることも知っておく必要があるでしょう。

生産者から消費者まで、物が届けられる大きな流れに関わる業務全般を指して「物流」と呼んでいるのです。

このように、物流業界が物の流れ全体を扱う業界であることをまず頭に入れておきましょう。

物流業界のビジネスモデル

物流業界のビジネスモデルが何であるのかについても理解しておきましょう。

物流業界は主に生産者、メーカー、商社、卸売会社からの依頼を受け、その商品を効率的に消費者や他の企業へ届けることを目的としています。

物流業界は依頼を受けた商品を集荷し、保管、仕分け、配送の各プロセスを経て最終的な目的地まで郵送します。

そして仲介手数料や郵送料、配送料などを元請けの企業から受け取ることで収益を出しているのです。

業務の流れ

物流という業界の規模の大きさは理解できたかと思いますが、それでは物流業界の実際の業務についてはどうでしょうか。

物流業界全体については何となく想像できても、業務の詳しい流れについてはわからないという人も多いでしょう。

ここでは、私たちの暮らす社会を取り巻く物流業界のさまざまな業務について詳しく説明していきます。

物流業界への就職を視野に入れている人は、業務の流れを知って就職活動をスムーズに行えるよう準備しておきましょう。

1.保管

物流業界の主な業務のひとつに、商品の「保管」があります。

生産者から受け取った商品を、自社や専門業者の倉庫で保管するという業務です。

商品運搬のタイミングを調整したり、適切な条件を整えたりするという役目を担っています。

食品輸送の場合、冷蔵・冷凍保存技術で品質を保つ必要があるため、一定の管理技術が必要となります。

また、パソコンをはじめとする精密機器なども温度管理が必要であるため、専用の保管技術が必要です。

2.荷役

「荷役」も物流業界が担う重要な業務のひとつです。

さまざまな状況下での荷物の積み込み・積み下ろしや保管倉庫への入出庫など、商品の持ち運び全般を行う業務のことを指します。

もし商品が輸出入品の場合は、通関手続きなどもしなければいけません。

また、商品の上げ下ろしや持ち運びを行うため、体力が必要となる業務です。

人の手では扱えない大きな荷物も運ばなければならないので、フォークリフトやクレーンなどの資格を持っていると就職で有利となるでしょう。

港湾作業員や郵便集配員、倉庫作業員といった人が行う業務、あるいは引越し業者がトラックに大型家具や家電製品を積み込むところをイメージしてもらえると、イメージがしやすいかと思います。

なお、業務の中にはピッキングなども含まれることがあります。

3.流通加工・包装

物流業界の業務には、「流通加工・包装」といった分野も含まれます。

物流センターや倉庫などで、商品の内容を示すラベルを貼るといった業務が一般的です。

また、物を運びやすいようにそれぞれの大きさに合った段ボールに箱詰めするなど、送り主の依頼に応じて製品を加工したり包装したりすることも少なくありません。

具体的な作業の例として、値札付けやタグ付け、ラベル貼りや箱詰め、袋詰めといったものが代表的です。

これらの作業は、主に商品が輸送中に破損してしまうことを防ぐために行われます。

また、商品を正しい組み合わせでセットする「セット組み」の業務も含まれますが、いずれもコロナ禍におけるステイホームの浸透で通販の需要が高まっており、常に人手不足となっています。

なお、基本的に大きなセンターで大規模なライン作業として行っているところが多いです。

4.輸送・配送

物流業界という言葉を聞いて、多くの人が想像する業務が「輸送」でしょう。

宅配の荷物を運ぶトラックがまさにその「輸送」です。

商品を倉庫や問屋・小売店へ届ける荷物をトラックや船舶、飛行機、鉄道などで運び出荷する業務全般のことを指します。

トラックや船で商品を物流センターなど拠点まで運ぶことを「輸送」、宅配便を家へ届けるなど拠点から最終目的地に運ぶことを「配送」と呼びます。

現代の経済活動に大きく関わり、重要視されているのが輸送の業務です。

また、日夜トラックを走らせるドライバーなど多くの人員が関わっている業務でもあります。

日本の経済を支える重要なラインのひとつであり、インフラと言っても差し支えがありませんが、業界の拡大により人手不足が叫ばれています。

5.情報管理

物流業界で重要な業務のひとつが「情報管理」です。

「インターネットを使って荷物が今どこにあるのかを把握する」「輸送経路や輸送の状況を管理する」など、物流におけるプロセスの情報を管理する仕事のことを指します。

倉庫の商品の在庫を管理する倉庫管理、配車の状況の把握や配車への指示を出す配送管理、現状の管理を行う運行管理などがあり、非常に多岐にわたる業務です。

特に食品の場合、賞味期限なども関わってくるため、より適切な運用が求められるでしょう。

また、輸送ルートを改善し、業務を効率化させるのも大事な仕事です。

なお、情報管理はIT技術の活用が必須の分野で成長が著しいため、この仕事に就く方は毎日の勉強が重要と言えるでしょう。

物流業界の職種と業務

物流業界のおおまかな流れについては、以上の説明で理解できたと思います。

しかし、具体的な業務内容に関しては、「まだよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。

ここからは、さらに詳しい職種と業務について説明していきます。

物流業界への就職を考えている人は、具体的な職種を知ることでイメージがしやすくなるでしょう。

また、自分の個性に合った職種があるかどうかを知ることも大切です。

自分の個性と照らし合わせて、この業界を目指すつもりがあるかどうかを考え、深掘りしていきましょう。

物流業界の職種と業務

営業
管理
ドライバー、パイロットなど
人事
総務
物流コンサルタント
システム開発

営業

物流業界の職種として、「営業」が挙げられます。

主に法人顧客を中心に、物流に関する課題要望を顧客から聞いて、物流会社のサービスを活かし顧客が抱える課題を解決していきます。

近年、コロナ禍における巣ごもり需要などで通販サイト事業は拡大の一途をたどっていますが、サイト運営会社は商品を自社内で保管することができません。

そのため、サイト運営側から物流会社に商品の保管を依頼しなければならない必要性が高まってきました。

物流会社の営業では、サイト運営を行う企業へ自社サービスの提案、新規開拓をして契約を目指す既存顧客のサポートなどの業務を行っています。

営業は物流における売上に関わる重要な業務であるため、責任も重大と言えます。

管理

物流業界における重要な職種のひとつに「管理」があります。

取り扱う商品の入荷や保管、出荷といった物流業務のプロセスを管理することが主な仕事です。

具体的な作業を挙げると、まずは商品の状態に異常や破損がないかどうかを検査する「検品」が挙げられます。

ほかにも商品が破損しないようにするために行う「梱包」、倉庫や物流センターに届く商品を適切に分類する「仕分け」、必要な品物をピックアップする「ピッキング」、運送車に商品の積み下ろしをする「荷役」など細かく分かれています。

管理業務は作業量が多く、人員コストがかさみがちなので、機械やシステムで自動化し、金銭コスト・人員コストの削減に励む企業も少なくありません。

また、全体に体力が必要な作業が多いので、体力のある人が向いているとされる職種です。

ドライバー、パイロットなど

物流業界と聞いて特にイメージしやすい職種は「ドライバー・パイロット」ではないでしょうか。

ドライバーやパイロットは、大切な商品を消費者のもとまで届ける大事な仕事を行う職種です。

商品を物流センターのような拠点に運ぶ「輸送」と、宅配物など個別の消費者に届ける「配送」の2つに分かれています。

輸送の場合、長距離トラックや航空機、貨物船、貨物列車など長距離間を運ぶことができる運搬方法が使われます。

一方、配送は輸送に比べると規模が小さいため、主に宅配トラックが使われるのが一般的です。

なお、ドライバー業務を行うには、自分が使う乗り物に合わせた専用の免許が必要となる点に注意しましょう。

また、長時間にわたって勤務しなければいけないため、体力に自信のない方は慎重に検討してみてください。

人事

物流業界における人事部門は、企業の人材戦略を支援して組織全体の人材関連のニーズに応えます。

採用活動では適切な人材を募集し、面接や評価を通じて最適な候補者を選定します。

さらに、研修プログラムの設計や実施を通じて、従業員の能力開発と組織文化の醸成を担うのもこのセクションです。

従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上し、組織全体の目標達成に向けた努力が促進されている点も見逃せません。

労働法や規制への適合や労務管理も重要な役割であり、社内の労働環境を健全かつ安全に保つことに貢献しています。

労働災害や健康問題の発生を予防することで、組織は労働者補償や医療費などのコスト削減ができているのです。

生産性や従業員の満足度が向上することにより、従業員の定着率が改善されるという効果をもたらしています。

総務

総務の役割は単なる事務作業や電話対応に留まらず、企業の円滑な運営を支える重要なポジションを担っています。

たとえば、労働法や規制に関する情報の管理、従業員の福利厚生の整備などがあげられます。

労働法や規制の変更点を把握し、それに基づいて企業の方針や手続きを適切に更新する責任があるからです。

また労働法に関連する書類や契約の作成や管理、従業員の権利や義務に関する情報提供も役割に含まれます。

これにより企業は法的リスクを最小限に抑え、従業員に公正で安全な労働環境を提供することができるのです。

さらに、社内コミュニケーションを促進することにより従業員間の情報共有や連携が強化され、業務効率やチームワークの向上に貢献している点も大切な役割のひとつでしょう。

物流コンサルタント

物流コンサルタントは、顧客の物流活動を改善するための戦略やプロセスを提案し、実装支援を行っている部門です。

効率性や正確性だけでなく、コスト削減やサービス品質の向上まで様々な面におよびます。

物流プロセスや手順を見直し効率化することによって、物流の流れがスムーズになり時間と労力を減らし、物流コスト削減から利益を最大化できるでしょう。

さらに、在庫管理や配送手配などの課題解決に向けてシステムを構築することにより、誤りやミスを減らして顧客満足度の向上にもつながるのです。

このように市場動向や技術の進化をつねに把握することで、最新の物流テクノロジーやベストプラクティスを導入して競争力を高める支援も行っています。

システム開発

物流業界におけるシステム開発者は、効率的な物流プロセスを実現するための情報システムを開発しています。

倉庫管理や顧客管理などのシステムを設計し実装しますが、それだけではありません。

業務フローの改善や最適化に向けた提案も行い、実際の業務ニーズにマッチしたシステムを構築します。

さらに、システム障害や改善点を把握し、迅速かつ適切な対応を行うことで物流プロセスの円滑な運営に貢献します。

そのため、つねにシステムの稼働状況やパフォーマンスをモニタリングし、異常が検出された場合には速やかに対処しなければなりません。

監視ツールやログの解析を行って、問題の原因を特定して適切な対策を講じることも含まれます。

そうした保守と監視を通じて、物流プロセスの安定性と効率性を維持しているのです。

物流業界の事業分類

以上の説明で、物流業界の職種について理解が深まったことだと思います。

ここからは、さらに詳しく業界について知るために、物流業界の事業分類について見ていきましょう。

ここでは物流業界を、陸・海・空・鉄道の4つに分け、それぞれの特徴について詳しく説明します。

メリット・デメリットを理解して、上記4つに関する知識を深めましょう。

また、この4つの分類は業界における特に大事な基礎知識なので、この業界を目指す方はぜひチェックしてみてください。

陸運

陸運とは、主にトラックを使って輸送する陸上の輸送方法のことです。

商品を物流センターに輸送する長距離トラックと、宅配物など個別の顧客に配送する小型の宅配トラックの2つに分かれています。

扱う荷物は産業資材から宅配便までと大変幅広く、現代の経済を支える重要な業務です。

空運や海運とは異なり、陸運では直接個別の顧客に届けられます。

飛行機や船では難しい農村地域まで届けることができるため、配送の細かな需要に応えることができます。

そのため、通販サイト事業が拡大している現代では大変重宝されている一方、常に人手不足となっている点がネックです。

また、ドライバーの高齢化も問題になっており、若手の働き手の募集が急務とされています。

デメリットは、飛行機や船と比べて、一度に輸送できる量と距離に限界があることです。

陸運における配達業務は、ロボット化やドローンの利用なども検討されており、今後はデジタル技術の活用も見込まれる成長著しい分野と言えます。

ヤマトホールディングス 平均年収:1142万円

日本郵便 平均年収:475万円

佐川急便 平均年収:約500万円 

海運

陸運に続いて挙げられる物流業界の主要事業が「海運」です。

海運とは、貨物船を利用して商品を海上輸送する業務全般のことを指します。

海運のメリットは、一度に大量の商品を輸送できることと、石油や鉄鉱石のような資源や自動車といった重量の大きいものも輸送できることです。

資源や重量の大きい商品は船でしか輸送できない場合が多く、国外輸出入が活発な現代ではニーズが高い輸送手段と言えるでしょう。

また、ほかの輸送手段よりもコストが低いことも特徴です。

一方、輸送に時間がかかってしまうことが主なデメリットとして挙げられます。

空運より輸送スピードが遅いほか、商品の移動が難しいため積み下ろしにも時間がかかってしまうのです。

日本は海に囲まれた島国であるため、海運の重要度は非常に高いです。

また、食品をはじめとした多くのものを輸入に頼っているため、海運業界はあらゆる分野で重要な役割を担っていると言えるでしょう。

なお、日本海事広報協会によれば、日本の船会社が保有する船腹量はギリシャに次いで2番目です。

日本郵船 平均年収:約800万円

商船三井 平均年収:1517万円

川崎汽船 平均年収:約700万円  

空運

空運も物流業界においては重要な事業です。

空運は、基本的に飛行機を用いて航空輸送をすることを指します。

空運のメリットは、何といっても速い輸送スピードで長距離の輸送が可能という点にあります。

花や生鮮食品など小型で軽量な商品や、薬品などの劣化が早い商品を運ぶのに適した物流方法です。

主なデメリットは、一度に大量の商品を輸送することができないこと、重量の大きい商品を運べないことです。

また燃料費が高いため、輸送コストがほかの方法に比べると高くなってしまうという欠点があります。

そのため景気の影響を受けやすく、状況によって運送コストの低い貨物船に切り替えられてしまうことも珍しくありません。

日本や他国の経済状況による影響を受けやすいのが空運の特徴です。

なお、空運の仕事は航空機の運転だけでなく、整備や管理などさまざまな業務があります。

空運は天候などによる予定の変更が多いため、臨機応変に対応できる人が向いていると言えるでしょう。

ANA 平均年収:550万円

日本航空 平均年収:約500万円

スカイマーク 平均年収:385万円  

鉄道

最後に挙げられるのが、鉄道を使った運送業務です。

主に、貨物列車を使って荷物を輸送するという方法です。

決められた速度やルート、定刻で運行するため時間通りに商品が輸送できること、またCO2の排出量やエネルギー消費量がほかの運送手段に比べて小さく、環境に優しいことなどが主なメリットとして挙げられます。

一方、運行時刻やルートに決まりがあるため、ほかの運送方法よりも融通が利かない点が主なデメリットとなります。

そのため、陸運のトラックなどに比べると細かなニーズには応えることができません。

しかし、多くの荷物を確実に運ぶという点においてはほかの何よりも勝ると言えるでしょう。

降雪や大型台風など天候の変化を受けないわけではありませんが、それでもほかの手段よりは確実性があります。

運転技術者以外には、保線業務、電気・通信設備の保守業務、鉄道車両の整備などの業務が代表的です。

拡大する物流業界において鉄道の重要性は高く、今後も需要があると言われています。

JR東日本 平均年収:676万円

近鉄グループHD 平均年収:597万円

JR東海 平均年収:650万円  

倉庫

物流業界における重要な職種のひとつで、商品管理に関わる領域では受け入れから保管、さらに出庫までを担当します。

倉庫内では商品の整理や保管方法の最適化が求められ、レイアウトを考案するなどスペースを効率的に活用しなければなりません。

場合によっては商品の特性や耐久性に応じて適切な保管方法を選択し、安全性や衛生面に留意しながら商品の品質を保護することも重要です。

たとえば、食品や化学製品などの商品は、特定の温度や湿度条件下で保管する必要があります。

さらに商品の取り扱いや移動のプロセスを配慮しながら、在庫の回転率を向上させることも欠かせません。

このような取り組みによって倉庫内の効率性が改善されて、コスト削減や顧客サービスの向上に貢献しています。

近鉄エクスプレス 平均年収:561万円

郵船ロジティクス 平均年収:604万円

三菱倉庫ホールディングス 平均年収:876万円  

物流業界の現状

物流業界の大きな枠組みや仕組み、業種についてはここまでの説明でおおむね理解できたかと思います。

ここからは、そんな物流業界の現状について説明していきます。

物流業界は、現在の社会においてどのような状況に置かれているのでしょうか。

世の中はコロナ禍を経て、大きな変動の中にあります。

また、世界的にグローバル化の波が押し寄せ、IT技術の進化やAIの導入などで社会は大きく変容しています。

物流業界の最新の状況について知っておくと、今後の就職活動で大いに役立つことでしょう。

市場規模が拡大

物流業界は、現在市場規模が大きく拡大しています。

物流業界の市場が拡大している理由のひとつが、ネット通販などのECサイト事業が拡大したことに伴う物流需要の大幅な増加です。

現在は、ECサイトの存在により、パソコンやスマートフォンを使って手軽に商品が買えるようになりました。

これによって商品が届くスピードも重視されるようになり、物流業界のシステムも高度化の道をたどっています。

ネット通販からの需要が物流業界へのニーズ増加につながったのです。

もう1つの理由として、新型コロナウイルスの影響が挙げられます。

自宅で過ごす時間が増えたことにより、オンラインでの買い物の需要が高まっていったのです。

一方、物流業界の課題として挙げられるのは、やはり「新しい人材の確保」です。

急激な業界の拡大により人手が足りなくなり、特にドライバーの確保は急務と言えます。

また人手不足の中で、物流業界の労働環境の悪さが社会問題として取り上げられるようになり、環境の改善にも着手しなければいけません。

持続可能性への取り組み

持続可能性への取り組みも、物流業界においては見逃せないトピックの1つです。

物流業界は大量のエネルギーを消費し、温室効果ガスの排出量も非常に多いため、エコフレンドリーな配送方法の導入や再生可能な材料の使用が求められています。

例えば、EVトラックやハイブリッド車の導入は燃料消費量を削減し、CO2排出量を大幅に減少させられるため、注目されています。

また、太陽光発電システムの導入やエネルギー効率の良い設備の使用も進められています。

さらに、リサイクル可能な梱包材料を利用することで廃棄物の削減を目指している企業も多いです。

ただし、物流業界における持続可能性の取り組みは課題が多いのも事実です。

例えばEVトラック1つとっても最長でも航続距離が400kmほどであり、充電に長い時間がかかることや販売価格が高く導入コストがかかることなどが課題とされています。

したがって物流業界にEVトラックが普及するにはこれらの技術的な課題を克服する必要があるでしょう。

サプライチェーンの不安定性

サプライチェーンが不安定であることも、物流業界において大きな課題の1つです。

特に近年のコロナウイルス流行や自然災害はサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼしました。

物流の遅延や供給不足が発生し、企業活動全体に多大な影響が出たのです。

物流業界では、このような予測不可能な事態に迅速かつ柔軟に対応することが求められています。

したがって、リスクマネジメントの強化は非常に重要です。

複数の供給元を確保し、1つの供給元に依存しない体制を構築することや、在庫管理の精度を高めることはもちろん、デジタル技術を活用してリアルタイムでの情報共有や迅速な意思決定を可能にすることも求められています。

また、災害が発生した際にも迅速な復旧計画を実行できるように事前にシミュレーションを行うなど、物流の安定を確保するためには様々な取り組みが必要とされています。

物流業界の動向

物流業界の現状については、ここまでの説明で理解できたかと思います。

次に気になるのは、やはり業界の今後の動向についてではないでしょうか。

物流業界の今後については、あらゆる視点からさまざまな憶測がなされています。

社会情勢の変化や景気の変動を受けて大きく様変わりする物流業界の動向について、これを機に知っておきましょう。

物流業界への就職を視野に入れている人にはきっと役に立つはずです。

また、情勢は刻一刻と変化していくので、インターネットや新聞などで常に最新の情報を入手することを心がけましょう。

人材不足

物流業界が今直面している最も大きな課題、それは「人材不足」です。

近年の通販サイト事業の拡大に伴い、物流業界は目覚ましい成長を遂げています。

コロナ禍によるステイホームの流れを受け、ネット通販の利用者が爆発的に増えました。

これにより、物流業界への社会全体の需要はさらに高まってきています。

現在物流会社では、物流に関わるさまざまな業務をすべて一括して行うことが多く、こうした状況の中で人手不足という問題が多々発生しています。

特に運送会社では、ネット通販拡大により配送トラックのドライバー需要が大きく増加し、人材の確保が最重要課題であるにもかかわらず、ドライバーの給与はなかなか上がっていません。

また、待遇が改善されないため、仮に募集をかけても人手が集まらないという状況に陥っています。

長時間労働や給与の低さというイメージから若手の人材が集まりにくいほか、既存ドライバーの高齢化も進んでいます。

ドライバー以外の仕事でも体力が必要であるため、ハードワークに耐えられず離職する人も多いのが現状です。

燃料高騰

2020年頃から始まった燃料費の高騰に伴い、トラックや航空機を使うコストも増えてきています。

イラクでの紛争や新型コロナウイルスの影響で、産油国が経済的に打撃を受けたことが主な原因です。

コロナウイルス発生から時間が経ち、再び石油の需要が高まってきましたが、産油国は供給量の増加に対応しきれていません。

これによって需要と供給の差が生まれてしまい、価格の高騰が続いているのです。

トラックや飛行機などは、動力源となる燃料がなければ動きません。

燃料高騰の煽りを受けて、配送料の値上げなどでカバーしていますが、やはり対応しきれていないというのが現状でしょう。

燃料の値下げは今度も見通しが立っておらず、配送システムの効率化やAIの導入による人件費削減などの対応が迫られています。

物流システムやロボットを活用した作業効率化

物流業界では需要の急激な拡大に伴い、業務の効率化が急務となっています。

新しい技術を導入して作業を効率化し、人手不足の問題をカバーしようという動きが活発になっているのです。

具体的には、以下のような方法が挙げられます。

・販売履歴や気象データを分析して、今後の需要を予測する

・在庫情報のデータ共有により、生産計画の精度を向上させる

・GPSなどの活用により、位置情報や積載率といった車両情報を整理する

・ドローンによる宅配や、宅配ボックスの普及を促進させる

・作業を機械に任せることによって、余分な人件費を削減する

実用化にはまだ遠い部分もあるため、すぐに解決とはいきませんが、効率化の流れは今後変わることはないでしょう。

AIを活用することによって需要の予測ができ、無駄な在庫を抱えず効率的に業務を行うことができるようになります。

また、荷主と配送業者を結ぶマッチングシステムも導入が検討されており、AIを使った最適なマッチングにより配送効率を高めるという仕組みが検討されています。

今後も需要が高い

物流業界は今後の需要が高いと言われる業界のひとつです。

2020年から始まったコロナ禍により、人々の暮らしは大きく変わりました。

これまでは個人がスーパーマーケットやドラッグストアまで出向いて買っていたものが、ネットで手軽に注文されるようになり、日用品の個人宅への配送は当たり前のことになりました。

また、アプリの普及によりハンドメイド品の売買も盛んに行われており、今後も配送の需要が大きく伸びると予想されています。

オンラインショッピングが定着した現代において、物流はあらゆる分野に関わってくるため、ライフラインのひとつと言っても差し支えがありません。

個人に対してだけでなく法人に対するサービスも需要が高いため、今後も安定した売上を保つことになるでしょう。

ほかにも、倒産や減給などのリスクが低く、就職後も高い安定性を保っていることが物流業界の強みです。

しかし、高度なサービスを維持し続けるためには人材の確保や待遇の改善などが必要であり、今後は大きな改革が必要とされています。

スマートロジスティクスとは?

スマートロジスティクスは「スマート物流」とも呼ばれ、IoTやAIなどの最新技術を用いて物流管理を効率化する取り組みのことです。

物流はこれまで人の手を介することが一般的でしたが、最先端技術の登場により、自動化や効率化を実現できるようになりました。

郵送IoTは配送ネットワークで管理できるようになり、資材や商品など配送する際に現在地や移動状況など把握でき、郵送配送を効率化できるだけでなく、トラブル回避などにも役立ちます。

また、倉庫IoTも物流業界に大きく貢献している技術です。

倉庫管理や倉庫業務の効率化をネットワークで実現し、そこで行われる検品や仕訳などをネットワークで管理することによって倉庫業務を効率化しつつ、ヒューマンエラーを防止できます。

スマートロジスティクスの重要性

ではなぜスマートロジスティクスが重要かというと、人手不足の深刻化、小口発送の増加に伴い輸送効率が低下したこと、そしてEC需要の増加が挙げられます。

物流業界も少子高齢化の流れを受けて労働力不足が進行しており、効率的な業務遂行のためには自動化技術の導入が不可欠です。

また、少量の買い物をインターネットで行う人が増えたため、少量かつ高頻度の配送が増加し、従来の大量輸送の効率が低下したのも理由として挙げられます。

そして、新型コロナウイルスの流行やAmazonや楽天などのECの需要が増加したことにより、大量のオンラインでの買い物における配送に対応しなければなりません。

したがって、スマートロジスティクスを活用し、人間以外の手で行える部分は任せる重要性が増してきているのです。

スマートロジスティクスの将来性

結論として、スマートロジスティクスの将来性は非常に高いです。

AIやIoTなどの最先端技術を駆使し、業務の効率化を目指し、顧客満足度を高めることが期待されています。

そして何より、先ほども触れた部分ではありますが、スマートロジスティクスを活用すれば少人数で物流作業を運営できるため、少子高齢化に伴う人員不足にも対応できるようになるとされています。

また、機械に単純作業などを任せることで人的ミスを削減することも期待されており、総じてスマートロジスティクスの将来性は非常に高いといえるでしょう。

物流テックとは?

物流テックという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

「言葉は聞いたことがあるが正確な意味までは知らない」という人も多いでしょう。

物流テックとは最新のテクノロジーを利用し、物流に関するあらゆる業務を自動化、効率化するシステムや取り組みのことを指します。

生産性を飛躍的に高めることができるので、今最も注目されている分野です。

通販の需要増大や、サブスクリプションサービスの浸透に伴った物流業界全体の拡大に合わせ、物流テックの市場規模も成長しています。

物流テックによって人手不足が解決し、サービスの速度が向上することも期待されています。

人力では難しかった分野にテクノロジーを投入する流れは今後も加速していくでしょう。

より詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

物流テックのベンチャー企業3選

オンライン通販というショッピング形態が浸透するにつれ、物流テックを導入する企業は徐々に増えてきました。

ここでは、物流テックを実際に導入しているいくつかのベンチャー企業を紹介していきます。

成長著しい分野なので企業の個性もさまざまですが、どの企業も技術をうまく活用しています。

物流業界を目指す人は、実際にどのような企業が物流テックを導入しているのかを知って理解を深めておきましょう。

以下に3つの企業を例に挙げるので、参考にしてみてください。

株式会社Hacobu

株式会社Hacobuは東京都港区に本社を置き、「運ぶを最適化」することを使命として掲げる会社です。

持続可能な物流インフラを作ることをビジョンとしており、ロジスティクスな世界が社会課題を解決することを信念にしています。

提供しているサービスは多岐にわたります。

たとえば「MOVO Berth」は、車両待機の解消を提案、入出荷作業の効率化するトラック予約受付のほか、物流センター運営にかかるコストを削減し生産性の向上を支援するサービスです。

また、「MOVO Fleet」は物流業界に特化した動態管理サービスで、低価格で豊富な機能を提供するほか、車両管理の効率化によって、荷主と運送会社双方のコスト削減を支援しています。

3つ目の「MOVO Seek」は、かご車やパレットなどの位置情報を見える化し、資材購入にかかるコストを削減する流通資材モニタリングサービスです。

そして「MOVO Vista」は、配車業務をデジタル化し、配車業務の非効率を解消するとともに生産性向上を支援する配送案件管理サービスとなっています。

CBcloud

CBcloudは物流業界での経験やノウハウ、先端テクノロジーを用いて「運ぶ」「届ける」のカタチを変革して物流のスタンダードを再構築しようと試みる企業です。

なかでも配送プラットフォームの「Pick GO」は、軽貨物の配送ドライバーと荷主をマッチングするサービスとして有名です。

軽貨物パートナー数は4万名以上、マッチング率は業界NO.1の99.2%を誇り、依頼からエントリーまで業界最速の56秒で行うことができます。

もうひとつのサービス「SmaRyu」は、ドライバーや管理者など物流に携わる人のスマートな働き方をサポートするサービスで、物流現場で働く人々に寄り添った新たなシステムです。

そのほかにも、熟練ドライバーのノウハウを共有できる「SmaRyuポスト」や、運送会社の煩雑な仕事を効率良くスムーズにする「SmaRyuトラック」もあります。

カーニバルグループ

カーニバルグループ株式会社は、「仕組みを変えて、世界をもっと良くする」を合言葉に、テクノロジーの力で「物流革命」の実現を目指す企業です。

複雑化する日本の物流課題を解決すべく、Zホールディングスの投資子会社とイーストベンチャーズの出資で2021年に設立された日本発の物流テクノロジースタートアップです。

常時300人以上の即戦力ドライバーが登録し、運送会社の地域・ライセンス条件に合った求職者を最短1週間でマッチングする特化型ドライバーの採用プラットフォーム「LAND:PILOT」を持っています。

また、未経験者の育成、就職をサポートする採用プラットフォーム「LAND:PILOT CAMP」(ランドパイロットキャンプ)も運営しています。

物流業界で働くメリット

物流業界の魅力は多岐に渡りますが、もっとも大きなメリットはダイナミズムと成長性にあるのではないでしょうか。

物流業界はつねに進化して技術革新やグローバル化の波に乗り、新たなチャレンジに立ち向かっています。

さらに、物流のプロセスにおける効率化や持続可能への取り組みが求められるなか、創造性や革新性が活かされているフィールドでもあるのです。

ここでは、そのような成長性のある物流業界で働くメリットについて、3つご紹介します。

やりがいがある

物流業界では日々の業務が社会に直結しており、その影響を実感しやすい環境があるといえます。

商品や資源の円滑な移動を支えることで、日本の経済や生活に貢献している実感も得られるに違いありません。

このような直接的な貢献度から、やりがいや充実感を感じることができるでしょう。

さらに、物流はつねに変化しており、新たな課題や問題に対処するための創造的な解決策を考えることが求められます。

たとえば、物流のデジタル化や自動化技術の導入、環境に配慮した持続可能な配送方法の開発などが創造的な解決策にあたります。

従業員は新しい課題に対処するためにプロジェクトやチームで協力し、問題解決に向けて革新的な解決策を見出さなければなりません。

このような挑戦的な環境で働くことは、自己成長やキャリアの発展を促す絶好の機会となるでしょう。

仕事がなくならない

この業界ならではのメリットとしてあげられるのは、仕事の安定性という面かもしれません。

なぜなら物を買うという基本的なニーズがある限り、商品を輸送するのは必要不可欠であるからです。

この需要は絶えることなく、世界中でますます拡大していくばかりです。

世界中の人口が増加し都市化が進展するにつれて商品の需要が急速に増加し、グローバルな経済発展により国境を超えた貿易がますます活発化しています。

これにより商品の輸送ニーズが増大し、物流業界の重要性がこれから高まっていくでしょう。

さらに、電子商取引の急速な普及や、新興市場での消費の増加も物流需要を押し上げています。

このような背景から物流業界は今後も安定的に成長し、仕事の機会が豊富に存在することが予測されています。

自分のペースで仕事ができる

物流業界ではやりがいや安定性とともに、自分のペースで仕事ができるというメリットがあげられるかもしれません。

とくに検品や仕分けなどの業務では、作業を自分のリズムで進めることができるからです。

集中して黙々と作業を進めたり、効率的にタスクをこなしたりすることが可能です。

この自己管理の余裕がある環境はストレスを軽減し、仕事に集中できるため生産性や満足度が高まります。

また、自分のペースで仕事が進むことで、自己成長やスキル向上にもつなげられることもあるでしょう。

物流業界は変化に富んだ環境でありながらも、自律性を重んじる職場文化が根付いています。

問題や課題に直面した際には、自ら考え解決策を見つけて行動することが求められるものの、自分のペースで作業を進めることができる環境が整っているといえるでしょう。

物流業界で働くデメリット

物流業界は重要な役割を果たしていますが、その裏側にはいくつかのデメリットも存在します。

ときに非常に厳しいスケジュールに縛られることがあり、急な変更や予期せぬ問題に対応しなければなりません。

つねにリスクと隣り合わせで配送中の商品の破損や紛失などの問題が発生する可能性もあります。

競争が激しくなるなかで、業界内での地位を確立するには努力が必要でありストレスやプレッシャーを感じることもあるかもしれません。

物流業界で働くデメリットも確認しておきましょう。

体力や精神力が求められる

物流業界において、ドライバーは1日中運転して荷物の積み下ろしを行うため体力と精神力が求められます。

長時間の運転や重い物の取り扱いは体力を要しますし、物流の現場ではスケジュール変更や交通渋滞など臨機応変に対応する能力も必要となってくるでしょう。

天候の悪化などで計画が乱れたり、荷物の遅延が発生したりすることは稀なことではありません。

このような状況で、効果的な意思決定や問題解決が求められます。

状況を客観的に見極めて感情的にならず冷静に判断する、臨機応変に対処できる柔軟性がなければ務まりません。

もっともそのような環境で働くことで鍛えられる場合もありますが、この業界を目指すのであればあらかじめ承知しておくべきでしょう。

繁忙期が忙しい

物流業界で働くデメリットとして、繁忙期の忙しさがあげられます。

とくにピーク時には業務量が急増し、ストレスがかかることも少なからずあるでしょう。

たとえば、セールやイベント時には顧客からの注文数が急増し、倉庫や配送センターに多くの商品が一斉に集まります。

需要の増加に対応するため従業員は迅速かつ正確な作業を求められ、作業の効率化や精度の向上が必要とされることがあります。

需要が高まると配送リードタイムが通常よりも短縮されることがあり、顧客からの要求に対応するためより迅速な配送が求められることもあるでしょう。

また、一部の企業では繁忙期にノルマを設定する場合もあり、事前に求人情報や企業の労働条件を確認して自分の適性や生活スタイルにあうか検討しましょう。

計画通りに進まない場合もある

物流業界で働くことのデメリットとして、ときに予期せぬ問題に直面することもあげられます。

荷物の輸送中に交通渋滞に巻き込まれたり、悪天候で運送スケジュールが乱れたりすることもあるでしょう。

また、倉庫での作業中に荷物が破損したり、配送先での受取拒否されたりするなど様々なことが発生するかもしれません。

その影響により他の業務が追いつかなくなる、顧客からの不満やクレームが増える可能性もあるのです。

これらの状況は計画通りに進まないことを意味し、ストレスを引き起こす可能性が考えられます。

イレギュラーなことにも柔軟に対応する能力がなければ務まらないということも、これから物流業界を目指す学生はあらかじめ知っておくべきでしょう。

物流業界に向いている人

ここまでの説明で、物流業界の仕組みや最近の動向についての理解が深まったかと思います。

では、そんな物流業界に向いている人とはいったいどんな人なのでしょうか。

「物流業界に興味はあるけど、自分がこの業界に向いているかどうかはわからない」と悩む人も多いでしょう。

そんな方のために、物流業界に向いていると思われる人の具体的な例を挙げて説明していきます。

自分に向いていそうか、この業界でやっていけそうかを確認して、今後の就職活動の参考にしてみてください。

マネジメント能力がある人

マネジメント能力がある人は物流業界に向いていると言えるでしょう。

マネジメント能力とは言い換えると管理能力のことで、物流業界では物事の管理能力が高い人が求められる傾向にあります。

物流業界の業務はさまざまな業界や職種の人が相互につながって成り立っているため、業務プロセスの中で1つミスが起きると流れが止まってしまい、自社だけでなくほかの職種や業界など事業全体に迷惑がかかってしまいます。

ミスを事前に防いで業務を円滑に進めるためには、業務全体をしっかりと管理する能力が必要とされるでしょう。

また、マネジメント能力の高い人はトラブルが発生した際にも冷静な判断を下し、適切な対応を取ることができます。

トラブルをリカバリーすることで、業務全体をうまく管理することができるのです。

コミュニケーション能力がある人

物流業界で働くためには高いコミュニケーション能力が求められます。

物流業界には営業・管理・ドライバーなどさまざまな職務がありますが、業務の工程はすべてつながっているため、多くの人と連携しながら細かなコミュニケーションを取る必要があるからです。

また、生産者や依頼者など、ほかの会社や職種の人、さまざまな年齢の人とのコミュニケーションを取る機会も多く存在します。

そのため、うまくコミュニケーションを取って誰とでも良い信頼関係を築くことのできる人は物流業界に向いていると言えるでしょう。

逆に、1人で黙々と仕事をこなすような職人タイプの人は、あまり向いていないかもしれません。

人と人とのつながりが大切な業界なので、コミュニケーションを円滑に取れるよう努力できる人が歓迎されるでしょう。

体力がある人

物流業界で働くにあたって欠かせないもの、それは何といっても「体力」でしょう。

物流業界は長時間にわたって労働する環境が多く、さまざまな場面で体力が必要になってくるからです。

ドライバーや荷役、検品などのいわゆる現場作業を行う場合は特に長時間労働になるため、それらの仕事をこなせるだけの体力が必要とされるでしょう。

また、現場マネージャーなどの管理職も体力勝負の業務です。

多くの人と関わることによって、人間関係でのストレスが増えます。

場合によってはトラブル対応もする必要があり、精神的な強さも必要になってきます。

物流の仕事は、体力に自信のない人にはあまりおすすめできません。

心身ともにタフで、体力があると胸を張って言える人が物流業界には向いているでしょう。

やりがいや達成感を得たい人

仕事をするうえで「やりがいや達成感を得たい」という人は、物流業界に向いていると言えます。

なぜなら、物流業界は現在の日本を支えるうえでなくてはならない重要な産業のひとつだからです。

石油業界や電力業界よりも産業規模が広いので、大規模なスケールで日本のインフラを支えることができます。

また、物流業界は産業製品から日用品まで幅広く扱う業界です。

物流が機能しているおかげで私たちの社会は成り立っています。

自分達の生活に直結した産業に携わることで、確かな達成感を得ることができるでしょう。

私たちの生活になくてはならないもの、それが物流です。

スケールの大きな産業に関わりたい、社会に貢献してやりがいや達成感を得たいという人は物流業界に向いています。

計画やノルマが守れる人

物流業界向きの能力として、「計画やノルマが守れる人」も挙げられます。

物流業界は、さまざまな業種・職種と連携して成り立っている業界です。

誰か1人が遅延すると連鎖的に他人に迷惑がかかります。

そのため、納期やノルマ、締切時間が一つひとつの商品に厳しく定められており、計画通り業務を進めることが求められます。

また、物流業界はほかの業界と比べて業務量が多いため、必然的に時間とノルマに追われることになるでしょう。

クリスマスや正月など季節のイベントの際は、同時期に多くの注文が入ります。

イベント当日までに荷物を運ばなければいけないため、事前のスケジューリングが欠かせません。

計画性がない行き当たりばったりの人には向いていませんが、時間やノルマの制約が厳しい環境でも耐えられる人には向いていると言えます。

柔軟に対応できる人

物事に柔軟に対応できる人は物流業界に向いていると言えます。

物流業界では、業務の中でトラブルに巻き込まれて計画通りに物事が進まないということも決して少なくありません。

万全な準備をしていても、運送中に渋滞や事故に巻き込まれたり、商品の破損や管理システムのトラブルといったイレギュラーな事態が起こったりすることがあります。

台風や地震などの災害で物流が止まってしまい、大きな計画変更が求められることもあるでしょう。

そのため、仮に事前に立てた予定と異なる事態が起こったとしても、臨機応変に柔軟な対応ができる人が求められます。

一辺倒の対応しかできず、イレギュラーな事態に対応できない人はあまり向いていないでしょう。

柔軟性の高い人こそが物流業界で必要とされているのです。

高い給料を望む人

高収入を求める人には物流業界はおすすめと言えます。

なぜなら、物流業界は現在人手不足が大きな課題となっており、多数の求人が出ているからです。

また、物流業界は初任給からほかの業界よりも高い水準の給料をもらえることが多いため、早い段階から多く収入を得ることができるでしょう。

「とにかく正社員になってバリバリと働きたい」と考えている人には向いている業界です。

高収入と安定性という視点で見ると、物流業界は非常に魅力的です。

景気の動向による影響はあまり受けないので、安定した収入を得たいと考える人であるなら物流業界は向いているでしょう。

また、物流業界には年功序列の企業も多いので、長く勤めるほど給料の水準は上がっていきます。

まじめにコツコツと続けられる人なら高収入が保証されるでしょう。

【物流業界とは】物流業界に就職するためには

ここまでの内容で物流業界の魅力が具体的に伝わったかと思います。

それでは、物流業界に就職するためにはどのような努力が必要なのでしょうか。

いくら人手不足とはいえ、実際に物流業界の企業に就職するにはいくつかのコツがあります。

ここでは、物流業界に就職するためにすべきことを紹介します。

物流業界に就職したいと考える人は、就職活動の参考にしてみてください。

また、ここに書かれていること以外にもさまざまな方法があります。

最新の情報を常に集め、リサーチを怠らないようにしてください。

資格を取る

これまで説明したとおり、物流業界にはさまざまな職種があります。

そのため、業務内容によって異なる資格が必要になってきます。

物流業界に就職したい場合、まず自分がどの職種に就きたいのかを決め、その職種でどのような資格が必要かを把握しておく必要があるでしょう。

物流センターや倉庫などの現場で働きたい場合は、フォークリフト運転技能や自動車免許、衛生管理者といった資格が必要です。

一方、物流管理の仕事に就きたい場合は、運行管理者・物流技術管理士・包装管理士・簿記などの資格が必要になるでしょう。

もし国際物流関連で働きたい場合は、通関士や海技士、国際物流管理士といった資格が求められます。

それぞれ資格を取るために必要な知識や技能は異なるので、情報収集して資格の取得に努めるようにしましょう。

業界研究をする

物流業界への就職を目指すなら業界研究をしましょう。

業界研究をすると、自分の価値観と本当にマッチしている業界であるかどうかが見えてくるからです。

漠然としたイメージで志望してしまうと、実際に就職したときに落胆することもあります。

イメージの落差があまりに大きいと、早期離職することにもなりかねません。

それを防ぐため、志望業界については深く研究をする必要があります。

業界研究の方法としては、まずインターネットで最新の情報を得ることをおすすめします。

また、新聞を読むと業界についての知識が得られるだけでなく、時事問題にも詳しくなるため定期購入している方も少なくありません。

それ以外にもさまざまな手段があるので、状況によってやり方を使い分けて業界研究を深めてみてください。

自己分析をする

就職する業界を選ぶ際には、自己分析をして自身の特徴や考え方を細かく知っておくという作業が欠かせません。

自分自身を細かく知っておくことで、本当に自分と合っている業界なのかどうかが見えてきます。

また、自己分析がしっかりとできていると、志望動機や自己PRの説得力が増すため決しておろかにしてはなりません。

自己分析の方法として、マインドマップや自分史の作成などが挙げられます。

マインドマップは蜘蛛の巣状に自分の思考を次々に書き出していく方法で、自分の頭の中を「見える化」して整理できるのが特徴です。

自分史とは、これまで経験した出来事を時系列で年表のように書き出す方法で、自分の経験をわかりやすく表にすることができます。

ほかにもさまざまな方法があるので、自分に合った方法を探してみてください。

他己分析をする

就職のための準備として、「他己分析」という方法があります。

自己分析とは異なり、他人に自分を分析してもらうという方法です。

自分自身をより詳細に知るためには、この他己分析も欠かせません。

なぜなら、いくら自分で自分を振り返っても1つの視点からしか観察することができないため、どうしても見方が画一的になってしまうからです。

自分では考えつかないような特徴や個性も、ほかの人から意見を聞けば発見できるかもしれません。

他己分析をすることによって、客観的な視点を取り入れた自己PRができるようになるのです。

家族や親しい友人、教授など、自分を詳しく知る人物に意見を求めると良いでしょう。

また、良い面だけではなく悪い面なども指摘してもらうことでより深く分析することができます。

適職診断ツールを用いる

ここまで物流業界について詳しく紹介はしましたが、果たして自分が本当に物流業界に向いているかどうか、なかなか判断できない人も多いでしょう。

そこでおすすめなのは適職診断ツールを利用することです。

特に「就活市場」公式LINEアカウントなら、自分に向いている職業、向いていない職業をいくつかの質問に答えるだけでスムーズに判断できます。

自己分析はもちろん、企業選びに役立てられるため、ここまで記事を読んで物流業界に興味を持ち、自分が向いているか客観的な意見が欲しい人はぜひ利用してみてください。

完全無料で利用できるため、忙しく、アルバイトをする余裕がない就活生の方にもおすすめできるツールです。

エージェントに相談する

ここまで、物流業界に就職するために役立つ方法を紹介してきました。

物流業界というのがどんなものか理解できたと思います。

しかし、就職活動をするにあたって「まだまだ不安が大きい」という人も多いでしょう。

就活に関して悩みや不安がある方は、エージェントを活用することをおすすめします。

個別にアドバイザーがつき、プロ目線で就活生を支援し、目標の内定まで全面的にサポートしてくれます

自分自身ではわからない自分の強み、あるいは欠点についても指摘してもらうことで、自己理解を深めることができるでしょう。

また、求人紹介やES添削、模擬面接なども行っています。

経験豊富なアドバイザーからアドバイスをもらうことで、自信を持って面接に臨めるようになるでしょう。

エージェントに興味ある方はこちらからどうぞ。

まとめ

今回は、私たちの生活を支える物流業界について詳しく解説しました。

どのような業界なのか、どんな職種があって必要な資格は何なのか、理解が深まったかと思います。

物流業界は現代社会で高い需要があり、これからさらに拡大していく成長著しい分野です。

収入面や安定性といった部分ではほかに勝る強みがある一方で、体力的には高いレベルが求められます。

自分自身をよく分析し、自分にこの業界が合っているかどうかよく考えてみましょう。

また、社会の変動による影響を強く受ける業界でもあるので、常に最新の情報をチェックして流れの変化を読むようにしましょう。

現代社会で生きるためには欠かせない分野、それが物流業界です。

身近な業界であるからこそ、入念に調べて就職活動を行うと良いでしょう。

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