はじめに
就職活動中、エントリーシート(ES)で「ほかに受けている企業はありますか?」と質問されることがあります。
この質問に対して適切に答えることは、企業側に好印象を与える重要なポイントです。
この記事では、この質問の意図を理解し、どのように回答すれば良いのか、具体的な方法を解説します。
これを参考にして、自信を持って就活に臨みましょう。
ESで「ほかに受けている企業」を聞く意図
企業が「ほかに受けている企業は?」と質問するのには、いくつかの意図があります。
この質問を通じて、就活生の志望度や就活の姿勢を知ろうとしているのです。
志望している業界の一貫性を見る
企業は、就活生がどのような業界に興味を持っているのか、その一貫性を確認したいと考えています。
同業他社を受けている場合、一貫した業界選びをしていると判断され、業界に対する興味や理解が深いと見なされます。
一方で、異なる業界の企業ばかり受けている場合は、志望動機が薄いと捉えられることもあります。
志望度の高さを知りたい
企業は、自社への志望度がどれくらい高いのかを測りたいと考えています。
就活生が他の企業よりも自社を優先しているかどうかを確認することで、入社後の定着率やモチベーションも推測できるのです。
そのため、回答の中でどれだけ自社を優先しているかを示すことが重要です。
就活の熱量を知りたい
もう一つの意図は、就活生がどれだけ熱心に就職活動を行っているかを知りたいというものです。
多くの企業を受けている場合、それだけ就職活動に対する熱意があると判断されることがあります。
ただし、受けている企業に一貫性がなければ、目的が曖昧だと見なされる可能性もあるため注意が必要です。
ESで「ほかに受けている企業」を好印象に伝える方法
この質問に対して、好印象を与えるための回答方法をいくつか紹介します。
ポイントは、回答に一貫性と明確な志望理由を持たせることです。
就活の軸をしっかり持っていることを伝える
最も大切なのは、自分の就活の軸を明確に伝えることです。
例えば、特定の業界や職種に絞って就活をしていることを示し、その理由を説明することで、企業は応募者の真剣さを感じ取ることができます。
「私はIT業界に興味を持っており、御社を含め、複数のIT企業にエントリーしています。
将来は技術を活かして社会に貢献したいと考えており、特に御社の〇〇という取り組みに魅力を感じています。」
入社意欲を明確に示す
質問に答える際には、他の企業を受けていることを伝えつつも、御社に対する入社意欲を明確に示すことが重要です。
他の企業も受けているが、御社が第一志望であると伝えることで、志望度の高さをアピールできます。
「他にも同業他社を受けていますが、御社の〇〇に大きな魅力を感じており、第一志望として選考に臨んでいます。」
受けている企業すべてを答える必要はない
すべての受けている企業を正直に答える必要はありません。
質問の意図に沿って、志望度の高さを示すために必要な情報だけを提供すれば十分です。
特に、一貫性がない企業をわざわざ挙げる必要はなく、選考に不利になるような情報は避けるべきです。
「現在、〇〇業界を中心に企業を受けていますが、特に御社の〇〇に強い関心を持ち、御社の選考に集中しています。」
ESで「ほかに受けている企業」を答える際の注意点
ESで「ほかに受けている企業」を聞かれた場合、正直に答えることは大切ですが、回答の内容によっては選考に不利になる可能性があります。
ここでは、回答する際に注意すべきポイントを解説します。
志望している企業の志望動機と矛盾してしまう企業を出さない
まず気をつけたいのは、エントリーしている企業の志望動機と矛盾するような企業を挙げないことです。
例えば、IT業界を志望していると述べているにもかかわらず、食品業界や教育業界の企業も受けていると答えると、企業側に一貫性のない志望理由だと判断される可能性があります。
選考に落ちてしまった企業は述べない
選考に落ちた企業について触れる必要はありません。
これを述べると、企業側にネガティブな印象を与える可能性があります。
「なぜ落ちたのか」「他社での評価が低いのではないか」といった疑念を抱かれないためにも、選考が進んでいる企業だけを挙げるのが無難です。
ESで「ほかに受けている企業」を書く際のNG例
次に、ESで「ほかに受けている企業」を記載する際に避けるべきNG例を紹介します。
これらのミスを避けることで、選考において不利な状況を防ぎましょう。
受けている企業や職種にばらつきがある
志望する企業や職種にばらつきがあると、企業側に「この学生は就活の軸がないのでは?」と疑念を抱かれることがあります。
例えば、IT企業、金融業界、食品業界といった異なる業界の企業を並べると、一貫性がない印象を与えてしまいます。
第一志望が異なることを伝えてしまう
他社が第一志望であることを明言すると、企業側に「自社への志望度が低い」と見なされる恐れがあります。
たとえ本心ではなくても、第一志望を明確に伝えるのは避け、代わりに「御社は第一志望群です」といった表現を使いましょう。
ESにおける選考中企業欄の書き方
ESにおいて「選考中の企業」欄を記載する際、どのように書くべきか迷う方も多いでしょう。
この欄は、企業が応募者の就活状況や志望度を把握するための重要な情報源です。
ここでは、選考中企業欄を書く際のポイントを解説します。
1. 業界や職種の一貫性を示す
選考中の企業欄に記載する際、同じ業界や職種の企業を挙げることで、一貫した就活の軸を示すことができます。
例えば、IT業界を志望している場合は、他のIT企業を挙げると一貫性があり、説得力のある志望動機を裏付けることができます。
- A社:1次面接通過
- B社:2次面接予定
- C社:最終面接予定
このように、進行中の選考状況も併せて記載することで、具体性が増し、応募者の真剣さが伝わります。
2. 選考が進んでいる企業だけを記載
選考中企業欄には、現在選考が進んでいる企業のみを記載しましょう。
選考に落ちた企業については触れる必要はありません。
選考が進んでいる企業名を記載することで、他社からも評価されている印象を与えることができます。
3. 具体的な企業名と選考状況を記載
企業名と選考段階を具体的に記載することが重要です。
具体的な情報を提供することで、企業は応募者の選考状況を把握しやすくなります。
また、嘘をつくことなく、正確な情報を記載することが信頼を得るポイントです。
ほかに受けている企業のうち、どの企業を書くべきか迷った方へ
いくつかの企業の選考へ申し込んでおり、そのうちどの企業をESに記載するべきか迷ってしまう就活生は多くいます。
また「ほかに志望している企業」に関してだけでなく、ES全体に自信が無い場合も多いでしょう。
そんなときは一度、就活のプロに相談することをおすすめします。
自信が無い部分、また添削するべきポイントをすぐにアドバイスしてくれるため、自信を持って選考に挑むことができます。
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まとめ
この記事では、ESで「ほかに受けている企業」を質問された際の適切な答え方について解説しています。
この質問の意図は、就活生の志望度や就活の一貫性を確認することにあり、企業側はその回答を通じて、就活生の本気度や選考状況を把握しようとしています。
好印象を与えるためには、自分の就活の軸を明確にし、一貫性のある企業選びを示すことが重要です。
また、入社意欲をしっかりと伝え、すべての企業を開示する必要はないことを理解しておくべきです。
さらに、志望動機と矛盾する企業や選考に落ちた企業を挙げることは避けるべきです。
最後に、選考中企業欄は具体的に記載しつつも、一貫性を保ち、正確で誠実な情報を提供することが求められます。
これらのポイントを押さえることで、企業に良い印象を与え、選考を有利に進めることができます。
監修者:柴田貴司
プロフィールコメント
「IT業界に興味があり、御社を含む数社を受けています。」
という志望動機であれば、他のIT企業を挙げるべきです。
他の業界を挙げると、「本当にIT業界を志望しているのか?」と疑われかねません。