就職活動の適性検査では、「GAB」を受検することがあります。
GABの対策を効率よく進めるなら、例題を解いて出題パターンを把握するのが最短ルートです。
この記事では、GABの頻出例題と解き方を分野別に紹介し、解法パターンをマスターする方法を解説します。
- GABの頻出出題パターン
- 分野別の例題と解法ステップ
- 解法を定着させる効果的な方法
- 例題が解けるおすすめツール
- GABの出題傾向を知りたい人
- ベンチャー企業の選考を控えている人
- 例題を解いて効率よく対策したい人
目次[目次を全て表示する]
GABとは?テストの特徴と出題内容
GABは日本エス・エイチ・エルが提供する総合適性検査で、特に新卒採用で広く使われています。
ここでは、GABの基本情報や出題形式について確認していきましょう。
GABの基本情報
GABは日本エス・エイチ・エル(SHL社)が提供する総合適性検査で、「Graduate Aptitude Battery」の略称です。
検査内容は「言語理解」と「計数理解」の能力検査に加え、パーソナリティを測定する性格検査で構成されています。
GABの特徴は長文読解と図表処理に特化した出題形式で、情報処理能力の高さが問われる点にあります。
玉手箱の元となったテストでもあり、出題形式に共通点が多いため、GABの対策は玉手箱対策にも活かせます。
受検方式はペーパー形式(GAB)とWeb形式(WebGAB)の2種類があり、Web形式はC-GABとも呼ばれています。
コンサルティングファームや総合商社など、高い情報処理能力を求める企業での導入が目立ちます。
GABを導入するベンチャー・成長企業の傾向
GABは大手企業で使われるイメージが強いですが、コンサル系ベンチャーや戦略系スタートアップでも採用されています。
特にデータ分析やコンサルティングを主要事業とするベンチャーでは、応募者の情報処理能力を重視するためGABを選ぶケースがあります。
ベンチャー企業がGABを導入する理由は、論理的思考力と数的処理能力を同時に測定できる点にあります。
少数精鋭のチームで高い生産性を求めるベンチャーにとって、これらの能力は事業推進に不可欠な要素です。
また、GABの結果からマネジメント適性やチームワーク適性なども予測できるため、採用後の配属にも活用されています。
GABを実施する企業はSPIよりも少ないですが、高い情報処理能力を求める選考では避けて通れないテストです。
GABの出題形式と制限時間
GABの能力検査は「言語理解」と「計数理解」の2科目で構成されています。
言語理解は長文を読んで設問に答える形式で、52問を25分で解く必要があります。
計数理解は図表やグラフからデータを読み取る問題で、40問を35分で解きます。
1問あたりの解答時間は言語が約29秒、計数が約53秒と非常にタイトな時間設定になっています。
Web形式(C-GAB)では制限時間がさらに短くなる場合があるため、より素早い解答力が求められます。
性格検査はOPQ形式が採用されることが多く、約25分で回答します。
GABの頻出出題パターン
GABの出題パターンは大きく3つに分類でき、それぞれに対策の方法が異なります。
ここでは、頻出パターンの特徴と出題頻度を解説します。
パターン1の特徴と出題頻度:論理的読解
言語理解の中核をなすのが論理的読解の問題です。
500〜600字程度の長文を読んで、各設問の内容が「正しい」「誤り」「判断できない」のいずれかを選ぶ形式です。
1つの長文に対して4つの設問がセットになっており、全体で約13セットの長文が出題されます。
このパターンでは本文の内容のみで判断することが絶対条件で、一般常識や推測は排除する必要があります。
特に「判断できない」の選択肢を正しく使えるかが正答率を大きく左右します。
論理的読解はGABの言語理解における配点の大部分を占めるため、最優先で対策すべきパターンです。
パターン2の特徴と出題頻度:図表の読み取り
計数理解の中心となるのが図表の読み取り問題です。
グラフや表からデータを読み取り、割合、増減率、構成比などを計算して回答します。
1つの図表に対して4つの設問がセットになっており、全体で約10セットが出題されます。
図表の種類は棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフ、表など多様な形式が出題されるため、どの形式にも対応できる力が必要です。
計算自体は四則演算の範囲ですが、データの読み取りと計算を短時間で行う処理能力が問われます。
概算力を鍛えて不要な桁の計算を省略できるようになると、解答スピードが大幅に向上します。
パターン3の特徴と出題頻度:表の空欄推測
計数理解でもう一つ出題されることがあるのが表の空欄推測です。
データの法則性を見つけて表の空欄に入る数値を推測する問題で、高い分析力が求められます。
図表の読み取りと比べると出題頻度は低いですが、正答率も低いため差がつきやすい分野です。
表の空欄推測では行方向と列方向の両方から法則性を探すのが基本的な解法です。
足し算、引き算、掛け算、割り算のいずれかの法則が隠されていることが多く、簡単な演算から順に試していくのが効率的です。
時間が限られているため、法則性が見つからない場合は飛ばして次に進む判断も重要です。
GABの例題と解き方【言語理解】
言語理解は長文を正確に読み取る力が試される分野です。
ここでは、GAB形式の論理的読解の例題を使って解法を学びましょう。
例題1と解法ステップ
【本文】「テレワークの普及により、地方への移住を検討するビジネスパーソンが増えている。内閣府の調査によると、東京圏在住者の約3割がテレワークを機に地方移住に関心を持つようになったという。一方で、実際に移住を実行した割合は全体の5%に満たない。」
【設問】「東京圏在住者の3割以上が実際に地方へ移住した」
A. 正しい B. 誤り C. 判断できない
解答 B
解説
本文では「地方移住に関心を持つようになった」のが約3割と述べられています。
一方、「実際に移住を実行した割合は全体の5%に満たない」と明記されています。
設問は「3割以上が実際に移住した」と述べていますが、これは本文の内容と明確に矛盾するため「誤り」が正解です。
「関心を持った」と「実際に移住した」は異なる行動であり、設問が意図的にすり替えていることに気づけるかがポイントです。
GAB形式では、本文の表現と設問の表現の微妙な違いを見抜く力が求められます。
数値が含まれる設問では、本文中の数値と設問の数値を照合する作業を必ず行いましょう。
例題2と解法ステップ
【本文】「AI技術の発展により、定型業務の自動化が進んでいる。しかし、創造性を必要とする業務や対人コミュニケーションが中心の業務は、現時点ではAIによる代替が困難とされている。」
【設問】「AI技術が発展すれば、将来的にはすべての業務を自動化できる」
A. 正しい B. 誤り C. 判断できない
解答 C
解説
本文では「現時点では」代替が困難とされていますが、将来についての言及はありません。
設問は「将来的にはすべての業務を自動化できる」と述べていますが、本文は将来の可能性について肯定も否定もしていません。
したがって、本文の情報だけでは正しいとも誤りとも「判断できない」が正解です。
「現時点では困難」という記述から「将来も困難」と推測するのは論理の飛躍にあたります。
GAB形式では時間的な限定表現(「現在」「現時点では」「今のところ」等)に注目すると、判断を誤りにくくなります。
迷った場合は「本文にその情報が書かれているか」を自問自答し、書かれていなければ「判断できない」を選びましょう。
言語理解の攻略ポイント
GABの言語理解はスピードと正確性の両立が求められます。
1問あたり約29秒しかないため、長文を最初から最後まで丁寧に読む時間はありません。
効果的な解法は、まず設問を先に読んで何が問われているかを把握し、その後に本文の該当箇所を探す方法です。
数値が含まれる設問では、本文中の数値をマーキングしておくと照合がスムーズになります。
「判断できない」の選択肢を正しく使えるようになると正答率が大きく向上するため、練習では特にこの選択肢の判断基準を意識しましょう。
毎日10問以上のペースで練習を続けると、2週間程度で本番レベルのスピードに達することができます。
GABの例題と解き方【計数理解・図表】
計数理解は図表やグラフからデータを素早く読み取り計算する力が問われます。
ここでは、図表の読み取りの例題を使って解法パターンを確認します。
例題1と解法ステップ
以下はある企業の四半期別売上高(単位:億円)である。
第1四半期:45、第2四半期:52、第3四半期:48、第4四半期:55
第2四半期の売上が全体に占める割合は約何%か。
A. 24% B. 26% C. 28% D. 30% E. 32%
解答 B
解説
まず全体の合計を求めます。45+52+48+55=200億円です。
第2四半期の割合は52÷200×100=26%となります。
この問題では合計が200というきれいな数字になったため計算が簡単ですが、本番では端数が出る場合が多いです。
端数が出る場合は概算を使って素早く答えを絞り込むテクニックが有効です。
例えば合計が198であれば200とみなし、52÷200=26%と概算すれば十分に正解を特定できます。
図表問題では最初に全体の構造(合計値、最大値、最小値)を把握してから個別の計算に入るのが効率的です。
例題2と解法ステップ
ある部門の売上高が2022年は180百万円、2023年は210百万円だった。2023年の対前年増加率は約何%か。
A. 14% B. 15% C. 17% D. 19% E. 20%
解答 C
解説
増加率は「(今年−前年)÷前年×100」で計算します。
(210−180)÷180×100=30÷180×100=16.67%≒約17%です。
増加率の問題で注意すべきは、分母を「前年の値」にすることです。
「今年の値」を分母にしてしまう間違いが非常に多いため、問題文で何に対する割合かを確認しましょう。
概算で解く場合は、30÷180を30÷200≒15%と概算してから、実際はもう少し大きいと判断して17%を選ぶこともできます。
選択肢の間隔を見て概算の精度をどこまで上げるべきか判断するのが、図表問題のスピードアップのコツです。
計数理解の攻略ポイント
計数理解は概算力と図表の読み取りスピードが得点を左右します。
正確な値を求めるよりも、選択肢の中から正解を特定できる精度の概算ができることが重要です。
割合の計算では、よく使う分数(1/3≒33%、1/4=25%、1/5=20%、1/6≒17%等)を暗記しておくと計算が速くなります。
図表を読む際は単位、期間、軸のラベルを最初に確認し、読み取りミスを防ぎましょう。
1つの図表に複数の設問がある場合は、合計値など共通して使うデータを最初にメモしておくと効率的です。
練習では1セット4問を2分以内に解くことを目標にし、毎日5セット以上のペースで取り組みましょう。
GABの例題と解き方【計数理解・空欄推測】
表の空欄推測は、データの法則性を見抜く分析力が求められる問題です。
ここでは、空欄推測の例題を通じて解法パターンを確認しましょう。
例題1と解法ステップ
次の表の空欄に入る数値を求めなさい。
行1:2, 4, 8, 16
行2:3, 6, 12, □
A. 18 B. 20 C. 22 D. 24 E. 26
解答 D
解説
表の空欄推測では行方向の法則性を最初に確認します。
行1を見ると、2→4→8→16と各数値が2倍になっていることがわかります。
行2も同じ法則を適用すると、3→6→12→□で、12×2=24が正解です。
表の空欄推測では、行方向と列方向の両方から法則性を検証することが大切です。
列方向を見ると、1列目は2と3(差が1)、2列目は4と6(差が2)、3列目は8と12(差が4)と、差も2倍ずつ増えていることが確認できます。
複数の方向から法則性を確認できると、答えの正確性が高まるとともにケアレスミスも防げます。
例題2と解法ステップ
次の表の空欄に入る数値を求めなさい。
行1:10, 15, 25, 40
行2:20, 25, □, 50
A. 30 B. 33 C. 35 D. 38 E. 40
解答 C
解説
行1の差を確認すると、5, 10, 15と差が5ずつ増えているパターンです。
行2も同様に確認すると、最初の差が5(20→25)、次の差は10(25→□)、最後の差は15と予測できます。
□=25+10=35が正解です。
検証として、列方向を見ると各列の差は10(10と20)、10(15と25)、10(25と35)、10(40と50)で統一されています。
空欄推測では、単純な等差だけでなく「差の差」にも着目するパターンがあることを覚えておきましょう。
法則性が見つからない場合は、四則演算を順番に試していくアプローチが有効です。
空欄推測の攻略ポイント
空欄推測は法則性の発見力がすべてです。
基本的な法則パターンは、等差(同じ数を足す)、等比(同じ数を掛ける)、差が変化する(差が等差・等比で変化)の3つです。
行方向で法則が見つからない場合は、列方向や斜め方向にも法則がないか確認しましょう。
本番では1問に1分以上かけないことが重要で、法則が見つからなければ飛ばす判断も必要です。
練習では様々なパターンの問題に触れることで、法則性を素早く見抜く直感力が養われます。
空欄推測は出題頻度がやや低いため、図表の読み取りと論理的読解の対策を優先した上で取り組むのが効率的です。
例題で身につけた解法を定着させる方法
例題を解いた後は、解法パターンを確実に記憶に定着させることが重要です。
ここでは、GAB対策に効果的な3つの学習法を紹介します。
解法パターンをノートにまとめる
GABは言語理解と計数理解で求められるスキルが異なるため、科目別にノートを分けて整理しましょう。
言語理解のノートには「正しい・誤り・判断できないの判断基準」と「間違えた問題の振り返り」を記録します。
計数理解のノートには「使用した公式」「概算のテクニック」「よく出るグラフの読み方」をまとめましょう。
特に間違えた問題の原因分析をノートに書き残しておくと、同じミスの再発を防ぐことができます。
ノートは1ページ1パターンで整理すると見返しやすく、試験直前の確認にも活用できます。
定期的にノートを見返して解法の記憶を強化する習慣をつけましょう。
類似問題を繰り返し解く
GABの出題パターンは限られているため、同じ形式の問題を集中的に解くのが最も効果的な対策です。
論理的読解は1日10問以上のペースで練習し、判断のスピードと正確性を同時に鍛えましょう。
図表の読み取りは1日5セット(20問)以上を目標にし、様々な種類のグラフに慣れることが大切です。
反復練習のコツは1日に1つの分野に集中することで、月曜は言語、火曜は計数というように分けると効率的です。
間違えた問題には付箋を貼っておき、翌日に必ず解き直すサイクルを作りましょう。
2週間程度の集中的な練習で、本番に必要なレベルの実力を身につけることができます。
時間を計って実戦感覚を養う
GABは制限時間が非常に厳しいテストであるため、時間を計った練習は必須です。
言語理解は1問29秒、計数理解は1問53秒を目標タイムに設定して練習しましょう。
最初は時間を気にせず正確に解くことを優先し、正答率が安定してきたらスピードを上げていきます。
本番形式の練習では、全問を時間内に解ききる感覚をつかむことが最も重要です。
わからない問題に時間をかけすぎると後半の問題に手が回らなくなるため、1問に使える時間の上限を決めておきましょう。
模擬テストを2〜3回受けることで、本番の時間配分を正確にシミュレーションできます。
GABの例題が解けるおすすめツール
GABの対策を効率的に進めるために、各種ツールを上手に活用しましょう。
ここでは、目的別におすすめのツールを紹介します。
無料サイト・アプリ
GAB対策ができる無料のWebサイトやアプリを活用して基礎力を養いましょう。
玉手箱の対策アプリはGABと出題形式が共通しているため、玉手箱対策アプリでGABの練習を兼ねることができます。
図表の読み取り練習に特化した無料サイトもあり、グラフの種類別に練習問題が用意されています。
アプリを選ぶ際はGABまたは玉手箱の形式に対応しているものを確認して選びましょう。
SPI対策アプリではGABの出題形式に対応していないものが多いため注意が必要です。
無料ツールで基礎力をつけた後に対策本で本番レベルの問題に取り組むのが理想的な学習の流れです。
おすすめの対策本
GABの対策本は玉手箱・GABの両方に対応したものを選ぶと効率的です。
「これが本当のWebテストだ!(1)玉手箱・C-GAB編」はGAB対策の定番書で、形式別に問題が整理されています。
「8割が落とされる「Webテスト」完全突破法(1)」も図表問題と論理的読解の対策に優れた内容です。
対策本は最新版を購入することが重要で、出題傾向の変化に対応した内容になっています。
1冊を3周することを目標にし、1周目で全体を把握、2周目で弱点補強、3周目で時間を計った実戦練習を行いましょう。
解説を丁寧に読むことで、自己流の解法よりも効率的な方法を学べることがあります。
模擬テストの活用法
本番前には必ずGAB形式の模擬テストを受けておきましょう。
模擬テストでは本番と同じ制限時間で全科目を通しで解くことで、実戦的な時間配分を体験できます。
就活サイトでは玉手箱・GAB形式の模擬テストを無料で提供しているところがあります。
模擬テストの結果は科目別の正答率と解答時間を分析し、重点的に対策すべき分野を特定しましょう。
特に時間切れで未回答の問題が多い場合は、解答スピードの向上を最優先の課題として練習に取り組みます。
模擬テストは最低2回受けて、1回目の反省点を2回目で改善できているかを確認することが大切です。
まとめ
GABは日本エス・エイチ・エルが提供する総合適性検査で、論理的読解と図表処理に特化した出題が特徴です。
言語理解と計数理解の2科目で構成され、制限時間が厳しいため素早い解答力が求められます。
対策の基本は論理的読解の判断基準を明確にすることと、図表問題の概算力を鍛えることです。
玉手箱と出題形式が共通しているため、GAB対策は玉手箱対策にもそのまま活かせます。
対策本やアプリを活用しながら時間を計った実戦形式の練習を繰り返し、本番に備えましょう。