はじめに
ベンチャー企業はさまざまな業種で存在しています。
一般的にはIT業界がメインという認識かもしれませんが、物流業界も例外ではありません。
歴史ある大企業の安定性も魅力的ですが、今後の成長に期待ができるという点でベンチャー企業に興味がある方も多いのではないでしょうか。
成長企業で働きたいという意欲がある方にはぴったりな環境といえます。
さらに、近年注目を集めている「物流テック」についてご存じない方も多いことでしょう。
そこで今回は、物流業界のベンチャー企業における物流テックや、成長しているベンチャーの企業例についてご紹介いたします。
ベンチャー企業や物流テック、成長産業に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
【物流ベンチャー】物流テックとは
まず物流テックとは、「物流×テクノロジー」という形で物流とテクノロジーをかけ合わせたものです。
物流というのは荷物の発送元からお届け先まで物を運ぶという業種です。
その過程としてさまざまな作業が存在しています。
もともとは人間の手ですべて担っていましたが、IT技術の進化によってそれは非効率的となってきたのです。
IT技術によって自動化や簡略化できるところから切り替え、すべてにシステム化を実現し、生産性や効率を飛躍的の向上させる手段となるのです。
荷物には大きなものや重いものがたくさんあります。
それらを人間が処理するとなると重労働です。 その過酷な業務内容によって、離職率が高くなったり身体的なダメージを負ってしまったりというケースも少なからず問題となっていました。
そういった問題点を解消する合理的な手段となるのが物流テックなのです。
物流テックはどんな課題を解決する?
物の流れというのは企業や人の間で発生します。
物流は企業や人をつなぐ役割を果たす業界です。
企業や人をモノでつなげるビジネスが物流業界の主な業務内容でした。
古くから存在している業務なので、そもそも多くの作業がアナログなやり方でした。
システム化自体はできているものの、人間の手で作業しなければならない状態だったのです。
それはIT技術がまだ応用できるほどの状態ではなかったからです。
しかし、IT技術の進化は凄まじいスピードで進んでいます。
その結果、現代においては物流にIT技術の技術を応用することが可能になりました。
たとえば注文があった際は、倉庫から対象の商品を取り出し発送処理することなります。
それをRPAと呼ばれるソフトウェアロボットによって、システムで対応することが可能となったのです。
このようにこれまでは人の手でしかできなかったさまざまな作業や業務が、自動化されていくわけです。
物流テックの市場規模
まず物流業界全体の市場規模ですが、約24兆円とされています。
この中で物流テックがどれほどの割合を占めているかというと、約3兆円と見られています。
約12%の割合ですが、この割合は今後上昇傾向にあるでしょう。
その理由としては、物流テックをまだ導入できていない企業も数多く存在していることがあげられます。
人力からシステムへ移行すれば、自動化や業務効率をはかれますが、少なからず費用が発生することはたしかです。
企業の規模によってはすぐに導入が難しいケースもあります。
準備が整うにつれて今以上に移行していくことでしょう。
今後さらなるIT技術の進化にも期待ができます。
数年後には今以上に便利なシステムや、より安価で機能性の高いが存在している可能性もあります。
確実に市場規模は広がっていくことが予想されるでしょう。
【物流ベンチャー】物流テックが注目されている背景は?
物流テックが注目を集めているのにはもちろん理由が存在しています。
その背景としてあげられるのは、通販の活発化だと考えられています。
物流の中にも種類はさまざまありますが、その中でも宅配の割合は年々上昇傾向にあるのです。
具体的に通販の活発化によってどのような影響を受けているのか理解することも大切です。
それによって物流テックの需要が高まっている状況や、今後どのように変化していくのかもわかることでしょう。
通販の活発化による配送の増加
一昔前までは、店頭で商品を購入するのが当たり前でした。
その後、電話などを使った通販も一般的になっていったのです。
時代とともにインターネットやスマートフォンが普及し進化し、新たにECサイトが登場しました。
これが爆発的な通販の活発化につながります。
いつでもどこでも豊富な品ぞろえと在庫数が特徴であるECサイトで物を購入することが一般的になったのです。
特にステイホームが求められるようになったことで、さらに加速します。
お店に行くことが減った反面、配送は爆発的に増加することになりました。
企業間の配送だけでなく、宅配需要が一気に高まったのです。
配達業者は慢性的な人手不足に陥り、DX化が必須になりました。
その結果、人だけでは負担が大きくなり、物流テックというテクノロジーが注目されるようになったというわけです。
物販の種類の中でとりわけ増加傾向にあるのは、事務用品や文房具があげられます。
次点で書籍や映像・音楽ソフトです。
書籍や音楽ソフトに関しては、店頭よりも探しやすく、在庫数や品ぞろえが豊富なECサイトでの購入率が上がっている傾向にあります。
【物流ベンチャー】物流テックのベンチャー企業の例は?
徐々に導入している企業が増えつつある物流テックですが、気になるのは実例ではないでしょうか。
もちろん大きなメリットがあることはわかっていても、導入コストが発生するのも事実です。
実際に導入した企業にその結果、どういったメリットがあったのかが重要です。
そこで具体例として、いくつか物流テックを導入している企業のご紹介をいたします。
いずれの企業もベンチャー企業として物流テックの特徴をとても上手に活用しています。
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
株式会社FABRIC TOKYO
ビジネスマンにとってファッションは重要です。
そんなビジネスマンに向けて、オーダーメイドのビジネスウェアを提供するのが「株式会社FABRIC TOKYO」です。
既製品にも素晴らしいものはたくさん存在していますが、サイズ感などは多くの方にフィットするように用意されたものとなります。
着丈や全体のバランスなど、多くの面においてオーダーメイドのウェアに勝るものはありません。
一般的にオーダーメイドのビジネスウェアは高品質であるものの、高価格であるというイメージがあるかと思います。
それを払拭すべく、株式会社FABRIC TOKYOでは高品質をそのままに低コストで提供しているのです。
それを実現しているのが物流テックとなります。
古くから根付いているアパレルの常識をテクノロジーによって最適化し、BtoCの双方にとってベストなスタイル提供を企業理念としています。
株式会社エアークローゼット
テクノロジーの力を活用することによって、アパレルに新たな常識を取り入れたのが「株式会社エアークローゼット」です。
本来、洋服は購入するものです。
購入した洋服の組み合わせを楽しんだり、新たに洋服を買い足したりしてバリエーションを増やしていきます。
ところが、サイズ変更や流行り廃りの影響で着られなくなる洋服も出てくるでしょう。
そうした無駄を解消する方法として、月額制のファッションレンタルサービスを提供しています。
これまでの常識を覆し、新たなサービスを当たり前にするという理念のもと、アパレル業界を席巻しているのです。
それができるのも物流テックによるものです。
テクノロジーを活用し、気軽にレンタルや試着などができる環境を整えたうえで、物流と連動させるシステムを開発し、事業に結びつけています。
ライフスタイルアクセント株式会社
ファッションブランドの多くは工場からスタートしていることがあります。
高品質であることが認められ、ルイヴィトンやグッチなどのように世界的ブランドになったケースも存在しています。
その一方で、アパレル業界全体は、ファストファッションによる影響を受けているでしょう。
顧客にとっては高品質低価格が理想です。 それを実現しようとするあまり、しわ寄せが製造元である工場に及んでしまうのです。
それでは、メイドインジャパンの誇る工場が衰退の一途をたどってしまいます。
歯止めをかけるために物流テックを活用しているのが「ライフスタイルアクセント株式会社」です。
ライフスタイルアクセント株式会社は、工場直販を理念に掲げています。
中間業者を挟まずに、工場と顧客が直接の取り引きをするため、適正価格で高品質のメイドインジャパン商品を堪能できるのです。
この工場直販スタイルこそが物流テックによるものといえます。
まとめ
世の中において欠かすことのできない存在の1つであるのが物流です。
物流にテクノロジーをかけ合わせることによって、企業や顧客にとってよりよい未来を創造することが可能になります。
人の手でしかできなかった部分をシステムで自動化したり、企業とユーザーの距離感を縮めることでコスト削減を実現したりできるのです。
これから先まだまだITテクノロジーは成長していきます。
最大限に活用すれば、さらに素晴らしい未来が待っていることでしょう。
ベンチャー企業として物流企業を活用している企業も実際にいくつもあります。
就職先としてぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
成長企業で働きたいという方におすすめです