建築関係の仕事35選!向いてる人・必要資格・将来性まで徹底解説!

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

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建築関係の仕事とは?

建築関係の仕事とは、住宅やビル、学校、病院、商業施設、公共インフラなど、人々の生活と経済活動の基盤となる建物を「計画し、形にし、維持し続ける」ための多様な専門職が集まる領域を指します。

建物は完成して終わりではなく、企画段階から設計、施工、検査、引き渡し、アフターメンテナンス、さらには大規模修繕やリノベーションまで長いライフサイクルを持つため、それぞれの段階で高度な専門知識を持つ人材が関わり続けます。

近年は環境負荷の低い建築や省エネ設備、スマートシティ、BIM・3D化、AIを使った設計支援など新しい技術革新が進んでおり、従来の「ものづくり」の枠を超えた付加価値が求められるようになりました。

そのため理系に限らず、文系やIT人材も活躍できる業界として注目されており、建築業界全体が変革期に入っていることが大きな特徴です。

建築業界の定義

建築業界は、建物をつくるための「設計」「施工」「資材」「設備」「管理」「不動産」「行政」「研究」など複数の領域が組み合わさって成立しています。

1つの建物を完成させるには、多い場合で数十社の企業と数百人規模の専門家が関わり、建築士や施工管理技士、構造エンジニア、設備技術者、建材メーカー、都市計画担当、行政の技術職など、多様な専門性が連携して仕事を進めていきます。

また、建物は社会インフラであるため、防災・耐震・省エネといった高い安全性や機能性が求められます。

これらを実現するには法律(建築基準法、都市計画法、消防法など)の理解が不可欠であり、技術と法規、デザインと機能性を総合的に扱う力が必要な産業といえます。

建物を「つくる側」「設計する側」「守る側」「管理する側」

建築関係の仕事は、建物が社会に提供されてから老朽化するまでの長い時間を通じて役割を担うため、「つくる側」「設計する側」「守る側」「管理する側」の4つに大きく分類できます。

この4分類を理解すると、建築業界全体の流れや、どの職種がどの段階で関わるのかを把握でき、自分がどの分野に向いているのかも見えやすくなります。

つくる側

つくる側とは、図面や計画をもとに実際の建物を現場で形にしていく専門職のことで、施工管理、現場監督、大工や左官といった職人、設備工、測量士などが含まれます。

この領域では、建材の搬入、工程管理、安全管理、職人との連携、天候への対応など、現場でしか得られない判断力が求められます。

特に施工管理職は、建築現場の「司令塔」として工程・品質・安全・予算をコントロールする非常に重要な職種であり、多くの工事関係者とコミュニケーションを取りながら、限られた期間で高品質の建物を完成させる責任を負います。

現場でのリーダーシップや調整力が求められるため、ものづくりに関わりながら人やプロジェクトを動かしたい人に向いています。

設計する側

設計する側は、建物の見た目、間取り、構造、安全性、設備機能、採光・通風性能などを総合的に計画する専門領域で、建築士、構造設計士、設備設計士、インテリアデザイナー、都市計画担当などが含まれます。

この職種は施主のニーズや法規制、予算、周辺環境など多くの条件を踏まえながら、デザイン性と機能性を両立させた建物を作り上げる役割を担います。

近年はBIMを活用した3D設計が一般化してきており、デジタル技術を駆使しながら精度の高い設計やシミュレーションが可能になりました。

そのため、従来の図面作成だけでなく、テクノロジーを使って建物を“可視化”するスキルが求められ、ITやデジタルに強い学生にもチャンスの広い領域となっています。

守る側

守る側とは、建物が完成した後に長く安全に使い続けられるよう、劣化の点検や修繕、耐震補強、省エネ化、設備の入れ替えなどを行う専門職で、設備保全、建築診断、ビル設備管理、防災・耐震技術者などが該当します。

建物は年数と共に必ず劣化するため、守る側の仕事は建築の「健康」を維持する役割を担い、生活の安全性に直結する非常に重要な領域です。

特に大規模修繕やリニューアル工事では、既存建物の構造を理解しながら最適な補修方法を提案する高度な知識が求められるため、設計や施工の知識を活かしてキャリアの幅を広げたい人にも適した分野です。

建物の寿命を延ばし、資産価値を高める専門職として需要が高く、将来性のある領域でもあります。

管理する側

管理する側は、完成した建物を継続的に利用者が快適に使えるよう運営や改善を行う職種で、ビルマネジメント(BM)、プロパティマネジメント(PM)、施設管理、マンション管理、建物の資産運用担当などが該当します。

建物は「建てたら終わり」ではなく、利用者対応、設備点検の手配、修繕計画の立案、コスト管理、資産価値の維持など日常的な運用が必要です。

特にオフィスビルや商業施設では、テナントの入れ替えや空室対策、リニューアルの企画など経営視点が求められるため、建築の知識に加えてマネジメント力や企画力も生かせる領域です。

建物の価値を最大化していくポジションであり、文系学生にも広く門が開かれている分野となっています。

建築関係の仕事の種類

建築関係の仕事は、大きく「設計・デザイン」「施工・現場」「エンジニアリング」「不動産・管理」「公共・インフラ」「営業・ビジネス」「新領域」の複数分野に分かれており、それぞれが建物のライフサイクルの異なる段階で専門的な役割を果たします。

ここではまず、建築の基盤となる「設計・デザイン」「施工・現場」の領域に属する代表的な職種を紹介します。

設計・デザインに関わる仕事

設計・デザインの領域は、建物の外観や内部空間だけでなく、構造、安全性、設備計画、環境性能などを総合的に考えながら“建物の設計図をつくる”専門職が集まる分野です。

機能性・美しさ・安全性・法規制・コストのすべてをバランスよく満たす必要があり、建築の頭脳ともいえる重要な領域です。

設計・デザインに関わる仕事
  • 建築士(意匠設計・構造設計・設備設計)
  • インテリアデザイナー
  • 都市計画プランナー
  • 景観デザイナー
  • CADオペレーター

建築士(意匠設計・構造設計・設備設計)

建築士は、建物の基本的な形や間取り、デザインを考える「意匠設計」、地震や強風などに耐えられる安全な構造を計算する「構造設計」、空調・電気・給排水など生活に欠かせない設備を計画する「設備設計」の3つに分類されます。

施主の要望、法律、予算、環境条件など多くの制約を踏まえながら最適な建築計画を立てる役割を担い、建築全体の方向性を決める中心的な存在です。

近年はBIMや環境配慮技術の導入も進み、設計者にはデジタルスキルやサステナブルな視点も求められています。

インテリアデザイナー

インテリアデザイナーは、建物内部の空間デザインを専門とする職種で、家具、照明、素材、色彩、導線、空調などを総合的にプランニングする仕事です。

ホテルやオフィス、住宅、店舗など用途に応じて求められる空間のあり方は大きく異なり、利用者の行動心理や快適性、ブランドイメージなどを踏まえて設計します。

空間の居心地を左右する重要なポジションであり、建築設計と連携しながらプロジェクトを進めていきます。

都市計画プランナー

都市計画プランナーは、建築を“建物単体”ではなく、“まち全体の構造”として捉え、住宅地の zoning(用途地域)、交通動線、公園整備、防災計画、商業集積などを計画する仕事です。

行政と民間の両方が関わり、景観や人口動態、交通量など多くのデータを読み解きながら、持続可能な都市づくりを行います。

建物が建つ背景そのものをつくる職種であり、社会の仕組みづくりに興味のある人に向いています。

景観デザイナー

景観デザイナーは、建築物が街並みの中でどのように見えるか、周辺環境とどのように調和するかをデザインする専門職です。

色彩や高さ、照明、ランドスケープ(植栽・外構)など幅広い要素を扱い、街全体の一体感や美しさを高めることを目的としています。

景観計画は都市の魅力を左右するため、公共施設や大規模開発で特に重要視される領域です。

CADオペレーター

CADオペレーターは、建築士や設計者がつくった設計案をもとにCADソフト(AutoCAD、Archicad、Revitなど)で図面を作成する専門職です。

正確な図面は施工の品質を左右するため、細部まで丁寧に作成する技術が求められます。

設計者と密に連携しながら進める仕事であり、建築設計の基礎スキルを身につけたい人や、将来的に設計者を目指す人にとって重要な登竜門となる職種です。

施工・現場に関わる仕事

施工・現場の領域は、設計図をもとに実際の建物を現場でつくり上げるプロフェッショナルが集まる分野です。

建築現場は多くの企業・職人・専門業者が同時に関わるため、調整力や現場管理能力が非常に重要になります。

高品質で安全な建物を工程どおりに完成させるための“現場の司令塔”としての役割を担います。

施工・現場に関わる仕事
  • 施工管理(建築・設備・電気)
  • 現場監督
  • 建築職人(大工・左官・内装・設備工など)
  • 測量士
  • 安全管理担当者

施工管理(建築・設備・電気)

施工管理は、建築現場における「工程」「品質」「安全」「予算」の4つを管理しながら、計画どおりに建物を完成させる役割を担う仕事です。

建築工事だけでなく、空調・電気・給排水などの設備工事を含め現場全体をコントロールする力が必要で、多くの専門業者や職人と調整しながらプロジェクトを推進します。

現場での判断力やコミュニケーション力が求められるため、チームで何かをつくり上げたい人に向いています。

現場監督

現場監督は、施工管理と近い役割を持ちながら、より現場の作業工程や安全確認に密接に関わるポジションです。

現場で作業する職人たちの動きを把握し、作業手順の指示、危険箇所の確認、資材の発注や搬入の調整など、現場の“実行部隊”として細かな対応を行います。

現場の状況は日々変わるため、柔軟な対応力が必要となります。

建築職人(大工・左官・内装・設備工など)

建築職人は、建物を実際に形にする技術者で、大工、左官、内装仕上げ、配管工、電気工、塗装工など多様な専門技術を持つ人々が含まれます。

現場の品質は職人の技量に大きく左右されるため、熟練した技術が求められる重要なポジションです。

手を動かしてものづくりをしたい人に向いており、技術を磨くことで独立や高収入も目指せます。

測量士

測量士は、建築工事の前段階で土地の形状、高低差、境界線、地盤の状態などを正確に測定し、建物を設計・施工するための基礎データを提供する専門職です。

測量データは建物の正確な配置や高さを決めるため、誤差が許されない非常に重要な工程です。

ドローン測量や3Dスキャナーなど最新技術も取り入れられており、テクノロジーと現場業務の両方に興味がある人に適しています。

安全管理担当者

安全管理担当者は、建築現場で事故やトラブルを防ぐために、安全教育の実施、危険箇所の点検、作業手順の確認、保護具の着用チェックなどを行う専門職です。

建設業は危険が伴う作業が多いため、安全管理の徹底は現場全体の生命線ともいえます。

現場のリスクを察知し、事故を未然に防ぐための仕組みづくりを行うため、責任感の強い人に向いています。

エンジニアリング・技術に関わる仕事

エンジニアリング分野は、建物の「安全性」「機能性」「快適性」を技術的に支える職種が集まる領域であり、設計図の裏側にある専門的な数値・計算・システムを扱います。

構造、設備、施工技術、デジタル技術など、理系出身者を中心に高い専門性が求められる一方で、近年はテクノロジーの進化によって新しいキャリアの選択肢も増えています。

エンジニアリング・技術に関わる仕事
  • 構造エンジニア
  • 設備エンジニア(電気・空調・給排水など)
  • 建築施工エンジニア
  • BIM/CIMエンジニア
  • 建材・建築資材の研究開発(R&D)

構造エンジニア

構造エンジニア(構造設計者)は、建物が地震・風・積雪などの外力に耐えられるよう、柱や梁、床、基礎の大きさや配置を計算する専門職です。

建物の安全性を左右する非常に重要な役割であり、建築基準法、荷重計算、材料力学など高度な技術知識が必要になります。

設計者からデザイン案を受け取り、構造の観点から実現可能な形に調整するため、「デザイン×安全」のバランス感覚が求められます。

大規模建築物や高層建築では特に重要で、社会的責任の大きい職種です。

設備エンジニア(電気・空調・給排水など)

設備エンジニアは、建物の電気、空調、換気、給排水、ガス、防災設備など、人が快適に生活するために必要な“建物の生命線”を設計・管理する職種です。

設備の設計を誤ると、暑さ・寒さ・湿気・停電・水漏れなど利用者の生活に直接影響が出るため、機能性と安全性を両立した設計が求められます。

近年は省エネ性能や環境配慮が重視され、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)やスマート設備の需要が高まっていることから、エンジニアとしての成長機会が広い領域です。

建築施工エンジニア

建築施工エンジニアは、施工管理と連携しながら工事の効率化や品質向上を目的とした技術を導入し、現場の作業プロセスを改善する専門職です。

工法の選定、材料の調達、施工方法の最適化、現場の課題分析など、建物が計画どおりに施工できるよう技術面からプロジェクトを支えます。

近年はロボット施工や自動化技術、ドローン点検なども普及しており、テクノロジーに強い人に向いている領域です。

BIM/CIMエンジニア

BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)エンジニアは、建物を3Dモデルとしてデータ管理するデジタル技術者で、設計から施工、維持管理までを一元的に可視化する役割を担います。

従来の2D図面では見えなかった干渉や工程の問題を事前に把握できるため、大幅な効率化やコスト削減につながる新しい専門職です。

設計者・施工管理・設備エンジニアと連携しながら、建築のデジタル化を推進するポジションであり、今後需要が急増することが確実視されています。

建材・建築資材の研究開発(R&D)

建材・建築資材の研究開発(R&D)は、コンクリート、断熱材、ガラス、木材、金属、外装材など、建物を構成する素材の新規開発や性能改善を行う職種です。

強度、耐火性、軽量化、省エネ性能、環境配慮など多くの要素を組み合わせながら、より安全で持続可能な建築を実現するための材料を研究します。

ゼネコン、建材メーカー、研究機関など多様な職場があり、理系の分析力や実験力を活かせる高度な専門領域です。

不動産・管理に関わる仕事

不動産・管理の領域は、建物の完成後の運用や価値向上に関わる職種が多く、建築の知識に加えてビジネススキルや経営視点が求められる分野です。

ディベロッパーによる大型開発から商業施設の運営、資産管理まで、建築を「つくって終わり」ではなく、社会でどのように活用していくかを企画・管理する役割を担います。

文系出身者が多く活躍していることも特徴です。

不動産・管理に関わる仕事
  • 不動産開発(ディベロッパー)
  • テナント管理・ビルマネジメント
  • 施設管理(FM)
  • 資産運用・プロパティマネジメント
  • リフォーム・リノベーションプランナー

不動産開発(ディベロッパー)

不動産開発(ディベロッパー)は、商業施設、オフィスビル、マンション、複合開発などの大型プロジェクトを企画し、土地の仕入れ、事業計画、収支管理、テナント戦略などを総合的に進める仕事です。

建築の知識だけでなく、マーケティング、金融、法務、まちづくりへの理解が必要となり、巨大なプロジェクトを牽引する醍醐味があります。

街の景色を変える仕事でもあるため、社会に大きな影響を与えるポジションです。

テナント管理・ビルマネジメント

テナント管理・ビルマネジメントは、オフィスビルや商業施設でテナントの入退去管理、設備点検、修繕計画、施設の運営方針の策定などを行う仕事です。

利用者の満足度向上は建物の収益に直結するため、運営の質を高めるための仕組みづくりが重要です。

建物の使われ方を理解しながら快適性・安全性・収益性を向上させる役割を担います。

施設管理(FM)

施設管理(FM:ファシリティマネジメント)は、建物全体を長期的に運用し、設備の点検、修理手配、修繕計画、新しい設備の導入などを戦略的に管理する仕事です。

ビル全体の“健康状態”を管理する立場であり、建物を長く安全に使うために欠かせないポジションです。

省エネ対応や老朽化対策の需要が高まっているため、安定したニーズのある職種でもあります。

資産運用・プロパティマネジメント

プロパティマネジメント(PM)は、オフィスビル、商業施設、マンションなどの不動産価値を最大化するため、収益管理、テナント誘致、空室対策、コスト管理などを行う仕事です。

不動産投資の増加に伴い、建築の知識とビジネスの視点を両方持つ人材が求められており、金融やマーケティングに強い人にも適したキャリアです。

リフォーム・リノベーションプランナー

リフォーム・リノベーションプランナーは、既存の建物を新しい価値に生まれ変わらせる仕事で、デザイン提案、現地調査、工事計画、費用見積もりなどを行います。

中古物件の価値向上が重視される近年、リノベーション市場が急成長しており、住宅業界を中心にニーズが高い領域です。

デザインと施工の両面を理解しながら、利用者の理想の住まい方を実現する役割を担います。

公共・インフラに関わる仕事

公共・インフラ分野は、国家や自治体、社会基盤を担う大手インフラ企業などが中心となり、都市や地域の生活環境を整えるための建築・土木プロジェクトに携わる領域です。

民間とは異なり、利益よりも「公共性」「安全性」「長期的な価値」を重視する点が特徴で、社会貢献性の高い仕事を志望する学生から人気があります。

街づくり、防災、老朽化対策、インフラ更新など、時代の変化に応じて需要が伸び続ける安定性の高い分野です。

公共・インフラに関わる仕事
  • 官公庁の建築・土木技術職(国家・地方公務員)
  • 公共施設の整備・都市開発プロジェクト担当
  • インフラ企業の技術職(電力・ガス・鉄道など)
  • 防災・耐震に関わる専門職
  • 研究機関の建築研究員

官公庁の建築・土木技術職(国家・地方公務員)

官公庁の建築・土木技術職は、建築基準法の審査、公共施設の計画や整備、災害復旧、都市計画の立案などを行う国家公務員・地方公務員の専門職です。

法規の運用や調査分析、民間から提出された図面の審査など、公共の安全とまちづくりに関わる幅広い業務を担当します。

利益を追求するのではなく、地域住民の生活を守るための施策を実行する役割であり、安定した職場環境や社会貢献度の高さが魅力です。

公共施設の整備・都市開発プロジェクト担当

公共施設の整備・都市開発の担当者は、学校、図書館、病院、庁舎、公園などの計画や建設、改修を行い、地域の暮らしを支えるインフラを整える役割を担います。

行政と連携しながら、利用者数、地域の課題、将来の人口動態を踏まえて施設の配置や新設計画を立て、施工会社との調整や予算管理も行います。

都市開発では再開発プロジェクトや駅前整備など、まち全体の価値を左右する大規模案件を扱えるのが特徴です。

インフラ企業の技術職(電力・ガス・鉄道など)

電力、ガス、鉄道、水道などのインフラ企業の技術職は、設備点検、更新工事、施設設計、災害対策など、社会インフラを安定的に提供するための建築・設備に関わる業務を担います。

変電所や発電所、駅舎、トンネル、橋梁、給水施設など幅広い設備を扱い、大規模で高度な専門知識が求められる分野です。

安定性の高さと社会の基盤を守る使命感から、志望者が多い領域です。

防災・耐震に関わる専門職

防災・耐震の専門職は、地震や風水害などの災害に備え、建物の安全性を高めるための調査、診断、補強設計を行う仕事です。

耐震診断や地震応答解析など高度な技術を用いながら、建物の弱点を把握して最適な補強方法を提案します。

災害大国である日本では特に重要性が高く、公共施設やマンションの耐震化、老朽化対策の需要が増えている成長分野です。

研究機関の建築研究員

建築研究員は、国立研究所、大学、民間企業のR&D部門などで、建材、断熱技術、耐震工法、省エネ技術、都市空間の分析など”未来の建築”を支える研究を行う仕事です。

建設業界の技術革新をリードするポジションであり、実験データの解析、学術論文の執筆、技術基準の提案など多岐にわたる業務を担当します。

専門性が極めて高いため、大学院生からの人気が高いキャリア領域です。

営業・ビジネスに関わる仕事

営業・ビジネス分野は、建築の知識を活かしながら顧客提案、企画、事業運営を行う領域で、建築の現場だけでなく“ビジネスとして建築をどう成立させるか”を考える役割を担います。

建築・不動産は金額が大きく、長期的に関わるプロジェクトが多いため、顧客との信頼関係を築きながら提案力を発揮できる分野です。

文系学生にも門戸が広く、幅広いキャリア設計が可能です。

営業・ビジネスに関わる仕事
  • 建築営業(ハウスメーカー・ゼネコン)
  • 建材メーカー営業
  • 建設コンサルタント
  • 住宅アドバイザー・住まいの提案営業
  • 建築×IT:スマートホーム事業担当

建築営業(ハウスメーカー・ゼネコン)

建築営業は、個人向け住宅営業(ハウスメーカー)から、企業向けの法人営業(ゼネコン)まで多岐にわたります。

顧客の希望や課題をヒアリングし、最適な建築プランを提案する役割で、プロジェクトの入り口をつくる重要なポジションです。

住宅営業は人生の大きな買い物に寄り添う責任があり、法人営業は数億〜数百億円規模の案件に関わることもあります。

提案力・コミュニケーション力が求められます。

建材メーカー営業

建材メーカー営業は、断熱材、ガラス、木材、金属、床材、外壁など、建物に使用される素材や製品を建築会社や工務店に提案する仕事です。

製品特性や施工方法の知識が必要で、技術担当と連携しながら導入メリットを説明します。

環境配慮型建材や高性能素材の需要が高まり、商品知識と建築知識の両方を活かせる成長領域です。

建設コンサルタント

建設コンサルタントは、行政や企業から依頼を受け、工事計画の策定、調査、設計支援、まちづくりの提案などを行う専門職です。

土木領域のイメージが強いですが、建築分野でも公共施設整備や都市計画において欠かせない存在です。

課題解決型の業務が多いため、論理的思考力と分析力が求められます。

住宅アドバイザー・住まいの提案営業

住宅アドバイザーや住まいの提案営業は、個人の生活スタイルや家族構成、価値観を踏まえ、最適な住宅プランやリノベーション案を提案する仕事です。

建築知識だけでなく、住宅ローン・補助制度・インテリアの提案力など幅広い知識が必要です。

顧客の人生に寄り添う深い関係を築くことができる点が特徴です。

建築×IT:スマートホーム事業担当

スマートホーム事業担当は、IoT家電、セキュリティシステム、HEMS、スマートロック、AI家電制御など、住宅のIT化・自動化を推進する仕事です。

設備エンジニアや住宅メーカーと連携しながら、快適性・省エネ・安全性を高める仕組みを提案します。

建築とITの両方に触れられる新しい領域で、今後急速に需要が伸びると予測されています。

新領域・関連分野

新領域・関連分野は、テクノロジーの進化や社会課題の変化に合わせて生まれた比較的新しい職種が多く、建築業界の未来をつくる領域として注目されています。

AI、3Dプリント、環境配慮建築、地域再生、スマートシティなど、多様な分野と融合しながら発展しており、従来の建築の枠にとらわれず、新しい価値を創造できるのが特徴です。

理系だけでなく、IT系・デザイン系・まちづくりに関心のある学生にも門戸が広い分野です。

新領域・関連分野
  • 3Dプリンティング建築技術者
  • グリーン建築/サステナビリティエンジニア
  • スマートシティ領域のデータエンジニア
  • VR/AR建築可視化クリエイター
  • 古民家再生・地域再生プロデューサー

3Dプリンティング建築技術者

3Dプリンティング建築技術者は、コンクリートや特殊素材を3Dプリンターで成形し、建築物や構造体を製造する革新的な技術を扱う専門職です。

従来の施工方法では難しい形状も容易に作ることができ、工期短縮・省人化・材料ロスの削減など、多くのメリットがあります。

海外では住宅がわずか数日で完成する事例もあり、今後日本でも本格的な普及が期待される成長市場です。

3Dプリント技術を活用するには、建築の構造理解に加えて、ロボット制御、材料工学、CAD・BIMの知識が必要となり、建築×ものづくり×テクノロジーの融合領域で活躍したい人に向いています。

グリーン建築/サステナビリティエンジニア

グリーン建築・サステナビリティエンジニアは、環境負荷の少ない建物を実現するために、断熱性能の向上、再生可能エネルギーの導入、省エネ設備の設計、環境評価基準(CASBEE・LEEDなど)の取得支援を行う専門職です。

脱炭素社会に向けて世界中で需要が高まっており、建築業界における最重要テーマの一つとなっています。

環境工学、設備設計、エネルギー計算などの知識を活かしながら、快適性と環境配慮を両立させる建築を追求するため、建築の未来を技術面から支えたい人に適したキャリアです。

スマートシティ領域のデータエンジニア

スマートシティ領域のデータエンジニアは、都市全体の交通、人流、エネルギー、環境データなどを収集・解析し、より最適なまちづくりに活かす仕事です。

センサーやIoT、AI分析技術を使いながら、都市の課題を可視化し、渋滞緩和、防災計画、エネルギー効率化などへ応用します。

建築と都市計画に加え、データ分析やITスキルが求められ、文理問わず“都市をデジタルで進化させたい人”に人気が高い領域です。

スマートシティは国の戦略でもあり、将来的に最も伸びる分野のひとつといえます。

VR/AR建築可視化クリエイター

VR/AR建築可視化クリエイターは、建物の完成イメージをVR・ARでリアルに再現し、施主・設計者・施工者が立体的に確認できるようにする技術者です。

従来の図面やパースでは伝わりにくかった空間の広さ・高さ・光の入り方を直感的に理解できるため、海外ではすでに標準の業務フローになりつつあります。

UnityやUnreal Engineなどの3Dエンジンを使うため、ゲーム開発に近いスキルが活かせる点も特徴で、デザインとテクノロジーの両方が好きな学生に向いている新しい職種です。

古民家再生・地域再生プロデューサー

古民家再生・地域再生プロデューサーは、老朽化した古民家や遊休不動産をリノベーションし、地域資源として活用するプロジェクトを企画・推進する仕事です。

カフェ、宿泊施設、コワーキングスペース、文化施設などに生まれ変わらせ、地域の観光・移住促進や経済活性化に大きく貢献します。

建築の知識だけでなく、地域住民との協働、事業計画、マーケティング、観光戦略など幅広いスキルが求められます。

社会課題の解決や地方創生に興味がある人にぴったりのキャリアで、やりがいと個性が両立できる領域です。

建築関係の仕事の魅力とやりがい

建築関係の仕事は、日常生活の基盤となる建物をつくり、守り、価値を高めていく役割を担うため、技術的・社会的・創造的な魅力が非常に大きい分野です。

自分の仕事が街の景色として何十年も残り、人の暮らしを支え続けるという達成感は、ほかの業界ではなかなか得られない独自のやりがいにつながります。

ここでは建築の魅力を3つの観点から詳しく紹介します。

形が残る仕事に関われる

建築の最大の魅力は、自分が携わった建物が“目に見える形”として社会に残り続ける点です。

設計者が描いた線が建物として完成し、施工管理が現場で積み重ねた判断が品質を左右し、職人の技術が細部の仕上がりとなって現れます。

こうした努力の結晶が実際の街に立ち、そこで暮らす人々の生活を支える様子を目にすると、大きな達成感を味わうことができます。

また、子どもや家族に「この建物の建設に関わった」と語れるほどのスケール感があり、社会に対して長期的な価値を残せる点が魅力となっています。

技術と創造性を融合できる

建築は、技術と創造性の両方が求められる珍しい分野です。

デザイン性の高い外観や快適な内部空間をつくる設計の要素と、耐震性・防火性能・省エネ性能などの高度な技術要素が両立されてはじめて、利用者が安心して暮らせる建物が生まれます。

美しい建築を生み出すために、構造計算や設備設計、材料の特性など幅広い知識を組み合わせる必要があり、総合力を活かしたものづくりができる点が特徴です。

さらにBIMやAI設計、環境配慮建築など最先端技術が導入される機会も増えており、最新技術を取り入れながらクリエイティブに仕事を進められる職種が多いことも、建築の魅力のひとつです。

社会や暮らしを支える使命がある

建築の仕事は、単に建物をつくるだけでなく、人々の生活の安心・安全・利便性を支える使命があります。

災害から身を守る耐震性能、暑さ寒さを和らげる断熱性能、高齢者が安心して利用できるバリアフリー設計など、建築は私たちの暮らしを根底から支える重要な存在です。

地域の学校や病院、福祉施設、公共施設など、社会の基盤を整えるプロジェクトに関わることもあり、建築は多くの人の生活に直接的な影響を与える仕事です。

「社会の役に立っている」と実感できる場面が多く、やりがいと責任を両方感じられる仕事といえます。

建築関係の仕事に就く方法

建築業界で働くには、建築に関する専門知識、国家資格、現場経験などが求められる場合が多く、キャリアの入り口は職種によって異なります。

ただし、大学・専門学校での学びやインターン、資格取得など、学生のうちから取り組めることも多いため、早めに準備しておくことで選択肢を広げることができます。

ここでは建築業界に進むための代表的な方法を紹介します。

大学・専門学校で建築や工学を学ぶ

多くの建築関連の職種では、建築学、都市計画、土木工学、環境工学、機械・電気系など、理工系の専門知識が必要になります。

大学では建築の基礎である構造力学、建築史、設備工学、法規、環境工学など幅広い科目を学び、設計製図や実験など実践的な経験も積むことができます。

専門学校では、より実務に直結したスキルを短期間で学べる点が魅力です。

文系出身者でも、インテリア分野や建築営業、不動産開発などで活躍できる領域はありますが、技術職を目指す場合は建築系学科での学びが大きな強みになります。

国家資格を取得する(建築士・施工管理技士など)

建築業界では、建築士、施工管理技士、電気工事士、設備士などの国家資格がキャリアの重要な基盤となります。

特に建築士は設計・監理を行うために必須の資格であり、1級建築士を取得することで扱える建物の規模が広がり、キャリアの選択肢も格段に広がります。

また、施工管理技士は現場管理のスペシャリストとして評価され、ゼネコン・工務店で必須級の資格です。

資格を取得することで専門性が高まり、転職やキャリアアップにも有利になります。

インターンや現場経験を積む

建築業界は実務経験が非常に重視されるため、学生のうちからインターンや現場見学に参加することで、職種理解が深まり、自分に合ったキャリア選択がしやすくなります。

設計事務所での製図経験、ゼネコンでの現場体験、不動産会社での企画業務など、業務内容は企業によって大きく異なります。

現場の雰囲気や働き方を自分の目で確認できるため、就職後のミスマッチを防ぐ効果もあります。

ゼネコン・設計事務所・メーカーなどで就職活動を行う

建築業界への就職先は非常に幅広く、ゼネコン、設計事務所、ハウスメーカー、工務店、建材メーカー、不動産会社、インフラ企業、行政など多岐にわたります。

それぞれの業界・企業によって求められる能力やキャリアの進み方が異なるため、早い段階で情報収集し、自分の適性や興味に合った進路を選ぶことが大切です。

企業説明会やOB・OG訪問を通じて、仕事のやりがいや働き方を知りながら、自分に合った企業を見つけることが建築キャリアの第一歩になります。

建築関係の仕事に向いている人

建築関係の仕事は、技術・デザイン・マネジメントなど幅広い領域が存在するため、多様なタイプの人が活躍できます。

ただし、共通して求められる素質もあり、それらがあるほど業務の中で大きな成果を発揮しやすくなります。

ここでは建築業界に向いている人の特徴を4つの観点から紹介します。

ものづくりに興味がある人

建築の仕事は、建物という「形に残る成果物」を生み出すものづくりの仕事であるため、自分の手で何かをつくりたいという気持ちを持つ人に向いています。

設計者は図面という形で、施工管理は現場の段取りや品質管理という形で、職人は技術そのもので建物をつくり上げます。

完成した建物を見たときに感じる達成感や、街の景色の一部として残り続ける誇らしさは、ものづくりが好きな人にとって何よりのモチベーションになります。

課題解決や論理的思考が得意な人

建築は「課題を見つけ、解決策を考え、具体的な形に落とし込む」プロセスで成り立っているため、論理的に物事を考える力が重要になります。

設計段階では法規や構造、安全性、コストなどの要素を整理し、最適な解を導く必要があります。

施工現場では、工程の遅れや予期せぬトラブルに対して迅速かつ合理的に対処することが求められます。

「問題の本質を捉え、実現可能な解決策を考えることが得意」という人は、建築業界で強みを発揮しやすいといえます。

コミュニケーションが得意な人(協力会社・職人と連携)

建築の仕事は多職種が関わり合うため、コミュニケーション能力が非常に重要です。

施工管理は、現場の職人、協力会社、設計者、施主など、多くの関係者と意思疎通しながらプロジェクトを進めます。

設計者も施主ヒアリングや行政との調整を行うため、高い対話力が求められます。

建築は一人では絶対に完成できない仕事であり、「人と協力して何かをつくり上げたい」「相手の意図を汲み取ることが得意」という人は、大きな成果を上げられる傾向があります。

責任感が強い・丁寧に仕事ができる人

建築物は多くの人が利用するため、安全性や品質に対する責任が非常に大きく、細かな部分まで丁寧に仕事を進める姿勢が求められます。

構造計算の数値がわずかにずれても安全性に影響し、施工の手順を誤ると品質や耐久性を損なう可能性があります。

責任を持って仕事に向き合い、慎重かつ正確に作業できる人は、建築業界に向いているといえます。

また、仕事の結果が長く残り続けるため、「最後までやり切る意識」を持てる人には大きなやりがいにつながります。

建築関係の仕事の現状と将来性

建築業界は、人口動態の変化、都市部の再開発、老朽化したインフラの更新、脱炭素化、働き方改革、デジタル化など、大きな社会変化の影響を受けながら進化している産業です。

建築需要の形は変化しつつありますが、「建物が必要なくなることはない」ため、長期的な将来性の高い業界といえます。

ここでは業界を押し上げる3つの大きなトレンドを紹介します。

都市再開発やインフラ更新で需要が続く

日本では高度経済成長期に建設された建物・インフラが一斉に老朽化し始めており、橋梁、トンネル、学校、公共施設、マンションなどの大規模修繕・建て替えの需要が高まっています。

また、都心部では再開発プロジェクトが相次いでおり、駅前巨大複合施設や商業ビル建設など大規模案件が継続しています。

さらに、コンパクトシティ化、耐震化、省エネ化など、今後10〜20年単位で続く長期的な需要が見込まれており、建築業界の安定性を支えています。

省エネ・環境配慮建築が拡大している

脱炭素社会に向けて、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)、ZEH住宅、太陽光発電、断熱強化、自然エネルギー利用など、環境配慮建築が急速に広がっています。

国の補助金制度や環境基準の強化により、環境エンジニアや省エネ設備技術者のニーズが高まっており、今後最も成長するといわれる領域のひとつです。

企業のESG(環境・社会・ガバナンス)重視の動きも追い風となっており、環境性能を高める建築の価値はさらに高まっています。

テクノロジー導入(BIM/AI/ロボット)の加速

建築業界の大きな転換点となっているのが、デジタル化と自動化の波です。

BIMによる3D設計の普及、AIによる構造計算・図面チェック、自動積算、ロボット施工、ドローンによる現場点検など、技術革新が次々と実用化されています。

これにより業務効率が改善され、人材不足の解消にもつながるため、デジタルスキルを持つ人材の価値が一段と高まっています。

ITと建築の融合は今後も加速し続けるため、若い世代にとってチャンスの大きい分野といえます。

建築関係の仕事に関するよくある質問

建築業界に興味を持つ学生や若手社会人からは、「未経験でも大丈夫なのか」「どの職種が稼げるのか」「文系でも入れるのか」など多くの質問が寄せられます。

ここでは特に問い合わせが多いポイントを4つに分けて、建築関係の職種理解が深まるよう詳しく解説します。

未経験からでも建築業界で働ける?

建築業界は専門性の高い業界ですが、職種によっては未経験からのチャレンジも可能です。

住宅営業や不動産開発、ビル管理、建材メーカー営業など文系でも入りやすい分野も多く、入社後に研修や資格取得を通して専門知識を身につけるケースも一般的です。

一方、設計や構造、設備、施工管理など技術職は専門的な知識が求められるため、大学・専門学校で建築や工学を学んだ人が有利になりやすい領域です。

ただし、入社後に現場経験を積みながら資格を取得し、技術職へキャリアチェンジするルートも存在します。

建築は経験によって成長する部分が大きいため、意欲があればキャリアの幅は広がります。

年収やキャリアパスは?(ゼネコン/設計事務所/メーカー)

建築業界の年収は職種によって大きく異なります。

大手ゼネコンの施工管理は若いうちから比較的高い給与水準となり、キャリアを積むと年収800万~1000万円台も十分に目指せます。

設計事務所は専門性が高い分、経験や資格によって収入が伸びる一方、働き方は企業によって差が出やすい領域です。

また建材メーカー、住宅メーカー、不動産開発などのビジネス職は、営業成績や企画力に応じて収入が変動し、成果がダイレクトに給与に反映される特徴があります。

建築士や施工管理技士の資格を取得することで年収が大きく伸びるケースも多く、専門資格がキャリアの強い武器になります。

文系と理系どちらが有利?

技術職(設計、構造、設備、施工管理など)は理系出身者が有利ですが、建築業界は文系でも挑戦できる職種が多いのが特徴です。

特に不動産開発、建築営業、プロパティマネジメント、ビル運営、リノベーション企画などは文系が多く活躍しており、コミュニケーション力や企画力が強く求められます。

一方で、最近はBIMや建築ITの普及により、IT系スキルを持つ文系学生が設計補助やBIMエンジニアとして採用されるケースも増えています。

文系・理系どちらの強みも生かせる業界であり、自分のスキルや興味に合わせて多様なキャリアを選べる点が魅力です。

長く働き続けるためのポイントは?(働き方・資格・転職)

建築業界で長く働き続けるには、働き方の工夫、資格取得、キャリアの柔軟性が重要です。

現場職は責任が大きく忙しくなりやすい傾向がありますが、近年は残業削減、週休二日制、現場のデジタル化など働き方改革が進んでいます。

また、資格を取得することで仕事内容や役職の幅が広がり、希望に合わせてキャリアチェンジもしやすくなります。

設計からBIM職への移行、現場から設備や品質管理への転換、不動産分野へのステップアップなど、多様なキャリアの流れが存在しています。

建築はスキルの積み上げが長期的に価値を持ち続ける業界であるため、自分の強みを活かせるポジションを選び続けることで、無理なく長く働き続けることができます。

まとめ

建築関係の仕事は、建物をつくり、守り、価値を高めるための多様な専門職が連携して成り立つ、大きな社会的意義のある分野です。

設計・施工・設備・不動産・公共・IT・環境など領域は幅広く、理系だけでなく文系にも活躍のチャンスがある業界です。

建物が完成したときに得られる達成感、街に長く残る仕事としての誇り、専門性を深め続けられる技術領域、そして最新技術の導入による未来の広がりなど、建築の魅力は多岐にわたります。

将来性の面でも、都市再開発、インフラ更新、環境配慮建築、スマートシティなど成長領域が多く、長期的な安定性と発展性を兼ね備えています。

自分の興味や得意分野に合わせて進路を選ぶことで、やりがいのあるキャリアを築くことができる業界です。

建築に興味がある人は、早めに情報収集やインターンに参加し、自分に合った職種を見つけることで、未来の選択肢を大きく広げられます。

専門性を磨きながら社会に貢献できる建築の世界に、ぜひ一歩踏み出してみてください。

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