はじめに
自己PRは企業に対する名刺のようなものであり、就活において切り離すことができない重要な項目です。
言葉1つで相手に与える印象はガラッと変わるため、言葉の使い方や言い回しには十分注意しなければなりません。
この記事では、どう締めれば良いのか、意外にも迷ってしまいがちな締めの言葉について解説しています。
採用担当者の心にグッとくる自己PRを作成できるように、これからご紹介するポイントや注意点などを参考にしながら考えていきましょう。
【自己PRの締めの言葉】自己PRの締めはなぜ重要なのか
締めの言葉は単なる言葉の響きや飾りではなく、自己PRで述べる中身をより一層引き立てるための重要な役割を果たします。
「採用後に自分はこんな活躍ができる」「自分の強みはこれだ」というアピールを印象的にするためにも役立ちますし、志望した企業への入社意欲をより強調できるかどうかも締めの言葉が関連しています。
2つの重要なポイントをそれぞれ詳しくご紹介しますので、締めの言葉がなぜ大切なのかをまずは理解しましょう。
印象に残りやすいから
自己PR内容が同じであっても、締めの言葉次第で印象が左右されることもあります。
たとえば、キッパリと言いきる言葉で終わるのと曖昧な言葉で濁すのとでは、まったく印象が異なります。
前者は自信があるように見え、後者は説得力がないように感じるのではないでしょうか。
もちろん、締めの言葉が自己PRのすべてではありません。
しかし、自分の強みに対して自信を持っていることをアピールするには、最適の場所である締めの言葉で印象が良くも悪くも変わってしまう可能性は十分にあると言えます。
また、話の中で一番印象に残りやすい部分は最初と最後です。
入り方が良くても終わり方次第では内容がかすんでしまう可能性があるため、最後はしっかりと言いきるようにすることが求められるでしょう。
入社意欲を示せるから
「自分はこういう人です」というアピールをすることは大事ですが、それでは自己PRでなく自己紹介になってしまうので、企業からは評価してもらえません。
しかし、締めの言葉に入社意欲を添えることによって、志望する企業への熱意を伝えられるようになります。
自分の強みをその企業でどう活かすのか、そしてその強みを活かしてどのように貢献することができるのかを伝えることで、企業や業務への理解度の高さだけでなく、志望企業でなければならないという熱意のアピールにもつながるでしょう。
締めの言葉は文章をまとめる役目だけでなく、入社意欲を強調するには非常に適した部分と言えます。
企業に対して自分の熱意をしっかりと伝えるためには、最後の言葉まで気を抜かずに練ることが大切です。
【自己PRの締めの言葉】企業は自己PRで学生の何を見ているのか
評価される自己PRに近づくためには、企業が自己PRに対し何を求めているのかを理解しておくことが重要です。
相手が知りたがっていることをあらかじめ把握することで、アピールポイントをどのように伝えれば良いのかが自然とわかるってくるでしょう。
企業は、自社で活躍し貢献してくれる人材を常に求めています。
また、社会人として非常に重要な要素である、相手にわかりやすく伝える力があるのかといった部分も見ています。
この2つについて以下で詳しく解説しますので、ぜひこの機会に理解を深めてください。
自社で活躍できる人材か
十人十色という言葉があるように、社風や働き方、業務の種類なども企業によってさまざまです。
極端な例ですが、たとえばプログラミングスキルに長けているのが強みだという人が営業に強い企業に応募しても、持っているスキルを適切に活かすことは難しいでしょう。
このように双方の求めることが一致していないと、企業側としては長く働いてもらえるというイメージを持つことができません。
企業にとっては、求める人物像と合致しているかどうかが非常に重要な要素であるため、入社後に活躍できる人材かどうかを自己PRから判断しています。
企業研究をしっかり行い、企業に対する理解を深めたうえで、入社後にどんな活躍ができるのかという強みをアピールできると良いでしょう。
分かりやすく説明する力があるか
業務をよりスムーズに進めるためには、他者にもわかりやすい言葉を用いて説明する力が必要です。
この説明する力は、社内外問わずコミュニケーションを取ったり、プレゼンテーションや会議などで論理的に伝えることができたりとさまざまな場面で求められるものであり、ビジネスにおける必須スキルと言っても過言ではありません。
そのため、自己PRからも、アピールしたいことをわかりやすく説明する力があるのかを企業は見ているのです。
しっかりと自分の強みや貢献できる部分を伝えることができず、言いたいことがわからないような自己PRでは企業側の興味を惹くことはできないでしょう。
自己PRを作成する際には、どんな言い回しで言えば伝わるのかをまず考えることが大切です。
【自己PRの締めの言葉】自社で活躍している姿をイメージさせることが重要
企業のほとんどは、自社で活躍できる人・成長の見込みがある人を採用したいと考えています。
選考に時間と費用を割く以上、早期退職してしまいそうな印象の人を避けたいと考えるのは当然でしょう。
そのため自己PRでは、企業で活躍する姿をいかにイメージしてもらえるかがカギとなります。
どのように活躍できるかをしっかりと伝えるうえでも、締めの言葉は欠かせません。
自分の強みの活かし方や、貢献するためにはどうしていくかなどを具体的な言葉にして添えてください。
しかし、ここで注意すべきなのは、嘘をついてはいけないということです。
採用されたいという気持ちから過去の経験やスキルなどを盛ったり誇張したりしてしまうと、必ずどこかで話に矛盾が生まれ、あなたに対して不信感を抱いてしまう可能性があります。
また、採用担当者は数えきれないほどの履歴書と向き合ってきているため、嘘をついてもすぐに見抜かれるでしょう。
ありのままの自分を素直に表現しながら、入社後の自身の姿を締めの言葉として述べることが重要です。
【自己PRの締めの言葉】締めのポイント
いざ自己PRを作成しようと思っても、実際にはどんな風に締めを考えれば良いのかわからず、悩んでしまう場合もあるでしょう。
ここからは、締めの言葉を考える際のポイントについて解説します。
主なポイントは、強みを仕事にどう活かすかを伝える、意欲や熱意を伝える、そして言いきりの形で表現することの3つです。
これらのポイントをきちんと頭に入れておくことで伝えるべきことの輪郭がはっきりとし、採用担当者の興味を惹く自己PRへと近づくでしょう。
強みをどう業務に活かすかを伝える
入社後に活躍する姿をイメージしてもらうことが重要とお伝えした通り、まずは企業での強みの活かし方を考えてください。
そのためには、企業研究を徹底的に行ったり説明会で業務についての話を直接聞いたりし、具体的な業務内容を把握することが大切です。
そして、その仕事に対してどんな貢献ができるのか、自分の強みをどこに活かしてどんな成果を出せるのかを伝えるようにしましょう。
「こういうことができます」だけで終わらせるのではなく、自分の強みを活かしたうえで「こうしていきたい」という展望を述べられると評価が高まります。
また、今までの経験や持っているスキルが強みになった過去のエピソードを添え、話に具体性を持たせることも大切なポイントの1つです。
入社意欲・志望度の高さを伝える
強みや今後の活躍をイメージしてもらうのと同じくらい重要なポイントは、その企業でなければならないという熱意を伝えることです。
どの企業でも通用しそうな当たり障りのない言葉ばかりを並べているだけでは、採用担当者に本気度は伝わりません。
どれほど素晴らしいスキルを持っていたとしても、企業や業務に対して熱意がない人を採用するのは厳しいでしょう。
どうしてもこの企業で働きたいという入社意欲をしっかりと述べることで、より好印象な自己PRになります。
また、どう業務に活かすかを具体的な言葉にして説明できると、業務や企業の知識を蓄えているというアピールにもなり、企業への志望度の高さを強調することができます。
締めの言葉では、ぜひ強みに加えて入社意欲の高さも述べるようにしてください。
言い切りの形で終わる
言葉に自信を持たせるためには、きちんと言いきることが大切です。
「〜したいと思います」などと言ってしまうと、言葉が曖昧に聞こえて自信がなさそうな印象を与えてしまうので、使うのは避けてください。
そもそも自分の強みとして挙げている事柄は、今までの経験や事実があるからこそ強みとして活かせると考えた根拠があるはずです。
また、締めの言葉で言いきることができていないと、自己分析がきちんとできていない・自分の気持ちを把握しきれていないといったマイナスの印象にもつながってしまうでしょう。
あやふやな言葉で最後を濁すより、自分の強みにきちんと自信を持っているという姿勢を示す方が魅力的な自己PRになります。
言いきる言葉を使い、自身の決意を見せられるように意識してください。
【自己PRの締めの言葉】締めの言葉のNG例
次は、避けるべき言い方について3つご紹介します。
自信のない言い方や傲慢だと思われてしまう言い方のほか、ありきたりな定形文なども思わず使ってしまいがちですが、これらは使用を避けるべき言い方です。
せっかく良い内容であっても、締めの言葉1つで悪い印象に働いてしまう可能性があります。
効果的なアピールをするためには、使うべきではない言葉についてもあらかじめ理解しておくことが重要でしょう。
3つのNGな言い方について詳しく解説します。
自信の無さが伝わる言い方
この強みをアピールして大丈夫だろうかという不安から、自信のない言い方をしてしまうのはよくあることですが、自己PRではNGな言葉です。
もちろん謙虚な気持ちも、ときには大切でしょう。
しかし、きちんとした根拠や自信があることを示すためには言いきることが大事なので、控えめすぎる言い方はかえって逆効果になってしまいます。
「〜できたらいいなと思います」「できるかわかりませんが〜」「〜できるように頑張ります」などの言葉は、自信のなさを強調してしまうので注意してください。
傲慢だと思われかねない言い方
自信のなさが伝わる言葉とは反対に、誇張した言い方をしすぎてもいけません。
「必ず私が会社を引っ張っていきます」「絶対に実現させてみせます」などといった、謙虚さに欠ける表現は避けてください。
ビジネスでは、実績や根拠のない約束をすることは非常に危険な行為です。
そのため、入社する前から根拠のない言葉を述べても、採用担当者に納得してもらえることはないでしょう。
傲慢に見えてしまう言い方は大げさなアピールだと捉えられ、悪い印象を与えてしまう可能性があるので、慎重に言葉を選ぶ必要があります。
よくある定型文
「この強みを活かして頑張ります」「精一杯これから努力します」などは締めの言葉としてはきれいに聞こえるかもしれませんが、こういったありきたりな言葉は使用しないのが無難です。
定型文をそのまま使ってしまうと、熱意を感じない・魅力がないといった印象を与えてしまう可能性があるからです。
自分の強みをアピールするためには、その企業で活躍してるイメージを持ってもらうことをしっかり意識しながら、できるかぎり自分の言葉で自分の意思を伝えるようにしましょう。
【自己PRの締めの言葉】締めの言葉の例文
ポイントや注意点などを踏まえても、いざ自己PRを考えようと思った際に、言葉が出てこなかったりどんな構成にすれば良いのかわからなかったりするでしょう。
ここからは、実際に例文を2つご紹介します。
締めの言葉で重要なポイントは、意欲を伝えながら実際に働いた際のイメージを持ってもらえるような言葉を選ぶことです。
そして、自信のない言い方や根拠のない言葉の使用は避けます。
自分にしかない強みをアピールするということをあらためて意識しながら、例文を参考に自分なりの自己PRを考えてください。
リーダーシップの例文
アルバイト先ではリーダーを任されており、目標を達成するため店全体の士気を上げることに尽力してきました。
繁忙期になると店の雰囲気が悪くなってしまうことがありましたが、一人ずつに話を聞いて解決すべき問題点を洗い出しました。
そして、共有できるルールを作ったところ、スムーズに業務を遂行することができ、店の雰囲気も改善できたのです。
さまざまな方と共に事業を進めていく必要がある貴社でもこの経験で得たリーダーシップを活かし、いち早く成果を出せるように尽力します。
気配り力の例文
学生時代に被災地でのボランティア活動に参加した際、現場の端で指示を待っているボランティアの方々がいることに気づきました。
そこで私は、人手が必要な箇所を見つけてはボランティアの方にサポートをお願いし、被災地の方々が求めるものが少しでも早く手元に届くように行動しました。
その結果、多くの方から感謝の言葉をいただき、心があたたかくなったという経験があります。
これを活かし、お客様のニーズを引き出して適切な提案をすることが求められる貴社で成果をあげ、満足度の向上に貢献したいと考えています。
【自己PRの締めの言葉】自己PRの作成に自信が無い人はエージェントの利用がおすすめ
どうしても自分で自己PRを作成するのが苦手だという人や、自己PRになりそうなエピソードが思いつかないという人は、ぜひエージェントを利用しましょう。
自己PRに関わらず魅力的な履歴書を作成するには、周囲の人に見てもらってわかりにくい箇所を直したり、何度も読み直したりしてブラッシュアップしていくことが非常に大切です。
就活エージェントでは、ESの作成や企業ごとの面接対策など、内定を獲得するまでの徹底的なサポートを受けることができます。
また、就活につきものであるさまざまな悩みや不安にも寄り添い親身になって対応してくれるうえ、学生が思い描く将来を実現できるようなサポートを目指していますので、就活に不安を抱えている人はぜひこちらをご覧ください。
https://job-commit.com/shinsotsu/
まとめ
自己PRの締めの言葉で、大切なことや注意すべき点についてご紹介しました。
採用担当者の心に響く自己PRというのは、必ずしも締めの言葉だけで決まるわけではありません。
しかし、内容に説得力と自信を持たせる役割を担うものでもあるので、最後の言葉まで気を抜かずにしっかりと考える必要があります。
なぜ自己PRを聞くのかを理解し、これまでにご紹介した重要なポイントをきちんと把握すれば、自分らしさあふれる自己PRを作成できるようになるでしょう。