はじめに
就活する上で必ず考えなければならないのが「就活の軸」です。
就活の軸とは、自分が企業を選ぶうえで、どのような基準を考えているかというものです。
「やりがい」や「経験」など、就活生によって軸とするものはさまざまですが、中には「人」を就活の軸にしたいと考えている方もいるかもしれません。
ここでは、人を就活の軸にすることについて、その注意点や面接での答え方を細かく解説していきます。
就活の軸を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
【人で就活の軸】就活の軸を人にするのはあり
そもそも、就活の軸を人にするのはありなのでしょうか。
悩む方も多いかもしれませんが、これについては「あり」という結論になります。
良い人の集まる職場で働きたいと思うのは誰でも自然なことですし、仕事がはかどるという方も多いのではないでしょうか。
また、人との出会いをきっかけに、人間的に成長するという経験もあるはずです。
大学時代にサークル活動やボランティアなどに打ち込んだ方は、その実感があるのではないでしょうか。
それに、働く上でも日常生活を送る上でも、人とのかかわりは欠かせません。
そのことを踏まえれば、就活の軸を人にしても、何もおかしなことはないでしょう。
就活の軸を人にしたいと思っている方は、自信を持ってそのように答えてください。
【人で就活の軸】人で企業を選ぶ際の注意点
先ほど、就活の軸を人にするのは自然なことだと述べました。
実際そのように考えている就活生も多いでしょう。
しかし、人間関係とは固定されたものではなく、多くの場合とても流動的です。
そのため、就活の軸が人であるからこそ、企業を選ぶ際に注意しなければならないポイントが存在します。
それは、深い人間関係を知れないことと、転勤・転職で人は変化するということです。
これらのポイントについて、一つずつ詳しく解説していきます。
深い人間関係を知れない
まず1つ目、深い人間関係を知れないことです。
就活の際、OB訪問や説明会で社員とかかわり、その企業を魅力的に思うケースもあるでしょう。
しかし、それはあくまでも接待モードであるということに注意しなければなりません。
これは、就活の際に、私たちが企業に良い面を見せるよう努力するのと同じことです。
企業側も、就活生に興味を持ってもらうため、良い面を表に出すことが多いでしょう。
そのため、深い人間関係や、マイナスな部分は確認することができません。
社員とかかわったときの印象ももちろん大事ですが、表面上だけで企業を判断しないよう注意する必要があります。
良いと思った企業なのに、入社してみたらそうでもなかったというケースや、その逆パターンもあるということを理解しておきましょう。
転勤・転職で人は変化する
2つ目は、転勤・転職で人は変化するということです。
話をした社員が素敵な人で、もしかしたら「この人と働きたい」と思ったことが決め手になる方もいるかもしれません。
しかし、転勤や転職があれば、当然のことながらその人がいなくなってしまう可能性もあります。
また、異動で上司が入れ替わるというケースもあるでしょう。
このように、毎回理想の人と一緒に働けるとは限らないということに、気をつけておく必要があります。
そのため、第一志望の企業を決める上で、特定の社員への憧れだけを理由にするのはおすすめできません。
仮にその人がいなかったとしても、自分がその企業でやりがいを持って働けるかということを基準にすると、後悔のリスクも少ないでしょう。
【人で就活の軸】実際に「人」を知るには?
就活の軸を人にすることは十分に選択肢として悪いものではないということは分かりました。
しかし実際に企業で働く人の人柄を知らずに述べてしまうと根拠がない話になってしまいます。
そこで実際に企業における人について知るにはどのような対策をすれば良いのか一緒に考えていきましょう。
インターンシップに参加する
最も手っ取り早い対策はインターンシップに参加することです。
インターンシップに参加すればその企業で働く人がどのように働いているのかや、どのような気持ちを持って業務に取り組んでいるのかを詳しく理解できます。
また、インターンシップに参加することで、実際にどのような業務を行うのか、自分にその仕事が向いているのか、または向いていないのかなどについても確認できます。
いずれのメリットを考えても、インターンシップに参加することで得られる経験は就活において非常に重要なものであるため、自分が入りたいと思っている企業があるならば、積極的に参加しましょう。
OB・OG訪問を活用する
インターンに参加する余裕がない、または他の企業のインターンに参加したい場合はOB・OG訪問を利用するのも選択肢の1つです。
OB・OG訪問はその企業で実際に働く大学などの先輩方に話を直接聞けます。
その人が就活においてどのような対策をしたのかについてはもちろんのこと、企業の特徴や風土などについても確認できる可能性が高いです。
企業説明会などで知ることができなかった情報についても教えてくれることがあるため、積極的に実施したい対策の1つといえます。
【人で就活の軸】面接で答える際のポイント
面接の際に、就活の軸を尋ねられることも少なくありません。
その場合、基本的には、あなたが「人を大事に考えている」ということを素直に答えれば大丈夫です。
しかし、答える際に踏まえておくべきポイントもいくつか存在します。
それは「仕事内容に触れる」「情報源をしっかりする」「より具体的にする」「人にこだわる理由を明確にする」という4つです。
これらがないと、あなたの考えが人事にうまく伝わらない可能性があります。
順に解説していくので、面接の対策をするときは、ぜひ参考にしてください。
仕事内容に触れる
まず重要なのが、仕事内容に触れて話をすることです。
面接で「就活の軸は何ですか」と聞かれたときに、人だけを前面に押し出してしまうと、「この就活生は仕事に興味がないのだろう」と思われてしまうかもしれません。
そのようなことがないように、仕事内容にもしっかり言及するよう意識することが大切です。
また、理想の答え方は「魅力的な人が働いていることから、貴社に興味を持ち、仕事内容の面でも共感しました」というように、人と仕事内容とをつなげることです。
すると、仕事内容についてのあなたの考えにも、自然と説得力が表れるでしょう。
いずれにせよ、人がすべてだと思われかねない答え方にはならないよう、注意する必要があります。
情報源をしっかりする
次に、情報源をしっかりすることがポイントです。
なぜなら、人についての印象は人それぞれ違いがあるからです。
面接で就活の軸を尋ねられたとき、人について話した場合、もしかしたら人事の持っている印象とは違うかもしれません。
すると「誰からそのことを聞いたのか」というように、情報源がどこなのか気になってしまいます。
そのことについて尋ねられても大丈夫なように、自分の中で情報源をしっかり持っておきましょう。
うまく答えられない場合、その場しのぎで出した答えのように思われてしまう可能性があります。
しかし、せっかく考えた就活の軸なのに、悪い印象になってしまうと残念です。
自分の話には根拠を持たせるよう心がけましょう。
より具体的にする
そして、より具体的にすることも大切です。
人について語る際、単に「いい人」というように表現するだけでは、説得力に欠けてしまいます。
その人のどこに惹かれたのか、自分が惹かれる人にはどのような点が共通しているのかなどを、必ず答えるようにしましょう。
また、そのことがどう仕事に活かせるかということを答えるのもおすすめです。
就活の軸が人であるなら、素敵な人に囲まれることで、自分はどのように仕事ができるようになるかを考えてみましょう。
仕事と関連した答え方ができると、将来についてしっかり考えているという印象を持ってもらうことができます。
就活の軸に関する質問に限らず、面接の際の答えには具体性が大切だということを覚えておいてください。
人にこだわる理由を明確にする
最後に、人にこだわる理由を明確にすることを意識しましょう。
就活の軸は、人以外にも仕事内容など、多くの考え方があります。
その中であえて人を選んだからには、相応の理由が必要となります。
そのため、自分がなぜ人にこだわるのか、その理由を説明できるようにしておくことが大切です。
なお、理由について迷う場合は、過去の経験を踏まえると良いでしょう。
何事においても、自分がそのように考える理由として、過去の経験を挙げると説得力を持たせることができます。
それ以外の理由を挙げる場合であっても、人事に「なるほど」と納得してもらうことのできる説明をすることが、就活の上では重要です。
自分の中で、明確な理由をしっかり準備しておきましょう。
【人で就活の軸】面接で答える際の注意点
就活の軸を人にする場合、意識すべきポイントのほかに、注意点も2つあります。
それは「抽象的になる」「主体性を表す」ということです。
これらの点に気をつけないと、人事に頼りない印象を与えてしまう可能性があります。
しかし、本当の自分を見てもらう必要があるからこそ、そこで終わりになってしまわないよう、前向きではっきりした答えを心がけましょう。
これら2つの注意点について、順に解説していきますので、面接で失敗しないよう意識してください。
抽象的になる
人について話す場合、どうしても抽象的になってしまいがちです。
それは日常会話では問題ありませんが、就活という場面では、抽象的な表現は避けることが大切です。
抽象的な表現とは、例えば「良い人」「優しい人」「楽しい人」というような答えを指します。
これは面接官に具体的なイメージを持ってもらえないばかりか、あなた自身が幼稚な人であるかのように思わせてしまいます。
しかし、「笑顔が素敵で、一緒にいて楽しい気分になる人」というような答え方に変えるだけでも、印象は大きく変わるでしょう。
あなたが魅力的だと思う人はどのような特徴を持っている人なのか、具体的な答え方ができるように、あらためて考え直してみることが大切です。
主体性を表す
就活で人について語る場合は、主体性を表すことも大事です。
「このような人がいると頑張れると思いました」という文章について考えてみましょう。
頑張るのはあなた自身の力でもあるはずなのに、主体性がなく、外的要因だけで努力をするかのように感じられます。
しかし、人は本来、お互いにかかわることで高め合っていける存在です。
この場合は、答え方を「このような人と切磋琢磨したい」というような形に変えるだけで、あなた自身の意志がはっきり感じられるようになります。
些細なことのように思うかもしれませんが、これは就活の際には大きな差となるポイントです。
必ず、あなたの主体性が感じられる文章で、企業にアピールをするようにしましょう。
【人で就活の軸】例文
最後に、人に関する就活の軸の例文を3つご紹介します。
対象となる分類ごとに紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
人間関係が良い職場で働きたい
企業説明会において社員の方々の団結力の強さを感じたため、貴社を志望しています。
私は部活動でバスケットボールに取り組んでおり、チームワークを非常に大切にしてきました。
私たちの部はそれぞれが卓越した能力があるわけではありませんでしたが、緻密に連携を取り、相手に応じて戦術を変えることで全国大会に出場できました。
企業においてもこの団結力は非常に重要であると考えており、切磋琢磨することで成長を続けていきたいと考えています。
そのため、貴社のような人間関係が良い職場で働くことを目標にしています。
企業説明会において社員の方々がそれぞれ尊重し、モチベーション高く業務に取り組めていることについての説明に強く感銘を受けました。
貴社のような環境で働くことは自身の成長につながるだけでなく、最高のパフォーマンスを発揮し、貢献できることにもつながると考えています。
尊敬できる上司の下で働きたい
企業説明会そしてインターンシップの双方で担当してくださった〇〇さんのもとで働くために貴社を志望しています。
〇〇さんは新卒2年目であり、私と3歳しか年齢は離れていませんが、社会人として常に意識高く取り組んでいらっしゃる姿を見て、私もこのような人物を目指したいと考えました。
インターンシップの際には、私が右も左も分からない状態であることを察し、常に質問をしやすいよう、私と近い席で業務を行うよう心がけてくださいました。
また、休憩時間にこの業界で働くにあたっての心構えについて熱心に説明してくださったことは、私にとって忘れられない経験です。
〇〇さんのような方がいらっしゃる貴社には、他にも尊敬できる、そして私の成長を促してくれる方々が在籍していると考えています。
このような尊敬できる方々から学び、最終的には私もインターン生や新入社員の方々をサポートできる人物を目指したいと考えています。
多くの人とかかわる仕事をしたい
私の強みは高いコミュニケーション能力です。
学生時代、アルバイトでテレフォンアポイントメントの営業を行っていました。
電話という限られた情報しか伝えられない媒体において、相手から信頼を獲得することを常に心がけた結果、最終的に社員の方も含めて業績トップを獲得することができました。
しかし、私は仕事であるという自覚を持ちながらも、業務に楽しんで取り組めていることに気づき、まさしく人と関わる仕事が天職であると気づきました。
よって、貴社のような複数のクライアントと良好な関係を築いている企業で働くことで自分の能力を最大限に発揮できると考えました。
既存のクライアントの方々との関係をさらに強固にするだけでなく、新しい顧客の方々にも積極的に関わり、貴社の業界内での立ち位置をさらに力強いものにする貢献をしたいと考えています。
【人で就活の軸】人が良いベンチャーをジョブコミットで探そう
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まとめ
何を軸として就活を進めるかは、就活生一人ひとりの考え方によって異なります。
しかし、そんな中で「人」を就活の軸にするのであれば、それに対して相応の説得力を持たせることができるよう、しっかり理由づけを考えておきましょう。
また、話の内容が抽象的であったり、主体性がないと思われてしまったりすると、せっかくのあなたのこだわりが悪印象になってしまいます。
そのようなことが起きないよう、面接前には入念な準備が大切です。