【回答例20選】市役所の面接の対策方法を解説!ポイントを知って事前に準備しよう!

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

市役所の面接のコツ
市役所の面接の注意点
市役所の面接でよくある質問と回答例

この記事をおすすめしたい人

市役所の面接を控えている人
早い段階から面接の対策をしたい人
面接が苦手な人

目次目次を全て表示する

はじめに

市役所の面接にはいくつかの対策方法が存在します。

一般企業と共通しているところもありますが、異なる部分もあるため、ポイントを知って効率的に対策することが大切です。

今回は市役所の面接を受けるにあたってのポイントや、よくある質問とその回答例などについて詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

市役所の面接では「地域課題への意識」が問われる

市役所の面接においては志望動機や自己PRといった定番の質問に加えて、地域課題に対しどのような考えを持っているかが重要な評価ポイントとなります。

自治体職員として働くうえで、地域の実情に向き合い、住民に寄り添った視点で考えられるかどうかが試されているからです。

市役所職員の業務は住民の生活を支える行政サービスを提供するだけでなく、少子高齢化、人口減少、商店街の衰退、災害対策、福祉の充実など、複雑で多様な地域課題に柔軟に対応することが求められます。

したがって、志望する自治体にはどのような課題があるのか、どのような取り組みがすでに行われているのかといった情報を事前に調べておきましょう。

市役所面接対策でやるべき2つの準備

市役所面接対策の準備
  • 自治体研究で働くイメージを具体化する
  • 自己分析で自分の適性や価値観を明確にする

まずは市役所の面接対策で、ぜひ行っておきたい2つの準備を紹介します。

以下の2つの準備を行っておくことで、より回答に深みが生まれるだけでなく、自信を持って答えられるようになります。

自治体研究で働くイメージを具体化する

市役所の面接対策において最初に取り組むべきなのが、自治体研究を通じて自分がその地域でどのように働くのかというイメージを明確にすることです。

多くの就活生が「地元に貢献したい」「地域の魅力を高めたい」といった志望動機を語りますが、面接官が求めているのは、より踏み込んだ理解です。

つまり、住民の目線ではなく職員としての目線で、実際の現状や取り組み、今後の課題を把握し、それにどう関わるつもりかを自分の言葉で語れるかが問われています。

そのためには自治体の公式サイト、市議会の議事録、地域ニュースなどを活用して、どのような地域づくりが行われているかを調べる必要があります。

自己分析で自分の適性や価値観を明確にする

自治体職員として働くうえで重要なのは、自分自身の性格や価値観、行動スタイルが公務員の業務に適しているかを理解し、それを言語化することです。

そのために欠かせないのが自己分析です。

自分が何を大切にしているのか、どのような時にやりがいを感じるかといった経験を振り返りながら、自分の特性を明らかにする作業が求められます。

特に市役所の仕事は住民対応や窓口業務、地域課題の把握・解決といった、粘り強い取り組みが要求されます。

したがって、長期的な視野で物事に取り組む姿勢や、相手の立場を理解しながら物事を進めることが求められます。

自治体研究で押さえるべきポイント

押さえるべきポイント
  • 市役所の仕事内容を理解する
  • 志望自治体の課題や取り組みを調べる
  • 市職員に求められる資質を把握する

自治体研究が大切であることは先ほど紹介しましたが、では、自治体研究を行うにあたってはどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。

以下の3点を押さえて自治体研究を行えば、よりスムーズに面接に必要な情報が集まることでしょう。

市役所の仕事内容を理解する

自治体研究の出発点として欠かせないのが、市役所でどのような業務が行われているのかを具体的に把握することです。

市役所と聞くと住民票の発行や税務手続きなど窓口対応のイメージが先行しがちですが、それだけでなく地域福祉、都市計画、防災、教育、環境施策、地域復興など生活全般に関わる多岐にわたる仕事が行われています。

さらに、市民のニーズに応えるだけでなく、課題を先取りしながら政策を立案・実行することも大切です。

こうした幅広い業務内容を知らずに志望動機を語ると、表面的で説得力に欠けたものになってしまいます。

志望自治体の課題や取り組みを調べる

市役所を志望するうえで欠かせないのは、その自治体が今どのような課題に直面しており、どう対応しようとしているのかを事前に把握することです。

少子高齢化、人口流出、産業の衰退、公共交通の維持など、地域によって抱える問題は異なります。

それぞれの地域がどの課題を重視し、どのような政策に力を入れているかを理解することで、その地域で働くことの意味がより明確になります。

ホームページの施策概要や広報誌、市議会の議事録、地域計画書などの公的資料は非常に有益な情報源です。

そこから得た情報を元に、なぜその自治体を選んだのか、どのような取り組みに共感したのかといった部分を深掘りしておくと良いでしょう。

市職員に求められる資質を把握する

市役所職員として働くうえで求められる資質は、民間企業のように売上・利益を追求する力よりも、住民の暮らしに寄り添い、長期的な視点で地域の課題に取り組む姿勢です。

そのため、面接官は応募者がどれだけ市職員としての役割を理解し、その役割にふさわしい人物なのかを厳しく見ています。

住民との信頼関係を築くための丁寧な対応力、立場や言葉の異なる人々と協力しながら仕事を進めていく力などが求められます。

市民の声をただ拾い上げるだけでなく、課題を的確に捉えて、どのように対応すれば良い形で解決できるかを考える必要も大切です。

面接では、こうした資質が備わっていることを自分の言葉で語れるように準備しておくことが重要です。

自己分析のコツ3選

自己分析のコツ
  • 「なぜ民間ではなく公務員なのか」を論理的に語る
  • エピソードは行動と結果を具体的に示す
  • 入職後の目標やキャリア像を持つ

自治体について研究するだけでなく、自分について深く掘り下げる自己分析を入念に行うことは、特に市役所の面接を受けるにあたって重要です。

そこで自己分析のコツを3つ紹介するため、それぞれ意識しながら自己分析に取り組んでみてください。

「なぜ民間ではなく公務員なのか」を論理的に語る

自己分析に取り組む際には、自分がなぜ民間企業ではなく公務員を志望するのか、その理由や価値観を経験と結びつけて明確にしておくことが不可欠です。

面接ではそれぞれの問いに対しての回答の一貫性を確認されます。

「民間より安定している」「地域に関われる」といった一般的な理由では差別化ができません。

自分自身の価値観、行動傾向、将来の目標と照らし合わせて、公務員という働き方が自分に最適である根拠を自分の言葉で説明できるよう、準備しましょう。

エピソードは行動と結果を具体的に示す

自己分析で最も有効なアピールの1つが、自分の経験に基づいたエピソードを活用することです。

ただし、その際に重要なのはただ出来事を並べるのではなく、自分がどう行動し、どのような結果を生んだかを明確に語ることです。

「人から頼られた」「努力した」といった抽象的な説明では伝わりにくく「どのような状況下で」「どのような行動をとり」「どのような成果を得たか」という流れを意識して具体的に表現しなければなりません。

結果だけでなく、その過程での困難にも触れることで、思考力や責任感、自分らしさが伝わるでしょう。

公務員に求められるのは、成果主義よりも過程を重視する姿勢です。

入職後の目標やキャリア像を持つ

自己分析を深めていく時に見落としがちなのが、入職直後にどのような仕事をしたいのか、将来どのような職員になりたいのかというキャリアの展望まで含めて考えることです。

面接では「どの部署に関心がありますか」「5年後、10年後にはどうなっていたいですか」といった問いがよく出されますが、明確に答えられない場合、理解の浅さを疑われてしまいます。

したがって、自己分析では過去の自分だけでなく未来の自分にも焦点を当てて、どのような貢献ができるか、どのような働き方をしていきたいのかを具体的に描いていくことが大切です。

市役所の面接でよくある質問と回答例

続いて、市役所の面接でよくある質問とその回答例を紹介します。

自治体と業務理解についての質問と、人物・自己理解編に分けて紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

自治体・業務理解

まずは自治体や業務理解について問われる質問の代表例です。

しっかりと自治体の研究を行っているか、仕事内容を理解しているかを詳しくチェックされているため、しっかりと対策し、答えられるようになっておきましょう。

Q1. 民間企業と公務員の違いは何ですか?

この質問では公務員として働く自覚と理解があるかが問われています。

民間企業と公務員では組織の目的や評価軸、行動の優先順位が大きく異なるからです。

民間では利益の最大化が主な目的であり、短期的な成果が評価につながる傾向にあります。

一方、公務員は利益追求ではなく、地域全体の福祉や生活の安定を支えることが目的です。

したがって、一人ひとりの声に丁寧に耳を傾け、課題に向き合いながら制度を改善していく姿勢が求められます。

【回答例】

民間企業と公務員の違いは目的と対象の広さにあると考えています。公務員は利益ではなく住民の暮らし全体を支えることが目的です。地域全体に貢献する姿勢に魅力を感じており、個人ではなく社会全体の利益を考えて行動する公務員の仕事に共感し、志望いたしました。

Q2. 気になる政策や取り組みは何ですか?

この質問では自治体に関する関心の深さと自分なりの視点を持っているかが評価されます。

政策名や事業名を述べるだけでなく、その政策がなぜ気になったのか、自分の考えや経験とどのように結びついているかを含めて答えることが大切です。

事前に自治体の公式サイトや市政方針、広報誌などを確認し、自分の関心分野と重なるものを見つけましょう。

また「その政策に関わるならば、自分はどのように貢献するか」まで掘り下げておくと、説得力のある回答に仕上がります。

【回答例】

私が関心を持っているのは、貴市が推進している子育て支援政策です。保育施設の拡充や産後ケア事業に力を入れている点に、住民の将来を見据えた姿勢を感じました。学生時代、地域の子ども食堂で活動してきた経験から、子育て世帯の支援が地域全体の活力に直結することを実感しています。入職後は子育て支援を通じて、誰もが安心して暮らせる環境づくりに携わりたいと考えています。

Q3. 志望する自治体の課題と解決策を教えてください

この質問では地域の現状をどれほど理解し、自分なりに課題を把握しているかが見られます。

大切なのは事実を列挙するだけでなく、課題をどのように受け止め、どのような視点で改善したいと考えているかを自分の言葉で伝えることです。

統計データや政策レポートを参考にしながら、自分が課題と感じたこととその理由を明確に述べましょう。

そのうえで「自分ならこう関わりたい」といった考えまで述べられると、主体的な姿勢が伝わります。

【回答例】

貴市の課題は若年層の転出による人口減少と、それに伴う地域活力の低下だと感じています。特に、働く場と住む場が一致しにくい点が要因の1つだと考えています。学生時代、地元の活性化イベントを運営し、若者の定着には地域に魅力を感じられる仕組みづくりが不可欠だと学びました。入職後は定住促進や地域資源を活かした雇用創出に関わり、活力ある地域社会の実現に貢献したいと考えています。

Q4. 〇〇県(市)の魅力は何だと思いますか?

この質問ではその自治体への関心や理解度、そして「なぜここで働きたいのか」といった点を見られています。

観光地や名産品を挙げるだけでなく、住民の暮らしや制度の特色、地域の雰囲気にまで目を向けると深みが出ます。

実際に訪れたことがあれば、その経験に基づいて語るのも有効ですが、大切なのは、自分の目線でどこに魅力を感じるのかを具体的に言語化できるかです。

【回答例】

私が魅力を感じているのは貴市の「住民参加型のまちづくり」です。市民活動が盛んで、行政と住民が協力して地域をつくっていく雰囲気に強く惹かれました。大学時代に地域ボランティアに携わる中で、住民の声を反映したまちづくりの重要性を学びました。住民との距離が近く、共に歩む姿勢が根づいている貴市でこそ、自分の力を活かせると感じています。

Q5. 市職員の仕事で大切なことは何だと思いますか?

この質問は自分がどのような姿勢で職員として働こうとしているかを問うものです。

正解があるわけではありませんが、住民に寄り添う姿勢や、継続的に課題解決に向き合う姿勢など、市役所の仕事の本質を理解していることが伝わる答えが求められます。

「丁寧な対応が大事」といった誰でも言えるような表現ではなく、自分の経験や考え方と結びつけて回答しましょう。

【回答例】

市職員にとって大切なのは住民一人ひとりの声に真摯に向き合い、丁寧に対応する姿勢だと考えています。アルバイトで接客を経験する中で、相手の立場を想像しながら行動することの重要性を実感しました。市役所では制度だけでなく「人と人の信頼」が業務の根幹を支えていると感じており、どのような立場の方にも誠実に向き合い、信頼される職員を目指したいと考えています。

Q6. なぜこの市を志望したのか?

この質問では他の自治体ではなくその市を選んだ理由が問われます。

どの市にも当てはまるような志望動機では説得力がないため、志望先の自治体に固有の特徴や施策を調べ、自分の価値観や関心とどのように結びついたのかを伝えることが大切です。

その地域で暮らした経験がなくても問題はなく、重要なのは、その市で職員として働きたいという意志を明確に語れるかどうかです。

また、観光的な側面に偏らず、性格や制度、地域の取り組みへの視点があると深みが出ます。

【回答例】

貴市を志望した理由は市民参加型のまちづくりを重視している点に共感したからです。学生時代に地域ボランティアに携わる中で、行政が住民と対話しながら課題解決を進める姿勢の大切さを学びました。貴市は市民会議や意見交換の場が活発で、住民と行政が共に歩む体制が整っていると感じました。こうした環境の中で、自分も住民の声を活かした政策づくりに関わっていきたいと考えています。

Q7. なぜ地元ではなくこの市役所なのか?

この質問では「なぜ地元ではなく、あえて他の自治体を選んだのか」という理由が問われています。

「雰囲気が良さそう」「住みやすそう」といった印象だけの理由では説得力に欠けてしまいます。

そのため、公務員として働きたい理由に加え、志望先の自治体が行っている取り組みや課題への関心が伝わるようにすることが大切です。

地元への思いがあったとしても、それを上回る魅力や自分の価値観との共通点が志望先にあると伝えられれば、納得感のある回答になります。

【回答例】

貴市のまちづくりの考え方に強く惹かれたため、志望いたしました。特に移住定住促進や空き家対策に関する取り組みは自分が関心を持ってきた地域活性化と一致する部分が多く、この市でなら、自分の力を活かしながら地域に貢献できると感じました。

Q8. 市職員として取り組んでみたい仕事は?

この質問では職員としての関心分野や貢献したい課題に対する姿勢が問われます。

自分が課題に対してどのような視点で関わりたいと考えているかを具体的に伝えることが重要です。

業務に関する理解と自分の適性・価値観が結びついていると、志望動機の深さが伝わります。

また特定の部署に強くこだわりすぎず、市民のために何ができるかという視点を持てば、柔軟で前向きな印象を与えられます。

特に市役所は異動も多いため「1つだけの仕事に強いこだわりを持っている」という印象を与えない方が良いでしょう。

【回答例】

高齢者支援の分野に関心があり、地域包括ケアや見守り体制の強化に関わってみたいと考えています。大学時代に福祉施設でのボランティアを通じて、独居高齢者が抱える不安や孤立の深刻さに触れ、行政の支援のあり方に関心を持ちました。また、若者の流出問題にも関心があり、若い世代が帰ってきたくなるようなまちづくりにも取り組みたいと考えています。

Q9. 配属が希望と違う場合はどうしますか?

この質問では柔軟性や組織に対する理解があるかどうかが見られます。

市役所の仕事は多岐にわたるため、希望の部署に配属されるとは限りません。

先ほども述べたように、異動を指示されることも多いでしょう。

そうした状況でも前向きに取り組める姿勢を示すことが大切です。

ただ「どこでも大丈夫です」といった曖昧な答え方ではなく、自分の経験や価値観がどのように幅広い業務に活かせるかを交えて答えると、説得力のある内容に仕上がります。

【回答例】

希望と異なる部署に配属された場合でも、その部署の業務を学び、責任感を持って取り組みたいと考えています。どの業務も市民の生活に直結しており、すべての部門が市役所全体の役割を担っているからです。環境整備の分野に関心がありますが、それ以外の分野でも、自分の強みを活かして貢献したいと思います。

人物・自己理解編

続いては自治体や業務内容に焦点を当てたものではなく、あなた本人にフォーカスした質問です。

一般企業を受験している方はそれぞれ既に対策ができているものもあるでしょうが、市役所の面接となると多少、意識するべき点が異なるため、ぜひ覚えておいてください。

Q1. あなたの長所・短所は何ですか?

この質問では自分の性格や行動傾向をどの程度理解しているかが問われます。

つまり、自己分析がどれだけ詳しくできているかを聞かれているのです。

長所を伝える際は、それがどのように市の職員の仕事に活かせるかを意識して言語化しましょう。

短所についてはただ弱点を述べるだけでなく、その短所にどのように向き合ってきたのか、自分なりの改善の努力や工夫を加えると、前向きな印象になります。

【回答例】

私の長所は状況を冷静に見極めながら行動できるところです。学生団体では全体の動きを見ながら足りない作業を拾い、周囲を支える立場で信頼を得られました。反対に、短所は慎重すぎて行動に時間がかかる場面がある点です。この点については事前に準備を徹底し、必要に応じて早めに周囲に相談するなど、スピードとのバランスを意識して改善に取り組んでいます。

Q2. 志望動機を教えてください

志望動機は面接の中でも特に重視される質問です。

ここではなぜ民間企業ではなく、市役所を選ぶのか、その自治体にどのような魅力を感じたのかという点を、自分の経験・価値観と結びつけて語ることが重要です。

表面的な理由では説得力に欠けるため、地域の特性や取り組みに対する理解を示しつつ、それが自分の考え方とどう合致しているのかを伝える必要があります。

自分の言葉で、丁寧に語られているかが評価されるポイントです。

【回答例】

私が市職員を志望する理由は、地域の方々の声に直接耳を傾けながら、まちづくりに関わる仕事に魅力を感じたからです。中でも貴市の施策には住民との対話を重視する姿勢が見られ、参加型の行政運営に関心を持ちました。大学時代には地域活動に携わる機会があり、その中で「自分の行動が地域を支えている」という実感を得た経験から、今後は行政の立場から住民を支えたいと考えるようになりました。

Q3. 入職後にやりたいことは?

この質問では志望先の業務に対する理解と自分の意欲や関心の方向性をどう具体化できるかが問われています。

「街に貢献したい」「人の役に立ちたい」といった抽象的な表現だけでなく、具体的にどの分野に関心があるのか、なぜその業務に取り組みたいと思っているのかを伝えることが重要です。

その際には自分の経験と照らし合わせて話すと説得力が増します。

また、部署の希望だけを主張するのではなく、広い視点を持ちながらも、どのような役割であっても真摯に向き合う姿勢を示すことが大切です。

【回答例】

私は子育て支援や教育の分野に関わる仕事に取り組みたいと考えています。身近に子育てに悩む保護者が多くいたことから、育児を支える地域の仕組みに関心を持ちました。特に、貴市が進める子育てと仕事の両立支援施策には大きな可能性を感じており、行政の立場から家庭の不安を和らげる手助けができればと考えています。

Q4. 周囲からどのような人だと言われますか?

この質問には自分を客観的に見つめ直す力や、周囲との関係性の中でどのような行動を取っているかを確認する意図があります。

自分がどう評価されているかを理解しておくことは、仕事をするうえでも大切な要素です。

ここでは他人からの評価と自分の行動・考え方がどう結びついているかを示すと、説得力のある回答になります。

「優しいと言われる」などの抽象的な表現で終わらせず、どういった場面でそのように言われるのかまで触れると、人柄がより伝わりやすくなります。

【回答例】

周囲からは「落ち着いていて話しやすい人」と言われることが多いです。ゼミやアルバイトでは常に冷静に意見を整理する姿勢を評価してもらえました。また、誰に対しても同じ態度で接することを意識していたため「安心して話せる」と言ってもらえることもありました。

Q5. 苦手なタイプの人はいますか?

この質問では人間関係における対応力や自己理解の深さが問われています。

ただ「嫌い」「合わない」といった感情面を強調するのではなく、どのような特徴を持った人と関わることに難しさを感じるのかを冷静に言語化することが大切です。

さらに、そのような相手に対してどのように接し、関係を築こうと努力しているのかを述べられれば、誠実な姿勢と協働の意識が伝わります。

市職員には相手を一方的に否定せず、前向きに関係を築こうとする姿勢が求められます。

【回答例】

苦手だと感じるのは、意見をはっきり言わず、曖昧なまま進めてしまう方です。物事を整理してから動きたい性格なので、方向性が不明瞭なまま話が進むと不安になってしまうことがあります。しかし、それは相手に悪気があるわけではないと理解しており、最近では自分から質問を投げかけて共通認識を確かめたり、要点をまとめて言葉にしたりすることで、円滑に意思疎通を図れるようになってきました。

Q6. 学生時代に頑張ったことは?

この質問では行動力や責任感、課題解決への姿勢などが評価されます。

出来事を紹介して終わらせるのではなく、自分が何をして、どのように工夫し、、どのような成果や学びが得られたかまでを一貫性のある流れで伝えることが大切です。

可能であれば、数値や客観的な性格も含めて説明できると、説得力が増します。

また、チームでの経験であっても、自分自身の役割や貢献に焦点を当てて語ることが重要です。

面接官はあなたがどのような人物かを、学生生活の中の具体的な経験から見極めようとしています。

【回答例】

大学のゼミにおいて、地域活性イベントの企画運営に力を入れて取り組みました。参加者が楽しめるだけでなく、地域の魅力を伝えることを重視し、地元の特産品を使った催しを提案しました。その結果、予想を超える200名以上の来場者があり、地域の方からも感謝の言葉をいただきました。この経験を通じて、目標達成に向けて周囲と協力しながら進める力が身についたと感じています。

Q7. 自己PRをしてください

この質問はシンプルに、自己PRをすれば良いです。

自分の強みを、市の職員としての仕事にどう活かしたいかまでを含めて、論理的に伝えましょう。

ただ述べるだけでなく、それが具体的な行動にどう現れてきたかを、過去の経験と結び付けながら説明すると良いです。

さらに、その経験を通して得た力を住民との関わり合いや行政の現場にどう還元できるのかという視点を盛り込むと、自己理解と志望動機が自然につながります。

【回答例】

私の強みは相手の意見を受け止めながら、自分の考えを整理して伝えられることです。大学ではグループワークやディスカッションにおいて、メンバー間の意見の違いを尊重しつつ、全体の方向性を見失わないよう意見を整理する役割を担ってきました。意見を尊重する姿勢は住民と接する市職員としても必要な要素だと考えています。今後は丁寧な対話と的確な判断力を活かし、住民にとって信頼できる存在を目指します。

Q8. 過去の失敗や挫折経験について

この質問では困難な経験をどのように受け止め、そこから何を学び、どう変わってきたのかが問われています。

失敗を隠すのではなく、冷静に振り返り、その出来事をきっかけにどのような成長を遂げたのかを伝えることが重要です。

ただし、ネガティブな内容に終始すると印象が悪くなる可能性があるため、前向きな改善や行動が伴っていることを必ず盛り込みましょう。

【回答例】

大学1年時に参加したプレゼン大会で、準備不足のまま本番に臨んでしまい、質問に答えられずに悔しい思いをした経験があります。そのときに、事前の準備や想定問答の大切さを痛感しました。それ以降はどのような課題にもまず全体像を把握し、綿密に準備を進める姿勢を徹底するようになりました。現在では人前で話す場面でも自信をもって対応できるようになり、この経験が自分を成長させるきっかけになったと感じています。

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逆質問で印象アップ!おすすめの質問例3選

おすすめの質問例
  • 面接官の方が入職後に感じた大変さとは?
  • 入職前に準備しておくべきことはありますか?
  • 評価される職員の特徴を教えてください

市役所の面接でも終わり際に逆質問の時間を設けてもらえることがあります。

その際、どのような質問をすればより良い印象を与えられるのかについて詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. 面接官の方が入職後に感じた大変さとは?

この質問は実際の職場で求められる姿勢や困難に真剣に向き合おうとしていることを伝える手段です。

市職員の仕事は制度や事務処理だけでなく、住民対応や長期的な視野での政策づくりなど多岐にわたるため、想像以上に幅広いスキルや柔軟性が求められます。

その中で、面接官自身の経験からどのような苦労を感じたのかを尋ねることで、業務の理解を深めようとする姿勢を示せます。

ただ答えを得るためだけでなく、相手の経験に敬意を払い、将来的に自分がどのように準備を進めるべきか指針を得る意図があると伝われば、好印象につながるでしょう。

【質問例】

入職後に業務を進めていくなかで、想像と異なった点や、難しいと感じられたことがあれば教えていただけますか。

Q2. 入職前に準備しておくべきことはありますか?

この質問では入職後の成長や即戦力としての活躍を意識している姿勢をアピールできます。

市職員としての業務は配属先によって異なるものの、どの部署でも基本的な文書作成や窓口対応、条例・制度の理解などが求められます。

事前準備すべきことを尋ねることで、知識やスキルを習得しようとする積極性だけでなく、指示を受ける前に動こうとする姿勢を示すことが可能です。

また、こうした質問を通じて入職後のミスマッチを防ぐ意識があると受け取られるため、自己管理力や責任感を持って働く意欲のある人物として評価されやすくなります。

【質問例】

入職までに学んでおくと良い知識や、意識しておくと良い姿勢などがあれば、教えていただけますか。

Q3. 評価される職員の特徴を教えてください

この質問は市役所でどのような行動や考え方が評価されているのかを把握するためのものです。

評価される職員の特徴を理解することで、自分がどのような姿勢で働いていけば良いのか見極めようとしている意識の高さを示せます。

面接官が評価する側の立場である場合、その言葉には市役所内で求められる人物像が色濃く反映されています。

したがって、評価される特徴を尋ねることで価値観の一致や成長が見込める人物だと受け取ってもらいやすいでしょう。

また、自分の強みや行動を組織の方針に合わせて調整する「柔軟性」を持っていることも暗示できます。

【質問例】

貴市の業務で評価される職員の方の共通点や、求められる姿勢があれば、お聞かせいただけますか。

市役所の面接前にやっておきたい3つの対策

市役所の面接前にやっておきたい対策
  • 公務員と民間の違いを理解しておく
  • 自治体研究を深める
  • 面接カード対策を済ませておく

続いて、市役所の面接前にやっておきたい3つの対策を紹介します。

以下の3つの対策をしている人と、そうでない人とでは本番に臨むにあたっての自信や回答のクオリティが大きく異なってくることでしょう。

内定を左右しうる要素であるため、ぜひ取り組んでおいてください。

①公務員と民間の違いを理解しておく

市役所の面接では公務員と民間企業の違いを正確に理解したうえで、自分がなぜ公務員を目指しているのかを論理的に説明できることが求められます。

民間企業が営利目的で事業を展開するのに対して、公務員は住民の生活基盤を支えることを目的としています。

この目的の違いを明確に捉えていないと、志望動機が曖昧に見えて説得力に欠ける印象を与えてしまう可能性が高いです。

また、働き方や評価制度の違いも押さえておきましょう。

民間では売上や成果が重視される一方で、公務員では長期的な信頼や公平性が大切にされます。

これらの違いを踏まえたうえで、なぜ自分が民間ではなく公務員を目指すのかについて話しましょう。

②自治体研究を深める

面接前の準備として欠かせないのが、志望する自治体に関する綿密な調査です。

自治体ごとに抱える課題や力を入れている政策は異なるため、表面的な知識だけでは質問に十分に対応できません。

市の公式サイトを読み込み、重点施策や地域計画、地域住民の声を通じて、どのような方向性でまちづくりを進めているのかを把握することが重要です。

また、調査内容を志望動機や自己PRにどのように反映させるかも考えておきましょう。

調べた情報をただ並べるだけでなく、自分がどの部分に共感し、どのように貢献していきたいかまで落とし込めば、志望理由に厚みが出てきます。

③面接カード対策を済ませておく

市役所の面接では事前に提出する面接カードの内容が質問の土台となることが多くあります。

したがって、面接カードの記述を丁寧に仕上げておくことは面接全体の流れを左右する重要な準備です。

志望動機や自己PR、学生時代に頑張ったことなど、基本的な質問には一貫したストーリーを持たせましょう。

具体的な行動や数字、背景となる経験を交えながら記述すれば、面接官にも伝わりやすくなります。

また、記述しきれなかった内容については面接当日に質問されても即答できるよう、事前に言葉にしておく練習も欠かせません。

市役所面接で避けたいNG行動3つ

市役所面接で避けたいNG行動
  • 他の自治体や民間を見下す発言をしない
  • 安定や待遇ばかりを強調しない
  • 知識ばかりを披露して会話が空回りしない

市役所の面接で一部の就活生の皆さんがついやってしまいがちな、NG行動を3つ紹介します。

これらはいずれも就活において基本とされていますが、いざ本番となるとついついやってしまいがちな行動です。

それぞれ再度、自分に注意喚起するためにも確認しておいてください。

他の自治体や民間を見下す発言をしない

市役所の面接において、他の自治体や民間企業に対する否定的な発言は避けるべきです。

志望動機を話す際、他との比較が含まれることもありますが、その際に他社や他の団体を卑下するような形で話してしまうと、誠実さに欠ける人物であると思われてしまいます。

世の自治体や企業には、それぞれ独自の魅力や役割があります。

それを踏まえずに「他は魅力がない」「レベルが低い」などの表現を使うと、視野が狭く、協調性や対人感覚にも不安があると判断されかねません。

安定や待遇ばかりを強調しない

公務員の仕事に安定性や待遇の良さを感じるのは当然ですが、それを面接の中心に据えてしまうと、なぜその市で働きたいのかが薄れてしまい、評価を下げる原因となってしまいます。

自治体が求めているのは、地域への関心や職務に対する責任感を持った人物です。

待遇の良さを挙げること自体は問題ではありませんが、それが主な理由として伝わってしまう構成や話し方には注意が必要です。

知識ばかりを披露して会話が空回りしない

面接ではその自治体の政策や計画に対する知識を持っていることがアピールになります。

しかし、それだけを一方的に話しすぎてしまうと、会話が噛み合わなくなってしまいます。

自治体の取り組みに詳しいことは努力の跡でもありますが、面接官が聞きたいのは「どのように感じたのか」「自分とどうつながるのか」といった、あなた自身の考えや姿勢です。

面接はあくまで「対話」です。

どれだけ準備していても、相手の質問に合わせた回答ができなければ、本来の魅力が十分に伝わらないまま終わってしまいます。

自治体研究で他の就活生と差をつける方法3選

他の就活生と差をつける方法
  • 実際に街を歩いて住民目線で観察する
  • 採用ページだけでなく広報誌や住民向け情報を読む
  • 説明会や職員との会話を積極的に活用する

続いて、自治体の研究で他の就活生と差をつけるためにどのような取り組みをすればよいか、おすすめの方法を3つ紹介します。

以下の3つの方法を活用すれば、ただWebサイトをなんとなく眺めただけの就活生に大きく差をつけられる量の知識が手に入ることでしょう。

実際に街を歩いて住民目線で観察する

他の受験者と差をつけるためには、実際にその街を歩いて自分の目で見て肌で感じることが非常に有効です。

公式サイトやパンフレットから得られる情報は限られており、そこで得た内容だけを頼りにしても表面的なアピールにしかなりません。

一方、現地に足を運ぶことで見えるものには、地域の空気感や住民の様子、駅前のにぎわいや公共施設の整備状況など大きなヒントが詰まっています。

このような体験は志望動機や面接での発言に説得力を持たせ、自分なりに地域を理解していることを伝える武器になります。

採用ページだけでなく広報誌や住民向け情報を読む

自治体研究は、採用ページに書かれている内容だけでは不十分です。

多くの受験者が同じ情報を見ているため、そこから得た知識だけでは差別化が難しいでしょう。

そこで活用したいのが、広報誌や住民向けの情報です。

その地域で今どのような取り組みが進められているのか、どのような課題が浮き彫りになっているのか、より「生活者目線」で記載されています。

広報誌には地域イベントの報告や子育て支援の進捗などが具体的に記載されており、自治体の方向性や市民との関わり方を知るうえで必要な手掛かりとなります。

そうした情報を読み込むことで、市の政策にどのような思いが込められているか、担当者の意図を知ることができるでしょう。

説明会や職員との会話を積極的に活用する

説明会への参加や現職の市職員との会話は自治体研究を実践的なものへと引き上げる貴重なチャンスです。

文字情報だけではわからない雰囲気や具体的な仕事内容、組織の文化などを理解するためには実際にそこで働く人の声を聞くことが欠かせません。

職員との対話ではなぜその人が入職したのか、どのようなやりがいを感じているのか、どのような苦労があるかなど、当事者だからこそ語れる情報を得られます。

質問の仕方や内容によっては自分の関心分野と職員の経験をうまく結びつけることもでき、それを通じて志望動機に深みを加えることも可能です。

また、こうした機会を活用する姿勢そのものが、面接時に「熱意の証」として評価されやすくなります。

まとめ

今回は市役所の面接対策において何をすれば良いのか、どのような質問がされるのか、それぞれの質問にはどのように回答すれば良いのかについて詳しく紹介しました。

一般的な企業の選考と同様、市役所を受けるにあたっても、面接での回答や立ち居振る舞いは重要視されます。

ぜひこの記事で紹介したポイントを踏まえたうえで、しっかりと面接練習を行い、自信を持って本番に臨んでください。

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