明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・金融業界の就活の軸について
・金融業界の就活の軸の決め方
・金融業界の就活の軸の面接時回答例文
・金融業界の就活の軸について知りたい人
・金融業界の就活の軸の見つけ方に悩んでいる人
・金融業界の就活の軸の回答例文を見たい人
就活の面接で尋ねられることが多い話題のひとつに「就活の軸」があります。
就活の軸とは、企業選びで譲れない条件や自分が強く希望するポイントのこと。
就活する企業と就活の軸にズレがあると、選考で落ちてしまったり内定後に後悔したりする可能性もあるため注意が必要です。
本記事ではそうした就活の失敗を防ぐため、金融業界の特徴やウケが良い就活の軸の例を紹介しています。
これから金融業界への就活を検討している人、面接に受からずお悩みの人はぜひ参考にしてください。
目次[目次を全て表示する]
【金融業界の就活の軸】就活の軸とは
就活の軸(企業選びの軸)とは、自分の理想や求める条件をもとにエントリー企業を選ぶ判断基準のことです。
子どもの頃「かっこいいからヒーローになりたい!」「人を助ける看護師さんになりたい」と想像したことはありませんか?
就活の軸も同じように、「なりたい自分」から「なりたいもの(働きたい企業)」を考えます。
例をいくつか挙げてみましょう。
・地元地域に貢献したい(地方公務員)
・自分が作り上げたものを多くの人に届けたい(メディア)
・人の人生に深く関わりたい(介護)
・海外でバリバリ働きたい(商社)
また、上記のような明確な理想像だけではなく、自分の好き嫌いや性格などをもとに企業を選ぶのも立派な就活の軸のひとつです。
【金融業界の就活の軸】軸を定めるメリット
軸を定めることは、就活において以下のようなメリットが得られます。
・エントリーするべき企業がわかる
・志望動機に厚みを持たせられる
・さまざまな質問に対応できる
・入社後のキャリアを考えられる
・効率よく就活が進められる
企業選びが難航していたり、選考で落ちてしまったりする人は、就活の軸が定まっていないのが原因かもしれません。
軸がなければ自分の魅力は伝えきれず、企業から求められる人材になるのは難しいでしょう。
ではなぜ、軸を定めるだけでこれだけのメリットが得られるのか、詳しく解説していきます。
エントリーするべき企業がわかる
就活の軸が決まれば、おのずとエントリーするべき企業が見つかります。
気になる企業をふるいにかけていけば、理想の条件に合致する企業が見つかるでしょう。
「就活の軸を決めても、いまいちピンとくる企業が見つからない……」という場合は、さらに細かく条件を設定してみてください。
たとえば、以下のような条件が挙げられます。
・住宅手当や育児休業などの福利厚生が充実している
・勤務地が容易に通える範囲にある
・社風が自分の性格に合っている
同じ業界であっても、福利厚生や事業所の数などは企業によって異なります。
入社後に後悔しないためにも、細かな条件まで満たしている企業を探してみましょう。
志望動機に厚みを持たせられる
軸を持って就活を行うことで、志望動機に厚みを持たせられるため内定に繋がりやすくなります。
面接時に必ずといって良いほど尋ねられるのが、志望動機です。
これは、企業側が自社に合った人材を見極めるのに志望動機を最重要視しているため。
どれだけ良い大学を出ていたり資格を持っていたりしても、志望動機があやふやで熱意が感じられない人は選ばれません。
なぜなら「入社してもすぐに辞めてしまうだろう」「周囲とトラブルを起こすかも……」と警戒されてしまうためです。
面接で志望動機について尋ねられたら、価値観がどのように合っていると感じて応募したかを伝えましょう。
さまざまな質問に対応できる
就活の軸をきちんと定めていれば、面接時の質問にもスムーズに答えられます。
よくある面接時の質問といえば、以下のような内容が挙げられます。
・同じ業界の企業は多数あるが、なぜ当社を選んだのか
・当社のどの部分に魅力を感じたのか
・これまでの経験をどのように活かせると考えているか
・どのような目標(目的)を持っているか
上記は一例であり、この他にもさまざまな質問が予想されます。
一つひとつの質問に詰まってしまうと、企業側に「準備不足」や「不誠実な人」という印象を与えてしまいます。
面接時はプレッシャーがかかり、ただでさえスムーズに話すのが難しい場面です。
内定をもらうためにも、自信をもって面接に臨めるよう就活の軸をしっかり作っておきましょう。
入社後のキャリアを考えられる
就活の軸を定めることで、入社後のキャリアを明確にできます。
就職活動においては企業選びや職種選択の際に、自分がどのようなキャリアを築きたいのか、将来どのような目標を持っているのかを把握することが不可欠です。
就活の軸を設けておくことで、自分の将来像を具体的に描き、それに合致する企業や業界を選ぶことが可能になります。
例えば、長期的なキャリアビジョンとしてグローバルな活躍を目指す場合、国際展開している企業やグローバルな業務がある企業を志望することになります。
これにより、エントリーする企業の選定も明確になり、迷いなく自分に最適な企業を見つけやすくなるでしょう。
効率良く就活が進められる
就活の軸を定めることで、効率的に就活を進められるということも大きなメリットです。
就活の軸を持つことで、自分が本当に求める条件や価値観に基づいた企業を絞り込み、無駄なエントリーや説明会への参加を避けることができます。
時間や体力を有効に使いながら、最も自分に適した企業に集中することができ、内定獲得までのプロセスがスムーズになります。
特に、多くの企業がある中で漠然と活動していると、自分に合わない企業にエントリーしてしまい、結果として多くの労力を無駄に費やすことになりがちです。
したがって、早い段階で就活の軸を定めておき、スムーズに就活を進めましょう。
【金融業界の就活の軸】就活の軸が面接で聞かれる理由
就活の軸は、就活生自身にとって大切であることにくわえ、企業側から見ても事前確認したいポイントの一つです。
就活の軸は、一見すると企業側には関係のないように感じますが、実は企業が就活の軸を聞くのには理由があります。
就活の軸を聞く大きな目的は、入社した後に活躍できる人材かどうかの判断をすることです。
ここではより詳細に就活の軸が聞かれる理由をご紹介しますので、面接においてどのように就活の軸を答えるのかの参考にしてみてください。
志望度の高さを確認するため
志望度の確認は、企業が就活の軸を聞く大きな理由の一つです。
企業としては、志望度の高い人材、つまり本気で自社に入社したいと考えている人を採用したいと考えます。
志望度が高いほど、入社後に意欲的に活躍してくれる可能性が高まるためです。
就活の軸には「企業で何を成し遂げたいか」「どのように働きたいのか」など、入社に対するモチベーションがはかれるような内容が含まれます。
志望動機などと同様に、志望度の高さが見られていると意識すると良いでしょう。
また、就活の軸にはその企業でなければならない理由に繋がるような内容が含まれていると、高評価が期待できます。
内容を検討する際は、企業の情報をしっかりリサーチし、志望度の高さがアピールできるようにしましょう。
企業とのミスマッチを防ぐため
企業が就活の軸を聞く理由として、企業とのミスマッチを防ぐことも挙げられます。
企業としては、自社の理念や求める人物像にマッチした人材を採用したいと考えるのが一般的です。
ミスマッチな人材を採用してしまうと、入社後に意欲的に働いてもらえなかったり、早期退職に繋がってしまったりとリスクが生じます。
企業理念や社風、求める人物像にミスマッチな人材の採用は避けたいと考えるのです。
そのため、就活の軸では、マッチ性の高さや入社後に活躍するイメージが伝わると、高評価に繋がる可能性が高まります。
就活の軸を考える際は、ミスマッチな内容にならないよう意識し、企業情報を事前にリサーチしながら軸を決めていけると良いでしょう。
【金融業界の就活の軸】就活の軸の作り方
就活の軸は以下の4ステップで作ります。
1.自己分析
2.将来を想像する
3.業界研究
4.企業が提供する価値を深堀する
簡単に感じるかもしれませんが、正しく軸を作るためには各ステップをきちんと行うことが大切です。
ではどのように実践していけばよいのか、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
自己分析
就活の軸を作るには、自己分析により自分を知ることが必要不可欠です。
「自分にとって譲れない条件は何か」を自己分析で導き出しましょう。
分析方法はさまざまですが、最も簡単なのは過去の経験を振り返ることです。
・楽しかった経験
・辛かった経験
・頑張れた経験
まずは、この3つに該当する出来事をピックアップしてみましょう。
その出来事をさらにモチベーションが上がったこと、下がったことに選り分けてみてください。
モチベーションが上がった出来事は自分の強み、下がったことは弱点だと考えられます。
分析結果のイメージをいくつか挙げてみましょう。
・体育祭でクラスをまとめて優勝を勝ち取った
→人を励まし、チームをまとめるのが上手い
・勉強を頑張ったのに、思うような結果が出なかった
→数字にとらわれやすく、結果が出ないとやる気がなくなる
このように、自分の性格を客観的に分析するのが就活の軸を定めるための第一歩です。
将来を想像する
入社後のミスマッチによる後悔を防ぐためには、将来を想像して企業選びをすることが大切です。
将来の姿や今後したいことなど、未来の自分を想像してみてください。
そして、その将来に近づくためには何をすれば良いのか(どの企業を選べば良いのか)を調べてみましょう。
たとえば「海外で活躍したい」という希望がある場合、国内外に支社をもつ大手メーカーや旅行業界など、海外と繋がる企業を選ぶのがベストです。
反対に地域密着型の国内企業では実現が難しくなるため、企業選びの候補からは外れます。
求人情報が多すぎてどれを選ぶべきか悩んでいる人は、将来の目標を叶えやすいのはどの企業かを考えてみてください。
将来に繋がる仕事であればモチベーションも高まり、仕事の能率アップにも繋がるでしょう。
業界研究
金融業界には、お金に関係する様々な業種が含まれており、大まかに銀行、証券、保険の3つの業種に分けられます。
選考では、金融業界を志望している理由はもちろん、その業種や職種を選んだ理由も問われます。
そこで、企業への志望度の高さや熱意が伝わるように、説得力のある就活の軸を考える必要があります。
業種や職種ごとに扱う分野や業務内容が異なるため、それぞれの仕組みを理解して、業界や業種の特徴にマッチした就活の軸を伝えられるように準備しましょう。
金融業界の業界研究を深めたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
企業が提供する価値を深掘りする
エントリーしたい企業を見つけたら、その企業が提供しているサービスについて徹底的に調べてください。
次に、そのサービスがどのような価値を持ち、世の中にどのような利益を生み出しているのかを考えます。
そして、サービスの価値と自分の価値観が合う(共感できる)ポイントをリストアップしましょう。
面接の志望動機で双方の価値観について伝えれば「当社についてよく調べ、理解を示してくれているな」と相手に好印象を与えられます。
とくに競合他社が多い企業ほど、自社の特徴を把握しているかをよくチェックしています。
就活を成功させるためには、自分と企業の双方をしっかり把握することが重要です。
【金融業界の就活の軸】金融業界の特徴
国内には数多くの企業があり、業界でいえば「メーカー」や「商社」など8つのカテゴリーに分けられます。
そのなかの一つである「金融」業界の特徴は以下の通り。
・お金を扱っている
・無形商材を扱っている
・金融面から企業や個人をサポートできる
・金融の専門知識が身に付く
スーパーやコンビニなどの身近な企業に比べて、ぼんやりとしたイメージしか掴めていない人もいるのではないでしょうか。
先に述べた通り、就活の軸を定めるには企業への理解が欠かせません。
これから金融業界へのエントリーを検討しているのであれば、特徴についてもしっかり確認しておきましょう。
お金を扱っている
金融業界が扱っているのは商品ではなく、お金そのものです。
私たちが生きていくうえで欠かせないお金を預かったり貸し付けたりするのが、金融業界の役目。
日々の生活や企業の発展に貢献しているのが、大きな特徴かつ魅力といえるでしょう。
縁の下の力持ちでもある金融業界は、誰かの役に立ちたいと考えている人にピッタリ。
また、細かな数字のミスが大きな問題に発展することがあるのも金融業界の特徴です。
そのため、些細な違いにも気が付き丁寧に物事に取り組める人が向いているといえるでしょう。
無形商材を扱っている
金融業界では生命保険や株式など、物品とは異なり形がないもの(無形商材)を扱っています。
目に見えるものとは異なり、商材が購入されるかどうかは魅力をどれだけ顧客に伝えられるかにかかっています。
営業力やトークスキルが必要となるため、自分の能力が顕著に表れるのが金融業界の特徴といえるでしょう。
非常に大変な仕事ではありますが、そのぶん大きなやりがいも感じられる仕事でもあります。
さらに、営業成績が良ければ昇給・昇進・ボーナス額アップなどに繋がるケースも多いです。
自分の実力を確かめたい人、どんどん上を目指したい人は金融業界に挑戦してみてはいかがでしょうか。
金融面から企業や個人をサポートできる
金融業界では、資金の融資や資産形成の相談対応サービスも提供しています。
現在元手が足りず新規事業に足踏みしている企業から、やりくりで悩んでいる個人まで、サポートする対象はさまざまです。
幅広い業界や立場の人と出会う機会が得られるため、視野が広がり自分の成長に繋がるのもメリット。
「自己成長を目指したい」という就活の軸を持っている人なら、金融業界は最適な仕事だといえるでしょう。
応援した相手が大きく成長する姿を見届けた時、あるいは自分が成長し頼りにされた時、やりがいや醍醐味を感じられるはずです。
金融の専門知識が身に付く
金融業界では、業務を進めるための専門知識が必要になります。
経営の知識・財務・会計・不動産など、日常生活や他の業界では身につかないような知識が学べるのも特徴です。
スキルアップを目指したい人、新たな知識を取り入れるのが好きな人なら、やりがいを感じられるでしょう。
また、金融の専門知識は日常生活で役立つ場合もあります。
たとえば、家計費の管理や住宅の購入などの際に、どのように資産を動かすかの判断が可能です。
以上のことから公私ともに役立つスキルを身に着けたいという人にも、金融業界が適しています。
【金融業界の就活の軸】銀行の就活軸の例
金融業界にはさまざまな業種がありますが、そのなかでも最も身近なものが銀行でしょう。
銀行の基本業務は預金・貸付・為替の3つ。
さらに動産の資産管理などといった別業務や、銀行の規模によって以下4つの種類に分けられます。
・政府系銀行
・都市銀行
・信託銀行
・地方銀行
金融業界に向けて定めた就活の軸であっても、業種選びが原因でミスマッチが起こる可能性があるため注意が必要です。
ここからは各特徴を紹介していくので、自分に合う場所はどれかを比較検討してみましょう。
政府系銀行
政府系銀行は、国民や国内企業のために政府が設立した銀行です。
国が出資金の多くを出しているため、後に紹介する都市銀行などの民間企業に比べて安定しているというメリットがあります。
また利益よりも公益(国民の安定した生活や経済の発展など)に重きを置いているのも、政府系銀行の特徴です。
国民の一人として、多くの人の生活を支えているという実感を持てることでしょう。
こうした特徴から、政府系銀行は以下のような就活の軸を持つ人におすすめです。
・日本がより住みやすい国になるための手助けをしたい
・安定性のある企業で働きたい
・利益重視の考え方が苦手
・大規模なプロジェクトに関わる機会を得たい
政府系銀行も国内の金融危機を助ける「日本政策投資銀行」や、海外事業の支援なども手掛ける「国際協力銀行」など、複数の業種があります。
前述した就活の軸に当てはまる人は、政府系銀行の種類についても調べてみてください。
都市銀行
全国に店舗がある誰もが耳にしたことのあるような大手銀行は「都市銀行」に分類されます。
ただし「都市銀行」に明確な基準はありません。
2024年4月現在は以下の4行が「都市銀行」となっていますが、今後増減する可能性があることも頭の片隅に置いておきましょう。
・三菱UFJ銀行
・三井住友銀行
・みずほ銀行
・りそな銀行
上記のうち三菱UFJ銀行からみずほ銀行までの3社は特に規模が大きく、メガバンクとも呼ばれています。
これらの都市銀行は、以下のような就活の軸を持つ人におすすめです。
・全国転勤でさまざまな土地に赴き、幅広い業務に挑戦したい
・中小企業が大きくなる手助けをしたい
・国内だけではなく、海外でも活躍したい
都市銀行の倍率は非常に高いため就活の軸をしっかり定めて、しっかり面接対策をしておきましょう。
信託銀行
信託銀行では、通常の銀行業務の他に「信託業務」と「併営業務」も行っています。
信託業務とは、不動産や有価証券などの資産運用を代行するサービスのこと。
併営業務は証券代行業務(株主名簿の維持管理、配当金の管理など)や相続関連業務(遺言の保管など)があります。
一般的な銀行よりも業務の幅が広く、より専門的で高度な知識を必要とするのが信託銀行の特徴です。
・やりがいのある仕事に従事し、自らのスキルアップも目指したい
・人生に寄り添い、信頼される人間になりたい
・富裕層相手に仕事をして、視野や人脈を広げたい
常に学ぶ姿勢を持って、真摯に対応できる人であれば、信託銀行へ入社後も活躍できるでしょう。
地方銀行
地方銀行、いわゆる地銀(ちぎん)は都道府県や市区町村など特定地域に根ざしているのが特徴です。
「横浜銀行」や「静岡銀行」など、銀行名に土地の名前が入っているものはおおむね地銀と考えて良いでしょう。
都市銀行に比べて全国的な知名度は低いものの、地域住民からの信頼性も安定性も高い業種です。
主な顧客は地元の中堅中小企業となるため、以下のような就活軸を持つ人に適しています。
・地元を盛り上げたい
・身近な企業の成長を手助けしたい
・地域格差を改善する一助となりたい
・扶養家族がいるため全国転勤は避けたい
仕事のやりがいだけではなく、ライフワークバランスがとれるのも地銀のメリットといえるでしょう。
【金融業界の就活の軸】用いられやすい就活の軸とは?
いざ金融業界の就活の軸を検討しようと思っても、ゼロベースからのスタートであると何から考えて良いか迷ってしまう方も多いでしょう。
企業や業界を選ぶポイントはさまざまあるため、闇雲に考えてもなかなか軸はまとまりません。
まずはどういった就活の軸があるのかを理解し、自分が大切にしたいポイントを絞っていくと良いでしょう。
今回はよく用いられる就活の軸を4つご紹介するので、自分の就活の軸をまとめる参考にしてみてください。
仕事内容
用いられやすい就活の軸の一つ目は、仕事内容の軸です。
こちらはイメージが湧きやすいと思いますが、「どのような仕事をしたいのか」を基準とします。
仕事内容の軸は、自分にとっても採用する企業にとっても重要な軸です。
なぜ仕事内容の軸が重要かというと、仕事内容が自分にマッチしていなければ仕事に対する熱意の維持が難しいためです。
たとえ有名な企業に入社できたとしても、まったく興味のない仕事内容であれば、なかなか熱意を持って仕事をするのは難しくなります。
そのため、自分がどういった仕事をしたいのか、なぜその仕事がしたいのかなど、仕事内容をイメージして軸を定めましょう。
営業や人事などできるだけ具体的に言語化すると、企業の面接官もイメージが湧きやすい就活の軸となります。
福利厚生
福祉厚生の軸も、用いられやすい就活の軸です。
福利厚生とは、従業員とその家族に提供する報酬を指します。
近年ではワークライフバランスを重視した働き方も注目されていて、仕事も私生活もどちらも大切にしたい方におすすめの就活の軸です。
福利厚生の例としては、雇用保険や健康保険はもちろん、住宅・通勤手当、社員食堂、娯楽施設の割引制度などが挙げられます。
福利厚生はどのような生活を送りたいのか、にも直結する軸です。
自分が将来的にどのような生活を送りたいのかをベースに検討するのが良いといえます。
なお、注意点として、自分本位な考えを面接で伝えるのは避けましょう。
「娯楽施設の割引制度で週末を楽しみたい」とだけ伝えると仕事に熱心に取り組むイメージは持ってもらえません。
社風
企業の社風も就活の軸として用いられます。
社風は企業の価値観や信念があらわれる、企業独自の雰囲気を指します。
どのような社風の会社で働きたいかは、入社後に生き生きと働くために大切な要素です。
企業ごとに社風は異なり、体育会系や風通しのいい社風などさまざまあります。
企業側もあまりにも社風にミスマッチな人材を採用してしまうと、入社後に意欲的に働いてもらえなかったり、早期退職してしまったりとリスクが生じます。
社風で就活の軸を考える際に場合には、「どのような社風であれば自分が生き生きと働けるか」などを基準に言語化してみましょう。
また志望する企業で社風を就活の軸として伝える場合は、事前に社風をリサーチし、それにマッチする形で伝え方を工夫するのがおすすめです。
企業理念
就活の軸として、企業理念の軸も用いられやすいです。
企業理念は、企業の根幹にある考え方や価値観を指します。
「なぜ企業が存在するのか」「何のために事業をおこなうのか」など、企業の存在意義にも繋がる概念です。
企業はこの企業理念に沿って、事業を展開したり仕事を進めたりするケースが多くあります。
そのため就活生にとっても、企業理念が自分の考えとマッチしているかは、重要なポイントです。
自分がどういった企業理念を持つ企業で働きたいのかを明確にしておくと、企業とのミスマッチを防げます。
また面接官としても、自社の企業理念に共感する就活生を採用したいと考えるのが一般的です。
企業理念の軸が志望する企業とマッチするものであると、それだけ高評価も期待できます。
【金融業界の就活の軸】おすすめの構成
面接時には、以下の順で就活の軸を伝えましょう。
1.結論
2.エピソード
3.入社後の貢献
この流れを意識すると、面接官に自分の気持ちを理解してもらいやすくなります。
人と話すのが苦手な人、面接経験が少ない人はぜひ実践してみてください。
結論
面接で就活の軸について尋ねられたら、まずは結論から述べましょう。
遠回しな表現は省き、「私の軸は○○です」と端的に答えます。
軸が複数ある場合も「私の軸は○○、○○、○○の3つです」のように、最初にすべての結論を伝えてください。
結論から述べるのは聞き手の興味を引き、その後の内容を理解してもらうのに効果的な手法です。
話の終着点が分からないままダラダラとした時間を過ごすのは、誰しも苦痛を感じるもの。
多くの人と接する面接官であれば、なおのことです。
面接官に「要領が悪そう」「話が長くて面倒くさそう」などの悪印象を抱かせてしまうと、選考に落ちやすくなってしまうためご注意ください。
スムーズに就活を進めるためにも、面接では結論から伝えることを意識しましょう。
エピソード
最初に述べた結論が、どのようなエピソードから生まれたのかを詳しく説明します。
この工程は、就活の軸を伝えるうえで最も重要な要素といっても過言ではありません。
「過去にどんな経験をして、なぜ結論に至るような考えになったのか」を筋道立てて伝えましょう。
その内容から面接官は、会社の価値観と合う人材かどうかを見極めます。
ここで就活の軸とエピソードにズレがあったり、定型文通りの内容であったりすると悪印象を与えてしまうため要注意。
面接前には友人や家族に、就活の軸とエピソードにズレが無いか聞いてもらうと良いでしょう。
入社後の貢献
最後は、入社後に自分がどのようなスタンスで企業に貢献していけるかを伝えます。
「貢献できるほどのスキルなんてないけど……」と心配な人は、入社後どのようなことをしたいか述べればOKです。
ここで面接官が知りたいのは、入社後をイメージして前向きに働いてくれるかどうかという点です。
これまでに就活の軸をしっかり定めていれば、なりたい自分が容易に想像できるでしょうから、それほど難しくはないはずです。
就活の軸を答える際の注意点
就活の軸を選考で聞かれた際には、あなたの人柄や企業への熱意が伝わるような文章を考える必要があります。
そこで、以下で紹介する3つの注意点を参考にして、金融業界で評価される就活の軸を考えていきましょう。
企業で働く社員の目線で考える
就活の軸を答える際には、企業で働く社員の目線で考えることを意識しましょう。
就活の軸を伝えるうえで、「企業のファンであること」や「商品・サービスを過去に利用していたこと」など、顧客目線でのエピソードを伝えることは、企業に入りたいという熱意を伝えるうえで有効です。
ただし、それと同時に「あなたの強みを活かしてどのように企業に貢献できるのか」、「企業で何を成し遂げたいか」といった、企業で働く社員としての目線で就活の軸を考えることができると、面接官にあなたが自社で活躍しているイメージを持ってもらいやすくなります。
原体験を加えて具体性を持たせる
就活の軸を答える際には、あなた自身の原体験を加えることで、話に具体性を持たせることが大切です。
就活の軸は、多くの企業に当てはまることがほとんどであると思います。
そのため、就活の軸に関する話も抽象的な内容だと、あなたの人柄や熱意が面接官に伝わりづらくなってしまいます。
そこで、就活の軸を持つようになったきっかけとして原体験を加えることで、他の人との差別化ができ、あなたらしさがアピールできます。
同じアルバイトやサークルのエピソードであっても、その経験の中で生じた課題や取った施策にはあなたの個性が現れているため、実際の経験を加えて話すことを意識するようにしましょう。
話を誇張しすぎない
就活の軸を答える際には、話を誇張しすぎないことも重要なポイントです。
自分のエピソードに自信がなかったり、もっとよく見せたいといった理由で話を盛ることは効果的ではありません。
「アルバイト先の売り上げを2倍に向上させました」や「○○部の全国大会で優勝しました」など、話を誇張しすぎてしまうと、あなたが本当に成し遂げたことなのか疑問に思われてしまうことがあります。
さらに深掘りに対応できなかったり、言っていることに矛盾が生じたりと、面接官にバレてしまう可能性が高いです。
そのため、結果の大きさよりも、あなたの人柄や思いを面接官に伝えることを重視し、事実に基づいた話をするように意識しましょう。
【金融業界の就活の軸】面接時に使える回答例文
最後に、金融業界の面接時に使える就活の軸の回答例文を紹介します。
ただし、こちらで紹介した内容はあくまで例文です。
内容を確認したら、自己分析から導き出した就活の軸をもとに、自分だけの回答文を作りましょう。
業種別 就活の軸例文
ここでは、金融業界の業種別で就活の軸の例文をご紹介します。
例文は以下の3種類に分けているため、エントリーする企業に合わせて参考にしてください。
・銀行の軸
・保険の軸
・証券の軸
銀行の軸
私の地元では多くの個人商店があり、友人家族や親戚にも個人店を運営している人が多くいました。
そのなかには世界にも通用するような非常に美味しい飲食店や、希少な本を扱う古書店もありました。
ところが大手チェーン店が出店したのをきっかけに、地元の個人商店は軒並み潰れてしまったのです。
全国に名を轟かせることも可能であったであろう店舗が、資金不足で潰れて悔しい思いをしているのを目の当たりにしました。
この経験から、地元に根付く企業のサポートをしている御社で、多くの人の幸せにつながる仕事をしたいと考えています。
保険の軸
そう思うきっかけとなったのが、私が高校生の頃の出来事です。
私の父は高校生のとき病気になり亡くなり、残された家族は金銭的に困窮するという経験をしました。
そのとき知り合いの金融業界に努める方が、資産形成や保険について詳しくサポートしてくれたのです。
助けてくれる人がいるということ、受けられるサポートがあるという事は、深く沈んでいた私たち家族にとって大きな支えとなりました。
今度は私が、悩んでいる顧客の方に寄り添い、人生の転機をもたらす人材になりたいと考えています。
幅広い保険商品や資産運用に対応している御社であれば実現が可能だと思い、この度エントリーさせていただきました。
証券の軸
この軸を定めたのは、私が幼少期から習っていたスイミングが関係しています。
スイミングは個人競技であり、練習の有無は結果に色濃く反映されるのが特徴です。
幼いころの私は負けず嫌いな性格で、誰よりも速く長く泳ぎたいと考えていました。
スイミングスクールでの練習を重ね、水が無くてもできる自宅トレーニングにも励んだ結果、県大会で1位を取ることができたのです。
惜しくも全国で入賞はできませんでしたが、努力は実を結ぶという経験は私に大きな影響を与えました。
大人になった今、仕事でも自分の営業成績が数字となり表れる、実力主義の企業で働きたいと考え御社にエントリーいたしました。
銀行の種類別 就活の軸例文
ここでは、銀行の種類別で就活の軸の例文をご紹介します。
例文は以下の4種類に分けているため、エントリーする企業に合わせて参考にしてください。
・政府系銀行
・都市銀行
・信託銀行
・地方銀行
政府系銀行
学生時代、経済学の授業でリーマンショックの影響が日本の家計や企業にどのような影響を与えたかについて深く学び、経済的な安定が失われることで、多くの人々の生活が大きく揺らぐ様子に衝撃を受けました。
そこで、経済の基盤を支える役割に興味を持ち、政府系銀行が果たす役割の重要性に気づきました。
将来的には、貴行での業務を通じて日本経済の安定に貢献し、国民一人ひとりが安心して暮らせる社会を作りたいと考えています。
都市銀行
大学時代に参加したインターンシップでは、中小企業が大手銀行からの融資を通じて事業を拡大し、地域産業に貢献している姿を目の当たりにしました。
この経験を通じて、金融業界が単なる利益追求だけでなく、国全体の産業基盤を強化し、経済を発展させるための重要な役割を果たしていることを痛感しました。
そして、自分が経済学部で学んだ知識を活かすべきフィールドがまさしくこの業界であるとも強く感じました。
将来的には、貴行で多くの企業をサポートし、日本の産業全体の成長に貢献することを目標としています。
信託銀行
大学時代、信託銀行の業務について学ぶ機会があり、資産運用や遺産管理の業務における高い責任感に強い印象を受けました。
お客様の大切な資産を長期間にわたって管理し、その資産が適切に運用されることでお客様の安心を守る仕事に強い魅力を感じました。
また、貴行の業務は特に専門性が高く、法律や金融資産に詳しいことはもちろん、お客様のライフプランを理解し、それに基づいて最適な提案を行うことが求められます。
高度な専門性を身につけ、多くのお客様に信頼され、社会に貢献できる存在となり、貴行の発展に大きく貢献したいと考えています。
地方銀行
学生時代、地方の商店街でアルバイトをしていた際、地域住民との強固な信頼関係が商店の長期的な成功の要因であることを実感しました。
特に、地域に根ざしたビジネスがいかに住民の生活を支え、地域経済を活性化させるかに強い印象を受けました。
貴行はただの金融サービスの提供にとどまらず、地域全体の生活を豊かにし、持続的に発展させるため、様々な地域発展のための取り組みを行っており、まさに私が求める環境そのものです。
貴行に入行した際には、地域特有の問題や、ニーズに応じたサービスを柔軟に提供することで貢献したいと考えています。
【金融業界の就活の軸】就活軸が見つからない時は
就活の軸がどうしても見つからない時には、プロ(=就活エージェント)に相談するという手もあります。
履歴書の添削や面接対策など、就活を総合的にサポートしてくれるのが就活エージェントの特徴です。
おすすめのサービスは、人事コンサルティング会社が運営する「ジョブコミット」。
一人ひとりに専門アドバイザーが付いてくれるため、自己分析や就活軸の決定、面接対策まで無料でサポートしてもらえます。
いつでも何度でも面談をしてもらえるため、就活に不安をお持ちの人はぜひ相談してみてください。
おわりに
就活の軸は、エントリーする企業に自分の価値観と意気込みを伝えるうえで必要不可欠な要素です。
面接対策が進まない人は、就活の軸がぶれているのかもしれません。
金融業界は特殊な知識や資格を使う場面も多いため、事前によく調査・対策することが大切です。
本記事で紹介したポイントを参考に就活の軸を定め、必要に応じてプロの手を借りつつ、面接に臨みましょう。