はじめに
就職活動の履歴書やエントリーシートに書く自己PR欄で、ほかの学生と差別化を図りたいと考える学生は多いです。
しかし、まじめさ・誠実さが求められる就活書類において、「面白さ」を加えるのは簡単ではありません。
企業に刺さる面白い自己PRを作るためには、どんなポイントを心がければ良いでしょうか。
今回は、面白い自己PRを書くための作り方・注意点について解説します。
他の学生と差をつけたい方は、ぜひ参考になさってください。
【面白い自己PR】面白い自己PRは選考に通りやすいの?
そもそも、面白い自己PRを書くことが選考の通りやすさにつながるのでしょうか。
実は、本当に面白い自己PRを書くことができれば選考に通る可能性が高まります。
もちろん、面白さを狙って失敗するとマイナスのアピールになってしまう可能性がありますが、自信があるなら面白い自己PRで勝負しても良いでしょう。
通る確率が低い人気企業に応募する際に、面白い自己PRで勝負をかける手もあります。
企業の社風などが面白い自己PRを受け入れてくれそうなら、思い切って勝負してみてはいかがでしょうか。
ほかの就活生との差別化につながる
面白い自己PRを書くと選考通過率が高まるのは、ほかの就活生と差別化できるためです。
採用担当者は、何百枚もの履歴書・エントリーシートを読み書類選考をしなければなりません。
残念ながら、すべての書類をじっくり読むことは難しいでしょう。
採用担当者の記憶に残るのは、本当に優秀な方・ユニークな方だけになってしまいます。
採用担当者の記憶に残るような文章を書ければ、選考を通過できる可能性が高まるでしょう。
特に学歴や資格・インターン経験などで勝負できないと感じるなら、自己PRを工夫して少しでも採用担当者に名前や長所を覚えてもらうことが大切です。
自己PRは、志望動機と並び採用担当者の目に留まりやすい項目であり、差別化もしやすいためおすすめです。
明るい印象を与えることができる
ユニークで面白い自己PRにすることは、採用担当者に前向きな印象・明るい印象を与えることにつながります。
もちろん、すべての企業が明るい性格をアピールしてきた学生に好印象を抱くとは限りません。
コンプライアンスを守れる責任感や、顧客と誠実に向き合う誠実さをアピールした方が効果的な場合もあります。
しかし、顧客とコミュニケーションを取る営業職など、多くの職場では明るい性格が活きるでしょう。
また多くの方は、一緒に働くなら孤独を好む性格の方より、明るく話しかけやすい方が良いと考えます。
採用担当者が学生を選ぶ基準は「一緒に働きたいか」とも言われているので、明るい性格と思ってもらえることは内定獲得の可能性を高める助けになるでしょう。
【面白い自己PR】就活における面白い自己PRとは
まずは、就活において面白い自己PRはどのようなものかを考えることが大切です。
当然ながら、お笑い的な意味の「面白さ」が必要というわけではありません。
採用担当者の記憶に残り、この学生の話をもっと聞いてみたいと思わせられるかが勝負です。
そうした面白さを文章で表現するためには、以下3つの特徴に当てはまっているかがポイントになるでしょう。
短い文章でこれらのポイントを満たすのは難しく、しっかり文章を作る練習をしていく必要があります。
表現がユニーク
就活の自己PRで面白さを示す1つの方法が、表現をユニークにすることです。
同じ内容でも、自分の強みを変わった表現法で書くことで面白いと思ってもらえることがあります。
たとえば、自分が粘り強く行動できる人間であることを表現するにはいくつかの書き方が存在します。
「接着剤のように」「X時間ずっと◯◯できるほど」「(粘りが身上のスポーツ選手名)のように」など、粘り強さを表現する言葉はさまざまです。
こうしたユニークな表現を含めることで、自分の長所を相手にイメージしてもらいやすくするのは効果的です。
もちろん、狙いすぎてわかりにくい表現になってしまうのは好ましくありません。
こうした表現を使うときはほかの人に文章を見てもらい、わかりやすいかどうか意見をもらうのがおすすめです。
エピソードが個性的
学生生活の中で個性的なエピソードがある方は、そのエピソードで面白さを示すのが良いでしょう。
仮面浪人や起業などは、経験している学生の割合が非常に少ないエピソードです。
留学など海外経験をアピールする学生も多いですが、現在は海外渡航のハードルが低くなり、決してユニークな経験とまでは言えません。
しかし留学でも、海外で「現地学生と同じアルバイトをした」「財布を落として現地を駆けずり回った」などレアな経験をしていれば、そのことを書いて面白くすることはできます。
こういったエピソードを持っていれば、文章の表現法を工夫しなくても採用担当者の印象に残る可能性が高いです。
むしろこのエピソードを確実に読んでもらえるようにするため、面白い部分がひと目でわかるような文章構成を心がけましょう。
独創的な発想がある
独創的な発想をベースに文章を書けるなら、その能力を活かして自己PRを面白いものにしていきましょう。
自己PRでは、自分の強みを活かしてどのように課題を乗り越えたのか・問題を解決したかを書いていく必要があります。
ほかの人が思いつかないような奇想天外な方法で状況を打破した経験があるなら、その文章は多くの方の印象に残るでしょう。
もちろん、その方法が課題をどのように解決する原動力になったか説得力を持たせる必要があります。
また、「たまたまうまくいっただけで普通は成功しないのでは」と思われてもいけません。
この方法で自己PRを考える場合も、あまりに突拍子すぎる文章になっていないか周りの方にチェックしてもらうことをおすすめします。
【面白い自己PR】面白い自己PRの作り方
続いて、面白い自己PRの作り方を見ていきましょう。
いくら面白い自己PRの内容を考えても、それを正しい日本語の文章で伝えられなければ意味がありません。
また、自分が企業に貢献できる人材であること、入社したい気持ちが強いことなどを示せるように作る必要もあります。
面白い自己PRを考えるよりも、まずは基本的な自己PRの作り方をマスターしてください。
そのうえで、その文章を面白くできるよう自分なりに工夫するのが良いでしょう。
正しい構成を身につける
面白さを重視するあまり、論理的な文章構成が崩れてしまっては意味がありません。
自分が伝えたい内容を、採用担当者に理解してもらえない可能性が高いです。
基本的な自己PRの構成は、結論→エピソード→貢献という流れになります。
最初に結論(「私は◯◯な人間です」「私は入学からずっと◯◯部で頑張ってきました」など)を述べ、その後具体的なエピソードを述べます。
面白さを追求するなら、このエピソードの部分が工夫しやすいでしょう。
最後に、入社後に自分がどのように貢献できるかを述べます。
自分の入社後の姿をイメージしてもらえると、書類選考を突破できる可能性が大きく上がるでしょう。
この文章構成を守ったうえで、その中で面白くできる部分がないか考えてみてください。
印象的なエピソードを探す
面白く書けるエピソードを選ぶ際には、自分の中で特に印象的なエピソードを探してみるのがおすすめです。
自分の思い入れが深いエピソードほど、内容が濃く具体的な文章にしやすくなります。
「目標を達成したときに思わず涙が出た」「多くの人に感謝されて感動した」といった経験があれば、それをアピール材料にできないか考えてみてください。
反対に、自分が面白いと感じたエピソードでも、実際に書いてみるとうまく書けないこともあるでしょう。
自分の記憶に強く残っていないエピソードや、熱を込めて話せないエピソードは、内容自体が面白くても採用するのは困難です。
エピソード自体に面白さ・斬新さがないと考えるなら、表現方法を工夫するといった形で差別化を図りましょう。
面白い自己PRを参考にする
ほかの方の自己PRで面白いと感じたものがあれば、それを参考にするのも良いでしょう。
同じ企業に応募するライバル学生の志望動機を見ることはできませんが、友人と一緒に文章の添削をすることはできます。
また、大学の就職課や就活エージェントに相談すれば、いろいろな自己PRの例を見せてもらえます。
もちろん、すべてをマネする必要はありません。
自分がマネできるエッセンスだけを抽出し、自分のエピソードにうまく応用することが大切です。
また、就職のコツを紹介しているサイトでは、良い自己PRの例文だけでなく悪い例文もたくさん見つかります。
自分がそのような悪い例文と同じ構成になっていないか、また失敗につながる言葉が含まれていないかを確認することも重要です。
仕事に活かせる終わり方にする
自己PRを締めくくる際には、学生時代の経験が未来の職場でどのように活かされるかを具体的に示すことが重要です。
たとえば、「大学で学んだデータ分析のスキルを活かし、貴社のマーケティング戦略の精度を高めることができます」や「学生団体でのリーダーシップ経験を生かして、チームのモチベーションを高め、プロジェクトを成功に導きます」といった形で、具体的なスキルや経験が仕事のどの側面に貢献するかを強調しましょう。
これにより、あなたが単なる学生ではなく、将来的に職場で価値をもたらすことができる人材であることをアピールできます。
キャッチフレーズを考える
キャッチフレーズは、あなたの自己PRを際立たせ、記憶に残りやすくするための効果的な方法です。
キャッチフレーズを作る際には、自分の強みや個性を簡潔かつ魅力的に表現することがポイントです。
例えば、「アイデアの新星」「チームワークのエンジン」など、ポジティブでエネルギッシュなキャッチフレーズが効果的でしょう。
自分だけのエピソードを探す
自己PRを際立たせるためには、あなた独自のエピソードや体験を取り入れることが効果的です。
学生時代に挑戦したこと、特別な経験、困難を乗り越えた話など、他の人にはないユニークなエピソードを企業と共有しましょう。
例えば、「留学中に文化の違いを乗り越えてプロジェクトを成功に導いた経験」や「趣味の写真を通じて観察力を学んだ」といったエピソードは、あなたのパーソナリティやスキルを示す内容となります。
オリジナリティあふれるエピソードは、面接官にあなたの人間性をより深く伝える機会となります。
【面白い自己PR】面白い自己PRを作る際の注意点
続いて、面白い自己PRを作る際の注意点を2つ紹介します。
面白さをうまく表現できれば書類選考の通過の可能性が高まりますが、基本的な注意点を守れていないと逆にマイナス評価になってしまうでしょう。
自分の文章が、採用担当者から見てビジネスシーンにふさわしいものかを確認してもらうには、プロの就活エージェントなどにアドバイスをもらうのがおすすめです。
作った文章をプロ目線で添削してもらい、より洗練された文章にしていきましょう。
笑える=面白い自己PRではない
企業は面白い方を求めているわけではなく、企業の利益に貢献できる方を求めています。
そのため、自己PRで笑いを取りに行く必要はありません。
自分の魅力を伝えられる内容であれば、読んでいて面白いと思える文章でなくても特に問題はないのです。
特に、自分のアピールポイントを責任感や誠実さにあると考えている方は、面白い文章を考えるよりも文章からもその長所が伝わることを意識しましょう。
逆に、自分が明るいキャラクターである、ユニークな思考ができることを売りにする場合でも、まずはビジネスシーンにふさわしい文章を心がける必要があります。
ユーモアを交える場合でも、敬語や丁寧語を使う・自己PRの趣旨に沿った内容を書くといった基本を外すべきではありません。
面白さだけを追求しない
面白い文章を作ろうとするあまり、文章構成がめちゃくちゃになってしまったり、要点がどこになるかわかりにくくなったりする文章にならないようにしてください。
特に、文の中盤部分にあるエピソードで面白さを出そうとすると、最初に書いたインパクトのある結論部分の印象が薄くなってしまう可能性があります。
自己PRで採用担当者に知ってもらうべきは、最初に書く結論部分です。
採用担当者目線で「自己PRで面白いダジャレを使って説明していた学生」「単に面白かった学生」という印象になっては、あまり良いアピールができたとは言えないでしょう。
もちろん結論部分がしっかりしていれば、自分の長所をしっかり伝えたうえで面白い文章が書ける学生というアピールもできます。
【面白い自己PR】面白い自己PRの例文
次に、面白い自己PRの例文を3パターン見ていきましょう。
「ユニークな表現を用いた例文」「エピソードに独自性がある例文」「独創的な発想がある例文」の3パターンを紹介します。
以下の文章は、少々個性的な文章ではありますが、決して突飛な文章というわけではありません。
ビジネスで頑張りたいというまじめな熱意も、しっかり伝わるように作られています。
面白い文章を作りたいと考える場合でも、これぐらいの変化に留め、基本的な文章構成を守る方が良いと考えてください。
ユニークな表現を用いた例文
ゼミでは定期的にディベート大会が開かれており、私はそこで優勝するためにどうすれば良いか、1年生のときから試行錯誤してきました。
論理的思考力を鍛えることが大切だと考えた結果、私が取り組んだのは、書籍やWebで得た情報のインプット・アウトプットを繰り返し練習することです。
継続して取り組んだ結果、何度か優勝することができ、また最近のディベートでは議長など重要な役割を任せられることが増えてきました。
社会人になってからも、私はコンピュータのように冷静に物事を分析し、業務における課題を発見したり解決策を見出したりすることで貴社の売上アップに貢献していきます。
エピソードに独自性がある例文
私の強みが行動力だと考えたのは、3年生の夏に◯◯というWebサービスを展開する会社を起業した経験からきています。
起業当初はそれなりに手ごたえがあったのですが、1ヶ月ほどしたときに資金繰りの課題が浮き彫りになってきました。
そこで私は一緒に起業した友人と一緒に資金繰りの対策に積極的に乗り出すことになります。
各所からさまざまな援助を受けることで、赤字を出すことなく事業を継続させることができました。
私はこの経験から、課題を発見したときにすぐ行動すること・諦めず最後まで取り組むことの大切さを学びました。
貴社に入社後も。組織全体の目標が達成できるまで諦めず行動し続け、貴社の売上アップに貢献したいと思います。
独創的な発想がある例文
このような力を身につけられたのは、幼いころから学んできた柔道にあります。
先生から口酸っぱく「守破離の精神を忘れるな」と指導されてきました。
私は、今でも新しいことを学ぶときにこの「守破離」の行動指針を意識しており、長期的な視野で物事を考えるようにしてきました。
この考え方をすると、苦難や壁に衝突するのは必然であり、最終的な目標達成に欠かせないものと思えるようになります。
苦しい時期でもその先の成功を見据えて行動できるおかげで、私はTOEICの模擬試験のスコアが伸びないときも勉強を粘り強く続けることができ、最終的に800点を取ることができました。
貴社に入社後も、高い視座で物事を解釈し、長期的かつ継続的な利益貢献をすることで貴社の役に立つ人間になろうと考えています。
キャッチフレーズを用いた例文
サークル活動において、異なるバックグラウンドを持つメンバーを一つにまとめ、複数のイベントを成功に導いた経験があります。
特に、学内の文化祭で企画したチャリティーイベントでは、チームの意見をまとめ、効果的な計画を立てました。
結果大勢の来場者を集め、目標額である100万円の寄付金を集めることができました。
このような経験から、私はどんな環境でも人々をまとめ、目標に向かって導くことができると自負しています。
貴社のプロジェクトチームにおいても、私のこのコミュニケーション能力を活かし、チームの成功に貢献したいと考えています。
【面白い自己PR】ベンチャー企業にも面白い自己PRは刺さる
ベンチャー企業は、社員一人ひとりの裁量権が一般企業よりも大きい傾向にあります。
そのため、課題に直面する場面や、自分自身が成長しなければ壁を乗り越えられない場面が多いです。
このような背景から、面白い自己PRでアピールできる明るさやポジティブな性格が評価される可能性が大いにあります。
ベンチャー企業を志望する方は、自分がポジティブで能動的に行動できる人間であること、ユニークな視点を持って行動できることを示すため面白い自己PRを考えてみるのも良いでしょう。
まとめ
企業に刺さる面白い自己PRを考えるのは簡単ではありませんが、うまく文章を組み立てられ得れば書類選考突破率が大きく向上します。
また、自己PRについて深掘りして考えることは自己分析の精度を高めるのにも役立つでしょう。
面白い自己PRを考えるときに自分の長所をより明確にできれば、本番の面接でも説明しやすくなります。
人気企業から内定を得るためにほかの学生と差別化したいなら、ぜひ自分の文章をいろいろと工夫してみてください。