はじめに
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・「ガクチカ」と「自己PR」とは
・伝えるべき内容
・「ガクチカ」と「自己PR」では構成
・「ガクチカ」と「自己PR」の違いについて知りたい人
・伝えるべき内容を知りたい人
・
・「ガクチカ」と「自己PR」では構成を知りたい人
企業の採用選考には、主に書類選考と面接があります。
書類選考で特に重要な書類がES(エントリーシート)です。
ESが第一次選考となり、その内容次第で面接に進めるかどうかが決まることもあります。
しかし、就活を始めたばかりだと何を書くべきか頭を抱えて悩むこともあるでしょう。
なかでも、「ガクチカ」と「自己PR」は違いがわかりにくくて困っている方も多いはずです。
今回は、そんな方のために「ガクチカ」と「自己PR」の違いを詳しく解説し、その例文も紹介します。
【ガクチカと自己PRの違いとは】「ガクチカ」と「自己PR」とは
就活中に必ず耳にする「ガクチカ」は、「学生時代に力を入れたこと」の略語で、学生時代に頑張ってきたことを伝える項目です。
大抵の学生は、学業、アルバイト、サークルなどで頑張った経験を書きます。
一方、「自己PR」は自分のよいところを採用担当者に売り込む項目です。
自分の強みはどんなところか、その強みが発揮できたエピソードを織り交ぜて書きます。
どちらもESでは必ず目にする項目といってもよいほど、多くの会社で聞かれる質問です。
これらの質問には、自社に入って活躍できそうな学生であるかを判断する目的があります。
仕事で結果が出せるポテンシャルをもった学生を採用したいのは、どこの会社でも同じことです。
だからこそ、どの企業でも同じような質問をされるのでしょう。
【ガクチカと自己PRの違いとは】「ガクチカ」と「自己PR」では企業が見ている部分は違う!
「ガクチカ」、「自己PR」のどちらも、学生のポテンシャルを見極める質問であることは間違いありません。
しかし、注目している部分はその企業によって違っています。
採用担当者に興味をもってもらえるESの作成をするためには、どこを見られているのか把握しておく必要があるでしょう。
以下では、それぞれの項目で企業が注目している部分を紹介します。
採用担当者から何を見られているのかを押さえて、ぜひ会ってみたくなるような魅力あふれるESを作成しましょう。
「ガクチカ」で企業が見ている部分
採用担当者は、学生が力を入れて頑張ったことを通して、モチベーションの源泉や目標に対してどのように工夫して取り組めるかを見ています。
学生が社会人となったあとは、きっとたくさんの困難が待ち受けているはずです。
解決しなければならない課題もたくさん出てくるでしょう。
そういったときに、どうやってモチベーションを保つのか、目標達成のためにどのように工夫して取り組めるかを知っておきたいのです。
企業側は、「ガクチカ」の成功体験というよりは、その「過程」を重視しています。
学生時代に頑張った「過程」が入社後の業務でも活かせるかどうかが、採用担当者が注目しているポイントです。
したがって、「結果」だけでなくその「過程」も同じようにアピールしなければなりません。
「自己PR」で企業が見ている部分
採用担当者が学生の「自己PR」を通して見極めようとしているのは、その人柄です。
学生が自社の社風や従業員とマッチしているかどうかを見ています。
もし入社後にミスマッチが発覚したら、それは企業そして学生どちらにとっても痛手です。
ミスマッチによる早期退職は、企業側としては頭の痛い問題ですし、学生側にとってもマイナスでしかありません。
それを避けるために、採用担当者は学生に「自己PR」を求め、どのような人柄でどういった強みをもっているのか理解したいのです。
したがって、学生側はご自分の長所がどう企業とマッチするのかを売り込まなくてはなりません。
また、ただ長所を並べるだけでなく、ご自分の強みがその会社でどのように役立つのかをアピールしましょう。
【ガクチカと自己PRの違いとは】「ガクチカ」と「自己PR」では伝えるべき内容が違う!
企業の着目する部分が異なるならば、当然「ガクチカ」と「自己PR」では伝える内容も違ってきます。
学生側にとっては一見似たような質問内容に思えますが、企業としては、その質問意図がまったく違うのです。
そのあとの選考に進むためには、採用担当者の質問意図を意識したESの作成をしなければなりません。
同じことを書いても、採用担当者に会ってみたいと思わせるESにはならないのです。
それでは、それぞれ伝えるべき内容はどういったことなのかたしかめていきましょう。
「ガクチカ」で伝えるべきこと
「ガクチカ」で伝えるべきことは、困難な状況下や目標に対して、どのように考えて行動し、どのような対処法で結果を出したのか、ということです。
大学生活のなかでは、困難な状況に直面したこともあるでしょうし、ご自分で目標を設定して達成のために努力したこともあるでしょう。
そのなかで、どのように考え、どのように動いたのか、その対処方法と結果を提示してもらいたいと、企業側は考えています。
ご自分を突き動かしたモチベーションは何だったのか、どういった行動で状況を打破していったのか、その試行錯誤の過程も説明しましょう。
企業は結果だけでなく、その過程も重視しています。
そして、その経験が入社後の業務に活かせることを訴えかければ、採用担当者も一目置くESになるでしょう。
「自己PR」で伝えるべきこと
入社してもらいたい人物像は、企業によってさまざまです。
学生が自己PRで伝えるべきことは、採用したい人物像にそった自分の強みとそれを証明するエピソードです。
企業が学生へ期待している強みには、チームワークを重視したリーダーシップ、個々の能力が問われる問題解決能力などがあります。
ご自分の得意分野に近いものを選び、その強みを活かした成功体験のエピソードをESに書きましょう。
また大切なのは、入社後も果たしてその力を発揮して結果を残せるのかということです。
どんな場合でもその強みが発揮できることをアピールするためには、それを発揮するためにどんな方法を用いたかを紹介しなければなりません。
ESの自己PRは、ご自分の強みの再現性を大切にした内容となるようにしましょう。
【ガクチカと自己PRの違いとは】「ガクチカ」と「自己PR」では構成が違う!
ESの「ガクチカ」と「自己PR」は、それぞれ伝えるべき内容が異なるとわかりました。
ここからは、この2つの項目をどのようにして書けばよいのかを具体的に説明します。
どちらとも結論から書くことに変わりはありませんが、伝えるべきことを正しく伝えるためには、その後の文章構成にも十分気をつけなければなりません。
同じような文章にしてしまっては意味がないのです。
まずは、それぞれの文章構成はどうすればよいか、たしかめていきましょう。
「ガクチカ」の構成
ガクチカを書くときは、まず結論にあたる「頑張ったこと」から始めます。
そのつぎに書くことは「動機」です。
採用担当者としては、学生がどうして頑張ろうと思ったのか気になるでしょう。
そして、「目標・課題」について書きましょう。
ここでは、自ら課題を見つけて行動できる力をアピールできます。
そのあとはご自分が取った「行動」について説明します。
目標を達成するために何をしようと思ったか、課題を解決するためにどういった工夫をしたのかを書けば、問題解決能力の証明になるのです。
最後はどんな結果になったかを書いてください。
しかし、大切なのは結果に至るまでの経過で、どんな結果を出したかよりそのために行った試行錯誤の過程を、採用担当者は見ています。
「自己PR」の構成
自己PRの結論はご自分の「強み」です。
まずどんなよい面があるのかということを説明します。
そして、つぎにそれが裏づけられるエピソードを続けてください。
裏づけがなければ、どんなことを語っても信憑性がありません。
そして、裏づけエピソード内でその能力を発揮したことで、実際に残した結果の説明もしてください。
採用担当者は、ご自分の能力をこれまでの経験でどのように活かしてきたのかを知りたいと考えています。
そして、最後は入社後に、ご自分の強みをどのように活かしていけるのかを書きましょう。
企業側は、学生が入社後に自分の能力を活かして活躍してくれることを期待しています。
ご自分はどういった活躍ができるのか、とことんアピールしましょう。
「ガクチカ」と「自己PR」の例文
「ガクチカ」と「自己PR」の構成を把握したら、今度は実際に書いてみましょう。
ESは面接と異なり、提出するまでは何度も書き直しができるので、納得がいく文章になるまで何度も推敲してください。
ESのなかでも重要度の高い項目なので、これで面接に進めるかどうかが決まるかもしれません。
納得のいく文章が書けたら、ぜひほかの人にも見てもらって意見をもらうとさらによいでしょう。
自分では気がつけなかった問題点を指摘してもらえる可能性があります。
「ガクチカ」の例文
しかし、当時は部員数が少なく活動も滞りがちだったのです。
問題は新人歓迎会のあとで来なくなってしまう新入生が多いことでした。
そして、2年生になったときに自ら幹事を引き受けました。
新人歓迎会ではみんなで会話して楽しむだけなく、サークルのよさをさらに訴えかける必要があると考えたのです。
そこで、私は実際の活動実績をスライドにして新人歓迎会で紹介しました。
実際にどんな活動をしているか見てもらうことで、新人歓迎会は大変盛り上がり、入部したあと友人を誘ってくれる新入生もいました。
その結果、私が幹事になってからはそれまでの2倍の新入部員を獲得でき、サークル全体に活気が生まれています。
「自己PR」の例文
学生時代にアルバイトをしていたカフェの売り上げが急激に落ちてしまったことがあります。
実はすぐ近くに似たようなお店ができていました。
そこで、私は売り上げをもとに戻し、さらに売り上げを向上させられたらと考え、チラシの作成と配布を店長に提案したのです。
店長が賛成してくれたので、仲間にも声をかけてチラシを配ったところ、集客効果は抜群でした。
久しぶりにお客様でいっぱいになった店内を見て、思いついたのがポイントカードの導入です。
そしてポイントカードのおかげでリピーターが増え、売り上げを以前の1.5倍まで向上させました。
入社後もこの行動力を活かして、さまざまな企画を立案し成功させたいと考えています。
【ガクチカと自己PRの違いとは】「ガクチカ」と「自己PR」でエピソードが同じでもいい?
何度自己分析を繰り返しても、「ガクチカ」や「自己PR」で使えそうなエピソードが見当たらないこともあるかもしれません。
多くの学生にとっては、たった1つのエピソードを見つけるだけでも大変なはずです。
もちろん、使えるエピソードがあれば「自己PR」はアルバイト、「ガクチカ」はサークルというように別ジャンルのものを紹介したほうがよいでしょう。
そこまで多くのエピソードがない場合は、両方ともサークルのエピソードなどジャンルが被ってしまうのは問題ありません。
しかしサークルであれば、新歓と大会での優勝のエピソードというように、まったく別の内容でなければならないのです。
ただし「自己PR」では、自分の強みを発揮した別のエピソードを聞かれることもあるので、ご自身が強みを発揮したエピソードはいくつか用意しておきましょう。
なるべくたくさんエピソードをもっていたほうが、ご自分の長所のアピールになりますし、そのあとの面接試験の話題にもできるはずです。
一方で、同じジャンルの同じエピソードを「自己PR」と「ガクチカ」で使い回すのはおすすめできません。
たとえば、サークルの新歓のエピソードを「自己PR」と「ガクチカ」の両方で披露するのはやめておきましょう。
【ガクチカと自己PRの違いとは】エピソードが2つある場合の選び方
ESで紹介したいエピソードが2つある場合、「ガクチカ」と「自己PR」のどちらに書くべきか迷うこともあるでしょう。
そういうときは、「ガクチカ」のほうに自信があるエピソードを使いましょう。
「ガクチカ」は、仕事に対して主体的に取り組めるか、困難に対してどのように乗り越えようとするのかを見るための項目です。
「自己PR」よりも、入社後の仕事に直結しているのが「ガクチカ」なので、企業側もより重視しています。
また、ESの内容をもとにした面接で、話を膨らませやすいのも「ガクチカ」エピソードです。
したがって、どちらを選べばよいか迷ったときは自信があるエピソードを「ガクチカ」に、自信がないほうを「自己PR」に選びましょう。
まとめ
就活におけるESは、採用選考の最初の関門です。
採用選考を突破するためには、ESのなかでも特に「ガクチカ」と「自己PR」の内容が重要になります。
「ガクチカ」は、仕事に対して主体的かどうか、どうやって困難を乗り越えたのかを説明するエピソードについて書きましょう。
一方、「自己PR」は自分の強みが企業にどういったメリットをもたらすのかを説明してください。
企業の質問意図にそったレベルの高いESで、内定を獲得しましょう。