はじめに
就職活動をするにあたって、OB訪問はしなくてもかまいません。
必須ではないので、やらなくてもいいと思っている方も多くいるでしょう。
たしかに、OB訪問をしなかったからといって就職活動に影響はないかもしれません。
なぜなら、直接的に大きく合否に関わってくるものではないからです。
一方で、積極的にOB訪問をした就活生は、「話を聞けてよかった」「参考になった」という旨の感想を述べます。
企業については説明会で話を聞ければわかることですが、OBからは説明会とは少し違った内容の話が聞けるということでしょう。
それでは、OB訪問のメリットとはいったいどんなものなのでしょうか。
【ベンチャー企業にOB訪問するメリットとは】OB訪問とは
そもそもOB訪問が何を指しているのか、詳しく知らない方も多いと思います。
OB訪問とは、大学や高校などの先輩をたずねて、仕事内容や企業のことについて教えてもらうことです。
自分が就職先として候補に入れている企業について、身近な人から話を聞くことができます。
説明会では、企業側が一方的に話すスタイルが多いです。
一方のOB訪問では、こちらからいろいろ聞き出せるでしょう。
また、説明会は大人数に対して企業が説明をする形になります。
OB訪問では1対1のパターンが多いので、より濃い内容が聞けるでしょう。
面接や企業説明会のように堅苦しい雰囲気ではなく、リラックスした雰囲気で行われ、私服でOKなOB訪問もあります。
【ベンチャー企業にOB訪問するメリットとは】OB訪問のメリット5選
OB訪問にはさまざまなメリットがあります。
これからどんな企業に就職し、どのように働いていくのかイメージしたり、内部の情報を得たりするために役立ちます。
また、今まで触れる機会の少なかった、社会人としてのマナーに触れる貴重な機会です。
あなたの就職活動の糧になることは間違いありません。
準備にも時間が必要なイベントです。
しかし、参加して損をすることはないと思います。
もし時間に余裕があるのであれば、おそれずに参加してみるのがよいでしょう。
一度行ってみれば、ある程度雰囲気はつかめると思います。
以下でOB訪問をするメリット5つについて解説していきましょう。
①評価次第では選考の優遇ルートに乗れることがある
OB訪問は、合否に直接的な影響はないといわれています。
しかし、OB訪問を何度もしていて顔を覚えられている就活生はやはり強いです。
また、OB訪問の際に印象的で、評価が著しくいい方も選考の際に優遇される可能性があります。
なぜなら、惰性で就職活動を行っているわけではなく、企業に対して興味をもっているのが伝わりやすいからです。
OBはすでに企業へ所属しているので、採用担当と関わりのある可能性も考えられます。
あなたがどのような話をしたのか、どのような人物なのかを企業内で共有されることもあるのです。
そのため、選考の優遇される可能性が少なからずあります。
しかし、OB訪問に参加したからといって、必ずしも優遇ルートに乗れるわけではありません。
これはあくまでもまれな例だということを忘れないでください。
②志望動機で人や社風をあげる場合に説得力が増える
就職活動をしているのであれば、企業の情報はあらかじめ収集しているはずです。
しかし、文面だけでは社風や所属するスタッフたちのことを深く知ることはできません。
感覚的に理解することはできるとは思います。
ただ、直接現場の人たちと話すことほど、理解が深まる機会はありません。
志望動機として、社風が自分と合うことをあげたり、所属する人たちが好きだとあげたりする就活生はたくさんいます。
実際に現場の人たちから情報を得ている就活生がそれを語る、文面で感覚的に情報を得た就活生がそれを語る機会があったとします。
その場合はやはり、前者の説得力は非常に高いです。
面接などで志望動機を話すときに、OB訪問の経験が活きるという点は大きなメリットになりえます。
情報を得ることがOB訪問の目的です。
ここで社風や働く人物についての情報を集めましょう。
文面で得たイメージと実際のイメージのすり合わせをし、内容の濃い話ができるように備えられます。
③どのエピソードのウケがよいかを確認できる
社会人の先輩と向き合って話すと、あなたの話がウケるかどうか試す機会ができます。
社会人目線ではどんな話がおもしろいのか、知るのは意外と重要なことだったりします。
なぜなら面接の際に、面接官の印象に強く残った人が選考に残りやすいためです。
面接やエントリーシートの内容にも活かせるので、そういったポイントを知っておいても損はありません。
また、目上の人に対して面と向かってフォーマルな形で話をするという機会もなかなかないです。
この機会に少しでも雰囲気や言葉づかいに慣れておきましょう。
今回話してみて、うまく伝えられたかどうかを振り返り、エピソードをより面白くわかりやすく伝えられるように反省してみるのがおすすめです。
④説明会では知ることができない企業の実態や詳細な業務を知れる
説明会で聞ける内容は、もちろん企業についての情報ですが、あくまで企業の一部分のみの情報です。
特にいくつもの企業が集まって行われる説明会では、企業のよさをアピールするために、よい一面だけをピックアップしていることもあるかもしれません。
時間に制限もあるため、細かな業務内容などの情報は省かれているでしょう。
たとえば、いくつか部署がある企業だとすると、部署ごとの説明をするには時間が足りません。
そのため、部署ごとの業務などは簡単にしか説明できないのです。
また、内部の雰囲気などは大まかに聞くことはできると思います。
しかし、部署ごとの雰囲気だったり、働く人のリアルな声だったりは聞けません。
OB訪問では企業の方と折り入って話せるため、説明会では知ることができないような内部の情報や、詳細な業務内容も聞けるはずです。
そして、自分が把握している情報と本来の情報のギャップを知ることができます。
これから働こうとしている企業の本来の姿を把握して、就職先の選択をするために情報を活かしましょう。
説明会で聞きにくいことが聞きやすい
説明会では配属や福利厚生、昇進のスピードといったリアルな話は質問しづらいと思います。
OB訪問は、フォーマルな雰囲気ではないため、そのような聞きにくい情報を聞けるチャンスでもあります。
ただし、どんな話をしたのか企業内部で共有されている可能性もあるので、あくまでも状況を見て判断しましょう。
なんでも聞いてよさそうな雰囲気であれば、少し聞きにくい話をしても大丈夫だとは思いますが、フォーマルな雰囲気の場合は聞きづらいかもしれません。
逆に、OBの方が自分と顔見知りの先輩であれば、そういった話もしやすいはずです。
年収などについて教えてもらえる可能性もあるので、聞きたい情報はあらかじめメモなどにまとめておくとよいかもしれません。
失礼のない程度に、ここでしか得ることのできない濃い情報を探りましょう。
これはあなたがこれから社会人として生きていくためにとても重要なポイントになります。
情報収集をおろそかにしてはいけません。
⑤社会人とのコミュニケーションに慣れることができる
今まで学生だった人が、社会人のコミュニティに入るのは緊張すると思います。
アルバイトをしていて、そういう環境に少し触れたことがある人でもわからないことはあります。
いったいどんなマナーがあって、どのように話せばいいのかなど心配は尽きません。
しかし、始めなければいつまで経っても慣れることはないので、まずは試してみましょう。
若い人がマナーを知らなくて、先輩が怒ってしまい、もう許さないということはそうそうありません。
わからないことがあるのは当然なので、間違えたら学んでいけばよいのです。
OB訪問の場もその一環として活かして、面接で少しでも自然体でいられるような精神を作りましょう。
緊張していても問題ありませんが、やはり自然体で話せるに越したことはありません。
【ベンチャー企業にOB訪問するメリットとは】OB訪問のデメリット2選
メリットをいくつかあげましたが、当然ながらデメリットもあります。
OB訪問は多くの場合、特定の方と会って話をするという形です。
つまりある特定の1名、もしくは数名からの情報を得ることになるので、一部に特化した情報になる場合があります。
正しい情報を得るためには、いくつかの情報を集めて信ぴょう性を確かめることが必要です。
人によって感じ方や目線は違うものです。
もしかしたらあなたが話を聞いて思ったことと、実際の印象にズレが生じるかもしれません。
①会う社員によっては聞きたい話が聞けないことも
あなたの聞きたい特定の部署に関する情報は、OBの所属先によっては聞けない場合があります。
前もってOBについて、情報を得ていれば避けられることなので、必ず事前に確認しておきましょう。
部署が違っても、以前に所属していた経験があれば話を聞ける可能性もあります。
もし不安なのであれば、直接問い合わせることも可能です。
積極的に企業側とコミュニケーションを取るのも悪いことではありませんし、企業側もあなたが興味をもってくれていると察してきちんと対応してくれるはずです。
まずはあなたがOB訪問で得たい情報を整理し、この機会に得られる情報なのか確認するのがよいでしょう。
もしもOB訪問で知りたい話題があり、それを聞けない可能性がある場合は一度考え直すのも1つの手です。
②会う社員によっては社風や人の雰囲気をつかめないことも
大きな企業で部署がいくつもある場合は、社風や人の雰囲気をつかむのが難しいです。
1人の情報では、内部の雰囲気を知るには情報不足であるためです。
あなたの希望する部署と違う社員からの情報であれば、参考程度に聞いたほうがいいかもしれません。
部署によって、それぞれまったく違う雰囲気のある企業もあります。
何人かのOBと話せるのであれば、企業全体のイメージをしやすいかもしれませんが、1名だけだった場合は注意が必要です。
その人からの情報だけでは、企業の内部のイメージを確定するに足らないと理解したうえで話を聞きましょう。
規模の小さいベンチャー企業だった場合も、もちろん何人かから情報を得たほうが確実です。
つまり、すべて鵜のみにするのではなく、得た情報の選別をすることが重要です。
【ベンチャー企業にOB訪問するメリットとは】実り多いOB訪問にするには
OB訪問はしなくてもいいと思っている方の意見も一理あります。
自分に必要のない情報を得ても、今後おそらく役に立たないためです。
OB訪問では、自分がこれから行こうとしている企業の内部の情報を得られます。
説明会では得られない情報が手に入るので、欲しい情報をリストアップして、OB訪問で得られるかどうか考えるのがおすすめです。
目的はOB訪問をすることではありません。
あくまで、あなたがこれから行こうとしている会社の情報を得ることです。
自分の目的を明確にして、OB訪問に臨むことが実りの多いOB訪問にするためのポイントといえます。
積極的に聞きたい情報を聞き出すように意識して、チャンスがあれば遠慮せずに聞き出しましょう。
まとめ
はじめての就職活動でわからないことが多いとは思いますが、さまざまな手段で企業について知ることができます。
なかでもOB訪問は、普段聞くことのできない情報が得られる貴重な機会です。
これから社会人として生きていくために、働く企業を選択するのは大変難しいことだと思います。
今後の自分にとって、もっともよい選択をするためにも、情報を集めることは重要です。
自分に合った企業であるかどうか判断したうえで、就職活動を行いましょう。
OB訪問はあなたが情報を集めるための手段として、ぜひ活用してみてください。