はじめに
理想の社風を掲げている企業に就職したいと考えたとき、就活の軸を社風にしようと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ就活の軸を社風にしようと思っても、そもそも社風でいいのか、企業に悪い印象を与えてしまわないかなど不安に感じることも多々あるでしょう。
この記事では、就活の軸を社風にすることのメリットやデメリットなどについて解説しています。
例文もご紹介しますので、就活の軸で悩んでいるという方はぜひ参考にしてください。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸を社風にすることはできる?
人によって考え方が違って当たり前のように、社風も企業によってそれぞれに違いや特徴があり、その企業独自の社風があります。
もし社風が合っていないと、居心地の悪い環境となってしまい、働きにくいという意識から離職してしまう可能性もあるでしょう。
社風は、快適に働くことができるか・力を発揮しやすい環境かなどといった基準になり得るので、就活の軸を社風にすること自体はまったく問題ありません。
ただし、注意点として挙げられるのが社風を知るのは難しいということです。
社風というのは、企業が持っている価値観や社内で感じることができる雰囲気のことを指しているため、しっかりと企業研究を行ったり、説明会などで積極的に自分から質問したりする努力が必要でしょう。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸を社風にするメリット
では、まず社風を就活の軸として選ぶメリットをご紹介します。
ここでは、自分に合う会社に就職しやすくなる点・志望動機に活かすことが可能という点の2つについて解説します。
どんなことでもメリット・デメリットは存在しますが、メリットと言える部分をどのように活かせるのかを考えることでイメージがプラスの方向へと働き、しっかりとした軸を持って就活に臨むことができるはずです。
良い結果を得るためにも、まずはメリットの部分を理解しましょう。
自分に合った社風の会社に就職しやすくなる
1番のメリットは、なんと言っても自分が求める社風の企業に就職しやすくなるという点です。
就職の軸を社風にすることで、理想とする働き方のイメージ像が浮かび、どんな場所でどういう風に働きたいかを明確にすることができます。
自然と企業選びも定まってくるようになるため、自分にとって快適な環境であると思える就職先を見つけることができるでしょう。
また、好む環境だけを考えるのではなく、自分が嫌だと思う環境をはっきりさせておくことも重要です。
どうしても嫌なことや、苦手なことというのは誰しもあります。
はじめは我慢しようと思っていても、少しずつストレスが蓄積されていくと働くことが嫌になってしまうかもしれません。
理想の働き方と共に、譲れない条件もはっきりと決めておくと良いでしょう。
志望動機にも活かすことができる
企業はミスマッチをできるだけなくし、より長く働いてもらいたいという思いから、働くうえで達成したいことや価値観・人柄などさまざまな要素を見て、お互いに求めているものが一致しているかどうかを判断しています。
そのため、軸となる基準をきちんと定め、数多くある企業の中から自分が求めているものと一致している企業を見極めていかなければなりません。
何を基準にするのかという軸をはっきりと決めておくと、なぜその企業や業界に興味を持ったのかという理由が自分の中で明確になります。
就活の軸を社風にしていれば、企業に惹かれた理由や自分の理想とする働き方なども自然と浮き彫りになってくるため、面接やESでの志望動機にも活かすことができるでしょう。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸を社風にするデメリット
次に、デメリットについても解説します。
社風を就活の軸にするのが難しいと感じてしまう可能性があるのは、主に他者との差別化を図ることと社風を知ることの2つです。
しかし、デメリットがあるからと言って、社風を軸にすることが悪いわけではありません。
あらかじめ、どんなことがデメリットになるのかを理解しておくことがまず重要です。
メリットとデメリットの両方をきちんと把握し、悪いイメージにならないように補う意識を持てば、良い方向へと導くことも可能でしょう。
他の学生との差別化が難しい
就活の軸を社風とする学生が非常に多いというのが、まず一つ目のデメリットです。
ありきたりな理由で、ESや面接に臨んでもインパクトを残すのは難しいかもしれません。
自分らしさに欠けたアピールよりも、自分にしかない強みなどを持ってアピールする学生の方が企業には魅力的に見えるでしょう。
就活の軸にするものがほかに見つからなかったからなどといった理由で社風を選んでしまうと、他者との差別化ができない可能性があるので注意してください。
ほかの学生と差をつけるには、具体的かつ明確な理由を述べられるように、アピールの方法をきちんと考えることが求められます。
周囲に埋もれてしまわないように、しっかりと企業研究などを重ねる努力が大切と言えるでしょう。
そもそも社風を知ることが難しい
社風は主観的であるため、理解することがそもそも難しいものです。
中途半端な解釈では、きちんと理解してもらえていないという印象を企業に与えてしまうかもしれません。
それを避けるために、まずはしっかりと企業研究を行うことが重要です。
ホームページなどに社風が記載されていることも多いので、まずは企業が出している情報をしっかりと確認しましょう。
このとき、社長の言葉や企業の歴史などについても調べると、どんな経緯で今の社風になっているのかが分かります。
さらに、インターンやOB訪問などを行うことで、実際に社風を肌で感じることができます。
より理解を深めるためには、企業に直接触れる機会を増やし、実際に働いている人の話を聞くのも良いでしょう。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸を社風にする際のポイント
他者との差別化を図るためにも、なるべく基準や理由は具体的に考えておくことがポイントです。
社風は、企業の数だけ存在します。
具体的な基準が定まっていないと、数多くある企業の中から選びきれず、どうしても迷いや不安が出てきてしまうでしょう。
さまざまな企業・社風がある中から、自分に合うと思った理由を明確にすることで迷いが生じにくくなり、企業選びもスムーズにいきます。
また、就活の軸を社風にした理由を具体的にしておくことで、万が一面接で深掘りされた際にも焦ることがなくなり、説得力のある言葉で答えられるようになります。
社風に惹かれた理由を第三者が聞いても分かりやすく伝えられるように、できることはあらかじめ備えておくようにしましょう。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸の答え方
就活の軸について聞かれた際、どのように答えれば良いのか分からないという不安もあるでしょう。
ここからは、答え方についての解説をしていきます。
まずは、結論を述べることで話の内容を伝え、そして次にエピソードを盛り込み説得力を持たせます。
さらに、企業との共通点を述べることで、企業への熱意を伝えることができるでしょう。
以下で詳しく解説しますので、これらを意識し、ぜひ答え方についてのポイントとして頭に入れておいてください。
結論を述べる
回答の際には、まず結論を述べることが大切です。
なぜ就活の軸を社風にしたのかという大事な理由が冒頭で明確になるので、聞いている側は話の全体像や何を伝えたいのかを理解しやすくなります。
その際、結論が長くなってしまっては意味がありません。
結局何が言いたいのか分からなくなってしまうからです。
なるべく結論は短く伝えるようにすると、聞いている側の印象に残りやすくなるので、伝える際は簡潔な言葉になるように意識してください。
また結論から述べるというのは、就活の軸を語るときだけに限らず、志望動機などを伝える際のポイントでもあります。
今後さまざまな場面で活用できるので、理由を聞かれた際にはまず結論を述べることを覚えておくと良いでしょう。
エピソードを述べる
結論を述べたら、次に就活の軸を社風にした理由や、なぜその社風を求めるようになったのかというエピソードを添えてください。
言葉に説得力を持たせるには、具体的なエピソードが必要です。
例えば、風通しの良い環境がいいと思ったということだけを伝えても、なぜその環境がいいと思ったのかは相手には伝わりません。
学年や年齢に関係なく、自由に発言できる環境が心地よいと感じていたからなど「なぜ」の部分を明確な言葉で説明すると、しっかりと自分の価値観や思考なども伝えることができ、評価も高いものになるでしょう。
このとき、専門的な知識を要する言葉を使ったり、自分にしか分からないような言葉で話したりするのはNGです。
第三者が聞いても分かりやすい言葉を用いるようにしましょう。
企業との共通点を述べる
企業は、志望している態度が受け身に感じてしまう人よりも、社風にマッチしていることをしっかりとアピールする人を採用したいという気持ちがあります。
企業の社風と就活の軸に関する共通点がまったく感じられないようなことを説明してしまうと、自社には合わないかもしれないという印象を与えてしまうかもしれません。
そういったミスマッチを防ぐためにも、共通点や関連性を意識した説明を述べるようにしましょう。
きちんとした説明ができると、しっかりと企業の特徴や社風を理解しているというアピールにもなるうえ、その企業を志望する意欲も伝えることができます。
志望する企業だからこそ感じた魅力やマッチ度が高いと思った部分を分析し、共通点を見つけ出してください。
【就活の軸を社風にするのはあり?】就活の軸を社風にする際の例文
ここまでさまざまなことを解説してきましたが、頭では分かっていても慣れていないと、実際に面接などで就活の軸について聞かれた際には答えに戸惑ってしまうこともあることでしょう。
今回は、風通しの良い社風と、成長意欲が高い社風を例に答え方をご紹介します。
まずは答え方のポイントを意識し、例文を踏まえながら練習などを繰り返してコツを掴むようにしてください。
話すことに慣れてくると、自然と自分らしさを交えたアピールをすることができるようになっていくでしょう。
風通しの良い社風
大学時代は、さまざまなことを経験しながら業界のことを知りたいという思いのもと、長期インターンシップに参加していました。
目標達成のためにチームを組み、全員で意見を出し合いながら試行錯誤を繰り返した結果、効率が上がり予定よりも早く目標を達成することができました。
その際に気づいたことは、自分の意見をはっきりと言いながら仕事を進めることができる環境にやりがいを感じたということです。
私は、さまざまな角度から意見を取り入れながら、案を出し合っていくことが仕事をするうえで重要だと考えています。
年齢や立場に関わらず、いいと思った意見を積極的に取り入れていく御社の社風が自分の就活の軸と共通していると感じたため、志望しました。
成長意欲が高い社風
大学時代は○○部に所属しており、部活動では常に成長していこうと努力をしてきました。
自分の現状に満足せず、次はどこを変えればさらに良い結果を残すことができるのかを考え、自ら練習メニューを提案したこともあります。
御社は、メインとなる事業以外の異なる分野にも積極的に展開を進めており、会社説明会では非常に成長意欲の高い社員の方が多いという話も伺いました。
新しいことに次々とチャレンジし続ける御社の社風は、挑戦を求めて成長していきたいという自分の思いと重なっていると感じています。
周囲からの刺激を受けながら新しいことに挑戦していける環境で、私自身も成長を続ていきたいと強く思っています。
【就活の軸を社風にするのはあり?】ベンチャー企業の社風は?
ベンチャー企業は、大手の企業とは雰囲気が異なります。
常に新しいアイデアや価値を生み出すことをスピーディーに求められるため、実力主義である点や早い決断を求められる点がベンチャー企業の特徴と言えるでしょう。
そのため、大手にはないような独自の社風を持っている企業も多くあります。
ベンチャー企業の社風は、主に個人の能力や実力を重視するようなもの、成長することや挑戦することへの意欲が高いというような社風が挙げられます。
事業拡大のチャンスを常に考えている企業が多いため、チャレンジ精神が旺盛だったり主体性を持って働いたりすることを求めている人は、ベンチャー企業の社風に合っていると感じる可能性が高いかもしれません。
まとめ
ここまで、就活の軸を社風にすることについて解説してきました。
メリットやデメリットをしっかりと把握したうえできちんとした答え方や考え方のコツを知れば、数多くの学生の中に埋もれてしまうこともなく、自分らしさを出していくことができるようになるでしょう。
自分の考えが抽象的になってしまわないように、伝え方についてもぜひ検討を重ねていくようにしてください。
自分の力を最大限に発揮できるような企業に出会うためにも、ぶれない就活の軸を決めることがまず大切です。