明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・経理の仕事内容
・経理に必要なスキル
・経理に向いている人 / 向いていない人の特徴
・経理の自己PRにおすすめの強み
・経理志望の就活生
・業界研究中の人
・これから自己PRを作成する人
・例文を見て参考にしたい人
はじめに
経理職は企業の経済活動を支える上で不可欠な存在であり、その専門性の高さから多くの企業で求められています。
だからこそ、就職活動においては、経理に求められるスキルや人物像を正しく理解し、自身の強みを的確にアピールすることが成功の鍵となります。
付け焼き刃の知識では、経験豊富な採用担当者には通用しません。
本記事では、経理の具体的な仕事内容の解説から、採用担当者の心に響く自己PRの作成方法、さらには効果的なアピールに繋がる強みまでを網羅的に解説します。
【経理の自己PR】経理とは
経理とは、企業におけるお金の流れ全般を管理し、記録する重要な職務を指します。
その役割は、単なる事務作業に留まりません。
日々の取引を仕訳帳に記録することから始まり、月次・年次の決算書の作成、さらには法人税などの税務申告まで、その業務は多岐にわたります。
これらの業務を通じて、会社の財政状態や経営成績を客観的な数値として正確に可視化します。
経理が作成した資料は、経営陣が的確な意思決定を行うための羅針盤となり、株主や金融機関といったステークホルダーに対する経営状況の説明責任を果たす上でも不可欠です。
まさに、企業の健全な経営を根幹から支える仕事といえるでしょう。
【経理の自己PR】経理の仕事内容
経理の仕事は、その業務サイクルによって大きく「日常業務」「月次業務」「年次業務」の三つに分類されます。
これは、日々の細かなお金の動きを管理することから始まり、それらを月単位で集計して業績を把握し、最終的に年に一度、会社の一会計期間の総決算へと繋げていくという流れを意味します。
この他にも、会社の資金繰りを管理したり、予算を策定したりといった、より経営に近い視点が求められる業務も存在します。
これらの業務はそれぞれ独立しているわけではなく、日々の正確な記録が月次の正確性を生み、月次の積み重ねが年次決算の信頼性を担保するというように、密接に連携しています。
日常業務
日常業務とは、日々発生する会社のあらゆるお金の動きを、正確に記録・管理する業務です。
これは経理の仕事における最も基本的かつ重要な土台となります。
具体的には、会社の手元にある現金の管理や銀行口座の入出金チェック、取引ごとに発生する伝票の作成と整理、そして従業員が立て替えた経費の精算などが含まれます。
これらの業務は、一つひとつは地道な作業ですが、その正確な積み重ねがなければ、月次や年次の決算を正しく行うことはできません。
会社の財政状況を健全に保つための第一歩であり、経理担当者の丁寧さと正確性が日々試される業務といえるでしょう。
現金・預金の管理
現金・預金の管理は、会社全体の資金の動き、すなわちお金の入りと出を日々正確に把握し、管理する業務です。
具体的には、部署で使う小口現金の出納管理や、銀行口座の入出金明細を一件ずつ確認し、会計帳簿の残高と実際に手元にある残高が一致しているかを常にチェックします。
この作業は、会社の血液とも例えられるキャッシュの状況をリアルタイムで正確に把握するための基礎となります。
将来の資金繰りを予測し、計画する上でも欠かせない重要なプロセスであり、1円の誤差も許されない極めて高い正確性が求められる仕事です。
伝票の起票と整理
企業の経済活動における全ての取引は、まず伝票を作成し、その内容を会計ソフトに入力することから記録が始まります。
売上や仕入、経費の支払いなど、お金の動きがあるたびに、日付や金額、取引内容、勘定科目を正確に記載した伝票を作成します。
この伝票が、総勘定元帳をはじめとするあらゆる会計帳簿の大元となるため、取引内容を正しく反映させたミスのない起票が不可欠です。
また、作成した伝票は、その取引を証明する領収書や請求書といった証憑書類と一緒に、法律で定められた期間(原則として7年間)、いつでも確認できるよう適切に整理・保管する義務も負っています。
経費精算
経費精算は、従業員が会社の業務のために一時的に立て替えた交通費、出張費、消耗品費などを精算し、その従業員に支払いを行う業務です。
従業員から提出された精算申請書の内容を一つひとつ確認し、金額に誤りがないか、また会社の経費精算規定に沿ったものであるかをチェックします。
承認された経費は、会計上適切な勘定科目に仕訳し、支払い処理を行います。
この業務は会社の全従業員に関わるため、多くの申請を迅速かつ正確に処理する能力が求められます。
問い合わせにも丁寧に対応する必要があり、円滑なコミュニケーション能力も重要となる仕事です。
月次業務
月次業務とは、毎月決まったタイミングで行われる締め作業のことを指します。
その中心となるのが月次決算であり、1ヶ月間の取引記録を全て集計し、月単位での損益や財産の状況をまとめる作業です。
日々の業務で入力されたデータをもとに、試算表や月次の貸借対照表、損益計算書といった資料を作成します。
これにより、経営陣は会社の業績をタイムリーに把握し、前月の状況を踏まえた迅速な経営判断を下すことが可能になります。
年次決算をスムーズに行うための準備という側面もあり、計画的に業務を進める管理能力が問われる重要なプロセスです。
請求・売掛金の管理
請求・売掛金の管理は、取引先に対して提供した商品やサービスの代金を請求し、その代金が約束の期日通りにきちんと入金されるまでを管理する重要な業務です。
まず、取引内容に基づいた正確な請求書を発行し、送付します。
その後、入金予定日に指定口座への入金があったかを確認し、確認が取れれば売掛金を消し込む作業を行います。
もし期日を過ぎても入金がない場合は、取引先に状況を確認し、時には催促の連絡を入れることも役割の一つです。
この業務は会社の売上に直接関わるだけでなく、キャッシュフローを安定させる上でも極めて重要なポジションを担っています。
支払・買掛金の管理
支払・買掛金の管理は、商品の仕入先や業務委託先などから受け取った請求書に基づき、買掛金や未払金などの支払い手続きを行う業務です。
請求書に記載された内容が事前の発注内容や契約と一致しているかを丁寧に精査し、支払うべき金額と支払期日を正確に管理します。
そして、定められた期日までに間違いなく支払いが行われるよう、振込手続きなどを実行します。
支払いの遅延は、会社の信用問題に直接的なダメージを与える可能性があります。
そのため、多数ある支払いを一件たりとも漏らすことなく、計画的に管理する緻密さと正確性が不可欠です。
給与計算・支払い
給与計算・支払いは、全従業員の勤怠データや人事情報に基づき、毎月の給与額を正確に計算し、指定された期日に支払いを行う業務です。
基本給に加えて、残業代や各種手当を計算し、そこから所得税や住民税、社会保険料などを法律に基づいて正確に算出し控除します。
従業員の生活に直接関わる極めて重要な業務であるため、1円の間違いも許されない絶対的な正確性が求められます。
また、給与情報は非常にセンシティブな個人情報であるため、情報を厳格に管理する高い倫理観と情報セキュリティ意識も不可欠な仕事です。
税金・社会保険料の納付
給与計算の際に従業員の給与から天引き(源泉徴収)した所得税や住民税、そして会社が負担する健康保険料や厚生年金保険料といった社会保険料を、定められた期日までに国や地方自治体に納付する業務です。
それぞれの税金や社会保険料には、法律で厳格な納付期限が定められています。
もし納付が遅れてしまうと、延滞税などのペナルティが課されることになり、会社の余計な支出に繋がります。
そのため、各種手続きのスケジュールを正確に把握し、計画的に資金を準備した上で、期限内に確実に納付を完了させる厳格なスケジュール管理能力が重要となります。
月次決算
月次決算は、その名の通り1ヶ月ごとに行う決算業務です。
日々の取引データを集計し、月単位の試算表を作成、それを基に月次貸借対照表や月次損益計算書といった財務諸表を作成します。
年次決算と異なり法律上の義務ではありませんが、多くの企業で実施されています。
その最大の目的は、経営陣が自社の経営状況をタイムリーに把握し、迅速な意思決定に役立てるためです。
単に数字をまとめるだけでなく、あらかじめ設定された予算と実績を比較分析し、その差異の原因を探り、経営陣に分かりやすく報告することも経理の重要な役割の一つです。
年次業務
年次業務は、1年間の企業活動の総仕上げとして行う、経理にとって最も重要で責任の重い業務群です。
一会計年度(通常は1年間)の全ての取引を集計し、会社の最終的な財務状況と経営成績を確定させます。
この結果をもとに、法人税などの税務申告を行ったり、株主に対して経営状況を報告したりします。
年次決算の作成、税務申告、年末調整、株主総会の準備など、法律で定められた手続きが数多く含まれるため、高度な専門知識が要求されます。
また、年明けから決算発表までの数ヶ月間に業務が集中するため、長期的な視点での緻密な計画性が不可欠です。
年次決算(本決算)
年次決算(本決算)は、一会計年度の最終的な財務諸表、すなわち貸借対照表や損益計算書などを確定させる作業であり、経理業務の集大成といえます。
日々の取引記録の積み重ねである試算表を基に、減価償却費の計上や貸倒引当金の設定、棚卸資産の評価といった、期末に特有の決算整理仕訳を行います。
これにより、年度末時点での正確な財政状態と、一年間の経営成績を明らかにします。
この年次決算で確定した数値は、後に行う税務申告や株主への報告の基礎となるため、会計基準に則った絶対的な正確性が厳しく求められます。
税務申告・納付
税務申告・納付は、年次決算によって確定した利益(課税所得)に基づき、法人税、法人住民税、法人事業税、そして消費税などの納税額を算出し、税務署へ申告書を提出して納税する一連の業務を指します。
税法は非常に複雑であり、毎年のように改正が行われるため、常に最新の税制知識を学び、実務に適用していく必要があります。
申告内容に誤りがあれば、後の税務調査で指摘され、過少申告加算税や延滞税といった追徴課税に繋がるリスクがあります。
そのため、多くの場合、顧問税理士などの専門家と緊密に連携を取りながら、慎重に手続きを進めていくことが不可欠です。
年末調整
年末調整は、会社が従業員に代わって、その従業員が支払うべき年間の所得税額を正しく計算し、確定させる手続きです。
毎月の給与からは、概算の所得税額が源泉徴収されていますが、生命保険料控除や扶養家族の状況などを反映した最終的な税額とは差額が生じます。
この過不足を年末に精算するのが年末調整です。
従業員から保険料の控除証明書などが添付された申告書を回収し、一人ひとりの状況に合わせて正確に税額を再計算します。
多くの従業員を対象に、限られた期間で処理を完了させる必要があるため、効率的な業務の段取りとミスのない正確な作業が強く求められます。
償却資産税の申告
償却資産税とは、会社が事業のために所有している土地や家屋以外の、構築物、機械、備品などの固定資産(償却資産)に対して課される地方税です。
経理担当者は、毎年1月1日時点で所有しているこれらの資産の状況を把握し、資産が所在する市町村へ申告書を提出して納税する業務を担います。
年度中に新たに取得した資産や、売却・廃棄した資産を固定資産台帳で漏れなく正確に管理しておくことが、正しい申告の前提となります。
他の業務と比べて知名度は低いかもしれませんが、日頃からの着実な資産管理が重要となる、大切な年次業務の一つです。
株主総会の準備・運営
株式会社にとって最高の意思決定機関である株主総会を、年に一度開催するための準備や運営サポートも経理の重要な業務です。
特に、株主に対して一年間の経営成績を報告するために不可欠な、事業報告書や計算書類(貸借対照表、損益計算書など)といった関連資料の作成を担います。
年次決算で作成した財務諸表を基に、株主が会社の財政状態や経営状況を正しく理解できるような情報を提供します。
法務部門など他部署とも連携し、招集通知の発送準備や、総会当日の質疑応答に備えた想定問答集の作成に関わることもあり、その業務は多岐にわたります。
有価証券報告書の作成(上場企業の場合)
上場企業に金融商品取引法で義務付けられている、企業の詳細な情報を記載した開示資料有価証券報告書を作成する業務です。
これは、投資家が適切な投資判断を行うために、企業の状況を網羅的に理解できるよう開示されるものです。
報告書には、企業の概況や事業内容、財務諸表とその注記、対処すべき課題や事業等のリスクなど、非常に多岐にわたる情報を記載する必要があります。
会計や法律に関する高度な専門知識はもちろん、会社の事業全体に対する深い理解が求められる、極めて専門性の高い業務であり、絶対的な正確性が要求されます。
その他の業務
経理の仕事は、これまで見てきたような日次・月次・年次の定型的な業務だけではありません。
会社の財務的な安定性を維持し、さらなる成長を支えるために、より経営に近い視点が求められる重要な業務も含まれます。
これらは、会社の血液である資金の流れを管理し、将来の舵取りをサポートする羅針盤を作る仕事です。
日々の記録業務で培われた数字に対する知見や分析能力が試される場面であり、経理担当者が経営陣のパートナーとして価値を発揮できる、やりがいの大きな業務分野といえるでしょう。
資金繰り管理
資金繰り管理とは、会社のお金の流れを管理し、資金が不足して支払いが滞るような事態(資金ショート)に陥らないように将来の入出金を予測・管理する業務です。
過去の実績や将来の事業計画を基に資金繰り表を作成し、数ヶ月先の資金の過不足を見通します。
もし資金が不足すると予測されれば、事前に金融機関からの借入を検討・交渉するなど、先手を打って対策を講じます。
会社の倒産リスクを直接的に回避するための生命線ともいえる役割であり、日々の取引の記録だけでなく、よりマクロな経営的視点が強く求められる仕事です。
予算管理
予算管理は、まず年度の初めに、会社全体の売上や利益、経費などの目標となる予算を作成することから始まります。
この予算は、各部署と連携・調整しながら、経営計画に基づいて策定されます。
そして年度中は、月次決算などで明らかになる実績と予算を比較・分析し、なぜ差異が発生したのか(予実差異分析)を明らかにします。
目標達成に向けた課題を抽出し、その結果を経営陣に報告することで、会社の軌道修正や次の戦略立案をサポートします。
会社の目標達成に向けた羅針盤の役割を担い、経営の舵取りを支える重要な業務です。
監査対応
監査対応とは、公認会計士や監査法人が行う会計監査に対応する業務です。
会計監査は、主に上場企業などを対象に、その会社の財務諸表が会計基準に則って適正に作成されているか、第三者の視点からチェックするものです。
監査人から要求される総勘定元帳や伝票、契約書といった様々な資料を速やかに準備し、提示します。
また、特定の会計処理について、なぜそのような処理を行ったのか、その判断根拠を論理的に説明することも求められます。
日々の業務の正確性や透明性、そして説明責任が問われる場面であり、誠実な対応が不可欠です。
税務調査対応
税務調査とは、数年に一度、国税庁や税務署の調査官によって、会社の税務申告が正しく行われているかを調査される手続きです。
経理担当者は、この税務調査に対応する重要な役割を担います。
調査官からの質問に対し、申告内容の正当性を証明するために、帳簿や領収書などの証憑書類を提示し、会計処理や取引の背景について的確に回答する必要があります。
通常は顧問税理士と連携しながら、会社の立場を論理的に説明します。
万が一、指摘事項があった場合にも、冷静かつ誠実に対応し、会社への影響を最小限に抑えることが求められます。
【経理の自己PR】経理に必要なスキル
経理として第一線で活躍するためには、専門知識はもちろんのこと、実務を円滑に進めるための様々なスキルが求められます。
これらのスキルは、日々の膨大な業務を正確かつ効率的に遂行し、単なる作業者ではなく、会社の経営に貢献できる人材となるための土台となります。
自己PRでは、これらのスキルを保有していることを、具体的なエピソードを交えてアピールすることが重要です。
ここでは、経理担当者にとって特に重要となる9つのスキルについて解説します。
これらのスキルを磨くことが、自身の市場価値を高めることに直結します。
- 基本的なPCスキル
- 簿記・会計・税務の知識
- スケジュール管理能力
- コミュニケーション能力
- 正確性
- 計画力
- 遂行力
- 情報収集能力
- 論理的思考力
基本的なPCスキル
現代の経理業務において、PCスキルはもはや必須の能力です。
ほとんどの企業が会計ソフトを導入しており、それをスムーズに操作できることは大前提となります。
それに加えて、特に重要視されるのがExcelを使いこなすスキルです。
経理では、会計ソフトから出力したデータを加工・集計して分析資料を作成したり、予算管理表や資金繰り表を作成したりと、様々な場面でExcelを活用します。
基本的な四則演算だけでなく、VLOOKUPやSUMIFといった関数、そして大量のデータを効率的に集計できるピボットテーブルなどの機能を使いこなせる能力は、業務効率を飛躍的に高めるため、高く評価されます。
簿記・会計・税務の知識
簿記は、企業の経済活動を記録・計算・整理するための共通言語であり、経理業務を行う上での根幹となる知識です。
日々の仕訳から決算書の作成まで、全ての業務が簿記のルールに基づいて行われるため、体系的な理解が不可欠です。
実務レベルの目安としては、日商簿記2級程度の知識が求められることが多いでしょう。
また、企業の会計処理のルールを定めた会計基準や、法人税法・消費税法といった税法は、頻繁に改正が行われます。
そのため、一度知識を身につけたら終わりではなく、常に最新の情報を学び続ける学習意欲と、それを実務に正しく反映させる能力が不可欠です。
スケジュール管理能力
経理の仕事は、日々の細かな業務と並行して、厳格な期限が定められた多くのタスクをこなさなければなりません。
例えば、月次決算は月初の数営業日以内、源泉所得税の納付は毎月10日まで、そして年次決算や税務申告は期末から2ヶ月以内といったように、デッドラインが明確に決まっています。
これらの期限に遅れることは、会社の信用問題に発展したり、延滞税などの金銭的なペナルティに直結したりします。
そのため、複数の業務の優先順位を的確に判断し、長期的な視点で計画を立て、着実に業務を遂行するスケジュール管理能力が極めて重要になるのです。
コミュニケーション能力
経理は黙々と作業するイメージがあるかもしれません。
しかし実際には他部署との経費精算の確認や、外部の税理士との連携が不可欠です。
そのため、専門的な内容を相手に分かりやすく説明する能力が求められます。
そして、円滑に業務を進めるために良好な協力関係を築く力も重要となります。
社内外の関係者とスムーズに意思疎通を図るスキルは、経理担当者にとって大切な資質です。
正確性
経理の最も重要な仕事は、会社の経営状態を数字で正確に示すことです。
したがって、日々の業務においては1円のズレも許されないほどの緻密さが求められます。
もし数字に誤りがあれば、経営判断を誤らせる原因にもなりかねません。
経理が扱う数値の正確性は、会社の信頼を根底から支える上で非常に大切なスキルと言えるでしょう。
この責任感を理解し、常に丁寧な仕事を心掛ける姿勢が不可欠です。
計画力
経理の仕事には月次決算や年次決算、税金の納付など多くの期限が存在します。
これらの期限から逆算して、日々の膨大な業務を計画的に進める力が求められます。
例えば、繁忙期を予測し、通常業務を前倒しで進めるなどの段取りが必要です。
また、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるよう、余裕を持ったスケジュール管理も重要になります。
ゴールから逆算してタスクを管理する能力は、経理業務を円滑に進める上で欠かせません。
遂行力
どれほど優れた計画を立案したとしても、それを実行できなければ意味がありません。
経理の仕事では、定めた計画通りに責任を持って業務を完了させる遂行力が重要です。
日々の地道な伝票処理やデータ入力を、期日までに着実にこなしていく必要があります。
このような一つ一つの作業を確実にこなし、目標を達成する姿勢が組織の信頼に繋がります。
最後まで責任を持ってやり遂げる力は、経理担当者にとって不可欠なスキルです。
情報収集能力
会計基準や関連する税法などの法律は、社会情勢の変化に伴い頻繁に改正されます。
そのため、過去の知識だけに頼るのではなく、常に最新の情報を収集する姿勢が不可欠です。
専門誌を読んだり、セミナーに参加したりして知識をアップデートし続ける必要があります。
このように自ら積極的に学び続ける情報収集能力は、経理担当者にとって必須のスキルです。
変化に対応し、常に正しい会計処理を行うために欠かせない能力と言えるでしょう。
論理的思考力
経理の仕事は、ただ数字を入力するだけではありません。
日々の膨大な取引データから、その背景にある経営課題を読み解く力も求められます。
例えば、特定の勘定科目の数値の変動から、事業の課題や成長の要因を分析します。
このように数字の裏付けを基に筋道を立てて考える力は、経営層へ報告する際にも大きな強みとなります。
データを分析し、改善策を提案できる経理は企業にとって貴重な存在です。
【経理の自己PR】経理に向いている人の特徴
経理という仕事には、その専門的な業務特性から、特定の素養や性格が求められる傾向があります。
自分が本来持っている性格や得意なことが、経理職で求められる適性と合致しているかを知ることは、ミスマッチを防ぎ、長く活躍していく上で非常に重要です。
また、自分に当てはまる特徴を客観的に理解することは、自己PRを作成する際に、自身の強みを説得力を持ってアピールするための貴重な材料にもなります。
ここでは、どのような人が経理に向いているのか、その代表的な特徴を5つの観点から紹介します。
- 数字に強い人
- 地道な作業が得意な人
- 責任感が強い人
- 物事を客観的に捉えられる人
- 口が堅い人
数字に強い人
経理は日々、膨大な量の数字と向き合う仕事であるため、数字に対するアレルギーがなく、計算やデータのチェックを苦とせずに正確にこなせることは、必須の素養といえます。
ただし、それは単に計算が得意であることだけを意味するわけではありません。
大切なのは、個々の数字の裏にある経済的な意味を理解し、それらが集まることで示される会社の経営状況を読み解こうとする分析的な視点です。
貸借対照表や損益計算書の数字の動きから、会社の強みや課題を見つけ出すことに面白みを感じられる人は、経理として大きく成長できる可能性を秘めています。
地道な作業が得意な人
経理の仕事の大部分は、伝票の入力や証憑の整理、データの照合など、毎日コツコツと積み上げていく地道な作業によって成り立っています。
一見すると派手さはありませんが、これらの定型業務の一つひとつを、高い集中力を維持しながら丁寧かつ正確にこなせる粘り強さが求められます。
日々の正確な記録なくして、正確な決算はありえません。
こうした日々の積み重ねが会社の信頼の礎となっていることを理解し、縁の下の力持ちとして企業の基盤を支えることにやりがいや喜びを感じられる人は、経理という職務に非常に向いているといえるでしょう。
責任感が強い人
経理は、会社にとって最も重要な資産の一つであるお金を直接的に扱います。
また、経理が作成する財務諸表は、経営陣の重要な意思決定の基礎となるだけでなく、税務申告や株主への報告といった、法的な義務を果たすための根拠にもなります。
このように、経理の仕事は常に大きな責任を伴います。
そのため、自分が担当する業務に対し、最後までミスなくやり遂げようとする強い責任感は不可欠な資質です。
加えて、会社の経営状況や従業員の給与といった機密情報を扱う立場であるため、高い倫理観と情報の守秘を徹底できる口の堅さも同様に求められます。
物事を客観的に捉えられる人
経理は会社の財産を公平に管理するという重要な役割を担っています。
そのため、個人的な感情に流されることなく、常に冷静な判断が求められます。
例えば、他部署からの依頼であっても、それが社内のルールや規定から外れていれば認められません。
このように、あらゆる物事を事実に基づいて客観的に捉える姿勢が不可欠です。
私情を挟まず、規則に沿って公平に業務を遂行できる人が経理には向いています。
口が堅い人
経理担当者は、役員報酬や未公開の決算情報など、経営の根幹に関わる重要な情報に触れる機会が多くあります。
これらの情報は、万が一外部に漏洩すれば会社の信用を著しく損なうことになりかねません。
したがって、職務上知り得た機密情報を決して外部に漏らさないという強い倫理観が絶対に必要です。
情報の重要性を深く理解し、責任感を持って秘密を守れる人でなければ務まりません。
【経理の自己PR】経理に向いていない人の特徴
経理の仕事は専門性が高く、個人の特性によって向き不向きが比較的はっきりしています。
以下に、一般的に経理に向いていないとされる人の特徴を挙げます。
自身の性格や仕事への価値観と照らし合わせてみることが大切です。
大雑把な人
経理の仕事は、1円のズレも許されない正確性が常に求められます。
日々の業務で入力ミスや計算間違いが多い人は、その都度修正に多大な時間を費やすことになります。
また、請求書や領収書といった書類の細部を確認するのが面倒だと感じる人も同様です。
細かな数字と向き合い続ける必要があるため、大雑把な性格の人は大きなストレスを感じる可能性があります。
一つ一つの作業を丁寧に確認できる人でなければ、経理の仕事は務まりにくいでしょう。
地道な仕事が苦手な人
経理業務の多くは、伝票の起票やデータ入力、帳簿の照合といった作業で構成されています。
これらは、一つ一つをコツコツと積み上げていく反復作業が中心となります。
そのため、毎日同じような作業を続けることに苦痛を感じる人には厳しいかもしれません。
常に新しい刺激や華やかな変化を仕事に求める人にとっては、モチベーションを維持するのが難しいでしょう。
地道な努力を継続できる粘り強さが経理には求められます。
ルールに縛られるのが嫌いな人
経理は、会計基準や税法、会社法といった厳格なルールに基づいて業務を遂行します。
そこには独自の判断や我流のやり方が許される場面はほとんどありません。
全ての処理は、定められた法律や社内規定に則って正確に行う必要があります。
決められた手順や規則を守るのが苦手で、臨機応応変に自分のやり方で仕事を進めたいと考える人には窮屈に感じてしまうでしょう。
ルールを遵守する意識が低い人は経理には向いていません。
秘密を守るのが苦手な人
経理は、役員報酬や会社の利益、未公開の決算情報など、社内でもトップクラスの機密情報に触れるポジションです。
これらの情報は会社の経営そのものであり、その取り扱いには細心の注意が求められます。
ここで得た情報を、たとえ社内の同僚であっても安易に話してしまうような口が軽い人は絶対に向いていません。
強い責任感と倫理観を持ち、職務上知り得た情報を厳格に管理できることが絶対条件です。
大局観だけで物事を判断しがちな人
ビジネスにおいて広い視野を持つことは大切ですが、それだけで物事を進めようとする人は経理には向きません。
なぜなら、経理の仕事は一つ一つの取引の細部を地道に積み上げていくことで成り立っているからです。
「だいたい合っていれば良い」という大雑把な考え方は経理の世界では通用しません。
細かな数字の整合性を一つずつ確認し、最終的に大きな財務諸表を完成させるという視点が必要です。
木を見て森も見るという、バランスの取れた視点が求められます。
【経理の自己PR】経理の自己PRにおすすめの強み
経理の自己PRでは、簿記や税法の知識といった専門性をアピールすることはもちろん重要です。
しかし、それだけでは他の応募者との差別化が難しい場合もあります。
そこで効果的なのが、専門知識に加えて、どのような職種でも活かせる汎用性の高いポータブルスキルをアピールすることです。
これらの強みは、あなたが単なる経理担当者としてだけでなく、組織の一員としてチームや会社全体にどのように貢献できるかを示す上で非常に有効です。
自身のこれまでの経験と具体的に結びつけて語ることで、自己PRに深みと説得力を持たせることができます。
- コミュニケーション能力
- 正確性
- 計画力
- 遂行力
- 情報収集能力
- 論理的思考力
コミュニケーション能力
経理は黙々とデスクワークをするイメージを持たれがちですが、実際には社内外の多くの人と関わる仕事です。
例えば、従業員からの経費精算の問い合わせに対応したり、営業担当に売掛金の入金状況を確認したり、経営層に決算内容を分かりやすく報告したりと、様々な場面でコミュニケーションが発生します。
相手の立場や知識レベルに合わせて情報を伝え、円滑に物事を進めるための調整を行う能力は、業務をスムーズに進める上で不可欠です。
この能力は、部署間の連携を促進し、組織全体の生産性を高める上でも重要な強みとなります。
正確性
経理の自己PRで正確性が強みとされるのは、それが会社の信頼と経営判断の全ての土台だからです。
日々の取引の入力から決算書の作成まで、全ての業務で高い精度が求められます。
たった一つのミスが会社の信用を失墜させ、誤った経営判断を招くリスクをはらんでいます。
この強みをアピールすることは、仕事の責任の重さを深く理解していることの表れです。
そして、安心して業務を任せられる信頼性の高い人材であることの何よりの証明となります。
計画力
経理の主要な業務である月次決算や年次決算は、最終的なゴールから逆算して、いつまでに何をすべきかを計画的に進める必要があります。
特に決算期などの繁忙期には、通常業務に加えて多くのタスクが同時並行で発生します。
その中で、全ての業務の優先順位を的確に見極め、全体のスケジュールを俯瞰しながら管理する計画力は必須のスキルです。
事前にボトルネックを予測し、業務の段取りを工夫して繁忙期を乗り切った経験や、新しい業務プロセスを導入して全体のスケジュールを効率化した経験などは、あなたの計画性の高さを具体的にアピールできる好材料となるでしょう。
遂行力
経理の仕事には、月次決算や税金の納付、年次決算の報告など、決められた期限内に必ず完了させなければならない業務が数多く存在します。
これらのタスクは、会社の義務や信用に直結するため、どんな状況であってもやり遂げる必要があります。
そのため、一度設定された目標達成に向けて、責任を持って最後までやり遂げる遂行力は、経理担当者にとって非常に重要な強みです。
過去の経験の中で、困難な状況や予期せぬトラブルがあったにもかかわらず、諦めずに工夫を凝らして業務を完遂したエピソードは、あなたの仕事に対する粘り強さと責任感の高さを証明する強力な武器となります。
情報収集能力
経理を取り巻くルール、特に会計基準や税法は、社会経済の変化に対応するため頻繁に改正されます。
昨日の常識が今日には通用しなくなることも少なくありません。
そのため、法改正の動向や新しい会計処理の方法など、常に最新の情報を自ら進んでキャッチアップし、それを正確に理解して自社の業務に反映させる能力が不可欠です。
受け身の姿勢ではなく、主体的に専門誌を読んだりセミナーに参加したりして学び続ける意欲は、変化への対応力とプロフェッショナル意識の高さを示す強力なアピールポイントとなります。
論理的思考力
経理業務では、発生した一つの取引の背景を深く理解し、会計基準や社内規定に照らし合わせて「なぜ、この勘定科目で、この金額を計上すべきなのか」を筋道立てて考える論理的思考力が常に求められます。
また、月次決算や年次決算で出てきた財務データから、会社の経営課題を分析し、その原因は何か、そしてどのような対策が考えられるかを分かりやすく説明する場面でも、この力は非常に役立ちます。
物事の因果関係を捉え、複雑な事象を整理して本質を見抜く力は、問題解決能力の高さを示す上で重要なスキルです。
【経理の自己PR】経理の自己PRを書くときの準備
採用担当者の心に響く、説得力のある自己PRを書き上げるためには、いきなり文章を書き始めるのではなく、事前の入念な準備が不可欠です。
この準備段階を丁寧に行うことで、アピールすべきことの軸が定まり、自己PR全体の完成度が大きく変わってきます。
具体的には、自分自身のキャリアを振り返って強みを深く理解し、それと応募先企業が求めている人物像とを的確に結びつける作業が重要になります。
この土台作りの質が、あなたの自己PRに説得力と独自性をもたらすのです。
自己分析をする
自己PR作成の第一歩は、自分自身を深く知るための自己分析です。
これまでの職務経歴や経験を時系列で丁寧に棚卸しし、どのような業務に携わり、どんな役割を果たしてきたかを具体的に書き出してみましょう。
その中で、特に成果を上げることができた業務、困難な状況を創意工夫で乗り越えた経験、周囲から評価されたことなどを振り返ることで、自身の強みや得意なこと、仕事における価値観などが客観的に見えてきます。
この作業を通じて、アピールすべき能力やスキルが明確になり、一貫性のある自己PRを作成するための確固たる軸が定まるのです。
自分のどのような強みが活かせるのか明確にする
自己分析によって見えてきた自身の強みやスキルを、次に応募先企業が求めている人物像と照らし合わせる作業が重要です。
企業の採用ページや求人情報、経営者のメッセージなどを丁寧に読み込み、その企業がどのような人材を求めているのか、どのようなスキルを重視しているのかを深く理解します。
そして、自身の数ある強みの中から、その企業で最も活かせるものは何かを特定します。
その上で、経理として具体的にどのような業務で、どのように貢献できるのかを言語化することで、自己PRの内容がより具体的で、採用担当者にとって魅力的なものになるのです。
自己PRと志望動機のつながりを考える
自己PRと志望動機は、それぞれ独立したものではなく、一貫したストーリーとして伝えることで、その説得力を飛躍的に高めることができます。
「私の強みは〇〇です(自己PR)。この強みは、〇〇という事業を展開する貴社でこそ最大限に活かせると考え、志望いたしました(志望動機)」というように、両者をしっかりと結びつけることが重要です。
自分の強みを入社への熱意とリンクさせることで、単なる能力の羅列で終わるのではなく、この会社で働きたいという強い意志と、入社後の貢献イメージを採用担当者に具体的に伝えることができるようになります。
【経理の自己PR】自己PRを書く時のアピールポイント
優れた自己PRを作成するためには、内容だけでなく、伝え方も非常に重要です。
採用担当者の視点を常に意識し、数多くの応募者の中から「この人に会ってみたい」と思わせるようなアピールを心がける必要があります。
単に自分の能力や経験を伝えるだけではなく、その企業で働きたいという熱意や、企業の文化や価値観に自分がどれだけ適合しているかを示すことで、他の候補者との明確な差別化を図ることができます。
ここでは、あなたの自己PRをより魅力的にするための二つの重要なアピールポイントを解説します。
企業で働く志望意欲をアピール
数多くある企業の中で「なぜ、他の会社ではなくこの会社で経理として働きたいのか」を明確に伝えることは、あなたの志望度の高さを示す上で非常に効果的です。
そのためには、応募先企業の事業内容や製品、サービス、そして企業理念や今後のビジョンなどを深く理解するための企業研究が欠かせません。
その上で、自身のスキルや経験、仕事に対する価値観が、その企業のどのような点に合致し、どう貢献できるのかを具体的に述べましょう。
その企業だからこそ成し遂げたいことがあるという熱意を伝えることが、採用担当者の心を動かすための重要な鍵となります。
企業に合った能力をアピール
自己PRでは、自分が持っている全てのスキルや経験を網羅的にアピールする必要はありません。
むしろ、応募先企業が今最も求めているであろう能力を的確に見極め、それを重点的にアピールすることが重要です。
求人情報に記載されている求める人物像や歓迎スキル、あるいは企業のプレスリリースなどから、その企業が現在どのような事業フェーズにあり、どのような課題を抱えているかを読み解きましょう。
例えば、海外展開を進める国際的な企業であれば語学力を、急成長中のベンチャー企業であれば業務フローの構築・改善能力を強調するなど、相手のニーズに合わせたアピールが有効です。
【経理の自己PR】自己PRの構成
自己PRの内容がどれだけ素晴らしくても、それが分かりにくく、伝わりにくければ意味がありません。
採用担当者にあなたの強みや熱意を的確に、そして説得力を持って伝えるためには、話の構成を意識することが不可欠です。
ビジネスシーンでよく用いられるPREP法(Point:結論、Reason:理由、Example:具体例、Point:結論)に代表される論理的なフレームワークを用いることで、主張したいことが明確に伝わり、聞き手の理解を深く、スムーズに促すことができます。
ここでは、その基本的な構成要素について解説します。
結論を最初に述べる
自己PRを始める際は、まず結論から簡潔に述べるのが基本中の基本です。
「私の強みは〇〇です」と最初にきっぱりと宣言することで、あなたが最も伝えたい話の要点が明確になります。
これにより、採用担当者は「これからこの強みについての話が始まるのだな」と心構えができ、その後の話の内容をスムーズに理解することができます。
最初にアピールしたいポイントを提示することで、聞き手の興味を強く引きつけ、限られた時間の中で最も効果的に自分を印象付けることが可能になります。
経験やエピソードは具体的に述べる
冒頭で述べた「私の強みは〇〇です」という結論を裏付けるために、それを証明する具体的な経験やエピソードを盛り込むことが極めて重要です。
過去の業務において、どのような状況(Situation)で、どのような課題(Task)があり、それに対して自分がどのように考え、行動(Action)し、結果としてどのような成果(Result)を上げたのかを具体的に語りましょう。
数字などを用いて定量的に示すことができれば、より客観性と信頼性が増し、あなたの自己PRの説得力は格段に高まります。
企業でどのように活かせるのかを述べる
自己PRの締めくくりとして、これまでに述べてきた自身の強みや経験を、入社後、その企業でどのように活かしていきたいかを具体的に述べることが重要です。
これは、単なる能力のアピールに留まらず、企業への貢献意欲を示すための大切な部分です。
企業の事業内容や課題を踏まえた上で、「私のこの強みは、貴社の〇〇という事業において、このように貢献できると考えております」と伝えることで、採用担当者はあなたが自社で活躍する姿を具体的にイメージしやすくなります。
入社後のビジョンを明確に示し、熱意を伝えましょう。
【経理の自己PR】強みごと自己PR例文
ここからは、これまで解説してきたポイントを踏まえ、経理の自己PRで特に有効なコミュニケーション能力や計画力といった強みごとに、具体的な自己PRの例文を紹介します。
これらの例文はあくまで一例です。
例文の構成や表現を参考にしながら、ご自身の経験やスキル、応募する企業の特徴などを盛り込み、あなただけのオリジナリティあふれる自己PRを作成するためのヒントとして活用してください。
自分自身の言葉で語ることで、より説得力のある自己PRが完成します。
コミュニケーション能力
例文
私の強みは、相手の意図を汲み取り、円滑な関係を築くコミュニケーション能力です。
この強みは、カフェでのアルバイトで新人教育を担当した際に発揮されました。
当初、新人スタッフが専門用語や独自のルールに戸惑い、質問しづらい雰囲気からミスが多発していました。
そこで私は、専門用語を分かりやすい言葉に置き換えたマニュアルを自主的に作成し、1日の終わりに短時間の面談を設けて疑問点を気軽に話せる場を作りました。
結果、新人スタッフが早期に業務に慣れ、店舗全体の連携がスムーズになりました。
貴社に入社後は、他部署の社員や経営層など、様々な立場の方と円滑に連携し、正確な経理業務を通じて組織に貢献したいです。
正確性
例文
私の強みは、粘り強く確認作業を行い、ミスなくやり遂げる正確性です。
この強みは、カフェのアルバイトで売上報告の責任者を務めた経験で活かされました。
当初、日々の締め作業で1円単位の誤差が頻繁に発生し、原因特定に時間がかかるという課題がありました。
この課題を解決するため、誤差が出やすい作業工程を分析し、独自のチェックリストを作成して確認手順を徹底しました。
さらに、他のスタッフとも協力しダブルチェックを行う体制を整えた結果、誤差の発生はほとんどなくなり、締め作業の時間を大幅に短縮できました。
貴社に入社した際も、この正確性を経理業務に活かし、数字の面から貴社の信頼性を支える一員として貢献したいと考えています。
計画力
例文
私の強みは、目標から逆算して緻密な計画を立て、効率的に実行する計画力です。
この強みは、大学3年次に卒業論文、資格試験、アルバイトを両立させた経験で活かされました。
当初、目の前のタスクに追われ焦りを感じていましたが、私はまず全てのタスクの最終目標と期限を書き出し、月・週・日単位でやるべきことを細分化しました。タスクに優先順位をつけ、アプリで進捗を可視化することで、常に全体像を把握しながら効率的に時間を使えるよう工夫しました。
結果、全ての目標を計画通りに達成できました。
月次・年次決算など計画性が求められる経理業務において、この強みを活かして貢献したいと考えています。
遂行力
例文
私の強みは、目標達成のために粘り強く取り組み、最後までやり遂げる遂行力です。
この強みは、大学で未経験だったプログラミングを用いたデータ分析の課題で発揮されました。
当初はエラーが頻発し計画通りに進みませんでしたが、毎日最低1時間は課題に取り組むと決め、授業外でも専門書で基礎を学び直しました。エラーの原因を一つひとつ特定し解決する作業を繰り返し、週単位で計画を柔軟に見直しながら粘り強く取り組み続けました。
結果、期限内に目標としていた分析モデルを完成させることができました。
期限が厳格な業務が多い経理職において、この遂行力を活かし、責任をもって業務を完遂することで貴社の信頼を支えたいです。
情報収集能力
例文
私の強みは、目標達成に必要な情報を主体的に収集し、活用する情報収集能力です。
この強みは、日商簿記2級の資格取得を目指した経験で活かされました。
独学で学習する中で、連結会計の分野で理解が追いつかず、模試の点数が伸び悩む壁にぶつかりました。
そこでテキストだけでなく、複数の会計専門書やWebサイトを比較し、論点の背景や本質を多角的に調査しました。さらに大学のキャリアセンターを通じて会計士のOBの方にお話を伺い、実務的な知識も深めました。
結果、深い理解に繋がり、目標を上回る点数で合格できました。
貴社でも、常に最新の会計基準や税法の情報を収集・学習し、正確な会計処理に貢献したいと考えています。
論理的思考力
例文
私の強みは、物事の因果関係を分析し、課題解決に導く論理的思考力です。
この強みは、ゼミのグループ研究で、地域の商店街の活性化策を提案した際に活かされました。
当初、チームの議論は施策のアイデア出しに終始し、話がまとまりませんでした。
そこで私は、まず課題の根本原因を特定すべきだと提案し、公的データを収集・分析しました。その結果「来訪者数の減少」ではなく「客単価の低下」が最も深刻な問題だと突き止め、原因を深掘りしました。
これにより議論の軸が定まり、説得力のある提案として教授から高く評価されました。
貴社では、財務データから経営課題を論理的に分析し、改善に貢献したいです。
【経理の自己PR】就活エージェントに相談しよう
自己PRの作成に行き詰まったり、より客観的な視点で内容をブラッシュアップしたいと考えたりした際には、就活エージェントに相談することも非常に有効な手段です。
特にジョブコミットでは、キャリアアドバイザーという転職・就活の専門家から、無料で個別のアドバイスを受けることができます。
第三者の視点が入ることで、自分では気づかなかった自身の新たな強みを発見できたり、採用担当者により伝わりやすい表現方法に改善できたりします。
一人で悩まず、プロの力を借りることで、自信を持って選考に臨める自己PRを完成させましょう。
まとめ
経理職の自己PRを成功させるためには、付け焼き刃ではない、本質的な準備が不可欠です。
まず何よりも、経理という仕事の多岐にわたる内容と、そこで求められる専門スキルや素養を深く理解することが全ての土台となります。
その上で、丁寧な自己分析を通じて自身のキャリアから強みを抽出し、それを応募先企業が求める人物像と的確に結びつけてアピールすることが重要です。
本記事で解説してきた仕事内容の理解、自己PRの作成準備から具体的な構成、アピールポイントまでを参考に、あなただけの説得力ある自己PRを完成させ、万全の準備で選考に臨んでください。

