はじめに
自己PRを書く際、自己分析を進めていくと、自分自身の特徴がさまざまに浮き彫りになっていきます。
その中でも、実際にアピールポイントとして使われやすい強みの一つに「負けず嫌い」があります。
しかしこの負けず嫌いという特性は、記述する際にいくつかの点に気をつけておかないと、効果的なアピールにならない可能性もあるのです。
この記事では、負けず嫌いを強みとしてアピールする際に押さえておくべきポイントについて解説していきます。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】企業が求める負けず嫌いとは
就活において大切なのは、その特性が企業の求める人材像とマッチしているかどうかです。
そのため「負けを頑なに認めない」や「負けないため」にチームとしての調和を崩すような特性だと、評価を得ることは難しいでしょう。
あくまで、チーム全体にとってプラスな存在になり得ることが大切です。
ベンチャー企業が求める負けず嫌いとは
とくにベンチャー企業が求める人材としての負けず嫌いには、忍耐力も備わっているという要素が必須となってきます。
ベンチャーは、仕事として決まった流れがあり、上司の指示に従っていれば大丈夫という企業であるケースがとくに少ないです。
新しいことにもどんどん挑戦していくことが当たり前なので、その社員も多くの失敗と向きあうこととなります。
そういったときに「負けたくない」という心理がブレーキをかけてやる気を失ってしまったり、短期的な成功を追う方向に逃避してしまったりする人材は、避けたいというのが採用側の思いです。
そのため失敗を乗り越え、成功するまでのプロセスでモチベーションを維持しながら、取り組める忍耐力が重要となるでしょう。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】負けず嫌いをアピールするポイント
さて、ここからは実際の自己PRにおいて、負けず嫌いを強みにピックアップして書く際のポイントを紹介していきます。
以下の4つのポイントを押さえて書くことによって、より良い印象を採用者に与えることが可能です。
自分にとって負けず嫌いとは
自分にとって「負けず嫌い」という言葉が、どういう意味を持っているのかを書くようにしましょう。
例えば「弱点を克服したいから、そのために努力を続ける」なのか「チームとして、成果を収めるために一丸となって頑張りたい」と考えるのか、どういうときにその「負けず嫌い」が発揮されるのかを示すことが大切です。
自分の経験の中で、負けず嫌いが発揮されたケースを思い返して共通点を探したり、自分にとってどういった結果が重要なのかを洗い出しておいたりすると、文章としてまとめやすくなっていきます。
「負けず嫌い」という言葉に、自分自身がまとめてしまっている意味を分解してみましょう。
そして、それを自分の言葉で表現することが重要になります。
他人よりも自分自身に負けたくない
負けず嫌いという自分の特性を「他人に負けたくない」という方向でアピールしようと考えている場合は、一度内容の精査をしてみるほうがいいでしょう。
他人と比べてしまうという心理は、嫉妬や敵対心といったネガティブな感情が絡んできます。
そのため、チームとしてのパフォーマンスを落とす可能性があると判断されることもあり、採用者の印象が悪くなってしまいます。
「他人を蹴落とす」可能性があると捉えられるような表現よりは「自分自身を成長させていく」方向にエネルギーが向く人材であることをアピールする内容を選ぶのが重要です。
就活では、組織において気持ちよく働けるかという人柄も重視される要素ですので、その視点も忘れないようにしましょう。
組織内でそれがどう働いたのか
負けず嫌いという自分の特性が発揮されたとき、それが周囲にどんな影響があったかを考えていきます。
就職後は、企業という組織の中で働くことになるので、採用した後に「周囲にポジティブな影響を与えることができるかどうか」は重要なポイントです。
「持ち前の負けず嫌いを発揮し、自分が熱意を持って取り組む姿勢が伝播したことで周囲のモチベーションに影響を与え、大きな成果を出すことができた」などといった経験を盛り込むなどすると良いでしょう。
自分の内面的な変化だけに言及がとどまってしまうと、組織の一員として働くとなったときに、前項に記述したようなネガティブな側面を懸念されることもありますので、気をつける必要があります。
働く際にそれがどう役立つのか
これまでの経験から、負けず嫌いが良い形で発揮されたエピソードをPRでは記載することになります。
そこでは、負けず嫌いという長所が実際に企業で行う業務において、どのように活かされるのかという視点も大切です。
採用側は「この人を採用することで、企業にはどんなメリットがあるのか」ということを見るために、採用活動をしています。
そのため、どういう働き方をしてくれるのかを具体的にイメージできるように書くことで、良い評価にもつながります。
「自分の行動が周囲に良い影響を与えることができる」や「より成長するために、積極的に課題の発見とその解決に取り組むことができる」などといった形で、その企業においてどういった形で培った特性が活きるのかをアピールしていきましょう。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】負けず嫌いをアピールする際の注意点
ここまでで述べたように、負けず嫌いという特性は強みだけでなく、短所にもなり得る側面を持っています。
その競争心の強さは、協調性に欠けているのではないかという危惧を呼び、組織において望む人材像ではないという評価になってしまうこともあります。
その場合、自己PRとしては、残念ながら失敗ということになるでしょう。
あなたの強みを適切に相手に伝えるためには、言い換えやエピソードの選び方に気をつけること、組織にとって良い影響を与えてくれる人材であるということを、きちんと誤解なくアピールすることが大切になります。
以下に「負けず嫌い」の言い換え表現についても具体的にご紹介しますので、参考にして書いてみてください。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】負けず嫌いの言い換え表現
負けず嫌いという言葉には、さまざまなニュアンスが内包されています。
その中でも、成長しようというエネルギーがあるという要素を強調するのであれば「向上心が高い」「努力家」と言い換えることが可能です。
ほかにも「粘り強い」「ストイック」といった単語や「諦めが悪い」「積極的に取り組むことができる」という表現も言い換えに活用できるでしょう。
とくにベンチャー企業などにおいては「向上心」「ストイック」といったフレーズは、良い印象を与えやすい傾向にあるといわれています。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】負けず嫌いを自己PRで活かす構成
自己PRを負けず嫌いでアピールする方法と気をつけるべきポイントについて、ここまで解説してきました。
ここからは、それを踏まえたうえで採用者にしっかりと印象付けるための、おすすめの文章構成について説明していきます。
結論
自己PRの文章を作成するときは、必ず最初に結論を持ってくるようにしましょう。
起承転結の流れで書こうとすると、結論を最後においてそこに向けて文章を書きたくなるという方もいらっしゃるでしょうが、自己PRにおいてはおすすめできません。
最初に結論を持ってくることで、読み手に「ここから先の文章は、その結論を補完するためにある」ということが伝わるため、文章全体にまとまりが出ます。
端的で説得力のある文章を書くという点においては、ここで紹介する構成が非常に役に立ちますので、覚えておきましょう。
根拠となるエピソード
自分が「負けず嫌いである」ということが、読み手にとっても納得できるようなエピソードを書きましょう。
ここのエピソードが「負けず嫌い」という要素と結びつきが弱かったり、先述したような他人との比較で起きるネガティブな感情に起因するものになってしまったりすると、良い印象を与えるのが難しくなります。
最初は思いつくエピソードを複数列挙してから、よりふさわしいエピソードに絞っていくという形で進めるのが良いでしょう。
負けず嫌いがどう活きたのか
エピソードの中において、困難や課題に対して「負けず嫌い」がどのように発揮されて、乗り越えることができたのかを具体的に書いていきましょう。
ただ「負けるのが嫌いな性格」というだけではアピールとして弱くなってしまうので、それによってどのような「良い結果」をもたらすことができたのかを提示することが大切です。
何を課題として捉えたのか、それをどのような手段で解決したのかというのは、価値観や人柄も垣間見える要素ですので、具体的な記述ができるようにしましょう。
負けず嫌いを入社後どう活かせるのか
これまでに経験したエピソードによって補完したことで、あなたが負けず嫌いであるということは伝わったとします。
しかし企業は、その強みをどう仕事に活かしてくれるのかということも非常に重視しています。
企業研究などで把握しているであろうその企業の業務や、目指すビジョンに対して、自身がその強みを活かしてどのように貢献できると考えているのかを最後に記載するようにしましょう。
ここが具体的な内容になっていると、志望度の高さもアピールすることができます。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】例文
ここでは、本記事で解説した知識や気をつけるべきポイントを押さえたうえで、おすすめの構成に従って作成した例文をご紹介します。
読みながら分解して要素ごとにチェックしたり、参考にしながら自分の文章で自己PRを書く取っ掛かりにしたりとご活用ください。
アルバイト
アパレルで販売員をはじめたころ、自身が接客をしたときに、顧客が購買まで至る割合が1割程度という成績に、非常に悔しい思いをしていました。
その状況を打破するため、私は自分自身の接客時の服装を見直し、お客さまにも積極的に話しかけるなどコミュニケーションをとり、接客力を磨いていきました。
最終的には、接客したお客さまの購買まで至る割合は5割まで伸び、多くの方に自分に似合う服を買って帰っていただくことができるようになったのです。
また、私の取り組みをノウハウ化して共有していくことにより、店舗の成績としても前年度比2倍を記録し、全体のモチベーションアップにもつながりました。
私のこの「課題を見つけ、結果を出すために努力するという力」を、貴社に入社後の新規獲得の営業業務においても、直接的に活かしていきたいと考えています。
体育会
大学時代に所属していたラグビー部では、自身の世代が主力になった途端に、格下と思われていた他チームに惨敗するという壁にぶつかりました。
キャプテンを務めていた私は、肉体改造や試合の詳細な分析を実施して、チームの抱える問題を解消していくととともに、チームメイトとのコミュニケーションを積極的にとるようにしました。
最初は消極的だったチームメンバーとも徐々に信頼関係を強めていくことができ、二部リーグ優勝という成果を得ることができたという経験は、自身の強みを活かすことができた結果であると考えています。
貴社に入社した後も、チームで行う作業においては、まず自身が積極性を示し、周りを巻き込んでいきたいと考えています。
学業
学生時代にTOEICに向けての学習をしている際、自身の長時間集中力を持続する能力の低さによって、友人と比べて点数で劣る結果になったことに大きな悔しさを感じていました。
その状況を打破するため、隙間時間を活用し、短い時間での勉強を長期間継続しました。
最新の結果では800点という結果に結びつけることができ、自身の努力が実を結んだことに大きな喜びを得ました。
私は、結果を出すために努力を継続することができるという力を活かし、貴社に入社した後の業務においても、学習とトライアンドエラーを繰り返しながら貢献できると考えています。
【自己PRを負けず嫌いでアピール】刺さる自己PRを書くなら就活エージェントに頼ろう
自己PRを書くにあたって、さまざまなポイントを知識として理解していても、なかなか上手く書けないということもよくあることです。
そういったときは、アドバイザーのサポートが受けられるサービスを活用するのもおすすめです。
ジョブコミットでは、年間1000人以上をサポートするアドバイザーが専属でつくので、自己PRにおいても密なアドバイスを受けることができます。
内定獲得までのサポートはもちろん、その後のキャリアサポートまで網羅しているのにも関わらず、利用料は無料です。
積極的に利用するのをおすすめします。
まとめ
負けず嫌いという特性は、行動の原動力としてとても力強く、魅力的な長所です。
しかし、就活においては扱いを間違えると「協調性」といった部分において、懸念材料として判断されてしまう繊細なものでもあります。
そんな諸刃の剣でもある強みを最大限に活かしてアピールするためにも、しっかり自己分析を行い、自分自身に対する理解も深めていきましょう。
周囲の助けやジョブコミットなどのサービスも活用することで、より客観的な視点で精査することができます。
そういったサポートも取り入れることが自己PRにおいても非常に有効であり、良い文章を書くための近道にもなり得ます。
自己PRの書き方に詰まったときは、ぜひまたこの記事を読み返して、スムーズな就職活動をする一助としてください。