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・ガクチカとは
・傾聴力について
・傾聴力はガクチカにしても良いか
・ガクチカ作成のコツ
・傾聴力に自信がある人
・ガクチカのエピソードが見つかっていない人
・ガクチカを初めて作る人
・例文を見て作成時に参考にしたい人
はじめに
学生時代の経験を通じて傾聴力を培った自信がある人は、ぜひ就活でアピールしたいと思っていることでしょう。
しかし、どのようにアピールをすれば良いのか、そして自分に本当に傾聴力があると胸を張ってアピールして良いのかなど、様々な悩みがあるはずです。
そこで、今回はまずガクチカの定義について簡単に説明した後に、傾聴力がある人の特徴や、あなたの傾聴力を魅力的にアピールするための方法について詳しく紹介します。
【傾聴力のガクチカ】ガクチカとは?
まず、ガクチカとは学生時代に力を入れたことのことであり、就職活動において志望動機と自己PRの次に聞かれる可能性が高い項目の1つです。
具体的なエピソード、そして自分がどのような課題に取り組み、どのように解決し、結果を達成したのかを示すことが求められます。
部活動やアルバイト、ボランティア活動、研究など様々な経験が対象となりますが、最も重要視されるのは「エピソード」と「どのような工夫をして、どのような能力を得たか」です。
したがって、誰が読んでも理解できるような分かりやすいエピソードを構成し、その場に居なかった企業の採用担当者が情景を思い浮かべられるような説明を心がけましょう。
以下の記事ではガクチカについてさらに詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PRは混同してしまう方が多いため、明確に区別しておく必要があります。
ガクチカは具体的な経験エピソード、そして自分がどのように取り組み、どのように結果を達成したのかを示すものです。
一方、自己PRは過去の経験を例に挙げながら、自分の強みや能力を直接的にアピールすることが目的です。
ガクチカではエピソードが中心となりますが、その経験自体が特別である必要はありません。
大切なのは、経験から得た学びや成長を的確に伝えることです。
一方、自己PRは自分の強みを企業に直接伝えるための場です。
ここでは傾聴力という強みを過去のエピソードで結びつけながら、その能力がどれに発揮されたのかを強調することが求められます。
このように、ガクチカは「エピソードを軸に自分の成長を示す」自己PRは「強みを直接的にアピールする」という違いがあることを覚えておきましょう。
まだ上記の文章を読んだだけでは違いが明確になっていない方は、以下の記事も熟読してみてください。
【傾聴力のガクチカ】傾聴力とは?
この記事を開いてくれている方のほとんどは傾聴力をアピールしたいと思っているでしょう。
しかし、もしかすると、中には「傾聴力」の定義を間違えて覚えている人もいるかもしれないため、簡単に紹介します。
傾聴力とは、相手の話をただ聞くだけでなく、相手の位置や感情を正確に読み取りながら熱心に耳を傾ける力を指します。
日常生活から仕事の現場まで幅広く必要とされるスキルであると言えるでしょう。
特に対人関係が重要な環境では欠かせない能力です。
相手の話を聞く際に自分の意見を挟んだり、先入観で判断したりするのではなく、相手の立場や考えに寄り添う姿勢が、傾聴力であると言えます。
【傾聴力のガクチカ】傾聴力がある人の特徴
続いて、傾聴力がある人の特徴について紹介します。
ガクチカにおいて傾聴力があるとアピールしたいならば、以下の特徴は3つとも当てはまっていなければなりません。
以下の項目があまり当てはまらないという方は今から少しでも近づけるように努力するか、他の能力をアピールした方が良いでしょう。
- 相手の話を最後まで聞ける
- 相手の話に共感できる
- 人に相談されることが多い
相手の話を最後まで聞ける
傾聴力がある人は相手の話を最後まで聞けるという特徴があります。
話の途中で相手を遮ったり、自分の意見を無理に挟み込んだりすることはありません。
話し手は安心して自分の考えや感情を伝えることができ、信頼関係を築きやすいという特徴があります。
話を最後まで聞ける人は内容を正確に理解しようとする姿勢を持ち、相手の言葉の裏に隠れた真意を読み取る能力を惜しみません。
また、相手が話すタイミングに合わせた聞き方を意識して、適切な相槌や視線を通じて関心を示すこともできます。
特にビジネスシーンにおいて、このスキルが情報共有の正確性を高め、誤解や対立を未然に防ぐ役割を果たすでしょう。
相手の話に共感できる
相手の話に共感できるというのも、傾聴力がある人の特徴の1つであると言えます。
傾聴力を持つ人はただ話を聞くだけでなく、相手の立場や感情に寄り添い共感性も兼ね備えています。
話し手の気持ちに寄り添うことで、相手が抱える不安や喜びを理解し、適切な反応を示すことが可能です。
ただ「そうなんですね」と棒読みで返事をするのではなく、相手が「この人は自分の気持ちを理解してくれている」と実感できる反応ができ、相手が「もっと話したい」と思うような反応ができる人こそ、傾聴力があるとアピールして良いでしょう。
人に相談されることが多い
傾聴力がある人は人に相談されることが多いです。
なぜならば話を聞くのが上手いため、話し手は安心して話ができる上に、具体的な解決策を提案してもらえることも多いからです。
これまでの学生生活において、友人に相談されたことが多い方は自信を持って傾聴力があるとアピールしても良いでしょう。
また、人に相談されることが多いとエピソードで話すならば、友人の相談にどのように乗ったのか、どのような姿勢で相手の話を聞き、どのようにして相手の悩みを解決することに貢献したのかなどについて話すことを推奨します。
【傾聴力のガクチカ】傾聴力をガクチカにしていいの?
ここまで傾聴力の定義や傾聴力がある人の特徴について紹介してきましたが、果たしてガクチカの主題にして良い能力なのでしょうか。
結論から言うと、傾聴力はガクチカの主題にして全く問題ありませんし、むしろ就活においてアピールしやすい能力の1つであるため積極的に強調しましょう。
- ベンチャー企業でもアピールできる
- 周りと差別化する
ベンチャー企業でもアピールできる
ベンチャー企業では大手企業と異なり少人数のチームでプロジェクトを進めることが多く、それぞれのメンバー同士の関係性が仕事の成功を大きく左右します。
したがって、相手の意見を的確に聞き取り、共感し、迅速に反応する傾聴力は重要なスキルの1つなのです。
意見の食い違いが発生した際に双方の意見を的確に汲み取り、解決策を提示できる力はベンチャー企業で特に高く評価される傾向があります。
また、ベンチャー企業では迅速な意思決定が求められるため、傾聴力を活かしたコミュニケーションの円滑化がチーム全体の効率向上にもつながります。
ガクチカで傾聴力をアピールすれば「相手の話を聞き取るだけでなく、それを活かしてプロジェクトに貢献してくれる」と企業の採用担当者が期待してくれることでしょう。
周りと差別化する
就活において傾聴力をアピールする就活生は非常に多くいます。
ガクチカだけでなく、自己PRや志望動機などを主題とする就活生が多いため、担当者によっては「また傾聴力をアピールする人が来たな」と既視感を感じる人もいるでしょう。
そこで、差別化を意識した表現や内容が必要です。
ただ「相手の話を聞ける」という一般的な説明ではなく、具体的なエピソードや自分の傾聴力がどのように発揮されたのかについて詳細に述べましょう。
部活のリーダーとしてチームメンバーの意見をまとめ、全員が納得する方針を決定した経験や、アルバイトで顧客の意見を丁寧に聞き取りサービス改善につなげた事例などが有効です。
また「傾聴」という言葉をそのまま使うのではなく「話の裏にある本音を引き出す力」「相手の課題を言語化するスキル」など、独自性のある表現に言い換えることで、さらに差別化を図れるでしょう。
【傾聴力のガクチカ】企業がガクチカで見ているポイント
続いて、企業がガクチカにおいて注目しているポイントについて紹介します。
以下の5点はどのような企業を受ける際にもガクチカを通じて重点的に確認されている要素です。
あなたのガクチカを読んだだけで、以下の5つが全て伝わるような魅力的なガクチカを作成しましょう。
- 応募者の人柄
- 企業とのマッチ度
- モチベーションの源泉
- 問題解決能力
- 分かりやすく伝える力
応募者の人柄
企業がガクチカを通じて最も注目するポイントの1つが応募者の人柄です。
人柄は「性格」や「態度」だけでなく、価値観や他者との関わり、行動の基盤となる考え方など応募者の内面的な特徴全体を含む要素です。
企業はこの人柄が自社の雰囲気や文化に合うかどうかを見極めたいと考えています。
特に傾聴力をアピールポイントとする場合、相手の意見を尊重し柔軟に対応できる姿勢を示すことが重要です。
この際、過去の経験エピソードを具体的に説明し、どういった場面で傾聴力を発揮したのかを明らかにしましょう。
部活動やアルバイトでのチームワークの経験など、具体例を挙げることで「単に性格が良い」というだけでなく、行動を伴った人柄が伝わるはずです。
企業とのマッチ度
いくら優秀な人材でも、企業とマッチしていなければ活躍できる可能性が低いですし、早期離職にもつながってしまう可能性があります。
そのため、マッチ度は可能な限り強調しておきましょう。
傾聴力についてアピールする際は、ただ「私は傾聴力があります」と述べるだけではなく、その力をどのようにして企業の文化や業務に活かせるのかを説明することが大切です。
企業ごとに重視する価値観や求める人物像は異なるため、事前に企業研究を徹底的に行い、その企業がどのような人材を求めているのかを明確に把握する必要があります。
また、過去の経験を通じて得た教訓やスキルを具体的に説明し、自分が職場で即戦力となる可能性を示すことも効果的です。
このように、企業と自分との共通点やシナジーを強調することで、面接官に強い印象を残すことができるでしょう。
モチベーションの源泉
企業の採用担当者の多くは、モチベーションの源泉についてもガクチカを通じて確認しています。
なぜならば、ガクチカの中で描かれる行動やエピソードは応募者がどのような価値観や目標を持って行動しているのかを如実に表すものだからです。
傾聴力をテーマとする場合は、なぜその力を大切にしてきたのかを具体的に語りましょう。
困っている友人を支えた経験や、チーム内の雰囲気を改善したエピソードなどが挙げられます。
これにより、傾聴力を発揮する際の背景にある価値観や考え方が伝わり、あなたのモチベーションの源泉がどこにあるのかについてわかりやすくなります。
また、モチベーションの源泉はどのような人材配置を行うのかについての参考にもなります。
どのような物事にやりがいを感じるのか、モチベーションを感じるのかについて判断すれば、その応募者にどの仕事を任せれば良いのかが明確になるため、モチベーションの源泉が「1回読んだだけで伝わる」ような書き方を心がけましょう。
問題解決能力
企業はガクチカを通じて、応募者が直面した課題をどのように乗り越えたか、具体的なプロセスを知りたいと考えています。
なぜならば、問題解決能力はどのような企業においても必須の能力の1つだからです。
傾聴力をテーマにするなら「私の意見を聞くことで解決に至った事例」を挙げると説得力が増すでしょう。
「チームの意見が対立していた際に全員の意見を引き出し、共通の方向性を見出した経験」などが良い例であると言えます。
このエピソードは課題を冷静に分析し適切な行動を取る力、つまり問題解決能力があることも同時にアピールできるからです。
また、解決策を導き出すだけでなく、そのプロセスで得た学びや成長について述べても良いでしょう。
このように傾聴力がただ一方的に話を聞くだけのスキルではなく、積極的な課題解決につながる力であることを強調することで、さらに評価が高まります。
分かりやすく伝える力
企業の採用担当者は分かりやすく伝える力があるかどうかをガクチカを通じて確認しています。
なぜならば、企業においては円滑にコミュニケーションを取ることで、業務がスムーズに進むからです。
そして、分かりやすく伝える力は社外の人物とやり取りをする際にも活用できます。
営業職やエンジニアなど、取引先と関わることが多い仕事の場合、この力があると顧客への説明や提案の質が向上し、契約やプロジェクトの成功に寄与できます。
傾聴力は相手の話を聞く能力ですが、相手の話を端的に理解できるということは自分も端的に物事を伝えられる能力が備わっているということです。
したがって「自分は傾聴力にも自信があるが、同様に端的に物事を伝える能力にも自信がある」と述べると良いでしょう。
このような力をアピールすることで、採用担当者にとって「この人なら職場で円滑なコミュニケーションを取れる」という印象を与えられます。
【傾聴力のガクチカ】ガクチカを魅力的に伝える方法
続いて、ガクチカをより魅力的に伝える方法について紹介します。
ここまで紹介してきたポイントに加えて、さらに以下の3つを踏まえた上でガクチカを作成すると、さらに内容が魅力的になります。
それぞれを意識して質の高いガクチカを提出し、内定を掴み取りましょう。
- 企業が求める人物像を把握する
- 実体験をもとに語る
- 成果よりもプロセスを重視する
企業が求める人物像を把握する
ガクチカを魅力的に伝えるためには、企業が求める人物像を正確に理解することがまず大切です。
企業によって重視する価値観や雰囲気は大きく異なります。
革新的なアイデアを取り入れることを重視する企業もあれば、伝統を守りながら着実に業務を進める企業もあります。
当然ながら、前者と後者では求める人物像が異なるでしょう。
そのため、自分が目指す企業の公式サイトで採用情報を細かく読み込み、企業の理念やビジョンを理解することが必要です。
また、会社説明会やインターンシップに参加して社員の雰囲気や業務の進め方を体感することも有益です。
このような情報をもとに、企業の価値観や方針に自分がどのように適合するのかを明確に示すことが求められます。
傾聴力をアピールする場合も、企業が対話や協調を重視していることを事前に把握しておくと、説得力のあるガクチカを作成できます。
実体験をもとに語る
ガクチカを伝える際には実体験に基づいて語ることが非常に重要です。
具体的なエピソードを通して、どのような行動を取り、そこから何を学んだのかを明確に伝えることで、価値観や人柄が採用担当者に伝わります。
また、エピソードを語る際には単なる事実の羅列ではなく、その背景や状況、行動に至った理由を説明することが重要です。
傾聴力をアピールする場合には「相手の話を聞いた」など、簡単すぎる表現にとどめるのではなく、どのような状況で、どのような方法で傾聴力を発揮したのかを具体的に述べる必要があります。
あなたの行動が企業の求めるスキルや価値観にどのように結びついているのかを示しましょう。
成果よりもプロセスを重視する
ガクチカを伝える際に成果だけを強調するのは避けるべきです。
どちらかというと、成果を強調するのは自己PRであり、ガクチカではプロセスやエピソード、そして身につけた能力を重視してください。
ガクチカを通じて応募者がどのように行動に取り組んだのかというプロセスの部分を大切にしています。
傾聴力をアピールするならば、どのように相手に寄り添い、どのような方法で問題解決に向けて行動を起こしたのかを詳しく述べる必要があります。
このプロセスの部分を重視することで、あなたが持つ人柄や価値観が伝わり、そして傾聴力がアピールに値する能力であることが伝わるでしょう。
企業は結果だけを評価するのではなく、その結果に至るまでの考え方や行動力を重視します。
したがって、傾聴力をテーマにしたガクチカにおいては「相手の話を聞きながらどのように状況分析し」「どのような対応を取ったのか」を明確に伝えることが重要です。
【傾聴力のガクチカ】傾聴力をアピールできる場面の例
続いて、傾聴力をアピールしやすい場面の例を紹介します。
以下のいずれか1つはあなたが学生時代に力を入れて取り組んだものがあるはずです。
その中で傾聴力を発揮したエピソードが何かないか考えてみてください。
- 授業
- 部活
- サークル
- アルバイト
- 長期インターン
- 人間関係
授業
大学の授業では傾聴力を活かせる場面が多々あります。
ディスカッションならば、他の学生の意見をしっかりと聞き取り、適切なタイミングで自分の意見を述べることで建設的な議論を促せます。
また、講師の話を注意深く聞くことで講義内容を正確に把握でき、重要な要点を整理することもできます。
この結果、自分だけでなく、他の学生に対しても理解を深める手助けができる場面もあったでしょう。
講義後の復習会や試験前の勉強会など、傾聴力を発揮して他の学生の質問に答えたり、要点をわかりやすく説明したりすることでリーダーシップを発揮できたこともあるはずです。
部活
部活動においてはチーム内のコミュニケーションが欠かせません。
傾聴力がある人はメンバーの意見や提案を丁寧に聞くことができ、全体の連携も向上させられます。
「ミーティングで後輩や他のメンバーが懸念している点や、納得できていない点について真剣に話を聞き、適切にアドバイスをすることでチーム全体の士気を高められた」といった経験がある人も多いでしょう。
このような信頼は部内の雰囲気をさらに良いものにするだけでなく、メンバー全員が同じ目標に向かって一致団結する土台を作るものです。
このように、傾聴力を活かしてチームの雰囲気を良くしたような話ができれば、良い印象を与えられます。
サークル
サークル活動では企画や運営に関わる場面で傾聴力が求められます。
イベントの企画段階では他のメンバーが出す多数の意見を真摯に受け止め、多様な視点を取り入れることで、良い企画を作り上げられるからです。
また、会議の中で他者の発言を尊重し、適切にフィードバックを行うことは全体のモチベーションを高める要因ともなります。
さらに、役員会議やメンバー間の意見の違いを調整する場面もあったことでしょう。
このように、調整力を発揮して相手の主張を真摯に受け止め、合意形成をスムーズに進めた経験がある方も多いはずです。
このような経験は「仕事においても傾聴力を活かせる」という強いアピールになるため、ぜひ心当たりがある方はアピールの題材としてみましょう。
アルバイト
アルバイトの場面でも、傾聴力は非常に重要な役割を果たす能力の1つです。
顧客対応において相手の要望や悩みを真剣に聞き、その内容を的確に反映させて対応することで、顧客満足度を高められます。
また、職場でのチームワークにおいても、先輩や同僚の指示やアドバイスをしっかりと理解し、それに基づいて行動する姿勢が信頼につながります。
特に、トラブルが発生した場合などは相手の主張を冷静に受け止め、解決策を提案することで全体の円滑な運営に寄与できます。
アルバイト経験を通じて傾聴力を養った自信がある方は、具体的なエピソードとともにわかりやすく説明しましょう。
長期インターン
長期インターンでも、傾聴力を発揮できた方が多いはずです。
実際の職場での業務に近い経験を積むインターンシップにおいては上司や先輩社員の指示を正確に理解し、迅速に行動する能力が不可欠です。
また、クライアントとの打ち合わせやチームミーティングでは相手の意見やニーズを正確に把握し、それに応じた提案を行う場面も多くあります。
このような場面で傾聴力を発揮すれば、インターンシップを通じて職場の信頼を得ることが可能です。
また、同じインターン生や社員との意見交換や議論の際にも、他者の意見を尊重しながら自分の考えを述べる姿勢が、職場での円滑なコミュニケーションにつながります。
人間関係
日常の人間関係においても、傾聴力は欠かせないスキルです。
友人や家族が悩みを相談してきた際に、相手に真摯に耳を傾け、その感情や立場を理解して適切なアドバイスや励ましを行うことが可能です。
このような能力は相談相手に安心感を与えるだけでなく、信頼関係をより深めることにつながります。
また、友人と意見が対立してしまった時も、自分の意見をただぶつけるだけでなく、相手の意見を熱心に聞き、お互いが納得できる折衷案を導き出すことで、関係を修復させられたことがあるはずです。
このように、人間関係の話は傾聴力をアピールする絶好のエピソードとなり得るため、思い当たる経験がある方は積極的に述べましょう。
【傾聴力のガクチカ】ガクチカのおすすめ構成
続いて、ガクチカのおすすめの構成についても紹介します。
以下の構成はテンプレートのようなものであり、傾聴力だけでなく、どのような能力や経験をアピールする際にも活用できるものです。
ぜひ、企業によってアピールする主題を変えようと思っている方も参考にしてください。
- 力を入れたこと
- 取り組んだ背景
- 目標や課題
- 目標や課題に対して行動したこと
- 結果
- 学びや強み
- 入社後活かせること
力を入れたこと
ガクチカにおいては、まず力を入れたことについて話すことから始めましょう。
採用担当者に話の全体像を明確に伝えるためにはまず結論から話すことが重要です。
「スケジュールを活かしてチームの意見をまとめ、停滞したプロジェクトを前進させた」など、結論を先に述べることで話の軸がぶれずに進められます。
後に取り組んだ背景や目標や課題について説明するため、ここの説明は一言で構いません。
取り組んだ背景
取り組んだ背景の部分ではなぜその取り組みが必要だったのかを相手に納得させる必要があります。
傾聴力を活かした例を挙げる場合「チーム内で意見が対立してしまい、議論が進まずプロジェクトが停滞していました」などといった状況を具体的に描写することが大切です。
この際、客観的な視点を盛り込むことで、ただの自己主張ではなく説得力があると思ってもらえるでしょう。
目標や課題
目標や課題の部分では取り組みに対して直面した目標や課題を明確に示す必要があります。
相手が注目しているのは課題に対してどのように考え行動したかというプロセスです。
傾聴力をテーマにするならば「意見が分かれているメンバー全員の声を公平に拾い上げ、1点を見つけてまとめる」という目標を設定すると具体性が高まります。
また、課題ならば「感情的な対立を避けつつ、全員が発言しやすい場を作る」といった要素を盛り込むと問題意識の深さが伝わります。
この項目では自分が主体的に設定した目標であることを明確にし、その達成に向けた行動に結びつける構成が重要です。
目標や課題に対して行動したこと
ガクチカにおいて最も重要なポイントの1つが、目標や課題に対して行動したことです。
自分の考えや行動を丁寧に描写しつつ、何を優先して行動に移したのか明確に伝えましょう。
傾聴力を活かしてプロジェクトを進めた経験を説明するならば「最初にメンバー全員が意見を言いやすい場を作るために個別にヒアリングを実施した」などと述べると良いです。
その後に「全員の共通点を理解し整理して議論を再構築するための材料として提案した」などと具体的な行動を加えることで、よりわかりやすくなります。
結果
「ガクチカにおいて、結果はそこまで重要ではない」と先ほど紹介しましたが、さすがに触れないと不自然であり、不信感を与えてしまうため、一言だけでも述べることが大切です。
「議論がスムーズに進行し、プロジェクトのスケジュールが予定より1週間早く完了した」など、簡単で構いませんので、具体的な成果を交えてポジティブな印象を与えることが大切です。
また、結果の裏付けや自分の行動がどのように影響を与えたのかについても、文字数に余裕があれば含めておきましょう。
学びや強み
ガクチカにおいて最も重要な部分の1つである学びや強みについて、特に力を入れて書きましょう。
経験を通して得たスキルや知識を具体的に説明することが大切です。
採用担当者が知りたいと考えているのは「その経験からどのように成長したのか」という点です。
傾聴力を活用して「意見を引き出すコツ」や「適切なフィードバックを行う技術」を身につけたと述べる具体的な成長を示せることでしょう。
自分の成長を客観的に示し、現在はどのような強みとして有しているのかを説明することで、あなたが優秀な人材であることを印象付けられます。
入社後活かせること
企業は活躍してくれる人材を採用したいと考えているため、ぜひ、入社後はどのようにその傾聴力を活かすのかについて説明しましょう。
「お客様の声を丁寧に聞き、ニーズを正確に把握することで商品やサービスの質を向上させられる」といった未来の姿を描写することを推奨します。
また、自分の強みが企業の理念や業務内容とどう結びつくのかも示す必要があります。
そして、将来の展望について述べる際には「企業研究を行っていない」と誤解されないよう注意が必要です。
ぜひしっかりとリサーチして、公式サイトなどに書いてある「企業が求める人物像」と照らし合わせ、自分の傾聴力がどのように活かせるのかについてアピールしましょう。
【傾聴力のガクチカ】ガクチカ作成のコツ
ここまでガクチカにおいて傾聴力をアピールする際のポイントや、おすすめの構成などについて紹介してきましたが、以下のコツを踏まえておけば、さらに質の高いガクチカが出来上がるはずです。
ぜひ以下の3つの対策を入念に行い、さらに質の高いガクチカを作成して内定を掴み取りましょう。
- 自己分析を行う
- 業界研究を行う
- エージェントに相談してみる
自己分析を行う
自己分析はガクチカを作成する上で欠かせないプロセスです。
もちろん、志望動機や自己PRにも必要な情報を見つけられるため、就活においては真っ先に取り組むことを推奨します。
自己分析を深める方法としては「マインドマップ」や「自分史」を活用するのが効果的です。
マインドマップは中心テーマを据え、それに関連するキーワードやエピソードを分けていく手法で、自分の意識していない過去の経験や思考パターンを可視化できます。
自分史は年表形式でこれまでの人生を振り返り、それぞれの出来事に関する感想や学びを記録することで、自分が何に価値を感じているのか、どの場面で傾聴力を発揮していたかがはっきりとわかります。
自己分析を進める際には「ただの自己満足」で終わらせるのではなく、応募する企業が求めるスキルや価値観に焦点を当てることが大切です。
応募先の企業がチームワークを重視する場合には、自分がどのように他者の意見を聞いてチームに貢献してきたのかについて考えてみましょう。
業界研究を行う
業界研究を行うことも、絶対に欠かしてはならない対策の1つです。
業界研究を通じてその業界が求める人物像やスキルセットを把握しておけば、自分のエピソードをどのようにアピールすべきかが明確になります。
物流業界ならば、チームワークや現場での迅速な対応能力が求められることが多いです。
ベンチャー企業ならば、任せられた業務だけでなく、同僚が助けを求めている場合には積極的に手を差し出すなど、チームで取り組む姿勢が求められるでしょう。
このような特徴を理解していれば、自分がその業界で活かせる能力を伝えるエピソードを選びやすくなります。
また、業界の現状や将来性についての知識があると、ガクチカに説得力を持たせることができ、他の志望動機や自己PRなどの項目にも説得力を加えることが可能です。
エージェントに相談してみる
せっかく就活生というプロに相談できる立場であるならば、相談しないという手はありません。
ぜひ、複数の就活エージェントを利用してみて相談しましょう。
ほとんどのエージェントは完全無料で利用できます。
あなたの自己PRや志望動機、そして本記事の主題であるガクチカを丁寧に添削してくれますし、面接の練習相手にもなってくれます。
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興味がある方はぜひお試し感覚でも良いので、一度登録してみることを推奨します。
【傾聴力のガクチカ】傾聴力を発揮したガクチカの例文
ここまで紹介してきた内容を踏まえた上で作成した傾聴力を発揮したガクチカの例文についても紹介します。
先ほど紹介した「傾聴力をアピールしやすい場面」に合わせて作成しているため、照らし合わせながら確認してみてください。
例文1:授業
授業中にただ話を聞くだけでなく、内容を深く理解し、自分の考えを整理することでより良い成績を取ることを目的としていました。特に、ゼミの授業では他の学生の意見をしっかりと聞くことで意見を的確に把握し、自分の視野を広げ、より質の高い議論を実現することができました。これにより、ゼミ内の信頼関係も高まり、全員が意見を発言しやすい雰囲気を作ることができました。
この経験を通じて、相手の話を正確に聞き取り、要点を整理するスキルを習得しました。貴社に入社した際はこの傾聴力を最大限に活かし、社内外のコミュニケーションの円滑化に努め、チームの成果を最大化するために積極的に貢献したいと考えています。
例文2:部活
私は野球部のキャプテンでしたが、初心者から経験者まで様々な部員が所属していたため、全員が同じ方向を向いて取り組む環境を整えようと思いました。特に、アスリート思考のメンバーと「初心者として楽しみたい」というメンバーの意見を調整することは大変でした。しかし、それぞれの意見を聞き、折衷案を提案することで全員が楽しんでやりがいを持って部活に取り組む環境を作り上げることができました。
この経験を通じて、意見をまとめ合意形成を図る力が身につきました。貴社に入社した際には社内外のやり取りにおいて積極的に相手の話を聞き、真のニーズを考えながら、全員のニーズを満たす質の高い提案ができればと考えています。
例文3:サークル
メンバーは150人以上と非常に多いサークルであったため、全員の意見を取り入れることは不可能に思われました。しかし、企画会議において全員が遠慮せず発言できるよう、それぞれの意見に積極的に耳を傾け、積極的に対話することで全員が意見を述べたいと思う雰囲気を作り出しました。これにより、イベント後の満足度アンケートでは100%を達成することができ、自分の傾聴力に自信を持つこともできました。
貴社に入社した際には営業職として取引先の方々の話を積極的に聞き、ニーズを分析し的確な提案をすることで、多くの契約を勝ち取り貢献したいと考えています。
例文4:アルバイト
私は飲食店でアルバイトをしていましたが、観光地ということもあり、様々な国のお客様が来店されました。想定していないクレームが発生することも多く、迅速に対応するのは大変でしたが、熱心に相手の話を聞き、その内容を的確に把握することを心がけました。外国のお客様にも、熱心に話を聞き、拙いながらも英語で説明することで、高い確率で納得していただくことができました。
このような経験から、どのような相手と対話する際にも、熱心に話を聞くことで最終的にお互いが納得できる答えを導き出せることを学びました。貴社に入社した際には、難航している契約交渉を成約に結びつけられる人物として、長期的に貢献したいと考えています。
例文5:長期インターン
インターンではチームでのプロジェクト進行が中心であり、上司やクライアントとのコミュニケーションが重要視される環境でした。そこで私はリーダーとしてメンバーやクライアントの要望をしっかりと聞き取り、それを具体的なタスクに落とし込む役割を担いました。新しい提案を検討する際はクライアントの意見を正確に把握し、メンバー間で共有することで全員が同じ方向に進むことができました。
この経験を通じて、相手の意見を正確に理解し、チーム全体に伝える能力を身につけることができました。貴社に入社した際にはこの傾聴力を活かし、チーム全員が納得した上でプロジェクトに取り組めるような環境を作りたいと考えています。
例文6:人間関係
相手の話を常に丁寧に聞くことで、信頼関係を深める努力をしてきました。1つ学年が上の先輩が就職活動に悩んでいる際、真剣に話を聞き、共感しながら具体的なアドバイスを提供しました。その結果、先輩から「気持ちが楽になり、面接でも肩の力を抜いて挑むことができ、合格できた」と嬉しいフィードバックをいただきました。
この経験を通じて、相手の気持ちや立場を尊重しながらコミュニケーションを図る重要性を学び、傾聴力についての自信を深めることもできました。貴社に入社した際にはこの傾聴力を活かし、社外の取引先の方々はもちろん、社内の方々とも深い信頼関係を築き、長きにわたって同じ方向を向いて働いていきたいと考えています。
まとめ
今回はガクチカにおいて傾聴力をアピールする際のポイントや、おすすめの構成などについて詳しく紹介しました。
傾聴力は自己PRや志望動機だけでなく、ガクチカにおいてもアピールしやすい能力の1つです。
ぜひ本記事で紹介した内容を踏まえた上で、あなたの傾聴力が自ずと伝わるような魅力的なガクチカを作成し、内定を掴み取ってください。