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はじめに
就職活動の中で避けては通れないものの一つにグループディスカッションがあります。
複雑な課題を初対面の人と臨むこともあり、抵抗感を感じる学生さんもいるでしょう。
また評価ポイントがわからず対策が大変であるという声も聞きます。
今回はグループディスカッションで使えるフレームワークを紹介し、活用方法まで解説します。
ぜひ、役立てて内定を勝ち取りましょう。
フレームワークの前に!グループディスカッションの進め方
フレームワーク紹介の前にグループディスカッションの進め方を説明します。
全体像を把握することで効果的なフレームワーク活用のポイントを抑えることができるはずです。
前提確認
議論を始める前に、まず行うべきは「前提確認」です。
出されたテーマや課題について、メンバー全員の認識を合わせることが目的です。
例えば、「〇〇の売上を向上させる施策」というテーマなら、「〇〇」が何を指すのか(新商品か既存商品か、特定の地域か全国かなど)、現状の課題は何か、目標とする売上規模はどの程度か、といった点を明確にします。
ここでのポイントは、思い込みを排除し、全員が同じ方向を向いて議論をスタートできるようにすることです。
曖昧な点を残さず、具体的な定義や制約条件を共有しましょう。
時間管理
次に重要なのが「時間管理」です。
グループディスカッションには制限時間があります。
最初に全体の時間配分を決め、各フェーズ(前提確認、意見出し、議論、結論まとめなど)にどれくらいの時間を割り当てるか計画しましょう。
議論が白熱すると時間を忘れがちですが、タイムキーパー役を中心に、常に残り時間を意識することが大切です。
ポイントは、議論の進捗状況に応じて柔軟に時間配分を調整することです。
予定通りに進まない場合でも、焦らずに優先順位を考え、時間内に結論を出すことを目指しましょう。
フレームワークで論点出し
前提が固まり、時間配分ができたら、いよいよ「フレームワークを用いた論点出し」です。
3C分析、SWOT分析といったフレームワークを活用することで、多角的に論点を洗い出し、議論を構造化できます。
ポイントは、テーマに合わせて適切なフレームワークを選択し、メンバー全員がその枠組みの中で意見を出し合うことです。
これにより、アイデアの発散だけでなく、その後の意見収束もスムーズに進み、質の高い議論が期待できます。
結論を導く
最後に「結論」です。
活発な議論の後は、それらを整理し、グループとしての結論を導き出す必要があります。
ここでのポイントは、誰が聞いても理解できるように、簡潔かつ論理的にまとめることです。
なぜその結論に至ったのか、その根拠や具体的な提案内容を明確に示しましょう。
発表者がいる場合は、発表内容をメンバー全員で確認し、認識の齟齬がないようにすることも重要です。
時間内に質の高い結論を提示することで、グループ全体の評価を高めることができます。
5W1H
5W1Hは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の頭文字を取った情報整理の基本フレームワークです。
現状分析や課題発見の際に、これらの問いに答える形で情報を洗い出すことで、問題の本質を多角的に捉え、議論の抜け漏れを防ぎます。
3C分析
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から現状を分析するフレームワークです。
市場のニーズや競合の強み・弱みを把握し、自社の戦略を明確にする際に役立ちます。
事業環境を多角的に理解し、成功要因を見つけるための手法です。
4P分析
4P分析は、マーケティング戦略を立案・実行する際の代表的なフレームワークです。
Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の4つの要素について検討し、最適な組み合わせを考えます。
顧客に価値を提供し、売上を最大化するための具体的な施策を導き出します。
4C分析
4C分析は、顧客視点からマーケティング戦略を考えるフレームワークです。
Customer Value(顧客価値)、Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4要素で構成されます。
企業本位ではなく、顧客にとっての価値を中心に据えて施策を検討する際に有効です。
SWOT分析
SWOT分析は、企業のStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4要素を分析する手法です。
内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を整理し、現状を把握します。
これらを掛け合わせることで、具体的な戦略立案に役立てるフレームワークです。
グループディスカッションのフレームワークの活用方法
最適なフレームワークを選択
グループディスカッションでフレームワークを用いる際、最も重要な初期判断の一つが「テーマとフレームワークの適合性を見極める」ことです。
数あるフレームワークには、それぞれ得意とする分析領域や目的があります。
例えば、新規事業のアイデアを具体化する段階であれば、顧客への提供価値や販売戦略を練る4P分析や4C分析が有効でしょう。
一方、ある社会問題の原因を多角的に探り、本質的な課題を特定したい場合は、MECEを活用して論点を整理したり、5W1Hで問題の全体像を把握したりすることが適しています。
テーマの性質を素早く理解し、そのテーマを深掘りするのに最適な「分析の切り口」を提供してくれるフレームワークは何かを冷静に判断することが、質の高い議論への第一歩となるのです。
思考を止めない
フレームワークは、あくまで議論を円滑に進め、思考を整理・深化させるための「ツール(道具)」であるという認識が不可欠です。
フレームワークの各項目を機械的に埋めることが目的になってしまうと、かえって自由な発想が妨げられたり、議論が硬直化したりする恐れがあります。
大切なのは、フレームワークの枠組みを参考にしつつも、そこに囚われすぎない柔軟な思考です。
メンバーの多様な意見を引き出し、建設的な対話を生み出すために、状況に応じて使い方を調整する意識を持ちましょう。
おわりに
グループディスカッションにおいてフレームワークを活用することは議論を効率的に進めることにおいて非常に重要です。
ただしフレームワークはあくまでツールであり、本質の思考力を忘れることはないよう注意が必要です。
またフレームワークを活用することに熱が入り時間管理できなくなるのも本末転倒です。
グループディスカッションでフレームワークを活用し、仲間を引っ張り選考通過率を高めましょう。