はじめに
営業職やセールス職を目指して就活をしようかなと考えている学生のなかには、使える「ガクチカ」がないと頭を抱えている人も多いのではないでしょうか。
なかなか思い浮かばず悩んでいるという人も安心してください。
職種にあわせたガクチカを書こうと思い立っただけで、その時点でほかの就活生より一歩リードしているのです。
この記事を読めば、営業職に合ったガクチカを自分の体験談からつくれるはずです。
スゴいエピソードがなくても、興味を持ってもらえるような完璧なガクチカをつくり就活を成功させましょう。
【営業職のガクチカ】ガクチカはスゴくなくていい!
まず「ガクチカ」を書くあたり、周りの就活生や先輩のESを参考にしている方も多いのではないでしょうか。
それらには、スゴいガクチカや派手なエピソードばかりが並んでいてついつい焦ってしまいがちです。
でもガクチカで大切なのは、スゴさではありません。
ガクチカがいくら魅力的であっても、それらと職種に必要な資質がマッチしているとはかぎりらないからです。
周りをあっといるようなガクチカがなくてもまったく問題ありません。
大切なのは「一貫性」と「将来性」
スゴいエピソードが必要ないとなると、ガクチカに大切なのはいったいどういうことなのでしょうか。
それは、ガクチカのエピソードを通して伝えたいことが一貫しているか、ガクチカと自分が目指している将来像がつながっているかということです。
採用担当者はエピソードが真実であり、その経験を通してどう就活生がかわったのか、何を感じたのかという点を重視しています。
さらに、自分のつきたい営業という仕事内容とどのようにリンクしていて、どう活かしたいのかをアピールできるガクチカを準備する必要があります。
このようにガクチカを通して、この就活生はいい人材に成長しそうだなと思ってもらえるように、一貫性と将来性を重視してガクチカを構成していきましょう。
【営業職のガクチカ】ガクチカを魅力的にする4ステップ
ここでは、さっそくガクチカの具体的な書き方を4ステップにわけて紹介します。
まずはわかりやすく結論から述べ、具体的なエピソードを紹介、そしてその経験から感じたことや学んだことに触れたうえで、最終的に将来どのように活かすのかという流れになっています。
そこにはできるだけ失敗したエピソードも含めるのがおすすめです。
なぜなら面接官は、その失敗から就活生が何を学びどのように対処したのかを知りたいと思っているからです。
よって失敗エピソードに関しては、深いところまで細かく聞かれる可能性が高くなります。
嘘はすぐに見抜かれてしまうため、自分の実体験をもとにガクチカを作成することが大切です。
・結論から述べる
まずはガクチカの書き出しは結論から入るのが大切です。
そのエピソードを通して、学んだことや感じたことなどインパクトのある結論にまとめるとよいでしょう。
というのも、面接官は何百人ものエントリーシートに目を通しているため、最初の部分でぐっと興味を持ってもらうことが重要なのです。
エピソードがありふれているものでも、独自の視点で結論を導き出せれば、好印象を与えられるでしょう。
【ガクチカ面接対策】面接で好印象を得るために対策をしよう!
選考の面接において、「ガクチカ」は頻出質問であり、
ここで好印象を得られるかどうかが通過率を動かすキーポイントと言えます。
ESのガクチカをただ読むのではなく、面接用にガクチカを作りましょう!
またこのツールでは深掘り質問への対策もできるため、
面接力を大きく向上させることができます。
私が学生時代に力を入れたのは飲食店でのアルバイトです。
働く店舗は売上の伸び悩みを問題としていたという理由で自分にできる売上向上施策をするという目標を掲げ、取り組みました。
飲食店でのアルバイトに取り組む中で、中々売上が向上せず、プレシャーのみが積み重なってしまうという困難にぶつかりました。
それに対して、先輩や上司に積極的に相談をするという行動を取ることでアドバイスをもとに施策を考え、売上を1.5倍に伸ばすという結果につながりました。
この経験を通して周囲とコミュニケーションを取ることと積極的に動くことの大切さということを学び、貴社に入社後は経験で得たことを活かして活躍していきたいと考えています。
・具体的なエピソードを述べる
結論を述べたあとには、実際の具体的なエピソードや状況の説明をします。
真実であることがわかるように、必要な情報を丁寧に書き込むことが必要です。
ここでは成功したことばかりだけでなく、失敗してしまったエピソードも積極的に取り入れることで、よりエピソードに深みが増します。
状況→課題→解決策を論理的・さらに客観的に説明できるようにしましょう。
・経験から学んだことを述べる
状況を一通り説明したら、一番の肝ともいる経験から学んだことについて述べます。
その状況に対して、どのようなアプローチで問題解決に取り組んだのか、そこでどんなことを感じたのか、またそれらの出来事にどういった影響を受けたのかに関して説明しましょう。
自分が感じたことを素直に言葉にすることで、例文によくあるありきたりなものでなく、個性あるものに仕上げられます。
その出来事のことを、もう一度よく思い出して整理してみることが大切です。
・学んだことがどう将来に活かせるかを述べる
最後に、その出来事を通して学んだことがどのように企業で活かせるのかを説明します。
採用担当者は、何よりも就活生が自社の希望する人材であるか、その職種に合った素質を持った人材であるかを見極めようとしています。
そのためその学んだことが希望の職種に活かせることは、大きな説得力につながります。
営業職を希望している場合は、その学びをどのように営業として活かすのかまで踏み込んで語りましょう。
そうすることで、営業部門の即戦力となることがアピールできるうえ、経験を将来に活かす伸びしろのある人間だというアピールにもつながるのです。
【営業職のガクチカ】「営業職」を理解しよう!
上記のガクチカの具体的な書き方において、学んだことがどのように営業職に活かせるのかを述べることが大切であると説明しました。
しかし営業という職種において、どのような能力や素質が必要なのかわかっていなければ、自分の学んだことを活かせるかどうかもわからないでしょう。
ここではガクチカの内容を選ぶ前に必ず知識を深めておきたい、営業職の内容について解説します。
職種がわかると将来が明確になる
一言で営業職といってもさまざまな種類があり、一括りに考えるのは危険です。
たとえば個人を相手に営業をするのか、法人や企業を相手に営業をするのかでも、その営業方法には大きな差があります。
また取り扱っている商材が有形なのか無形なのか、新規開拓が求められるのかルート営業なのかという違いもあります。
営業職と一括りにして同じようにとらえるのではなく、自分がどんな営業職に就きたいのかを明確にすることが大切です。
エントリーシートを送る企業について、それぞれがどのような営業内容なのかをインターネットやOB・OG訪問を利用し、しっかりと調べてみましょう。
そのうえで企業の営業内容にあわせて、自分の将来性をアピールできそうなガクチカをそれぞれ選ぶのが成功への大きなカギといるでしょう。
「営業職」についての詳しい説明はこちらの記事をご確認ください
営業職全般に求められること
それぞれの営業職によって仕事内容や営業方法が違うため、ここでは一般的に営業職に求められることに絞って解説をします。
大きくわけてコミュニケーション能力、ヒアリング力、提案力の3つがあげられます。
それぞれ3つの能力についてよく理解したうえで、それらの能力を高めることができた経験やエピソードがないか振り返ってみましょう。
コミュニケーション能力
営業という仕事は、いわば会社の顔としてお客様との接点になる仕事です。
だからこそ、人に好かれる人、人とのつながりを大切にできるような人、行動力やユーモアがある人が求められています。
それらの根本となるのがこのコミュニケーション能力です。
話し方はもちろん聞き方や目線、相づち、ジェスチャー、さらにはメールでのフォローなどコミュニケーションをはかる方法は無限にあります。
相手の雰囲気や状況にあわせてこれらを臨機応変に対応させることこそが、高いコミュニケーション能力だといるでしょう。
コミュニケーション能力に自信があり、自己PRやガクチカでのエピソードに盛り込みたいと思っている人はコミュニケーション能力と一括りにして話してしまいがちですが、これらは気をつけたいNG項目の1つでもあります。
どのようなコミュニケーション能力が高いのか、自分なりに得意とするもしくは理想としている、コミュニケーション能力を定義して企業に話すように心がけましょう。
ヒアリング力
すらすらと営業トークをこなすだけでは、営業マンとしてはまだまだ半人前です。というのも最近の営業方法の主流は「インバウンドセールス」という顧客主体の営業方法へと変化しているからです。
このインバウンドセールスという手法は、製品やサービスに興味を持ってくれた顧客に対してアプローチをし、一人ひとりのニーズにあったものを提案します。
ただ一方的に商品を「売り込む」だけではなく、顧客のニーズや要望に共感し、理解することがとても大切です。
要望のほかにも、性格や自分との共通点などを引き出せれば、さらに信頼関係も深まり、より成約しやすくなるのです。
このように話がうまいだけでなく、きちんと相手の話に耳を傾けることも、営業職に欠かせない能力といるでしょう。
提案力
しっかりしたヒアリングは、顧客の状況や要望にあわせた提案にもつながります。
営業ではどんな時も成果が求められており、商談を成功させて契約につなげられるかが最終的な成績になります。
そのためには、顧客のニーズを把握してわかりやすく伝える提案力が欠かせません。
メリットだけでなくデメリットも提示したうえで、客観的・理論的に最善のプランや選択の説明が求められます。
また顧客にあわせて提案方法もかわるなど、工夫が必要とされる能力でもあります。
【営業職のガクチカ】営業職のガクチカの例文3選
最後に、営業職のガクチカの例文として3つのパターンを紹介します。
ガクチカは自分の実体験をもとに書くことが前提ですから、自分のとっておきのものを用意する必要があります。
ここではあくまで構成の参考として利用してください。
コミュニケーション能力×サークル
私の参加しているコーラスサークルでは、下の学年にサークルメンバーがおらず存続の危機がせまっていた。
長年続いてきたサークルをここで終わらせたくない、コーラスの楽しさをさらにたくさんの人と分かち合いたいという思いから、軽音サークルやオーケストラサークル、クラシック同好会など音楽系のほかのサークルと交流会を複数回計画した。
さらに、他大学のコーラスサークルにも連絡を取ったり、認識のない相手のところに自分から飛び込んでいったりというコミュニケーション能力の高さを活かして、さまざまなつながりをつくることに成功した。
交流会だけでなく、合同での演奏イベントも企画し、サークルや大学の垣根を超えた大きな輪をつくることができた。
最終的には、同大学のコーラスサークルの認知度アップにつながり、掛け持ちで活動してくれるサークルメンバーを8人増やすことに成功した。
この経験から学んだ、どんな時も自分の足を動かして行動できる積極性を営業という仕事に活かしたい。
ヒアリング力×アルバイト
家庭教師のアルバイトで、生徒の課題や将来の悩みを丁寧に聞いて授業プランを練ることで成績アップを実現した。
2年間にわたり英語と数学を教えている中学生の生徒がいたが、最初の3ヶ月は思うように成績を伸ばせなかった。
まずはその生徒のわからない点や、疑問点を知るために、勉強している範囲の主要事項をまとめたヒアリングシートを作成した。
そのヒアリングシートをもとに、将来の志望校やテストの具体的な目標点数などを一緒に話しあって定めた。
目標にあわせて学習プランを再構築することで、生徒にも目標や課題が認識でき、学習意欲を引き出すことに成功した。
最終的に成績が平均30点アップし、生徒本人はもちろん両親にも感謝された。
この経験から学んだ、一方的に自分のやり方を押しつけるのではなく、相手の思いをより深く引き出すという大切さを、営業の仕事に活かしていきたい。
提案力×ゼミ
私の参加しているゼミでは商店街の活性化をテーマに経済施策を練り上げた。
経済施策の実行は必要であったが、すべての商店の店主に納得してもらうのは簡単ではなかった。
実際、最初の合同説明会では6割程度の同意しか得られなかった。
そこからは合同説明会に不参加だった商店や、同意をもらえなかった商店を1つずつまわり、その商店にどのような効果が期待できるのかを具体的に明らかにしたうえで提案した。
それぞれの商店の顧客層や営業スタイルを取り入れた提案は、多くの店主から評価してもらえた。
さらに何度も商店街に足を運んでいるうちに、顔を覚えてもらえるようになり、信頼獲得にもつながった。
最終的には9割以上の商店に賛同をもらうことができ、プロジェクトの成功に大きく寄与した。
この経験から学んだ、一人ひとりのニーズにあわせた提案は人の心をも動かせるという経験を営業の仕事に活かし、相手の立場に立った提案を心がけていきたい。
まとめ
今回は営業職のガクチカについて詳しく解説しました。
まずは、営業職に対する知識を深め自分がどのような営業をしたいのか、または自分自身の営業職に対する適正や能力を見つめなおすことが大切です。
そのなかで、それらがアピールできるような、自分自身のガクチカを見つけてみましょう。
ありふれているような経験でも、ポイントとコツをおさえて書くことで、自分らしさがしっかりと出せるはずです。
これらを参考にして、採用担当者の目にとまるようなガクチカ作成に励んでみてください。