【ネスレの志望動機】内定を掴むために必要なポイントを例文付きで解説

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はじめに

ネスレは、「キットカット」や「ネスカフェ」といった誰もが知るブランドを擁し、世界最大の食品飲料企業として、就活生から圧倒的な人気を集めています。

しかし、そのグローバルな規模と人気故に、選考は極めて難関です。

「食品が好き」という漠然とした理由だけでは、数多の応募者の中に埋もれてしまいます。

この記事では、ネスレの志望動機を作成するために不可欠な企業研究から、同社が最も重視する「CSV」の理念、具体的な書き方のポイント、競合他社との比較、そして通過者の傾向までを網羅的に解説します。

本記事を通じて、ネスレが求める人物像を深く理解し、あなた自身の経験と熱意を論理的に伝えるための実践的なヒントを得てください。

志望動機が完成したらAIチェッカーを使おう

志望動機を書き上げた直後は、自分では完璧だと感じていても、客観的に見直すと論理の飛躍や伝わりにくい表現が残っているものです。

そこで、最終チェックの手段としてAIチェッカーの活用をお勧めします。

AIチェッカーは、誤字脱字や文法的な誤りを検出するだけでなく、文章全体の構成や論理展開の整合性を評価する上でも役立ちます。

ネスレのようなトップクラスのFMCG(日用消費財)企業では、消費者に正確かつ魅力的なメッセージを伝えるコミュニケーション能力は、職種を問わず必須のスキルです。

エントリーシートの文章は、その素養を測る最初のテストと言えます。

チェックすべき観点としては、まず「結論ファースト」で志望理由が明確に述べられているか、次に「なぜ他社ではなくネスレなのか」という独自性が、特にネスレが掲げるCSV(共通価値の創造)の理念と結びつけて具体的に示されているかを確認しましょう。

また、「食品が好き」といった抽象的な熱意に終始せず、「自身の〇〇という経験が、ネスレの〇〇という事業でこのように貢献できる」という論理的な裏付けがあるかも重要です。

AIの指摘を参考に推敲を重ねることで、自分一人では気づきにくい冗長な表現や、主観的すぎるアピールを客観的な根拠に基づいたものへとブラッシュアップできます。

【ネスレの志望動機】ネスレを知ろう

ネスレの志望動機を作成する上で、その土台となるのが「世界最大の食品飲料企業」という看板の奥にある、同社の哲学と戦略を深く理解することです。

ネスレはスイスに本社を置き、そのパーパス(存在意義)を「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」と定めています。

このパーパスを実現するための具体的なビジネスモデルこそが、「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」です。

ネスレの選考を受ける上で、この「CSV」という概念の理解は絶対に欠かせません

単なるCSR(企業の社会的責任)とは異なり、社会課題の解決とビジネス(株主価値)の向上を両立させるという、ネスレの経営戦略そのものだからです。

この章では、志望動機の核となるネスレの全体像を掴むため、「キットカット」や「ネスカフェ」といった個別の製品イメージを超えた、同社の具体的な事業内容、最新の業績、そして企業理念について詳しく見ていきましょう。

ネスレの事業内容

ネスレの事業ポートフォリオは、私たちが日常で目にする以上に多岐にわたっています。

就活生が理解すべきポイントは、同社が単なる「お菓子」や「コーヒー」の会社ではなく、「栄養(Nutrition)、健康(Health)、ウェルネス(Wellness)=NHW」を中核に据えた企業であるという点です。

日本市場における主力事業は、「ネスカフェ」や「ドルチェグスト」に代表される飲料事業、そして「キットカット」を擁する菓子事業です。

しかし、グローバルで見ると、「ピュリナ」ブランドで展開されるペットケア事業も非常に大きな柱であり、日本でも急速に成長しています。

さらに、高齢者向けの栄養補助食品や医療機関向けの栄養療法を提供する「ネスレ ヘルスサイエンス」も、同社のNHW戦略を象徴する重要な事業です。

ビジネスモデルの特徴は、グローバル共通の強力な研究開発力(R&D)とブランド力を持ちながら、日本の「キットカット 受験生応援キャンペーン」のように、各市場の文化やニーズに合わせた徹底的なローカライズを両立させている点にあります。

ネスレの業績

企業の業績を把握することは、その企業の安定性や将来性を測る上で欠かせない作業です。

ネスレはグローバル企業として、非常に安定した収益基盤を持っています。

就活生が注目すべきは、単なる売上高の数字ではなく、その「成長ドライバー」が何かという点です。

ネスレは近年、「ポートフォリオ・マネジメント」を積極的に行っています

これは、成長が鈍化した事業(例えば、米国の菓子事業など)を売却する一方で、成長領域(例えば、ヘルスサイエンス、プラントベースドフード=植物性食品、ペットケア)へのM&A(合併・買収)や投資を加速させる戦略です。

日本においても、「ネスカフェ」のプレミアムライン(ドルチェグストなど)の強化や、ペットケア事業の拡大が業績を牽引しています。

アニュアルレポート(年次報告書)や最新の決算発表資料に目を通し、ネスレが「今、どこに投資し、未来のどこに向かっているのか」という戦略的な意図を読み解くことが重要です。

ネスレの企業理念

ネスレの企業理念を理解する上で、最も重要なキーワードが「CSV(Creating Shared Value=共通価値の創造)」です。

これは、ネスレのあらゆる事業活動の根幹にある考え方であり、選考を突破するためには完璧に理解しておく必要があります

CSVとは、「企業の事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献すると同時に、企業も経済的な価値(利益)を追求する」という経営戦略です。

これは、利益の一部を社会に還元する「CSR(企業の社会的責任)」とは根本的に異なります。

例えば、ネスレがコーヒー豆の産地である発展途上国の農家に対し、栽培技術の指導やインフラ整備を支援することは、農家の生活向上(社会価値)に貢献すると同時に、高品質なコーヒー豆の安定的かつ長期的な調達(経済価値)を実現することにつながります。

志望動機に活かす際は、「CSVに共感した」と述べるだけでなく、「自身の〇〇という経験から、社会と企業が共に成長するCSVの仕組みこそが、真のサステナビリティであると確信した」といった形で、自身の価値観とこのビジネスモデルとの具体的な接点を論理的に説明することが求められます。

【ネスレの志望動機】ネスレが志望動機で見ていること

ネスレの選考において、志望動機は単なる入社意欲の確認ではなく、応募者がネスレの企業文化や価値観、特に「CSV」の精神にどれだけ深く共鳴し、それを体現できる人材であるかを見極めるための重要なプロセスです。

ネスレは世界最大の食品飲料企業として、その事業が社会や環境に与える影響の大きさを深く自覚しています。

そのため、単に優秀なビジネスパーソンであるだけでなく、高い倫理観と長期的な視点を持った人物を求めています。

また、グローバルなマトリックス組織(縦の事業部と横の地域が複雑に組み合わさった組織)であるため、指示を待つのではなく、自ら課題を発見し、周囲を巻き込みながら主体的に行動できる「オーナーシップ」も厳しく評価されます。

この章では、ネスレが志望動機を通じて特に見極めようとしている3つの重要な評価ポイントについて、詳しく解説していきます。

CSV(共通価値の創造)への深い理解と共感

ネスレが志望動機で最も重視するポイントは、間違いなく「CSV(共通価値の創造)」への理解度です。

採用担当者は、あなたがこのネスレの経営哲学の根幹を、単なる流行の「SDGs」や「CSR」と混同せず、「ビジネスと社会貢献を両立させる経営戦略」として正しく理解しているかを見ています。

単に「社会貢献がしたい」という動機だけでは不十分です。

「社会課題の解決」と「企業の利益創出」という、一見相反するように見える二つを、どのようにして両立させるかというビジネスモデルそのものに強い関心と共感を示せるかが問われます。

志望動機では、「貴社の〇〇というCSVの取り組み(例:ネスカフェプラン)は、A(社会価値)とB(企業価値)を同時に実現しており、その仕組みに強く惹かれた」といった具体的な言及と、なぜ自分がその価値観に共感するのかを、自身の経験と結びつけて説明することが不可欠です。

高い当事者意識(オーナーシップ)

ネスレはグローバルで複雑なマトリックス組織を運営しており、年次や役職に関わらず、一人ひとりが「会社の代表」としての意識(オーナーシップ)を持って主体的に行動することを強く求めます。

これは、「誰かがやってくれる」という受け身の姿勢ではなく、自ら課題を発見し、解決策を考え、周囲を巻き込んで実行に移す力を意味します。

ネスレ日本の「ネスカフェ アンバサダー」という革新的なビジネスモデルも、一社員の当事者意識から生まれたと言われています。

採用担当者は、あなたが学生時代の経験(アルバ..イト、サークル、ゼミなど)において、現状維持に満足せず、自ら手を挙げて「自分ごと」として問題解決に取り組んだエピソードを持っているかを注目しています。

「リーダーだったから」ではなく、「リーダーではなかったが、〇〇という課題に気づき、〇〇を提案・実行した」といったエピソードは、あなたのオーナーシップを証明する強力な武器となります。

変化への適応力と旺盛な学習意欲(Growth Mindset)

ネスレが事業を展開するFMCG(日用消費財)市場は、消費者の嗜好や購買行動、デジタルの進展など、変化のスピードが極めて速い業界です。

また、ネスレ自身も、前述の「ポートフォリオ・マネジメント」のように、常に自己変革を続けています。

このような環境で活躍し続けるためには、過去の成功体験にとらわれず、常に新しい知識やスキルをどん欲に学び続ける「学習意欲」(Growth Mindset)と、予期せぬ変化にも柔軟に対応できる「適応力」が不可欠です。

選考では、あなたの「好奇心の強さ」や「失敗から学ぶ力」が見られています。

例えば、留学や新しい分野への挑戦、あるいは失敗経験から何を学び、次どう活かしたか、といったエピソードを通じて、あなたが「変化を恐れず、むしろ楽しんで成長できる人材」であることをアピールすることが重要です。

【ネスレの志望動機】ネスレの求める人物像

ネスレがグローバルリーダーとして「食の力」で社会に貢献し続けるためには、そのパーパス(存在意義)とCSVの理念を体現できる、プロフェッショナルな人材が不可欠です。

ネスレが求める人物像は、単に高いスキルを持つ人材ではなく、ネスレのDNAとも言える「価値観」を共有できることが大前提となります。

それは、社会と企業の「Win-Win」を本気で追求する高い倫理観であり、複雑な組織の中で主体的に道を切り開く「オーナーシップ」です。

また、グローバル企業として、多様な文化や意見を尊重し、チームとして成果を出す協調性も同様に重視されます。

この章では、ネスレの組織風土や事業特性を踏まえ、新卒採用において特に求められる4つの人物像について、その背景や理由と共に詳しく解説していきます。

高い倫理観を持ち、CSVの理念を体現できる人

ネスレが求める人物像の根幹にあるのは、「高い倫理観」です。

ネスレは「食」という、人の生命と健康に直結する事業を営んでおり、その製品は世界中の家庭の信頼の上に成り立っています。

いかなる時も「正しいことを行う」という誠実な姿勢が、全社員に求められます。

そして、この倫理観をビジネス戦略に昇華させたものが「CSV(共通価値の創造)」です。

ネスレが求めるのは、短期的な利益のために近道を選ぶのではなく、社会や環境、サプライヤー、そして消費者すべてにとって長期的によい(=サステナブルな)方法を愚直に追求できる人材です。

学生時代の経験で、ルールや約束事を誠実に守った経験、あるいは目先の利益よりも「正しさ」を選んだ経験などがあれば、この人物像と合致することをアピールできます。

「オーナーシップ」を持ち、主体的に行動できる人

ネスレは、社員一人ひとりが「自分は会社のオーナーである」という意識(オーナーシップ)を持つことを強く奨励しています。

これは、スイスに本社を置くグローバル企業であり、トップダウンの指示を待つのではなく、現場の社員が自ら考え、行動することがイノベーションの源泉であると信じているからです。

仕事は「与えられるもの」ではなく「創り出すもの」という文化があり、若手であっても自ら手を挙げれば大きな裁量と責任が与えられます。

この組織風土の背景には、主体的に行動した結果としての失敗には寛容であり、それを「学び」として次に活かすことを重視する姿勢があります。

現状に疑問を持ち、自ら改善案を考えて実行に移した経験や、誰もやりたがらなかった役割を率先して引き受けた経験は、このオーナーシップを示す絶好の材料となります。

消費者・顧客視点を持ち、価値提供を追求できる人

ネスレは、世界トップクラスのマーケティングカンパニーとしても知られています。

そのマーケティングの根幹にあるのは、徹底した「消費者・顧客視点」です。

ネスレが求めるのは、自社が「何を売りたいか」ではなく、消費者や顧客が「何を求めているか」、時には消費者がまだ気づいていない「潜在的なニーズ」は何かを深く洞察し、それを「Good food, Good life」という価値ある製品・サービスとして形にできる人材です。

アルバイト先での接客経験で、お客様の行動を観察し、サービス改善を提案した経験や、ゼミの研究でデータ分析から人々の隠れたニーズを読み解いた経験などは、この「消費者・顧客視点」を持っていることの証明になります。

多様性を尊重し、チームで成果を出せる人

ネスレは、世界180カ国以上で事業を展開し、多種多様な国籍、文化、専門性を持つ人々が働く、まさに「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を体現する企業です。

このような環境で成果を出すためには、自分とは異なる価値観や意見を「尊重(Respect)」し、それを「脅威」ではなく「強み」として活かすことができるマインドセットが不可欠です。

ネスレのカルチャーは、個人の成果を競わせるというよりも、多様な才能がチームとして協働し、議論を重ねることで、より良いイノベーションを生み出すことを目指しています。

留学経験やサークル活動などで、バックグラウンドの異なるメンバーと目標を共有し、コンフリクト(対立)を乗り越えて成果を出した経験は、ネスレで活躍できる素養を示す上で非常に有効です。

【ネスレの志望動機】ネスレの志望動機に入れ込むべきポイント3選

ネスレの選考を突破する志望動機を作成するためには、他の就活生と明確に差別化された、説得力のある「ネスレでなければならない理由」が必要です。

あなたの熱意と適性を効果的に伝えるためには、押さえるべきいくつかの重要な要素があります。

それは、あなた自身の経験、ネスレという企業の独自(特にCSV)、そして競合他社との比較という3つの視点を、論理的に結びつけることです。

ネスレの採用担当者は、あなたの「消費者」としての感想ではなく、「ビジネスパーソン」としてのポテンシャルを見ています。

この章では、ネスレの採用担当者に「なぜあなたを採用すべきか」を明確に伝えるために、志望動機に必ず盛り込むべき3つのポイントを詳しく解説します。

自身の経験とCSV(共通価値の創造)の結びつき

ネスレの志望動機で最も重要な「差別化ポイント」は、CSV(共通価値の創造)という理念を、自身の具体的な経験と結びつけて「自分ごと化」できているかどうかです。

9割の応募者が「CSVに共感しました」と書く中で、あなたは「私はCSVを体現した経験があります」と主張する必要があります。

「共感」は感想ですが、「体現」は実績(コンピテンシー)です。

例えば、「所属していたNPO活動で、単なる寄付に頼るのではなく、受益者が自立できるような『仕組み(ビジネスモデル)』を構築し、活動の持続可能性と社会価値を両立させた経験」などは、CSVの考え方と酷似しています。

そこまで大きな経験でなくとも、「アルバイト先で、お客様の満足度(社会価値)と店舗の売上(企業価値)を同時に高めるための改善提案をした経験」でも構いません。

あなたの経験とCSVの精神との一致点を見つけ出し、論理的に説明することが最強のアピールとなります。

「オーナーシップ」を発揮した具体的なエピソード

ネスレが求める人物像の核である「オーナーシップ」を、具体的なエピソードで証明することも不可欠です。

これは、単に「リーダー経験」を語ることとは異なります。

ネスレが評価するのは、役職や立場に関わらず、組織やチームの課題を「自分ごと」として捉え、主体的に行動を起こした経験です。

例えば、「サークルで誰もやりたがらなかった会計の仕事を引き受け、非効率だったプロセスを自ら見直し、新しいシステムを導入して全体の負担を軽減した」といったエピソードは、「指示された役割」を超えて「主体的に価値を生み出した」オーナーシップの好例です。

「課題の発見」「自発的な行動」「周囲への働きかけ」「結果」の4点が含まれたエピソードを用意し、それをネスレのカルチャーと結びつけて「貴社のオーナーシップを重んじる文化でこそ、私のこの強みは発揮できる」と主張しましょう。

競合他社との比較して優れた点を盛り込む

「なぜネスレなのか」という問いに答えるためには、必然的に「なぜ他のFMCG(P&G、ユニリーバ)や、他の日系食品メーカー(味の素、明治)ではダメなのか」という問いに答える必要があります。

この競合比較を志望動機に盛り込むことで、あなたの志望度の高さと、企業研究の深さ(=入社への本気度)を採用担当者に示すことができます。

例えば、「P&Gのような非食品FMCGではなく、人の生命と健康の根幹である『食』に携わりたい」や、「日系食品メーカーと比べ、ネスレは『グローバルなプラットフォーム』と『CSV』という明確な経営哲学を持ち、より大きなスケールで社会課題にアプローチできる点に魅力を感じる」といった形です。

製品の好き嫌いではなく、「企業戦略」「理念」「事業領域」「文化」といった軸で比較分析し、ネスレを選ぶ論理的な必然性を示すことが、あなたの志望動機を際立たせます。

【ネスレの志望動機】競合他社との比較しよう

ネスレの志望動機の説得力を飛躍的に高めるためには、競合他社との明確な比較分析が不可欠です。

「世界中の人々の『食』を豊かにしたい」という点では、多くの企業がネスレの競合となります。

しかし、そのアプローチや強み、企業文化は各社で大きく異なります。

「なんとなくグローバルでかっこいいから」という曖昧な理解では、面接での深掘りに耐えられません

「他社ではなく、ネスレでなければならない理由」を自分自身の言葉で語るためには、ネスレの独自の立ち位置を正確に把握することが重要です。

この章では、ネスレの「NHW(栄養・健康・ウェルネス)戦略」と「CSV」を軸に、主要な競合企業群とネスレとの違いを明確にするための比較軸を具体的に提示します。

味の素(Ajinomoto)との比較

味の素は、ネスレと同じく「食」と「健康」を軸にグローバル展開する、日本を代表する企業であり、比較対象として非常に重要です。

両社とも「CSV(味の素はASVと呼称)」に似た理念を掲げています。

最大の違いは、その事業の「中核技術」にあります。

味の素の強みは、「アミノ酸」という独自の科学技術(バイオサイエンス)です。

この技術を基に、調味料から健康食品、さらには電子材料といったBtoB事業まで多角的に展開しています。

一方、ネスレの強みは、「食品飲料」そのもののR&Dと、圧倒的な「グローバル・マーケティング力(ブランド構築力)」にあります。

ネスレの事業は、あくまで「食」の領域に深く根ざしています。

「科学技術(アミノ酸)で食の未来を切り開く」ことに惹かれるなら味の素、「グローバルブランドとCSVで食卓を豊かにする」ことに惹かれるならネスレ、という比較軸が考えられます。

明治(Meiji)との比較

明治(明治ホールディングス)は、特に菓子(チョコレート)や乳製品(ヨーグルト、牛乳)の領域で、日本国内においてネスレと強力な競合関係にあります。

ネスレ「キットカット」に対し、明治「明治ザ・チョコレート」、ネスレの栄養補助食品に対し、明治「VAAM」やプロテイン「SAVAS」など、似た市場で競い合っています。

最大の違いは、「事業規模(グローバル展開)」と「事業ポートフォリオ」です。

明治は日本およびアジア市場に強い、国内トップクラスの企業ですが、ネスレは世界180カ国以上で展開するグローバルジャイアントです。

また、明治の柱は「乳製品・菓子」と「医薬品」ですが、ネスレの柱は「コーヒー」「ペットケア」「ヘルスサイエンス」「菓子」と、特に「コーヒー」と「ペットケア」の比重が大きい点が異なります。

「日本の食卓や健康(特に乳酸菌など)に貢献したい」という志向が強ければ明治、「グローバルなプラットフォームで、コーヒーやペットも含めた多様な『食』に携わりたい」ならネスレ、という選択軸があります。

P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)との比較

P&Gは、「FMCG(日用消費財)」「マーケティングカンパニー」「外資系」という点で、ネスレと併願する就活生が非常に多い、最大の競合相手です。

両社とも、強力なブランドマネジメント制度と、若手から裁量権を持つ企業文化は共通しています。

決定的な違いは、「事業領域(カテゴリー)」です。

ネスレが「食(Food & Beverage)」の会社であるのに対し、P&Gは「非食品(Non-Food)」が中心です(例:ファブリーズ、パンパース、SK-II、ジレットなど)。

就活生が比較すべきポイントは、「なぜ自分は『食品』を扱いたいのか(あるいは『非食品』を扱いたいのか)」という点です。

人の生命や健康の根幹である「食」を通じて「Good food, Good life」を実現したいという情熱があるならばネスレ、人々の「暮らし(Living)」を快適にし、生活の質を高める製品(非食品)に魅力を感じるならばP&G、という明確な違いがあります。

サントリー(Suntory)との比較

サントリーは、特に「飲料」カテゴリーにおいてネスレと競合する、日本を代表するグローバル企業です。

ネスレ「ネスカフェ」に対し、サントリー「BOSS」など、コーヒー市場で激しく競い合っています。

最大の違いは、「中核事業」と「企業文化」です。

サントリーの中核事業は、「酒類(ウイスキー、ビール)」と「飲料(水、お茶、コーヒー)」です。

ネスレは酒類を扱っておらず、中核には「食(フード)」全般と「ペットケア」「ヘルスサイエンス」があります。

また、企業文化も対照的です。

サントリーは「やってみなはれ」という言葉に象徴される、非常に起業家精神旺盛で、個人のパッションを重んじる「日系」の文化が特徴です。

一方、ネスレはスイスに本社を置く「グローバル」企業であり、CSVという「仕組み(フレームワーク)」と「オーナーシップ」を重んじる、よりシステマティックな文化と言えます。

どちらの文化が自分の強みをより発揮できるかを考えることが重要です。

【ネスレの志望動機】ネスレのES通過者の志望動機の共通点

ネスレの難関なエントリーシート(ES)選考を通過する志望動機には、いくつかの明確な共通点が存在します。

これらの傾向を分析することは、あなた自身の志望動機をブラッシュアップし、選考通過の確率を高める上で非常に有益です。

最も顕著な共通点は、「CSV(共通価値の創造)」というキーワードを、単なる「共感」で終わらせず、自身の具体的な「経験」と結びつけて論理的に語れている点です。

「社会課題の解決」と「ビジネスの成長」を両立させるというネスレの哲学に対し、「自分も過去に〇〇という経験で、A(社会価値)とB(組織価値)を両立させる工夫をした」という形で、自身が「CSVマインド」を持つ人材であることを証明できています。

また、「キットカットが好き」といった消費者目線に終始せず、「なぜネスレのマーケティング(あるいはセールス、SCM)は優れているのか」を自分なりに分析し、「自分は(オーナーシップを持って)どう貢献できるか」というビジネス目線でのアピールができていることも、通過者の志望動機に共通する特徴と言えるでしょう。

【ネスレの志望動機】ネスレの志望動機を作成する際の4つの注意点

ネスレの志望動機を作成する際、その熱意や企業への憧れが強すぎるあまり、かえって評価を下げてしまう「落とし穴」が存在します。

特に、「食が好き」という純粋な思いが、ビジネスの視点を欠いた「消費者目線」のアピールに終始してしまうケースは非常に多いです。

ネスレが求めているのは「ネスレファン」ではなく、「ネスレの未来を創るビジネスパーソン」です。

また、同社の最重要理念である「CSV」の理解が浅いままでは、志望度の低さを見透かされてしまいます。

この章では、ネスレの志望動機作成で失敗しないために、就活生が陥りがちな4つの注意点と、その具体的な改善策を詳しく解説します。

「食べ物が好き」「キットカットが好き」という熱意だけの志望動機

これは、食品メーカーを志望する学生が最も陥りやすい、典型的なNGパターンです。

「食べることが好きだから」「キットカットの多様なフレーバー展開に感動したから」といった理由は、志望動機ではなく、単なる「感想」や「ファンレター」に過ぎません。

ネスレはビジネスを行う企業であり、求めているのは「消費者」ではなく、「価値を創造する側」の人材です。

NGとなるのは、その「好き」という感情が、ビジネスの視点に昇華されていない場合です。

もし製品に言及するのであれば、「なぜキットカットは受験生応援という『文化』を創造できたのか、そのマーケティング戦略を分析した。

私は『好き』という感情を、〇〇という形で『売れる仕組み』に変えることに貢献したい」というように、「好き」を「分析」と「貢献」の言葉に翻訳する必要があります。

CSV(共通価値の創造)の表面的な理解

ネスレの志望動機で「CSV」に触れないことは考えられませんが、その理解が浅いと、かえってマイナス評価になります。

典型的なNGパターンは、CSVを「CSR(企業の社会的責任)」や「ボランティア活動」と混同してしまうことです。

「貴社は環境活動に熱心だから」といったアピールは、CSVの本質(=ビジネスと社会貢献の両立)を理解していないと判断されます。

CSVは「利益を度外視した慈善活動」では断じてありません。

「農家の支援(社会価値)が、結果として高品質な原料の安定調達(企業価値)に繋がる」という、「ビジネスモデル」としての側面を理解していることを示す必要があります。

「貴社のCSVは、崇高な理念であると同時に、極めて合理的な長期戦略である点に魅力を感じる」といった、ビジネスとしての理解を示すことが重要です。

「学びたい」「成長したい」という受け身な姿勢

「貴社のようなグローバル企業で、世界水準のマーケティングを学びたい」「充実した研修制度で成長したい」といった志望動機は、一見すると意欲的に見えますが、企業側からは「受け身」な姿勢と捉えられ、マイナス評価に繋がりかねません。

企業は学校ではなく、コストをかけて新卒を採用する以上、将来的に自社に「貢献」してくれる人材を求めています。

「成長させてもらう」という発想ではなく、「成長」を「貢献」するための手段として語ることが重要です。

例えば、「貴社の〇〇という環境で最先端のデジタルマーケティングを早期にキャッチアップし、一日も早く専門性を高めて、〇〇ブランドの売上拡大に貢献したい」というように、「成長」した結果、会社や顧客にどのような価値を提供できるのかをセットで述べることを徹底してください。

具体的なエピソードや根拠の欠如

「私はオーナーシップがあります」「私は消費者を第一に考えます」といった主張は、それ自体はネスレの求める人物像と合致しています。

しかし、その主張を裏付ける「具体的なエピソード(=事実)」がなければ、それは単なる「自称」に過ぎず、何の説得力も持ちません。

コンサルティングファームの選考ほどではありませんが、ネスレのようなトップ企業も、「主張」と「根拠(ファクト)」の論理的な結びつきを重視します。

NGとなるのは、抽象的な言葉を並べるだけで、その人となりが全く見えない志望動機です。

「オーナーシップ」を主張するなら、必ず「〇〇という状況で、〇〇と主体的に行動し、〇〇という結果を出した」という具体的なエピソードをセットで提示してください。

あなたの言葉にリアリティと説得力を持たせるのは、具体的な「行動の事実」だけです。

【ネスレの志望動機】インターンに参加して有利に本選考を進めよう

ネスレの本選考を有利に進める上で、インターンシップへの参加は極めて有効な戦略です。

ネスレのインターンシップ(NesternshipやChallenge Programなど)は、単なる企業説明会や簡単なグループワークとは一線を画し、実際の業務に近い、あるいは実際のビジネス課題そのものに取り組む、非常に実践的かつ長期間にわたるものが多いのが特徴です。

参加する最大のメリットは、ネスレのDNAである「CSV」や「オーナーシップ」といった文化を、知識としてではなく「体感」できることです。

社員と机を並べて本気で課題に取り組む中で得られる「リアルな企業理解」は、志望動機に他者にはない圧倒的な具体性と説得力をもたらします。

また、インターン中に高いパフォーマンスを発揮し、「この学生と一緒に働きたい」と社員に認められれば、早期選考や特別選考ルートに招待される可能性も高く、選考プロセスにおいて大きなアドバンテージとなります。

【ネスレの志望動機】ネスレの志望動機例文

ここまで、ネスレの志望動機を作成するためのポイントや注意点を解説してきました。

しかし、理論を理解するだけでは、実際にどのような文章を書けばよいかイメージが湧きにくいかもしれません。

そこで、この章では、これまでの解説を踏まえた具体的な志望動機の例文をいくつか紹介します。

これらの例文は、アピールする軸(自身の強みや原体験)によって、異なるアプローチを取っています。

例えば、過去の具体的な「経験」をベースにしたもの、ネスレの「価値観(CSV)」への共感を軸にしたもの、保有する「スキル」の貢献度をアピールするもの、あるいは入社後の「将来ビジョン(NHW)」を明確に示すものなど、様々な切り口が考えられます。

これらの例文を参考に、自分自身の経験や考えをどのように構成すれば、ネスレの採用担当者に響く志望動機になるのか、そのヒントを掴んでください。

例文①(経験ベース:オーナーシップ)

私がネスレ日本を志望する理由は、貴社の「オーナーシップ」を重んじる文化の中で、自身の「主体的に課題を解決する力」を最大限に発揮し、人々の生活の質向上に貢献したいと強く考えているためです。

私は大学時代、飲食店のアルバイトリーダーとして、深刻な人手不足と新人スタッフの早期離職という課題に直面しました。

従来のトップダウン式の指導法では新人が萎縮してしまうと考えた私は、社員に「メンター制度」の導入を直訴しました。

当初は「手間がかかる」と難色を示されましたが、自ら率先してマニュアルを作成し、新人のシフトに必ず私が入るという「自分ごと」としての姿勢を見せ続けることで、徐々に周囲の協力を得られるようになりました。

結果、新人の定着率が大幅に改善し、店舗全体のサービス品質向上にも繋がりました。

「誰かの指示を待つのではなく、自ら課題を見つけ、当事者として最後までやり遂げる」というこの経験は、貴社が求めるオーナーシップと深く通じるものだと自負しております。

貴社の一員として、この主体性を発揮し、消費者のニーズを先取りする価値創造に挑戦したいです。

例文②(価値観ベース:CSVへの共感)

私がネスレ日本を志望する最大の理由は、貴社の経営の根幹である「CSV(共通価値の創造)」という理念に、自身の経験から深く共感しているためです。

私は大学のゼミ活動で、地方の過疎化地域における町おこしプロジェクトに参加しました。

当初、私たちは「イベント開催」といった短期的な施策ばかりを考えていましたが、現地の方々と対話を重ねる中で、本当に必要なのは「持続可能な産業(=稼ぐ力)」であると痛感しました。

そこで、私たちは地元特産品のECサイト立ち上げを支援し、その収益が地域の活性化に再投資される「仕組み」を構築しました。

この経験から、「社会貢献」と「経済的自立」の両立こそが真の課題解決であると学びました。

貴社は、「ネスカフェ プラン」のように、事業活動そのものを社会課題の解決に直結させるCSVを世界規模で実践されています。

これは単なる慈善活動ではなく、最も持続可能で強力なビジネスモデルであると確信しており、その一員として、私の経験を活かしながら社会と企業の「Win-Win」を創造していきたいです。

例文③(スキルベース:データ分析×消費者視点)

私は、大学で培ったデータ分析のスキルを活かし、貴社の徹底した「消費者・顧客視点」に基づくマーケティング活動に貢献したいと考え、ネスレ日本を志望します。

私は社会学部のゼミで、SNSの投稿データ(テキストマイニング)から若者の消費行動の変化を分析する研究に取り組みました。

多くの人が「なんとなく」感じているトレンドを、客観的なデータで裏付け、その背景にある「潜在的なニーズ」を言語化することに面白さを見出しました。

貴社は、「キットカット」の多様なフレーバー展開や「ネスカフェ」の革新的なビジネスモデルに象徴されるように、常に消費者のインサイトを深く洞察し、期待を超える価値を提供し続けています。

私が持つデータ分析のスキルと、人々の行動の「なぜ」を考える好奇心は、貴社のマーケティング部門において、新たな顧客体験を創出し、「Good food, Good life」を実現する一助となると確信しております。

例文④(将来ビジョンベース:NHW戦略への共感)

私がネスレ日本を志望する理由は、将来的に「食」を通じて人々の「健康寿命」を延ばすことに貢献したいという明確な目標があり、その実現のために貴社の「NHW(栄養・健康・ウェルネス)」戦略が最も魅力的であると感じたからです。

祖父が病気を患った経験から、病気を「治療」すること以上に、日々の「食」を通じて「予防」することの重要性を痛感しました。

数ある食品メーカーの中でも、貴社は「食品飲料」の枠を超え、「ネスレ ヘルスサイエンス」を通じて医療・栄養療法の分野にも進出し、「食の力」で健康課題そのものを解決しようとする強い意志を感じます。

これは、他の食品メーカーが「健康に良い商品」を出すのとは一線を画す、本質的なアプローチだと考えています。

貴社の幅広い事業フィールドで専門性を磨き、私の目標である「食による予防医療」の実現に貢献したいと強く願っています。

例文⑤(別角度のアプローチ:ペットケア事業)

私は、貴社の「ピュリナ」に代表されるペットケア事業の、科学的根拠に基づいた製品開発と「ペットのQOL向上」への真摯な姿勢に強く惹かれ、ネスレ日本を志望いたします。

多くの人が貴社をコーヒーや菓子の会社と認識していますが、私は愛犬家として、貴社がペットフードの分野でも世界トップクラスの栄養科学と知見を持っている点に注目しています。

大学では動物栄養学を専攻し、ペットのライフステージに応じた最適な栄養バランスについて研究してきました。

その中で、「ピュリナ プロプラン」のような製品が、いかに科学的なエビデンスに基づいて開発されているかを知り、感銘を受けました。

競合他社が嗜好性やイメージを訴求する中で、貴社は「ペットの健康寿命」という本質的な価値を追求しています。

私が研究で培った専門知識を活かし、貴社のペットケア事業の一員として、ペットとその家族の「Good life」に貢献することが私の夢です。

【ネスレの志望動機】よくある質問

ネスレの選考を目指す就活生の皆さんからは、志望動機以外にも、そのグローバルな企業体質や日本法人(ネスレ日本)の独自性に関して、様々な疑問や不安が寄せられます。

「外資系だから英語力は必須?」「マーケターになるには?」「神戸勤務が基本って本当?」など、具体的な働き方やキャリアパスについての質問は尽きません。

これらの疑問を事前に解消しておくことは、入社後のミスマッチを防ぎ、自信を持って選考に臨むために非常に重要です。

この章では、就活生から特によく寄せられる4つの典型的な質問に対し、就活アドバイザーの視点から的確に回答していきます。

英語力はどの程度必要ですか?

ネスレはスイスに本社を置くグローバル企業であり、英語力はキャリアアップにおいて極めて重要です。

入社時点ですべての職種で流暢である必要はありませんが、職種(特にマーケティングやファイナンスなど)によっては、選考段階から高い英語力が求められる場合があります。

ネスレ日本の公用語は日本語ですが、社内文書やグローバルチームとの会議、研修、上級職への昇進など、キャリアの節目や重要な場面で英語力は必須となります。

特にブランドマネージャーなどを目指す場合、海外のR&Dやマーケティングチームとの日常的なコミュニケーションが発生するため、ビジネスレベルの英語力は不可欠です。

現時点でのスコア以上に、「英語でコミュニケーションすることへの抵抗感のなさ」と「継続的に学習する意欲」が強く求められると理解してください。

「マーケティング」と「セールス」の違いは何ですか?

ネスレは世界最高峰のマーケティングカンパニーとして知られており、この二つの職種は人気の的ですが、役割は明確に異なります。

「マーケティング(ブランドマネジメント)」は、ブランドの「頭脳」であり、中長期的な戦略を担います。

「誰に(Target)」「何を(Product, Price)」「どのように伝え(Promotion)」、その結果ブランドの資産価値や売上・利益をどう最大化するかを設計します。

新製品開発や広告戦略の立案が主な仕事です。

一方、「セールス(営業・顧客営業)」は、戦略を「実行」する最前線です。

主要な顧客(小売店:イオンやセブン-イレブン、あるいはオフィス:ネスカフェ アンバサダー)と直接向き合い、「どこで(Place)」売るかを担当します。

マーケティングが立てた戦略に基づき、店頭での最適な棚割りやプロモーションを交渉・実行し、売上を最大化することがミッションです。

「外資系」ですが、カルチャーは「ドライ」ですか?

ネスレは「外資系」ですが、一般的にイメージされる「Up or Out(昇進か退職か)」といった短期的かつドライなアメリカ型外資系(例:金融や一部コンサル)とは、企業文化が大きく異なります

ネスレはスイスに本社を置くヨーロッパ系企業であり、「CSV」という理念に象徴されるように、非常に「長期的」な視点を重視します。

社員の育成にも熱心で、手厚い研修制度や「オーナーシップ」を尊重する文化があります。

ただし、日系企業のような「ウェット」な終身雇用・年功序列の文化でもありません

パフォーマンスは厳格に評価され、自ら手を挙げてキャリアを築く主体性が求められます。

「プロフェッショナルとして尊重され、長期的視点で働けるが、成果と主体性は厳しく求められる」ハイブリッドな文化と捉えるのが実態に近いです。

勤務地(配属)はどのように決まりますか?(神戸勤務?)

これはネスレ日本を志望する上で非常に重要なポイントです。

ネスレ日本の本社機能は、「兵庫県神戸市」にあります(東京にも拠点あり)。

したがって、マーケティング、ファイナンス、人事、SCMといった本社機能の職種の多くは、神戸が初期配属(あるいはキャリアの中心)となる可能性が非常に高いです。

セールス(営業)職については、全国の支社(東京、大阪、名古屋、福岡、札幌、広島、仙台など)が勤務地となります。

「自分は絶対に東京で働きたい」という希望が強い場合、ネスレのキャリアパスとはミスマッチが生じる可能性があります。

ネスレはグローバル企業として、国内外の「異動(モビリティ)」もキャリア成長の一環として重視しています。

勤務地(特に神戸)に対する自身の許容度は、志望動機を固める前に必ず確認しておきましょう。

まとめ

ネスレの志望動機を作成するプロセスは、単なる選考対策ではなく、「ビジネスを通じて社会課題を解決する」とはどういうことかを深く考える絶好の機会です。

「食べ物が好き」という純粋な思いを、ネスレが掲げる「CSV」という経営哲学と、あなた自身の「オーナーシップ」を発揮した具体的な経験とに、論理的に結びつけることが重要です。

競合他社との比較を通じて「なぜネスレか」を明確にし、消費者目線ではない「ビジネス目線」での貢献意欲を、自信を持って伝えてください。

あなたの志望動機が、ネスレの「Good food, Good life」の未来を共に創るパートナーとしての熱意と論理性を備えたものになることを願っています。

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