営業職の種類は?特徴やスキル、向いている人を徹底解説!

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・営業職の種類
・営業職に必要なスキル
・営業職のやりがい/大変な部分

この記事をおすすめしたい人

・営業職を検討している人
・営業職の中でもどの職種を目指すか検討中の人
・営業職がきついと聞き、懸念している人

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はじめに

営業職と言っても様々な種類が存在し、それぞれ求められる役割や適性は異なります。

そこで今回は営業職を目指している方のために、営業職の種類をありとあらゆる側面から解説します。

この記事を読めば営業職に関する知識を大幅に深められるため、ぜひ参考にしてみてください。

営業職とは?

営業職とはみなさんご存知の通り、企業の商品やサービスを顧客に提案し、販売や契約につなげることを目的とする仕事です。

企業の利益を左右する重要な役割を担っており、顧客のニーズを把握し最適な提案を行うことが求められます。

ただ商品を売るだけでなく、顧客と長期的な信頼関係を築き、契約を長期化させることも役割の1つです。

新規顧客や既存顧客へのフォロー、顧客の課題解決や商談、契約、そしてアフターフォローも行います。

そんな営業職ですが、事務職や販売職とはどのような点が異なるのかについても理解を深めておきましょう。

事務職との違い

営業職と事務職は業務の目的や働き方に大きな違いがあります。

営業職は企業の売上を生み出す最前線で活動し、顧客との信頼関係を築き、商品やサービスを提案して契約へ、受注へとつなげていくのが仕事です。

外部との接点が多く、社外の人と関わる場面が毎日のようにあり、対応を求められます。

一方、事務職は基本的に社内での業務が中心で、営業部門や他の部署を支えます。

書類の作成、データの入力、スケジュール管理、顧客情報の整理など、円滑な業務進行を支えるための正確性と丁寧さが求められる仕事です。

販売職との違い

販売職と営業職も一見似ているようで、業務内容や働き方には明確な違いがあります。

販売職は主に店舗などの現場でお客様に対して商品を提案し、購入に結びつけることが仕事です。

来店した顧客に対してその場で対応するというスタイルで、接客のスキルや商品知識が重視されます。

対して、営業職は自分から顧客の元へ出向いたり、アポイントを取って訪問したりしながら、相手の課題やニーズを引き出し、それに合わせた商品やサービスを提案することが基本です。

販売職は比較的短期的な接客が中心となるのに対し、営業職は長期的な関係構築が求められ、契約成立まで複数回の打ち合わせが必要になることも多いです。

営業職の主な役割

営業職の主な役割は自社の商品やサービスを顧客に提案し、信頼関係を築きながら契約に結びつけていくことです。

ただ商品を売るだけでなく、顧客が抱えている課題やニーズを把握したうえで、それに合った解決策を提示する力が求められます。

顧客とのやり取りは一度限りではなく、継続的な関係を築くことが基本となるため、初回の商談から契約後のフォローアップに至るまで、長期的な視点で関係性を育てていく姿勢が必要です。

また、営業職には数字としての成果が明確に求められる点も特徴です。

売上目標を達成することが評価の基準となることが多く、ただ商品を紹介するだけでなく、顧客の信頼を獲得して、相手が納得してくれる提案をすることが求められます。

営業形態による分類

営業職には様々な分類がありますが、まずは営業形態による分類を紹介します。

この方法での分類だと、大きく分けて5つの種類が存在します。

自分がどのタイプの業態で働きたいか、考えながら読んでみてください。

メーカー営業

メーカー営業は自社で製造した商品を直接顧客に提案、販売する営業スタイルです。

製品に対する深い知識を持つことが求められ、その製品がどのような特徴を持ち、どのような点がおすすめかを、ニーズに合わせて分かりやすく伝える必要があります。

顧客が抱える課題や現場の状況をヒアリングし、自社の製品をどう活用すれば改善につながるか論理的に説明する力が最も問われます。

また、製造工程や品質管理に関する質問を受ける場面もあるため、社内の開発部門や製造部門との連携も重要です。

顧客は技術的な部分に高い関心を持つことも多いため、製品への理解を深めるための継続的な学びも欠かせません。

商社営業

商社の営業はメーカーとは異なり、自社で製品を製造していない点が大きな特徴です。

国内外の様々なメーカーや仕入れ先から商品を調達し、顧客の要望に応じた最適な組み合わせを提案することが役割となります。

取扱いの幅は非常に広く、顧客によって求める条件も異なるため、情報収集力と柔軟な対応力が不可欠です。

価格、納期、品質、サービス体制など様々な要素を考慮しながら複数の選択肢を比較し、顧客にとって最善の提案を行うことが求められます。

また、輸出入や為替といった国際取引に関する知識が求められる場面も多く、グローバルな視点で物事を捉える力が身につく営業スタイルでもあります。

代理店営業

代理店営業は自社の商品やサービスを実際に販売してくれる代理店と良好な関係を築きながら、間接的に売上拡大を目指す営業スタイルです。

自社が直接エンドユーザーに販売するのではなく、代理店を通じて販売活動を行うため、代理店が自社製品の魅力を正しく理解し、積極的に販売できる体制を整えることが重要です。

したがって、代理店に対する製品の説明会や販促資料の提供、営業支援ツールの整備など、情報提供や育成を含めたサポート業務が多く含まれます。

また、代理店ごとに得意な販売チャネルや顧客層が異なるため、それぞれの特徴に応じた提案やアプローチが重要です。

サービス業営業

サービス業営業は形のある製品・商品を売るのではなく、無形のサービスを顧客に提供する営業です。

そのため、サービスの内容をいかに魅力的に伝えるかが重要であり、顧客のニーズを深く引き出す力が求められます。

保険、ITソリューション、コンサルティング、広告、人材サービスなど様々な分野でこの営業スタイルが活用されており、それぞれの業界に特化した知識や提案スキルが求められます。

サービス内容は目に見えないため、顧客に安心感や信頼を持ってもらうことが非常に重要です。

契約までの過程ではヒアリングを通じて課題を明確にし、それに合わせたサポートの仕組みや成果の見込みをわかりやすく説明することが求められます。

小売・流通業営業

小売・流通型営業は消費者向けの商品を取り扱う企業にとって欠かせない営業スタイルで、主に量販店や専門店などの小売店に対して自社商品の導入や販促を提案する役割を担います。

商品の特性やトレンドを把握したうえで、どの売場に展開すれば売上が伸びるかを考え、店舗担当者と交渉なども行います。

また、売れ筋の商品や季節ごとの需要変動に応じて提案内容を変える必要があり、販売データ、消費者の動向を分析する力も問われます。

メーカー営業や商社の営業と異なり、エンドユーザーに近い視点で動くため、消費者のニーズを直に感じながら営業活動を行える点が特徴です。

対象顧客による分類

営業には顧客の対象による分類もあります。

法人を相手に営業を行うBtoBと、個人を相手に営業を行うBtoC、そして公共事業を相手に行う営業が存在します。

誰を対象として営業を行うことが自分に向いているか、考えながら読んでみると良いでしょう。

法人営業(BtoB)

法人営業は企業や団体などの法人を相手に商品やサービスを提案する営業形態です。

主な目的は相手企業の業務効率化や課題解決につながるような商材を提供し、ビジネスの発展に寄与することです。

商談では製品のスペックや価格はもちろん、導入後の運用体制や効果予測、サポート体制などについても細かく検討されます。

契約に至るまでの期間が非常に長く、複数の部署や担当者を巻き込む形での交渉が進むことが多いため、論理的な説明力や信頼関係を得るための粘り強さも求められます。

また、顧客によって業種や事業規模が異なるため、個別の課題に対して柔軟に提案内容を調整していく力も必要です。

個人営業(BtoC)

個人営業は一般の消費者を対象に商品やサービスを提案、販売する営業活動です。

扱う商材は住宅、自動車、保険、通信サービス、衣料関連サービスなど多岐にわたり、消費者のライフスタイルや価値観に寄り添いながら提案を行う点が特徴です。

顧客との接点は店頭、訪問、電話、オンラインなど多岐にわたり、短い接触時間の中で信頼を得るスキルが求められます。

商材によっては高額なものも多く、購買の決定には不安や迷いがつきものです。

したがって、ヒアリングを通じて丁寧にニーズを引き出し、不安を取り除きながら安心して選んでもらえるような接客の姿勢が求められます。

公共営業(官公庁・自治体向け)

公共営業は官公庁や自治体、教育機関などの公共機関を対象に行う営業活動です。

一般的な企業を相手の営業とは異なり、入札制度や公的予算、調達ルールといった特有の仕組みを理解したうえで提案を行う必要があります。

業務の進行は法令やガイドラインに則って行われるため、価格や仕様だけでなく、書類の提出方法や納期の厳守など、形式面での正確さも求められます。

また、一度の契約で数年単位の長期的な取引が始まることも多く、初回の提案だけでなく、継続的な信頼関係の維持が営業成果に直結する仕事です。

公共機関は慎重な意思決定を行う傾向があるため、結果が出るまでに時間を要することもありますが、その分、大型の契約につながる可能性もあります。

新規・既存顧客による分類

続いて、新規・既存顧客による分類方法を紹介します。

営業には新しい顧客を増やすための新規開拓営業もあれば、すでに契約を結んでいる顧客に対してフォローを行ったり、さらに新しい商品やサービスを提案したりするものも存在します。

それぞれ求められる役割は大きく異なるため、理解しておくと良いでしょう。

新規開拓営業

新規開拓営業とは、これまで接点のなかった企業や個人に対して自社の商品やサービスを提案し、新たな取引先として関係を築いていく営業活動です。

電話やメール、飛び込み訪問、展示会などの機会を通じてアプローチし、興味を持ってもらうところからスタートします。

認知されていない段階から相談の機会を作るためには、提案の切り口や話の展開に創意工夫が求められます。

相手のニーズを理解し、関心を引き出すプレゼンテーションができるかどうかが商談成立に直結します。

また、新規開拓は断られることも多いため、気持ちを切り替えて次に進むメンタルの強さや継続的な努力が欠かせません。

既存顧客フォロー営業

既存顧客フォロー営業は名前の通り、すでに取引を行っている顧客に対して継続的にアプローチし、関係性を維持、さらに強化することを目的とした営業活動です。

ただ契約を更新してもらうだけでなく、定期的なヒアリングを通じて顧客の満足度を確認し、新たなニーズや潜在的な課題に気づくことも重要です。

顧客の業界の動向や組織の変化などにも目を配り、必要に応じて新しい提案やサポートを行い、顧客との信頼関係を深めることが求められます。

こうして関係の積み重ねが、他社への乗り換えを防ぎ、長期的な取引につながるのです。

常に信頼関係がある分、対応のスピードやアフターフォローの丁寧さへの期待値が高く、細部まで気を配った対応が求められます。

「新規開拓より楽」という印象がある人も多いでしょうが、こちらはこちらで別のスキルが求められるのです。

クロスセル・アップセル営業

クロスセル・アップセル営業とは既存の顧客に対して取引の幅や金額を広げることを目的とした営業の手法です。

クロスセルは関連する別の商品やサービスを提案する方法で、ソフトウェアを購入した顧客に対してサポートパッケージや拡張機能を提案するといったケースが挙げられます。

一方、アップセルは顧客が現在利用している商品やサービスよりも、より高性能なものや上位のプランを提案する営業活動です。

これらの提案は顧客にとって利便性や成果を高めるものである必要があり、一方的に売り込むのではなく、顧客の状況や課題にしっかりと寄り添ったうえで行われることが大前提となります。

商品利用状況や業務課題を深く理解する洞察力と、適切なタイミングで魅力的な提案ができる企画力が求められます。

その他の分類・手法による分類

営業にはその他にも様々な分類が存在します。

代表的なものを全て紹介するため、自分に向いているものが何か考えてみてください。

営業職を全て網羅しているため、これさえ読んでおけば、後になって「もっと自分に向いている営業方法があったのに、就職先を間違えた」と後悔することはないでしょう。

ルート営業

ルート営業はあらかじめ決まっている取引先や顧客を定期的に訪問し、既存の関係を維持しながら取引の継続やさらなる拡大を目指す営業スタイルです。

主な目的は商品の納品確認や在庫状況のヒアリング、サービスの使用感の把握など多岐にわたりますが、常に顧客の状況を把握し、必要があれば迅速に対応する姿勢が重要です。

定期的に訪問することで顧客との信頼関係を築き、取引の継続を目指します。

また、定期的に顔を合わせることで相談や新たな要望を引き出しやすくなり、より具体的な提案や課題解決につながる機会も広がります。

安定的な受注が見込める点は企業にとって大きなメリットですが、その信頼を維持するためにはきめ細やかな対応や相手の小さな変化に気づく観察力が欠かせません。

反響営業

反響営業は広告やWebサイトなどを通じて商品やサービスに興味を持った顧客からの問い合わせに対し、商談へとつなげていく営業スタイルです。

自分で積極的にアピールするのではなく、顧客からの反応を起点に話が始まるため、興味関心のある相手に対して対応できる点が特徴です。

しかし、問い合わせを受けた段階で検討段階にある顧客に対しては他社との比較や価格交渉が前提になるケースも多く、提案力や説明力が試されます。

ただ情報を並べるだけでなく、顧客のニーズや悩みを引き出しながら、最適なプランを提案する力が必要です。

反響があるからといって必ず成約に至るとは限らないため、丁寧にヒアリングを行い、提案を通じて信頼を深めることも欠かせません。

テレアポ営業

テレアポ営業は電話を活用して新たな見込み顧客にアプローチし、商談のきっかけを作る営業の手法です。

担当者がリストを元に電話をかけ、相手の課題や関心を引き出しながら訪問やオンライン商談のアポイントを取得します。

直接的に顧客と話す機会を得られるため、声のトーンや話し方ひとつで印象が大きく左右される点が特徴です。

また、相手は電話営業に対して慎重な場合がほとんどであるため、短時間で信頼感を生み出すスキルが必要とされます。

無言で電話を切られることも多く、心が折れそうになることもありますが、その分、成約につながった時の達成感は大きい営業の手法であると言えるでしょう。

受付営業

受付営業は店舗やショールーム、窓口などに来訪した顧客や問い合わせを行った人に対して、商品やサービスを紹介、提案する営業です。

顧客の方から訪れてくれる点では反響営業と似た部分がありますが、対面での対応が中心であるため、身だしなみや態度、話し方などの印象が非常に重要になります。

来訪者は購入や契約に前向きな場合もあれば、まだ検討段階で情報収集を目的にしていることもあり、その状況に応じた対応が必要です。

短時間で信頼を得て商品やサービスの魅力を伝える必要があるため、的確なヒアリング力と説明力が欠かせません。

深耕営業

深耕営業はすでに取引のある顧客に対してより深い提案を行い、取引金額の増加や新たなサービス導入などを目指す営業スタイルです。

ただ商品を提供するだけでなく、顧客の今後の事業展開や経営課題にまで踏み込んだ提案が求められることが多く、業界の知識や提案力、課題解決に向けた発想力が重視されます。

また、顧客と長期的に信頼関係を築くことが前提となるため、訪問頻度や連絡の密度、商談以外でのコミュニケーションなども含めた継続的な関係づくりが欠かせません。

単発の商談に比べて提案の準備や情報収集に時間をかけることになりますが、それだけに一度獲得した契約は長期間にわたる安定収益につながる可能性が高いです。

カウンターセールス

カウンターセールスは店舗やショールームのカウンター越しに来店した顧客へ対応して、その場で商品やサービスを提案、販売する営業の手法で、主に旅行代理店、不動産、保険、金融機関に勤務します。

顧客はある程度の目的意識を持って来店していることが多いため、関心を持っている商品やサービスに対して丁寧かつ的確に説明を行うのが仕事です。

限られた時間の中で顧客の要望を引き出し、それに合った提案を行う力が求められるため、ヒアリング力や観察力、そして瞬時の判断力が求められます。

また、初対面で信頼されるためには言葉遣いや身だしなみ、表情など細やかな部分への配慮が欠かせません。

カウンター越しという環境上、空間的な距離を感じさせない接客姿勢が重要であり、安心して質問や相談ができる雰囲気を作ることが重要です。

テレコール営業

テレコール営業は電話を通じて既存顧客や見込み顧客に定期的に連絡し、関係の維持や商品・サービスの案内を行う営業スタイルです。

問い合わせの対応とは異なり、こちらから働きかけることによって接点を持ち続け、顧客の記憶に残ることを目的としています。

定期フォローやキャンペーンの案内、契約更新の提案などを通じて継続的な接点を築くことが可能であり、信頼関係の維持に貢献できます。

話す内容は事前に整理しておく必要があり、的確かつ簡潔に情報を伝える力が重要です。

テレアポと比較すると、見込み顧客だけでなく、既存の顧客にも電話をかける点が相違点と言えます。

飛び込み営業

飛び込み営業は皆さんがイメージする営業職の代表的な例であると言えるでしょう。

事前にアポイントを取らずに企業や個人宅を訪問して、その場で商品やサービスを紹介する営業スタイルです。

現場の判断で訪問先を決定することが多く、相手が予期していないタイミングで営業を受けることになるため、第一印象の重要性が極めて高いです。

短時間で関心を持ってもらい、興味を引き出す話し方が求められます。

さもないと、話を聞いてもらうことすら難しいでしょう。

一方で、直接会って話ができるため、電話やメールでは得られない反応や課題を発見できます。

成果が出るまでに時間や労力を要するものの、自分の行動がそのまま成果に直結する営業でもあり、目標に向けて粘り強く取り組む姿勢が大切です。

インサイドセールス

インサイドセールスは電話やメール、Web会議などの非対面手段を活用し、顧客対応や商談を行う営業の方法です。

フィールドセールスのように訪問を前提としないため、会社のデスクに座ったまま、または在宅で多くの顧客に効率的にアプローチできる点が特徴です。

営業の中でも初期段階の情報提供やヒアリングを担当することが多く、見込み顧客の育成を担うことが主な役割となります。

したがって、関係性を構築したうえで次のステップとしてフィールドセールスに引き継ぐ体制が整えられていることも多いです。

非対面でのやり取りが中心であるため、相手の反応を読み取る力や、言葉だけで信頼を築くスキルが重要です。

フィールドセールス

フィールドセールスは顧客のもとへ実際に足を運び、対面で商談を進める営業のスタイルです。

顧客の状況やニーズを直接把握できることが最大の強みであり、細かな提案や交渉をその場で柔軟に行える点が特徴です。

製品の実物を見せたり、デモンストレーションを行ったりといった対面ならではの説明ができるため、相手の理解を深めやすいというメリットがあります。

一方、訪問にかかる時間や移動コストが発生するため、効率よくスケジュールを組む力や事前準備の精度が成果に大きく影響します。

また、現場での顧客の反応を細かく観察し、話の流れに応じて即時に対応を変えられる柔軟性も必要です。

成約に至るまでのプロセスでは信頼関係が重要となるため、誠実な対応や丁寧なフォローアップが欠かせません。

アカウントエグゼクティブ

アカウントエグゼクティブは特定の企業や大手の顧客を担当し、長期的な信頼関係を築くことを重視する営業職です。

商品やサービスを販売するだけでなく、顧客企業の課題やニーズを深く理解したうえで、それに合わせた適切な提案を行うことが求められます。

1社ごとの対応に時間をかけることが多く、信頼の蓄積を通じて中長期的な取引を拡大していく姿勢が基本となります。

自社の商品知識や業界知識に加え、顧客企業の組織構造や意思決定フローまで把握することが重要です。

顧客からの信頼を獲得し、社内の複数の部署と連携しながら提案を形にしていく必要があるため、情報の把握と説明、そして各部署と協力して業務を進めるスキルが問われます。

ある意味では「営業職というより、コンサルに近い」と言った方が正確かもしれません。

技術営業(プリセールス含む)

技術営業は製品やサービスに関する高度な専門知識を持ち、それをもとに顧客へ提案、説明を行う営業職です。

プリセールスとも呼ばれることがあり、営業担当者とともに商談に同席し、技術的な面からのサポートを行うことが主な役割です。

特にIT、機械、電気、建設などの分野では製品の仕組みや導入プロセスに関する理解が不可欠であり、顧客からの質問に対して具体的かつ正確に応答することが求められます。

一般的な営業職とは異なり、販売する製品を深く理解していなければ提案が成立しないため、技術と営業の両面をバランスよく持つ人物が重宝されます。

製品導入後にもトラブル対応や技術支援を行うこともあり、継続的な信頼関係の構築が必要です。

海外営業

海外営業は文字通り、国外の顧客や取引先とやり取りを行う営業職であり、語学力とともに文化や商習慣への理解が求められます。

現地の企業や代理店との商談、見積書の作成、契約交渉、納期調整などの業務が代表的であり、多様な国や地域に対応する柔軟性が欠かせません。

また、商談相手の国によって価値観や決定プロセスが大きく異なるため、相手の立場や背景を踏まえた対応が重要となります。

国内の営業と比べて、より慎重な言葉選びや文書の作成が求められることもあり、契約書やインボイスなどを正確に取り扱う力は不可欠です。

市場調査や展示会の出展を通して新たな販路を開拓する機会もあり、フットワークの軽さと積極的な情報収集力も評価されるポイントの1つです。

医薬営業(MR)

医薬営業、いわゆるMRは製薬会社に所属し、医師や薬剤師などの医療従事者に対して医薬品の情報提供を行う営業職です。

製品の特性や効果、副作用、使用上の注意点といった情報を正確に伝えることが求められ、説明内容は医療知識に基づく高度な内容となります。

したがって、医療業界への理解はもちろん、学術的な知識を日々アップデートする姿勢が欠かせません。

医療機関は安全性や根拠に対して非常に慎重であるため、数値や論文を用いた説明が求められる場面も多く、説得力ある資料作成や丁寧な説明力が重視されます。

無形商材営業

無形商材営業とは、文字通り形のないサービスやソリューションを顧客に提案する営業スタイルです。

保険、通信サービス、人材、コンサル、広告などの分野で行われます。

取り扱う商品が目に見えないため、顧客に対してこのサービスが自分にどのような価値をもたらすのかを納得してもらうことが不可欠です。

したがって、サービス内容の説明に加えて導入後の効果や活用の仕方までをイメージできるように、言葉で丁寧に伝える能力が求められます。

顧客は形のないものに対して慎重になる傾向が強いため、営業担当者自身の説明力や対応力が商談の成否を大きく左右します。

有形商材営業

有形商材営業は目に見える商品や機器を扱う営業であり、製造業、商社、工業、住宅設備、家電、食品業界など幅広い分野で導入されています。

物理的な形があるため、顧客が実物を確認できるという点で提案の即効性があり、展示や実演を通じて商品への理解を深めてもらえる機会も多いです。

しかし、その一方で商品そのものの価格が比較の対象となりやすく、付加価値の提示が営業において重要です。

顧客はすでに類似商品を知っていることも多いため、自社製品の強みを明確に伝えられるかどうかが成約に直結します。

また、納期や在庫の確認、導入後のサポート体制の説明など、商品を販売するだけでなく、その後の流れまでを見据えた提案が求められます。

営業職の働き方

営業職の働き方にはどのようなものがあるのかについても紹介します。

営業職というと「暑い中、スーツを着て汗だくになりながら歩き回っているサラリーマン」を想像する人も多いはずです。

しかし、中には内勤で完結するタイプの営業もありますし、内勤と外勤を組み合わせたものも存在します。

自分が営業職としてどのような働き方をしたいかを明確にしておくと、企業選びもしやすいでしょう。

内勤営業(内勤で完結する営業)

内勤営業はオフィス内で営業活動を完結させるスタイルであり、電話やメール、Web会議などの手段を活用して顧客とやり取りを行います。

顧客先に出向く必要がないため時間効率が非常によく、1日に対応できる件数が多いという特徴があります。

特に最近では非対面でのコミュニケーション手段が進化しており、相談の質を高めながらも移動に伴う負担を抑えることが可能になってきました。

業務内容としては新規顧客へのアプローチや既存顧客へのフォローアップ、提案資料の作成、商談の調整などがあり、パソコンを活用した事務的な作業も多いです。

対象となる商材がIT製品やサービスなど、非対面でも内容が伝えやすく、導入後のサポート体制が整っているものが中心です。

外勤営業(訪問中心の営業)

外勤営業は社外での活動が中心となる営業の働き方です。

顧客先への訪問をはじめ、展示会や打ち合わせなど、オフィスを離れて過ごす時間が長いのが特徴と言えます。

特にBtoBの分野では導入商材の規模や複雑さから対面でのやり取りが求められることが多く、関係構築や課題把握のために複数回訪問するケースも多いです。

営業担当は商談相手だけでなく、社内の技術部門などとやり取りを重ねながら全体の状況を把握することが大切です。

また、1日のうち複数の企業を訪問することも多いため、時間管理やルート設計の工夫も重要と言えるでしょう。

訪問営業(顧客先へ出向くスタイル)

訪問営業は外勤営業の中でも、特に顧客のもとに出向いて直接話をすることを重視した営業のスタイルです。

電話やメールでは伝わりにくいニュアンスや顧客の表情、反応などを捉えながら提案を行う点に特徴があります。

事前にニーズをヒアリングし、訪問当日は資料やデモを使って丁寧に説明することで、商談の質も高めることが求められます。

また、訪問先での環境や雰囲気から、言葉にはされない潜在的な課題を見つけ出せる点も訪問営業の強みです。

つまり、訪問営業は「営業スタイルとしての特性に注目した用語」であり「『外勤営業』という働き方の中に含まれる概念である」と覚えておいてください。

ハイブリッド営業(内勤×外勤)

ハイブリッド営業は内勤営業と外勤営業の両方の特徴を取り入れた営業スタイルです。

顧客の状況や商材の性質に応じて、働き方を柔軟に変えられる点が魅力と言えます。

最初のアプローチや簡単な説明はオンラインや電話で行い、より詳細な提案や契約の詰めの段階では顧客先に出向いて対面でやり取りを行うなど、段階的な対応が可能です。

このように、効率的な情報伝達と信頼関係の構築を両立させることができるのが特徴であり、営業活動の幅を広げる働き方として注目され始めました。

営業活動全体の中で、訪問が必要なタイミングを見極め、効率的に商談を進める力が求められます。

社内で資料を作成しながら空いた時間に顧客とオンラインで接点を持つといった柔軟な働き方ができる点も魅力です。

営業職のキャリア

営業職のキャリアには様々なものが存在します。

定年まで営業職として働くだけでなく、営業リーダーやマネージャーになったり、営業コンサルタントを担当したり、マーケティング寄りの業務を行ったりすることもあります。

自分がまず営業職として就職し、その後はどのようなキャリアを歩んでいきたいか考えてみてください。

営業リーダー/マネージャー

営業リーダーやマネージャーは営業活動の最前線に立ちつつ、チームの統括や育成といったマネジメント業務を行う存在です。

プレイヤーとして顧客と向き合いながら自分の実績を追求すると同時に、メンバーの行動や成果も把握し、組織全体の目標達成に導くことが重要です。

役割としては各々のメンバーの得意分野や課題を理解し、それぞれが最大限の力を発揮できるよう働きかけることが求められます。

また、数字の管理だけでなく、定期的な面談やフィードバックを通じて成長を促すことも重要です。

営業活動が思うように進まないメンバーとアプローチの方法や提案内容を共に見直すなど、結果につなげる伴走的な姿勢が欠かせません。

営業企画(戦略・マーケティング寄り)

営業企画は営業現場で蓄積された顧客の情報や市場動向をもとに戦略や施策を立案し、組織全体の営業活動を支援する役割を担います。

営業部門に所属することもあれば、経営企画やマーケティング部門と連携しながら、全社的な視点で業務を行うこともあります。

日々の業務では売上のデータや顧客の属性を分析し、新たなターゲット層やアプローチ方法を明確化し、営業担当者がより効率的かつ成果に結びつく活動ができる仕組みを構築することが重要です。

また、新商品の販売戦略の立案やキャンペーン施策の企画など、営業推進に関わる幅広い業務を担うことも多く、現場とのコミュニケーションを通じて実行可能な提案を行う視点が求められます。

営業コンサルタント

営業コンサルタントは自社の営業組織ではなく、外部のクライアント企業に対して営業活動の改善提案を行う職種です。

業界や企業ごとに異なる営業の課題を把握して、戦略立案や現場への落とし込み、教育支援などを行い、クライアントの営業力強化を目指します。

この職種に就くには幅広い業界知識や営業のノウハウが求められ、現場での経験はもちろんのこと、分析力や課題発見力も必須です。

ヒアリング、提案書の作成、経営層へのプレゼンテーション、現場スタッフへの施策導入支援に至るまで多岐にわたります。

プロジェクトごとに業界も規模も異なるため、状況に応じた柔軟な思考と高い専門性の両立が欠かせません。

セールスイネーブルメント(営業支援職)

セールスイネーブルメントは営業担当者が最大限の成果を上げられるよう、教育やツール提供、情報整備などを通じて支援する職種です。

近年では営業活動の複雑化やデジタル化に伴い、個々のスキルや知識の差が成果に直結するようになっており、そのギャップを埋める仕組みづくりが求められるようになってきました。

営業スクリプトの作成、トレーニングプログラムの設計と実施、商談で活用する提案資料の整備などを行います。

また、CRMやSFAといった営業支援ツールの活用状況を把握し、改善提案を行うことも重要な業務の1つです。

営業活動を裏から支えるポジションではあるものの、現場との信頼関係が成果に直結するため、実務理解や、現場と密な連携を維持できるコミュニケーション能力が不可欠となります。

営業職のやりがい・メリット

続いて、営業職のやりがいとメリットについても紹介します。

以下の要素は、営業職であるならばどのような企業でも享受できる可能性の高いものです。

営業職は決して楽ではありませんが、その分、以下のようなやりがいを感じられることでしょう。

就活へのモチベーションを高めるためにも、そして志望動機に書く項目を見つけるためにも、ぜひ読んでみてください。

顧客との距離が近く、貢献を実感しやすい

営業職のやりがいの1つに、顧客との距離の近さが挙げられます。

商品やサービスを提案する過程で、相手のニーズをじっくりと引き出し、課題を理解しながら最適な提案を行っていくため、日々のやり取りの中で信頼関係を築きやすいです。

その結果として契約が成立した際には、ただ数字を達成した以上の喜びが生まれます。

その解決に貢献する過程そのものが仕事の核であり「相手の言葉」に直接触れる機会が多いのも特徴です。

相手の反応がダイレクトに返ってくるため、自分の提案がどれほど相手にとって素晴らしいものであったのかを肌で感じることもできます。

商談を何度も行う必要もあり、提案を工夫し直すことも多く、時間と労力がかかることもあります。

しかし、その分、商談が成立した時のやりがいは何事にも代えがたいものでしょう。

キャリアアップに繋げられる

営業職は成果が数値で明確に現れるため、キャリアアップを目指すうえで非常に分かりやすい評価基準が存在します。

売上や受注件数といった定量的な成果が重視されるため、自分の努力や工夫がどれだけ実を結んだのかを客観的に振り返ることが可能です。

そのため、成果を積み重ねることによって、早い段階からリーダーやマネージャーといったポジションに昇進するケースも珍しくありません。

また、実績と並行してコミュニケーション力も磨かれていくため、成長を実感しやすいです。

社内での異動や部門間の連携においても、営業出身の人は顧客視点を持っていることが多いため、信頼されやすい傾向にあります。

自分の頑張りが評価される環境を求めている人には、まさしく魅力的な仕事であると言えるでしょう。

高収入を目指すことができる

営業職は他の職種と比較して成果報酬の制度が整っている企業が多い傾向にあります。

基本給に加えて、売上や契約件数などの成果に応じたインセンティブが支給される仕組みが導入されていることが多く、頑張り次第で年収を大きく伸ばせる点が特徴です。

特に、法人営業や不動産、保険などの分野では1件あたりの契約金単価が非常に高いため、成績上位者は20代でも年収が1,000万円を超えることすらあります。

自分の営業力を磨くことが収入に直結するため、目的を持って業務に取り組むモチベーションが高くなることでしょう。

幅広い人脈を築くことができる

営業職の大きな魅力の1つとして、様々な人と出会いながら人脈を広げていける点も挙げられます。

顧客との信頼関係を築くことが求められる仕事であるため、業界や業種を問わず、ありとあらゆる立場の人と深く関わる機会が多いのです。

1人の顧客とのつながりが新たな取引先の紹介へと発展することもあり、営業活動そのものが人脈を広げる土台となります。

また、社内でも営業担当者は商品開発部門やマーケティング部門、カスタマーサポートなど多数の部署と連携しながら仕事を進めることが多く、部署を超えたネットワークが形成されていきます。

このような広がりのある人間関係は営業として成果を出すうえでの強みになるだけでなく、将来的なキャリアの形成や情報収集にも役立つ資産となるでしょう。

課題解決能力が身に付く

営業職は顧客の抱える課題に向き合いながら最適な解決策を一緒に見つけていく仕事です。

ただ商品やサービスを紹介するだけでなく、相手が何に困っているのか、どのような目標を持っているのかを引き出すため、ある意味「商品やサービスを使ったコンサル」とも言えます。

そして、ヒアリングを通じて見えてきた本質的な課題に対し、自社の商材でどのような価値を提供できるのかを検討し、複数の選択肢からベストな提案を行います。

この一連のプロセスは相手の立場に立って考える力や、論理的に整理して提案する力を鍛える絶好の機会です。

営業経験を積む中で、状況を分析し課題の優先順位を判断しながら行動するスキルも磨かれていくため、他の職種への応用もしやすいでしょう。

また、取引先の業種や業務内容も多岐にわたるため、様々な分野の知識を蓄えられる点も魅力です。

成果が評価に直結しやすい

営業職は自分の成果が数字として明確に現れる職種です。

受注件数や売上額といった指標があるため、自分がどの程度の成果を上げているかを客観的に把握しやすくなっています。

このような可視化された評価軸は努力と成果の関係が明瞭である分、頑張りが正当に評価されやすい環境を生み出しているとも言えます。

特に若手でも結果を出せば、その実績が社内での信頼につながり、昇進や昇給といったチャンスを早い段階で得られることも少なくありません。

経験に関係なく抜擢される可能性すらあり、自分の成長に比例してキャリアが進展していく実感が得られるでしょう。

成果が反映されやすく、目標達成のモチベーションも高まりやすいです。

営業職がきつい理由

営業職はしばしばきついと言われます。

営業職について調べようと検索した時に、検索候補に「きつい」と表示され、不安を感じている人も多いでしょう。

しかし、きつい理由を理解してしまえば、自分がそれに対処できるかできないかを明確にでき、安心して営業職に応募できます。

なぜ営業職が大変とされるのか理解しておきましょう。

数字プレッシャーが大きい

営業職における最大の特徴の1つとして、成果が数値で明確に管理される点が挙げられます。

売上や契約数などの目標が常に設定されており、それに対する達成状況は日々の業務の中で可視化されます。

成績が高ければ評価や報酬に反映されますが、数字が思うように伸びない場合には厳しいフィードバックを受けることも少なくありません。

このように、評価が数字に直結する業務にプレッシャーを感じる人も多いでしょう。

特に新規開拓をメインとする営業では成果を出すまでに時間がかかることも多く、焦りや不安が積み重なりやすい傾向にあります。

また、営業目標は個人だけでなくチーム単位で課されることもあり、周囲の状況や結果が自分のモチベーションに影響を与えてしまうこともあります。

顧客対応による精神的ストレス

営業職では顧客とのコミュニケーションを行う場面が非常に多く、商品やサービスの提案を行うにあたり、相手の期待に応えなければならないという責任感が生じます。

しかし、顧客全員が好意的な反応をしてくれるわけではありません。

門前払いにされることも多く、理不尽なことを言われることも少なくありません。

また、顧客の要望が自社の商品やサービスの仕様と一致しない場合や内容を理解してくれない場合、より丁寧な説明や説得が必要になり、精神的な負担が増すでしょう。

複数の案件を同時に抱える中で、一人ひとりの顧客に誠実に向き合うことは容易ではなく、ストレスを感じる場面も多いです。

移動・訪問など体力的負担がある

営業職といえば「体力的にきつい」というイメージがありますが、それは否めません。

特に外回り営業では1日に複数の顧客を訪問することもあり、移動時間はどうしても長くなります。

訪問先が遠方であれば、朝早くから夜遅くまで動き続けることもあり、身体的な負担が積み重なりやすい働き方と言えます。

特に天候の悪い日や猛暑・寒冷地では移動そのものが大きなストレスとなることもあります。

さらに、移動中にもメール対応や電話連絡を行う必要がある場合もあり、落ち着いて休息を取る時間が限られることも少なくありません。

また、成約数だけでなく「何社にアプローチしたか」のノルマを設けている企業の場合、特に体力的負担が大きいです。

断られることへの耐性が求められる

営業職は基本的に断られることの方が多い仕事です。

この記事を読んでくれている人の中にも「自宅に営業電話がかかってきて、断ったことがある」という人もいるのではないでしょうか。

どれだけ準備をしても、顧客のタイミングや必要性の有無などによって成約に至らないことはあります。

継続的に成果を出していくには必要以上に落ち込まずに、断られた経験を前向きに活かす姿勢が欠かせません。

しかし、断られる回数が増えたり、電話を「ガチャ切り」されたりすると、自分は営業に向いていないのではないかと疑問を抱いてしまうこともあります。

営業職に求められるスキル

営業職には様々なスキルが求められますが、特に代表的なものは以下の5つです。

以下の要素が備わっている人ならば、営業職として活躍しやすいことでしょう。

いずれも志望動機や自己PRでアピールしても良い項目であるため、特に自信のあるスキルが何か考えてみてください。

コミュニケーションスキル

営業職において、コミュニケーションスキルは業務全体の土台となる重要な要素です。

顧客と円滑に意思疎通を図れなければ、関係構築はおろか商談自体が成り立たなくなってしまいます。

相手の性格や雰囲気を意識しながら、適切な距離感でやり取りをすることが求められます。

営業では初対面の相手と信頼関係を築くことが多いため、卓越したコミュニケーションスキルが必要なのです。

関係構築には時間がかかる場合もあるため、継続的に相手の反応に気を配りながら信頼を深めていく姿勢も欠かせません。

また、社内のメンバーとの連携においても、業務の進行や課題の共有など、情報の正確な伝達が必要です。

ヒアリング能力

営業職では顧客が何を求めているのか、どのような課題を抱えているのかを把握することが提案の質に直結します。

そのためにはただ話を聞くだけでなく、必要な情報を引き出すヒアリング能力が不可欠です。

相手が言葉にしていないニーズや背景を読み取るためには、問いかけ方やタイミングにも配慮する必要があります。

相手の話を途中で遮らずに傾聴する姿勢や、整理しながら理解を深める力も重要です。

こうした能力があれば、顧客が抱える問題を自分ごとのように捉えたうえで、より的確な提案が可能になります。

情報収集・分析能力

営業を成功させるためには商品やサービスの知識だけでなく、市場全体の動向や競合の状況についても深く理解しておくことが必要です。

そのために欠かせないのが、情報収集と分析能力です。

業界のニュースや取引先の経営状況などを毎日チェックし、蓄積された情報を自分の中で整理しながら営業戦略に反映させていく姿勢が求められます。

営業現場では常に新たな課題やチャンスが生まれるものです。

その変化に気づくには普段からアンテナを張り、情報を読み解く力を磨くことが欠かせません。

また、得られた情報を「どう活用するか」も重要です。

複数の顧客の情報や市場データを比較しながら、最適なタイミングで提案内容を判断できれば、成果もおのずとついてくるでしょう。

提案力・プレゼン能力

営業職では顧客の課題や要望に対して、自社の商品やサービスがどのように役立つかを明確に伝える力が求められます。

それを実現するには、提案力とプレゼン能力の両方が必要です。

提案力とはただ商品を紹介するだけでなく、相手の状況や業界の動向を踏まえて最適な選択肢を提示する力のことです。

そして、商品を説明するプレゼン能力も備えていなければ、提案は受け入れられません。

話し方や資料の構成、視覚的なわかりやすさなど、プレゼンの工夫次第で相手の印象は大きく変わります。

一方的な「発表」を行うのではなく、相手との「対話」を重視する姿勢が求められると言えるでしょう。

調整力・折衝力

営業職では商品やサービスを提供するうえで、顧客との価格交渉や納期の調整が発生することが多々あります。

こうした場面で重要になるのは、交渉力や利害関係を整理しながら合意点を見つけるスキルです。

交渉力とはただ相手を説得するだけでなく、双方が納得できる着地点、つまり「落としどころ」を見つける力を意味します。

そのためには相手の意図を的確に把握し、自社の状況や条件も踏まえたうえで、柔軟かつ論理的に話を進めることが求められます。

価格や納期などの条件についても、顧客との信頼関係を崩さないよう、誠実かつ戦略的な対応が必要です。

営業職に向いている人

ここまで読んできて、自分が営業職に向いているかどうか、まだ判断できていない人も多いでしょう。

そんな方はぜひ、以下の3つの項目を確認してみてください。

以下の3点に当てはまるならば、あなたは自信を持って営業職に応募しても良いでしょう。

もし1つも当てはまらない場合は、他の職種も検討するか、少しでも近づけるように取り組みを始めてください。

人と接することが好きな人

営業職では顧客との対話が日常的に求められるため、人と接することを苦に感じない人ほど適応しやすい傾向にあります。

初対面の相手に自分から話しかけ、笑顔で会話を始められるような人は信頼関係を築きやすく、営業としても大きな強みとなるでしょう。

営業職ではただ商品やサービスを売るだけでなく、相手の悩みや立場に寄り添いながら関係性を深めていくことが求められます。

あなたが取引先ならば、全く同じ条件の交渉の場合「感じが悪い、押し売りの営業担当」よりも「世間話を交えながら、しっかり寄り添って話を聞いてくれる人」から商品を買いたいはずです。

よって、会話のキャッチボールを楽しみながら信頼を積み上げていけるような人こそ、営業に向いていると言えるでしょう。

ポジティブで切り替えが早い人

営業職では成果が思うように出なかったり、提案が断られたりすることも少なくありません。

そのような場面でも落ち込みすぎず、気持ちを切り替えて次の行動に移れる人こそ、安定して成果を出しやすいです。

断られ続けると自信をなくしたり、行動をためらうようになってしまったりします。

しかし、そうした中でも「次はどうすれば良いか」と考えられる人は改善のヒントを見つけながら前進できるため、成果をあげやすいです。

数字や目標達成にやりがいを感じる人

営業職では売上目標や契約数といった具体的な数値が設定され、それをどのように達成するかが日々の業務の軸です。

したがって、数字で成果を確認することに喜びを感じられる人は楽しみながら働けるでしょう。

自分の努力が明確に評価につながる環境は、数字や目標達成がモチベーションとなる人にとっては大きな魅力となります。

営業活動は計画を立て、実行し、結果を分析して次に活かすという流れを繰り返すことになりますが、そこに楽しさを見いだせる人は、着々と成長していけるでしょう。

まとめ

今回は営業職にどのような種類が存在し、どのような役割を求められるのか、またどのようなスキルが必要とされるのかなど、様々な側面から詳しく紹介しました。

営業職は顧客との距離が近い点や、成績次第で高収入を目指せる点が大きな魅力とされています。

しかしその分、門前払いにされたり、数字に追われ続けたりするデメリットも存在します。

良い面も悪い面もそれぞれ踏まえたうえで、営業職を本気で目指したいと考える方は、ぜひ今から就活対策を始めてみてください。

本メディアでも、営業職を目指す方のために志望動機や自己PRの書き方など、様々な対策方法を紹介していますので、よければ参考にしてみてください。

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