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はじめに
ベンチャー企業は非常に挑戦的な環境であり、新しいことにチャレンジしたい・もっと自分を成長させたいと考える方を積極的に受け入れる傾向にあります。
では、ベンチャー企業への転職活動で採用担当者に好印象を与えるためにはどうすれば良いでしょうか。
まずは志望動機を魅力的なものに変えてみましょう。
この記事ではベンチャー企業に転職するためにマスターしておきたい、好印象を与えるための志望動機の書き方を説明します。
ぜひ参考になさってください。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】ベンチャー企業への転職を考えるきっかけ
ベンチャー企業へ転職する際の志望動機を書くにあたっては、自分自身の転職の動機・きっかけを明確にしておく必要があります。
志望動機をよりポジティブな内容にするためにも、自分の気持ちを知っておくことは大切です。
ベンチャー企業へ転職を考えるきっかけについて、代表的なものをまとめました。
自分がどのタイプに当てはまるか考え、志望動機を書きだすための材料にしましょう。
もし複数の事柄が当てはまる場合、より強い動機付けとなった理由を1つに絞って志望動機にすることをおすすめします。
現在の仕事にやりがいがない
多くの方が訴える転職の動機に、現在の仕事にやりがいがないことがあります。
もちろんベンチャー企業以外に転職する方も同じ動機を口にすることは多いですが、ベンチャー企業への転職を目指す方は特にこの動機がきっかけとなりやすいです。
ベンチャー企業の多くが、社員一人ひとりに一般企業より広い裁量権を与えています。
もっとやりがいの大きな仕事をしたい・毎日同じルーティンの繰り返しで仕事にやりがいを感じられない方は、ベンチャー企業への転職も検討してみましょう。
具体的にはルート営業の方・事務系の方などが、こうしたやりがいのなさを感じやすいです。
やりがいのある仕事を希望して転職するなら、職種や仕事内容にこだわって転職活動を進めましょう。
企業システムにうんざりしている
社内のシステム・社風にうんざりして、より風通しの良い職場で仕事をしたいと考える方も多いです。
役所に申請・許可が必要な業種などでは、上司の許可を得ず部下が独断で仕事を進めるのを特に強くたしなめる傾向があります。
事故や不祥事を絶対に避けねばならない、リスクマネジメントの必要性が高い企業ではそれが当たり前と考える経営者も多いです。
しかしそれは、正しいとわかっていてもなかなか仕事を前に進められないと感じる若手社員にストレスとなることがあります。
社内の派閥や人間関係のせいで、自分の思う通りに仕事ができないと不満を漏らす方も多いです。
こうした点にうんざりしている方も、ベンチャー企業への転職で環境を変える意味が大きいでしょう。
業界最先端の技術を扱いたい
ベンチャー企業の多くは、すでに実績を挙げ顧客を獲得している業界トップの大手と勝負して勝たなければなりません。
しかも、起業当初は使えるお金や労働力も限られます。
当然、似た商品・サービスを提供するだけではとても勝負にならないでしょう。
そのため、ベンチャー企業は業界大手と勝負できる独特の武器(流通システム・目玉商品など)を持っています。
大手と差別化を図る強力な武器となり得るのが、業界最先端の技術です。
その技術を学ぶことで自分をより成長させたい・独立や再転職を目指したいと考える方もベンチャー企業への転職が向いています。
こうした方は転職先のベンチャー企業が成長することがそのまま自身の成長や市場価値アップにつながるので、仕事へのやりがいも大きくなるでしょう。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】ベンチャー企業が求める人物像
続いて、ベンチャー企業の採用担当側が応募所にどんな人柄・能力を求めるか紹介します。
もちろん、業界や企業によって求める人物像に多少の違いはあって当然です。
しかしベンチャー企業全体に代表的な傾向はあるので、以下の見出しで3点解説します。
もちろん、転職活動の際は各企業の採用ページなどを見て求める人物像をしっかり確認することが大切です。
社風・求める人物像が自分と合わないところに応募しても、なかなか満足いく転職は実現できません。
能動的に働くことができる人
ベンチャー企業は、すでに歴史がある企業よりも安定した基盤が整っていないことが多いです。
たとえば、長年のノウハウが蓄積された仕事のマニュアルがありませんし、社内で運用するシステムも自分たちで開発しなければいけないことがあります。
そのため、ベンチャー企業へ転職する方は「ではまず仕事のやり方を教えてください」「指示をください」では通用しません。
もちろん仕事のやり方・目的などを教わりながら仕事をするのですが、その中でも自分から能動的に働ける方が求められます。
仕事の進め方もマニュアルを見るのではなく、自分で試行錯誤して一番良い結果が出せる方法・一番効率の良い方法を見つけないといけません。
自分から動くよりも与えられた仕事をきっちりこなす責任感が長所という方は、ベンチャーではあまり高評価を得られない可能性があります。
柔軟性がある人
多くの職場では、部署ごとに職務分掌があり各々の仕事範囲がある程度定められているでしょう。
しかし、ベンチャー企業は仕事の範囲が定義されていることが少なく、一人で複数の分野をまたいで仕事をするよう求められることがあります。
そのため、自信の得意分野以外でも柔軟に考えて取り組める人を募集する傾向が強いです。
もちろんエンジニアなどの職種でスペシャリストが求められることはありますが、営業などの仕事をする方の多くはゼネラリストとして活躍を求められます。
複数の仕事をこなすためには、柔軟性に加え常に新しいことを学ぶ力・新しい知識を吸収する力も必要です。
働きながら勉強する姿勢を持っていることを示すのも、転職活動で良いアピール材料になります。
結果に対して強いこだわりがある人
ベンチャー企業は一人ひとりの裁量権が大きい代わりに、個人にかかる責任も大きくなる傾向が強いです。
若手社員でも、一人で仕事を任せられ結果にこだわるよう求められることがあります。
そのため、ベンチャー企業では結果に対して満足せずさらに上を追求できる人材を求めると考えてください。
営業など、個人の成績がそのまま業績につながる業種では特にその傾向が顕著です。
前職でも営業でノルマやインセンティブに貪欲だった方・学生時代から部活などで常にトップを目指してきた方は、ベンチャー企業向きのメンタルを持っていると言えるでしょう。
こうした点を自分の長所・アピールポイントとしたい方は、それを納得させるための具体的なエピソード作りを心がけてください。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】志望動機を考えるポイント
続いて、ベンチャー企業への転職を目指す方が志望動機を考えるポイントを紹介します。
大切なのは、採用担当者の疑問・不安を解消することです。
採用担当者は初対面で人柄も知らない方を吟味しなければならず、応募者が「本当に御社で働きたいです」と言ってもそれが本心なのかを見極める必要があります。
本当にその企業を魅力的に感じている・頑張りたい意欲を持っていることを示すためには、採用担当者がそのことに疑いを持たないよう志望動機の文章を組み立てなければいけません。
なぜその企業でないといけないのか
採用担当者が恐れるのは、企業と応募者のミスマッチです。
意欲の薄い方・企業風土と合わない方を採用すると、モチベーション高く働いてくれない・早期退職されてしまうといったリスクが増します。
採用面接で、ベンチャー企業であればどこでも良かった方ではなく本当に自社を心から希望してくれる方を見極めようとするのは当然です。
そのため、応募者は志望する企業の特徴・業務内容を詳しく把握していることを示さなければなりません。
応募先の企業についてしっかり研究したうえで、本当に御社が一番と伝えることがアピールになります。
なぜその企業でなければいけないかという質問だけでなく、企業で魅力的に感じた事業・企業のイメージといった質問もされる可能性があるので回答を準備しておきましょう。
どのように貢献できるのか
転職活動は新規学卒の就職活動と異なり、前の企業での経験が転職先でも発揮されるかが大きなチェックポイントとなります。
そのため、応募者は自分の経歴・長所・スキルをわかりやすく明らかにしたうえで、どのように転職先の業績に貢献できるか示さなければいけません。
この方を採用するとこんなメリットがありそうだ・この方はこんな形で活躍してくれそうだと採用担当者・役員にイメージさせられるかが勝負です。
面接の質問だけでなく履歴書や職務経歴書でも、転職先で自分が貢献できることをアピールすることができます。
「採用いただけたら貴社でこのように活躍したい」と述べることは自分の意欲を示すことにもつながるので、応募書類の中で必ず盛り込む要素としましょう。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】好印象を与える志望動機
続いて、ベンチャー企業の採用担当者に好印象を与える志望動機の特徴を紹介します。
書き上げた志望動機を吟味する時は、以下の見出しで解説するポイントを満たしているかをぜひチェックしてください。
特にベンチャー企業は少数精鋭を求めるところが多く、自社とのマッチ度・働きたい意欲を重視することが多いです。
そこで志望動機は重要なチェックポイントになるので、第一印象を良くするために志望動機の文章をしっかりブラッシュアップしておきましょう。
ベンチャー企業へ転職する目的が的確
転職者のすべてが、ベンチャー企業に転職したいと考える方ばかりではありません。
家族を養うためといった理由で、もっと収入の安定したところで働きたいと考える方も多いです。
しかし、ベンチャー企業は安定志向より成長志向が求められるので、ベンチャー企業の挑戦的な環境を魅力的に感じていることをわかってもらう必要があります。
特に、前職が安定している企業の方・大企業である方はこのことを明確にしなければなりません。
面接で「今いる会社はかなり安定していて良い会社なのでは」「うちだと成果次第で給料が下がる可能性もありますが」などと尋ねられる可能性もあります。
安定志向を捨ててでもベンチャー企業に転職したい理由を、はっきりと伝えられるよう準備しておきましょう。
ベンチャー企業の理念に共感する
ベンチャー企業では、給料や待遇が業界の大手企業よりもやや劣る場合があります。
そこであえてベンチャー企業に就職したい気持ちが本物であることを理解してもらうためには、応募先の企業理念・方針に共感したことをアピールしましょう。
ベンチャー企業の社員は、全員が同じ方向を向いて働くことが求められます。
採用担当者も自社の理念にもとづいて行動しているわけですから、同じモチベーションで働いてくれそうと感じた方により魅力を感じる可能性が高いです。
面接は結局のところ「一緒に働きたいと思えるか」をチェックする試験で、理念に共感してくれる・自社を好いてくれることは好感度アップにつながります。
事前に応募先企業の理念・経営方針はしっかりチェックしておきましょう。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】悪印象を与える志望動機
次に、ベンチャー企業の採用担当者に悪印象を与える可能性が高い志望動機の特徴をチェックしていきます。
以下の見出しで紹介する志望動機は、それ自体は決して悪いものとは呼べません。
ほかの企業では、むしろプラスのアピールになる可能性もあります。
しかし、ベンチャー企業の特徴を考えると、マイナスアピールになってしまうことがあります。
ベンチャー企業を転職先候補に考えている方は、以下の志望動機を出さずに転職活動を進めるのがおすすめです。
生活との両立
働きやすさ・生活との両立といった志望動機は、ベンチャー企業への転職で良いアピールにならないと考えましょう。
ベンチャー企業はフレックスタイム導入など、フレキシブルな働き方をアピールしていることが多いです。
一方裁量権が多く責任が生じるため、必要ならば休日出勤や遅くまでの残業もいとわない姿勢を求める企業がたくさんあります。
そのため、応募先企業が働きやすさ重視をアピールしていても応募者側がそのことを志望動機に盛り込むのは良くありません。
特に前の企業の退職理由が過重労働などである場合、このことに特に気を付けましょう。
仕事に対する意欲があまり高くないのではないか・待遇などで職場を選んでいるのではないかと思われるリスクがあります。
自分の成長のため
就職活動で、自分がより成長できる職場であることを志望動機にする方は多いです。
成長意欲の高い方を求める企業では、そうした学生を多く採用する傾向にあります。
しかし、ベンチャー企業では、自分の成長のために働きたいとアピールするのは逆効果になりかねません。
ベンチャー企業では、自分が成長するのではなく自分が自社に貢献するという姿勢で働いてもらいたいと考える経営者が多いです。
自分の成長を主眼にする方は、やや受け身と捉えられる可能性があります。
もちろん、ベンチャー企業で働く際も仕事を自分の成長を目指す気持ちを持つことは良いことです。
しかし、転職活動の志望動機ではその気持ちを前面に出さず、企業の成長に貢献する意欲をアピールしていきましょう。
【ベンチャー企業に転職する志望動機】志望動機の例文
最後に、ベンチャー企業に提出する志望動機の例文を2点紹介します。
1つ目は前職が大手総合商社の営業をしていた方の例文で、もう1つは救急病棟の看護師をしていた方の例文です。
いずれの文章も、ベンチャー企業で働く理由・その企業で働く理由を明確に示すようにしています。
また、文章の後半では転職先企業にぜひ貢献したい・活躍したいという気持ちを強く示すようにしました。
これからベンチャー企業向けの志望動機を考える方は、ぜひ参考にしてください。
例文①
私はよりやりがいの大きな仕事を求めて転職活動をしており、業務内容や理念に共感したことで貴社を志望いたしました。
前職では海外大手総合商社の営業部に勤め、日本の商品の素晴らしさを海外に伝える仕事に従事しています。
仕事内容自体には満足していましたが、日本の本社の指示があるまで動きにくい・本社の認める一部地域のみにしか商品が展開できないことに課題を感じました。
貴社では日本の商品を世界中に広めることを第一の理念にしており、スピーディーな事業展開もモットーにしています。
商品の発信法について社員のユニークなアイデアを積極的に採用してきた点も、貴社に惹かれた理由です。
前職で培った経験と語学力・人脈を活かし、ぜひ貴社の海外展開に貢献したいと思います。
例文②
私は利便性に主眼を置いた医療器具開発という理念に共感し、貴社を志望いたしました。
それは前職で救急病棟勤務の看護師をしていたことが大きな理由です。
救急病棟は1分1秒を争う現場ですが、その中で一部の医療器具が持ちにくいことに不満を覚えました。
スピード・精密さ両方を満たすためには、どうしても持ちやすさなどの利便性が必要だと強く痛感しています。
そこで、貴社がこれまで進めてきた使用しやすい商品を非常に魅力的に感じました。
私も貴社に入社し、より使用しやすい医療器具開発に貢献していきたいです。
自身が医療の最前線で器具を使っていた経験があること・応急処置などの専門的なスキルと知識があることは、きっと貴社で役に立つものと考えております。
おわりに
ベンチャー企業への転職は、多くのビジネスマンにとって重要なキャリアの転換点となるでしょう。
成長途上のベンチャー企業で業績アップに貢献できれば、自身の市場価値も大きく高まることは間違いありません。
一方仕事の範囲は幅広く、やりがいや裁量権が大きい代わりに強い責任を持って業務にあたることが求められます。
転職活動では責任ある仕事に就く覚悟があること・どんな仕事にも積極的に挑めることを示し、採用担当者に良いアピールをしましょう。