面接とエントリーシート(ES)のガクチカは同じエピソードだとまずい?

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・ESと面接におけるガクチカのコツの違い
・ガクチカの基本的なコツ
・ガクチカをESと面接で使い分けるポイント

この記事をおすすめしたい人

・ESと面接、両方のガクチカの回答を用意したい人
・ESと面接の違いを知りたい人
・例文でそれぞれの違いの感覚を掴みたい人

はじめに

学生時代に力を入れたことは志望動機や自己PRの次に聞かれる確率が高く、ESだけでなく、面接でも聞かれることが多いです。

しかし、多くの就活生の方が悩むポイントとして「同じエピソードについて話すと印象が悪いのだろうか?」という疑問が挙げられます。

そこで今回はESと面接のガクチカの違いなどについて詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカとは?

ガクチカとは皆さんご存知の通り「学生時代に力を入れたこと」の略称であり、就活用語です。

自己PRと混同されがちですが、自己PRはスキルや強みについて述べるものであり、その強みを裏付けるエピソードと共に話されることが一般的です。

一方でガクチカはエピソードに焦点を当てて、なぜ力を入れたのか、その経験を通じてどのような能力を身につけたのかなどについて詳しく話すことが求められます。

なぜESでも面接でも聞かれる?

企業がエントリーシートでも面接でも学生時代に力を入れたことについて尋ねてくるのは、学生の人柄や価値観、困難に対する姿勢を知るためです。

その経験を通じてどのように成長してきたのか、そして入社後にその経験がどう活かされるかという「再現性」も見極めようとしています。

ガクチカは過去の取り組みですが、企業はそこから未来の行動を予測し、自社にフィットする人材かどうかを判断しようとしています。

このように非常に重要な質問の1つですから、この記事を通じてポイントを理解し、クオリティの高い回答を用意しておきましょう。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカのESと面接の違い

続いて、ESと面接のガクチカにおいてどのような違いが存在するのかについて詳しく紹介します。

簡単に説明すると、目的と伝え方、そして求められる能力が異なるという点を覚えておいてください。

以下の3点を確認するかしないかでは回答のクオリティが大きく変わってくるため、ぜひ確認しておいてください。

目的が違う

ESと面接ではどちらもガクチカを質問していることに変わりはありませんが、その目的は少し異なります。

ESでは限られた文字数の中で自分の魅力や強みを端的に伝えることが求められます。

読み手は多くのESに目を通すため、最初の段階では「この人に会ってみたい」と思わせる要素が必要不可欠です。

つまり、書面での第一印象づくりが目的であると言えるでしょう。

一方、面接はそのエピソードの背景にある考え方や価値観、思考の流れ、さらには感情面まで掘り下げていくことで、人間性や再現性を見極めることが目的です。

同じエピソードを使っても、ESと面接でアプローチすべき観点が異なることを理解し、目的に合った見せ方を意識することが重要です。

伝え方が違う

ESと面接では伝える内容だけでなくその伝え方にも明確な違いが存在します。

ESでは限られた文字数の中で読み手にわかりやすく要点をまとめましょう。

結論、経験の内容や結果、学びまでを端的に構成し、論理的かつコンパクトに伝えるスキルがあるか試されています。

対して、面接では文章だけでは伝わりにくい背景や感情の動き、リアルな状況の臨場感などを補足しながら伝えることを心がけてください。

自分がその時何を考え、どう判断し、どのような行動をとったのかというプロセスを、行動や表情を交えて伝えることで説得力が増します。

つまり、ESは情報の要約力が、面接は感情や思考プロセスを伝える力が意識されるのです。

求められる力が違う

ESと面接ではそれぞれ異なる能力が求められます。

ESでは限られた文字数の中で論理的に話を構成し、自分の魅力を整理して表現する文章力が問われます。

書き方1つで伝わり方が大きく異なるため、論理性や情報整理の力が評価対象です。

一方、面接ではその場のやり取りを通じて、相手の意図を理解しながら適切に答える対話力や、質問に対して柔軟に対応する思考力が試されます。

質問の掘り下げに対して臨機応変に話を展開できるかどうか、相手のリアクションを見て話し方を調整できるかといった点も含めて「コミュニケーションの総合力」が求められます。

同じエピソードを使う場合でも、ESでは構成力、面接では応答力が求められているという違いを意識し、準備することを心がけましょう。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカのエピソードは同じでOK?

ガクチカのエピソードはESと面接で同じで良いか悩む方も多いでしょうが、結論として、ほとんど同じでも構いません。

むしろ、ESでは簡潔にしか触れられなかった内容を、面接で別の角度から掘り下げて話すことで、より厚みのある自己PRにつなげられるケースもあるでしょう。

ESで「サークルに力を入れた」と書いた場合、面接はその中でも特に印象に残っているイベントの企画やチーム内の意見のすれ違いを乗り越えた経験など、具体的な1つの場面にフォーカスして語ると良いでしょう。

また、ESは字数の制限上、どうしても表面的な説明になりがちですが、面接ではなぜその行動を取ったのか、何を考えたのかを説明することが期待されています。

したがって、ESと全く同じエピソードだった場合でも、面接で切り口や伝え方を工夫することで全く新しい印象を与えることが可能です。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカをESと面接で使い分けるポイント

続いて、ガクチカをESと面接で使い分けるポイントについて紹介します。

それぞれ全く同じ回答を提供するのではなく、以下の2点をそれぞれ差別化して理解しておくことで、よりクオリティの高いものが出来上がるでしょう。

より良い印象を与えるためにも、それぞれ確認しておいてください。

①ESは「結論先出し」でシンプルに

ESではまず何よりも分かりやすさが重視されます。

採用担当者は限られた時間で大量のESを読まなければならないため、読みやすく要点が明確に伝わる構成が必要です。

したがって、ESでは「私は〇〇に力を入れてきました」と、結論を冒頭に提示することを覚えておきましょう。

その後に理由や背景、行動内容、成果と続けることで、読み手が話の全体像をすぐに掴むことができ、途中で読み手を迷わせることがありません。

また、ESは字数制限がある場合が多く、冗長な前置きや背景説明は不要です。

結論を端的に述べた上で、取り組んだ工夫や結果、そこから得た学びを簡潔にまとめましょう。

②面接は「エピソードの背景・感情」を補足

面接ではESとは違い、対話を通じてその人の本質や価値観、判断軸を探ることが目的です。

したがって、表面的な説明では不十分であり、その時どのような感情を抱いたのか、背景や思考のプロセスを丁寧に語りましょう。

また、ESはほとんどの面接官が読んでいるため、そういった点から考えても、前提の情報をだらだらと話す必要はなく、エピソードの背景や感情に集中できます。

ESでサークルの代表としてイベント運営を成功させた経験を話すならば、面接では「代表になろうと思った理由」や「イベント準備中に直面した問題」などを補足すると、説得力が増すでしょう。

企業はあなたの経験を通して、何を考え、どのように行動し、それがどのような結果をもたらしたのかを通じて、あなたの人柄や成長力を見ています。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカのESと面接の例文

続いて、ガクチカのESと面接の例文をそれぞれ紹介します。

多くの就活生の方がアピールしたいであろうアルバイトと長期インターン、サークルを主題とした例文をそれぞれ作成したため、ESと面接にどのような違いがあるかに着目しながら読んでみてください。

アルバイト

アルバイトは多くの就活生の方が経験したことでしょうし、ガクチカとしてアピールする方も多いでしょうが、ESと面接ではそれぞれ焦点を当てるべきポイントが異なります。

どのような点が違うのか照らし合わせながら読んでみてください。

ES

私が学生時代に力を入れたことはカフェでの接客アルバイトです。

週4日勤務しながら、業務の効率化だけでなく、お客様との関係づくりにも注力しました。

特に意識したのは常連のお客様との会話の中で名前を覚えたり、好みを把握して先回りした対応をすることです。

その結果、来店頻度が月1回だったお客様が週1回に増えるなど、目に見える変化がありました。

店長から「あなたの接客が店の雰囲気を変えてくれた」と言われたときは大きな達成感がありました。

この経験から、相手の期待を超えるサービスには観察力と継続的な信頼構築が不可欠だと学びました。

入社後は相手の立場で考える接客姿勢と、継続的に関係を築く努力を営業活動に活かし、顧客の信頼を得ることで長期的な取引の実現に貢献する所存です。

面接

私が学生時代に力を入れたことはカフェでの接客アルバイトです。

当初は提供ミスをしないことやスピードにばかり気を取られていましたが、ある日、常連のお客様が不機嫌な様子で店を後にした姿を見て「機械のような接客では人の心に残らない」と痛感しました。

そこから、お客様一人ひとりと向き合う接客を意識するようになり、名前を覚えて呼びかける、飲み物の注文履歴を把握しておすすめを提案するなど、自分にできることを1つずつ実践しました。

初めは緊張もありましたが「覚えててくれたんだね」と笑顔を返されたとき、接客の本当のやりがいを実感しました。

入社後はこの観察力と関係構築力を営業に応用し、表面的なニーズだけでなく感情面にも配慮した提案を行うことで、顧客との長期的な信頼関係を築き、継続的な契約獲得に貢献する所存です。

長期インターン

長期インターンは非常に良い印象を与えられる可能性が高い題材であり、長期インターンに参加したという時点で良い印象を与えることができ、他の就活生と差別化を図れます。

しかし、ESと面接のそれぞれのポイントを理解した上で回答すれば、より良い印象を与えられるでしょう。

ES

私が学生時代に力を入れたことはIT企業での長期インターンにおける新規顧客リストの作成業務です。

営業支援チームに所属し、見込み顧客の抽出とターゲットリストの精度向上を任されました。

業務の中で、これまで活用されていなかった過去の受注データと業界ニュースを掛け合わせ、反応率が高い傾向のある企業像を絞り込みました。

リストの構成を改善したことで、アポイント獲得率が20%から33%に向上し、営業チーム全体の成果に寄与できました。

この経験から、データの活用には現場理解と仮説思考が欠かせないと学びました。

入社後はこの分析力と現場との連携意識を活かして、営業活動の質を高める企画業務に取り組み、顧客に合った戦略的な提案支援を実現する所存です。

面接

私が学生時代に力を入れたことはIT企業での長期インターンにおいて、新規顧客リストの改善に取り組んだことです。

インターン当初は担当業務の目的もわからず、ただ社内のデータベースをなぞるように顧客を抽出していました。

しかし、先輩から「ターゲットがズレている」とフィードバックを受け、自分の仕事の意味を見直す必要性を感じました。

そこからは受注履歴を分析し、どのような企業が受注に至りやすいのか仮説を立てて、業界の動向や企業規模別の傾向を掛け合わせたスコアリング基準を作成しました。

この工夫により、営業の方から「アポが取りやすくなった」と言われたことが大きな自信につながりました。

入社後は常に成果につながる工夫を考え、データを起点に営業活動の成果を引き上げる仕組みづくりに取り組み、チーム全体の売上向上に貢献する所存です。

サークル

サークルは多くの就活生の方が取り組んでいたことでしょうし、題材としては非常に扱いやすいものです。

ESと面接、どのような点が異なるのか、例文を参考にしながら自分で作成する時の参考にしてください。

ES

私が学生時代に力を入れたことは音楽系サークルでの新歓イベントの企画と運営です。

例年、参加者が少なく継続的な新入部員の確保が課題だったため、集客方法の見直しとイベント内容の刷新を提案し、中心となって実行しました。

学内掲示に加えてSNSを活用した広報を行い、過去の参加者へのアンケートをもとに体験型の内容に変更しました。

その結果、参加者数が前年の2倍となり、サークルの存続に大きく貢献できました。

この経験から、相手の目線で物事を設計することの大切さと、行動に移す力の重要性を学びました。

入社後は課題発見力と発信力を活かして、チームや組織が抱える問題に対して周囲を巻き込みながら改善を進め、事業の推進力を担う存在になる所存です。

面接

私が学生時代に力を入れたことは音楽サークルにおける新歓イベントの企画と運営です。

2年生の春、サークルの新入生参加者数が5名程度と前年を大きく下回り、存続が危ぶまれる状況でした。

そこで「サークルの魅力を伝える場を作りたい」と考え、新歓イベントのリーダーに立候補しました。

まずは過去の新入生にアンケートを実施し「気軽に参加できる雰囲気がない」との声をもとに、楽器体験・フリートークの時間を設けるよう企画を刷新しました。

その結果、当日の参加者は前年の倍以上となり、17人の新入生が加入しました。

この経験を通じて、課題の本質を見極める力と、人を動かす伝え方の工夫を学びました。

入社後は企画立案だけで終わらせず、現場や顧客の反応まで想定した提案を実行し、社内外から信頼される企画担当として価値を提供する所存です。

【ESと面接のガクチカ】ガクチカに関する悩み(Q&A)

続いて、就活生の方々からよくいただくガクチカに関する悩みについて紹介します。

以下の4つは就活エージェントのサービスを運営するにあたって多くの就活生の方々からいただく質問です。

この記事を読んでくれているあなたも気になっていることでしょうから、ぜひ参考にして、不明点があれば解決しておいてください。

面接ではESと違うエピソードを話すべき?

途中でも説明しましたが、面接でESと全く同じエピソードを話しても問題ありません。

むしろ、ESに書かれた内容がしっかりしていれば、面接官はそれを深掘りするのが自然な流れです。

ただし、面接ではESで伝えきれなかった背景や思考の過程、感情の揺れ動きなどを補足することが求められます。

したがって、同じエピソードでも話し方を工夫する必要があることは忘れてはいけません。

また、面接官から「他にも頑張ったことは何かありますか?」と聞かれる可能性もあるため、サブのエピソードを準備しておくこともおすすめです。

ESで書いた内容を忘れたらどうする?

選考が進む中で、ESに何を書いたか忘れてしまうことも珍しくありません。

特に複数社に応募していると、内容が混同しやすくなるでしょう。

まず大切なのは、企業に提出したESは必ず控えを取っておくことです。

提出前にコピーやスクリーンショットで保存して、面接前に見直せるようにしておきましょう。

それでも万が一思い出せない場合は「提出内容が手元に無く、詳細を失念してしまったのですが」と前置きした上で、自信を持ってエピソードを語ることが大切です。

その際は企業にとって魅力的な内容になるよう構成や強みの伝え方を意識することを覚えておいてください。

また、事前に複数のエピソードを用意しておけば、こうした不測の事態にも柔軟に対応できます。

面接でガクチカが浅いと言われたら?

面接でそのエピソードが少し浅いと指摘された場合、それは内容自体の問題というよりも、説明が不足している可能性が高いです。

ガクチカが浅く聞こえてしまうことは背景説明が薄いことや、具体的な行動についての説明の薄さが起因します。

「サークルの集客を頑張った」と説明するだけでは、どのように課題を認識して、どのような結果が出たのかが伝わりません。

なぜその行動を取ったのか理由を説明し、またどのような工夫をしたのか、自分が何を学んだのかまで掘り下げて話すことが大切です。

逆質問でガクチカを聞かれたら?

面接で逆質問の時間に「他にも頑張ったことがありますか」と尋ねられるケースは少なくありません。

この質問をされるということは、他のエピソードを通じてあなたをより深く知りたいと思われている可能性が高いです。

そこで、経験を簡潔に語りましょう。

ESや面接で主題にしたガクチカの全てに触れていた場合、逆質問の時はアルバイト、ボランティア、趣味の活動などを紹介することをおすすめします。

また、短く伝えることが求められる場面なので、一言、二言で説明する程度で良いでしょう。

「より詳しく知りたい」と面接官が思う場合はさらに深掘り質問をしてくるため、長々と話す必要はありません。

まとめ

この記事では、就活でよく聞かれるガクチカについて、ESと面接ではどのような違いがあるのかについて詳しく紹介しました。

基本的に同じエピソードを話して構いませんが、それぞれ伝え方や目的、求められる能力が異なります。

ESは結論を先に述べてシンプルに、面接ではエピソードの背景や感情をより補足すると良い印象を与えられます。

ぜひこの記事を参考に質の高い回答を準備して、内定を掴み取ってください。

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