・事務職について
・事務職に必要なスキル
・事務職の志望動機の作り方
・事務職の志望動機の例文
・事務職に興味がある人
・事務職を目指している人
・事務職の志望動機を作りたい人
・事務職の志望動機の例文を見てみたい人
はじめに
志望動機は、就職活動で必ず尋ねられる質問の1つであり、その内容は選考の合否に大きく関わります。
そのため、選考を通過して内定を得るためには、志望動機の作成に力を入れることが大切です。
適切な志望動機の書き方や傾向は、職種によっても異なります。
採用担当者が採用したいと思えるような良い志望動機を作成するには、志望する職種について深く知っておかなくてはいけません。
今回は、人気が高い職種の1つである事務職に焦点を当て、その特徴や志望動機の書き方を解説します。
志望動機について徹底解説している記事はこちらです。合わせてご覧ください。
【事務職の志望動機】事務職とはどのような仕事?
まずは、事務職とはそもそもどのような仕事なのかについて、確認しておきましょう。
事務職は、文字どおり企業における事務を担う職種であり、とくに女性を中心に人気があります。
事務職が担当する業務は多岐にわたり、企業によって仕事内容がまったく違ったり、幅広い業務を事務としてまとめて任されたりするケースも少なくありません。
具体的な業務内容の代表例としては、書類の作成、データ入力、来客対応などが挙げられます。
そのため、就職活動の際は、事務職全体だけではなく、志望する企業の事務職についても情報を集めておくことが大切です。
【事務職の志望動機】事務職の種類と仕事内容とは?
先述のとおり、事務職が担当する可能性のある業務は幅広いです。
事務職という職種全体を志望すると、入社後にどんな業務をすることになるか、判断が困難な場合があります。
しかし、ひとことで事務職と言っても、業務内容によって、その種類はいくつかに分類可能です。
どの種類の事務職を目指すのかを明確にしておけば、自身の適性が判断しやすくなり、対策も立てやすくなるでしょう。
今回は、事務職をその仕事内容によって、9つの種類に分けました。
それぞれの種類について、概要と具体的な仕事内容を確認していきましょう。
一般事務
営業事務
総務事務
経理事務、財務事務
人事事務、労務事務
法務事務
貿易事務
医療事務
金融事務
一般事務
一般事務は、書類のファイリングやパソコンを活用したデータ入力、書類作成といった一般的な事務作業を行う事務職です。
幅広い業務のサポートを行うポジションであり、事務職と言えばこの一般事務を思い浮かべる方も多いでしょう。
担当する業務は、どのような分野においても必要になる仕事なので、多くの企業や部署で同様の役割を持つ職種が存在します。
一般事務として募集が出されている場合は、後述するほかの事務職のような、専門性の高い業務以外を担当するケースが一般的です。
一方、専門性が高いほかの種類の事務職でも、一般事務で要求されるような業務を行う場合があります。
少人数の企業では、一般事務が幅広い分野の仕事を任される場合もあるので、事前に業務内容を調べておくと良いでしょう。
営業事務
営業事務は、営業職として働く人々をサポートする事務職です。
主な業務としては、見積書や発注書、納品書、請求書といった必要書類の発行などが挙げられます。
また、営業で販売される商材の管理などを担当することになるケースも多いでしょう。
営業事務は、表に立って営業活動を行う営業職を裏から支える立場です。
しかし、営業職が商談や会議などで離席している際は、メールや電話による顧客対応を代行するケースも少なくありません。
顧客が会社を訪ねてきた場合は、来客対応を行う場合もあるでしょう。
企業によっては、営業事務が業務フローの改善や、新しい営業方針を提案する場合もあります。
そのため、在庫や受注を管理する正確な処理能力と、営業職のような高いコミュニケーション能力が求められる職種です。
総務事務
総務事務は、企業の環境を整えたり、企業の所有物を管理したりする事務職です。
企業で働くスタッフを直接サポートするのではなく、より大局的な視点から、企業をサポートする事務職だと捉えて良いでしょう。
ここで言う企業の所有物は多岐にわたり、仕事で使うボールペンやコピー用紙などは、総務事務の管理対象です。
また、机や椅子、オフィス家具やパソコンなども総務事務が管理して、定期的なメンテナンスや修繕を依頼しなければいけません。
オフィスの建物も企業の所有物なので、環境整備や防災訓練も総務事務の業務になります。
そのほかには、株主総会や株主への対応、社内外で開催されるイベントの企画運営なども担当する場合があるでしょう。
冠婚葬祭やトラブルの対応を任される場合があるので、臨機応変な対応力も必要です。
経理事務、財務事務
経理事務と財務事務は、どちらも金銭面に関するサポートを提供する事務職です。
経理事務は、主に入出金の管理や記帳、決算、経理の精算といった業務を担当します。
一方、財務事務は、企業の経営計画に基づいた予算の作成や資金管理といった業務を担当します。
経理事務が使われた資金の管理をメイン業務としているのに対し、財務事務はこれから使用される資金や予算に関する業務を担当すると、理解しておけば良いでしょう。
経理事務と財務事務は一般的な事務職と異なり、決算や予算に関する専門的な知識が必要です。
また、正確かつスピーディに数字を扱うことが求められるので、資金管理や計算に関するスキルも求められます。
経理事務、財務事務を目指すのであれば、簿記の資格を取得しておくのもおすすめです。
人事事務、労務事務
人事事務、労務事務は、人事や労務といった企業で働くスタッフに関する仕事をサポートする事務職です。
企業によっては人事労務が1つにまとめられ、双方の業務をサポートする場合もあるでしょう。
人事とは、企業が掲げる事業方針に基づいて人材を採用・教育し、その業務をサポートする分野です。
一方の労務は、給与計算や社内の安全管理を行い、スタッフが働きやすい環境を整えます。
これらの仕事をサポートする人事事務、労務事務の主な仕事は、社員の定着率を上げるための施策の考案、給与計算と支払い、入社・退社手続きの関する必要書類の作成と管理などです。
人事事務、労務事務は、ほかのスタッフと関わる機会が多く、給与計算などで数字を扱う機会も多いので、コミュニケーション力と正確な処理能力が求められます。
法務事務
法務事務は、企業の法務部門をサポートする事務職です。
具体的な仕事内容としては、会社が取引を行う際の契約書の作成、法的なトラブルや労災への対応、顧問弁護士とのやりとり、公式文書の管理や更新などが挙げられます。
また、企業や労働に関する法律が改正された際の業務の見直し、社内マニュアルの作成なども法務事務の仕事です。
当然ながら、法律に関する業務を扱う法務事務では、幅広い法律に関する知識が求められます。
そのため、専門性が高く、法学部出身者などが有利な事務職だと言えるでしょう。
法務事務の仕事は、社内外に他言すると大きなトラブルとなるケースも多いので、口の堅さや信頼性も重視されます。
近い業務内容を持つほかの事務職としては、ライセンスや知的財産を扱う特許事務があります。
貿易事務
貿易事務は、貿易に関する業務を専門的にサポートする事務職です。
その性質上、商社やメーカーといった企業で多く活躍しています。
主な仕事内容としては、輸入や輸出に関する書類の作成、出荷や輸送の手配、出荷・納品管理などが挙げられます。
また、資源や農産物の輸入を扱っている会社では、物品を国内に持ち込むための通関手続きの手配も必要です。
業務内容としては、書類作成や在庫管理など、ほかの事務職にも共通する部分があります。
しかし、貿易事務はサポートと言うより、貿易における最重要ポジションと言っても良いかもしれません。
貿易に関する書類は多くが英語で書かれており、メールや電話で海外の企業・個人とコミュニケーションを取る機会も多いです。
貿易事務として働くためには、一定の語学力が必要になります。
医療事務
医療事務は、病院やクリニックといった医療機関で働く事務職です。
主な仕事内容としては、受付・会計業務、クラーク業務などが挙げられます。
受付・会計業務は、医療機関の顔となる立場であり、来院した患者さんに対応して、カルテの作成や診察券の発行、代金の請求などを行います。
クラーク業務の仕事内容は、カルテやレントゲン、各種データの準備、入退院手続きや検査スケジュールの管理などです。
医療事務は医療機関で働きますが、医師や看護師と異なり、働くために特殊な資格は必要ありません。
ただし、民間の資格や検定が多く存在するので、スキルをアピールするのであれば、それらを取得するのもおすすめです。
また、患者さんや医師とコミュニケーションを取る機会が多いので、コミュニケーション能力も重視されます。
金融事務
金融事務は、銀行などの金融機関で働く事務職です。
具体的な仕事内容としては、銀行の窓口におけるお客様対応、電話やメールによる顧客対応、データの整理や資料の作成などが挙げられます。
担当する業務そのものは、一般事務と共通する部分も多いですが、金融事務では金融関連の知識が必要とされるので、専門性が高めです。
また、銀行や保険会社、証券会社といった金融機関の種類によって、具体的な業務の内容も異なります。
全体的な共通点として、金銭が多く関わる業務を担当することになるので、正確な情報処理能力が求められます。
窓口業務を担当する場合は、コミュニケーション能力も必要です。
自身が所属する企業ではなく、他人の金銭を取り扱う立場上、より高い責任感も求められるでしょう。
【事務職の志望動機】事務職で必要とされるスキルを解説
次は、事務職で働くうえで必要とされるスキルについて解説します。
求められるスキルが分かっていれば、内定に向けたスキルアップや効果的なアピールが可能です。
ただし、ここまで解説してきたように、事務職が担当する仕事にはさまざまな種類があります。
業務内容によって求められるスキルはそれぞれ異なり、場合によっては高度な知識や専門的なスキルが求められる場合もあるでしょう。
そのため今回は、どの種類の事務職でも必要とされる、とくに重要度が高い3つのスキルをピックアップして解説します。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、事務職に必要とされる能力のなかでも、とくに重要度の高いスキルです。
事務職は、データ入力や書類作成など、いわゆる事務仕事を一人で淡々とこなす仕事というイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし、実際は多くの人と交流しながら、仕事を進めていくことになります。
さまざまな部署と連携しながら、裏方としてサポートを提供していくので、ほかの職種以上にコミュニケーション能力を要求されるケースも多いでしょう。
また、コミュニケーションスキルは、多くの業界と業種、職種で必要とされるスキルです。
事務職以外を志望する際にも、アピールポイントとして活用できます。
自身の長所として主張できる強みに迷った場合は、この点をしっかりアピールできるように準備しておくと良いでしょう。
パソコンスキル
パソコンスキルも、事務職として働くうえで重要なスキルの1つです。
先述したように、事務職にはさまざまな種類があり、それぞれ業務内容も異なります。
しかし、現代の事務作業においては、どの種類の事務職で働く場合でも、パソコンスキルが必須と言って良いでしょう。
企画書や報告書、プレゼン資料などの書類作成、データのとりまとめなど、事務職の業務ではあらゆる場面でパソコンが活用されます。
そのため、一定以上のパソコンスキルを身につけておけば、自分のことを安心して業務を任せられる人材であると、印象付けられるでしょう。
ただし、実際に要求されるパソコンスキルの程度は、企業や業務内容によって異なります。
ある程度高いスキルが要求される企業でアピールするのであれば、関連する資格を取得することもおすすめです。
タスク管理スキル
事務職に必要な3つ目の能力は、タスク管理スキルです。
事務職は、企業で働くほかのメンバーをサポートする立場として、多くの資料やタスクを限られた時間内に処理していかなければいけません。
状況によっては、複数のチームやプロジェクトに関するタスクを並行して、処理しなければいけないケースも出てくるでしょう。
そのため、事務員として働くためには、時間的な余裕を把握しつつ、そのなかで効率的にタスクを処理していくタスク管理スキルが求められます。
確実にタスクを管理するためには、単に速いスピードでタスクをこなすだけでなく、客観的な視点でタスクの全体像を把握しなければいけません。
この点をアピールするのであれば、集団内でサポートとして活躍したエピソードなどが活用できるでしょう。
【事務職の志望動機】志望動機のおすすめの構成
続いて、志望動機を作成する際のおすすめの構成について紹介します。
この構成方法は事務職を目指す人に限らず、どのような職業を目指す人も活用できるものであるため、他の仕事を視野に入れている人もテンプレートとして覚えてしまいましょう。
この構成に当てはめて作成すれば、スムーズに作成できるだけでなく、読みやすく、良い印象を与えられる志望動機が完成します。
志望理由
まずは、「なぜその企業に入社したいのか」という志望理由を話すようにしましょう。
真っ先に結論を話すことで、ビジネスの基本である結論ファーストを押さえられているという印象を与えられるだけでなく、相手も「何が言いたいのか」を念頭に置いた状態で読めるようになります。
間違っても、先に結論が述べられていない、だらだらと書かれた文章は提出しないようにしましょう。
「結局、何が言いたいのかわからない」という疑問を抱えたまま読まれてしまうと、内容が伝わりにくい上に、最悪の場合、最後まで読まれないことすらあります。
必ず、結論から始め、自分の意図が伝わりやすいように工夫しましょう。
エピソード
事務職を志望するきっかけになった経験やエピソードを具体的に話すことも非常に大切です。
ただ「私は事務職として貴社に入社したいです」と言われても、「なぜなのか」がうまく説明されていなければ、動機がわからない志望動機になってしまいます。
「インターンで事務職として働いた」「数字を扱うことが得意になった」「誰かのサポートをした」など、可能な限り事務職としての活躍が想像できるようなエピソードを話しましょう。
また、エピソードを話す際は可能な限り客観的な説明を増やし、可能であれば数字を用いて定量的に説明することが重要です。
企業の採用担当者はあなたのことを知らない人物であるため、あなたに関する前提知識が全くない人物でもそのエピソードの情景が浮かぶような説明をすることが重要です。
入社後の活躍
志望動機においては、入社後の活躍について述べることを最もおすすめします。
エピソードで示した内容を絡めて、仕事への再現性をアピールするようにしましょう。
あなたがエピソードを通じて身につけた能力や発揮したスキルをどのように入社してから活用するのかについて説明することが重要です。
企業の採用担当者はモチベーションの高さも重視していますが、最も重視していることは「入社してから活躍してくれる人材であるかどうか」です。
志望動機はモチベーションについて聞かれている場面ではありますが、「自分が活躍できる展望を話してはならない」というルールは存在しません。
むしろ、自分のスキルがどのように活用できるか示すことでモチベーションの高さをアピールできます。
積極的に企業研究を行い、どのような能力を求められているのか考えた上で、入社後の展望について話しましょう。
【事務職の志望動機】採用担当者に響く志望動機の内容
次は、採用担当者に良い印象を与えるような、良い志望動機の作り方について解説します。
今回解説するのは、結論や動機を記述する順番といった構成面ではなく、取り扱うべき内容面についてです。
単に体裁の整った志望動機を作成するのではなく、採用に足る人材であることをアピールし、採用へとつなげるための一歩進んだアプローチと言っても良いでしょう。
事務職の志望動機を作成する際は、自己分析や企業研究をしっかり行ったうえで、以下の3つのポイントを意識してみてください。
なぜ事務職を志望するのか
なぜ事務職を志望しているのかを、明確にすることが重要です。
この点がはっきりしていないと、採用担当者に熱意が少ない印象を与え、本気で就職する気はないと判断されてしまう場合があります。
ただし、この理由が明確であれば、何を書いても良いというわけではありません。
採用担当者に良い印象を与えるためには「ワークライフバランスが取りやすいから」「ルーティンワークの仕事だから」といった理由だけでは不十分です。
自身の経験や、価値観に基づいた理由を説明することが大切です。
他人をサポートすることに、やりがいを感じたエピソードなどを交えて志望動機を作成すれば、事務職を志望する理由と自身の個性が結びつくので、説得力が高まります。
なぜその企業を志望するのか
なぜその企業の事務職を志望しているのかを、はっきり伝えましょう。
事務職は、多くの企業に存在する汎用的な職種であり、単に事務職として働きたいだけであれば、特定の企業に限定する必要はありません。
しかし、そのような志望動機を伝えた場合、事務職であればどの企業でも良いと受け取られてしまい、自社の志望度が低いと判断されてしまいます。
その結果、採用担当者からは内定を出しても入社してもらえないことや、早期退職の可能性を警戒されて、落とされてしまう可能性が高いでしょう。
その企業の社訓やビジョンなど、共感したポイントをリストアップして志望動機に盛り込むことによって、本気で就職したいと考えている熱意がアピールできます。
どのように貢献していくか
その企業に入社した後、事務職としてどのように貢献していくかを述べる必要があります。
自分がどのような能力を活かし、どのような場面で企業に貢献できるかをしっかり伝えることによって、採用担当者に自分が採用するに足る人材であると感じてもらえます。
また、入社後の貢献内容を明確にするためには、自己分析と企業研究を十分に行わなくてはいけません。
そのため、貢献内容を伝えることによって、就職活動にしっかり取り組んでいることもアピールすることが可能です。
過去の経験のなかに、事務職で活かせるスキルを発揮したエピソードや、業務改善を行ったエピソードがある場合は、志望動機でアピールできるように内容を整理しておくと良いでしょう。
【事務職の志望動機】事務職を志望する際のNGポイント
次に解説するのは、事務職の志望動機のなかに盛り込んではいけない、NGポイントについてです。
事務職は、企業のさまざまな業務を支える、縁の下の力持ちのオールラウンダーです。
しかし、ネガティブな見方をしてみると、専門性の少ない雑多な業務の担当と見なされてしまう場合もあるでしょう。
志望動機が作成しにくいため、先述したような内容ではなく、ワークライフバランスが取りやすいなど、働き方についての内容を盛り込んでしまいがちです。
今回は、3つのNGポイントをピックアップし、それらを志望動機に書いてはいけない理由についても解説します。
より採用担当者の心に響く志望動機を作成するためにも、NGポイントをしっかりと押さえておきましょう。
福利厚生に重きを置いている
事務職は、企業の先頭に立ってバリバリ活躍する立場ではなく、どちらかと言えば裏方の印象が強い職種です。
とくに、専門的な技能をあまり求められない一般事務では、業務の内容そのものにこだわりが持てず、志望動機を書くのが難しいと感じる方もいるでしょう。
そういったケースでは、各種保険制度や有給の取得しやすさなど、福利厚生面に重きを置いて志望動機を作成してしまいがちですが、実はこれはNGです。
福利厚生の充実度をアピールしすぎると、その企業を選ぶ理由が薄くなり、待遇さえ良ければどこの企業でも良い印象を与えてしまいます。
ただし、福利厚生は重要であり、言及することによって企業研究の成果も示せます。
全体のバランスを考えたうえで、比重が偏りすぎない程度にアピールすると良いでしょう。
学びたい姿勢をアピールする
新卒で社会人となった場合、基本的に業務に必要な知識や経験は、仕事のなかで学んでいくことになります。
そのため、企業は採用活動において成長性の高い人材を求めており、ポテンシャルの高さや積極性を重視しています。
ただし、知識を増やしたい、スキルを向上させたいなど、積極的に学ぶ姿勢だけをアピールするのは要注意です。
なぜなら、学びたい姿勢をアピールしすぎると、教えてもらえることを前提にした受け身の印象を与えてしまうことが多いからです。
入社後の貢献にキャリアパスを盛り込むのも良い方法ですが、まずは現状の自身を採用することによって、どれだけのメリットがあるのかを採用担当者に納得してもらわなければいけません。
志望する企業に学びや成長を促進する制度がある場合でも、重点を置きすぎないように内容を調整しましょう。
志望動機を使いまわす
就職活動では多くの場合、複数の企業に応募して、書類審査や面接といった選考を受けることになります。
志望動機は、しっかり時間をかけて作成するべき重要な内容なので、複数社に応募する場合は、志望動機の作成だけでかなりの時間がかかってしまいます。
そこで、志望動機を使いまわせば時間の節約になり、ほかの対策に時間をかけられると考える方もいるかもしれません。
しかしこれも、志望動機を作成する際には避けておきたい重要なNGポイントです。
複数社で志望動機を使いまわすことを前提とした場合、その内容はどこの企業でも通じるものになってしまいます。
結果として、その企業でなければいけない理由が弱くなり、採用担当者に良い印象が与えられないのです。
そのため、志望動機は横着せずに、企業ごとに個別で作成しましょう。
内容が専門的すぎる
内容が専門的すぎると、あなたの志望動機の内容が伝わらない可能性があります。
専門用語を説明なしに用いたり、専門知識がないと理解できない分野の話題を盛り込んでしまったりすると、相手に意図が伝わりにくくなってしまいます。
例えば、会計ソフトの高度な機能やプログラミング言語の詳しすぎる説明など、事務職の一般的な業務範囲を超える専門的な話題を盛り込むと、多くの場合、伝わりません。
また、採用担当者に「客観的に物事を説明できない人物である」とみなされ、大きなマイナス評価となってしまいます。
事務職は幅広い業務をこなす必要があるため、特定の専門知識に偏りすぎてしまうと、多様な役割をこなす柔軟性に欠けていると判断されてしまう可能性もあります。
したがって、志望動機を作成する際には、簡潔で分かりやすい言葉を選び、専門用語や技術的な詳細は避けることが重要です。
もちろん、取得したスキルや資格について話し、努力家であることや継続力があることをアピールすることは悪い選択肢ではありません。
しかし、そのスキルの話に終始するのではなく、「そのスキルを活用して、どのように貢献するのか」について説明することの方がよほど重要です。
【事務職の志望動機】事務職の志望動機の例文
最後に、ここまで解説してきた内容をもとにして作成した、採用担当者に良い印象を与えられる事務職の志望動機の例文を2つご紹介します。
今回の例文は、最初に志望動機を簡潔に説明し、その裏付けとなる理由やエピソードを述べた後に、入社後の活躍について言及する構成です。
事務職の志望動機の方向性は、志望する事務職の種類によっても変わってきます。
今回ご紹介する例文は、営業事務と経理事務の志望を想定したものです。
また、例文の後には、それぞれの内容についての解説も付記しています。
その企業でなければならない理由や、入社後の貢献について書くためには、自身と志望企業について、十分な知識を持っていなくてはいけません。
しっかりと自己分析と企業研究を深めたうえで、例文を参考に、自分だけの志望動機を作成してみてください。
例文1
私が御社の営業事務職を志望したのは、自身が学生時代に培ってきたコミュニケーションスキルを活かして、新たな販路の開拓や製品・サービスの開発に貢献できると考えたからです。
私は大学時代にファーストフード店でマネージャーをしており、シフトの作成やスケジュール調整、チラシ作成や広告デザインの立案、スタッフとの面談やクレーム対応など、幅広い業務を担当してきました。
マネージャーとしてとくに力を入れてきたのは、スタッフやお客様個人としっかり話し合い、お互いにとっての最適解を導き出すことです。
やることが多く忙しい職場でしたが、陰ながらスタッフを支え、それぞれが最高のパフォーマンスを発揮できるようにサポートしてきた経験は、自分のなかで大きな成功体験です。
異なる職種の社員がお互いの強みを活かしながら協働し、積極的にコミュニケーションを取りながら大規模プロジェクトを進めていく御社の社風であれば、自身の強みを最大限に活用できると考えています。
こちらの例文では、営業事務職の志望動機を述べる際に、学生時代にファーストフード店のマネージャーとして働いていた頃の経験を活用しています。
営業事務では、実際に営業活動を行うスタッフへの関わりと、営業活動の結果、顧客に提供される製品・サービスへの関わりという2つの面でのサポート能力が必要です。
そのため、志望動機を作成する際は、対人のコミュニケーション能力だけでなく、俯瞰から全体の状況を把握して動かす管理能力なども、しっかりアピールすることが大切です。
例文2
私が御社の経理事務を志望しているのは、自身のスキルと資格を活かして業務をサポートしつつ、御社と自身のさらなる成長につなげられると考えたからです。
私は大学時代に、大学祭の実行委員に所属して経理を担当し、学祭に関わる入出金管理や資金状況を分かりやすく伝える資料作り、予算の増減交渉などに携わってきました。
経理を担当することになったのは成り行きでしたが、仕事をするうちに金銭面でのサポートの重要性を実感しました。
その後、より効果的に正確なサポートを提供するためにスキルを磨き、3年生のときには簿記の資格も取得しています。
自身のスキルには自信があり、入社後には即戦力として活躍できると考えています。
部署内の連携がシステム化されており、資格取得のサポートも充実している御社であれば、さらなる成長が見込めると感じました。
現在はすでに、自主的に財務についての勉強を開始しているので、将来的には経理事務だけに留まらない、金銭面でのフルサポートが提供できると考えています。
こちらの例文では、経理事務を目指す志望動機を伝える際に、大学祭の実行委員で経理を担当していたエピソードを盛り込んでいます。
経理事務は数字を扱う正確性を求められる業務が多く、場合によっては専門的な知識や経験も必要です。
そのため、取得した簿記の資格は、客観的にスキルを示せる重要なアピールポイントとなります。
現在自主的に勉強していることや、将来どのようなキャリアプランを積んでいきたいかを提示することによって、入社の熱意も伝えられるのがポイントです。
【事務職の志望動機】事務職の志望動機を書く時はエージェントを使おう
採用担当者に良い印象を与えられるような志望動機を作成するためには、しっかりと自己分析と企業研究を深めなければいけません。
とくに、事務職の業務内容は企業によって差が大きいので、企業ホームページの情報だけでなく、インターンやOB・OG訪問を活用しなければいけない場合もあるでしょう。
しかし、就職活動ではやらなければいけないことが多いので、十分な時間を確保するのが難しいと感じる方もいるかもしれません。
そういったケースでおすすめなのが、就活エージェントの活用です。
就活エージェントのジョブコミットを利用すれば、無料で志望動機を含むESの添削が受けられます。
また、一人では対策がしにくい面接についての相談や練習も可能です。
少しでも選考突破率を上げたい方は、ジョブコミットの利用も検討してみてください。
おわりに
事務職は文字どおり、事務作業を担当する職種で、実際の業務内容は企業によってさまざまです。
そのため、採用したいと思わせるような適切な志望動機を作成するには、自身の志望する企業の事務職がどの種類に属するのか、しっかり把握しておかなければいけません。
また、裏方的な業務を担うケースも多いので、志望動機の作成が難しいと感じる方もいるでしょう。
今回解説した伝えるべきポイントとNG事例、例文を活用し、ぜひ採用担当者の心に響くような志望動機を作成してみてください。