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- 企業がガクチカで実績よりもプロセスを重視する理由
- 特別な経験がなくても最強のガクチカを見つける具体的な方法
- 面接官に響くガクチカの伝え方
- ガクチカで話せるようなすごい実績や特別な経験がないと悩んでいる就職活動生
- アルバイトやサークル活動などの平凡な経験を、どう自己PRに繋げれば良いか分からない方
- エントリーシートや面接で、ガクチカを論理的かつ魅力的に伝えるための具体的な構成や書き方を知りたい方
目次[目次を全て表示する]
【学業以外に力を入れた活動】学業以外に力を入れた活動は実績勝負ではない
「学業以外に力を入れた活動、いわゆるガクチカで話せるような凄い実績がない…」多くの就活生が抱える悩みです。
しかし、安心してください。
ベンチャー企業をはじめ、多くの企業がガクチカで見ているのは、インターンでの輝かしい成果や、部活動での全国大会出場といった実績そのものではありません。
大切なのは、あなたがどのような壁にぶつかり、それを乗り越えるために何を考え、どう行動したか、そのプロセスです。
この記事では、平凡な経験を最強のガクチカに変える秘訣を徹底解説します。
学業以外の範囲は? アルバイトやゼミもOK?
まず、ガクチカの範囲について整理しましょう。
学業以外と聞くと、サークル活動やボランティアをイメージしがちですが、範囲はもっと広いです。
結論から言えば、大学生活の中であなた自身が主体的に考え、情熱を注いで取り組んだことであれば、基本的に何でも構いません。
もちろん、アルバイトやゼミ活動も立派なガクチカのネタになります。
重要なのは、それが学業の成績評価に直結する活動かどうかではなく、あなた自身が目的意識を持って行動した経験であるかどうかです。
企業がすごい経験より思考プロセスを重視する理由
なぜ企業は、華々しい実績よりもプロセスを重視するのでしょうか。
それは、過去の実績が未来の成果を保証するとは限らないからです。
むしろ企業が知りたいのは、未知の課題に直面したときに、あなたがどのように状況を分析し、解決策を考え、周囲を巻き込んで実行できるかという、再現性のある能力です。
入社後は、学生時代とは全く異なる環境で新しい課題に挑戦し続けてもらわなくてはなりません。
だからこそ、経験の大小ではなく、その経験から何を学び、どのような行動特性を身につけたのかという思考プロセスを深く知りたいのです。
【学業以外に力を入れた活動】なぜ企業は学業以外に力を入れた活動を聞くのか?
面接で必ずと言っていいほど聞かれるガクチカ。
企業はこの質問を通じて、あなたの表面的な経歴ではなく、もっと深い部分を理解しようとしています。
ESや履歴書だけでは分からない、あなたの本質的な強みやポテンシャルを見極めようとしているのです。
この質問の意図を正確に理解することが、的を射たアピールにつながる第一歩です。
企業がガクチカを聞く主な理由を3つの視点から解説します。
あなたの人柄や価値観を知るため
企業はガクチカのエピソードを通じて、あなたがどのような物事に興味を持ち、何に対して情熱を傾ける人間なのかを知ろうとしています。
どのような状況でやりがいを感じ、困難な時にどう立ち振る舞うのか。
そうした行動の源泉には、あなたの根本的な人柄や大切にしている価値観が表れます。
それが自社の文化や大切にしている理念、いわゆる社風とマッチしているかどうかは、入社後にあなたが活き活きと働けるか、組織に早期に馴染めるかを判断する上で非常に重要な指標となります。
主体性や課題解決能力を測るため
社会に出ると、誰も答えを教えてくれない課題に直面する連続です。
企業は、あなたが学生時代に、指示待ちではなく自ら課題を見つけ、その解決に向けて主体的に行動した経験があるかを見ています。
目標達成のためにどのような障害があり、それをどう分析したのか。
そして、具体的にどのような工夫や努力をして乗り越えたのか。
その一連のプロセスから、あなたの持つ課題発見能力や、困難な状況でも諦めずにやり遂げる力を評価し、入社後の活躍をイメージしているのです。
入社後の再現性を確認するため
過去の行動は、未来の行動を予測する最も確かな手がかりの一つです。
企業は、あなたがガクチカで語るエピソードの中で発揮した強みや思考のクセが、入社後の業務においても再現されることを期待しています。
学生時代に培ったリーダーシップ、チームワーク、粘り強さといった能力が、ビジネスの現場という新しいフィールドでも同様に発揮され、企業の成長に貢献してくれる人材かどうか。
そのポテンシャルを見極めるために、具体的な行動事実を深く掘り下げて確認するのです。
【学業以外に力を入れた活動】ネタ見つけ方
ガクチカの重要性は分かったけれど、肝心のネタが思いつかない。
そんな風に悩んでいませんか。
特別な経験は必要ありません。
あなたの大学生活の中に、必ずアピールできる原石は眠っています。
大切なのは、派手な経験を探すことではなく、自分自身の経験を丁寧に振り返り、その価値を再発見することです。
ここでは、当たり前だと思っていた日常からガクチカのネタを見つけ出す、自己分析の具体的なステップを紹介します。
大学生活の行動をすべて書き出す
まずは、大学生活で経験したことを、先入観を持たずに片っ端から書き出してみましょう。
授業、ゼミ、研究、サークル、部活動、アルバイト、インターンシップ、ボランティア、趣味、旅行、友人との関わりなど、どんな些細なことでも構いません。
この段階では、ガクチカに使えるかどうかを判断する必要はありません。
とにかく量を出すことを意識してください。
思いつくままにリストアップしていくことで、自分でも忘れていたような出来事や、意識していなかった自分の行動パターンが見えてくるはずです。
感情が動いた瞬間に印をつける
次に、書き出したリストを眺めながら、自分の感情が特に大きく動いた瞬間に印をつけていきます。
とても嬉しかったこと、達成感があったこと、逆に、非常に悔しかったこと、苦労したこと、腹が立ったことなどです。
ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情が動いた出来事にも注目してください。
なぜなら、感情が強く揺さぶられた背景には、あなたの価値観や、あなたが何に対して本気になれるのかというモチベーションの源泉が隠されているからです。
なぜ?とどうした?で深掘りする
印をつけた出来事について、さらに深掘りしていきます。
ここで使う魔法の問いかけが「なぜ?」と「どうした?」です。
なぜその時、嬉しいと感じたのか。
なぜ悔しいと思ったのか。
その原因や背景を突き詰めます。
そして、その課題や状況に対して、自分はどう考え、具体的にどう行動したのかを思い出します。
この自問自答を繰り返すことで、単なる出来事が、あなたの強みや思考プロセスを示す具体的なエピソードへと磨かれていきます。
これがガクチカの核となる部分です。
【学業以外に力を入れた活動】人事を惹きつける学業以外に力を入れた活動最強の構成術
せっかく見つけたガクチカのネタも、伝え方が悪ければ魅力は半減してしまいます。
面接官は短い時間で多くの学生の話を聞いています。
その中であなたの経験を印象付け、能力を正しく理解してもらうためには、論理的で伝わりやすい構成が不可欠です。
ここでは、人事を惹きつけ、あなたの強みがストレートに伝わるガクチカの最強の構成術、いわばプレゼンの型を紹介します。
この型に沿って整理するだけで、話の説得力は格段に上がります。
結論ファースト!最強のガクチカ構成4ステップ
ガクチカを伝える際は、まず結論から述べることが鉄則です。
私が学生時代に力を入れたことは〇〇です、と簡潔に言い切りましょう。
次に、なぜその活動に取り組もうと思ったのか、動機や背景を説明します。
続いて、その活動の中で直面した具体的な課題や、設定した目標を明確に提示します。
そして最後に、その課題や目標に対して、あなたがどのように考え、行動したのかを具体的に述べます。
この結論、動機、課題、行動の4ステップで構成することで、聞き手はあなたの話の全体像を掴みやすくなります。
最も重要なのは行動・工夫の具体性
ガクチカの構成要素の中で、面接官が最も注目しているのは、課題や目標に対するあなたの具体的な行動や工夫です。
ただ頑張りました、努力しました、という精神論では何も伝わりません。
課題を解決するために、どのような情報を収集し、何を分析したのか。
周囲のメンバーとどのように協力し、どのような新しい試みを行ったのか。
そのプロセスを詳細に語ることで、あなたの主体性や課題解決能力、思考の深さが具体的に伝わります。
ここが他の学生と差別化を図る最大のポイントです。
学びは入社後どう活かせるかで締めくくる
一連の経験を語った後は、必ずその経験から何を得たのか、何を学んだのかを自分の言葉で総括しましょう。
それは課題解決のスキルかもしれませんし、チームをまとめる力かもしれません。
そして、締めくくりとして最も重要なのが、その学びや強みを、入社後にどのように活かして貢献できるかを明確に伝えることです。
これにより、面接官はあなたの入社後の活躍を具体的にイメージできますし、企業研究をしっかり行っているという熱意のアピールにも繋がります。
【学業以外に力を入れた活動】平凡な経験を強みに変える書き方3選
多くの学生が経験するアルバイトやサークル活動は、平凡すぎてガクチカにならないと思い込んでいませんか。
それは大きな誤解です。
経験の珍しさではなく、その中であなたが何を考え、どう行動したかで評価は決まります。
ここでは、誰もが経験しがちな3つのシーンを取り上げ、それらを自己PRにつながる強力なガクチカのエピソードに変えるための視点や切り口を紹介します。
あなた自身の経験と照らし合わせながら読んでみてください。
アルバイト (飲食店の接客改善)
飲食店のホールスタッフとして、ただ注文を取り、料理を運んでいただけではアピールになりません。
注目すべきは、日々の業務の中で感じた小さな課題です。
お客様の待ち時間が長い、リピーターが少ない、新人のミスが多い、といった課題に対し、自分なりに考えた改善策を実行した経験はないでしょうか。
例文
私が力を入れたのは、飲食店のアルバイトでのリピーター獲得です。当初、私の店舗はマニュアル通りの接客で、お客様の満足度が低いという課題がありました。私は、お客様に「また来たい」と思ってもらうには、個々のニーズに応じた接客が必要だと考えました。そこで、お客様の年齢層や会話の内容から好みを推測し、おすすめメニューを提案したり、常連のお客様には好みの味付けを覚えて提供したりする工夫を徹底しました。結果、アンケートで名指しの感謝をいただく機会が増え、店舗のリピート率も前月比で10%向上しました。この経験から学んだ「相手の立場に立ってニーズを先読みする力」は、貴社の営業職においても活かせると考えます。
サークル活動 (新入生の定着率向上)
サークル活動で、メンバーの一員として楽しんだ経験だけでなく、組織運営に関わった視点を探してみましょう。
多くのサークルが抱える課題の一つに、新入生の定着率の低さがあります。
もしあなたのサークルも同様の課題を抱えていたならチャンスです。
なぜ新入生が辞めてしまうのか原因を分析し、解決策を提案・実行した経験は立派なガクチカです。
新入生との面談機会を設けた、練習メニューを見直した、交流イベントを企画したなど、組織のために行動した具体例が協調性や課題解決能力のアピールに繋がります。
お客様の層に合わせて声かけを変えてみた、効率的な配膳ルートを提案した、分かりやすい業務マニュアルを作成したなど、主体的な行動こそがあなたの強みを示すエピソードになります。
例文
テニスサークルでの新入生定着率向上に尽力しました。私のサークルでは、新入生が練習に馴染めず、夏までに半数が辞めてしまうことが課題でした。私は、原因が既存メンバーとのコミュニケーション不足にあると考え、新入生と上級生がペアを組む「メンター制度」の導入を企画しました。練習メニューの相談だけでなく、履修相談など大学生活の不安も解消できる場を設けました。当初は面倒がる上級生もいましたが、制度の目的を粘り強く説明し協力を仰ぎました。結果、その年の新入生の定着率は9割を超え、チームの一体感も高まりました。この経験で培った「課題を特定し、周囲を巻き込んで解決する力」で、貴社のチームに貢献したいです。
ゼミ活動 (グループ研究の推進)
ゼミ活動は学業の一環ですが、そのプロセスにはガクチカのネタが豊富にあります。
特にグループでの研究や発表は、チームで成果を出すための行動をアピールする絶好の機会です。
研究テーマについて意見が対立した際、どのように議論を整理し、合意形成を図ったか。
メンバーの進捗が芳しくない時、どのように働きかけ、スケジュール管理を行ったか。
研究そのものの内容ではなく、目標達成に向けてチームの中でどのような役割を果たし、どのように貢献したのかというプロセスを語ることで、あなたの論理的思考力や調整力を示すことができます。
例文
学業面では、ゼミのグループ研究に最も力を入れました。私達のグループは当初、テーマ決めが難航し、議論が停滞していました。私は、原因がメンバー間の知識の差と、意見を遠慮する雰囲気にあると考えました。そこでまず、各自が関心のある論文を要約して共有する勉強会を提案し、知識レベルの均一化を図りました。また、議論ではファシリテーター役を務め、全員の意見を引き出し、共通点を探ることに注力しました。結果、全員が納得する研究テーマを設定でき、最終発表では教授から最も高い評価を得ることができました。この経験から得た「異なる意見を調整し、チームの成果を最大化する力」は、貴社のプロジェクト推進において活かせると確信しています。
【学業以外に力を入れた活動】学業以外に力を入れた活動の注意点
自信を持ってガクチカを語ることは重要ですが、アピールの仕方を間違えると、かえってマイナスの印象を与えてしまう危険性もあります。
せっかくの良い経験も、伝え方のマナー違反で評価を下げてしまっては元も子もありません。
ここでは、就活生が陥りがちなガクチカの注意点を3つピックアップします。
面接官にあなたの魅力を正しく伝えるために、これらのNG行動を避け、誠実な姿勢で臨むことを心がけましょう。
嘘や過度な盛りは絶対NG
自分を少しでも良く見せたいという気持ちは分かりますが、事実ではないエピソードを作り上げたり、成果を過度に誇張したりすることは絶対にやめましょう。
面接官はプロであり、数多くの学生を見てきています。
話の辻褄が合わなかったり、不自然な点があったりすれば、深掘り質問ですぐに見抜かれてしまいます。
一度でも嘘が発覚すれば、他のすべての発言の信憑性が失われ、その時点で不採用となる可能性が極めて高いです。
等身大のあなたを、誠実に伝えることが何よりも大切です。
結果だけを自慢し、プロセスを語らない
大会で優勝しました、売上を2倍にしました、といった華々しい結果だけを強調するのは逆効果です。
企業が知りたいのは、その結果に至るまでのあなたの思考や行動、つまりプロセスです。
なぜその目標を立てたのか、どのような困難があり、それを乗り越えるために何を考え、どのような工夫を凝らしたのか。
その具体的なプロセスを語らなければ、あなたの本当の能力は伝わりません。
結果はあくまで、あなたの行動が正しかったことの証左として、最後に添える程度に留めましょう。
専門用語や固有名詞を説明なしに使う
あなたが所属していたゼミやサークル、アルバイト先だけで使われていた内輪の言葉や専門用語を、何の説明もなしに使ってしまうのは避けましょう。
面接官はあなたの背景を全く知りません。
聞き慣れない言葉が出てくると、話の内容が理解できず、あなたの意図が伝わらなくなってしまいます。
常に聞き手の立場に立ち、誰が聞いても理解できるように、前提となる状況や言葉の意味をかみ砕いて説明する配慮が必要です。
分かりやすく伝える力も、ビジネスにおける重要なスキルの一つです。
まとめ
学業以外に力を入れた活動、ガクチカは、決して実績の凄さを競うものではありません。
大切なのは、大学生活という限られた時間の中で、あなたが何に情熱を注ぎ、どのような課題に直面し、それを乗り越えるために何を考え、どう行動したのか、そのプロセスを自分の言葉で論理的に語ることです。
平凡だと思える日常の経験にも、あなたの強みや人柄を示すヒントは必ず隠されています。
この記事で紹介したネタの見つけ方や構成術を参考に、あなた自身の経験を丁寧に棚卸しし、自信を持って人事に伝えてください。
あなたの挑戦を応援しています。
