明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
- コンサル業界の特徴
- コンサル業界の仕事内容
- コンサル業界に向いている人
- コンサル業界に興味のある人
- コンサル業界の業界研究がしたい人
- コンサル業界をより詳しく知りたい人
はじめに
就活を成功させるためには業界についての理解を深めておくことが欠かせません。
もちろん、それはコンサル業界においても同様であり、就活において難易度が比較的高いとされるコンサル業界でライバルに勝つためには、幅広い知識が不可欠です。
そこで今回は「読むだけ」でコンサル業界の研究が進む、業界についての網羅的な紹介を行うため、ぜひ参考にしてみてください。
コンサル業界とは
まずはコンサル業界とはどのような業界なのか、ビジネスモデルや市場規模、平均年収や就職難易度から考えてみましょう。
どのような業務を行っており、待遇はどの程度なのか、どの程度難しいのかについて理解しておけば、就活において必要な対策がおのずと分かってくるはずです。
・ビジネスモデル
・市場規模
・平均年収
・就職難易度
ビジネスモデル
コンサル業界のビジネスモデルは企業や団体が抱える経営課題に対して調査・分析を行い、最適な解決策を提案することで報酬を得る仕組みです。
顧客からの依頼に応じてプロジェクト単位で契約を結び、プロジェクトごとの成果に基づいて報酬が支払われるケースが多いです。
収益源は提案内容の価値や支援の価値で、関与する人材やプロジェクトの規模によって大きく異なります。
市場規模
コンサル業界の市場規模はおよそ1兆円から2兆円とされており、国内でも成長が期待されている分野の1つです。
特にDXやサステナビリティといった新しい分野の支援ニーズが高まっており、それに伴ってコンサルティングサービスの需要も増加しています。
以前は大手企業が中心の利用層でしたが、近年は中堅企業やベンチャー企業からの依頼も増えており、市場の裾野が広がっている状況です。
また、少子高齢化やグローバル化などの構造的な社会課題に対して、企業が自力で対応しきれない場面が増えていることも、コンサルティング需要を押し上げる要因となっています。
今後も多様な課題に対応するため、専門性を持ったコンサルタントへのニーズは一層高まり、業界全体として安定した成長が見込まれると言えるでしょう。
平均年収
コンサル業界の平均年収は業界全体で見ても800万円から1200万円程度と非常に高水準です。
新卒で入社したばかりの段階でも年収600万円を超えることが多く、特に外資系のコンサルティングファームでは若いうちから年収1000万円台に到達するケースも少なくありません。
収入の高さは仕事の成果に対する対価の割合が大きく、プロジェクトの難易度や規模、担当する役割によっても報酬は大きく異なります。
また、成果主義を採用している企業が多いため、早くから実力を発揮できる場合、昇給や昇進もスピーディーに進みやすいでしょう。
一方、長時間の勤務や高いプレッシャーにさらされることもあり、その報酬には厳しさも伴うということを忘れてはいけません。
就職難易度
コンサル業界への就職難易度は非常に高く、特に外資系ファームではトップクラスの難関企業が揃っています。
倍率が高いだけでなく、選考プロセスが多段階で構成されていることも特徴であり、論理的思考力を問う筆記試験やケース面接、複数回にわたる人物面接など、入社までに多くの関門があります。
国内の大手ファームでも同様に厳しい選考基準が設けられており、学歴や頭の良さだけでなく、問題解決力、ビジネス感覚、ストレス耐性を重視する傾向にあります。
また、業界研究や企業ごとの特徴を深く理解しようとする姿勢も欠かせず、事前準備の質が結果に直結すると言えるでしょう。
コンサル業界の種類
コンサル業界と言っても、実は大きく分けて7つの種類が存在しており、それぞれ取り組んでいる事業や取引先が大きく異なります。
自分がどのタイプのコンサルティングファームに就職したいのか検討するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
・総合系コンサルティングファーム
・戦略系コンサルティングファーム
・シンクタンク系コンサルティングファーム
・国内独立系ファーム
・業務・ITコンサルティングファーム
・組織人事コンサルティングファーム
・財務・会計コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファーム
総合系コンサルティングファームは戦略から業務、IT、組織人事、会計、財務に至るまで幅広い領域で企業を支援することを強みとしています。
グローバルネットワークを活かしたプロジェクトも多く、クライアントも国内外の大手企業が中心です。
経営戦略の立案だけでなく、その実行フェーズやシステム導入、人材育成など、企業の課題解決を一貫して支援する体制が整っているのが特徴です。
また、各領域に専門チームが存在していることが多く、複数の分野の知見を組み合わせた提案が可能となっています。
新卒入社後は幅広いプロジェクトに携わりながら、自分の得意分野や興味のある領域を見極められるため、成長機会が非常に豊富です。
- デロイト・トーマツ・コンサルティング
- PwCコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- KPMGコンサルティング
戦略系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファームは企業のトップマネジメント層をクライアントとして、経営の根幹に関わる戦略立案や意思決定の支援を専門としています。
主なテーマは新規事業の立ち上げ、グローバル展開、M&A戦略、企業再編、マーケット分析などで、いずれも企業の将来を左右する重要な課題ばかりです。
したがって、分析力や仮説構築力、論理的思考力が高く求められ、プレッシャーのかかる環境である一方、やりがいも非常に大きい分野です。
案件の多くが短期集中型で密度の濃いアウトプットが求められるため、常にスピード感と精度が求められます。
また、扱うテーマが抽象的かつ複雑な場合も多く、最上流の思考力と対話力が鍛えられる環境と言えます。
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ボストン・コンサルティング・グループ
- ベイン・アンド・カンパニー
- ATカーニー
シンクタンク系コンサルティングファーム
シンクタンク系コンサルティングファームは政府の機関や地方自治体、民間企業などに対して、調査分析に基づく政策提言や経営支援を行う組織です。
母体が金融機関や大手企業の研究部門であることが多く、マクロ経済や産業の動向、社会制度など幅広い分野の調査に強みを持っています。
統計データの解析や将来の予測をベースとした政策提言、制度設計支援、地域活性化に関する提案など、社会的意義の高いテーマを扱うことが多く、公共性を意識した視点が欠かせません。
また、学術的な分析に強みを持つため、報告書や資料作成における精度の高さも重視される傾向にあります。
社会課題に対して長期的な視点から取り組みたい人や、リサーチ業務を通じて知的好奇心を満たしたい方におすすめの環境です。
- 野村総合研究所
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
- みずほリサーチ&テクノロジーズ
- 日本総合研究所
国内独立系ファーム
国内独立系コンサルティングファームは日本国内に本社を構えており、外資系企業や特定の企業グループに属さない独立経営のファームです。
自由度の高い経営スタイルとクライアントとの密接な関係性を重視した対応が特徴です。
中小企業や地方の企業との取引も多く、現場に深く入り込んで実務的かつ具体的な提案を行う傾向にあります。
また、特定の分野に特化したサービスを展開していることが多く、業界や課題に応じた専門的な支援を強みとしています。
大手ファームに比べて組織がフラットで風通しがよく、若手が早い段階からクライアント対応を経験できる環境が整っている点も魅力です。
一方、プロジェクトの内容や担当領域が多岐にわたるため、常に学び続ける姿勢と積極性が求められます。
- アビームコンサルティング
- ベイカレント・コンサルティング
- フューチャーアーキテクト
- クニエ
業務・ITコンサルティングファーム
業務・ITコンサルティングファームは企業の情報システムに関する課題を専門的に支援する集団で、ITを活用して経営課題の解決や業務効率の向上を実現することが役割です。
システム導入の企画立案から要件定義、ベンダー選定、プロジェクト管理まで幅広い領域を担当し、技術的な知見とビジネス理解の両方が求められます。
近年ではクラウド活用やデータ分析、セキュリティ強化などの先端技術を活用した提案が増加しており、継続的な学習が欠かせません。
IT領域に強みを持つ企業ではエンジニア経験を持つコンサルタントも多く、専門性を活かして高度なソリューションを提供しています。
また、ITを手段として活用しながら業務改革や組織変革といった経営レベルの課題にも踏み込むことができるため、技術だけでなく戦略的思考も磨ける職場であると言えるでしょう。
- アクセンチュア
- 日本IBM
- ウルシステムズ
- NTTデータ
組織人事コンサルティングファーム
組織人事コンサルティングファームは企業の人材と組織に関する課題解決に特化した専門集団です。
人事制度の設計や評価制度の見直し、組織構造の最適化、リーダー育成、従業員のエンゲージメント向上など、企業のパフォーマンスを高めるための施策を提案・支援するのが主な仕事と言えます。
企業はどれだけ優れた戦略を立てたとしても、それを実行する人材が育っていなければ成果にはつながりません。
したがって、この領域では人と組織の力を最大限に引き出すための知識やスキルが求められます。
企業文化や理念に配慮しながら変革を促し、経営と現場の橋渡しを行うため、大きなやりがいを感じられる領域であると言えるでしょう。
- マーサー
- コーン・フェリー
- ウィリス・タワーズワトソン
- リンクアンドモチベーション
財務・会計コンサルティングファーム
財務・会計コンサルティングファームは企業の財務状況や会計処理に関する専門知識を活かし、経営の意思決定を支援する役割を担っています。
財務分析、資金繰り改善、コスト構造の見直し、M&Aの財務デューデリジェンス、企業再生支援など、数字をベースにした高度な経営支援が中心です。
企業活動は資金の流れと密接に関わっており、財務の健全性は経営戦略の実現にも直結します。
したがって、数字から現状を読み解く力や将来を見据えた提案力が欠かせません。
また、法的な分野や国際的な会計基準に関する知識も必要とされるため、専門性の高さが評価されやすい分野と言えるでしょう。
経営の根幹を支える役割であり、表に出る機会が少ないことも多いですが、企業の成長や再建を支える重要なポジションと言えます。
- PwCアドバイザリー
- デロイト・トーマツ・ファイナンシャル・アドバイザリー
- KPMGFAS
- EYTAS
日経と外資系の違い
コンサルティングファームは外資系の企業も比較的多いです。
そこで、日系のコンサルティングファームと外資系のコンサルティングファームにはどのような違いがあるのかについても理解を深めておきましょう。
案件の受け方と企業文化、働き方の違いについて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
・案件の受け方
・企業文化・働き方
案件の受け方
日系のコンサルティングファームと外資系ファームでは案件の受け方に明確な違いが存在します。
日系のファームは顧問契約型を採用していることが多く、長期間にわたりクライアント企業と継続的な関係を築く傾向にあります。
この場合、月単位や年単位で契約が結ばれ、必要に応じて随時相談やアドバイスを提供する形とが多いです。
一方、外資系ファームはプロジェクト単位で契約を結ぶことが多く、クライアントが抱える特定の課題やテーマに対して明確なスコープと期限を設けて、集中的にサポートを行います。
したがって、外資系ではプロジェクトごとにチームが編成され、短期的かつ高密度での成果を重視される点が、最も大きな違いです。
企業文化・働き方
日系のコンサルティングファームと外資系コンサルティングファームにはもちろん、企業文化や働き方においても明確な違いが存在します。
外資系は成果主義を徹底しており、個人の成果が明確に評価に反映される構造が多いです。
したがって、若手であっても実力があれば昇進できる一方、成果を出せなければポジションを維持するどころか社内にとどまることすら難しいでしょう。
一方、日系のファームはその要素を取り入れてはいるものの、外資系ほどこの傾向が強くはなく、プロセスや周囲との協調、組織への貢献といった側面も評価対象となります。
また、働き方についても外資系はフレキシブルな勤務体制やリモートワークの活用が進んでいますが、日系は比較的、対面重視の傾向が残っている会社も少なくありません。
コンサル業界の大手企業5選
コンサル業界の大手の企業についても5つ紹介します。
大手の企業がどのような取り組みをしているか、何を得意としていて、どのような就活生の方に向いているのかについて確認しておきましょう。
必ずしも以下の5社を受けなければならないわけではありませんが、気になるところがあればぜひエントリーしてみてください。
・デロイト・トーマツ・コンサルティング
・PwCコンサルティング
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング
・KPMGコンサルティング
・アクセンチュア
デロイト・トーマツ・コンサルティング
デロイト・トーマツ・コンサルティングはデロイト・トーマツ・グループのコンサルティング部門です。
Deloitteのグローバルネットワークを活用し、経営戦略立案から実行支援、デジタル・IT導入、リスク管理や組織変革まで幅広いサービスを提供しています。
社員の自主性を重視し、海外研修や自己啓発支援制度が充実しています。
社内は風通しがよく、グループ内の監査・税務チームと連携する機会も豊富です。
社会課題の解決にも積極的に取り組み、サステナビリティや新規事業創出にも力を入れているのが特徴です。
フレックスタイム制度や在宅勤務など柔軟な働き方が進み、ワークライフバランスの充実にも力を入れています。
また、社内イベントやコミュニティ活動が盛んで、他部門との交流・学び合いの機会も多い社風です。
PwCコンサルティング
PwCコンサルティング合同会社はPwC Japanグループのコンサルティング部門で、グローバルネットワークを活用して活動しています。
戦略策定から業務・IT改革、M&A・再生支援やリスク管理まで、幅広いコンサルティングサービスを提供しており、大企業の経営課題をサポートしています。
社員教育に力を入れており、研修や海外トレーニングの機会が豊富。
若手でも国内外のプロジェクトに参画して経験を積みやすい環境です。
フラットな組織文化で風通しが良く、部署を超えたチームワークで問題解決に臨む風土がありますクライアントとの対話や自主的な学習を重視する風土が特徴で、自己成長につながる支援制度も整っています。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティングはアーンスト・アンド・ヤングの日本におけるコンサルティング部門です。
2020年10月に設立され、グローバルネットワークを活用しながら戦略立案からM&A・事業国際的なプロジェクトに参画でき、グローバルな視点で業務を進められるのが特徴で、研修制度や資格取得支援も充実しており、新たな専門スキルを磨きながらキャリア形成できる環境が整っています。
最近ではデジタル技術を活用したサービス開発や経営支援などにも注力しており、業界問わず国内外のEY専門家と協働でき、情報共有や学び合いの機会が豊富です。
KPMGコンサルティング
KPMGコンサルティング株式会社はKPMGジャパンの経営コンサルティング専門ファームです。
経営戦略立案や業務改革、システム導入支援、リスクマネジメントなどのサービスを提供しています。
金融・公共・流通・製造業界での実績が豊富で、特に複雑な業務改革やガバナンス強化プロジェクトが得意です。
若手でもプロジェクトに積極的に参画できるフラットな組織文化で、経験を積みやすく、研修・勉強会も充実しているため、業界別や技術別の研修で専門性を高められます。
アクセンチュア
アクセンチュア株式会社はグローバルに展開する総合コンサルティング企業の日本法人で、経営戦略からIT・デジタル戦略、業務改革まで手がけます。
戦略立案、クラウド・AIを活用したITソリューション導入、業務プロセスアウトソーシングなど、多岐にわたるサービスを提供しているのが特徴です。
英語を使う機会が多く、フレックスタイム制やリモートワークも導入されており「ザ・外資系」という社風です。
コミュニケーション研修やAI研修など学びの機会が多く、成長をサポートする社内制度も豊富であるため「常に学び続けたい」という方におすすめできます。
コンサル業界の現状・課題
就活を成功させるためには業界の現状や課題について理解しておく必要があります。
面接で「業界について何か意見はありますか?」「最近の〇〇の流れについて、どう思いますか?」などと聞かれることも多いからです。
また、自分がこれから数年、数十年と働くかもしれない業界について理解しておけば、自分のキャリアプランを立てることにも役立ちます。
ぜひ以下の3つの項目に注目して、コンサル業界の現状や課題を理解しておきましょう。
・市場が拡大中
・中小企業・官公庁・地方へのコンサル需要拡大
・単価圧力・価格競争の激化
市場が拡大中
コンサルティング業界は現在、大きな成長局面にあり、この背景には企業を取り巻く経営環境の変化が挙げられます。
デジタル技術の進展によって業務プロセスやビジネスモデルの転換が求められている一方で、グローバル競争の激化、ESG経営の浸透、人的資本の再評価など、多様かつ複雑な課題が企業に同時に突きつけられているのです。
こうした変化に迅速かつ的確に対応するため、自社のリソースだけでなく外部の知見を活用する必要が高まり、コンサルティングファームへの依頼が増加しました。
また、特定分野に特化した専門型コンサルタントの存在感も高まっており、ただ経営戦略を共に考えるだけでなく、IT、サステナビリティ、人事など多岐にわたる領域でのニーズが生まれてきています。
中小企業・官公庁・地方へのコンサル需要拡大
これまでコンサルティング業界は大手企業を中心にサービスを展開してきましたが、近年は中堅・中小企業、官公庁、地方自治体など、従来の支援対象外だった領域にも需要が広がりつつあります。
この背景には地域社会や中小企業でもデジタル化や人材戦略、事業承継といった経営課題が深刻になっている現状が挙げられます。
特に地方自治体においては人口減少や財源不足などの課題に直面しており、外部の専門家による支援が強く求められているのです。
また、中小企業は経営資源が限られているため、第三者の視点から課題の整理や具体的な改善策を提示してもらえるコンサルサービスは貴重な存在です。
このように対象が拡大することで業界の裾野が広がる一方、クライアントの状況や現場に寄り添った支援体制が、より一層求められるようになってきました。
単価圧力・価格競争の激化
市場が拡大する一方で、コンサルティング業界が直面している大きな課題に、単価の下落や価格競争の激化が挙げられます。
クライアント企業側のコストに対しての見方が厳しくなっており、以前と比べて報酬単価を抑えた契約条件が求められることが増えてきました。
特にITや業務改善などの分野では提示内容が類似化しやすく、価格で比較されやすい傾向があります。
そこで、専門性を持っているだけでは競争に勝てず、いかに他社との差別化を図るかが重要なテーマとなりつつあります。
よって、付加価値の高いサービスを提供し続ける戦略が求められており、企業の競争力がより強く問われる状況であると言えるでしょう。
コンサル業界の将来性
現状や課題だけでなく、コンサル業界が今後どのように進んでいくのか、将来性について考えていくことも大切です。
こちらも現状や課題と同様に就活で聞かれる可能性が高い項目であるため、ぜひ注目して、自分なりの考えを持っておいてください。
・AI・自動化による業務代替リスク
・クライアント企業の「内製化」進行
・実行型・運用型コンサルへの変換
AI・自動化による業務代替リスク
コンサル業界においても、AIや自動化技術の進展は今後の業務に大きな影響を及ぼすと予測されています。
特に調査・分析・資料作成・シミュレーションなどの定型業務はAIツールによって迅速かつ高精度で処理されるようになりつつあります。
これまで複数人で時間をかけていた作業が、ツール1つで短時間に完結できる時代に突入しつつあるのです。
この流れに適応できない企業は、価格競争に負けてしまうでしょう。
一方で、AIには担えない問いの立て方や人間関係の構築、現場への適用といった非定型的な業務の価値が高まることも確かです。
したがって、今後はただ作業するだけでなく、AIを活用しながら本質的な課題にアプローチできる人材が重宝されるようになるでしょう。
クライアント企業の「内製化」進行
近年、DXの推進とともに、企業の内部で課題解決を図ろうとする動きが強まっています。
これまでは外部のコンサルタントに依存していた業務領域についても、社内に専門人材を配置したり、デジタルツールを導入して自力で対応する体制を整えようとする企業が増えているのです。
特にIT分野やデータ活用に関しては外注コスト削減の観点からも内製化が加速しています。
これにより、従来型の外部提案主体のコンサルタントには厳しい局面が訪れる可能性があるでしょう。
一方、スキル移転や自立支援といった内製化をサポートする役割への期待は高まっており、コンサルタントが担うべき役割そのものが変化しつつあるため、チャンスは至る所に転がっています。
実行型・運用型コンサルへの変化
コンサル業界ではこれまで戦略の立案や構想フェーズに特化した支援が中心でしたが、今後はその役割が大きく変化していくと考えられています。
立案に加えて、その実行支援や業務運用レベルまで踏み込んだ実行型・運用型コンサルへの移行が進むとみられているのです。
企業はただ戦略を立案するだけでなく、それが現場でどう動き、どのように運用されるかまでを重視するようになってきました。
したがって、BPOやITシステム運用など、長期的な契約を通じて継続的な支援を行うモデルが増えつつあります。
これはプロジェクト単位で終わる従来の収益モデルに加えて安定性があり、企業にとっても安心してパートナーシップを築ける形と言えます。
コンサル業界の職種・仕事内容
ではコンサル業界に就職するとどのような職種を任され、どのような仕事に取り組むことになるのかについても紹介します。
以下の4つがコンサル業界における代表的な職種・仕事内容であるため、自分には何が向いているか考えながら読んでみてください。
・アナリスト/アソシエイト
・コンサルタント
・マネージャー/プロジェクトマネージャー
・プリンシパル/シニアマネージャー
アナリスト/アソシエイト
アナリストやアソシエイトはコンサルティングプロジェクトにおける実務の中核を担う役割です。
主な仕事は情報収集、データ分析、インタビューの設計・実施、仮説検証の補助、そして資料作成など多岐にわたります。
クライアントに対する報告書やプレゼンテーション資料の作成においても、ロジックの構築から可視化まで細かく関与し、プロジェクトの基盤を支える存在です。
扱うテーマにおいては財務諸表や市場動向の分析など高度な分析力が求められることも少なくありません。
業務を通じて論理的思考力や構造化能力、チームとの連携スキルを磨くことができ、将来的な昇格の基礎を築く時期と言えるでしょう。
コンサルタント
コンサルタントはプロジェクトの中核を担い、クライアント企業とのコミュニケーションを通じて課題を把握し、解決策を立案・提案する仕事です。
アナリストやアソシエイトが収集した情報をもとに仮説を立てて検証を進め、最終的に施策としてまとめ上げることが主な業務です。
ただ分析するだけでなく、クライアントの経営層と対話をしながら本質的な課題を掘り下げて、実行可能性のある戦略や改善策を提示する力が求められます。
また、プレゼンテーションや資料作成を通じてプロジェクト全体の方向性を明確に示すことも、重要な任務の1つです。
同時に、後輩メンバーへの指示や育成といったリーダー的な要素も求められるようになり、論理力と再現スキルの両立も問われます。
マネージャー/プロジェクトマネージャー
マネージャーやプロジェクトマネージャーは複数のメンバーで構成されるプロジェクトチームのリーダーとして、業務全体を管理しながらプロジェクトを成功に導く役割になります。
スケジュール管理、進捗確認、予算配分、人材配置など、プロジェクト運営に関わるあらゆる意思決定を行います。
また、クライアントとの交渉や要望のすり合わせもマネージャーの重要な職務の1つであり、相手の意図を正確に汲み取りながら期待に応えるアウトプットを導く力が必要です。
加えて、チームメンバーの育成やモチベーション管理も求められるため、高いリーダーシップと人間理解力が欠かせません。
自身の業務だけでなくチーム全体を見渡し、複数の要素を統合して最適な判断を下す意思決定力が問われます。
プリンシパル/シニアマネージャー
プリンシパルやシニアマネージャーはプロジェクトの全体責任者としての立場を担い、戦略立案から顧客対応、社内リソースの活用まであらゆる面で高いレベルの判断を求められる職位です。
経営層との関係構築や新規案件の獲得といった営業活動も重要な業務であり、プロジェクトを成功させるだけでなく、ファーム全体のビジネス成長にも関与することが多いです。
クライアントの経営課題を理解した上で、将来を見据えた長期的な支援計画を提示する役割も大きく、業務の視座はより経営寄りになります。
メンバーの育成や組織全体の方向性にも関与することが多く、社内外での信頼と実績が不可欠です。
コンサル業界で働く魅力・やりがい
コンサル業界で働く魅力とやりがいについても理解を深めておきましょう。
これらを理解しておけば、就活のモチベーションが高まるのはもちろんのこと、志望動機や就活の軸について問われた際の回答のクオリティも高まるはずです。
自分がどのような点に魅力を感じるか、考えながら読んでみてください。
・クライアントの成長をサポートできる
・多様なキャリアパス
・若手から責任感のある仕事に携われる
クライアントの成長をサポートできる
コンサルティング業界で働く最も大きな魅力の1つとして、自分の提案や支援がクライアント企業の成長に直結するという実感を得られる点が挙げられます。
企業の経営課題は非常に多岐にわたり、業績不振の打開、新規事業の立ち上げ、組織再編、人材戦略など、経営層が真剣に向き合っているテーマばかりです。
こうした重要な局面において外部のプロフェッショナルとして解決の糸口を提供することは非常に責任が大きい一方で、達成感も大きいものです。
自らの知識や経験、アイデアが実際にクライアントの成果につながった時、その貢献度の高さを肌で感じることができます。
多様なキャリアパス
コンサルティング業界で培ったスキルや経験はあらゆる分野で活かせるため、多様なキャリアパスが開けていることもこの業界の大きな魅力です。
論理的思考力、課題解決能力、プレゼンテーション力、チームマネジメントといった汎用性の高いスキルを日々の業務で身につけられます。
コンサルティングファームでのキャリアを経て事業会社の経営企画部門や新規事業部門へ転職する人も少なくありません。
また、スタートアップの創業や投資ファンド、政策立案の分野など、個人の志向や強みに応じた多彩な進路が用意されているのも魅力と言えます。
「自らのキャリアを、主体的にデザインできる」という点において、非常に自由度の高い業界であり、1つの企業で完結するのではなく、キャリアを広げていける可能性に富んでいます。
若手から責任感のある仕事に携われる
コンサルティング業界は年功序列ではなく、実力や成果によって評価される傾向にあり、若手であっても責任あるポジションや業務を任されることが珍しくありません。
入社して間もない時期からクライアントとの打ち合わせに参加し、資料作成や分析だけでなく、提案の組み立てにも関与する機会が豊富です。
また、チーム内では自分の意見が議論の中心になることもあり、自分の思考が成果に直結する環境に身を置くことで、当事者意識や責任感が育まれていきます。
このような環境では急速に成長できるだけでなく、自信や達成感も大きく積み重なっていくものです。
年齢に関係なく挑戦と成果が評価される文化の中で、自分の限界に挑む機会が豊富に用意されている点は、他の業界にはない大きなやりがいと言えるでしょう。
コンサル業界に向いている人の特徴
続いて、コンサル業界に向いている人の特徴についても紹介します。
以下の3つの特徴の中から、あなたに当てはまるものがいくつあるのかについて考えてみてください。
3つ当てはまる人は自信を持ってコンサル業界を目指すと良いですし、1つも当てはまらない場合は、別の業界を就活の選択肢に入れるか、選考までに少しでも改善できるよう、取り組んでみてください。
・傾聴力がある人
・プレゼンテーション能力がある人
・論理的思考能力がある人
傾聴力がある人
コンサルタントとして活躍する上で、傾聴力は非常に重要な資質の1つです。
クライアントは複雑な課題を抱えており、表面的な言葉だけでは本質が見えてこないことも少なくありません。
したがって、相手の話をただ聞くだけでなく、背景や意図、感情の機微までを含めて丁寧に理解しようとする姿勢が不可欠です。
特に経営層とのやり取りでは発言の裏にある企業全体の方針や今後の方向性を読み取ることが求められます。
また「しっかり話を聞いてくれる」と相手に感じさせることで信頼関係が生まれ、その後の提案も受け入れられやすくなる傾向にあります。
一方的に意見を述べるのではなく、相手の言葉に耳を傾け、必要な情報を引き出すことが良質なアウトプットを導く第一歩となるのです。
プレゼンテーション能力がある人
コンサルタントには課題分析の結果や解決策をクライアントにわかりやすく伝えるプレゼンテーション能力が求められます。
どれだけ優れた提案であったとしても、その価値を正確に伝えられなければ、クライアントは納得してくれません。
ただ「話す技術」だけでなく、資料の構成や言葉の選び方、話す順序、視覚的な工夫なども含めて「聞き手の立場に立って、情報を整理して伝える力」が重要です。
また、相手の反応を見ながら柔軟に対応し、質問に的確に答える対応力も求められます。
コンサルティングの現場では提案の成否がその後のプロジェクトの進行に大きく影響を与えるため、プレゼンテーションの場にかかる重みも大きくなります。
しかし、論理的かつ説得力のある説明ができる人は、プロジェクト成功に導く原動力となれるでしょう。
論理的思考能力がある人
コンサルタントとして欠かせない力の1つとして、論理的思考能力も挙げられます。
クライアントの課題は複雑で多面的なことがほとんどであり、感覚的なアプローチでは十分に対応できません。
したがって、事実を整理し、因果関係を明確にしながら矛盾のない形で結論を導き出す力が求められるのです。
論理的に思考することで、クライアントが気づいていなかった根本的な課題を明らかにし、説得力のある提案につなげることもできます。
また、プロジェクトのメンバーやクライアントと議論を行う場面でも、筋道立った意見を示すことが求められるため、論理性の高さはそのまま信頼にも直結します。
この力は一度身につければどのような仕事でも活躍できる汎用的なスキルであり、コンサル業界において必須の基盤と言えるでしょう。
コンサル業界に行くためにすべきこと
コンサル業界に就職するために行っておきたい対策についても紹介します。
業界研究やインターンへの参加、OB・OG訪問はどの業界に就職するにあたってもおすすめの対策ですが「ケース面接」というコンサル業界で実施されることの多い独特の面接の対策もしておく必要があります。
上3つの項目はもちろん、特にケース面接対策が重要ですので、力を入れて読んでみてください。
・業界・企業研究をする
・インターンシップに参加する
・OB/OG訪問をする
・ケース面接対策を行う
業界・企業研究をする
コンサル業界の就職を目指すにあたって最初に行うべきは業界・企業研究です。
コンサルティングファームには先ほど紹介したように、戦略系、総合系、IT系、シンクタンク系など様々な種類があり、それぞれの役割や強み、提供するサービス内容は大きく異なります。
さらに企業ごとに求める人物像やプロジェクトの進め方、社員の働き方に違いがあります。
よって、自分に合った企業を見極めるためには表面的な情報だけでなく、具体的な事例やキャリアパスの違いまで踏み込んで理解しなければなりません。
業界や企業の特性を正しく把握しておくことで、エントリーシートや面接の場でも内容に深みを持たせることができ、企業からの評価も高まるでしょう。
以下の記事では業界研究・企業研究の方法について、それぞれ詳しく紹介しています。
インターンシップに参加する
インターンシップに参加すれば、コンサルティング業界をより深く理解できるでしょう。
長期インターンはもちろん、たとえ1日、2日など短期間であっても実際のプロジェクトの一端を体験できるため、業務の進め方や求められるスキル、社内の雰囲気を体感できます。
また、社員との交流やフィードバックを通じて自分に足りない点や伸ばすべき能力を把握できる点も大きなメリットです。
さらに、インターンで高評価を得られればそのまま本選考で優遇される、または早期内定のチャンスを得られることも少なくありません。
そして、インターネットや説明会では得られないリアルな情報に触れれば、志望動機に説得力も増し、就活における差別化にもつながることでしょう。
以下の記事ではインターンについてさらに詳しく紹介しています。
OB/OG訪問をする
OB・OG訪問はコンサル業界の実態や企業の雰囲気を把握するために重要な機会です。
目指す企業で働いている先輩から直接話を聞ければ、ネットや会社説明会では得られないリアルな情報を入手できます。
プロジェクトの進め方や業務のやりがい、苦労した点、キャリアの描き方などの具体的な経験談を聞けば、職場のイメージをより鮮明に持てるでしょう。
また、選考で重視されるポイントや志望動機の伝え方など、選考対策のヒントも得られるため、他の就活生に差をつけられます。
訪問を通じてその企業で働く人の価値観や雰囲気に触れれば、自分に合った企業かどうか見極める判断材料にもなりますし、OB・OG訪問をするという行動自体がモチベーションの高さをアピールすることにもつながります。
以下の記事ではOB/OG訪問の方法やコツについて、より詳しく紹介しています。
ケース面接対策を行う
コンサル業界の選考では「必ず」と言ってよいほど、ケース面接が課されます。
与えられた課題に対し論理的にアプローチして解決策を提示する力を測るものであり、通常の面接とは異なる特殊な形式です。
論理的思考力、構造化能力、柔軟な発想力、コミュニケーション能力が総合的に求められます。
対策を怠れば、どれだけ学歴や経歴が優れていても、通過は難しいでしょう。
したがって、早い段階から過去問に取り組んだり、フレームワークの理解を深めたり、模擬面接を重ねることが重要です。
早い段階から取り組み、場数をこなして経験を積みましょう。
適職診断ツールを用いよう
自分に向いている仕事が何か先にある程度見当をつけておくことで、業界研究や企業研究を始めとした就活において必要な対策を、分野を絞って行うことができます。
この記事でコンサル業界について理解を深める前に、まず自分が本当にコンサル業界に向いているかどうか、ツールを用いて確認してみましょう。
弊社が提供している適職診断ツールなら、LINEで52個の質問に答えるだけですぐにあなたに向いている業界や職種、強みなどが算出できます。
完全無料で利用できるため、まず先にこちらを利用してみてください。
就活エージェントに相談しよう
ツールも非常におすすめの選択肢ではありますが、生身の人間にも自分の適性を判断してもらいたいという方は、就活エージェントに相談することをおすすめします。
弊社が提供している「ジョブコミット」というサービスではベテランの就活エージェントがあなたがコンサル業界に向いているかを面談を通して一緒に考えますし、ESの作成や面接対策など、就活において重要な対策も徹底的にお付き合いします。
おすすめの企業や非公開求人の紹介なども行っているため、就活において頼れる仲間を探している方は、ぜひ一度登録してみてください。
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おわり
今回はコンサル業界に興味がある方のために、向いている人の特徴や仕事内容、そしてやりがいまで徹底的に紹介しました。
コンサル業界は就職難易度が高く、業務もハードなものが多いです。
しかしその分、給与が高く、そしてやりがいを感じられる仕事が多いため、特に魅力的な業界の1つであると言えるでしょう。
ぜひこの記事を参考にさらに業界研究を深め、気になる企業を見つけてエントリーしてみてください。