【ベンチャーと中小企業の違い】あなたは正しく理解できていますか?

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はじめに

ベンチャー企業と中小企業の違い、あなたは正しく理解できていますか?

ベンチャーは新しい、中小企業は地域密着といった漠然としたイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

就活の面でいえば、ベンチャーはリスクが高い、中小企業は地味といった感覚を抱いている学生も少なくありません。

もっとも、ベンチャー企業と中小企業の違いを理解しておかないと、大手企業以外の企業を選ぶ際に基準が不明確になります。

ベンチャー企業と中小企業の違いを明確にしておきましょう。

【ベンチャーと中小企業の違い】ベンチャー企業の定義

ベンチャー企業には実は、明確な定義はありません。

アメリカなどで、若手起業家や独創的な起業家が、これまでにないサービスや技術、商品を開発して、これまでなかった市場を開拓していく、冒険者的な企業のことをベンチャー企業と呼んだのに由来します。

アメリカなど欧米でベンチャー企業が注目を浴びる中、日本でも、従来になかった新たなビジネスやビジネスモデルを提供する起業家が現れはじめ、ベンチャー企業と呼ばれるようになりました。

小さなベンチャー企業がメガベンチャーへと成長を遂げていくケースも増え、現在ではおよそ以下の4つのポイントを満たす企業が、ベンチャーに分類できます。

4つのポイント
【1】新しい分野でリスクを取り事業を開始する起業家
【2】事業に創造性、革新性、新規性があること
【3】成長志向があること
【4】起業・創業からの期間が短い、または事業・組織規模が小さい

現在ではメガベンチャーと呼ばれる企業も、創業当初はアパートの1室で2~3名ほどでスタートしているケースがほとんどです。

【ベンチャーと中小企業の違い】中小企業の定義

これに対して中小企業の場合、法律での定義があります。

これは主に税制度や補助金制度、貸付制度、雇用維持など国や自治体などの施策や支援面で、経営体力のある大企業と分ける目的で定義されているものです。

それによれば、中小企業とは以下の要件を満たすものになります。

【1】製造業、建設業、運輸業、その他の業(ただし、下記【2】~【4】を除く)
・・・資本金額:3億円以下
・・・常時従業員数:300人以下
【2】卸売業
・・・資本金額:1億円以下
・・・常時従業員数:100人以下
【3】小売業
・・・資本金額:5千万円以下
・・・常時従業員数:100人以下
【4】サービス業
・・・資本金額:5千万円以下
・・・常時従業員数:50人以下

業界や業種によって必要となる資本金額や必要となる従業員数などに違いがあるため、一律に資本金額と従業員数で定義するのではなく、業界や業種ごとに要件が設けられているのが特徴です。

この要件を超える規模の企業は、大企業に分類されます。

ベンチャー企業も中小企業に含まれている

この点、中小企業の定義のように業界や業種に応じて資本金額と従業員数、いわゆる企業規模で分類する場合、ベンチャー企業の位置づけや中小企業との違いはどこにあるのでしょうか。

日本の法制度上は、一部上場まで果たしているようなメガベンチャーなら大企業に分類され、創業間もないベンチャー企業や成長途上にあるベンチャー企業の多くは中小企業に分類されます。

もっとも、法制度上の定義はあくまで、会社の規模での分類です。

ベンチャー企業と中小企業の違いは、志向性や姿がポイントになります。

【ベンチャーと中小企業の違い】ベンチャー企業の特徴

法制度上の定義で見ると、ベンチャー企業は規模により、大企業にも中小企業にも分類されます。

そこで、ベンチャーと中小企業の違いを志向性や姿に求めれば、リスクをとっても成長を目指す革新性や新規性があるのがベンチャー企業これまでの歴史や伝統を守りながら堅実な経営をしているのが中小企業と考えることが可能です。

ベンチャー企業の特徴である、
・事業に新規性がある
・成長志向にある
・会社自体が若い
・圧倒的熱量

について見ていきましょう。

事業に新規性がある

ベンチャー企業の代表的な特徴は、今までにないサービスを提供していることです。

これまでになかった画期的な商品や従来にはなかったサービス、革新的な技術などを開発、提供、販売していきます。

新たな商品やサービスを販売していく市場も形成されていないので、ターゲット客や潜在需要を掘り起こし、新たな市場を開拓、形成していくのもベンチャー企業ならではです。

これに対して中小企業は既存の市場で事業を行っており、大手企業の下請けとして部品製造などを担っているケースも少なくありません。

中小企業は新たに起業する場合も、既存の市場で勝負するのですでに顧客や需要が見込まれ、いかに既存企業と競争していくかがポイントになります。

これに対して、ベンチャー企業はリスクを恐れず、顧客もライバルもいない市場を開拓していく冒険的で革新的な企業です。

成長志向にある

ベンチャー企業は新たな商品やサービスの需要を掘り起こし、需要を拡大、普及させていくために貪欲な取り組みで成長を目指す企業です。

ほかにはない新しい商品やサービス、画期的な技術をリリースしても、手をこまねいていれば、後から似たような商品やサービス、技術で勝負してくるライバル企業が現れるかもしれません。

追従を受ける前にどんどん事業の拡大を図り、成長していくことがベンチャー企業生き残りのカギを握ります。

そのため、社長や上層部を中心に成長志向が高く、それに共感して入ってくる社員一人ひとりも成長していきたいという志向性が高いです。

中小企業が安定的な持続的成長を求めるのに対し、ベンチャー企業は短期的な成長率が高いのが特徴です。

会社自体が若い

メガベンチャークラスに成長すると設立から10年、15年と経過している企業も出てきますが、ベンチャーと呼ばれる企業の多くは設立10年以下と歴史も浅いです。

新しい商品やサービスを提供して市場を開拓、形成していくビジネスモデルのため、10年近い創業年数や10年超しの年数となれば、市場が開拓でき、社会にも認知されて、受け入れられてるようになっている状態と言えます。

多くのベンチャー企業は市場形成や需要獲得を目指して、成長を進めている段階です。

まだまだ若い分、体制が整っていないことが多いのも特徴です。

社長一人で、レンタルオフィスのテーブルとイスだけがあるブース一つで始めることも少なくありません。

教育体制なども整っていないため、事業が軌道に乗ってきて社員を採用する際は、まずは即戦力となる中途採用の経験者です。

圧倒的熱量

新たな事業を作り、成長し続けているため、社員一人ひとりがフルコミットしている特徴があります。

フルコミットとは、全面的に責任を持って仕事に取り組むことを意味します。

成果や結果を出すために貪欲に取り組むことが求められ、その分、裁量が大きく、年齢や勤続年数を問わず、アイディアを取り上げてもらえることや柔軟に行動することが許される環境です。

一方、教育体制などは整っていないため、自ら学び、成長していこうという熱量の高さがないと成長もできませんし、ベンチャー企業からも求められなくなり、居場所がなくなるので注意しなくてはなりません。

ベンチャー企業を志望するなら、自ら成長したいと努力を惜しまない熱量の高さは重要です。

【ベンチャーと中小企業の違い】中小企業の特徴

では、中小企業にはどのような特徴があるのでしょうか。

日本では企業の9割超が中小企業であり、日本経済や日本の技術を支えていると言われ続けてきました。

日本はもちろん、世界での生活や事業に必要な商品やサービス、技術を提供している企業が多く、安定的で堅実な経営を目指す優良な中小企業も少なくありません。

優良な中小企業には、安定して収益を得られる仕組みがある、福利厚生に力を入れている、従業員が少ないといった特徴があります。

安定して収益を得られる仕組みがある

中小企業に分類される規模の企業も、新しく設立されることもありますが、多くは創業から年数がある程度経過しており、創業者社長から2代目、3代目と受け継がれているケースも少なくありません。

確立したビジネスモデルが形成されており、BtoBなら国内外に継続的に取引をする企業が構築され、BtoCなら一定の消費者の需要が形成されています。

時代や環境の大きな変化が起こらない限りは、安定して収益を得られる仕組みが築かれており、新たな市場を開拓するために手探りで勝負しているベンチャーに比べて潰れにくいのが利点です。

中小企業側でも、創業以来受け継がれてきた技術や商品、サービスの質を守ることに力を入れており、安定した持続的成長を目指しています。

福利厚生に力を入れている

福利厚生というと大手企業でないと整っていないイメージがありますが、ある程度の歴史や実績を持つ中小企業は福利厚生が充実しているケースも少なくありません。

アットホームで社員のまとまりが良く、地域の雇用を維持するという側面もあり、大手企業に比べたメリットを打ち出す観点からも働きやすい環境が整っています。

業種などにもよりますが、男女問わず、年代も幅広く働くことができます。

業種や所在する地域などにもよりますが、残業でオーバーワークするケースも少なく、多くの中小企業は定時で上がれる環境です。

地域に根差した企業で、ワークライフバランスを重視して働きたい方におすすめです。

従業員が少ない

中小企業といっても、日本経済を支えるような企業もあり、それなりの従業員数を持つケースもありますが、大企業に比べれば、圧倒的に従業員は少ないです。

地域に根差した企業も多いことから、アットホームで家族的な雰囲気の人間関係や職場環境が形成されています。

この点、ベンチャー企業も創業当初や事業が成長して規模を拡大するまでの間は、従業員数は少なく、中小企業よりもずっと少ないのが特徴です。

教育体制なども整っていないので、最初は即戦力となる経験者を中心に雇用し、ようやく収益の目途が立ってきた段階で、新卒を採用するような状態です。

最初は1から2名ほどの採用しかなく、個々の能力が重視され、中小企業のように先輩や上司がフォローしてくれるとは限りません。

大手企業や中小企業の内定が得られないから、ベンチャーと考える方もいますが、実は狭き門なのです。

【ベンチャーと中小企業の違い】まとめ

ベンチャー企業は志向性の話中小企業は規模の話をしているため、二者択一にはなりません。

堅実な経営をする中小企業とベンチャー企業では組織風土が大きく異なることも多く、安定性や新規性といった問題だけでなく、その人にマッチするかにも大きな差が出ます。

自分がベンチャー向きなのか、それとも中小企業のほうが活躍できるのか、自己分析や企業研究をして自分に合う会社を探しましょう。

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