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はじめに
・自己PRで留学経験をアピールしたい際の注意点
・自己PRで留学経験をアピールするメリット
・自己PR×留学経験の例文
・自己PRで留学経験をアピールしたいが、どのように伝えるのがいいかわからない人
・自己PRの基本的な文章構成がわからない人
・自己PRで留学経験をアピールしている例文を知りたい人
留学のエピソードで自己PRの構成を作りたいと思っても、実際にどうすれば良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事ではコツや注意点なども含め、留学経験を自己PRとして活用する方法を解説しています。
例文もありますので、自己PRで何をアピールすれば良いのか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに留学経験は活かせるのか?
結論から言うと、留学の経験を活かすことは十分に可能であると言えます。
しかし注意すべきなのは、学んだことの内容を事前にしっかりと練り、自分の強みを企業でどう活かせるのかをアピールしなければならないということです。
現在は、留学すること自体、昔と比べてさほど珍しいことではなくなってきています。
この状況を踏まえると、経験そのものをアピールしたり、語学力のみを伝えたりするだけでは企業から良い評価をもらうことはできないと考えられます。
自己PRで大事なことは、何を学び、成長した強みを今後にどのように活かそうと考えているのかを伝えることです。
ほかにも、留学した経験を活用する際にはさまざまなポイントがあるので、自分なりに整理してみると良いでしょう。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRの目的
留学経験を活かした自己PRは、異文化適応力や独自の視点を企業にアピールすることができます。
しかし、自己PRはただ自分の経験を語るだけではなく、企業が自己PRを通じて何を知りたいのか、なぜ聞くのかを理解したうえで構成することが重要です。
企業が自己PRを求める主な理由は、「人柄の把握」「自社とのマッチ性」「スキルや適性の確認」にあります。
以下、それぞれの視点から自己PRの意図を深堀りします。
人柄を判断する
企業が自己PRを求める理由の一つは、「応募者がどのような人物か」を知りたいからです。
面接は限られた時間の中で、履歴書や職務経歴書では伝わりきらない「人となり」を評価する貴重な機会です。
とくに異文化での経験を通じて得た自己理解や価値観は、自己PRを通して面接官に伝えることができます。
企業は応募者がどのような場面でどう行動するか、またどのように他者と関わるかといった「内面的な強み」を知りたいと考えています。
たとえば、留学を通じて「異文化への理解が深まった」「逆境に耐える力がついた」などといった経験を自己PRに盛り込むことで、自分がただの留学経験者ではなく、そこから何を学び、どのような人間的成長を遂げたかを伝えられます。
面接官はこの情報をもとに、「この人物は自社の風土や人間関係の中でうまくやっていけるだろうか」と判断するため、人柄が伝わるエピソードを含めることが大切です。
自社とのマッチ性を知る
企業は応募者のスキルや経験を評価するだけでなく、その人の価値観や人間性が自社の風土と合うかどうかも非常に重視しています。
たとえ優秀な人材であっても、企業文化にフィットしなければ、長期的な活躍や成長は難しいとされています。
そのため、企業側は自己PRを通して「応募者が自社に溶け込めるか」「自社の一員として働くことを意欲的に感じているか」を見ています。
自己PRの中で、自分がその会社の理念やビジョンに共感している部分や、実際にどのような形でその会社に貢献したいかを具体的に述べることで、企業側に「この人は自社のカルチャーに合うかもしれない」と感じてもらえます。
たとえば、「グローバルな視点を持つ企業での挑戦を望んでいる」や「柔軟性を求められる環境で自分の力を発揮したい」といった意欲を伝えることで、企業の価値観と自分の価値観が一致していることを示すことができます。
これは企業が求める「ミスマッチの少ない採用」を実現することができます。
スキルや適性を見る
企業は自己PRを通じて、応募者が実際にどのようなスキルや強みを持っているのかを把握し、それが自社でどのように活かせるかを考えています。
特に、留学経験をアピールする場合、語学力の向上や異文化理解能力、適応力、対人コミュニケーション能力といったスキルが強調されるでしょう。
企業側は、応募者がこれらのスキルをどのように身につけたのか、その過程でどのように困難を乗り越えたのかなどの具体的なエピソードに注目し、「どのように問題を解決する能力があるか」「環境の変化にどれほど適応できるか」といった面を見ています。
たとえば、留学中に自分から積極的に現地の人と交流を図った経験や、文化の違いに戸惑いながらも自分なりの方法で問題を解決した経験などは、異文化対応力や問題解決力の証明になります。
また、留学前後でどのように自分のスキルが向上したのかを具体的な成果と結びつけることで、「成長力のある人材」として企業にアピールすることができます。
企業は、自己PRを通じて応募者の適性や実力を確認し、それが自社で活かせるかどうかを見極めているため、留学経験で得たスキルをどのように企業で応用できるかも含めて伝えることが重要です。
【自己PRで留学経験を活かす】知っておくべきこと
自己PRにおいて留学経験について話す際に知っておきたいことは大きく分けて2つあります。
それぞれのポイントを踏まえた上で、あなたの留学経験がより魅力的に映るような話し方をしましょう。
留学経験や語学力のアピールで差別化は難しい
まず、いきなりマイナスな話題になってしまいますが、留学経験や語学力をアピールするだけでは差別化が難しいことを覚えておかなければなりません。
留学経験のある人や帰国子女の数は少なくないため、単に留学経験があることや語学力があることをアピールするだけでは、就職活動において大きく差別化を図ることは難しいです。
特に商社やグローバルな企業など、合格力が重視されている業界においては、留学経験や語学力は必須条件の1つであるため、アピールにはならないのです。
よって、留学経験や語学力をアピールする際にはそれをどのように活用してきたのか、または活用できるのかについて焦点を当て、どのような能力を身につけたかについても話すことが大切です。
留学期間が短いとアピールできないことも
留学期間があまりにも短いと、アピールにならない可能性があることも覚えておきましょう。
一般的に留学といえば、半年以上、特に1年以上の長期間を想像している人が多いです。
よって、数週間などの短期間の留学では、アピールポイントとして打ち出すことは難しいです。
短期間の留学では、その国の言語や文化について深く理解することは難しく、成長やスキルの向上に活かすための十分な時間ではないとみなされがちです。
他に長期間留学している就活生がいる場合、比較される可能性もあります。
よって、もし留学期間が短い場合は、アピールしない、もしくはアピールする場合でもどのようなことに取り組んだのか、成果や独自の経験を明確にして具体的なスキルや学びを強調することが大切です。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験をアピールする利点とは
まず就活の自己PRで留学経験をアピールするメリットは様々な種類のものがあります。
それぞれのメリットを知った上で、自分の自己PRとして使用する際にはどのようなものがいいのかということや注意点を抑えて置くことが重要です。
下記にいくつか代表的な留学経験を自己PRに活かす際の利点を解説していくので、是非参考にしてみてください。
目標に向かって行動する力があることをアピールできる
留学経験を持つことは、目標に向かって能動的に行動する力があるという印象を企業に与えることができます。
企業は、受動的な姿勢ではなく、自ら積極的に行動し、新しい環境や課題に挑戦する能動的な人材を求めています。
留学はそのような行動力の証となり、自身が新しい環境に適応し、学び、成長する能力を持っていることを示すことができます。
このため、留学経験は、自己PRやガクチカにおいて有効なアピールポイントとなり、企業にポジティブな印象を与えることが可能です。
語学力のアピール
グローバル化が進む現代において、留学によって磨かれた語学力は、特に価値が高く評価されます。
この語学力を自己PRに取り入れることで、国際的なコミュニケーション能力を持つことをアピールできます。
また、語学資格を取得している場合、それを併せて提示することで、その能力の説得力が増します。
これは、企業が国際ビジネスの場面で求める実践的な言語スキルと直結しており、留学経験者の強みとして大きく評価されます。
自己PRが書きやすい
留学中には多様な経験や挑戦があり、それらを乗り越えた具体的なエピソードを自己PRに活かすことが可能です。
このようなエピソードは、自身の柔軟性、適応力、問題解決能力などを示す良い材料になります。
また、留学を通じて培った自己の強みを具体的にアピールすることができる点も重要です。留学経験は、新しい環境や異文化間のコミュニケーションにおける自身の能力を
示し、国際的なビジネスシーンでの貢献をアピールできます。
留学経験は、単なる語学力以上の多面的な強みを提供し、就職市場での競争力を高める有効な要素となります。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに盛り込む方法
続いて、自己PRに留学経験を盛り込むための方法について紹介していきます。
大きく分けて3つのポイントがあるため、それぞれ踏まえた上で質の高い自己PRを作成しましょう。
アピールポイントを明確にする
自己PRに留学経験を盛り込む際は、アピールポイントを明確にしましょう。
その経験からどのようなことを学び、どのように自己成長が達成されたのかについて明確にし、それを分かりやすく伝えることが重要です。
多くの就活生が留学経験を持っている場合もありますが、その経験を通じて何を得たのか、どのような能力が向上したのかはあなた独自の経験です。
よって、自分の経験が持つ独自性を際立たせる必要があるのです。
自分が取り組んだプロジェクトやアクティビティ、授業やインターンなど、具体的な経験を主軸に話しましょう。
例えば、異文化の中でチームプロジェクトを経験した場合は、異文化コミュニケーション能力やチームワーク能力を示せます。
身につけたことを明示する
どのようなことを身につけたのかについて明示するのも非常に重要なポイントの1つです。
単に海外に住んでいたという事実を述べるのではなく、その経験を通じてどのようなスキルや知識を会得し、将来の職場でどのように活用できるのかについて話す必要があります。
企業は、単に国際的な経験がある人材だから採用するというわけではなく、その経験が仕事においてプラスとなる能力や資質があるかについて判断した上で採用しようと思うのです。
よって、留学経験から学んだ言語能力やコミュニケーション能力、適応能力や問題解決能力などについて話すことが重要です。
また、何かしらに取り組み結果を出した場合は、結果の出せる人材であるということも併せてアピールできるため紹介しましょう。
経験に具体性を持たせる
いくらあなたが素晴らしい経験をしていたとしても、抽象的な話し方をしてしまっていては100%伝わりません。
具体的なエピソードや学びについて伝えることで、あなたの能力や成長の余地について具体的にイメージさせ、記憶に残りやすくなります。
まず、どのようなエピソードがあったのか、箇条書きで書き出してみましょう。
その後、あなたの経験や能力を最も客観的にわかりやすく伝えられるエピソードは何か考え、そのエピソードをより詳しく書いてみることが大切です。
これにより、あなたに初めて会う企業の採用担当者も、あなたがどのような経験をしたのか分かりやすく、あなたがどのような魅力を持ってるのかについても判断しやすくなります。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに留学経験を活かすために
評価につながる自己PRを構成するために、まずは「なぜ留学しようと思ったのか」を再確認しましょう。
また、留学を通じて何を得ることができたのかなど、自分の行動や思考についてを把握し、アピールできる部分を探すことも重要です。
では、具体的な手順について見ていきましょう。
留学の動機を考える
留学の経験を自己PRとしてうまく伝えるためには、留学を考えたきっかけを明確にさせることが大切です。
まずは留学する前に考えていたことや思い描いていたことなどを思い出してみましょう。
海外の言葉に触れてみたかったから、さまざまな人と交流してみたかったからなど、留学したいと思った目的が必ずあるはずです。
なぜ留学したのかを基盤に考えることで、自分がどんな努力をしたのかなども徐々に見えてくるため、時間をかけて取り組んでみてください。
留学で得たものを考える
きっかけだけでなく、経験を通してプラスになったと感じる出来事について考えることも重要です。
日本では見られない習慣、文化の違い、人との交流、海外ならではのハプニングなど留学中に体験した出来事をできる限り細かく思い出してください。
そして、その経験から得たものや成長した部分などを考え、強みとしてアピールすべきポイントをまとめるようにしましょう。
うまく整理して伝えられれば、国内に限らずどんな環境であっても対応して成長できるといったアピールにつながるはずです。
留学で何をしたかを考える
留学先で学んだことをしっかりと伝えるには、どんな行動をしてきたのかを浮き彫りにさせることです。
自分の行動を一度整理し、経験したことや目の当たりにした問題に対してどのような対策をしたかなどを洗い出してください。
留学中の経験が、自分の何を成長させたのかといった部分を明確にできると、言葉に説得力が増すでしょう。
海外らしいエピソードを絡めることができるとよりインパクトを残しやすく、魅力のあるアピールへとつながります。
志望企業の求めるものを考える
企業は、自社にマッチする人材を採用したいと考えています。
そのため、今まで培ってきたものが企業にとってプラスになる理由を述べましょう。
また。志望する企業が求めているものに寄り添ったアピールをすることも大切です。
企業が求めている人物像を知るには、徹底した企業研究が欠かせません。
また、志望する企業の説明会に参加し、実際に働いている人の生の声を聞くことも非常に効果的です。
志望する企業の求めるものをしっかりと理解したうえで、自己PRの作成を進めていきましょう。
留学で得たものをどのように活かせるかを考える
企業が求めるものを理解した後は、今までの経験から得たスキルや成長した部分を整理し、志望する企業で活かせそうなものをピックアップしてください。
たとえば、営業職のように人と接する機会の多い仕事を希望しているのであれば、海外で磨かれたコミュニケーション力や語学力などが活きてきます。
自分が持っているスキルを企業の貢献につなげるためにはどうすべきかを考えつつ、採用担当者の心に残る文章を作るのがコツと言えます。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験でアピールできる強み
次に、アピールすると良い評価につながりやすい能力について解説します。
企業によって求める人材はさまざまですが、留学で身についたことや成長した能力というのは必ず自分の強みとして将来に活かせるものがあるはずです。
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
コミュニケーション力
ビジネスにおけるコミュニケーション力は、誰とでも話ができるだけでなく、相手の意図をきちんと理解し、円滑に意思疎通ができる力も重要です。
組織の中で人間関係を築くことは、語学力だけでなくコミュニケーション力もなければ難しいと言えるでしょう。
この力は、仕事を円滑に進めるうえでも非常に大きな強みとなります。
慣れない土地でもコミュニケーション力を活かすことで成長につながったという経験があれば、ぜひ積極的にアピールしてください。
適応力
海外では、日本で当たり前にしていることが通用しないということも少なくありません。
慣れない環境で生活をする中では、解決に困るような問題も多かったのではないでしょうか。
しかし、自分が置かれている状況を把握し、その環境にいち早く適応する能力というのは、仕事において非常に重要な能力のひとつと言えます。
目標達成のために逃げずに立ち向かった、新しい場所に慣れるために現地の風習を学んだなど、どんな環境にも適応して行動することができるという点をアピールしましょう。
行動力
「周囲に留学した人が多いから自分も留学した」といったことがきっかけだとしても、実際に留学を決めて目標や計画を立てたのは自分自身です。
その行動力や積極的な姿勢というのも、十分にアピールできる強みと言えるでしょう。
うまくいかないときでも自ら工夫して行動したことのエピソードを添えることで、説得力のあるアピールになります。
どうすれば今よりさらに良い環境になるのかを自主的に考えて動く力というのは、社会人の必須スキルとも言えるので、自身の行動力もアピールすべき点のひとつとして挙げられるでしょう。
課題解決力
留学先では、慣れないことが多い中でも毎日勉強をしなければなりません。
また、習慣の異なる生活に慣れる必要もあり、場合によっては予期せぬトラブルに見舞われることもあるでしょう。
しかし、慣れない環境であっても課題を明確にし、解決に導くまでの努力は課題解決力に長けている証拠とも言えます。
1つのトラブルもなく終えられる仕事というのはほとんどありません。
いかなるときであっても冷静に課題を分析し、解決や成果に導くことができる力というのも大きな強みとなります。
語学力
語学力を上げるには、その土地の言葉に触れることが大切です。
留学先の言語を使用することで、自然と語学力が上がっている人は多いですが、持っている強みが語学力だけでは少々物足りないと言えます。
語学力をアピールするには、「TOEIC○点取得」「英検○級取得」などの情報を伝えるのはもちろん重要です。
そこに加え、身についた力をどのように企業で活かすことができるのかをアピールすると高評価につながります。
また、ほかにアピールできる強みも一緒に述べるとより良い自己PRとなるでしょう。
忍耐力
就職活動において留学経験を自己PRで使う際、特に強調できるのは忍耐力のあることを示すことです。
新しい環境で挫けずに学び続けた経験は、忍耐力や適応力の高さを示します。
ただし、重要なのは単に我慢したという話をするのではなく、どのように挫けずにいられたのか、具体的な課題をどのように乗り越えたのかといった理由を詳しく語ることです。
これにより、単なる耐久力だけでなく、問題解決能力や前向きな姿勢、状況を分析し対応する能力など、より多面的な強みをアピールすることができます。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験を自己PRにするときの注意点
何事も良い点・悪い点の両方を理解しなければ、魅力的なものは生まれません。
自己PRも同じで、アピールポイントだけでなく注意点も把握しておきましょう。
ここからは、他者との差別化の方法や、留学していても評価されないことなどを含めた3つの注意点について解説します。
語学力や留学経験のみでは差別化ができない
最近は、留学に行く人が増えてきているため、留学した経験そのものや日本語以外の言葉を話せるというだけでは良い評価はもらえません。
企業は、単に「留学経験のある人に来てほしい」と思っているわけではないからです。
留学して得た能力を活かし、企業に貢献してくれる人材を求めているところがほとんどでしょう。
先述したように、語学力そのものをアピールしたい場合には、強みとなる要素をプラスアルファで添えることが必要になります。
具体的にどんな成長を遂げたのか、自分なりの言葉でしっかりと伝えてください。
留学期間が短いと評価されない
留学の経験があっても、半年以内などの期間が短い場合は評価されないケースが多いです。
めったに体験できないような貴重な経験をしていたとすれば評価されるかもしれませんが、短期間の留学の場合、基本的に避けた方が良いと言えるでしょう。
また、短期間海外に滞在した経験を、さも留学した経験としてアピールしてしまうことにも注意してください。
この場合、そもそも留学の目的などを理解していないという印象を与えかねません。
もちろん、半年以上の留学であれば問題はないため積極的にアピールしてください。
中身がないと自己PRにならない
自己PRは、いかに説得力のある内容であるかが重要です。
手応えがない、収穫がないと感じるような留学生活の場合は、自己PRの題材にしてもあまり意味がありません。
何を学ぶために行ったのか、どんな学びや成長があったのかなど、目的や成果をしっかりと伝えましょう。
また、留学先での生活をただ話すだけでは、自己PRではなく海外での出来事を話しているだけという印象になってしまう可能性があるので、伝える内容に注意してください。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRの書き方‐構成
前提として、留学経験を用いて自己PRを作成する前にそもそも自己PRの文章構成をしっかりとマスターしておくことが重要です。
面接等の限られた時間でも自分のことを最大限アピールできるように自己PRの文章構成の要点は抑えておくようにしましょう。
以下に自己PRの文章構成で重要な点を解説しているので参考にしてみてください。
結論
まず、自分のPRポイントを明確に伝えることが重要です。
自己PRの目的は、自分の強みを一言で端的に伝え、相手に強く印象づけることにあります。
そのため、自己PRは結論から始め、要点を端的に示すことが求められます。
たとえば、「私の強みは異文化環境での柔軟な適応力です」や「私の強みは積極的な行動力と問題解決能力です」など、要点を最初に示すことで、その後に続くエピソードや証拠をスムーズに理解してもらえます。
また、結論から述べることで、読み手もスムーズに内容を把握でき、最初から意図が伝わりやすくなります。
このように「結論ファースト」で伝えることは、ビジネスにおいても重要なスキルであり、相手の理解を深め、印象に残る自己PRの基本です。
発揮したエピソードの概要
自己PRを強調するためには、具体的にどのような場面でその強みが発揮されたのかを説明する必要があります。
ここでは、エピソードを通じて強みをどのように実証できるかが重要です。
たとえば、「1年間の海外留学中に文化の違いからくるギャップに挑戦した経験」や、「言葉の壁がある中で現地の人と信頼関係を築き上げた経験」など、具体的な出来事の概要を述べます。
このようなエピソードを含めることで、単なる抽象的な「適応力」や「積極性」ではなく、「どのようにその強みを実行に移したか」が伝わります。
また、この部分は読み手にとっても興味深く、あなたが具体的にどういった強みを持っているかを判断しやすくする効果もあります。
課題・状況
強みが発揮された状況の具体的な課題や背景を説明することで、エピソードに深みが生まれ、よりリアルに感じてもらうことができます。
ここでは、「どれほどの困難や挑戦があったのか」を示すことがポイントです。
たとえば、「異文化の環境で、言語や価値観が異なるメンバーとプロジェクトを進める際に、お互いの意見がすれ違い、理解し合うのが困難だった」といった課題を伝えると、読み手にとっても「この人は実際に難しい状況で力を発揮したのだ」と認識しやすくなります。
さらに、状況の説明を通じて、あなたの「人となり」や「状況対応能力」の高さをアピールすることができます。
状況が難しければ難しいほど、あなたの強みが光り、説得力も増すため、「どれだけの困難を乗り越えたのか」を具体的に伝えると良いでしょう。
行動
状況に対して、自分がどのように対処したのかを具体的に説明します。
ここで述べる行動が、他の候補者と差別化するための重要なポイントです。
一般的な対応ではなく、あなたならではの工夫や独自のアプローチを強調しましょう。
たとえば、「異文化の人々と信頼関係を築くため、まず彼らの文化や生活習慣について学び、コミュニケーションの方法を工夫した」や、「プロジェクトメンバーが意見の違いで対立した際、双方の立場に立って冷静に調整役を務め、共通の目標を再確認した」など、独自の行動や対応を具体的に示すことで、あなたの行動力や柔軟性が伝わります。
また、他者と異なるアプローチを示すことで、採用担当者に「この人は問題解決力がある」と印象付けられます。
成果
行動の結果、どのような成果が得られたのかを示すことも重要です。
成果を示す際には、可能であれば数字や具体的なデータを活用することで説得力を高めましょう。
たとえば、「その結果、プロジェクトは予定よりも早く完了し、クラスメートからリーダーシップを評価された」「地元の学生と信頼関係を築くことができ、帰国後も交流が続いている」といった具合に、定量的な成果や周囲からの評価を示すことで、読み手に納得感を与えます。
また、成果は数字や評価だけでなく、あなた自身がその経験を通じて得た学びや成長も含まれます。
「異文化での協働を通じて、今まで気づかなかった自分の新たな適応力を発見できた」といった成長や変化も、採用担当者にとっては評価ポイントになるため、成果の中に含めると良いでしょう。
仕事でどう活かすか
最後に、自己PRの強みが入社後の仕事にどう役立つかを具体的に説明します。
この点を強調することで、あなたが持つスキルが企業の求める能力にマッチしていること、また入社後も活かせる強みがあることを示せます。
たとえば、「異文化環境での課題解決力は、グローバルなプロジェクトをリードする上で貢献できると考えています」「柔軟な適応力と積極性は、新しいチームや職場環境でも即戦力として役立てられると確信しています」と述べることで、企業にとっても「この人材は自社で役立つ可能性が高い」とイメージさせることができます。
さらに、この部分で自分が応募する企業や業界について深く理解していることをアピールするのも効果的です。
たとえば、志望する企業が国際的な事業を展開している場合、「留学経験で得た異文化適応力や多様な視点を活かし、グローバルなビジネスで成果を上げることが目標です」と具体的に述べることで、業務理解と即戦力としての意欲を示すことができます。
【自己PRで留学経験を活かす】留学経験を用いた例文6選
実際に自己PRを考えようと思っても、はじめのうちはどのような流れで構成していけば良いのかわからないという悩みもあるでしょう。
ここからは、コミュニケーション力や行動力などのアピールできる強みを使った例文を紹介していきます。
コミュニケーション力
私の強みは、留学中に培ったコミュニケーション力です。
幼い頃から興味を抱いていた○○の文化への理解を深めたいと思い、大学時代○○に1年間留学し、ホームステイをしながら学校へ通っていました。
当初はまったく異なる文化の中に身を置き生活することに戸惑いましたが、文化を理解するため積極的に話しかけることで交流の輪が広がっていき、最終的には7ヶ国の国の方と交流を深めることができました。
さまざまな国の方と関係を深めることができたのは、私にとって非常に貴重な体験であったのと同時に、人間関係の重要さや人とのつながりの大切さをあらためて実感する良いきっかけだととらえています。
この経験を活かし、周囲と円滑なコミュニケーションを取りながら仕事と向き合い、御社の売上に貢献したいと考えています。
適応力
私は、適応力に自信があります。 海外の芸術文化に興味があり、その中でも特に興味深い○○の芸術に触れたいと思い1年間留学しました。
しかし、留学当時は現地の知識もあまりなく、さらに語学力が高いとも言えなかったため、美術館をめぐることすら困難を極めました。
その際、まず私が考えたのは、何事も恐れず現地の環境に早く慣れようということです。
さまざまな情報を集めるべく、芸術文化を取り扱うお店などに足を運んでいるうちに環境に対する戸惑いがなくなり、その土地にいること自体を楽しめるようになりました。
この経験から、慣れない環境の中でも自分の力を発揮することができるんだという自信がつきました。
この適応力を活かし、どんな場面においても恐れずに挑戦して御社に貢献したいと思っています。
行動力
私の強みは、継続する行動力にあります。 留学先の授業では、研究のレポートを毎週提出する必要がありました。
レポート作成のため、毎朝大学の図書館で専門的な知識を取り入れながらレポートを書くことになります。
これに伴い、必要な語学の勉強も行った結果、2ヶ月後には難なく授業についていけるようになりました。
また、毎朝通っていた図書館で声をかけてくれた学生との交流を深めていくうちに、私の人脈が広がったのも貴重な財産としてとらえています。
さまざまな人とコミュニケーションを取ることで、大学の授業だけでは学べないような語学力を身につけることができました。
この経験から、継続した行動を取ることによって、コミュニティの幅を広げたり成長につながったりすることを学びました。
今後も目標に向かってコツコツ続ける努力を大切にし、御社で活躍したいと考えています。
課題解決力
私の強みは、留学を通して学んだ課題解決力です。 ○○に1年間留学していた際、私は学校の寮でほかの学生と共同生活をしていました。
さまざまな国の学生と生活をともにするというのは想像していたよりも大変で、文化の違いから衝突を起こすことも多かったのです。
このままでは勉強に集中できないと考え、寮の雰囲気をより良いものにするためにルールを決めることにしました。
寮生一人ひとりに文化の違いなどを聞き、寮生活をしている学生が納得できるルールを作った結果衝突がなくなり、周囲からも頼ってもらえるような存在になれました。
この経験を活かし、課題に直面した際には諦めずにより良い解決策を見出し、御社の業務に取り組んでいきたいと考えています。
語学力
私の強みは、留学中にスキルアップした語学力です。
祖父が○○出身ということもあり、語学には自信があったため、私は1年間○○に留学していました。
しかし、現地では私の語学力は通用しないということを痛感し、一から勉強をやり直そうと決意したのです。
まず、日常生活で日本語は一切使用しないよう意識し、さまざまな国の留学生ともコミュニケーションを取るようにしました。
その結果、現地の方・他国の方問わず難なくコミュニケーションを取れるレベルまで語学力が上がり、どんな相手にも自信を持って話すことができるようになりました。
御社に入社した暁には、留学で得た語学力とコミュニケーション力を活かし、事業拡大、売上アップなどに貢献できるよう尽力したいと思っています。
忍耐力
私の留学経験は、逆境に直面しても忍耐強く取り組む力を養う貴重な機会でした。
特に、留学中のグループプロジェクトでの体験は印象深いものです。
プロジェクトでは、言語の壁と文化的な違いに直面し、チームメンバーとのコミュニケーションに苦労しました。
彼らからの厳しいフィードバックに直面し、言い返す言葉を見つけられない状況が続きました。
この状況を乗り越えるため、私は英語力の向上に専念し、積極的にホストファミリーや友人との対話を重ねました。
数ヶ月の努力の末、プロジェクトの会議で自分の考えをはっきりと伝え、チームメンバーからの尊敬を勝ち取ることができました。
この経験は、困難な状況でも諦めず、積極的に解決策を探し、実行することの重要性を教えてくれました。
貴社においても、この忍耐力と解決志向の姿勢を持って、どのような課題にも立ち向かい、貴社の目標達成に貢献したいと考えています。
【自己PRで留学経験を活かす】自己PRに困ったらエージェントに頼ろう
自己PRがうまく作れず悩んでしまう際には、就活エージェントに頼ることも大切です。
何も対策をせず、最初から面接で100%の力を発揮できる人はまずいません。
特に自己PRは、自分以外の人に添削してもらうことでよりわかりやすいものになっていくでしょう。
就活エージェントでは、専属のアドバイザーが自己PRの作り方・伝え方などをしっかりとサポートしてくれますので、気になる方はぜひこちらをチェックしてみてください。
まとめ
留学した体験を自己PRに活かすには、まずきっかけや動機を明確にし、そのうえで吸収したことを仕事につなげるにはどうすべきかを考えることが大切です。
ポイントだけでなく、注意点などもしっかりと把握して自分らしい自己PRを作成してみましょう。