はじめに
グループディスカッションは、多くの企業が選考の際に課すフローの1つです。
その場で与えられるテーマに対してはじめて会った人たちと議論をし、結論を出すという大変難しい課題なのです。
もしかしたら苦手としている就活生も多いのではないでしょうか。
しかし、このグループディスカッションは自分という人間を企業側に売り出すチャンスの場でもあります。
そのため、きちんと対策をしておくことが大切です。
まずはグループディスカッションの全体像をつかみ、どのように議論を進めていけばよいのか、自分はどのような立場で話せばよいのかなどを確認しておきましょう。
人事担当者がグループディスカッションを通じてどこを見ているか理解し、自分の実力を発揮できるよう準備しておいてください。
【GDの進め方】GDとは
グループディスカッションとは、決められた人数ごとにグループを作り、与えられたテーマに対してそのグループ内で議論するというものです。
新商品の企画の提案など、ワーク形式のテーマが出されることも多く、議論がどう繰り広げられているか、そのプロセスを見て人事担当者が審査します。
企業側がこのような集団選考を実施する意図や、ここで発揮すべき能力を理解するとともに、グループディスカッションの進め方について確認しておきましょう。
【GDの進め方】GDで人事担当者が見ているポイント
グループディスカッションで人事担当者はどこを見ているのか、疑問に思う学生も多いでしょう。
企業にとって必要な人材かどうかを見極めるために、グループディスカッションで特に注目しているのが、コミュニケーション能力と論理的思考力だといわれています。
この2つは社会人として働くうえで必要な能力であり、入社後も必要とされる場面が何度もあるはずです。
それぞれ具体的にどのようなことなのかをまとめたので、参考にしてください。
コミュニケーション能力
ここ数年は特に、学生のコミュニケーション能力が低下していると問題視されています。
人と信頼関係を築く力、人の話を聞く力、人に話を伝える力、人と協力し合う力がない人は、企業で働き始めてからも「協調性に欠ける人物」として見られてしまうことになるでしょう。
これは、本人だけに限らず、一緒に働く社員たちにとっても仕事がやりづらくなるので大きな問題です。
そこで、しっかりとグループディスカッションでの様子をチェックし、コミュニケーション能力がある人材かどうかを見極める必要があります。
具体的には、グループのなかでどのような役割を担っているのか、どのような発言をしているのか、どのようにグループワークに貢献しているのかなどのポイントをチェックされることが多いです。
論理的思考力
グループディスカッションでは、論理的思考力があるかどうかも見られます。
論理的思考力とは、筋道を立てて矛盾や飛躍のないように物事を考える力のことです。
「なんとなくこう思う」というような感覚的な意見だったり、思ったことを次々と口にしたりするのではなく、なぜそのような解答に至ったのか誰が聞いても納得できる内容であることが求められます。
また、自分が経験したことや個人的な考えを、あたかも社会における一般論のように話すのもやめましょう。
「必ずこうなる」「これしかない」というような決めつけも、論理的思考力が低いと判断される発言です。
本番での失敗を防ぐためにも、普段からできるだけ論理的な考え方をするよう意識して過ごすようにしましょう。
【GDの進め方】GDの進め方とは
グループディスカッションはテーマの課され方によって多少の違いはありますが、大まかな進め方はほとんどの場合で共通しています。
一緒に議論するのはその場所ではじめて会った人たちなので、「どうやって進めたらよいのかわからない…」と戸惑うこともあるでしょう。
しかし、時間には限りがあります。
そのなかで、ほかの学生よりすぐれている面をアピールする必要があるため、時間を無駄にできないのです。
グループディスカッションが始まったら、まずは役割と時間配分を決め、与えられたテーマの前提条件について定義します。
そこから各自アイデアを出し合い、最終的にはそのアイデアを整理して結論をまとめるというのが一般的な流れです。
一つひとつ、具体的に見ていきましょう。
役割決め
グループディスカッションでは決められた時間内に結論を出さなければならないため、効率よく議論を進めていく必要があります。
そのために必要なのが、役割分担です。
議論の司会者としての役割があるファシリテーターをはじめ、チームの意見をまとめていく書記、時間を管理するタイムキーパーなどが必要になるため、誰がどの役をやるのか決めていきましょう。
特に役割がない場合は、各役割のサポート役に回るのがおすすめです。
誰よりも議論の場を客観視できる役割であり、実は重要なポジションといえます。
時間配分を決める
つぎに、時間配分を決めていきます。
これがうまくいかないと時間内に結論をまとめられず、失敗に終わってしまう可能性が高いです。
グループディスカッションとは「テーマの前提条件を定義すること」「アイデアを出し合うこと」「アイデアを整理すること」「発表すること」なので、それぞれに何分くらいかけるのかを決めます。
もちろん時間配分にずれが生じる可能性は十分にあるので、そのことを前提としておいてください。
もしずれが生じたとしても慌てずに対処できるかどうかも、重要なポイントになります。
前提条件を定義する
それぞれが意見を出し合う前に、議題の土台を固める必要があります。
どのようにするのかというと、課せられたテーマについて前提条件を定義するのです。
たとえば、『社員にとって「いい会社」とは?』というテーマを課せられた場合、「社員」が誰のことを指すのかによって議論の内容は変わってきます。
まずはそこを統一させ、「その対象の人にとっていい会社とはどのようなものなのか?」を考えていきましょう。
ここが決まらない限りアイデアは出ないはずです。
アイデアを出し合う
土台が固まったら、グループ全員で意見をブレストしていきます。
質の高いディスカッションにするためには、いいアイデアをたくさん出すことが必要です。
相手の意見について、否定せず相づちを打ちながら聞くこと、発言していないメンバーに話を振ることなどができれば、議論も活性化するでしょう。
途中で相手の発言をまとめることで、議論にずれが生じるのを防げるはずです。
否定の意見があってもひとまずあとに回し、楽しい雰囲気のなかでさまざまな意見を引き出していったほうがよいでしょう。
チームのアイデアを整理する
チームとしての結論を出す前に、今まで出たアイデアの整理をします。
どのアイデアが相応しいのかを選ぶだけでなく、いくつかのアイデアを融合して1つの意見にするのもおすすめです。
まずは、出たアイデアを似たものや傾向が同じもの同士まとめてグループ化するとよいでしょう。
そうすることで、アイデアをどう整理していけば効率的なのかがわかるはずです。
これができているチームは、グループディスカッションの評価が高くなります。
結論をまとめる
アイデアの整理ができたら、どれをチームの結論として選ぶのか決めていきます。
傾向の異なる2つのグループがあったとしても、多数決で選ぶのはおすすめできません。
グループディスカッションではすべてのメンバーが合意できる結論を求められるため、反対意見をそのままにして結論を出してもよい評価につながりにくいのです。
全員がきちんと納得できる結論になるよう、チームとして意見を1つにまとめる議論をするよう心がけてください。
発表する
最後に、まとまった結論を発表します。
たとえ議論の内容が素晴らしいものであっても、ここで論理的なまとまった発表をできなければ意味がありません。
最初に結論を述べ、なぜその結論に至ったのか、具体的な根拠や事例とともに話してください。
そして、最後にもう一度結論を述べてまとめる「PREP法」を活用するとよいでしょう。
もし議論があまりうまく進まなかったとしても、発表でうまくまとめられればグループディスカッションは成功といえます。
まとめ
グループディスカッションで自分のスキルを発揮するのは難しいかもしれません。
しかし、うまくいけば企業に対してしっかりと自分を売り込むことができます。
それでいて、グループのほかのメンバーをライバル視するのではなく、ほかのメンバーのよさを引き出せるかどうかも大きなポイントになるのです。
本番で力を発揮できるように、なるべく早いうちからグループディスカッションのための対策をしっかりしておく必要があります。
リアステージは選考で実際に使われているテーマを使って、グループディスカッションの体験ができるイベントを開催しているので、ぜひチェックしてみてください。
本番に備えて、一足先に就活の選考を経験してみてはいかがでしょうか。