はじめに
就職活動において、ライバルよりも先に行動を起こすことは重要です。
その中でも長期インターンシップは、長い期間での就業体験の機会であり、実際の選考にも影響するという話もあります。
しかし、実際に就職選考に長期インターンシップは関係しているのでしょうか。
この記事では、長期インターンとはどのようなものなのか、選考にも関わるものなのか、解説していきます。
現在大学生で、長期インターンに参加するか迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
長期インターンとは
長期インターンは、文字通り1ヶ月以上、長いものだと半年以上の長期間、学生が実務経験を積むために企業で働く制度です。
1日限りや1週間程度の短期のインターンシップと異なり、社員と変わりない仕事を任されることが特徴です。
また、多くの場合有給であり、インセンティブを取り入れている企業もあるため、学生にして正社員以上に稼ぐことも不可能ではありません。
中には期限を設けず働けるものもあり、内容の充実度がほかのインターンと比べても非常に高いことがメリットに挙げられます。
多くはベンチャー企業やスタートアップ企業が開催しているもので、職種はさまざまです。
採用人数や実施企業も少ないため、参加する学生の割合も高いとは言えません。
そのため、都合がつく場合は、ほかの学生に差をつけ、就活を有利に進めるために参加してみても良いでしょう。
長期インターンは就職選考に関わってくる?
では、長期インターンは就職選考に関わってくるのでしょうか。
結論としては、長期インターンと選考は関係している場合があります。
しかし、実施しているすべての企業がそうとは限らないため、注意が必要です。
この項目では、長期インターンの参加者にとって、どのような形で就職選考のメリットがあるのか解説していきます。
自分の興味のある企業が必ず下記のような対応をしているとは限らないため、詳しく知りたい場合は各企業の採用情報を調べましょう。
長期インターンから採用する企業も多い
長期インターンに参加している学生のうち、成果を残している人や評価を得ている人は、そのまま採用してもらえる場合があります。
しかし、これは非常に稀で、突出した成績を出さない限り、あまり多くはありません。
また、採用直結型のインターンは、2025年卒の就活から公認となります。
そのため、今後長期インターン参加者から直接採用するという流れは増加する可能性があります。
採用直結のインターンはベンチャー企業に多く、見どころのある学生をインターン中に採用し、そのまま社内で育成できるというメリットがあります。
もし長期インターンで就職を決めたいのであれば、内定をもらえるレベルの評価を得られるよう、参加中は積極的な行動を心がけねばなりません。
参加する際、内定を取ることに必死すぎると、社員などにその必死さが伝わってしまう可能性があります。
行き過ぎると企業からの印象が下がることもあるので、そうした態度はやめましょう。
長期インターン生に早期選考を案内することもある
こちらは直接内定が出るよりも多いパターンです。
長期インターン生は、就活情報解禁日よりも早い段階で本選考の案内をもらえる可能性が高くなります。
企業側が優秀だと判断した学生に、先に本先行の案内を送ることで、能力のある学生がほかの企業に行くことを防ぐ狙いです。
もちろん学生が別の企業を選ぶと判断した場合、それを止める権利はインターン先の企業にはありません。
しかし、稀にしつこく学生に有利な選考を案内し、囲い込みをしてくる企業もあるので注意しましょう。
また、長期インターンに参加した学生の応募は、すべて通常の学生とは別のフローで対応する場合もあります。
インターンに参加した企業に応募する場合、窓口を間違えないようにしましょう。
長期インターン生は選考フローが短くなることもある
通常の選考では3次面接まであるのに、長期インターン生は、最終面接からスタートというフローになる場合があります。
ほかの志望者に比べてかなり早く内定に近づくことができるのです。
ほかにもESの提出免除など、就活で大変な部分を飛ばして面接を受けられるパターンも存在します。
かなり早いタイミングで就職先が決まる人の多くは、このように長期インターンに参加している人でしょう。
もちろんこのフロー短縮も大抵は、企業側が「一緒に働きたい」と考える学生に与えられる特典です。
ただぼんやりと長期インターンに参加しても、このようなメリットを得られる可能性はありません。
やる気を持って物事に取り組む気概と、成果を出そうという前のめりな姿勢が重要です。
長期インターンと就職選考の関係性とは
ここまでで、長期インターンと就職選考には密接な関係があることがわかりました。
では、なぜ企業は長期インターンの参加者を優遇するのでしょうか。
そこには、ベンチャー企業やスタートアップ企業が抱えるある事情があります。
ここからは、企業がどんなことを考えてインターンを開催しているのか、長期インターン開催の目的について解説します。
企業の採用活動についてより深く知ることで、自分の就活の道筋が見えてくるかもしれません。
インターン参加に迷いがある方も参考にしてみてください。
長期インターン参加者から内定を出す企業
長期インターンを募集している企業で、自社の長期インターン参加者から内定を出したと答えた企業は82%と非常に高い割合です。
先ほどから述べている通り、ベンチャー企業などの採用力が低い企業は、見つけた優秀な人材を確保したいと考えます。
そのため、見込みのある学生に内定を与えるケースが、ほかの企業よりは多くなるでしょう。
また、長期インターンは、長い期間にわたって学生の仕事ぶりを企業が確認できる機会です。
直接採用まではいかなくとも、どういう人間なのか知っている学生のほうが、初めて面接で出会う学生よりも印象は上がるでしょう。
また、実際に学生の仕事を見ていることで、入社後の姿が想像しやすいというメリットもあります。
学生側としても、インターン参加者は企業の内面を把握しているため、求められる強みが想像しやすくなります。
結果的に志望動機や自己PRの質が上がり、内定につながった可能性もあるでしょう。
長期インターンは採用目的
長期インターンを募集している企業は多くありますが、その内4割ほどは採用目的も兼ねていると回答しました。
この数字は、長期インターンを通じて優秀な人材を早期に獲得、育成しようと考えている企業が少なくないという証明です。
企業は長期インターンを受け入れる場合、まだ何のスキルも持たない学生に給料を出し、仕事をさせるというデメリットを負います。
しかし、それでも学生を受け入れるのは、インターンを開催し優秀な人材を確保することが、それだけのリスクに見合うメリットだと考えているからです。
能力の高い学生は、就活生から人気の高い企業に先に獲られてしまいます。
そのため、ほかの企業は貴重な採用の場として、大学1年から参加できるインターンを重視しているのです。
長期インターンに参加すれば内定がもらえるのか?
ここまで、長期インターンと就職の選考についての関係性について説明してきました。
多くの企業が、結果的に長期インターンの参加者を採用していることが、わかっていただけたと思います。
では、とにかくインターンに参加すれば、内定をもらえるのでしょうか。
実際のところ、内定を「必ずもらえる」ということはあり得ません。
その理由と長期インターンを内定獲得につなげるために大切なことについて解説していきます。
「内定につながらないなら意味がない」と考えず、自身の就活のために役立てていただければと思います。
内定がもらえるとは限らない
先ほど言った通り、長期インターンにただ参加したからといって、内定につながるとは限りません。
もちろん、選考フローが短くなる、人事につなげてもらいやすくなるなど、内定につながる確率が上がる可能性はあります。
しかし、目的もなく長期インターンに参加しても、企業から「優秀な人材」と認められることはありません。
企業は、通常の選考と同様に、学生のやる気や自社にどれだけ入りたいのか、という意志の強さを見ています。
そうした企業に対してのアピールもなく、業務への積極性も感じない学生は、採用したいと思いません。
もし長期インターン中に内定を取りたいのであれば、就活が本格化してからの選考と同様の意識で取り組みましょう。
仮に最善を尽くしたのにもかかわらず、インターン中に内定をもらえなくても心配ありません。
実際の選考で、インターンの経験を活かしていけば良いだけです。
長期インターンに参加する場合は、必ず目的意識をはっきり持って臨みましょう。
折角長い期間を使って実際の業務を経験できるのに、大した学びもなく終わってしまったら非常にもったいないことです。
長期インターンに参加してからの行動が大切
内定獲得の確率を上げたいのであれば、長期インターンに参加するだけで満足してはいけません。
参加中、評価を得る、成果をあげるといった目標のために努力することが必要です。
また、参加した後もその経験が自分の成長にどう影響したかを考え続けることで、より経験の質を向上させることができます。
そもそも、採用される力がある学生は、インターンに参加しなくても、自力で内定を獲得できるのです。
明確な志望動機を持ち、面接でアピールできるスキルや強みをきちんと把握していれば、通常の選考でも採用担当の興味を十分惹けるでしょう。
自身の経験をどれだけ深掘りできるか、強みやスキルに変えていけるかが就活において最も重要なポイントです。
長期インターンの内定を獲得するためのものではなく、自分の経験の一つとして捉え、その価値をどれだけ良いものにできるか考えられる人が、多くの企業が求める「課題設定と課題解決が行える人材」なのではないでしょうか。
まとめ
長期インターンと就職の選考がどのような関係にあるのか説明してきました。
参加しなければ内定に影響するというものではないことがわかっていただけたと思います。
とはいえ、長期インターンは、社会人にならなければ得ることができない実務経験を、給料をもらいながら得ることができる貴重な機会です。
就職活動が本格化する前に、気になる企業があれば応募してみるのも良いでしょう。
応募の際は、インターン専用サイトや企業の採用情報ページを確認してください。