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・日本総研の概要
・日本総研の志望動機作成のコツ
・シンクタンク業界の概要
・日本総研を目指している人
・シンクタンク業界への理解を深めたい人
・志望動機のコツや注意点を知りたい人
【日本総研の志望動機】はじめに
志望動機はどの企業でも必ず聞かれると言ってよいほど重要な質問であり、自己PRと並んで最も時間をかけて入念に作成する必要があるものです。
今回は日本総研を目指している方のために、志望動機作成のコツだけでなく、日本総研の業務内容や取り組みなどについても詳しく紹介します。
企業研究を深めたい方はもちろん、志望動機のクオリティをさらに高めたい方も参考にしてみてください。
【日本総研の志望動機】シンクタンクって何をしているの?
まず日本総研について学ぶ前に、シンクタンクが何をしているのかについて理解を深めておきましょう。
具体的な企業について学ぶ前に、まずは業界について理解しておくことが大切です。
- 調査・研究
- 政策提言
- コンサルティング
- 情報発信
調査・研究
シンクタンクの基本的な役割の1つが、社会や経済に関する調査・研究です。
少子高齢化、エネルギー問題、地域経済の再生、国際関係の変化など幅広いテーマについて現状分析し、今後の動向を見渡す作業を担っています。
これらの分析には統計データ、政府発表資料、企業の公開情報など多様な情報源が用いられ、そこから得られる数値や傾向をもとに政策立案や企業戦略の判断材料となる知見を導き出すのです。
調査・研究において重要なのは事実を冷静にとらえる姿勢と、既存の枠組みにとらわれずに思考を広げる柔軟性です。
物事の背景や構造的な要因を掘り下げ、未来のシナリオを論理的に描く力が求められます。
政策提言
シンクタンクは調査・研究をもとに国や自治体に対して政策提言を行います。
社会課題を解決するには現状の制度や施策のどこに問題があるのかを明確にして、実現可能性のある解決策を提示することが欠かせません。
政策提言は調査によって得られた事実に基づき、法制度の改正や新たな施策の導入を提案するものであり、その影響範囲は非常に大きいものです。
行政のパートナーとして機能する場面もあり、提言の内容が国の基本方針に反映されるケースも存在します。
そのため、机上の空論にならないよう、制度の運用や現場、地域の実情を踏まえた説得力のある提言が求められます。
提言を行う際には当事者の立場を理解したうえでの現実的な視点に加え、公平性や持続可能性を踏まえた考え方も欠かせません。
コンサルティング
シンクタンクは民間企業や地方自治体に対する「コンサルティング」も行います。
これは経営戦略や事業運営上の課題に対し、調査・研究で培った知見を活かして具体的な解決策を提案する業務です。
顧客のニーズは多様で、事業の再編、新規事業の立ち上げ、人材育成、地域復興策の設計など、対象となる分野も広範囲です。
ただアドバイスを行うのではなく、課題を発見する段階からサポートし、クライアントとともに最適な道筋を描いていく伴走型の姿勢が重視されます。
企業の動向や法制度の変化、消費者の価値観の変化など複雑な要因が絡む中で、分析と提案の質が企業の意思決定を左右することもあります。
また、コンサルティングの成果が地域社会の変革や企業の成長に直結することもあり、社会的なインパクトの大きい仕事というやりがいもあります。
情報発信
シンクタンクは研究成果を社内で共有するだけでなく、広く社会へ伝える役割も担っています。
レポートの発行、セミナーの開催、WEBコンテンツの発信などを通じて、専門的な知識を一般の人々や企業、行政に伝え、社会全体の理解を深める機会を提供しているのです。
情報発信には専門的な内容を分かりやすく伝える工夫が求められます。
読者の関心や背景知識を考慮しながら、重要な論点や意義を丁寧に説明する力が不可欠です。
発信された情報がメディアで取り上げられたり、政策議論のきっかけとなったりすることもあり、その影響力は非常に大きいと言えます。
【日本総研の志望動機】5大シンクタンクって何?
続いて、日本総研も含まれる5大シンクタンクとは何なのかについて考えてみましょう。
設立年度や従業員数といった基本的な情報はもちろんのこと、どのような事業を得意としており、どのような就活生の方に向いているかについても詳しく紹介します。
- 野村総合研究所
- 三菱総合研究所
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
- 日本総合研究所
- みずほリサーチ&テクノロジーズ
野村総合研究所
野村総合研究所は1965年に設立された、日本初の民間シンクタンクです。
現在は東京に本社を置き、従業員数はグループ全体で約1万6千人に上ります。
東証プライム市場に上場しており、時価総額は約3兆円規模、資本金は約256億円に達する日本有数の大企業です。
リサーチ・コンサルティングとシステムインテグレーションを両軸に持つ日本最大規模の総合コンサルティングファームであり、官公庁から産業界まで幅広いクライアントにサービスを提供しています。
幅広い業界の課題解決に携わりたい方や、ITとビジネスの両面に精通した総合力を発揮したい方に向いている企業です。
三菱総合研究所
三菱総合研究所は1970年に三菱グループ各社の共同出資により設立された総合シンクタンクです。
本社は東京・永田町にあり、社員数は連結で約4,500名、資本金は約63億円です。
2009年に東京証券取引所に上場しており、現在はプライム市場に指定、時価総額は約750億円と評価されています。
官公庁や自治体、企業から委託される各種調査研究や政策立案支援に強みを持ち、政策・科学技術・経済・金融など多岐にわたる分野の専門知見を活かしてコンサルティングサービスを提供しています。
公共政策や社会課題の分析・解決に関心があり、専門性を活かして社会に貢献したい方に向いている企業です。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
三菱UFJリサーチ&コンサルティングは1985年に設立され、現在は三菱UFJフィナンシャル・グループのシンクタンク・コンサルティング会社として位置付けられています。
本社は東京・虎ノ門にあり、資本金は約20億円です。
社員数は約1,400名で、主要株主は三菱UFJ銀行などグループ各社となっています。
事業領域は多岐にわたり、経営戦略や業務改革など企業向けのコンサルティング事業から、政府政策の調査研究・提言、マクロ経済の分析、シンクタンク会員向けの経済情報提供、人材育成支援まで幅広く展開しています。
金融や経済に関する知識を活かし、官民両方の視点から課題解決に取り組みたい方におすすめです。
公共政策の立案や企業の経営支援など幅広い業務を経験できるため、柔軟な発想で社会に貢献したい方にはまさに最適な企業と言えるでしょう。
日本総合研究所
日本総合研究所は1969年に設立されたシンクタンクで、現在は三井住友フィナンシャルグループ傘下の情報サービス企業です。
資本金は100億円、従業員数は約3,800名に達しています。
銀行系シンクタンクとしての調査・研究機能に加え、大規模なITソリューション事業を展開している点が特徴で、経営コンサルティングからシステムインテグレーションまで幅広いサービスを提供しています。
売上高は連結で2,000億円を超え、民間シンクタンクとしてNRIに次ぐ業界トップクラスの規模です。
ITとコンサルティングの双方に関心があり、金融分野での専門知識や技術力を活かして活躍したい方に向いています。
みずほリサーチ&テクノロジーズ
みずほリサーチ&テクノロジーズは2021年に設立された、5大シンクタンクの中では最も新しい企業です。
本社は東京にあり、資本金は約16億円、従業員数は約4,100名です。
最新の売上高は約1,780億円に達しており、業界トップクラスの規模を誇ります。
事業内容は多岐にわたり、政策分野の調査研究・提言、金融システムをはじめとする各種ITシステムの設計・開発、デジタル技術を活用したコンサルティングサービスなどを提供しています。
テクノロジーの力で社会や産業の課題を解決したい方や、新しい組織で柔軟な発想を活かして活躍したい方におすすめです。
【日本総研の志望動機】なぜ志望動機を聞く?
企業は100%と言って良いほど志望動機を聞いてきますが、その理由を理解している方は意外と多くありません。
企業側の目線に立って回答ができるようになれば、他の就活生よりも質の高い回答が作り上げられますから、ぜひ参考にしてみてください。
- 人柄
- 熱意
- 会社との相性
人柄
企業が志望動機を通じて見ていることの1つが、応募者の人柄です。
ここで言う「人柄」とは性格だけでなく、これまでどのような行動を積み重ねてきたか、他者とどのように関わってきたかという視点も含まれます。
企業はあなたが話すこれまでの経験から、あなたが職場でどう振る舞うのか、信頼を築けるかといった点を判断しようとしています。
そこで、志望動機に自分の価値観や選択の理由を盛り込み、人柄を伝えましょう。
スキルや知識の有無も大切ですが、それ以上に重視されるのは、ともに働くうえで信頼できる人物かどうかです。
したがって、志望動機は表現の中に「自分らしさ」を含めることが重視されます。
熱意
志望動機では応募者の熱意が本物かどうかも見られています。
熱意は「入社したいです」と伝えるだけでは伝わりません。
その企業のどこに共感し、どのような部分に魅力を感じたのか、なぜそこまで関心を持つに至ったのかという過程こそが、熱意を裏付ける要素になります。
企業は困難な局面に立たされた時にも粘り強く取り組める人材を求めているため、動機の背景にある思考や行動に注目し、継続的に仕事に向き合う意欲があるかどうかを探ろうとしているのです。
自分の経験に基づいて、関心の深さや将来的にどう関わりたいかまで言語化できていれば、熱意の伝わる志望動機が出来上がることでしょう。
会社との相性
志望動機を通じて、会社との相性を見極めようとしている企業は少なくありません。
企業は応募者が自社の文化や価値観をどれほど理解し、それを自分の考えとどう照らし合わせているかを確認しようとしています。
なかでも「行動指針」への共感は重要です。
これは日々の仕事の土台となるものであり、考え方がそこに合っているかどうかが長期的な活躍に大きく関わってきます。
どれほど能力があっても、理念や職場の風土に共感できなければ、その力を持続的に発揮するのは難しいからです。
企業が志望動機で見ているのは「この会社で働くことに納得しているか」「日々の業務を自分ごととして取り組めるか」という、内面的な姿勢です。
【日本総研の志望動機】インターン情報
日本総研のインターンはどのように進んでいくのかについて、詳しく紹介します。
種類はもちろん、選考フローやどのような取り組みが行われるのかについても紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
- インターンの種類
- 選考フロー
- 内容
インターンの種類
日本総合研究所(日本総研)のインターンシップは夏と冬の年2回開催されており、大きく分けてコンサルタント職向けのコースとITソリューション職向けのコースが用意されています。
学部生・大学院生問わず全学年を対象としており、基本的に誰でも応募可能です。
夏季は主に8~9月ごろ、冬季は12月~2月ごろに実施されることが多く、学生は自分の都合に合わせて参加シーズンを選べます。
コースの内容は職種によって異なりますが、コンサルタント職コースでは企業の経営戦略立案やマーケティング分析など、シンクタンク・コンサルティングの業務体験が中心です。
一方、ITソリューション職コースではシステム開発プロジェクトのマネジメントや最新技術を活用した課題解決など、ITエンジニアリングに関連した実践的なプログラムが用意されています。
選考フロー
まずESの提出による書類選考から始まります。
その後、書類選考を通過した応募者はWEBテストと呼ばれるオンラインでの適性検査を受験します。
日本総研ではこの玉手箱形式の適性検査が1つの関門です。
適性検査では言語・数理などの基礎能力に加え、性格診断などが実施され、総合的な素養が評価されます。
また、面接は複数回にわたり、一次面接や最終面接が段階的に行われるケースが多いです。
各インターンコースの募集定員は20~60名程度と限られているため、狭き門となっています。
内容
インターンシップでは社員の指導の下で現場で起こりうるビジネス課題をテーマに調査分析や課題解決に取り組みます。
プログラム開始時にはまず会社概要や業界動向についての説明があり、事業内容やプロジェクトの背景を理解する時間が設けられます。
その後、参加学生たちはチームに分かれて与えられたテーマに沿ってリサーチやディスカッションを行うという流れです。
シンクタンク・コンサル系のコースでは市場データの分析や戦略立案のディスカッションなどをチームで進めます。
一方、IT系のコースではシステム開発における課題抽出や改善策の検討といった、より技術的なグループワークを体験できます。
社員はメンターとして各チームに適宜アドバイスを行い、専門的な知見やプロの視点からフィードバックを提供してくれるため、豊富な経験を積めるでしょう。
最終日には各チームがそれまでに取り組んできた成果を発表する機会が設けられ、チームの調査結果や提案内容を資料にまとめ、他の参加者や社員の前でプレゼンテーションを行うという流れです。
【日本総研の志望動機】求めている人材
日本総研がどのような人物像を求めているのかについても詳しく紹介します。
以下の5つの項目のうち、自分にはいくつ当てはまっているのかについて考えてみましょう。
また、これらは志望動機に含めるのはもちろん、自己PRの主題としても良い能力です。
この記事の目的は日本総研の「志望動機」を書くことですが、ぜひ自己PRについても頭の片隅に置きながら読んでみてください。
- 論理的思考力
- 分析力
- 専門性
- プレゼン能力
- 情報収集能力
論理的思考力
日本総研では複数の要素が絡み合う課題を整理し、筋道を立てて結論へ導く力が強く求められます。
インターンや本選考では論理的思考が問われる設問やグループワークが多く出題されるため、構造的に問題を捉えて仮説を構築し、解決に必要な要素を抜けなく整理できる力が必要です。
論理的思考とは、結論だけでなく、立論の過程を相手に納得させられる筋道を描く技術とも言えます。
集める情報やデータに対し「なぜそれが重要なのか」「どのように関連するのか」「その先にどんな行動が導き出せるか」を一つひとつ説明できる構成力が期待されます。
文章表現においても、順序立てて結論までの流れを明確に書き分けられるかが重視される点が特徴です。
論理的な構造をもって文章を組み立て、読み手が理解しやすい説明をしましょう。
分析力
膨大な情報の中から本質を見抜き、そこで得た気づきを意思決定につなげる分析力は日本総研での業務の核となる能力です。
選考でもデータに基づく調査や数値分析を通じて市場や業務の実態を明らかにするテーマが頻繁に設定されます。
業界別の売上推移や技術動向といった表面的な事象だけでなく、背景にある原因や構造を洞察し、自分なりの解釈と結論を提示する姿勢が大切です。
選考で求められるのは数値やファクトをただ並べるのではなく「なぜその数値が重要なのか」「その背景にはどんな要素があるのか」を掘り下げる姿勢です。
専門性
日本総研では経済、金融、ITなど専門領域に関する知識・技能が重視されます。
よって、大学や大学院、ゼミやアルバイトなどで得た研究成果や専門知見は選考時に差別化要因となるでしょう。
専門性とはただ知識量があることではなく、それをもとに社会や企業の課題を捉え、独自の視点を打ち出す力に他なりません。
最近では金融×データサイエンスやセキュリティ分野に特化したコースも設定されており、関連分野の知識があれば、より深い議論や提案ができるでしょう。
プレゼン能力
日本総研の選考では面接や選考課題などを通じて成果の論点を整理し、資料を構成し、ストーリーとして伝える力が問われます。
シンクタンクの仕事は調査結果や提言の価値を相手に分かりやすく的確に伝え、納得させる表現力が必須です。
専門用語を噛み砕き、非専門家にも一歩踏み込んだ洞察を提供する力が求められ、聞き手の理解度に応じて話し方や強調点を柔軟に調整できるかどうかも重要なポイントです。
プレゼン能力とはただ話すだけではなく、即興で質問に対応する思考の速さや、図やグラフを使って結論までの筋道を明確に示す力も含まれます。
本選考ではこれらの「総合的な発信力」が、選考通過のカギとなることが多いです。
情報収集能力
日本総研では、官公庁の報告書や業界レポート、公開統計、ヒアリングなどを組み合わせて、独自の視点からストーリーを構築する力が求められます。
選考課題や面接でも、与えられた情報を鵜呑みにせず、自ら補足情報を探し、背景を深く掘り下げる姿勢が重視されます。
情報収集能力が高い人は、ただ分析するだけでなく、考察を通じて深みのある提言ができ「本質に迫る視点を持っている」と評価されやすいでしょう。
正確さは大前提であり、そのうえでその情報をうまく使える人物であることを強調できると、印象が良いです。
【日本総研の志望動機】書く前の業界研究
日本総研の志望動機を作成する前に行っておきたい取り組みが、業界研究です。
シンクタンク業界がどのような業務を行っているのかについて理解できたら、次は種類や課題、将来性などについても理解しましょう。
業界について知っておくことで、説得力のある志望動機を作成しやすくなります。
種類
シンクタンクといっても、その設立母体や目的、活動内容についていくつかのタイプに分類されます。
代表的なものとしては民間系シンクタンクと政府系シンクタンクがあり、それぞれが違う役割や貢献の形を持っているため、一緒に確認してみましょう。
- 民間系シンクタンク
- 政府系シンクタンク
民間系シンクタンク
民間系シンクタンクは銀行や保険会社、商社、システム開発会社などの民間企業を母体として設立されていることが多く、営利性と専門性のバランスを重視する傾向があります。
企業の経営戦略立案支援や市場動向の分析、ITソリューションの導入支援といった業務を展開しており、クライアントの課題解決に直結するサービスを提供しているのが特徴です。
コンサルティング部門やシステム開発部門を併設している場合もあり、受託業務を通じた利益獲得を主なビジネスモデルとしています。
クライアントの意図を正確に読み取り、汲み取り、実行可能な提案を構築する力が重要です。
政府系シンクタンク
政府系シンクタンクは内閣府や経済産業省、総務省といった中央官庁やそれに準ずる公的機関の傘下で運営されています。
政策立案に必要な基礎的調査や制度設計の検討、政策の効果測定などを通じて、行政の意思決定を支える役割を担っています。
民間系に比べて収益性は重視されにくく、公共的な使命が最優先される構造となっているのが特徴です。
研究対象は少子化対策や高齢化社会への対応、地域活性化、エネルギー政策など、公共的な課題に直結するテーマが中心になります。
そのため、客観性や中立性が求められると同時に、実現可能性の高い提案を構築する責任も伴います。
課題
シンクタンクは知的資源を用いて社会や組織の課題解決を支える存在として期待されていますが、その役割の重要性が高まる一方で、いくつかの課題が指摘されているのも事実です。
以下ではシンクタンク業界が現在直面している主な課題について詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
- 競合激化
- 人材確保
競合激化
かつては行政機関や一部の大企業からの調査依頼が主な収入源だった業界ですが、現在ではその状況が大きく変化しています。
外資系の戦略コンサルティングファームやIT企業などが、従来シンクタンクが担ってきたような分析・提言型の業務に参入し、公共分野・民間分野の両方において競争が激しさを増してきたのです。
特にデジタル化やデータ分析を武器にした企業が台頭し、スピード感やアウトプットの見せ方において優位性を発揮する場面も増えてきました。
これにより、従来のシンクタンクが得意としてきた政策寄りの定性的な分析や長期的視点に基づくレポートだけでは差別化が難しくなってしまったのです。
さらに価格競争に巻き込まれることで、収益性や受託案件の継続性の低下といった影響が出始めています。
人材確保
もう1つ深刻な課題となっているのが、優秀な人材の確保と定着です。
シンクタンクの仕事には高度な専門性が求められ、社会科学、経済学、工学、環境学など各分野に深い知見を持つ人材が必要とされます。
しかし、同様のスキルを必要とする職種は多く、データサイエンティストや経営コンサルタント、国際機関の職員など選択肢は年々広がってきました。
したがって、シンクタンク単体では競争力のあるキャリアパスを提示しにくいこともあり、採用市場では苦戦を強いられています。
特に若手人材の離職率が高まっている背景には業務の専門性の高さに対するフォローの少なさや、成果が見えにくい構造など、職場環境の要因も否定できません。
こうした状況を打開するために、採用活動を強化するだけでなく、研修制度や研究支援体制の見直し、働き方の柔軟化など、労働環境を整える必要が出てきました。
将来性
シンクタンク業界は社会が直面する課題の複雑化とともに、その必要性がさらに高まると考えられています。
近年ではDXやGX、さらには経済安全保障の分野など、かつてないほど多様で先進的なテーマが注目を集めるようになってきました。
こうした分野では既存の価値観や制度では対応しきれないケースが多く、分野横断的かつ高度な知的支援が今後一層求められるようになるでしょう。
そのため、専門的な知見と論理的思考を武器に、物事の本質を見極めながら具体的な打ち手を提案できるシンクタンクのニーズは今後も継続して高い水準を保つとみられています。
特に公共政策においてはその迅速な意思決定と同時に、透明性や説明責任がこれまで以上に求められており、そうした要請を支える分析や提言を担う存在としてシンクタンクの存在感が増しています。
【日本総研の志望動機】構成
就活において志望動機を作成する際に頭の中に入れておきたいものとして、基本的な構成が挙げられます。
以下の構成は日本総研だけでなく、どのような企業を受けるに当たっても活用できる汎用的なものであり、一度覚えてしまえば、それ以降の就活が非常にスムーズに進みます。
ぜひ使えるようになっておいてください。
- 結論
- 理由
- エピソード・経験
- 結論・展望
結論
最初に明確に結論を伝えて、聞き手に話の軸を示すようにしましょう。
志望動機で「私が貴社を志望する理由は〇〇です」と明言すれば、面接官の関心を引くことができ、話の方向性をはっきりさせられます。
内容がどれほど素晴らしくても、冒頭が曖昧だと印象がぼやけてしまい、何が言いたいのか全く伝わりません。
そこで結論では自分が日本総研に対してどのような点に魅力を感じたのか、どのような点が自分の考え方と一致しているのかを簡潔に示すようにしましょう。
理由
結論の次には、なぜそのように考えるに至ったのかという理由を述べることが大切です。
この部分では自分のもともと抱いていた問題意識や価値観、人生経験などと企業の方向性がどう合致するのかを丁寧に説明しましょう。
ただ企業の事業内容について述べるだけでなく、どのような視点からその事業に関心を持ったのか、自分の思考や方向性とどのように合致したのかを伝えることで説得力が高まります。
また、世の中のどのような課題に関心を持っているか、それに企業がどう向き合っているのかといった視点を当てていくと、より深い理由づけができるようになるでしょう。
エピソード・経験
次に、理由を裏付ける具体的なエピソードや経験を紹介しましょう。
ただ事実を並べるだけでなく、どのような背景があり、どのような行動を通じて何を得たのかという流れで構成することをおすすめします。
大学、ゼミ、部活、アルバイト、インターンなど実際に体験したことを通じて得た気づきや価値観の変化を交えながら、前述の理由とのつながりを明確にすることが大切です。
エピソードを通じて自分の思考や行動の傾向が見えれば、相手も入社後のイメージを抱きやすくなります。
ただし、経験の内容を述べるだけでなく、それを通じて何を学び、それがなぜ日本総研への共感につながったのかまで説明することが重要です。
結論・展望
最後にもう一度結論を述べ、入社後にどのような形で企業に貢献したいかを述べて、志望動機全体を締めくくりましょう。
自分の将来像やキャリアビジョンを企業の方向性と結びつけて語ることが大切です。
ただ「働きたい」と述べるだけでなく、その環境で自分の〇〇という強みを活かして〇〇の分野で価値を出したいといった形で、主体的に企業と関わっていこうとする姿勢を示すことが大切です。
また、この展望が企業の中長期的な課題意識や理念と合致していると、ともに歩んでいける人材として評価されやすくなります。
しっかりと企業研究を行っていることをアピールできるよう、将来への展望を明確に示しましょう。
【日本総研の志望動機】注意点
日本総研の志望動機を作成するにあたって覚えておきたい注意点を4つ紹介します。
以下の4点は日本総研だけでなく、シンクタンク系の企業を受けるならば必ず覚えておきたいポイントです。
意識しないと気づかぬうちにマイナスな印象を与えてしまう可能性もありますから、特に面接前には確認してください。
- 社会貢献がしたいだけ
- 受け身の姿勢
- 漠然とした課題への言及
- コンサルとの混同
社会貢献がしたいだけ
志望動機に社会貢献という言葉を盛り込む就活生は多くいますが、それだけでは説得力が不十分です。
シンクタンクだけでなく、ほとんどの企業が社会貢献を目指しているため「なぜシンクタンクなのか」「なぜ日本総研なのか」と具体性が求められます。
社会貢献という抽象的な理想だけでなく、自分が注目している社会課題や関心分野がシンクタンクのどのような活動と合致しているのかを明確にしなければなりません。
さらに、その企業がどのような切り口で課題に取り組んでいるのか、自分がその姿勢にどのような価値を感じたのかを言語化することが大切です。
「社会を良くしたい」という思いを語ることは悪いことではありませんが、それをそのまま志望動機にするとなると、自分の経験や視点を絡めてさらに具体化していくことが重要です。
受け身の姿勢
「学びたい」「成長したい」といった言葉は志望動機で多用されがちですが、あくまでそれは自分側の視点で、企業側が知りたいのは「入社後どのように貢献してくれるのか」という視点です。
シンクタンクは自分で課題を見つけ、データや知識を駆使して提言を行う、主体的な姿勢が求められる仕事です。
したがって、受け身の印象を与えると「本当にこの人は活躍できるのか」という疑問を持たれてしまう可能性があります。
自分が持つ知識や考えをどう活かせるか、自分の中にある関心がシンクタンクのどの領域に応用できるかという視点で構成を練ることが重要です。
「〇〇を吸収したい」ではなく「〇〇の分野でこういった活躍をしたい」と伝えるよう意識しましょう。
漠然とした課題への言及
少子化、地域創生、教育格差など社会課題への関心を示すことは非常に良いことですが、それだけで終わってしまうと漠然とした印象になってしまいます。
重要なのはその課題に対して自分がどのような問題意識を持ち、どのような視点で解決に関わりたいのかという点です。
自分なりの仮説や問いを持っていることが伝わるように工夫しましょう。
これまでの経験をもとに、なぜその課題に関心を持ったのか、どのような切り口でアプローチしたいのかを言語化して、面接官にとって印象に残る内容にすることが大切です。
ただ社会課題について知っていることをアピールするのではなく、その背景にある原体験や思考の深さを示すことで、他の就活生に差をつけられます。
コンサルとの混同
シンクタンクとコンサルティングファームはどちらも課題解決を行う仕事であるため混同されやすいですが、志望動機では両者の違いを明確に理解していることを示す必要があります。
シンクタンクは個別企業の利益最大化よりも、社会全体や制度、政策レベルの課題を対象とするケースが多く、より長期的かつマクロな視点での提言が必要です。
志望動機でも企業支援をしたいという内容ばかりを強調してしまうと「コンサル業界との違いを分かっていない」と思われてしまいます。
シンクタンクを志望する以上は、社会構造や制度の変化に関心を持っていること、公共的な視点で物事を捉える力があることを示すべきです。
【日本総研の志望動機】例文
ここまで紹介してきた内容を踏まえたうえで作成した日本総研の志望動機を3つ紹介します。
いずれも日本総研の採用担当者に響くような、完成度の高い文章であるため、あなたが話そうと思っている内容に近いものはもちろん、残りの2つも注意深く読んでみてください。
例文①
例文②
例文③
【日本総研の志望動機】NG例文
就活において重要なのは質の高い例文を読むことはもちろん、反面教師として使える悪い例文を読み、その何が悪いのかについても理解することが挙げられます。
先ほど紹介した注意点を意識せずに作成されたNG例文を4つ紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
- 社会貢献がしたいだけの例文
- 受け身の姿勢の例文
- 漠然とした課題への言及の例文
- コンサルとの混同の例文
社会貢献がしたいだけ
解説
社会貢献について触れているだけで、なぜ日本総研なのか、なぜシンクタンク業界を目指しているのかが全く伝わってきません。「社会貢献がしたいだけならば別の業界や別の企業でも良いのでは?」と突っ込まれてしまうでしょう。
受け身の姿勢
解説
とにかく「学ばせてもらいたい」という受け身の姿勢が強すぎる文章です。確かに、企業は「入社初日から大車輪の活躍をしてほしい」とまでは思ってはいません。しかし、受け身で、まるで学生のように「学びたい」と思っているだけの人物を欲しいとは思っていません。もう少し、企業にどのように貢献できるのかを具体的に説明するようにしましょう。
漠然とした課題への言及
解説
幅広い業務に携わりながら、日本が抱える社会問題の解決に携わることを目指しています。「日本を良くしたい」という思いは伝わってくるのですが、結局何がしたいのか全く分かりません。少子高齢化など、いくつか問題を列挙していますが、どのように企業に貢献してくれるのかが全く分かりません。さすがに漠然としすぎているため、1つのテーマに絞って、もう少し具体的に話すことを心がけましょう。
コンサルとの混同
解説
確かにシンクタンク業界の中にはコンサルのような業務を行うところもありますが、この書き方だと「それなら、コンサル業界を受けてください」と言われておしまいです。
確かに業務においては似ている部分もあり、どちらも「誰かの役に立つ」仕事であることは間違いありません。
しかし、コンサルではなく、シンクタンクを目指していることを再度確認し、そして、もう少し日本総研ならではの要素について話せるようにしましょう。
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ここまで日本総研について徹底的に詳しく紹介し、さらに志望動機のポイントや注意点などについても紹介しました。
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【日本総研の志望動機】終わりに
今回は日本総研を目指している方のために、シンクタンク業界の取り組みや種類などについて徹底的に詳しく紹介した後、日本総研の業務内容や求める人物像、そして志望動機の作り方などについて詳しく紹介しました。
日本総研は多くの人が知っている有名企業ですが、入念な対策を行えば、内定を得ることは不可能ではありません。
ぜひこの記事を参考に、説得力のある志望動機を作成し、内定を掴み取ってください。
