・教員・教師志望の志望動機の書き方
・小中高別の志望動機ポイント
・志望動機作成のコツ
・教員・教師志望の志望動機を作成中の人
・志望動機が上手くまとまらない人
・例文を見て参考にしたい人
目次[目次を全て表示する]
【教員採用試験の志望動機】はじめに
教員という職業・職種は、子どもたちの未来を育むという責任と共にやりがいのある仕事であり、多くの人が「人の役に立ちたい」「教育に関わる仕事をしたい」と考えて志望します。
しかし、採用試験や選考の場でその想いを効果的に伝えるには、ただ熱意を語るだけでは不十分です。
採用担当者は、あなたの中にある教職への真摯な思いや、自らの経験に基づいたビジョン、そして教育現場で実際に活躍できる資質が備わっているかどうかを見極めようとしています。
とくに志望動機は、その人の人間性や教育観、志望する学校への理解度を凝縮して伝える大切な要素です。
この記事では、新卒の教員の志望動機の書き方やポイントについて解説をしていきます。
教員の志望動機が大切である理由
教員や教師という仕事は、単なる就職先ではなく、人の人生や成長に深く関わる使命のある職業です。
だからこそ、採用側はこの人は、なぜ教員を目指すのか、どれほどの覚悟と責任感を持っているのかを、志望動機を通して見極めようとしています。
教員採用試験や面接では、知識や指導力だけでなく、教育への情熱・姿勢・価値観といった「人間性」も大きく問われます。
志望動機は単なるアピールではなく、教員自身が、自分はなぜこの職を選ぶのか、どういう教員・教師になりたいのかを言語化する自己確認のプロセスでもあります。
自分の教育観や将来像を明確にすることは、採用後に現場で迷わず動くための基盤となります。
【教員採用試験の志望動機】志望動機で見られている点
- 教育に対する想いがあるか
- 教育分野で何を達成したいか
- 目標を達成する力があるか
教員採用試験の志望動機で重視されるのは、単に熱意や憧れだけではありません。
教育という仕事に真剣に向き合える人材であるか、そしてその人が教壇に立つ意味や価値を自分なりに考え抜いているかが問われます。
下記の3点は、あなたがどのような教員を目指しているのか、そしてそれを実現できる力があるのかを示す指標となります。
① 教育に対する想いがあるか
まず最も基本となるのが、「なぜ教育という分野で働きたいのか」という動機です。
ここで重要なのは、漠然とした憧れや理想論ではなく、自分の言葉で教育に向き合う覚悟や想いを語れているかどうかです。
教員という仕事は、単なる職業ではなく、時に困難な状況に直面しながらも生徒たちと真剣に向き合っていくことが求められます。
だからこそ、「なぜ他の仕事ではなく教員なのか」「どのような教育観を大切にしたいのか」といった軸が明確であることが大切です。
教育課題に対する問題意識や、子どもたちの成長を見守る責任感をどのように捉えているかという姿勢が、志望動機に現れていることが望まれます。
② 教育分野で何を達成したいか
「教育に関わりたい」という想いがあっても、それだけでは志望動機としては不十分です。
採用担当者は、その想いをもとに、あなたが教育現場でどのような貢献をしようとしているのか、具体的なビジョンを持っているかどうかを見ています。
自分が注力したい教育分野や課題が明確になっているかが重要です。
また、志望する自治体や学校の教育方針と、自身が実現したいことがリンクしていると説得力が増します。
「なぜこの学校でなければならないのか」という問いに、自分の目指す教育がその環境で実現できるという根拠を添えて答えることで、志望先に対する理解と熱意をアピールできます。
教育のどの側面に価値を見出し、どのように子どもたちの成長に貢献していきたいのかを明確に伝えることが求められます。
③ 目標を達成する力があるか
教育現場では、理想を掲げるだけでなく、それを実現に向けて行動する「実行力」も重視されます。
特に志望動機においては、これまでの経験の中で困難をどう乗り越えてきたか、何を学び、どう成長してきたかというプロセスが見られています。
採用側は、「この人なら生徒を任せても大丈夫」と感じられるような信頼感を求めているのです。
具体的には、教育実習での試行錯誤や、塾講師としての指導経験、さらには異なる環境でのリーダーシップ経験などがあると効果的です。
教育現場では、理想を形にする実行力が重視されるため、志望動機では困難を乗り越えた経験や成長のプロセスが信頼感につながる鍵となります。
【教員採用試験の志望動機】志望動機を書く時のポイント
- なぜ教員・教師になりたいのかを伝える
- なぜその学校を選んだのかを伝える
- 生徒や学校にどのような貢献ができるかを伝える
教員という職業を目指す際、志望動機は単なる「熱意の表明」ではなく、自分がこの仕事にどれだけの覚悟と具体性をもって臨もうとしているかを示す場でもあります。
以下では、教員の志望動機を書く際に押さえておきたい3つの重要なポイントを解説します。
なぜ教員・教師になりたいのかを伝える
最も基本的でありながら、最も深く問われるのが「なぜ教員になりたいのか」という問いです。
ただ「子どもが好き」「教えるのが得意」といった表面的な表現では、採用側の印象には残りません。
求められているのは、あなた自身が教職を志すに至った経験や想いを、自分の言葉で具体的に語ることです。
そして、その経験を経て「どのような教育をしたいと思ったのか」「どんな教員になりたいと考えるようになったのか」といった考えの変化や理想像まで繋げると、より深みのある志望動機になります。
なぜその学校を選んだのかを伝える
教員としての想いが強くても、それが「どこでも良い」と思われてしまっては意味がありません。
そのため、志望する学校に対して「なぜこの学校なのか」という明確な理由を伝えることが非常に重要です。
採用担当者は、「本当にこの学校の教育方針に共感しているか」「長くこの現場で働き続けられる人物か」を見極めようとしています。
このとき役立つのが、学校の教育理念や特色、ホームページに記載された方針、行事・活動内容などの事前調査です。
その学校だからこそ実現したい教育、取り組みたいことが語れていれば、志望の強さは格段に伝わります。
生徒や学校にどのような貢献ができるかを伝える
志望動機において最後に必要なのは、「私はこの学校で何ができるのか」という貢献の意思を示すことです。
想いだけではなく、行動力や実現力を兼ね備えていることを伝えることで、採用側に「この人に任せたい」と思わせることができます。
貢献の具体的な形は人それぞれです。
「〇〇の経験から得た○○力を活かし、授業だけでなく生活面でも生徒を支えられる教員を目指したい」など、教育現場で自分がどう機能するのかを描けている志望動機は、採用者の心に残ります。
また、教員はチームで学校運営を支える立場でもあるため、「協調性」や「主体性」など、学校全体に対しても前向きに関われる人材であることを印象づけられると、さらに好印象を与えられるでしょう。
【教員の志望動機】最新の教育動向を踏まえてアピールしよう
教員の志望動機を作成する際には、単に教育への熱意を語るだけでなく、現在の教育現場が直面している課題や、国が進める教育改革の方向性を理解していることを示すことが重要です。
特に、以下の3つの視点は、現代の教育において不可欠な要素であり、これらを踏まえたアピールは、あなたの教育に対する深い理解と貢献意欲を効果的に伝えることができます。
- GIGAスクール構想に対応するICT活用意欲を示す
- 多様性を尊重するインクルーシブな視点を盛り込む
- 「主体的・対話的で深い学び」への貢献を語る
GIGAスクール構想に対応するICT活用意欲を示す
GIGAスクール構想により、全国の小中学校で1人1台端末環境が整備されました。
これは単なるインフラ整備ではなく、教育のあり方そのものを変革する大きな転換点です。
そのため、志望動機では、あなたがICTスキルを持っていること以上に、その環境をどのように教育活動に活かそうと考えているかを具体的に示すことが求められます。
大切なのは、ICTを「目的」ではなく、子どもたちの「学びを深めるための手段」として捉えている姿勢です。
多様性を尊重するインクルーシブな視点を盛り込む
現代社会の多様化に伴い、教育現場においても、様々な文化的背景、家庭環境、特性を持つ子どもたちが共に学んでいます。
こうした状況を踏まえ、インクルーシブ教育の理念、つまり、すべての子どもたちの教育的ニーズに応え、誰もが尊重され、参加できる学校・学級づくりが強く求められています。
志望動機でこの視点を盛り込むことは、あなたが現代的な教育課題を理解し、共生社会の実現に貢献する意欲があることを示します。
単に「多様性を大切にします」と言うだけでなく、一人ひとりの違いをどのように捉え、それを学級全体の学びや成長にどう繋げていきたいか、具体的な考えや姿勢を示すことが重要です。
多様な子どもたち一人ひとりに寄り添い、その可能性を最大限に引き出そうとする熱意を伝えましょう。
主体的・対話的で深い学びへの貢献を語る
新しい学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現を通した授業改善が核となっています。
これは、知識の伝達・注入を中心とした従来型の授業から、子どもたちが自ら課題を見つけ、他者と対話し、協働しながら、物事の本質を深く理解していく学びへと転換を図るものです。
志望動機では、この新しい学びの形を理解し、それを実践する意欲があることを示す必要があります。
具体的には、子どもたちの能動的な学びをどのように引き出すか、対話を促すためにどのような工夫をするか、深い学びに繋げるためにどのような問いかけや活動をデザインするか、といった視点から、あなたの授業観や指導への熱意を語ることが有効です。
教員が一方的に教えるのではなく、子どもたちの学びをファシリテートする役割への理解を示すことも重要です。
【教員採用試験の志望動機】学校別の作成ポイント
- 小学校
- 中学校
- 高等学校
- 特別支援学校
次に、学校別の作成ポイントについて紹介をしていきます。
小学校教員に活かせる特徴
小学校の教員を志望する際には、児童の人格形成に深く関わる存在としての自覚と、その責任を担う覚悟を示すことが求められます。
児童期は社会性や学習習慣の基礎を築く重要な時期であり、教員は日常的な生活指導や人間関係のサポートを通じて子どもたちを導いていく役割を担います。
そのため、志望動機ではまず「子ども一人ひとりに寄り添い、丁寧に成長を支えていきたい」という姿勢を、自分の体験や考えと結び付けて伝えることが大切です。
さらに、複数の教科を教えることになるため、柔軟な指導力や多角的な視点を持っていることをアピールするのも効果的です。
学級担任としての責任を果たし、児童たちの小さな成長を見逃さずに積み重ねていける、そんな教員像を描けるような動機が望まれます。
子どもが好きかどうか
人間性を育むサポートがしたいかどうか
教えることが好きかどうか
中学校教員に活かせる特徴
中学校の教員を目指す場合には、思春期という多感な時期にある生徒たちに対して、理解と支援の姿勢を持っているかどうかが大きなポイントになります。
中学生は自己肯定感が揺らぎやすく、時に反抗的な態度を示したり、自分の殻に閉じこもったりすることもあります。
そうした状況に対して、感受性と傾聴力、そして粘り強さを持って向き合う姿勢が評価されます。
志望動機では、「なぜこの年齢層の生徒と関わりたいのか」「どのように信頼関係を築きたいのか」といった点を、具体的なエピソードを交えて伝えると説得力が増します。
また、中学は義務教育の最終段階であるため、基礎学力を身につけさせる指導力や進路選択に向けたサポート力も必要です。
学力だけでなく、社会性や規律を育む指導をしたいという思いも含めて、広い視野から自分の教育観を語ることが望ましいでしょう。
個性や能力を育むサポートしたいかどうか
生徒に対して提供したい価値があるかどうか
教えることが好きかどうか
高等学校教員に活かせる特徴
高校教員の志望動機では、専門科目に対する深い知識と、将来の進路を見据えたキャリア教育への意識が大きな鍵となります。
高校は義務教育ではなく、生徒の学習へのモチベーションも個人差があるため、「生徒の自主性を引き出す指導がしたい」「生徒一人ひとりの進路に応じたサポートがしたい」といった、明確なビジョンを持っているかが問われます。
また、高校は学問だけでなく人間としての自立を助ける場でもあるため、志望動機には「進路指導」「部活動」「学校行事」など幅広い関わりを通じて、生徒を多面的に支えたいという想いを込めることも有効です。
高い専門性をどう教育に生かすか、自分の経験や研究分野と関連づけて語れると、より説得力のある志望動機となるでしょう。
人材を育てたいと思っているかどうか
キャリア支援をしたいと思っているかどうか
教えることが好きかどうか
特別支援学校教員に活かせる特徴
特別支援学校を志望する場合、最も重視されるのは「障がいのある児童・生徒一人ひとりに適した指導ができる柔軟性と理解力があるかどうか」です。
志望動機では、障がいに対する知識だけでなく、具体的な支援経験や関心の深さが見られます。
また、特別支援教育では、一斉指導ではなく個別の教育計画が中心となるため、生徒の状態や背景を丁寧に観察し、根気強く寄り添える力が必要です。
志望動機においても、「障がいのある子どもたちの力を信じ、可能性を伸ばしていく教育がしたい」という姿勢とともに、「自分がその子たちの成長のきっかけになれる存在でありたい」という願いを、エピソードを交えて伝えられると好印象につながります。
児童・生徒のサポートをしたいと思っているかどうか
障がいに対する理解があるかどうか
教えることが好きかどうか
【教員採用試験の志望動機】志望動機を書く前にするべきこと
- 教育理念や特色を理解する
- 教員に求められる資質や役割を知る
- 自己分析で教育との接点を整理する
- 学校の求める人物像と自分の強みを重ねる
- 業界研究で教育業界の理解を深める
- 採用試験・面接の質問を想定する
- 将来のビジョンを固める
教員の志望動機は、自分の想いや経験をしっかり言語化し、採用担当者に伝えるための大切なステップです。
ただ気持ちを述べるだけでなく、教育現場への理解、自分自身の掘り下げ、そして志望先との接点を明確にする準備が求められます。
ここでは、志望動機を書く前にやっておくべき具体的な準備について解説します。
教育理念や特色を理解する
まず、志望先となる学校や自治体が掲げる教育理念や取り組み内容をしっかりと把握しておく必要があります。
その学校ならではの教育目標や学びの方針を知ることで、なぜ自分がそこを志望するのかという理由に説得力が生まれます。
学校のホームページ、学校案内、自治体の教育方針などから情報を収集し、自分の考えや価値観とどう重なるのかを整理することが大切です。
教育の現場はどこも同じではなく、それぞれに理念や重点分野があるため、志望先に対する理解の深さが志望動機の質に直結します。
教員に求められる資質や役割を知る
教員は授業をするだけではなく、学級経営、生徒指導、保護者との関係づくり、同僚との連携など、多くの役割を担います。
時代の変化とともに、ICTの活用や多様な学習スタイルへの対応など、新たに求められる力も増えています。
自分が目指す教員像と、現場で期待されている教員像との間にギャップがないかを確認し、どのような力が求められているのかを把握しておきましょう。
それをもとに、自分の経験や性格がどう活かせるかを志望動機に反映させることができます。
自己分析で教育との接点を整理する
教員を目指すようになったきっかけや、教育に関心を持つようになった出来事を改めて振り返りましょう。
教育実習、塾講師、学童ボランティア、学生時代の先生との出会いなど、何が自分の心を動かしたのかを明確にしておくことが大切です。
また、自分の強みや特性が、教育のどのような場面で活かせるかも考えておきましょう。
子どもとの関わりで嬉しかったことや、やりがいを感じた瞬間などを通じて、自分と教育の接点を言葉にできるようにしておくことで、志望動機に自分らしさが表れます。
学校の求める人物像と自分の強みを重ねる
多くの学校は、学校案内や募集要項の中で求める人物像を明示しています。
これは、その学校がどんな教育を大切にし、どのような教員を仲間として迎えたいと思っているのかを知るヒントになります。
求められる人物像に対して、自分のどのような経験や価値観が合致するのかを見つけ出すことが、志望動機をより具体的で説得力あるものにします。
自分の長所や実績を無理にアピールするのではなく、学校と自分の目指す方向が自然に重なるような表現を意識すると、伝わりやすい内容になります。
業界研究で教育業界の理解を深める
教育業界は常に変化しています。
学習指導要領の改訂、GIGAスクール構想、働き方改革、特別支援教育の強化、探究的な学びの推進など、現在の教育現場では多くの取り組みが行われています。
こうした動きに対する関心や理解を持っていることは、教員としての視野の広さを示すうえで大きなポイントになります。
志望動機の中でも、教育界の課題や動向に触れながら、自分がどのように貢献したいのかを語ると、実践力のある印象を与えることができます。
採用試験・面接の質問を想定する
志望動機は書類選考だけでなく、面接でも必ず問われるテーマです。
よくある質問としては、なぜ教員になろうと思ったのか、なぜこの学校を選んだのか、どんな教員になりたいかといったものが挙げられます。
これらに対して、あらかじめ自分の考えを言葉にしておくことで、本番でも迷わず伝えられます。
志望動機を準備することは、同時に自分の教育観や将来像を整理することにもつながります。
言葉にして繰り返し確認する中で、内容もより洗練されていきます。
将来のビジョンを固める
志望動機を書く前に準備すべき大切な要素が、教員としてどのように生徒と関わり、どんな教育をしていきたいかという将来のビジョンです。
教育はいま目の前にいる子どもに向き合う仕事であると同時に、その子どもの将来に責任を持つ仕事でもあります。
そのため、どんな教員になりたいのかといった将来像が志望動機の中で語られると、あなたの教育観や本気度がより明確になります。
将来のビジョンについて不安や問題がある方はエージェントと話してみるのもひとつの手です。
あなたの進路を決めるきっかけになるでしょう。
【教員の志望動機】効果的な情報収集の進め方
説得力のある教員の志望動機を作成するためには、志望する自治体や学校について深く理解することが不可欠です。
そのためには、多角的な情報収集が欠かせません。
漠然と情報を集めるのではなく、目的意識を持って効率的に進めることが重要です。
ここでは、効果的な情報収集の具体的な方法について解説します。
- 公式サイトで基本情報を徹底リサーチ
- 説明会や見学で「生の情報」に触れる
- OB/OG・現職教員に聞いて理解を深める
公式サイトで基本情報を徹底リサーチ
まず取り組むべきは、志望する都道府県や市町村の教育委員会の公式サイト、そして関心のある学校のウェブサイトを徹底的に読み込むことです。
公式サイトには、教育目標や理念、教育振興基本計画、重点的に取り組んでいる施策、求める教員像など、最も信頼性の高い基本情報が網羅されています。
どのような教育を目指しているのか、現在どのような課題があり、どのような取り組みを行っているのかを正確に把握することは、志望動機を作成する上での基礎となります。
また、学校のウェブサイトからは、具体的な教育活動の内容や特色、学校行事の様子、児童生徒の雰囲気などを知ることができます。
これらの公式情報を丹念に読み解き、その自治体や学校が目指す教育の方向性を理解することが、的確なアピールに繋がる第一歩です。
説明会や見学で「生の情報」に触れる
公式サイトの情報だけでは得られない、現場の雰囲気や教員の生の声を直接感じるために、教育委員会や学校が主催する説明会や見学会には積極的に参加しましょう。
これらの機会は、担当者や現職の教員から直接話を聞き、質問できる貴重な場です。
資料だけでは伝わらない熱意や、教育現場のリアルな空気感を肌で感じることができます。
また、実際に学校施設を見学することで、学習環境や子どもたちの様子を具体的にイメージできるようになります。
参加する際は、事前に質問したいことをまとめておくなど、目的意識を持って臨むことが重要です。
説明会や見学を通して得た「生の情報」は、あなたの志望動機に具体性と説得力をもたらし、なぜその自治体や学校で働きたいのかという熱意を裏付ける力強い根拠となるでしょう。
OB/OG・現職教員に聞いて理解を深める
可能であれば、志望する自治体や学校で実際に働いている、あるいは働いていた経験のあるOB/OGや現職の教員に直接話を聞く機会を持つことも非常に有効です。
大学のキャリアセンターやゼミの先生、知人などを通じてコンタクトを取ってみましょう。
実際に現場で働く方々の話からは、公式サイトや説明会では得られない、より踏み込んだ情報や本音を聞ける可能性があります。
仕事のやりがいや大変さ、職場の雰囲気、求められる資質、採用試験に向けてのアドバイスなど、具体的な経験に基づいた話は、あなたのキャリアプランを考える上でも、志望動機を深める上でも大いに役立ちます。
複数の人から話を聞くことで、より多角的な視点から理解を深めることができます。
ただし、話を聞く際は、相手への感謝の気持ちと礼儀を忘れず、貴重な時間をいただいていることを意識しましょう。
【教員採用試験の志望動機】志望動機が思いつかないときの対処法
- 過去の体験や自分史を振り返る
- 先輩の例文や他人の志望動機を参考にする
- AIツールや添削サービスを活用する
教員の志望動機は、自分の想いや教育への関心を言葉にする重要なステップです。
しかし、いざ書こうとすると、何をどう書けばよいのか分からず、手が止まってしまうことは珍しくありません。
そんなときは、無理に言葉をひねり出すのではなく、自分自身を見つめ直したり、他者の考えを取り入れたりしながら、少しずつ自分の軸を見つけていくことが大切です。
ここでは、志望動機が思いつかないときに役立つ3つの対処法をご紹介します。
過去の体験や自分史を振り返る
まず取り組んでほしいのが、自分自身の過去を丁寧に振り返ることです。
教育実習やボランティア活動はもちろん、小中高時代に出会った先生とのエピソード、誰かに何かを教えた経験、子どもとの関わりなど、日常の中には志望動機のヒントがたくさん眠っています。
何をしているときにやりがいを感じたのか、誰かの成長に関われたときにどんな気持ちだったのか。
そんな体験を思い出しながら、自分が教育に惹かれた理由や、教員としてどのように子どもに関わりたいのかを探ってみましょう。
言葉が出てこないときこそ、過去に向き合うことで、自然と自分らしい動機が見えてきます。
先輩の例文や他人の志望動機を参考にする
自分の中から言葉を引き出すのが難しいと感じたら、先輩や他の志望者の志望動機を読んでみるのも効果的です。
特に同じ教科や志望校、似たような経験を持つ人の文章は、自分の考えを整理する手がかりになります。
ただし、内容をそのまま写すのではなく、どういう構成で書かれているのか、どんなエピソードが説得力を生んでいるのかを分析する視点で読むことが大切です。
他人の言葉を借りて考えを整理し、最終的には自分の体験や価値観に落とし込んで書き直していくことで、参考にしながらもオリジナルの志望動機をつくることができます。
AIツールや添削サービスを活用する
近年は、志望動機の作成や文章表現のサポートをしてくれるAIツールや、教育系の添削サービスも充実しています。
どうしても文章にするのが難しいときは、こうしたツールをうまく使ってみるのもひとつの方法です。
自分の考えや経験を箇条書きで入力するだけで、ある程度形になった文章を提案してくれるものもあり、書き出しのヒントとして活用できます。
また、完成した文章を添削してもらうことで、より客観的な視点から文章を磨くことも可能です。
考えを言葉にする段階でつまずいている場合は、こうした支援を取り入れてみることで、突破口が開けることもあります。
【教員採用試験の志望動機】民間と迷っている人のための志望動機の考え方
- 教員を選ぶ理由を再確認する
- 他業界にも興味があることを前向きに変換する
- 教育現場でしか得られないやりがいを言語化する
教職を志望する一方で、民間企業への関心もある。
そのような気持ちを抱えながら進路に悩む人は少なくありません。
どちらも真剣に考えているからこそ、答えを簡単に出せないのは当然のことです。
大切なのは、迷いを否定するのではなく、その中にある自分自身の価値観や考えを言葉にしていくことです。
ここでは、教員と民間で進路に迷う方が、志望動機を納得のいくかたちで整理するための考え方をお伝えします。
教員を選ぶ理由を再確認する
まず意識したいのは、自分がなぜ教員という仕事に惹かれているのかという原点です。
特別な体験がなくても構いません。
子どもと関わった経験、誰かに何かを教えることに喜びを感じた場面、学校という場所の存在意義について考えたきっかけなど、自分の中で心が動いた瞬間を思い出してみてください。
教育実習やボランティアだけでなく、学生時代の先生との関係、部活動での後輩指導、自分が悩んでいたときに支えてくれた存在など、日常の中に教職へのヒントは必ず隠れています。
名前:M・Nさん(23歳・小学校教員)
両親が民間企業勤めだったこともあり、「安定よりも稼げる仕事を」と営業職を中心にエントリーしていました。
実際に内定ももらっていました。
でも、教育実習で感じた「子ども一人ひとりの変化に関われる喜び」は、どんな会社説明会よりも心が動いた体験でした。
最後は迷いながらも、「将来、胸を張ってこの仕事を選んでよかったと思える道」を選びました。
今では、朝子どもたちと「おはよう」と笑い合える毎日が何よりの報酬です。
他業界にも興味があることを前向きに変換する
他の業界にも関心を持った理由にも目を向けてみましょう。
サービス業やコンサルティング業界に惹かれているのであれば、人とのコミュニケーションや問題解決に関心があるからかもしれません。
教育と関係ないように思えても、実はその関心は、教職に通じる価値観であることも少なくありません。
企業で得られるスキルや考え方が、教育現場でどう生きるかを想像することで、単なる比較ではなく、自分の志望を深める材料になります。
実際に、民間にも惹かれながら教職を選んだ人の中には、教育は一人ひとりの変化に寄り添える仕事だから選んだや短期的な成果よりも、長い時間をかけて関わる仕事がしたかったといった気づきを得て、自分の言葉で志望動機を語れるようになった人が多くいます。
何かを選ぶということは、何かを選ばないということでもあります。
その決断に、自分なりの意味を持たせることが大切です。
教育現場でしか得られないやりがいを言語化する
教員の仕事には、教育現場でしか得られない特別なやりがいがあります。
子ども一人ひとりと日々向き合い、その成長を間近で見守ることができるのは、教員ならではの魅力です。
信頼関係を築きながら、授業や行事、進路指導などを通じて、子どもの変化や気づきに寄り添える。
その積み重ねは、ほかの職業ではなかなか得られない貴重な経験となります。
こうした実感を、自分の体験や価値観と結びつけて言語化できれば、志望動機に強い説得力が生まれます。
【教員採用試験の志望動機】アピールしやすい経験
- 教育実習経験
- 塾講師経験
- ボランティア経験
- リーダーシップを発揮した経験
教員という職業を目指すうえで、志望動機に説得力を持たせるためには、これまでの経験をもとに自分の想いや教育観を言葉にすることが重要です。
想いだけでは伝わらない部分も、具体的な体験を交えることでリアリティを生み出し、この人なら現場で活躍できると感じてもらえる志望動機につながります。
ここでは、特にアピール効果の高い4つの経験と、それをどのように志望動機に活かすかを解説します。
教育実習経験
教育実習は、実際に学校現場に立ち、教員としての仕事に触れる貴重な機会です。
授業づくりの難しさや、生徒との関わりの奥深さ、教職員間の連携の重要性など、机上では学べない多くの気づきを得られたはずです。
「生徒との信頼関係が授業の理解度にも影響することを実感した」「うまくいかなかった授業を振り返り、生徒の立場に立って改善できた」といったエピソードは、自らの成長や課題意識の高さを示すうえで非常に有効です。
この経験を通して、「だからこそ教員になりたい」と感じた原点を、志望動機の中心に据えると強い説得力を生みます。
教育実習経験を志望動機に活かすコツ
教育実習を志望動機に活かす際は、何をやったかよりも、その中で何を感じ、どんな学びがあったかを大切にすることが重要です。
授業がうまくいかなかった経験を通して、生徒の立場に立って考える視点が身についた。
あるいは、子どもとの関わりから信頼関係を築く難しさと向き合った。
そういった実感のこもった気づきが、志望動機に深みを持たせます。
実習は、自分の教育観を育てるきっかけになります。
現場での小さな出来事や感情の動きを、きちんと自分の言葉で整理しておくことで、面接でも自然に話せるようになります。
印象に残った体験をメモに残すだけでも、志望動機の材料や面接での受け答えに大きく役立ちます。
実習の学びを、自分の成長として語れるようにしておくことが、伝わる志望動機をつくる近道です。
塾講師経験
塾講師としての経験も、教員志望者にとって大きなアピールポイントです。
特に個別指導や少人数制の授業を担当していた場合、生徒一人ひとりの理解度や性格に応じた柔軟な指導力が求められ、その力は学校現場でも活かされます。
どのように教えれば伝わるか、生徒のやる気をどう引き出すかといった日々の工夫や、生徒の成長に関わった実感をもとに、教育への想いが強まったと伝えると良いでしょう。
また、塾では成績向上だけでなく、学習習慣や自己管理能力を育てる指導も行われているため、その点に触れることで、学力面と生活面の両方を支える教員像を描くことができます。
ボランティア経験
放課後児童クラブ、学童保育、地域の子どもイベント、特別支援の支援活動など、教育に関わるボランティア経験は、教員としての適性や主体性を示すうえで大いに役立ちます。
特に学校外の多様な環境での経験は、柔軟なコミュニケーション力や、子どもたちの背景を理解する視野の広さとして評価されます。
言葉では感情を伝えられない子と根気よく関わり、信頼関係を築けた、異なる年齢や特性を持つ子どもたちに対し、それぞれに合った対応を工夫したといった体験は、特別支援教育やインクルーシブな学びにも通じる視点として志望動機に活かせます。
自分が「自発的に学びの現場に関わってきた」という姿勢そのものも、高く評価されます。
リーダーシップを発揮した経験
教員には、授業だけでなく、学級経営や学年運営、行事の指導など、組織の中でリーダーとして動く場面が多くあります。
そのため、過去にリーダーシップを発揮した経験は、学校現場での活躍の可能性を示す材料となります。
学級委員や部活動の主将、ゼミ長、サークルリーダー、アルバイトでの責任者などの立場で、「メンバー同士の意見を調整した」「周囲を巻き込みながら目標達成を目指した」などの具体的なエピソードを交えると、集団を支える力・対人調整力・実行力を示すことができます。
これらの経験を通じて、学校という共同体の中で主体的に行動できる人物であることを伝えましょう。
【教員採用試験の志望動機】志望動機の基本構成
教員の志望動機は、自分の想いや経験を単に並べるだけでは不十分です。
以下に紹介する4つのステップを意識すれば、伝わる・伝える志望動機が自然と形づくられていきます。
① 教員になって実現したいことを伝える
志望動機は、まず「教員になって何を実現したいのか」を端的に伝えるところから始めましょう。
この最初の一文は、いわばあなたの教育者としてのミッション宣言です。
採用担当者に「この人は何を大切にしているのか」「どのような方向性で教育に関わっていきたいのか」を明確に印象づけるためにも、なるべく簡潔で、かつ具体性のある表現を心がけましょう。
ここがぼんやりしていると、その後の話にも説得力が生まれにくくなってしまいます。
② なぜ実現したいのか理由をまとめる
次に、その教育目標に至った理由を、あなたの原体験や価値観と結びつけて説明します。
教育実習で出会った生徒の姿に感銘を受けた、自分自身がかつて劣等感に苦しんだ経験がある、塾講師として子どもが変化していく瞬間に立ち会ったなど、そのような出来事を通して「だからこそ私はこういう教育をしたい」と語れれば、単なる理想論ではなく、リアリティのある動機として相手に伝わります。
③ なぜ教員でなければならないか伝える
次に意識すべきは、「その思いを実現する手段として、なぜ教員という道を選んだのか」です。
ここが曖昧だと、他の職業でもよいのではないか、非常勤講師でも構わないのかという印象を与えかねません。
教員という職業だからこそ可能な教育のあり方や、生徒と日々接しながら長期的に成長を支えられる点などに、自分の動機や価値観を結びつけましょう。
ここでのポイントは、教職だからこそできる教育の形に、自分のやりたいことが自然と結びついていることです。
④ 就職後の展望を伝える
最後に、教員として働き始めた後にどのような姿を目指すのか、どのように学校や生徒に貢献したいと考えているのかを伝えましょう。
ここでは、実現したいことをより具体的に描き出すことで、採用担当者に「この人は将来のビジョンを持っている」と思わせることができます。
さらに、成長するために自己研鑽を継続したい、地域や保護者とも積極的に関わっていきたいといった、職場全体への貢献姿勢を伝えられれば理想的です。
【教員採用試験の志望動機】教員のおすすめ志望動機例文
教員を目指すうえで、志望動機は最も重要な要素の一つです。
特に教員採用試験では、限られた文字数や時間の中でなぜ教員なのか、どんな教育をしたいのかを的確に伝える必要があります。
しかし、いざ書こうとすると、どこからどう表現すればよいか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
ここでは、教職を志望する方に向けて、実際に活用できる志望動機の例文を、目的別にわかりやすくご紹介します。
【教員採用の志望動機】小学校・中学校・高校別例文
小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など、校種によって教育の内容や教員に求められる役割は大きく異なります。
そのため、教員の志望動機もなぜその校種を選んだのかを明確にし、説得力のある表現にすることが重要です。
ここでは、校種や職種ごとに特化した教員の志望動機例文をご紹介します。
自分が目指す現場に近い事例を参考にすることで、より具体的な志望理由が見えてくるはずです。
小学校教員の志望動機①
私は、「できた!」「わかった!」という児童の小さな成功体験を積み重ね、自信と学ぶ楽しさを育める教員を目指しています。
大学時代、学童保育でのアルバイトを通じて、集団行動が苦手だった1年生の男の子と毎日関わる中、少しずつ自ら挨拶ができるようになり、友達と一緒に遊べるようになった姿に感動しました。この経験から、児童一人ひとりの心の動きに丁寧に寄り添い、成長を見守る小学校教員の魅力を強く感じました。特に貴校が大切にされている「すべての子どもに学ぶ喜びを」という理念に深く共感しています。
一人ひとりの学びのペースや個性を尊重した教育活動に私も携わり、子どもたちの「自分はここにいていい」と思える学級づくりに貢献していきたいと考えています。
小学校教員の志望動機②
小学校教員として、子どもたちが安心して「失敗できる」環境をつくりたいと考えています。
私自身、児童期に苦手なことをうまくできず悩んでいたとき、担任の先生が「失敗は成長の途中だよ」と何度も声をかけてくれました。その経験から、子どもにとって学校が安心できる居場所であることの大切さを実感しました。 大学では教育学を学ぶ傍ら、児童クラブや学童保育のアルバイトに取り組み、学びと生活が密接につながる小学校教育の意義を深く感じました。
教員としては、学級経営と日々の関わりを通じて、子どもたちが自分を肯定しながら挑戦できる学級づくりに取り組んでいきたいです。
小学校教員の志望動機③
私は、小学校教員として、子どもたちが自分の「できた」を積み重ねて自信を育める授業と関わりを実現したいと考えています。
教育実習で、算数の授業を担当した際に、学習が苦手だった児童が「初めて楽しいと思えた」と言ってくれたことが強く印象に残っています。自分の工夫が児童の学びに繋がった喜びと、支える責任を実感しました。 また、小学校は教科指導だけでなく、生活全体を通じて成長を支えることができる職種だと感じています。
将来は、学びと生活の両面から子どもたちの個性を理解し、誰もが前向きに学校生活を送れるような環境づくりに努めたいと考えています。
中学校教員の志望動機①
私は、生徒の自己形成が進む思春期において、学力だけでなく心の成長を支えることができる教員を目指しています。
中学生時代、私は進路や人間関係に悩み、誰にも相談できず孤立していた時期がありました。そのとき、毎日何気ない声かけをしてくれた担任の先生が、私にとっての救いでした。先生の言葉が少しずつ私の心を開き、「人に話してもいいんだ」と思えるようになったのです。あの経験を通して、私は「知識を教える」だけでなく「生徒の心を支える存在」になりたいと強く思うようになりました。
貴校が掲げる「対話と信頼のある学校づくり」というビジョンのもと、生徒の声に耳を傾け、悩みに寄り添いながら、共に乗り越えていける教員として力を尽くしていきたいと考えています。
中学校教員の志望動機②
私は、中学校教員として、生徒が自分の可能性に気づける場づくりを実現したいと考えています。
中学生の頃、進路に悩み自信をなくしていた私に、担任の先生が「君にはこんな良さがある」と伝えてくれたことが、大きな転機となりました。その経験から、生徒一人ひとりの変化や想いに気づける大人の存在の大切さを強く感じました。 教育実習では、思春期ならではの繊細な感情に触れ、対話と信頼関係が学びへの第一歩になることを実感しました。
私は、生徒の「わからない」「できない」という声に丁寧に寄り添い、日々の関わりの中で小さな自信を育てていける教員を目指しています。
中学校教員の志望動機③
私は、中学生の心の動きに寄り添いながら、学習と生活の両面で支えられる教員を目指しています。
教育支援のボランティアで、学習に消極的だった生徒が、自分の言葉で発言できるようになるまでの過程を見守った経験があります。その変化に立ち会ったことで、生徒が自信を持つためには、安心して挑戦できる環境が必要だと気づきました。 教員という職業は、生徒の「日常」に長く関わり、行動や表情の小さな変化を積み重ねて支援できる点において、他にはない魅力があると感じています。
今後は、教科指導だけでなく、日々の関わりや対話を通して、生徒が自ら学び、自ら考える力を育てていきたいです。
高等学校教員の志望動機①
私は、高校生のキャリア形成や進路選択を支える存在として、生徒が自分の道を自分で決められる力を育てる教員を目指しています。
大学時代、進路に悩む高校生向けの学習支援ボランティアに参加した際、「大人に相談しても否定されると思っていた」と語る生徒と出会いました。その言葉から、高校生が本音を安心して話せる環境と、選択を支える対話がどれほど重要かを痛感しました。その経験から、教科指導にとどまらず、生徒の生き方や価値観にも深く関わり、共に未来を描く教育をしたいと強く思いました。
貴校のキャリア教育への積極的な取り組みに強く共感しており、私も生徒一人ひとりの納得のいく進路選択を全力でサポートする存在でありたいと考えています。
高等学校教員の志望動機②
私は、高校教員として、生徒が自分の進路や価値観を主体的に選べるよう支援したいと考えています。高校時代、進路に悩む中で担任の先生が私の強みを言語化し、可能性を信じて背中を押してくれたことが今でも心に残っています。 大学では教育学に加えて、キャリア教育や探究学習についても学び、知識と現実をつなぐ指導の重要性を感じました。教員という立場だからこそ、生徒の人生の転機に寄り添い、その選択を支えることができると思っています。
将来は、教科指導とキャリア支援の両面から、生徒の自立を後押しできる教員を目指します。
高等学校教員の志望動機③
高校生が「自分の道を選ぶ」時期に、教科の魅力と対話を通じて、生徒の視野を広げる教育を実践したいと考えています。
私は大学で国語教育を学びながら、模擬授業や教育実習に取り組み、生徒が自分の考えを言語化する姿に強く惹かれました。特に「答えのない問い」に向き合う姿勢を育む国語の授業に、大きな教育的価値を感じています。高校教育は、学問的な探究だけでなく、社会に出る準備としての視点も必要だと感じています。
今後は、教科の専門性を活かしながら、生徒一人ひとりが自分の言葉と意思で将来を切り拓いていけるよう、丁寧に伴走していきたいです。
特別支援学校の志望動機
私は、すべての子どもが「自分らしく学び、自分らしく生きる力」を育てられる教育を実現したいと考え、特別支援教育を志望しました。
大学で発達障がいに関するゼミに所属し、通級指導教室の見学や実習を通じて、一人ひとりの特性に合った支援の重要性と奥深さを学びました。特に、言葉では気持ちを伝えられない生徒が、絵カードやジェスチャーを通じて自分の思いを表現し、笑顔になっていく姿に心を動かされました。私は、生徒の可能性をできないではなくどうすればできるかという視点で見つめ、適切な支援方法を一緒に探していく姿勢を大切にしています。
貴校の「共に生きる力を育てる」という教育理念のもと、障がいの有無にかかわらず一人ひとりの個性と成長を尊重する教育に力を尽くしていきたいと考えています。
私立学校職員の志望動機
私は、貴校が掲げる「生徒一人ひとりの可能性を最大限に引き出す教育」に強く共感し、私立学校であるからこそできる丁寧な教育実践に携わりたいと考えております。
大学時代、個別指導塾で講師として中高生の学習サポートを行う中で、学力や性格に合わせた柔軟な対応の重要性を学びました。生徒と1対1で向き合いながら、信頼関係の中で学びを深めていく経験は、私自身の教育観を大きく育ててくれました。貴校では、教科指導だけでなく、道徳や探究、キャリア教育など、生徒の内面に働きかける取り組みが充実していることを知り、そうした教育に深く関われる点にも魅力を感じています。
私は教員として、学力の向上はもちろん、生徒の悩みや不安に寄り添い、「学校が安心できる場所」と思えるような関わりを大切にしていきたいと考えています。
公立学校職員の志望動機
私は、すべての子どもが等しく質の高い教育を受けられる公教育の理念に共感し、教員として公立学校で働くことを志望しております。
大学時代、教育実習を通じて、多様な背景を持つ子どもたちと出会いました。中には家庭環境に課題を抱え、学習意欲を持ちにくい子もいましたが、日々の小さな成功体験を積み重ねることで、自信を取り戻していく姿に触れ、教育の力を肌で感じました。公立学校は、地域と密接につながり、子どもたちの生活や成長を長期的に支える場です。私は、学習指導だけでなく生活面や心のケアにも丁寧に関わり、すべての子どもが「ここにいてよかった」と思える居場所をつくっていきたいと考えています。
将来的には、地域の教育資源や保護者との連携を深めながら、子どもたちの多様なニーズに応えられる教員を目指したいです。
【教員採用の志望動機】教科別例文
教科ごとの特性や教育的な役割を意識した志望動機は、教員としての専門性や教育観をしっかり伝える手段になります。
国語、数学、英語、理科、社会、体育など、それぞれの教科ならではのアプローチで、生徒にどう関わりたいかを言葉にすることが求められます。
ここでは教科別に構成された志望動機の例文をご紹介しますので、自分の担当教科に合わせて表現を練り上げる参考にしてください。
教科教育(国語科教員)の志望動機
私は、国語を通して「言葉で自分を表現し、他者を理解する力」を育てたいと考えています。
大学で国語教育の指導法を学びながら、家庭教師として中学生に作文指導をしていた際、言葉に自信が持てず書くことを苦手としていた生徒が、「先生と話していると書けそうな気がする」と言ってくれたことがあります。その瞬間に、言葉は誰かに届く体験があってこそ生きると強く感じました。国語の授業では、知識の習得だけでなく、生徒が自分の言葉で思考を深めたり、他者と向き合ったりする力を育てることができると信じています。
貴校で、生徒たちが「自分のことば」で生きていけるような学びの時間を提供し、その成長に寄り添っていきたいと考えています。
教科教育(数学科教員)の志望動機
私は、数学を「わかる」「使える」「面白い」と感じられる授業を通じて、生徒の論理的思考力と探究心を育てたいと考えています。
大学時代、学習塾で担当していた生徒に「答えは合っているけれど、なぜそうなるのかは説明できない」と言われたことがきっかけで、ただ解けることと理解していることの違いに気づかされました。その経験から、私は「プロセスを大切にする数学教育」にこだわりたいと思うようになりました。
貴校が進める「学びに向かう力」の育成方針に共感し、単なる知識の伝達ではなく、生徒が自分の言葉で説明し、活用できる力を育てる数学授業を通して、学校全体の学びの質の向上に貢献したいと考えています。
教科教育(理科教員)の志望動機
私が理科教員を志望する理由は、子どもたちの探究心を引き出し、科学的にものごとを捉える力を育てたいと考えているからです。
大学での研究活動や教育実習を通じて、観察・実験を通じて「なぜ?」を追いかける経験が、生徒にとって学びを主体的なものに変えていくことを実感しました。 特に実習では、自ら手を動かし考察を深めていく授業に生徒が積極的に関わり、興味をもって理科に取り組む姿を目の当たりにしました。この体験から、知識を教えるだけでなく、問いを持ち続ける姿勢を支えることが教員の役割だと強く感じました。
理科という教科の魅力を伝え、生徒一人ひとりの好奇心と学ぶ力を育てられる教員を目指してまいります。
教科教育(社会科教員)の志望動機
私が社会科教員を志望する理由は、社会のしくみや歴史を学ぶことを通して、生徒が自分の生き方や社会との関わりを考えるきっかけをつくりたいと考えたからです。
大学で歴史学と現代社会の両方を学ぶ中で、過去の出来事から学び、今の社会問題に目を向ける力を育てることが社会科教育の本質であると感じました。教育実習では、歴史の授業に現代のテーマを絡めて扱った際、生徒が自分の意見を持ち始めた姿にやりがいを感じました。
知識の習得だけでなく、自ら考え、社会の一員としての責任や意識を持てるような授業づくりを通じて、生徒の主体的な学びを支えていける教員を目指しています。
教科教育(英語科教員)の志望動機
私は、英語を「教科」として学ぶだけでなく、「自分の世界を広げる道具」として活用できるような授業を実践したいと考えています。
大学在学中、英語指導アシスタントとして中学生の授業に参加した際、発音に自信が持てず発言をためらう生徒が多いことを知りました。その経験から、「間違えても大丈夫」という安心感のある学習環境の大切さを実感しました。英語は、知識の定着だけでなく、異文化理解や自己表現を促す力があります。私は授業の中で、実生活とつながる英語活動やペアワーク、プロジェクト型学習を取り入れ、生徒が主体的に学べる空間をつくっていきたいと考えています。
将来的には、スピーキングやライティングの力もバランスよく育てながら、「自分の言葉で伝える」楽しさを感じられる英語教育に取り組んでいきたいです。
教科教育(体育科教員)の志望動機
私は、体育を通して「挑戦する心」「協力する力」「自分の体と向き合う習慣」を育てることができる教員を目指しています。
大学で部活動の外部コーチとして関わっていた際、運動が苦手な生徒がリレー選手に選ばれたとき、自分が役に立てたのは初めてと話してくれた言葉が忘れられません。体育は運動能力の向上だけでなく、仲間との関係づくりや自己肯定感の育成に深く関わる教科です。
貴校が重視されている「誰もが楽しめる体育」に共感し、私も競技経験に偏らず、一人ひとりが自分なりの挑戦を実感できるような授業づくりに尽力したいと考えています。
【教員採用の志望動機】経験・背景別例文
教育実習、塾講師、留学経験、ボランティア活動など、これまでの経験をどう教職志望に結びつけるかは、志望動機の核となる部分です。
また、リーダーシップを発揮した体験など、個人的な背景からくる想いも、真摯に言語化すれば強い説得力を持ちます。
ここでは、さまざまな経験や背景を起点とした教員の志望動機例文を取り上げています。
自分自身の体験と重ねながら読んでみてください。
教育実習の経験をアピールする志望動機
私は、大学3年次に行った中学校での教育実習を通して、教員という仕事の本質に触れ、この道を志す覚悟が固まりました。
実習当初、私は授業をうまく進行することばかりを意識していましたが、ある生徒が授業後に「先生、分かりやすかったけど、なんであのやり方だったの?」と質問してくれたことをきっかけに、生徒がどう学んでいるかという視点のズレに気づきました。 そこから授業づくりの目的を自分の「説明」から「生徒の理解」へと切り替えたことで、生徒たちの反応が変わり、少しずつ授業が双方向に育っていく感覚を持てるようになりました。この経験を通じて、教員とは教えるだけでなく、学びをデザインし、個々の反応に応じて育てていく存在なのだと実感しました。
将来は、生徒の「わかった!」という瞬間を積み重ね、学びに自信を持てる授業を提供できる教員を目指したいと考えています。
塾講師・家庭教師経験を活かした志望動機
塾講師として3年間中学生を指導する中で、成績の向上だけでなく、生徒の学ぶ意欲や自己肯定感の変化に深く関われることにやりがいを感じ、教職を志望しました。
授業中の工夫や声かけによって、生徒の目が輝き出す瞬間に何度も立ち会い、教えることが学力だけでなく人を支える営みであると実感しました。
こうした経験を活かし、学校教育という継続的な関わりの中で、生徒の可能性を引き出せる教員を目指したいと考えています。
ボランティア活動がきっかけの志望動機
大学1年から地域の放課後学習支援のボランティアに継続的に参加し、さまざまな背景を持つ子どもたちと関わる中で、教育が果たす役割の大きさを実感しました。
学習に遅れのある子や家庭の支援が十分に届かない環境にいる子どもたちと接する中で、子どもが安心して質問できる場や、分かる喜びを共有できる大人の存在が、学びのきっかけとなることを体感しました。こうした原体験を通じて、すべての子どもにとって「ここなら学んでいい」と思える環境をつくりたいという思いが強まりました。
教員として、学力だけでなく、子どもたちの心の声に耳を傾け、学ぶ意味を一緒に築いていけるような存在を目指したいと考えています。
学級委員や部活のリーダー経験から書く志望動機
私は高校時代、学級委員や部活動の副部長として集団をまとめる役割を担う中で、一人ひとりの思いや状況を尊重しながら集団を動かす難しさに向き合いました。
意見の対立や温度差の中でも、全員が納得できる道を探ることの大切さや、人の力を引き出す関わり方の奥深さに触れ、教育という仕事に関心を持つようになりました。 大学では教育学を学びながら、実習や教育支援の経験を重ねる中で、教員は「知識の伝達者」ではなく、「人の成長を支える触媒」のような存在だと考えるようになりました。
これまでの経験で培った人との関わり方や調整力を生かしながら、生徒が安心して挑戦できる学級づくりを軸に、教員として歩んでいきたいと考えています。
留学や海外経験から英語教育を志望した志望動機
私は大学2年次にオーストラリアに留学し、現地の教育ボランティアを通じて「英語は知識ではなく、自分の考えを伝えるための手段」だということを強く実感しました。
異文化の中で自分の価値観が揺さぶられた経験から、英語は語学であると同時に、相手を理解し、違いを越えてつながる力を持つ言語だと気づきました。 帰国後、国内での英語学習支援や実習を通じて、発音や文法といった技術以上に、「伝えたい」という気持ちを引き出す関わりが英語教育には必要だと感じました。
私は教員として、生徒たちが英語を通じて世界を広げ、自分の考えを自信を持って伝えられるようになるような指導を行いたいと考えています。
保育園・幼児教育の経験から小学校を目指す志望動機
私は大学時代、保育園での長期実習を通して、幼児期の発達段階に応じた関わりの重要性を学びました。
同時に、保育の延長線として子どもたちの成長をさらに長く支えていきたいという思いが芽生え、小学校教育に関心を持つようになりました。 子どもが「できた」と感じる瞬間には、自信と学ぶ喜びが宿っています。私は、そうした瞬間を積み重ねながら、自立と社会性の基礎を育む小学校教育の現場で、子どもたちの成長にじっくり寄り添いたいと考えています。
安心して学べる環境づくりと、一人ひとりのつまずきに気づける教員を目指して、教職を志望しています。
【教員採用試験の志望動機】志望動機でよくあるNGと改善ポイント
教員を目指すうえで、志望動機はとても大切な要素ですが、書き方や伝え方を間違えると、せっかくの想いが十分に伝わりません。
以下では、よくあるNG例と、採用側の視点から見た改善のヒントをご紹介します。
【NG例】子どもが好きだからだけで終わっている
「子どもが好き」という理由は、多くの志望者が語る非常に人気な動機です。
しかし、これだけでは動機としては弱く、差別化もされにくいため注意が必要です。
本当に子どもが好きであるならば、どんな場面でその想いを実感したのか、どんな子どもの姿に心を動かされたのかを具体的に語りましょう。
そして、子どもが好きという気持ちを出発点に、「こういう教育をしたい」「このように成長を支援したい」と発展させていく必要があります。
子どもへの愛情を行動や教育方針にまで昇華させた言葉があって、初めて採用担当者の心を動かします。
木下恵利

子どもが好きという気持ちを出発点に、その関わりの中で何を感じたか、どんな教育をしたいと思ったかを掘り下げて伝えることが大切です。実体験を交えて、自分の教育観にまでつなげましょう。
【NG例】先生に憧れてで終わっている
自分が受けた教育や、尊敬する先生との出会いがきっかけで教員を志すというエピソードは、多くの人に共感されやすいものです。
しかし、「憧れています」だけで終わってしまっては、単なる理想に過ぎない印象を与えてしまいます。
憧れだけでは、現実の厳しさに直面したときに挫折してしまうのではないかという懸念が生まれるのです。
大切なのは、その憧れをどのように自分の中で消化し、具体的な教育観や行動指針に変えてきたかを示すことです。
憧れを過去の出発点とし、そこから「自分はこうなりたい」という意志をはっきりと示すことが重要です。
木下恵利

憧れを持ったきっかけを出発点として、その先生のどのような姿勢や言葉が印象的だったのか、そして自分はそれをどう受け取り、どんな教員になりたいと思ったのかを具体的に表現すると説得力が増します。
【NG例】〇〇を学びたいと受け身
授業づくりを学びたい、子どもとの関わり方を身につけたいといった表現は、一見前向きに見えますが、教職においては受け身の印象を与えてしまうことがあります。
教員の志望動機では自分自身がどのような教員になり何をしていきたいが重要です。
木下恵利

学びたいという姿勢は大切ですが、それだけでは教えてもらう立場のままです。
学びたいことを踏まえたうえで、自分がどう成長し、学校や生徒にどう貢献したいかまで言及すると、主体性が伝わります。
【NG例】安定した収入が見込めると条件が志望動機になっている
教員という職業は、公務員であることも多く、経済的な安定が魅力の一つであるのは事実です。
しかし、それをそのまま志望理由として語るのは大きなNGです。
採用側は、この人は教育よりも待遇を重視しているのではと懸念しますし、困難な状況でも子どもに向き合えるのかと不安を抱かせてしまいます。
教員の仕事は決して楽ではなく、責任も重く、精神的なタフさも求められます。
その中で収入の安定を前面に出す動機は、教育への情熱や信念が感じられず、信頼を得るのは難しいでしょう。
木下恵利

もし経済的安定を人生設計の一部として大切にしているのであれば、それは内心にとどめた上で、安定した職であるからこそ、長期的に生徒と関わり続けたいといった貢献の継続性につなげる形で言い換える必要があります。
【教員採用試験の志望動機】教員の志望動機の注意点
- 志望動機が抽象的であいまい
- 他の教育機関でも通る志望動機にしない
- 教育に関心がないと思われないようにする
- 条件を志望動機にしている
- 志望学校や自治体の教育方針の丸写し
教員の志望動機を書くうえで最も重要なのは、自分の考えや経験から導き出された本音がきちんと伝わることです。
どれだけ立派な言葉を並べても、内容があいまいだったり、どこかで見たような表現を借りてきただけでは、採用担当者の心には響きません。
ここでは、特にありがちなNGパターンとその理由、回避のための視点を解説します。
志望動機が抽象的であいまい
「子どもたちの成長を支えたい」「教育に貢献したい」というような言葉は一見前向きで立派に聞こえますが、それだけでは何をどうしたいのかが伝わりません。
抽象的な言葉に終始すると、誰にでも言える内容になってしまい、あなた自身の想いや背景が見えてこなくなってしまいます。
採用担当者が知りたいのは、「なぜそう思うに至ったのか」「その想いは具体的にどんな行動に現れているのか」です。
過去の体験や実際に関わった子どもとのエピソード、そこから考えるようになった教育観など、自分だけの視点や感情を具体的に言葉にして、あいまいな表現から脱却しましょう。
他の教育機関でも通る志望動機にしない
私立校や公立校、自治体、教育機関ごとに求められる教員像や教育方針は異なります。
どこにでも通用するような汎用的な志望動機を書いてしまうと、本当にこの学校・この自治体で働きたいのか?という疑念を抱かせてしまいます。
その学校を選んだ理由、その地域で教えたい理由が伝わるよう、事前の情報収集を丁寧に行いましょう。
学校の教育理念や特色、地域が抱える課題や取り組みと、自分の教育観や経験がどこでつながるのかを明確にし、この場所でなければならない理由を言葉にすることがポイントです。
教育に関心がないと思われないようにする
教えるのが得意だから、安定しているからという理由を前面に出してしまうと、教育そのものへの関心が薄いように見えてしまうことがあります。
採用担当者は、教育に対する真剣な姿勢や、生徒と向き合う覚悟を何より重視します。
そのため、教職の本質に対する理解や、教育現場の課題に対して自分なりに考えていること、教育を通して実現したいことをしっかり盛り込むことが大切です。
教育の意義や魅力をどこに感じているかを、あなたの言葉で語ることが大切です。
条件を志望動機にしている
「安定した職だから」「福利厚生が充実しているから」といった条件面を前面に出す志望動機は、教職という仕事の本質から外れてしまいます。
もちろん、安定性や待遇に魅力を感じること自体は自然なことですが、それを志望の主な理由として伝えてしまうと、「教育への情熱が足りない」「子どもと真剣に向き合う覚悟がない」と受け取られてしまう可能性があります。
もしそのような側面が志望の一因であったとしても、それによって「長期的に教育に関わり続けることができる」といった教育的な理由に言い換えていく工夫が必要です。
採用側が期待するのは、教員としてどのように子どもたちと向き合っていくかという視点なのです。
志望学校や自治体の教育方針の丸写し
学校の教育理念や自治体の方針に共感することは、志望動機においてとても大切な要素ですが、それをただ文章として引用しただけでは意味がありません。
「共感しています」「賛同します」と述べるだけではなく、なぜ共感したのか自分の考えとどう重なるのかまで踏み込んで書くことが大切です。
教育方針の言葉をそのまま使うと、「表面だけ整えた文章」「中身がない」と捉えられる恐れがあります。
大切なのは、自分の教育観や経験からその方針に自然とたどり着いたことを伝えることであり、あくまで学校の理念や方針は自分の志と重なっていることを示す補足的な存在として使うべきです。
【教員採用試験の志望動機】よくある質問(Q&A)
文字数の目安は、提出する形式によって異なります。
履歴書やエントリーシートに記入する場合は、300~400字程度が一般的です。
短すぎると内容が薄く、長すぎると要点が伝わりにくくなることもあります。
面接の自己紹介やスピーチでは、1分〜1分半程度(原稿で400~500字)を想定して構成するとバランスがよくなります。
重要なのは、文字数よりも「内容の濃さと伝わりやすさ」です。
経験・気づき・志望理由・将来像が簡潔にまとまっているかを意識しましょう。
一部の内容を使い回すのは問題ありませんが、まったく同じ文章をそのまま提出するのはおすすめできません。
学校ごとに教育方針や重視している取り組みが異なるため、それに合わせて言葉を調整することが必要です。
とくに「なぜこの学校を選んだのか」という部分は、しっかり個別に書き分けることが大切です。
共通の志望理由をベースにしつつ、学校ごとの特色に触れることで、誠実さや本気度が伝わります。
迷っていたり、自信が持てなかったりして、「なぜ教員なのか」がはっきり言えないことは珍しくありません。
そんなときは、自分が人と関わる中でどんな場面にやりがいを感じたかを振り返ってみるのがおすすめです。
例えば、子どもの成長を支える場面に心が動いた経験や、教えることを通じて相手の表情が変わった瞬間など、自分が“嬉しい”と感じた原点を探してみましょう。
最初は小さな動機でも構いません。
そこに向き合い、少しずつ言葉にしていくことで、自分らしい志望動機が見えてきます。
まとめ
教員の志望動機は、自分の想いや経験を具体的に言語化し、「なぜ教員なのか」「なぜその学校なのか」「どのように貢献できるのか」を明確に伝えることが重要です。
抽象的な表現や条件面の強調、教育方針の丸写しは避け、自分の言葉で構成することが、信頼される志望動機につながります。
教員志望の方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
木下恵利
教員は覚悟と使命感が問われる職業です。
志望動機で教育観や人間性を言語化することが、採用と現場での土台になります!