自己PRで入試の経験をアピールしていいの?ベンチャーの自己PRの考え方を解説

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・自己PRで入試はダメ
・自己PRで見ているポイント
・自己PRが思い浮かばない場合

この記事をおすすめしたい人

・自己PRで入試を利用したい人
・自己PRで悩んでいる人
・自己PRが思い浮かばない人

はじめに

自己PRを書く際、大学時代を振り返ってもなかなかこれといった経験が思い当たらないことから「これまでで一番頑張った経験でもあり、成功体験でもある入試について書いてみたらどうだろうか」と考えたことがある方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、入試の経験について書くことが自己PRにおいてどう評価されるのかということと合わせて、「自己PRをどう書いたらいいのか」についての基本となる考え方を解説していきます。

【入試で自己PR】自己PRで入試を用いるのはNG

まず結論から述べてしまうと、入試の経験を自己PRに書くことによって高評価を獲得できるということはありません。

この結論に対して「でも自分にとっては一番努力した経験だからそれでも書きたい」と反論したいと感じている方もいるかもしれません。

そんな方のためにもまず、以下で「なぜ入試の経験が自己PRにおいてNGになってしまうのか」について具体的な理由を説明していきます。

「自己PRでは何を見られているのか」を理解する入り口にもなっていますので、ぜひ最後までお読みください。

入試は全員が経験していることであるため

たしかに、大学入試が自身のこれまでの人生において、最も熱量と時間をかけて取り組んだことだという方がいらっしゃるのは事実です。

その「頑張り」と実際に成果として勝ち取った学歴を、まずは評価してほしいという思いを持っている方もいるかもしれません。

しかし、就職活動をしている大学生の全員が、必ず入試を経験しているということを忘れてはいけません。

また、その努力の成果は「学歴」の欄で評価できてしまうため、あらためて自己PRで強調しても、他の就活生との差別化が図れず埋もれてしまうことになります。

オリジナリティが重要視される自己PRにおいて、入試に向けて頑張ったという経験はあまり評価されないと言っていいでしょう。

思考の過程を表現できないため

入試という課題は「大学合格」という目標設定が簡単にできてしまううえ、そこに至るプロセスもある程度決まっています。

たしかに、すでにある程度決まった作業を実行する力があることは、学歴などから見てとれる場合もあります。

しかし、採用の際に重要視される「どのように自身で目標を設定し、問題解決方法を考え実行してきたか」という思考プロセスを見ることができないという点も、入試の経験が自己PRに書くのに適さない題材と言える理由の一つです。

企業で働くということは、決まった作業を忠実にこなすという能力だけではなく、未知の問題が出てきたときにどのように考えて対処するかという側面も大きくあり、「どのように考えるか」の部分が採用の際に重視されることを覚えておきましょう。

【入試で自己PR】自己PRは印象が強い経験でなくても大丈夫

いくら自分にとって入試の経験が印象の強い経験であっても、以上のように企業にとってはPRとしてとくに価値を感じてもらえないというのが現実です。

場合によっては「入試後の学生生活では目的意識をまったく持たずに過ごしてきたのだろう」という評価を受けることもあります。

それよりは、例えばアルバイトやサークルの中でどんな経験をしたか、どんな風に考えて起きた問題をクリアしてきたか、自身の活動の中でどのような目標を立ててそれに向けてどんな努力をしたのかなど、日常の中での経験についてアピールする方が効果的なPRとなります。

自身が伝えたいことや評価してほしいと思っていることに執着せず、決して劇的な経験でなくても構わないので、企業側に立ったときに「どう思われるのか」という視点を持ってPRを考えていきましょう。

【入試で自己PR】ベンチャーが自己PRで見ている項目

自己PRに入試の経験を書くのは避けるべきであることを、ここまで読んでいただいたことでご理解いただけたと思います。

では次に、実際に企業はどんなことに着目してPRを見ているのかという角度から、自己PRに書くべき内容を考えていきましょう。

自身が伝えたいことだけではなく、何を聞きたいと思っているのかを知ることは非常に大切なステップです。

本記事では、とくにベンチャー企業に見られる傾向について解説していきます。

企業へどう貢献できるか

企業としては、企業により貢献してくれる人材を採用したいというのが本音です。

あなたがどういった長所を持っているかももちろん大事ですが、その長所を活かすことでどのように企業に貢献できると考えているのかが重要視されます。

とくにベンチャー企業は、大企業に比べて研修や教育制度がまだ十分に整っていないケースも多くあり、即戦力になりそうな人材かどうかという点に重きを置いて採用活動を行う傾向にあります。

また、間違っても「自分の長所を書く」ということに囚われすぎて、仕事の内容に関係ない長所を書いてしまわないように気をつけましょう。

読んだ人が入社後にどんな働き方をしてくれるのかを、想像できるようなPRを考えるのが大切です。

人柄

「実際に一緒に仕事をしていく人を選ぶ」のが採用活動であるため、やはり人柄は日本の企業において重視される項目の一つとなっています。

しかし、実際に人柄を測る直接的な機会は少ないため、自己PRなどさまざまな項目から、採用者はあなたの人柄を探ろうとしています。

どういったことをPRしているのか、どのような活動をしてきたのか、どのような考え方をするのかなどいろいろな角度から分析されることになりますので、書いたあとには必ず読み返して「読んだ人はどのような印象を持つか」という部分を意識してブラッシュアップするようにしましょう。

注意すべきこととしては、人柄を重視するのは特定の価値基準で善悪を測るという意味ではなく、その企業のカラーに合っているかという意味であることを押さえておきましょう。

価値観

あなたがどのような価値観をもとに物事を考え、結論を導き出しているのかという部分を企業はよく見ています。

企業の理念や方針などと、この価値観がミスマッチを起こした状態で入社してしまうと、どうしても早期退職などのリスクが高くなってしまいますし、被採用者もモチベーションが高い状態を維持して働くのが難しくなってしまいます。

とくにベンチャー企業は、小さいチームで効率的に仕事の効果を上げていく必要があるため、すべての業務の根本となる価値観が企業理念に共感できるものであるかどうかという部分は非常に大切にされるのです。

あなたがどのような長所を自覚していて、またそれを活かしてどのように貢献ができると考えているのかという部分には、非常に色濃く自身の価値観が反映されます。

【入試で自己PR】ベンチャーに高評価の自己PRを考えるステップ

ここまでは、企業側がどのようなところに着目しているのかを解説してきました。

あらためて、なぜ入試の経験について書くことが自己PRにおいてはNGなのかについて、納得していただけたのではないでしょうか。

それを踏まえたうえで、今度はどのような段階を踏んで自己PRを考えていくのかを解説してきます。

ステップは大きく分けて3ステップあり、各段階でどんな作業をしてくのかにも触れていきますので、まずはこの記事を参考にしながら一度書いてみてください。

企業が求める人材を調べる

最初に、企業がどんな人材を求めているのかを知りましょう。

当然のことですが、自身が就職を希望する企業や業界を選ぶのと同じように、企業側もそれぞれの「欲しい人材像」に従って採用活動を行っています。

とくにベンチャー企業は、その企業ごとに求める人材が異なることが多く、それ自体がその企業の個性となっている場合もあります。

自身の長所をアピールする際も、一方的な発信ではなく、企業の求める人材像に当てはまるような形を意識しなければなりません。

就職を希望する企業が公開しているHPや求人用のページを利用したり、インターンや説明会に参加したり、場合によってはOB・OG訪問などを通じて企業研究をしっかりと行いましょう。

自分の長所を考える

どんな人材を求めているのかが調査できたら、今度はその人材像に自分がどう当てはまるのかを考えていきます。

自身がこれまで経験してきたことを振り返りながら自己分析を進め、自分の中から企業が求める人物像に近いと解釈できる「長所」を探してくるのが大切です。

この場合、その企業が必要としていない要素を長所として書いても、自己PRとしては意味のないものになってしまいます。

また当然ですが、自分の中にはない虚偽の長所をPRするのもおすすめできません。

多くの面接を行っている面接官には、嘘が見抜かれてしまう可能性が非常に高いです。

あくまで、自分と求められている人物像の共通点の中から、長所としてアピールできることを見つけ出しましょう。

長所と結びつく経験を考える

自身の長所を見つけることができたら、今度は実際に経験してきたことの中から、その長所と結びついたエピソードを探していきます。

その長所を活かして取り組んだことや、具体的に自身の長所が役に立った例をアピールすることによって、企業に入った際にもそれがどう活きてくるのかを採用者側がイメージすることができます。

仕事に関係ない長所を書いても意味がないと前項にも書きましたが、経験談に関してもその長所との結びつきが弱かったり、それが仕事に置き換わったときにどう企業への貢献につながるのかが見えなかったりすると、PRとしては良いものになりません。

企業研究の段階で理解した求める人材像と、実際に仕事をするようになってからのビジョンと、この長所と経験談がしっかり結びつくように意識しましょう。

【入試で自己PR】自己PRが思いつかないときの対処法

自己PRでやってはいけないこと、どういう部分が見られているのか、そしてどのように考えていけばいいかなど、ここまでは理解できたけれどもいざ書こうとすると、やはり書くべき自分の長所が思いつかないということも実際にはあるでしょう。

ここからはそんなときに、どうやって長所を見つけていくのかという点に焦点を当てて解説してきます。

就活の一番基本になるのは、やはり自己分析です。

さまざまな角度から自分を見つめ直し、まだ見えていなかった部分の中から長所を見つけ出しましょう。

好きなことから探す

あなたが好きで、普段から当たり前にやっていることを振り返ってみましょう。

趣味や好きなことというのは、やっている本人にとってはストレスが低いため、自分の中では当たり前として見過ごしていることでも、客観的に見ると「あなただからできていること」だったということも多くあります。

「筋トレ」や「映画鑑賞」など些細なことでも構いませんので、書き出してみることから始めて深掘りしていくと、自分の長所が見えてきます。

筋トレが好きな場合ですと「目標に向かって自己管理と計画的な努力することができる」という長所に変換することができるかもしれません。

そのときそのときの身体の状況を分析し、適切な問題解決プロセスを組むことができると考えれば、それは広く仕事に活きるスキルと言えるでしょう。

さらに、体力的な強さは実際に足を使って営業をするような職種であれば、アピールポイントとして直接的に活かすことができるでしょう。

周りの人に聞いてみる

自分自身からは見えていないような長所も、友人や家族など周りの人に聞いてみることで、浮き彫りになってくることがあります。

その中でもらった意見に対しては謙遜せずに受け取り、自分の長所であると仮定して自己分析に反映させてみましょう。

ときには自分で「短所」として認識していた個性を、周囲の人たちは長所であると捉えていることもよくあることです。

普段はなかなか「自分の長所を教えて」という会話をすることは少ないため、どう切り出していいか分からないという方もいるかもしれません。

そういうときは「就活に向けた自己分析のために、あなたから見た自分の長所を教えてほしい」とストレートにお願いしてみることをおすすめします。

過去の体験から考える

いきなり「長所」に直結するようなエピソードを探すのではなく、自分の人生を振り返りながら良かったことも悪かったことも思い出せる限り書き出してみましょう。

自己分析をするときは、記憶にフィルターをかけて書き出す作業となります。

その中で、他人から褒められたことや継続して頑張ったこと、誰かから感謝されたことなどをピックアップしていき、積極性や自主性があるという形にまとめられそうなものはないを考えていきます。

学生時代の部活や研究室での苦労などの経験から、自分の感情が動いた瞬間から出てくる長所やそれにまつわるエピソードは、あなたの人柄や価値観も滲み出るような内容なるはずです。

ここで気をつけなければいけないのは、入試の経験や指示に対する従順さのような、消極的な印象を与えるようなものはやはり避けるようにするということです。

まとめ

入試の経験を自己PRに使うことが悪手であるということが、ここまで読んでいただいた方にはお分かりいただけたのではないでしょうか。

自己分析をして長所を探していく作業は、自身が志望する業界を選ぶ際や、適正を測るような場面にも直接的に活きてくるものです。

まずはさまざまな角度から自分自身を見つめ直し研究をして、企業に対して訴求力のある自己PRを書けるように取り組んでいきましょう。

その中で自分の長所の探し方が分からなくなったら、またこの記事に立ち戻って参考にしながら考えてみてください。

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