- 出版業界の概要
- 出版業界の職種
- 志望動機のおすすめ構成
- 出版業界への就職を視野に入れている人
- 志望動機を今から作る人
- 志望動機作成がうまくいかない人
はじめに
出版業界を目指しており、志望動機の基礎を知りたい、もしくはなかなか志望動機が書けないと悩んでいる方のために、ポイントやおすすめの構成を紹介します。
先に出版業界の概要について紹介した後に、志望動機の具体的なポイントに入っていくため、業界研究のおさらいとしても活用できるはずです。
業界知識が完璧な方は志望動機のポイントから、まだ業界知識に不安がある方はぜひ最初から読んでみてください。
【出版業界の志望動機】出版業界とは
- 動向
- 将来性
- 働き方
まずは出版業界とは何か、動向と将来性、働き方の3つに分けて詳しく紹介するため、参考にしてください。
自分がこれから働く可能性の高い業界について知っておけば、自分のキャリアがどのように進んでいくかも明確になり、志望動機や自己PRのクオリティも高まるはずです。
動向
出版業界は近年、紙媒体の売上が低迷する一方で、電子書籍や電子出版市場が拡大するという変化が続いています。
紙の出版物は従来の主力商品であり、多くの人にとって馴染み深いものでしたが、インターネットやスマートフォンの普及により、情報を得る手段が多様化しました。
その結果、紙媒体に依存していたビジネスモデルは厳しい状況に直面しているのです。
電子書籍市場は急成長を遂げており、出版業界全体にとって新たな可能性をもたらしています。
電子書籍の普及により、読者は場所や時間に関係なく本を楽しめるようになり、特に若年層やデジタルネイティブと呼ばれる世代に支持されています。
また、電子書籍の販売は流通コストが低く抑えられるため、出版社にとっても新たな収益源として注目されているのも特徴です。
将来性
出版業界の将来性を考える上で注目すべきは、紙媒体の衰退と電子媒体の急成長という二極化した市場の変化です。
紙媒体の売上は減少傾向にありますが、これに代わり電子出版が市場を牽引するようになっています。
特に電子書籍市場は年々規模を拡大しており、スマートフォンやタブレット端末の普及とともにさらなる成長が期待されています。
また、従来の出版取次会社や書店も、この変化に適応するための取り組みを進めています。
オンライン書店の運営や電子書籍販売プラットフォームの開発など、デジタル分野への投資が加速しているのです。
これにより、従来の出版流通モデルに新たな選択肢が加わり、より効率的な販売体制が整いつつあります。
働き方
出版業界での働き方は出版社、出版取次、書店という3つの主要なカテゴリーに分けられます。
それぞれに求められるスキルや適性が異なるため、自分がどの分野で働きたいのかを明確にすることが必要です。
出版社での働き方は編集者やライター、デザイナー、営業担当など、多岐にわたります。
編集者の場合、書籍や雑誌の企画立案から著者との連絡、原稿の確認、校正、印刷所とのやり取りまで、幅広い業務を担当します。
出版取次では出版社から納品された書籍を全国の書店に届ける流通業務を担います。
効率的な物流管理や在庫管理が求められるほか、書店との関係構築も重要です。
また、近年は電子書籍の流通を手掛ける企業も増えており、従来の物流業務に加えて、デジタルマーケティングの知識も必要となっています。
書店での働き方は店頭での接客や販売だけでなく、商品選定や在庫管理、イベントの企画運営など、多岐にわたります。
地域に根ざした店舗運営を行う中で、地元のニーズを把握し、適切な商品を提供する能力が求められます。
また、オンラインストアを併設している書店ではデジタル対応のスキルも重視されています。
【出版業界の志望動機】出版業界の職種
- ライター
- デザイナー
- 営業
- 編集者
出版業界の職種にはどのようなものがあるのかについてもおさらいしておきましょう。
出版業界に興味があるものの、どのような業務を担当することになるのかイメージができていない方は特に熟読しておいてください。
ライター
ライターは出版業界において記事や書籍の執筆を担当する職種です。
編集者やクライアントから提示された企画案に基づき、文章を作成するのが主な仕事です。
ライターの役割は文章作成だけでなく、記事のテーマに応じた情報収集や取材を行うことも含まれます。
よって、ライターには言葉の表現力だけでなく、テーマに関する深い理解やリサーチ力が求められます。
出版業界のまた、ライターは取材やインタビューを行う場面が多いです。
著名人や専門家へのインタビューを通じて得た情報を、読者に伝わりやすい形で文章にまとめる技術が必要です。
取材時には相手の話を的確に引き出すコミュニケーション能力や、取材内容を整理する構成力が求められます。
また、調査に基づく執筆では信頼性のある情報源を活用し、正確なデータや事例を文章に反映させることが重要です。
デザイナー
デザイナーは出版業界において書籍や雑誌のレイアウトやデザインを手掛けるクリエイティブな職種です。
デザイナーの主な役割は編集者やクライアントの要望を基に、ビジュアル面での表現を行うことです。
ただし、ただ指示に従うだけでなく、自ら提案を行い、それを形にする場面も少なくありません。
つまり、デザイナーには発想力や提案力が求められます。
具体的な業務内容は雑誌のページレイアウト、書籍のカバーデザイン、写真やイラストの選定などです。
これらの作業では読者が視覚的に惹きつけられるデザインを作り出すことが重要です。
また、デザインはただ見た目が良いだけでは不十分で、内容を引き立て、情報をわかりやすく伝える役割を果たさなければなりません。
デザイナーには高度なソフトウェアスキルも求められます。
Adobe IllustratorやPhotoshopなどのデザインツールを使いこなし、編集者やライターからの依頼に迅速に応える必要があります。
また、紙媒体だけでなく電子書籍やWeb用のデザインも増えているため、デジタル対応のスキルを持つことが重要です。
営業
営業職は出版業界において書籍や雑誌を市場に流通させる重要な役割を担います。
出版物を世に広め、売上を確保するために、書店や図書館、企業などに対して直接アプローチを行うのが主な業務です。
この職種ではコミュニケーション能力や交渉力が大きく求められます。
営業の仕事では書店や販売先に訪問し、新刊やおすすめの商品を紹介します。
また、販売状況を確認し、在庫の補充や返品の調整を行うことも重要な業務の一部です。
このため、常に現場の声を聞き、読者が求める本を適切に提案できる柔軟な対応力が求められます。
営業職は販売活動だけでなく、市場のトレンドを分析し、次に求められる商品を提案することも仕事です。
市場調査を行い、データをもとにした分析結果を編集部やデザインチームにフィードバックすることで、次の企画立案に貢献できます。
これにより、出版物が読者のニーズに応えるものとなり、売上向上につながります。
編集者
編集者は出版物の企画立案から制作、そして販売準備に至るまで、すべてのプロセスに関わる重要な職種です。
出版物を形にする上で中心的な役割を担い、多岐にわたる業務をマルチタスクでこなします。
企画を成功させるためには発想力や調整力、そして柔軟性が不可欠です。
編集者の仕事はまず市場のニーズを把握することです。
読者が求めているテーマやトレンドを分析し、それに基づいた企画を立案します。
また、過去の売上データや市場調査の結果を活用しながら、読者層や発行部数を想定した具体的な企画を練り上げます。
著者やライター、デザイナーとの連携も大切です。
著者への依頼や原稿の進捗管理を行い、必要に応じて修正やアドバイスを提供します。
このように、編集者は多くの関係者と密接に連携しながら、スケジュールを管理しつつプロジェクトを進行させる仕事と言えます。
【出版業界の志望動機】出版業界のやりがい
- 自分が携わったものが商品になる
- チームで達成した達成感を得ることができる
- 新しい情報に早く触れることができる
出版業界のやりがいについても紹介します。
以下の3点はどのような企業で働くとしても、出版業界に入れば感じられる可能性の高いやりがいです。
やりがいについて知っておけば、就活のモチベーションが高まります。
また、志望動機の内容をより深くすることもでき、企業の採用担当者に良い印象を与えられる可能性も高まるため、ぜひ参考にしてください。
自分が携わったものが商品になる
出版業界の大きなやりがいの1つは、自分が携わった本や雑誌が商品として世に出て、多くの人に読まれる瞬間を経験できることです。
編集者やライター、デザイナーとして関わった出版物が実際に形となり、書店やオンラインストアに並ぶ光景は他の業界では得られない特別な達成感をもたらします。
その商品を手に取った読者からの反応を目にすることで、自分の仕事が社会に与える影響を実感できます。
自分の関与した出版物が世間で話題になり、多くの人に認知される経験はプロジェクトを進める中での困難を乗り越えた努力へのご褒美そのものです。
チームで達成した達成感を得られる
出版物は編集者、ライター、デザイナー、印刷業者など多くの関係者が協力して作り上げるチームプロジェクトの成果です。
そのため、出版業界では1人で完結する仕事は少なく、むしろ多様な専門性を持つ人々との連携が求められます。
この連携の中で、1つの商品を完成させたときの達成感は格別です。
出版物が完成し、世に送り出されたとき、チーム全体で喜びを共有できる点はこの仕事の大きな魅力です。
特に、出版物がヒットした場合にはチーム全員が成功の喜びを分かち合い、それぞれの役割がいかに重要だったかを実感できます。
このような成功体験は次のプロジェクトへのモチベーションにもつながる、非常に大きなやりがいです。
新しい情報に早く触れられる
出版業界の仕事では新しい情報やトレンドにいち早く触れられるという点も大きなやりがいです。
出版物を制作する際には最新のニュースや話題に基づいた記事や書籍を企画し、それを形にしていきます。
そのため、日常的に新しい知識や情報に触れる機会が多く、刺激的な毎日を過ごせる点がこの業界の特徴です。
時事問題を扱う雑誌では編集者やライターが常に社会の動向を追い、その中で注目すべきテーマを選定します。
また、専門書や技術書の編集では特定分野の最新研究や技術革新について深く理解する必要があります。
こうした情報収集を通じて、自分自身の知識も広がり、社会や業界の動きを先取りした感覚を得られます。
【出版業界の志望動機】志望動機作成の事前準備
- 業界研究
- 企業研究
- 自己分析
- インターンシップへの参加
志望動機を作成するにあたって先に取り組んでおきたい、事前準備を紹介します。
たしかに「以下の4つ全てを入念に行ってからでなければ、志望動機を書いてはいけない」というルールはありません。
しかし、先に以下の対策をしっかりしておいた方が、質の高い志望動機が書けますし、スムーズに作成できるため、効率も良いと言えます。
業界研究
出版業界の志望動機を作成する際にはまず業界研究を行うことが欠かせません。
業界全体の動向や課題、成長率などを把握することで、企業ごとの特徴や立ち位置を理解する手助けになります。
また、業界研究を通じて、自分の志望先と競合他社との違いを理解することも大切です。
どの企業にも共通する業務内容だけでなく、企業独自の強みや取り組みを知ることで、志望動機に具体性が生まれます。
このような研究はただ情報を収集するだけでなく、実際に出版物を手に取り、その企業の制作物がどのような特徴を持つのかを自分の目で確かめることによって深まります。
業界の課題を把握することも重要です。
出版業界は紙の需要減少やインターネットの台頭といった課題に直面していますが、その中で新しい市場を開拓している企業もあります。
業界全体の課題を理解し、その解決策に関心を示す姿勢を志望動機に含めることで、業界に対する深い理解と熱意を伝えられます。
企業研究
企業研究は志望動機を具体的かつ説得力のあるものにするための重要なステップです。
企業ごとの特徴や方針を把握することで、自分がその企業にどのように貢献できるかを明確にできます。
企業研究の際にはまず公式WebサイトやSNSを活用して基本情報を調べることが有効です。
企業の沿革やミッションステートメント、出版物の特徴などを確認することで、その企業が目指す方向性を理解できます。
さらに、企業が発信しているニュースやプレスリリースを読むことで、現在注力している事業や取り組みについての情報も得られます。
また、出版物そのものを分析することも重要です。
実際にその企業が制作した書籍や雑誌を手に取り、内容やデザイン、ターゲット層などを確認することで、企業の理念や方針を具体的に感じ取れます。
自己分析
自己分析は志望動機を作成する上で最も基礎となる作業です。
自分の興味や価値観を深掘りし、どのような仕事を通じて自分を活かしたいのかを明確にすることで、説得力のある志望動機を作ることが可能です。
まず、自分がこれまでどのような経験を積んできたのかを振り返りましょう。
大学での学びやアルバイト、ボランティア活動、趣味など、様々な活動を通じて得たスキルや価値観を整理します。
また、自己分析は単に自分の過去を振り返るだけでなく、これからどのように成長したいのかを考える作業でもあります。
出版業界を志望する理由を明確にし、自分の強みや興味を企業のニーズに結びつけ、説得力のある志望動機を作成しましょう。
インターンシップへの参加
インターンシップへの参加は出版業界の仕事内容や雰囲気を直接体験する絶好の機会です。
志望動機を作成する際にも、インターンでの経験を具体的に盛り込むことで説得力が増します。
インターンシップでは実際の業務に携わりながら、編集やデザイン、営業といった職種ごとの役割を学ぶことができます。
また、社員との交流を通じて、職場の雰囲気や働く上での姿勢を学ぶことも可能です。
さらに、インターンシップでは業界や企業についての理解が深まるだけでなく、自分の適性を見極める機会にもなります。
実際に仕事を体験することで、自分がどのような場面でやりがいを感じるのか、また課題と感じる部分が何かを知ることができます。
インターンシップ経験を志望動機に取り入れる際にはインターンを通じて学んだ具体的な内容や、どのように成長したかを詳しく述べることがポイントです。
また、その経験を踏まえた上で、自分がその企業でどのように活躍したいのかを伝えることで、熱意と具体性を兼ね備えた志望動機を作成できます。
【出版業界の志望動機】志望動機作成のポイント
- なぜ出版業界を志望しているのかを述べる
- その企業でなくてはならない理由を述べる
- 具体的な内容にする
- 自分を採用するメリットを伝える
志望動機を作成する前に取り組んでおきたい準備がわかったところで、続いては志望動機を作成する時に念頭に置いておきたいポイントについて紹介します。
以下の4点を意識しながら作成すれば、質の高い志望動機が出来上がるはずです。
なぜ出版業界を志望しているのかを述べる
志望動機を作成する際には、なぜ数ある業界や職種の中でも出版業界を選んだのかを明確に述べることが求められます。
この部分が不明確だと、採用担当者に対して熱意が伝わらず、他の候補者との差別化が図れません。
したがって、出版業界への興味や志望理由を具体的かつ論理的に説明することが重要です。
出版業界を志望する理由を述べる際には、業界特有の魅力ややりがいについて自分の考えを深めることが必要です。
出版物を通じて多くの人に知識や感動を届けられる点や、時代のトレンドを発信する役割を担える点など、自分が共感する部分を強調すると説得力が増します。
また、自分の経験や価値観と出版業界の特性を結びつけることで、具体的な理由を示せます。
学生時代に文芸活動や記事執筆に取り組んだ経験があるならば、それが出版業界で活かせることを説明すると、志望理由に深みが生まれます。
その企業でなくてはならない理由を述べる
志望動機ではなぜ競合他社ではなくその企業を選んだのかを明確にすることが重要です。
企業研究を通じて得た情報を基に、その企業独自の特徴や強みを具体的に述べることで、自分の志望理由に説得力を持たせられます。
まず、その企業が他社とどのように異なるのかを把握する必要があります。
出版物のジャンルに特徴がある場合や、電子書籍市場に特化した取り組みを行っている場合、それらの点を取り上げて自分の志望理由に結びつけましょう。
この際、具体的な事例や企業の実績を示すことで、説得力を高められます。
また、その企業の理念やビジョンに共感していることを伝えるのもおすすめです。
「読者に感動を届ける」という企業の理念に共鳴している場合、自分がどのような経験や価値観を通じてその理念を共有しているのかを述べると良いでしょう。
理念やビジョンを具体的な経験に結びつけることで、企業との相性をアピールできます。
具体的な内容にする
志望動機を作成する際には、説明に具体性を持たせることが重要です。
抽象的な表現や一般的な内容に終始してしまうと、採用担当者に強い印象を与えられません。
具体的なエピソードや経験を基に、自分の適性や意欲を示すことが大切です。
「出版業界に興味がある」というだけではなく、どのような場面でその興味が芽生えたのかを明確に述べましょう。
学生時代に所属していたゼミやクラブ活動で得た経験が出版業界の仕事にどう結びつくのかを具体的に示すことで、説得力を高められます。
また、自分がこれまでに読んだ出版物や、特に影響を受けた作品について触れることで、自分の興味を具体的に伝えられます。
さらに、具体的な数値や成果を挙げることも有効です。
大学での研究活動やアルバイトで達成した成果を示すことで、自分が仕事にどのように取り組むかを採用担当者にイメージさせられます。
具体性のある志望動機は、他の応募者との差別化を図る上でも有効です。
自分を採用するメリットを伝える
志望動機では自分を採用することによるメリットを具体的に伝えることが重要です。
企業が求めている人物像やスキルを把握し、それに自分がどう応えられるかを示すことで、採用担当者に自分の価値をアピールできます。
まず、その企業がどのような人材を求めているのかを明確に理解することが必要です。
企業の採用情報や社員インタビューを参考に、求められるスキルや人物像を把握しましょう。
求められているスキルに応じて、自分の経験からそれらのスキルを証明するエピソードを述べることが大切です。
また、自分の強みを具体的に説明し、それが企業の利益や成長にどのように貢献するかを示すこともおすすめです。
大学で培った分析力や文章作成のスキルが出版業界での編集業務に役立つことを述べると良いでしょう。
さらに、過去の実績を基に、入社後に具体的にどのような成果を上げたいのかを伝えることで、採用担当者に自分の可能性をイメージさせられます。
このように「自分を採用するメリット」を具体的に伝えることで、採用担当者に自分の魅力を強く印象づけることが可能です。
【出版業界の志望動機】おすすめ構成
- 結論
- 理由
- エピソード
- 貢献
- 再度結論
続いて、おすすめの志望動機の構成についても紹介します。
以下の構成はもちろん出版業界だけでなく、どのような業界を受けるにあたっても汎用的に活用できるものです。
まだ出版業界を受けるか確定していない方で、他の業界も併願している方であっても参考になるため、覚えておいてください。
結論
志望動機の冒頭ではまず「貴社を志望する理由は〇〇です」と結論を簡潔に述べることが重要です。
これは就活全般において基本的な構成であり、相手に最初に要点を伝えることで興味を惹く効果があります。
結論を初めに明確に示すことで、採用担当者に自分の志望理由が一目でわかりやすく伝わります。
結論部分では、なぜその企業を志望しているのかを端的に述べましょう。
「出版物を通じて読者に新しい価値を届けたい」という理念に共感しているならば、そのことを簡潔に述べてください。
また、その企業独自の特徴や強みを挙げると、さらに説得力が増します。
ただし、この段階で長々と理由を述べるのではなく、詳細な説明は後述する形にして、あくまで簡潔にまとめることを心がけましょう。
理由
結論の次には、その理由を簡潔に述べるパートを設けます。
結論で述べた志望理由を支える論拠を端的に説明することで、志望動機全体の説得力を高められます。
理由を述べる際には企業の特徴や強み、自分の価値観や経験とどのように一致しているのかを意識すると良いでしょう。
「貴社が出版物を通じて社会に貢献する姿勢に共感し、自分もその一員として新しい価値を生み出したいと考えました」といった具合に、具体的かつ簡潔に述べることが重要です。
また、業界全体のトレンドやその企業が直面する課題について触れ、それに対して自分が興味を持っている点を示すことで、理由に説得力が生まれます。
理由を述べる際にはあくまで簡潔さを意識することが大切です。
詳細なエピソードや具体例は次のエピソード部分で述べるため、この段階では背景や前提を示す程度に留めましょう。
エピソード
志望動機の核心部分として、自分の経験やエピソードを述べるパートは特に重要です。
結論や理由で述べた内容を裏付ける具体的な事例を示し、採用担当者に自分の適性や熱意を伝えましょう。
エピソードを述べる際には、自分がどのような経験を通じて出版業界に興味を持ったのか、または志望する企業に関連する価値観やスキルをどのように培ったのかを具体的に説明します。
学生時代に行った文芸活動や編集経験、アルバイトで培ったスキルなどを挙げ、それがどのように出版業界で活かせるのかを示すことが大切です。
さらに、エピソードを述べる際には企業の特徴や理念と結びつけることも忘れてはいけません。
自分の経験がその企業でどのように活かせるのかを具体的に示すことで、採用担当者に自分を採用する意義を納得させることが可能です。
貢献
エピソードを述べた後には、企業に対してどのように貢献できるかを明確に伝えることが重要です。
志望動機を自己アピールに終わらせず、入社後の具体的なビジョンを示すことで、採用担当者に自分が企業にとって有益な人材であることをアピールしましょう。
貢献を述べる際には、企業が求めるスキルや人物像を踏まえた上で、自分の強みや経験をどのように活かせるかを具体的に説明すると良いです。
「編集スキルを活かして新しい市場を開拓したい」「営業力を駆使して売上拡大に寄与したい」といった具体的な目標を挙げると良いでしょう。
また、企業の課題や目標に触れ、それに対して自分がどのような形で貢献できるのかを示すことも有効です。
電子書籍市場の拡大を目指している企業を受けるならば、自分が持つデジタル分野の知識や経験を活かせることを述べると、具体性が増します。
再度結論
志望動機の締めくくりでは、冒頭で述べた結論を再度明確に示し、全体の内容をまとめて採用担当者に強い印象を与えることが重要です。
「貴社を志望する理由は〇〇です」という形で最初の結論を繰り返しつつ、可能であればそれまでに述べた理由やエピソードを簡潔に振り返ります。
これにより、志望動機全体の流れが締まり、採用担当者に内容がより記憶に残りやすくなります。
「学生時代に培った編集スキルを活かし、貴社が目指す新しい出版スタイルの実現に貢献したいと考えています」といった形で、自分の適性と企業の目標を結びつけると良いでしょう。
【出版業界の志望動機】職種別の志望動機例文
続いて、ここまで紹介してきた内容を踏まえた上で、営業職と編集系の職種に分けて、それぞれ1つずつ例文を紹介します。
先ほど紹介した構成や志望動機作成のポイントを踏まえた上で作成しているため、本記事のおさらいという意味でも参考になるはずです。
例文①
例文
貴社を志望する理由は出版物を通じて多くの人々に知識や感動を届けるという使命に共感し、その中でも営業職として読者と出版物を繋ぐ役割を担いたいと考えたからです。
大学時代に取り組んだゼミ活動で、グループで制作した冊子を販売しました。
冊子を完成させるだけではなく、それを多くの人々に届けるため、販売方法や販促キャンペーンをゼミ仲間と考案した結果、想定の200冊以上を売り上げ、多くの購入者から感想をいただいた際に、商品提供ではなく、読者との交流を通じて大きな喜びを感じました。
この経験を通じて、出版物が読者に届くまでの営業活動の重要性を学び、それを仕事として追求したいと考えるようになりました。
入社後は大学時代に培った提案力とコミュニケーションスキルを活かし、新たな読者層を開拓することで貴社に貢献する所存です。
例文②
例文
貴社を志望する理由は出版を通じて新たな価値を創造し、多くの人々に感動や学びを提供する編集者として活躍したいと考えたからです。
大学時代にはサークル活動で部員のエッセイや短編小説をまとめた冊子を編集するプロジェクトのリーダーを務め、テーマ選定から内容の調整、デザイン案の作成まで多岐にわたる作業を担当しました。
また、部員の意見を取りまとめながら、読者に伝わりやすい形に編集することに注力しました。
完成した冊子を手に取った読者から「感動した」という声をいただいたとき、自分の仕事が他者に影響を与える力を持つことを実感しました。
貴社ではこの経験から培った企画力や文章力を活かし、貴社の理念に沿った新しい企画を提案することで貢献する所存です。
【出版業界の志望動機】就活エージェントに相談する
ここまで、出版業界の概要と志望動機作成のコツやおすすめの構成などについて紹介してきましたが、この記事を読んだだけで100点の志望動機が書ける人ならば、まずこの記事にたどり着くほど困ってすらいないでしょう。
むしろ「コツや知識はある程度理解できたけど、まだ納得できる志望動機ができていない」という方の方が多いはずです。
そこでおすすめなのは、就活エージェントに相談して二人三脚で就活を進めることです。
弊社が提供している「ジョブコミット」というサービスでは、志望動機や自己PRなどのESの添削はもちろん、ESが通過した時のための面接対策、さらにはおすすめ求人や非公開求人の紹介なども行っています。
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まとめ
今回は出版業界の概要について紹介しつつ、出版業界におけるやりがいや志望動機を作成する前に取り組んでおきたい事前準備、おすすめの構成などについて紹介しました。
出版業界は電子書籍の台頭により苦しい状況にあると思われがちですが、今からでも十分に成長を目指せる業界でもあります。
ぜひ、本記事を読んで出版業界へのモチベーションが高まった方は質の高い志望動機を作成し、第一志望の内定をつかみ取ってください。