はじめに
アビームコンサルティングは、日本発・アジア発の総合コンサルティングファームとして、就活生から高い人気を誇ります。
しかし、その人気の高さ故に選考は難関であり、特に「なぜ外資系ではなくアビームなのか」を明確に示す志望動機が合否を分けます。
多くの方が、日系ファームとしての強みや他社との違いを言語化できず、悩んでいるのではないでしょうか。
この記事では、アビームの志望動機を作成するために不可欠な企業研究から、具体的な書き方、競合他社との比較、通過者の共通点までを網羅的に解説します。
本記事を通じて、アビームが求める「リアルパートナー」としての素養を理解し、説得力のある志望動機を完成させましょう。
志望動機が完成したらAIチェッカーを使おう
志望動機を書き上げた後、自分では完璧だと思っても、客観的に見ると論理が飛躍していたり、意図が伝わりにくい表現が残っていたりするものです。
そこで有効活用したいのが、AIチェッカーによる最終チェックです。
AIチェッカーは、誤字脱字や文法的な誤りを瞬時に検出するだけでなく、文章の構成や論理の一貫性を機械的に評価する上で役立ちます。
特にアビームのようなコンサルティングファームの選考では、文章の論理性や構造的な明確さが厳しく評価されます。
AIによる客観的なフィードバックは、自分一人では気づきにくい冗長な表現や、主語と述語のねじれといった細かなミスを発見するための有効な手段となります。
チェックすべき観点としては、まず「結論ファースト」で志望理由が明確に述べられているか、次に「なぜ他ファームではなくアビームなのか」という独自性が具体的に示されているか、そして「自身の経験がどう貢献できるか」という結びつきが強固かを確認しましょう。
AIの指摘を参考に推敲を重ねることで、志望動機の完成度を飛躍的に高めることができます。
【アビームの志望動機】アビームを知ろう
アビームコンサルティング(以下、アビーム)の志望動機を作成する上で、その土台となるのが深い企業理解です。
アビームは、日本に本社を置く、アジア発のグローバルコンサルティングファームとして、独自のポジションを確立しています。
外資系ファームとは一線を画す「日系企業」としての強み、すなわち日本の企業文化や商習慣を深く理解した上でのコンサルティングを特徴としています。
また、NECグループの一員であることによるIT・デジタル領域への強みも持ち合わせています。
この章では、志望動機の核となるアビームの全体像を掴むため、具体的な事業内容、最新の業績、そして企業が掲げる理念について詳しく見ていきます。
アビームが大切にする「リアルパートナー」という思想が、どのように事業や組織に反映されているのかを読み解くことが、説得力のある志望動機を作成する鍵となります。
アビームの事業内容
アビームのビジネスモデルを理解する上で重要なのは、同社が「総合コンサルティングファーム」であるという点です。
これは、特定の領域に特化するのではなく、企業の経営戦略立案から、それを実行するための業務プロセス改革(BPR)、ITシステムの導入・運用・保守、さらにはアウトソーシングまで、企業のあらゆる経営課題に対して「一気通貫」でサービスを提供できることを意味します。
主力事業は、SAP(企業の基幹システム)導入支援を中心としたITコンサルティングであり、この領域では国内トップクラスの実績を誇ります。
しかし、それだけにとどまらず、戦略コンサルティング、デジタルコンサルティング(AI, IoTなど)、金融や製造、公共といった業界別の専門チームも擁しています。
就活生が理解すべきポイントは、戦略(絵)を描くだけでなく、ITの力を使ってそれを「実行」し、クライアントの成果が出るまで「最後までやり遂げる」という、実行支援力と伴走力こそがアビームの最大の強みであるということです。
アビームの業績
企業の業績を把握することは、その企業の戦略の方向性や将来性を客観的に理解するために不可欠です。
アビームは非上場企業ですが、NECグループの連結対象会社として、その業績動向はある程度把握することができます。
近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の需要が世界的に高まっており、アビームが手掛けるコンサルティング、特にITやデジタル領域のソリューション需要は極めて旺盛です。
業績は堅調に推移しており、積極的な人材採用と育成を続けています。
就活生が注目すべき視点は、単なる売上高の数字だけでなく、同社が中期経営計画などでどのような領域に注力しようとしているかです。
例えば、「デジタル領域の強化」や「グローバル(特にアジア)展開の加速」といった方針が示されていれば、それが企業の成長ドライバーとなります。
自身のキャリアプランと、企業の成長戦略がどのようにリンクするかを具体的にイメージし、志望動機に盛り込むことで、入社後の貢献意欲を説得力を持って示すことができます。
アビームの企業理念
アビームの企業理念や価値観を深く理解することは、企業とのカルチャーフィットを示し、志望動機の核を形成する上で極めて重要です。
アビームが最も大切にしているのは、「リアルパートナー(Real Partner)」という概念です。
これは、コンサルタントが一方的に答えを提示する「先生」のような存在ではなく、クライアントと同じ目線に立ち、その企業の一員であるかのように深く入り込み、共に汗をかき、最後まで変革をやり遂げるという姿勢を示しています。
また、「多様な個性の尊重」や「チームとしての強さ(One Firm)」も強く意識されており、社員一人ひとりの専門性を高めつつ、それが組織として連携することで最大の価値を生み出すという考え方が根付いています。
志望動機に活かす際は、これらの理念にただ「共感した」と述べるだけでは不十分です。
例えば「サークル活動で、異なる意見を持つメンバーと粘り強く対話し、一つの目標に向かって伴走した経験」と「リアルパートナー」の精神性を結びつけるなど、自身の具体的な経験と企業理念との一致点を論理的に説明することが求められます。
【アビームの志望動機】アビームが志望動機で見ていること
アビームの選考において、志望動機は応募者の適性や熱意を多角的に評価するための重要な判断材料です。
アビームは「リアルパートナー」としてクライアントの変革を最後まで支援することを掲げており、その実現には高い専門性だけでなく、人間的な信頼感や泥臭い実行力が不可欠です。
そのため、志望動機を通じて、単なる「コンサルタント」への憧れではなく、アビームの「日系ファーム」としての特性や「伴走型」のスタイルを正しく理解しているかを見ています。
また、困難な課題に対しても主体的に考え、チームとして協働しながら粘り強く取り組めるかという「コンサルタント適性」も厳しく評価されます。
この章では、アビームが志望動機を通じて特に見極めようとしている3つの重要な評価ポイントについて、その背景とともに詳しく解説していきます。
「なぜアビームか」という企業への理解度と熱意
アビームの面接官が志望動機で最も重視する点の一つが、「なぜ数あるコンサルティングファームの中で、アビームでなければならないのか」という問いへの明確な回答です。
コンサル業界には、外資系戦略ファーム、総合系ファーム(BIG4など)、日系SIer系ファームなど、多様なプレイヤーが存在します。
その中で、日本企業の文化や実情に深く寄り添い、戦略から実行・運用まで「最後までやり遂げる」というアビームの「リアルパートナー」としての姿勢に、どれだけ強く共感しているかが問われます。
「外資系ファームのようにUp or Outではなく、長期的に人材を育成する日系の風土に魅力を感じた」あるいは「戦略を描くだけでなく、NECグループの技術力を背景にしたIT実行力まで持つ点に惹かれた」など、他社と比較した上でのアビームの独自性を具体的に指摘し、それが自身の価値観やキャリア観とどのように合致するのかを論理的に説明することが不可欠です。
クライアントの変革をやり遂げる「実行力」と「粘り強さ」
アビームは「リアルパートナー」として、クライアントの変革が成果として表れるまで伴走することを強みとしています。
コンサルティングのプロジェクトは、戦略を描く段階よりも、それを現場に落とし込み、実行する段階の方がはるかに困難で、多くの抵抗や予期せぬトラブルに直面します。
そのため、アビームは華やかな戦略立案能力以上に、地道で泥臭い作業も厭わず、クライアントと一緒になって汗をかき、最後までやり遂げられる「実行力」と「精神的なタフさ」を非常に重視します。
志望動機においては、単に「粘り強さには自信がある」と主張するのではなく、過去の具体的な経験(例:困難な目標を掲げた部活動、意見が対立する中でのグループワーク、長期にわたる研究活動など)において、どのように困難を乗り越え、周囲を巻き込み、目標を達成したのかというプロセスを詳細に語ることが求められます。
その経験が、アビームのコンサルタントとしてどう活かせるかを明確に示しましょう。
チームで成果を出す「協調性」と「当事者意識」
アビームのコンサルティングは、決して個人の力だけで完結するものではありません。
多様な専門性を持つ社内のメンバーや、クライアントの担当者、時にはNECグループや他のパートナー企業とも密に連携し、チームとしてプロジェクトを推進します。
そのため、個人のスキルを誇示する「個人主義」ではなく、チーム全体の成果を最大化するために、自分は何をすべきかを考え行動できる「協調性」が不可欠です。
また、アビームは「One Firm」という価値観を掲げ、組織間の壁を越えた連携を重んじています。
志望動機や自己PRでは、チームスポーツやグループでの研究、アルバイトでの協働経験などを通じて、自分がチームの中でどのような役割(リーダー、サポーター、調整役など)を担い、どのようにチームの成功に貢献したかを具体的に説明することが有効です。
自分の役割に責任を持ち、当事者意識を持って行動した経験をアピールしましょう。
【アビームの志望動機】アビームの求める人物像
アビームが「リアルパートナー」としてクライアントの変革を支え続けるためには、その理念を体現できる優秀な人材が不可欠です。
アビームが求める人物像は、単に地頭が良い、あるいはITスキルが高いというだけではありません。
それ以上に、クライアントの成功を自らの喜びとして捉え、困難な課題にも誠実に向き合い、チームと共に最後までやり遂げようとする「マインドセット」が重視されます。
日系ファームとしての「和」の精神と、コンサルタントとしての「プロフェッショナリズム」を両立できる人材が求められていると言えます。
この章では、アビームの企業文化や事業特性を踏まえ、新卒採用において特に求められる4つの人物像について、その背景や理由と共に詳しく解説していきます。
クライアントの成功にコミットできる「当事者意識」
アビームが掲げる「リアルパートナー」の根幹をなすのが、クライアントの課題を他人事ではなく「自分ごと」として捉え、その成功に最後までコミットする「当事者意識」です。
コンサルタントは第三者的な評論家であってはならず、時にはクライアント以上にその企業の未来を考え抜き、泥臭い実行支援も厭わない姿勢が求められます。
この背景には、日本企業の「ウェット」な側面も理解し、理屈だけでは動かない現場の心を動かすことが、真の変革には不可欠であるというアビームの信念があります。
学生時代の経験で、所属する組織(サークル、ゼミ、アルバイト先など)が抱える課題に対し、自ら手を挙げて解決策を提案し、周囲の抵抗や無関心を乗り越えて実行に移したエピソードは、この当事者意識をアピールする上で非常に強力な材料となります。
多様性を受け入れ、チームで協働できる「柔軟性」
アビームは「One Firm」という考えのもと、多様な専門性やバックグラウンドを持つ人材が連携し、チームとして最大の価値を生み出すことを重視しています。
コンサルティングプロジェクトは、戦略、IT、業務、人事など、様々な領域の専門家が知恵を出し合って初めて成功に導けます。
そのため、自分の意見や専門性に固執するのではなく、異なる視点や意見を尊重し、建設的な議論を通じてチームとしての最適解を導き出せる「柔軟性」と「協調性」が不可欠です。
この企業文化は、外資系ファームに見られがちな個人主義的な成果主義とは一線を画します。
グループワークやチームスポーツなどで、異なる強みを持つメンバーの意見を調整し、シナジーを生み出した経験や、自分とは異なる価値観を受け入れて成功した経験を具体的に語ることで、アビームの文化への適応力を示すことができます。
変化を恐れず学び続ける「知的好奇心」と「成長意欲」
コンサルタントの仕事は、常に新しい知識やスキルの習得を求められる仕事です。
クライアントの業界も課題もプロジェクトごとに変わり、IT技術の進歩も日進月歩です。
アビームが「リアルパートナー」であり続けるためには、社員一人ひとりが常に自己研鑽を怠らず、専門性を高め続ける必要があります。
そのため、現時点での知識量以上に、未知の領域に対しても臆することなく飛び込み、どん欲に学び続ける「知的好奇心」と「高い成長意欲」が強く求められます。
この背景には、アビームが日系ファームとして、社員を「Up or Out」でふるいにかけるのではなく、長期的な視点で育成し、プロフェッショナルとして育て上げようとする組織風土があります。
自ら高い目標を設定し、それを達成するために主体的に学習・努力を続けた経験をアピールしましょう。
困難な課題にも粘り強く取り組む「タフネス」
アビームのコンサルティングは、戦略立案(「絵を描く」)だけでなく、その後の実行・定着支援(「泥臭い作業」)までを一貫して行います。
クライアントの変革は、現場の抵抗や予期せぬトラブルなど、常に困難が伴います。
アビームが「最後までやり遂げる」ことを強みとする以上、コンサルタントには、高いプレッシャーの中でも冷静さを失わず、地道な努力を続けられる「精神的なタフネス」が不可欠です。
この組織特性は、短期的な成果を求めるファームとは異なり、中長期的な関係性の中でクライアントに伴走するアビームだからこそ強く求められる資質です。
学業や部活動などで、すぐに結果が出ない状況でも諦めず、目標達成に向けて粘り強く努力を継続した経験は、この「タフネス」を証明する上で非常に有効です。
【アビームの志望動機】アビームの志望動機に入れ込むべきポイント3選
アビームの選考を突破するためには、他の就活生と差別化された、説得力のある志望動機が不可欠です。
あなたの熱意と適性を効果的に伝えるためには、押さえるべきいくつかの重要な要素があります。
それは、あなた自身の経験、アビームという企業の独自性、そして競合他社との比較という3つの視点を、論理的に結びつけることです。
特にアビームの志望動機においては、同社の強みである「日系」としての特性や「リアルパートナー」という思想に、いかに自分自身の経験や価値観を重ね合わせるかが鍵となります。
この章では、アビームの採用担当者に「なぜあなたを採用すべきか」を明確に伝えるために、志望動機に必ず盛り込むべき3つのポイントを詳しく解説します。
自身の経験と「リアルパートナー」という思想の結びつき
アビームの志望動機において最も重要なのは、「なぜコンサルタントなのか」に加えて、「なぜアビームの『リアルパートナー』というスタイルに共感するのか」を、自分自身の具体的な経験に基づいて答えることです。
「第三者として客観的に助言する」のではなく、「当事者として深く入り込み、共に汗をかく」というアビームの姿勢に、あなたのどのような原体験や価値観が共鳴するのかを明確に示しましょう。
例えば、「サークル運営で、課題を指摘するだけでなく、自ら率先して地道な作業を引き受け、仲間と共に目標を達成した経験」や、「アルバイト先で、お客様の立場に立ってマニュアルにないサービスを提供し、信頼を得た経験」など、「伴走型」の支援や「当事者意識」を持って行動したエピソードを棚卸しし、アビームの理念とを強固に結びつけることが不可欠です。
「日本発・アジア発」の強みと、自身のキャリア観の合致
数あるコンサルティングファームの中で「なぜアビームなのか」を説明する上で、同社が「日本発・アジア発」のファームであることへの言及は非常に有効です。
これは、単に「日系だから働きやすそう」という理由ではありません。
日本企業の文化や意思決定プロセスを深く理解しているからこそできる、きめ細やかなコンサルティングや、欧米基準のグローバルスタンダードを一方的に押し付けるのではない、アジア企業の実情に即した変革支援は、アビームの明確な強みです。
この点に共感し、「日本企業の真の変革を、その文化を尊重しながら支援したい」「将来的にアジアを舞台に、日本発の知見を活かして活躍したい」といった形で、自身のキャリア観とアビームの強みが合致していることをアピールしましょう。
競合他社との比較して優れた点を盛り込む
「なぜアビームなのか」という問いに答えるためには、必然的に競合他社との比較が必要になります。
他社と比較した上で、アビームが持つ独自の優位性や魅力を志望動機に盛り込むことは、あなたの企業理解の深さと思考の鋭敏さを示す絶好の機会です。
例えば、外資系総合ファーム(アクセンチュアやBIG4)と比較した場合の、アビームの「長期的な人材育成」の風土や「Up or Outではない」文化に言及することが考えられます。
また、日系の競合(NRIなど)と比較した際の、NECグループとの連携によるIT実行力や、より広範なグローバルネットワーク(特にアジア)なども比較軸となり得ます。
重要なのは、単に他社を否定するのではなく、客観的な事実に基づいて各社の特徴を比較・分析した結果、自分の価値観やキャリアプランに最も合致するのがアビームであるという結論を論理的に導き出すことです。
【アビームの志望動機】競合他社との比較しよう
アビームの志望動機を「その他大勢」から一歩抜きん出たものにするためには、競合他社との精緻な比較分析が不可欠です。
「なぜアビームでなければならないのか」という問いは、裏を返せば「なぜアクセンチュアやデロイト、NRIではダメなのか」という問いでもあります。
この問いに明確に答えるためには、各社の強み、弱み、事業領域、企業文化の違いを正確に把握しておく必要があります。
なんとなく「日系だから」という曖昧な理解では、面接官の鋭い深掘りに耐えることはできません。
この章では、アビームと頻繁に比較対象となる主要な競合他社を取り上げ、それぞれの特徴やアビームとの違いを具体的に解説します。
これらの比較軸を参考に、自分なりの「アビームを選ぶ理由」をシャープに磨き上げてください。
アクセンチュアとの比較
総合コンサルティングファームの筆頭であるアクセンチュアは、アビームと事業領域(戦略からIT実行まで)が重なる最大の競合相手です。
両社ともIT実行力に強みを持っていますが、その成り立ちと企業文化は対照的です。
アクセンチュアは外資系企業として、グローバル共通の手法や最新テクノロジーを武器に、ダイナミックかつスピード感のある変革を推進するのが特徴です。
一方、アビームは日系企業として、日本企業の文化や現場の事情を深く汲み取り、クライアントと「伴走」しながら着実に変革を進めていくスタイルに強みがあります。
また、人材育成においても、成果主義で「Up or Out」の傾向が残るアクセンチュアに対し、アビームは長期的な視点で社員を育成する「人を大切にする」風土が色濃いとされます。
自身の志向が、外資系のスピード感か、日系の協調性か、どちらに合うかを考えることが重要です。
BIG4(デロイト、PwCなど)との比較
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)やPwCコンサルティングといった「BIG4」と呼ばれる会計ファーム系の総合コンサルティングファームも、アビームの強力な競合です。
BIG4は、母体である監査法人の知見を活かし、財務・会計、リスクマネジメントといった領域に伝統的な強みを持っています。
また、グローバルブランド力も非常に高いです。
これに対し、アビームの強みは、NECグループとの連携を背景にした「IT実行力」、特にSAP導入などのシステム構築(SI)における豊富な実績にあります。
戦略や構想策定(上流)に強みを持つBIG4に対し、アビームは戦略から「実行・運用」という下流工程までを一気通貫で、かつ高い品質でやり遂げる点に優位性があります。
野村総合研究所(NRI)との比較
日系コンサルティングファームとして、アビームとしばしば比較されるのが野村総合研究所(NRI)です。
NRIは「コンサルティング」と「ITソリューション」の二つの事業を両輪としており、特に金融業界への圧倒的な強さと、高度なリサーチ能力(シンクタンク機能)に特徴があります。
一方、アビームは金融業界以外にも、製造、流通、公共など、より幅広い業界をバランスよくカバーしている点が異なります。
また、NRIがシステム開発・運用(アウトソーシング)までを自社で完結させる「フルアウトソーシング」に強みを持つのに対し、アビームはクライアント企業の内製化支援や業務プロセス自体の改善(BPR)にも深くコミットする「リアルパートナー」としての側面が強いです。
その他の日系SIer系コンサル(富士通、日立系など)との比較
アビームはNECグループですが、同じくメーカー・SIer系である富士通(富士通Japan)や日立(日立コンサルティング)系のコンサルティング部門とも比較されます。
これらの企業との大きな違いは、アビームの「独立性」と「コンサルティング専業」としてのブランド力です。
アビームはNECグループではあるものの、親会社の製品(ハードウェアやソフトウェア)ありきではない、中立的な立場(ベンダーフリー)でクライアントにとって最適なソリューションを提案できる点が強みです。
また、あくまで「コンサルティング」を専業としており、システム開発が目的ではなく、経営課題解決の手段としてITを活用するというスタンスが、SIer本体のコンサル部門よりも明確です。
【アビームの志望動機】アビームのES通過者の志望動機の共通点
アビームの難関なエントリーシート(ES)選考を通過した志望動機には、いくつかの明確な共通点が見受けられます。
これらの共通点を分析することは、あなた自身の志望動機をブラッシュアップし、選考通過の確率を高める上で非常に有益です。
最も顕著な共通点は、外資系ファームや他の日系ファームとの違いを明確に理解した上で、「なぜアビームでなければならないのか」を論理的に説明できている点です。
特に、アビームが掲げる「リアルパートナー」という理念や、「日本企業の変革を最後まで支える」という日系ファームならではの姿勢に対し、自身の具体的な経験(例:チームでの協働経験、困難な目標を粘り強く達成した経験)と結びつけて、強く共感していることを示せています。
「成長したい」という受け身な姿勢ではなく、アビームの環境で「クライアントの成功に貢献したい」という主体的な意志が感じられることも、通過者の志望動機に共通する特徴と言えるでしょう。
【アビームの志望動機】アビームの志望動機を作成する際の4つの注意点
アビームの志望動機を作成する際、熱意を伝えようとするあまり、かえって評価を下げてしまう「落とし穴」が存在します。
特に、アビームの「日系」という側面に安易に飛びつき、その本質的な強みや厳しさを理解していない志望動機は、すぐに見抜かれてしまいます。
企業研究の浅さや、コンサルタントという仕事への誤解は、志望動機の具体性のなさや論理の飛躍として表れます。
この章では、アビームの志望動機を作成する上で、特に避けるべき4つの注意点を具体的に解説します。
これらのNGパターンに自分の志望動機が当てはまっていないかを厳しくチェックし、より説得力のある内容へと改善していきましょう。
「日系だから働きやすそう」という安易な理由
アビームが「日系企業」であり、外資系ファームに比べて「人を大切にする」「長期育成」の風土があることは事実です。
しかし、それを「楽そう」「安定していそう」といったネガティブなニュアンスで捉え、志望動機とすることは最も避けるべきです。
アビームの仕事はコンサルティングであり、クライアントの期待に応えるために高いアウトプットを求められる、知的にも体力的にもタフな仕事です。
NGとなるのは、「外資系のUp or Outが嫌だから」といった消極的な理由を前面に出すことです。
そうではなく、「長期的な視点で専門性を高め、クライアントとじっくり向き合う『リアルパートナー』として貢献したいから」というように、日系ならではの強みを、自身の「貢献」意欲と結びつけてポジティブに語る必要があります。
競合他社(特に外資系)との違いが曖昧
「コンサルタントとして成長したい」「DXで社会に貢献したい」といった志望動機は、非常に抽象的であり、アビーム以外の多くの企業(特にアクセンチュアやBIG4など)にも当てはまってしまいます。
このような内容は、企業研究が浅く、なぜアビームでなければならないのかを真剣に考えていないという印象を与えてしまいます。
アビームを選ぶからには、「なぜグローバルスタンダードを推進する外資系ではなく、日本企業の文化に寄り添うアビームなのか」「なぜ戦略だけを描くファームではなく、実行まで伴走するアビームなのか」といった問いに、明確な答えを持たなければなりません。
競合他社との比較をしっかり行い、アビーム独自の強みと自身の価値観を強く結びつける作業が不可欠です。
「リアルパートナー」という言葉の表面的な使用
アビームの理念である「リアルパートナー」は、志望動機で活用すべき非常に重要なキーワードです。
しかし、その言葉の意味を深く理解せず、ただ「貴社のリアルパートナーという理念に共感しました」と書くだけでは、全く説得力を持ちません。
これは、企業理念をただ暗唱しているだけで、本気度が伝わらない典型的なNGパターンです。
重要なのは、「リアルパートナー」とは具体的にどのような行動を指すのか(例:クライアントと伴走する、泥臭い実行支援も厭わない)を自分なりに解釈し、なぜ自分がその理念に共感するのか、その理念を体現できる根拠(過去の経験)は何かをセットで説明することです。
理念を「自分ごと」として語る工夫が求められます。
「成長したい」という受け身な姿勢が強すぎる
「貴社で成長したい」という言葉は、一見すると意欲的に聞こえますが、コンサルティングファームの選考においては逆効果になる可能性が高いです。
アビームが求めているのは、会社に「成長させてもらう」人材ではなく、自ら主体的に学び、困難な課題に挑戦することで「成長し、組織とクライアントに貢献する」人材です。
したがって、「成長したい」という動機を前面に出しすぎると、受け身で依存的な人物であると評価されかねません。
もし「成長」という言葉を使いたいのであれば、「貴社の〇〇という環境で専門性を高め、その結果としてクライアントの△△という課題解決に貢献したい」というように、成長した先に何を成し遂げたいのか、どのように会社や顧客に価値を提供するのかという「貢献」の視点を必ずセットで述べることが不可欠です。
【アビームの志望動機】インターンに参加して有利に本選考を進めよう
アビームコンサルティングの本選考を有利に進める上で、インターンシップへの参加は非常に有効な手段の一つです。
アビームのインターンは、実際のコンサルティング業務に近い、思考力と実行力の両方を問われるプログラムが多く、参加するメリットは計り知れません。
最大のメリットは、「リアルパートナー」とは何か、アビームの社員がどのようなマインドでクライアントと向き合っているかを、現場の雰囲気や社員との交流を通じて肌で感じられる点です。
この実体験は、志望動機に圧倒的な具体性と説得力をもたらします。
また、インターン中に高いパフォーマンスを発揮することで、社員に顔を覚えてもらえるだけでなく、早期選考のルートに招待される、あるいは本選考の一部が免除されるといった優遇措置を受けられる可能性も高まります。
企業と自身のミスマッチを防ぐ意味でも、選考のチャンスを増やす意味でも、積極的な参加を強く推奨します。
【アビームの志望動機】アビームの志望動機例文
ここまで、アビームの志望動機を作成するためのポイントや注意点を解説してきました。
しかし、理論を理解するだけでは、実際にどのような文章を書けばよいかイメージが湧きにくいかもしれません。
そこで、この章では、これまでの解説を踏まえた具体的な志望動機の例文をいくつか紹介します。
これらの例文は、アピールする軸(自身の強みや原体験)によって、異なるアプローチを取っています。
例えば、過去の具体的な「経験」をベースにしたもの、アビームの「価値観」への共感を軸にしたもの、保有する「スキル」の貢献度をアピールするもの、あるいは入社後の「将来ビジョン」を明確に示すものなど、様々な切り口が考えられます。
これらの例文を参考に、自分自身の経験や考えをどのように構成すれば、アビームの採用担当者に響く志望動機になるのか、そのヒントを掴んでください。
例文①(経験ベース:当事者意識・実行力)
私がアビームコンサルティングを志望する理由は、大学時代のサークル運営で培った「当事者意識を持って課題を最後までやり遂げる力」が、貴社の「リアルパートナー」という理念と強く合致すると確信しているためです。
私が所属していたサークルは、活動がマンネリ化し、参加率の低下という課題を抱えていました。
私は執行部の一員として、従来のやり方を批判するだけでなく、自ら課題の当事者となり、全メンバーへのヒアリングと競合サークルの分析を行いました。
その上で、ニーズに基づいた新企画の立案と、地道な広報活動を実行しました。
当初は冷ややかだったメンバーも、私の本気度が伝わるにつれ協力してくれるようになり、最終的には過去最高のイベント参加者数を達成できました。
この経験から、変革とは「絵を描く」ことではなく、「泥臭い実行」の先にあることを痛感しました。
戦略から実行まで一貫してクライアントに寄り添い、成果が出るまで伴走する貴社でこそ、私のこの強みを最大限に活かせると考え、志望いたします。
例文②(価値観ベース:リアルパートナーへの共感)
私がアビームコンサルティングを志望する最大の理由は、貴社が掲げる「リアルパートナー」という理念に、自身の価値観から深く共感しているためです。
私は学生時代、個別指導塾の講師としてアルバイトをしていました。
私の役割は単に勉強を教えることではなく、生徒の目標達成に伴走することでした。
マニュアル通りの指導ではなく、生徒一人ひとりの性格や悩みに真剣に向き合い、時には勉強以外の相談にも乗りながら、信頼関係を築くことを第一に考えました。
その結果、担当生徒が第一志望に合格し、「先生のおかげで最後まで頑張れた」と感謝された時、第三者的な支援ではなく、当事者として深く関わることの尊さを実感しました。
コンサルティングファームの中でも、日本企業の文化や人の心情を理解し、クライアントの一員として共に汗をかく貴社のスタイルは、まさに私が理想とする働き方そのものです。
私の強みである「相手の立場に立って誠実に行動する力」を活かし、貴社でクライアントの真の変革に貢献したいです。
例文③(スキルベース:ITスキル×実行力)
私は、大学で培った情報工学の知見とシステム開発の経験を活かし、企業のDXを「実行」の側面から強力に支援したいと考え、アビームコンサルティングを志望します。
ゼミでは、AIを用いた画像認識技術の研究に取り組む傍ら、学内の業務システムを改善するプロジェクトに参加しました。
そこで、ユーザー(職員)の要望をヒアリングし、実際にPythonを用いてツールを開発・導入しましたが、どんなに優れた技術も、現場の業務プロセスに適合し、使う人に寄り添わなければ意味がないことを痛感しました。
数あるコンサルティングファームの中でも、貴社はNECグループとの連携やSAP導入の豊富な実績に裏打ちされた、圧倒的な「IT実行力」を持っています。
戦略を描くだけでなく、技術的な知見を持ってシステムの実装まで一気通貫で手掛けられる貴社の環境で、私のスキルと経験を活かし、クライアントのDXを絵に描いた餅で終わらせない、本質的な課題解決に貢献したいです。
例文④(将来ビジョンベース:日本企業の変革)
私がアビームコンサルティングを志望する理由は、将来的に「日本企業のグローバル競争力強化に貢献できるプロフェッショナル」になりたいという明確な目標があり、その実現のために貴社の環境が最適であると確信しているからです。
日本企業には優れた技術や製品がありながらも、旧来の業務プロセスや組織の壁が足かせとなり、変革が進まないケースが多いと学びました。
私は、欧米のスタンダードを一方的に押し付けるのではなく、日本企業の強みや文化を尊重しながら、その企業に合った形のDXを推進することが不可欠だと考えています。
日本発のファームとして、日本企業の特性を誰よりも深く理解し、「リアルパートナー」として現場に寄り添う貴社でこそ、この理想が実現できると確信しました。
まずは貴社の充実した育成環境で専門性を徹底的に磨き、将来的にはアジアを舞台に、日本企業の変革を支えるコンサルタントとして貢献したいです。
例文⑤(別角度のアプローチ:チームワーク)
私は、個人の力ではなく、チームとして最大の成果を追求することに最もやりがいを感じるため、アビームコンサルティングを志望します。
大学時代、私はラクロス部に所属し、DF(ディフェンス)のリーダーを務めていました。
DFは目立つポジションではありませんが、チームの勝利(=失点を防ぐ)という共通目標のために、仲間と徹底的に議論し、戦術を練り、互いの弱点を補い合うプロセスに、何よりも大きな充実感を感じていました。
アビームは「One Firm」という価値観を掲げ、個人の成果よりもチームとしての連携や、組織知の共有を重視していると伺っています。
外資系ファームの個人主義的な文化とは異なり、多様な専門性を持つ仲間と協働し、組織全体でクライアントの課題解決にあたる貴社の風土は、私の価値観と強く一致します。
私の強みである「傾聴力」と「チームへの貢献意欲」を活かし、貴社の「リアルパートナー」の一員としてクライアントの成功に貢献したいです。
【アビームの志望動機】よくある質問
アビームコンサルティングの選考を目指すにあたり、志望動機以外にも様々な疑問や不安を抱えている就活生は少なくありません。
特に、「日系ファーム」という立ち位置から、外資系ファームとの働き方やカルチャーの違い、あるいはNECグループとの関係性など、アビームならではの疑問もあるでしょう。
これらの疑問を事前に解消し、入社後のミスマッチを防ぐことは、自信を持って選考に臨むために非常に重要です。
この章では、就活生の皆さんから特によく寄せられる4つの典型的な質問を取り上げ、就活アドバイザーの視点から具体的な疑問の解消に役立つ回答を解説します。
外資系コンサルとの違いは?「日系」のメリット・デメリットは?
最大の違いは、企業文化と人材育成の考え方です。
外資系ファーム(アクセンチュアやBIG4など)は、グローバル共通の手法や成果主義、スピード感を重視する傾向があり、「Up or Out(昇進か退職か)」の文化が残る企業もあります。
一方、アビームは日系企業として、日本企業の文化や実情に寄り添った「伴走型」の支援を強みとし、「人を大切にする」文化のもと、長期的な視点で社員を育成する風土が根付いています。
メリットは、腰を据えて専門性を磨けることや、協調性を重んじるチームワークの良さです。
デメリットとしては、人によっては外資系ほどのスピード感や、若手からの極端な高報酬は得にくいと感じる可能性もあります。
NECグループとの関係性は?案件はNEC経由が多い?
アビームはNECの連結子会社であり、NECグループの一員です。
この関係性は、アビームにとって大きな強みとなっています。
例えば、NECが持つ最先端のIT技術(AI、セキュリティ、クラウド基盤など)を活用したソリューション提供や、大規模なシステム開発プロジェクトでの連携が可能です。
ただし、重要なのは、アビームは独立したコンサルティングファームとして運営されている点です。
案件はNEC経由のものだけでなく、アビームが独自に開拓・受注している案件が大多数を占めます。
また、コンサルティングは「ベンダーフリー」が基本であり、NEC製品ありきではなく、クライアントにとって最適なソリューションを中立的な立場で提案しています。
入社時点でITスキルやプログラミング経験は必要ですか?
結論から言うと、応募する職種(特にビジネスコンサルタント職)において、入社時点での高度なITスキルやプログラミング経験は必須ではありません。
アビームは、文系・理系を問わず、多様なバックグラウンドを持つ人材を採用しています。
選考で重視されるのは、現時点でのITスキルよりも、「論理的思考力」「課題解決能力」「知的好奇心」「学習意欲」といったコンサルタントとしての基礎能力です。
もちろん、ITやデジタルへの関心は必要ですが、必要な専門知識やスキルは、入社後に用意されている非常に充実した研修プログラムや、プロジェクトでのOJT(実務を通じた学習)を通じてキャッチアップすることが前提となっています。
「激務」というイメージがありますが、実際の働き方はどうですか?
コンサルティング業界全体に言えることですが、クライアントの期待を超える成果を限られた期間で出す仕事であるため、プロジェクトの繁忙期や納期間際など、時期によっては業務負荷が高まる(残業が増える)ことはあります。
これはアビームも例外ではありません。
しかし、アビームは「リアルパートナー」として社員が長期的に活躍することを重視しており、全社的に「働き方改革」に積極的に取り組んでいます。
例えば、フレックスタイム制の導入やリモートワークの推進、残業時間の管理徹底、プロジェクト間での人員調整(アベイラビリティ管理)など、社員のワークライフバランスを支援する制度や風土が整備されています。
「激務」のイメージだけで判断せず、OB・OG訪問などで現場のリアルな声を聞いてみることが重要です。
まとめ
アビームコンサルティングの志望動機を作成する鍵は、同社が掲げる「リアルパートナー」という理念の本質を理解することにあります。
単なる日系企業という安定性や、コンサルタントという響きへの憧れではなく、なぜ「クライアントと伴走し、最後までやり遂げる」というスタイルに共感するのかを、あなた自身の具体的な経験に基づいて論理的に示す必要があります。
外資系ファームとの明確な違いを意識し、アビームの「強み」と自身の「価値観」が一致していることを、自信を持って伝えてください。
本記事で解説した企業研究と自己分析の視点を活かし、あなたの熱意が伝わる志望動機を完成させましょう。