はじめに
学生時代の留学経験は、ガクチカでのアピールにも有効です。
現地でのエピソードや語学力をはじめとしたスキルなど、アピールしやすいポイントも多いと考えられます。
実際にどういったメリットがあるのか、そしてガクチカを書くときの注意点についても解説します。
さらに例文も3つ紹介しているので、構成や人事へのアピールの仕方などを参考にしてください。
【留学経験のガクチカはアリ?】留学経験はガクチカでアピールになるのか
結論からいうとアピールになります。
留学経験は誰もが持っている経験ではないため、しっかりと準備すればガクチカとして非常に効果的なものになります。
留学経験を持っているのであれば、積極的にアピールしていくことをオススメします。
【留学経験のガクチカはアリ?】企業がガクチカで見ているポイント
ベンチャー企業では、モチベーションの源泉や目標に対して、どのように努力できるかを見ています。
それはつまり、どのような環境や状況で、以下に頑張れるかといったことです。
目標達成のために粘り強く取り組めるか、課題解決に向けて新しいチャレンジができるかなども、ベンチャー向けの資質と言えます。
人事担当者はそういった部分を見て、「自社で活躍できる存在なのか」「自社にマッチしている存在なのか」を見極めています。
なぜなら、ポテンシャルを見る新卒採用ではかなりコストとリスクがかかっており、ミスマッチによる退社はベンチャーにとって大きな痛手となるためです。
企業としては、早期離職を防ぎ、長く活躍してくれる人材を求めています。
それでは具体的にどのようなところを見ているのか紹介していきます。
経験や過程
ベンチャー企業は経験や実績を見ています。
そもそも、経験や実績にインパクトを持っていれば自然と企業の目に留まります。
それではなぜベンチャー企業は経験や実績を見ているのでしょうか。
その理由は、結果が出ている人は何か一つのことを極めようとして、実際に目標に対して達成することができているからです。
ベンチャー企業は一つのことに熱意を持つことができ、結果を残すことができる人材を求めています。
そのため経験や実績で一つのことを極めたエピソードを伝えれば、企業側から高い評価をもらえるでしょう。
まだそういった経験や実績がない人は、何か一つに対して熱意をもって行動してみることをお勧めします。
人柄や考え方
これはベンチャー企業だけに当てはまることではありませんが、企業側はその人の人柄や考え方をよく見ています。
そして、特にベンチャー企業では物事に対して主体的に動き、新しいことを常に挑戦しようとする気持ちや、どんどん成長していきたいということを全面的に出している人
を採用したいと考えています。
逆に、受け身になって行動した例や、消極的な面を見してしまうようなガクチカだと、マイナスの印象を与えてしまう可能性があります。
留学で得たことをどう活かすか
企業側は、ガクチカの内容がベンチャーで働く上で活かすことができるかを見ています。
そのガクチカが自社で活かすことができ、内容も高いパフォーマンスを発揮できるようなものであれば高い評価をもらえる可能性は高くなります。
そのため、志望する企業で活かすことができないようなことをアピールするのはあまりプラスに働くことがないといえます。
ただプラスに働かないだけならまだいいのですが、逆に自社がどういった人材を求めているのか理解していないのかと思われてしまうと、マイナスに働いてしまう可能性も
あるため気を付けるようにしましょう。
【留学経験のガクチカはアリ?】留学をガクチカのエピソードに用いるメリット
「留学経験」というと、比較的ガクチカにしやすいテーマだといえます。
まず留学をするにあたって何かしらの目標や目的があり、それに向けて取り組んだことがあるはずだからです。
経験を通じて得たことについても取り上げやすいはずです。
またそういったことをストーリーとして組み立てやすい点も、ガクチカのエピソードとして有効な部分といえます。
ここでは、ベンチャー企業向けにはどのような点でメリットが大きいのかを解説します。
行動力やタフさがアピールできる
留学経験をガクチカにするメリットは、自身の行動力やタフさがアピールできる点です。
見知らぬ土地で過ごすとなれば、何かしらの困難や課題に直面することでしょう。
そこで自分がどう立ち向かったのか、どう解決に導いたのかなどを示せれば、自己アピールとして効果的です。
特にベンチャー企業では、自ら行動して、どんどん道を切り開いていくことが求められる傾向にあります。
そのため未知の世界に飛び込む留学のエピソードは、ベンチャー企業との相性がよいと考えられます。
どういった環境下でも、自ら考え実行できる能力があることをアピールするとよいでしょう。
留学先でのエピソードとともにそれを説明できると、ガクチカの説得力も高まります。
志望動機につなげやすい
留学で得られるスキルの1つとして、語学力があげられます。
特に海外との接点や外国語を使う機会が多い仕事の場合には、留学経験を志望動機に絡めやすい点でも有利です。
志望動機につながりやすいと、自己PRとして有効なだけでなく、ガクチカの書きやすさという点でもメリットが大きいといえます。
さらに留学を通じて得られるスキルは語学力に限らず、課題解決能力や異文化コミュニケーションをアピールポイントとして取り上げることもできます。
こういった能力もまた、仕事の内容によっては志望動機として有効です。
経験とそこから得たことが業務にマッチしていれば、志望理由の説明として説得力が高められます。
留学先ではさまざまな経験ができるので、志望動機につながるエピソードを探しやすいのも利点です。
イメージを持ってもらいやすい
留学で得られる3つ目のメリットとして、「イメージを持ってもらいやすい」ということが挙げられます。
ガクチカは採用担当者に分かりやすく伝える必要があります。
採用担当者は、どのような行動をしたのか、どのような壁にぶつかったのか、解決に向けどう行動したのかなどに着目しています。
その点において留学経験というのはイメージを持ってもらいやすいのです。
留学は目的や目標が明確であるため、イメージを持ってもらいやすくなるといえるでしょう。
【留学経験のガクチカはアリ?】留学をガクチカにする際の注意点
・留学期間の長さは無関係
・留学経験自体が評価されるわけではない
・差別化する必要がある
・留学をした目的を明確にする
・留学先での活動内容と結果が重要
アピールしやすい部分も多く、ベンチャーとの相性もよい留学経験ですが、ガクチカにする際は注意点もあります。
留学は、今や多くの人が経験しているのも現実です。
そのため、ただ留学経験をアピールするのでは他者との差別化ができません。
人事に刺さるガクチカを作るためには、その他大勢に埋まってしまわないようにすることも重要です。
貴重な留学経験を自分の強みとするためには、以下に述べる2つのポイントを押さえるとよいでしょう。
留学期間の長さは無関係
注意点の一つ目に、「留学期間の長さは無関係」であるということが挙げられます。
留学期間の長さはガクチカとして評価される際に全く関係ありません。
留学には夏季休暇や冬期休暇などで行われる短期留学や大学を休学するなどして空いた時間を留学に充てる長期留学があります。
短期留学は1~3か月程、長期留学は4,5か月~6か月以上の期間となっており、期間が異なります。
ですが重要なのは期間ではなく「何をやってきたか」です。
留学期間は長い方がプラスに評価されると思っている方はいるかもしれませんが、無関係であるということをここでおさえておくようにしましょう。
留学経験自体が評価されるわけではない
留学経験というのは、自身の行動力や語学力など、さまざまなスキルをガクチカとしてアピールできるテーマです。
ただし、留学経験だけで評価がプラスになるわけではないことを理解しておきましょう。
「留学経験アリ」ということが、評価の対象になるのではありません。
特に今、留学経験がある学生も珍しくない時代なのです。
そんななかで、その経験をいかに自分のアピールポイントとしてガクチカに盛り込めるのかが、内定獲得への分かれ道となります。
留学経験自体ではなく、それを通してどのようなことを学んだのかアピールするのが重要だと考えましょう。
またその際、学びにつながるまでの過程についてもガクチカとして示すことが必要なのです。
差別化する必要がある
注意点の三つ目に、「差別化をする必要がある」ということが挙げられます。
冒頭でも少し触れたように、いまや留学というのは珍しいものではなく、留学経験のある就活生は多いです。
そのため、単に留学へいったことをアピールしようとしてもあまり効果がありません。
効果的なアピールをするためにも、周りとの差別化を図る必要があるのです。
留学の目的や目標、現地での活動内容は人によって異なります。
その部分でオリジナリティを出し、具体的なエピソード等を用いて差別化することが大切となります。
留学経験をアピールする際には差別化を意識するようにしましょう。
留学をした目的を明確にする
企業側は、留学に行った経験自体にはあまり興味がなく、何を目指して留学に行ったのか、その目的を知りたいのです。
なぜ国内で英語を学ぶのではなく海外で学ぶことを選んだのかなどを明確に説明することによって、留学経験が就活でも使える意義のあるものになります。
留学経験を活かすことができればとても大きな評価をもらえることはありますが、逆にしっかりと目的や何に取り組んだのかを伝えれなければ、ほとんどプラスにならないため、明確に説明できるようにしておきましょう。
留学先での活動内容と結果が大切
先述したとおり、ガクチカでアピールすべきポイントは、留学先で何に取り組んだかということです。
たとえば語学力を自身の強みとする場合、留学で得た語学力をただ示すだけでは不十分です。
留学経験と同様に、あるいはそれ以上に、語学力にすぐれた学生はほかにも大勢います。
そこで差別化をはかるためには、「留学を通じてどのように語学力を身につけたのか」という部分に重点を置くことが重要です。
留学経験によって語学力が向上したことを押し出すだけではなく、留学先で目標に向けて何に取り組んだのかを伝えます。
どのような目標を掲げて留学したのか、実現するため何に取り組んだのか、結果的に自分の学びにどうつながったのか、掘り下げて考えるとよいでしょう。
【留学経験のガクチカはアリ?】ガクチカの効果的な構成
結論(Point)
理由・根拠(reason)
エピソード(episode)
入社後どう活かしていくか
結論(Point)
ベンチャー向けにガクチカを作成する際は、その構成も重要です。
基本的には、以下のような流れにするとよいでしょう。
ガクチカの構成
(1)結論→(2)理由・根拠→(3)エピソード→(4)→入社後どう活かしていくか→(5)結論
人事の目に留まるには、まず読みやすさを意識することが欠かせません。
スラスラと読み進めやすいガクチカだと、最後まで読んでもらうこともできます。
読みやすさとはつまり、内容のわかりやすさです。
そのためにはまず、結論から述べるようにしましょう。
留学経験でのエピソードやそこで得たもの、自身のアピールポイントとは何かを、まず明らかにします。
つぎに、なぜそのような行動に至ったのか理由や根拠を説明しましょう。
そしてそのために自分が何にどのように取り組み、どういった結果をもたらしたのか、掘り下げてエピソードを述べるようにしましょう。
自分の学びや成長につながったのか、入社後どう活かせるのかを明示してまとめましょう。
結論
ガクチカの構成を考える際にはまず初めに「結論」を述べるようにしましょう。
結論ファーストともいいますね。
最も伝えたい結論を冒頭で述べることによって、その後に話す理由や具体的な内容が理解してもらいやすくなるのです。
今回の場合、最も伝えたい結論は「学生時代に力を入れて取り組んだことは○○での留学経験です」になります。
結論を言わずにいきなり理由やエピソードを述べ始めてしまうと「何がいいたいのか」「何の話をしているのか」が全く伝わらなくなってしまうため、当たり前のこととして意識するようにしましょう。
社会人になると、すべて結論ファーストで話すことがベースとなるため、今のうちから意識しておくのも良いでしょう。
理由・根拠
「結論」を述べることができたら次に「理由・根拠」を述べるようにしましょう。
「結論」の次に「理由・根拠」を述べることで「結論」で述べたことに対する「なぜ?」に答えることができるのです。
結論に至った理由や根拠を述べることで説得力を持たせる役割もあります。
今回の場合、留学経験がガクチカである理由や根拠を述べるということになります。
そのため、この「理由・根拠」という部分はしっかりと準備しておく必要があるのです。
エピソード
「理由・根拠」を述べることができたら次に「エピソード」を述べるようにしましょう。
「理由・根拠」だけではやや説得力に欠けるため、具体的なエピソードを入れることが必要になってくるのです。
今回の場合、留学経験での出会いや挫折、成長などの具体的なエピソードや点数等の数字を盛り込み、より説得力のあるガクチカにしていくことが大切になってきます。
エピソードの部分は同じく留学経験のある周りの学生と差別化できる部分でもあるため、重要となります。
入社後どう活かしていくか
「エピソード」を述べることができたら次に「入社後どう活かしていくか」を述べるようにしましょう。
これまでガクチカとして経験してきたことを入社後にどこでどう活かしていくかを述べることによって、今だけでなく、長期的なビジョンを持っている学生であるということをアピールすることができます。
具体的に社内のどの職種でどのような業務を行う際に活かしていきたいかまで伝えることができれば、プラス評価に繋げることができます。
今回の場合留学経験なので、行動力、語学力、忍耐力など様々ありますが、それらを活かしていきたいということを述べると良いのではないでしょうか。
結論
再度、結論を述べても良いです。
ですがESであれば文字数、面接であれば時間に余裕がある場合のみでかまいません。
必ず入れなくてはいけないものではないため、余裕がないのであれば、これまでに述べた部分をしっかりと伝えることが大切です。
【留学のガクチカ】留学をエピソードに用いたガクチカの例文3選
ベンチャー企業向けにガクチカを書くときは、まず結論を述べてから、内容を掘り下げるという流れにするのがポイントです。
志望先が求める人材像をリサーチしたうえで、自分のどういった能力をアピールするのか考えてみましょう。
アピールポイントや、それを得た留学中のエピソードさえ決まれば、ガクチカを仕上げるのはそう難しい作業ではありません。
「(1)結論→(2)動機→(3)目標や課題→(4)取り組み→(5)結果→(6)学び」という基本の構成に落とし込んでいくだけです。
以下で、構成をふまえて書いた例文を紹介します。
留学経験のよくあるテーマとして、現地コミュニティ、専門的分野の学び、海外インターンの3つを取り上げます。
継続的な行動力
私はアメリカでの留学経験を経て、継続的な行動が成長につながることを学びました。
留学先では、ある授業で毎週レポートの提出がありました。
日常会話に必要な英語に加えて、レポート作成に必要な専門用語を学ぶ必要があった私は、毎朝早くから大学へ行き、図書館で勉強していたのです。
3ヶ月が過ぎ、ようやく授業についていけるようになったころ、図書館で同級生に話しかけられました。
私が毎朝図書館で勉強している姿、英語と日本語で書いているノートやレポートに興味をもったことで、そこから自然と私が同級生たちに日本語を教えるコミュニティができました。
このコミュニティをきっかけに、独学や大学の授業では身につけられないような語学力やコミュニケーション能力を習得できたのです。
この経験から、自身の課題に取り組み続けることで誰かの目に留まり、それを機に自身のさらなる成長につなげられることを学びました。
今後仕事をするうえでも、留学経験で得た語学力やコミュニケーション能力とともに、目標に向けて取り組み続ける姿勢を大切にしていきたいと考えています。
プログラミングスキル
アメリカの大学に留学して、プログラミングを学びました。
そこで私は、プログラミングの知識や技術とともに、課題解決能力を習得したと考えます。
IT技術を用いてさまざまなアイデアをサービスに変えるアメリカのビジネスを肌で感じながら、プログラミングを学びたいと考えたのが、留学を決めたきっかけです。
留学先では語学力をはじめとして、新しいサービスのアイデアや、それをかたちにする技術を習得するため、毎日真面目に授業と自習に取り組んでいました。
同じ目標をもつクラスメイトに刺激を受けながら、最終的には自分のアイデアをマネタイズできるだけの技術を習得しました。
諦めず課題に向き合い、アプローチ方法を試行錯誤しながら取り組む姿勢も身についたと感じています。
貴社ではプログラミングの知識や技術とともに、課題解決能力を活かしながら、エンジニアとして即戦力となれると考えています。
異文化理解
私は海外インターンを通じて、異文化理解の姿勢が身についたと自負しております。
インターン先はオーストラリアの広告代理店で、主にデジタルマーケティングを行っている企業です。
現地で働く社員の方々に指導していただきながらプロジェクトに参加することで、マーケティングのノウハウやビジネススキルが身につきました。
ただ、さまざまな国籍の人材が集まる企業でプロジェクトを遂行するには、単にノウハウを習得するだけでは十分とはいえませんでした。
プロジェクトメンバーそれぞれが、何を重視しているのかといった価値観を理解する必要があると感じたのです。
その気づきを経て、より一層メンバーとのコミュニケーションを取るようになり、文化や考え方の違いにも注目できるようになりました。
貴社のような、海外進出に重きを置くグローバル企業においても、私が習得した異文化理解の姿勢が活かせると考えております。
【留学経験のガクチカはアリ?】思いつかない場合は就活エージェントに相談してみよう!
ガクチカの例文を紹介してきましたが、「思いつかない」、「うまく書けない」と悩んでいる人はいないでしょうか。
どうしても思いつかない場合は、就活エージェントに相談するのもおすすめです。
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気になる方は是非検討してみてくださいね。
まとめ
エピソードとして取り上げやすく、さまざまな能力が得られる留学経験は、ガクチカのテーマとして有利です。
行動力やタフさがアピールできて、志望動機につなげやすい点では特に、ベンチャー企業との相性もよいガクチカだと考えられます。
ただし、留学経験自体が評価の対象となるのではなく、留学先で何に取り組んだのかが重要だということを理解しましょう。
志望先にマッチするアピールポイントや、それにつながるエピソードさえ決まってしまえば、今回紹介したガクチカの構成に当てはめていくだけで完成するはずです。
本記事を参考に、ベンチャー向けのガクチカ作成に取り組んでみてください。
木下恵利
ガクチカとして効果的な「留学経験」ですが、周りとの差別化は必要になります。以前と比べていまや留学に行くというのは学生にとってそこまでハードルの高いものではなくなりつつあり、留学経験を持っている学生は多くいるからです。自分だけの留学経験をアピールすることが大切となります。