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【変化・変革を起こした経験】ESや面接で聞かれる「変化」・「変革」とは
「何かを変革した経験」という問いに対し、自己変革のエピソードも有効ですが、より強い印象を与えるのは「周囲や他者を巻き込んで成し遂げた変革」の経験です。
なぜなら、他者を巻き込む過程は、あなたのリーダーシップ、課題発見力、周囲への働きかけ、そして目標達成への熱意を示す絶好の機会だからです。
単に「変わった」という事実だけでなく、「なぜ変革が必要だと考えたのか」という動機や問題意識を明確にしましょう。
そして、「どのように周囲を巻き込み、どんな困難を乗り越えたのか」という具体的なプロセスと、「その結果、何がどう変わったのか」という具体的な成果(定量的・定性的な変化)を詳細に語ることが重要です。
これにより、あなたの主体性や課題解決能力、そして周囲にポジティブな影響を与える力を、説得力をもって伝えることができます。
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変化 |
変革 |
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| 意味 | 状況・環境が変わること |
状況をより良くするために |
| 主体性 | 必須ではない | 自分の意思が必須 |
| 難易度 | 低い〜中 | 中〜高 |
| ES評価 | 低〜並 | 高評価になりやすい |
| 具体例 | 店のルールに適応した | 店のルールを改善した |
【変化・変革を起こした経験】人事はESでどのようなところを見ているのか
企業が「変化・変革を起こした経験」を問うのは、変化の激しい現代において、現状に甘んじることなく、主体的に課題を見つけ出し、周囲を巻き込みながら解決へと導くことができる人材を求めているからです。
この質問を通して、企業はあなたの「課題発見力」「主体性・当事者意識」「課題解決能力」「行動力」「リーダーシップや周囲への影響力」「困難に立ち向かう粘り強さ」などを見極めようとしています。
あなたがどのような視点を持ち、どう行動を起こす人物なのか、そのポテンシャルを知りたいのです。
主体性・行動力
企業がエントリーシートで「変化・変革を起こした経験」について尋ねる大きな理由の一つは、まさしく志望者の「主体性」と「行動力」を確認するためです。
現代のビジネス環境は常に変化しており、企業は現状維持に甘んじることなく、自ら課題を発見し、その解決に向けて率先して動ける人材を強く求めています。
「主体性」とは、誰かに指示されるのを待つのではなく、当事者意識を持って「もっと良くするにはどうすればいいか」と考え、課題や改善点を見つけ出す力です。
そして「行動力」とは、その考えを具体的な計画に落とし込み、リスクを恐れず実行に移し、時には周囲を巻き込みながら粘り強く目標達成を目指す力と言えます。
企業は、あなたが語る変革のエピソードを通して、困難な状況下でも受け身にならず、自律的に思考し、具体的なアクションを起こして組織やチームに新しい価値や活力を生み出せるポテンシャルがあるかを見極めようとしているのです。
影響力
自らの課題に向き合い、それを乗り越えて成長する自己変革の経験は、あなたの向上心を示す上で確かに重要です。
しかし、企業がより強い関心を示し、魅力的に感じやすいのは、その変化を自分だけに留めず、「他者を巻き込み、周囲にポジティブな影響を与えた」エピソードです。
なぜなら、企業での仕事は基本的に個人の力だけでなく、チームや組織として連携し、目標を達成していく必要があるからです。
他者を巻き込むプロセスでは、あなたのコミュニケーション能力、リーダーシップ、目標達成に向けた説得力、周囲への共感力などが自然と表れます。
どのように周囲に働きかけ、協力を得て、時には意見の対立や困難を乗り越え、結果としてチームや組織全体にどのような良い変化(例えば、意識改革、新しい仕組みの導入、生産性向上など)をもたらしたのか。
こうした経験は、あなたが入社後、周囲と効果的に協働しながら組織に貢献し、より大きな成果を生み出してくれる人材であるという具体的な期待感を企業に与え、非常に魅力的に映るのです。
課題発見・分析力
「変化・変革」には、現状の課題を発見し、それを解決するために自ら行動を起こす力が不可欠です。
人事は、あなたが現状に対してどのような問題意識を持ち、その原因をどれだけ深く掘り下げて分析できたかを見ています。
変化や変革は、まず的確な課題発見から始まります。
「何となく改善した」のではなく、「なぜそれが問題なのか」「真の原因はどこにあるのか」を客観的な事実やデータに基づいて考察し、本質を捉えようとした姿勢が評価されます。
どのような課題を見つけ、なぜそれが課題だと感じたのか、そしてその課題に対してどのようなアプローチで取り組んだのかを詳細に記載することで、あなたの主体性と問題解決能力をアピールできます。
例えば、表面的な現象に惑わされず、周囲の意見を聞いたり、多角的な視点から情報を集めたりして、問題の構造を明らかにした経験は、高い分析力を示す好材料となります。
この力は、入社後も現状に甘んじることなく、常に改善点を見つけ出し、より良い方向へ導く原動力として期待されます。
計画力
課題を発見し分析した後、それを解決するためにどのような目標を設定し、具体的な行動計画を立てたのかという「計画力」も重要な評価ポイントです。
思いつきで行動するのではなく、目標達成までのステップを具体的に設計し、必要なリソース(時間、人、物など)を考慮したか、予期せぬ障害やリスクをある程度想定し、それに対する準備をしていたかなどが注目されます。
特に、一人では達成できない目標に対し、どのように周囲を巻き込み、協力を得ながら計画を推進したのかといったエピソードは、計画性と実行力を伴った行動として高く評価されるでしょう。
この力は、入社後にプロジェクトを推進したり、目標を着実に達成したりする上で不可欠な能力と見なされます。
変化・変革を起こした経験】構成のポイント(PREP)
「結論→理由→具体例→結論」のPREP法で書くことで、読み手にとって分かりやすく、論理的な文章になります。
まず「私は〇〇という変化・変革を起こしました」と述べ、その後に具体的な経緯や成果を説明することで、あなたの主張が明確に伝わります。
【変化・変革を起こした経験】ESでアピールするポイント
ここでは、エントリーシート(ES)で「変化・変革を起こした経験」を効果的にアピールするためのポイントを解説します。
まず、どのような能力(主体性、課題解決力、周囲を巻き込む力など)を伝えるべきか、そして自己満足に終わらず、企業の求める人物像に響くようなインパクトのあるエピソード選びのコツを説明します。
規模の大小よりも具体性が重要です。
さらに、その経験をESに記述する際に、STAR法などを参考に状況・課題・行動・結果を明確にし、あなたの強みとして説得力を持たせるための構成や表現の注意点、そして避けるべき抽象的な表現や自慢話にならないためのポイントにも触れていきます。
「変革した経験・エピソード」は主体的に取り組んだことを選ぶ
これまで述べたように、ESでの「変化・変革の経験」の質問では、あなたの「主体性」が重要な評価ポイントです。
そのため、回答は、指示や状況に流されたものでなく、「自身の意志で考え、率先して行動した」経験であることが不可欠です。
主体性とは、現状を「自分ごと」と捉え、課題に気づき改善策を考える姿勢です。
自身の考えで「問題だ」「変えるべきだ」と感じ、改善策を立て、たとえ困難があっても諦めずに行動に移した経験を選びましょう。
規模の大小は問いません。
なぜその行動を起こそうと考えたのかという動機や問題意識、そして具体的にどのようなステップで考え、行動し、状況をどう変えたのかを明確に記述することが重要です。
これにより、あなたが指示待ちではなく自律的に考え行動し、組織に貢献できる人材であると、説得力をもって伝えることができます。
なぜ変革したのか、どのように変革したのかを説明する
エントリーシートで「変化・変革を起こした経験」を語る際、その効果を最大化するためには、3つの重要な要素を盛り込むことが鍵となります。
それは、「①なぜ変革しようと思ったのか(動機・課題意識)」「②どのように変革を進めたのか(プロセス・行動)」「③その結果、どのような影響・成果があったのか(結果)」です。
課題意識の深さが説得力を生みます。
②「プロセス」で、具体的な計画、実行したアクション、工夫した点、そして直面した困難や周囲との協働(巻き込み)をどう乗り越えたかを詳細に描写し、あなたの行動力や課題解決能力、リーダーシップを示します。
③「結果」で、あなたの行動がもたらした具体的な変化(定量的・定性的な成果)と、周囲への影響、そして経験から得た学びを述べ、貢献度と成長をアピールします。
この3点を明確に、ストーリーとして繋げることで、単なる出来事の報告ではなく、あなたの思考プロセスや人となり、能力が具体的に伝わる、分かりやすく説得力のある効果的なアピールが完成します。
変化・変革を起こしたエピソードは自分の価値感や行動に変化を与えたものを選ぶ
「変化・変革を起こした経験」を語る際、その出来事のプロセスや成果だけでなく、その経験を通じてあなた自身の「価値観や行動特性にどのような変化があったか」に焦点を当てることも、非常に効果的なアピールとなります。
なぜなら、それはあなたの内面的な成長を示し、入社後にどのような姿勢で仕事に取り組み、活躍できるかの具体的なイメージを採用担当者に与えるからです。
エピソードの中で、この経験を機に「以前は〇〇だったが、今は△△のように考える(行動する)ようになった」という点を明確にしましょう。
そして、その変化した価値観や行動特性が、志望企業の業務内容や大切にしている価値観(理念や社風)とどう結びつき、具体的にどのように貢献できるのかを示すことで、単なる過去の実績に留まらない、あなたのポテンシャルと将来性がより強く伝わります。
エピソードはあなたがアピールしたいチカラや能力を意識して説明しよう
エントリーシートで「変化・変革を起こした経験」を語る際、あなたが特にアピールしたい「主体性」「リーダーシップ」「チャレンジ精神」「行動力」といった強みがあるならば、その強みが明確に伝わるよう意識してエピソードを構成することが極めて効果的です。
まず、冒頭で「この経験で発揮した私の強みは〇〇です」と示すか、エピソード全体を通してその強みが最も際立つように導入を工夫します。
そして、エピソードの核心となる行動描写において、その強みが具体的にどう発揮されたのかを意図的に盛り込みましょう。
例えば、「主体的に課題を発見し分析した」「リーダーとして多様な意見をまとめ、方向性を示した」「前例のない目標に果敢にチャレンジした」「立案した計画を迅速な行動力で実行に移した」といった描写です。
その強みを発揮した結果、どのような成果に繋がり、何を学んだのかを明確に示すことで、単なる経験談ではなく、あなたの強みが具体的に裏付けられた説得力のあるアピールとなり、企業にあなたの価値とポテンシャルを効果的に伝えることができます。
「変革の経験」の内容とレベルが浅くないかチェック
「変化・変革を起こした経験」と聞くと、何か特別な、スケールの大きな出来事を想像しがちですが、心配はいりません。
誰もがドラマチックな変革経験を持つわけではなく、企業も必ずしもそれを求めているわけではありません。
重要なのは経験の規模ではなく、そのプロセスと思考です。
視点を変え、あなたの日常に目を向けてみましょう。
アルバイト先での小さな業務改善提案、授業やゼミでの非効率な進め方への問題提起と解決策の実行、サークル活動での新入生勧誘方法の見直しや練習方法の改善など、身近な場面での「より良くしよう」という試みこそ、立派な「変革」のエピソードとなり得ます。
たとえ小さな変化であっても、そこにあなたの課題発見力、主体的な思考、具体的な行動、そして周囲との関わりがあれば、企業が知りたいポテンシャルは十分に伝わります。
大切なのは、その身近な経験の中で「何を課題と感じ」「どう考え、行動し」「結果として何が変わり(たとえ僅かでも)」「何を学んだのか」を具体的に、あなた自身の言葉で語ることです。
日常の中の小さな工夫や主体的な行動にこそ、あなたの価値が表れます。
志望企業や業界とマッチしたエピソードを選ぶ
ESで「変化・変革のエピソード」を選ぶ際は、志望企業が求める人物像やスキルとの関連性が極めて重要です。
応募する職種で求められる能力と、あなたの「変化・変革を起こした経験」がどう繋がるかを意識して書きましょう。
アピール効果が格段に高まります。
企業は単に優れた経験でなく「自社で活躍できる人材」を探しています。
あなたの経験と企業の求めるものが合致すれば、活躍イメージが湧きやすくなります。
まず企業HPや説明会で、求める人材像や価値観、事業を深く理解しましょう。
次に、あなたの経験から企業のニーズに最も響くエピソードを選びます。
そして語る際は、経験で培った能力や考え方が、企業の求める人物像や事業に「どう活かせるか」を明確に関連付けて伝えることが大切です。
例えば、マーケティング職であれば「新しいアプローチで顧客獲得に貢献した経験」、研究開発職であれば「既存のプロセスを改善し、効率を高めた経験」など、職種に合わせた内容にすることで、採用担当者に「この学生は入社後、この職種で活躍できる」と納得してもらえます。
これにより「貴社だから貢献できる」という熱意と説得力が増し、魅力的なアピールになります。
変革の経験に再現性を持たせる
ESの最後に、今回の経験を通じて得た学びを、応募企業でどのように活かしていきたいかを記載しましょう。
「この経験で培った〇〇という力を活かし、貴社で〇〇に貢献したいです」といった形で、入社後の活躍イメージを具体的に示すことで、採用担当者にあなたの入社への意欲とポテンシャルを強く印象付けられます。
【変化・変革を起こした経験】ESでアピールする際の注意点
ESで「変化・変革を起こした経験」をアピールする際は、なぜその変化が必要だったのか、目標達成のためにどう行動し、周囲を巻き込んだかを具体的に示しましょう。
そして、結果として何がどう変わり、何を学んだかを定量的に伝えることが重要です。
企業はあなたの課題解決能力とリーダーシップを見ています。
嘘を書かない
エントリーシートを作成する上で、「嘘をつかない」ことは、言うまでもなく大前提であり、絶対に守るべきルールです。
これは単なる倫理観の問題に留まりません。
面接での深掘り質問において、エピソードの矛盾や不自然さは、経験豊富な採用担当者には容易に見抜かれてしまいます。
一度でも嘘が発覚すれば、どんなに他の部分で優れたアピールをしていたとしても、人としての信頼性は完全に失われ、その後の選考通過は極めて困難になります。
内定後や入社後に判明した場合には、内定取り消しやさらに重い処分に繋がるリスクすらあります。
また、仮に嘘をつき通して入社できたとしても、本来の自分を偽り、過度に飾った姿を演じ続けることは精神的に大きな負担です。
結果的に企業文化や業務とのミスマッチが生じ、早期離職に繋がる可能性も高まります。
事実の過度な誇張も避け、自身の経験を正直に語ること。
それが、あなたの誠実さを示し、企業との信頼関係を築くための、そして何よりあなた自身のためにもなる最良の方法なのです。
抽象的な表現を避ける
前述の通り、「頑張った」や「努力した」といった抽象的な表現は避け、具体的な行動と成果に焦点を当てて書きましょう。
採用担当者は、あなたの行動の背景にある思考プロセスや、具体的な貢献内容を知りたいと考えています。
他人任せな表現にしない
「〇〇に言われてやった」「チームの指示で動いた」といった他人任せな表現は、主体性の欠如と捉えられかねません。
あくまであなたが中心となって、どのように変化・変革に貢献したのかを明確に記載しましょう。
自慢話にならないように注意する
あなたの学びや成長、そして入社後の貢献に繋げるための経験談として書くことを意識しましょう。
単なる自慢話に終始しないよう、謙虚な姿勢を保ちつつ、あなたの強みをアピールすることが重要です。
企業が求める人物像とズレがないか確認する
応募企業の企業理念や求める人物像を事前にしっかり把握し、あなたの経験がそれに合致しているかを確認しましょう。
企業が重視する項目(例えば、「チームワーク」「挑戦」「協調性」など)を意識して、表現を調整することも有効です。
【変化・変革を起こした経験】ES解答例5選
ここでは、エントリーシートで「変化・変革を起こした経験」を記述する際の参考として、具体的な解答例を5つ紹介します。
これらの例文は、アルバイト、サークル、学業など異なる状況設定や、主体性、課題解決力、リーダーシップといったアピールする強みの違いを意識して選びました。
構成や表現方法も様々です。
どのような構成で、どんな言葉を使えば、自身の経験や強みが効果的に伝わるのか、具体的なイメージを掴むためのヒントとしてご活用ください。
ただし、これらはあくまで一例です。
ご自身のユニークな経験に基づき、オリジナルのエピソードを作成するための参考にしてください。
アルバイト
原因はマニュアルの難解さと、忙しさからくる質問しづらい雰囲気にあると考え、店長に①図解や写真を多用したマニュアルへの改訂と、②先輩がマンツーマンで新人をフォローする「バディ制度」の導入を提案し、実行の許可を得ました。
自ら改訂版マニュアル作成の中心となり、他のスタッフには制度の目的とメリットを丁寧に説明し、協力を依頼。
バディ役の先輩には、新人が安心して質問できる雰囲気作りを特に意識してもらいました。
結果、導入後半年で新人離職率は以前の半分以下に低下し、店舗全体のチームワークも向上しました。
この経験から、現状の課題を特定し、周囲を巻き込みながら具体的な解決策を実行に移す主体性と行動力を学びました。
サークル活動
原因を広報活動のマンネリ化と外部への魅力発信不足と分析し、①他大学サークルとの合同ライブ、②地域店舗へのポスター掲示協力依頼、③演奏風景を編集したPR動画作成・SNS配信という新たな広報戦略を立案・提案しました。
自ら渉外担当として他大学や店舗と粘り強く交渉を進め、動画制作は得意な部員に協力を依頼。
週1回の定例会議で進捗共有と課題解決を図り、SNSでの効果的な発信方法もチームで議論しながら改善を重ねました。
当初は前例のない試みに不安の声もありましたが、各施策の目的と期待効果を丁寧に説明し、メンバーの協力を引き出しました。
結果、ライブ当日は目標としていた前年比1.5倍の集客を達成し、メンバーの士気も大きく向上し、サークルの活性化に貢献できました。
この経験から、課題に対し新たな視点で企画を立案し、周囲を巻き込みながら目標を達成する力を養いました。
部活動
個々の技術は高いもののチーム連携が弱く、特に試合後半の失点が課題でした。
過去の試合映像を分析し、原因は体力不足と戦術理解度の差にあると特定。
監督と主将に相談の上、①基礎体力強化に特化した新トレーニングメニューの導入、②フォーメーション連携を確認する専用練習時間の確保、③選手間の意見交換を活発にするミーティング形式の変更を提案し、実行しました。
自ら新メニュー作成に関わり、練習では常に声を出しチームを鼓舞。
連携練習では後輩へのアドバイスを積極的に行い、ミーティングでは学年に関わらず発言しやすい雰囲気作りに努めました。
当初は練習の厳しさへの戸惑いもありましたが、目標達成への熱意を伝え続け、チーム一丸となるよう働きかけました。
結果、チーム全体の体力と連携力が向上し、最後の大会で悲願の県ベスト8を達成。
この経験から課題分析に基づき計画を実行する力と、目標に向けチームをまとめる力を学びました。
ボランティア活動
若い世代への認知度向上が急務と考え、代表の方に相談し、①活動の魅力を伝えるSNSアカウントの開設・運営、②大学ボランティアセンターとの連携強化による学生への広報、③親子で楽しめる自然観察ミニイベントの活動日における同時開催、という3つの施策を提案し、実行のリーダーを任されました。
自らSNS運営を担当し写真や動画で情報発信を行う傍ら、大学センターへ定期的な情報提供と広報を依頼。
ミニイベントは地域の児童館や他の学生ボランティアにも積極的に働きかけ、企画段階から協力して実現しました。
当初はSNS運用やイベント企画に不慣れなメンバーもいましたが、目的の共有と丁寧な役割分担で協力を得ることができました。
結果、これらの取り組みにより学生の新規参加者は約2倍に増加し、親子連れの参加も増え活動全体が活性化しました。
この経験から、課題に対し多角的な解決策を企画し、多様な関係者を巻き込みながら実行に移す力を養いました。
長期インターンシップ
多くの手作業が発生し時間を要する上に、人的ミスも散見され、本来注力すべき分析や施策考案の時間が圧迫されていました。
社員の方に相談の上、現状プロセスを分析し、特定ツールの活用によるレポート作成自動化を提案し承認を得て、独学で必要なスキルを習し、自動化の仕組みを構築しました。
導入にあたっては、他のインターン生や社員向けに操作説明会を実施し、簡易マニュアルも作成することで、スムーズな移行を支援しました。
結果、レポート作成にかかる時間を一人あたり月平均10時間削減し、入力ミスもほぼゼロにすることができました。
これによりチームはより本質的な分析業務に注力できるようになり、生産性向上に貢献できました。
この経験から、課題を発見し、主体的に解決策を立案・実行して業務を改善する力を培いました。
【変化・変革を起こした経験】タイプ別アピール例文
エントリーシートで「変化・変革を起こした経験」をどう書けば効果的か、悩む方も多いのではないでしょうか。
この経験は、あなたの主体性や課題解決能力を示す絶好の機会です。
ここでは、あなたの多様な経験やアピールしたい強みに合わせて最適な表現が見つけられるよう、具体的な4つのタイプ別アピール例文を厳選してご紹介します。
「課題を主体的に解決した」「非効率な点を改善した」「新たな価値を創造した」「自分自身を大きく成長させた」など、ご自身の体験と照らし合わせながら、ぜひES作成の参考にしてください。
あなたにぴったりの例文から、選考官に響くES作成のヒントがきっと見つかるはずです。
課題解決型
入店後1ヶ月以内の離職率が30%と高く、慢性的な人手不足と既存スタッフの負担増が悪循環を生んでいました。
原因を分析するため新人スタッフにヒアリングを行った結果、教育体制の不備と孤独感が主な要因だと判明しました。
そこで、教育カリキュラムの整備と「メンター制度」の導入を店長に提案し、実行しました。
具体的には、業務マニュアルの図解化やチェックリスト作成、先輩スタッフが新人とペアを組み、精神的なサポートも行う体制を構築しました。
結果、離職率は10%まで改善し、店舗全体のチームワークも向上しました。
この経験から、課題の本質を見極め、具体的な解決策を実行する重要性を学びました。
効率化・改善型
従来、各部署からの経費申請や精算が全て紙ベースで行われ、月末には膨大な量の書類処理に追われ、ミスも頻発していました。
私はこの状況を問題視し、クラウド型会計ソフトとスプレッドシートを用いたシステムへの移行を提案しました。
当初は操作に不慣れなメンバーからの抵抗もありましたが、導入メリットや操作方法を粘り強く説明する勉強会を複数回実施し、個別のサポートも行いました。
結果、申請から承認までの時間が平均3日から半日に短縮され、手作業による入力ミスも9割削減できました。
この経験から、現状の課題点を見つけ出し、周囲を巻き込みながら効率的な仕組みを構築する力を養いました。
価値創造型
私たちの活動地域は歴史的な街並みが残るものの、若者の訪問が少ないという課題がありました。
そこで私は、SNS映えする「街歩き謎解きゲーム」を考案しました。
地域の歴史や文化財をヒントに謎を解きながら街を巡るもので、クリアした参加者には地元の商店で使えるクーポンを提供する仕組みも取り入れました。
企画立案から謎の作成、地元商店への協力依頼、SNSでの広報まで仲間と分担して行い、開催期間2日間で目標の200人を上回る約350人の参加者を集めることができました。
アンケートでは「街の新たな魅力を発見できた」と好評で、地域への関心を高めることに貢献できたと自負しています。
自己変革型
元々引っ込み思案な性格で、議論の場で発言することに強い抵抗感がありましたが、国際的な視野を広げたい一心で挑戦しました。
最初の数ヶ月は全く発言できず悔しい思いをしましたが、毎回の練習後に先輩や同期からフィードバックをもらい、論理構成や話し方を徹底的に研究しました。
また、英語記事を毎日音読し、語彙力と表現力を強化しました。
半年後にはチームの主要スピーカーとして大会に出場し、入賞を果たすことができました。
この経験は、目標達成のために地道な努力を継続し、自分自身の弱点を乗り越える大きな自信となりました。
【変化・変革を起こした経験】効果的なESを書いて企業にアピールしよう
自分自身を振り返り、これまでの経験を整理する良い機会でもあります。
エントリーシートで「変化・変革を起こした経験」を問われたら、それはあなたの主体性や課題解決力、行動力、そして入社後のポテンシャルをアピールする絶好のチャンスです。
特別な経験である必要はありません。
アルバイトやサークルなど身近な活動の中から、①なぜ変革が必要だと感じたか(課題意識)、②どのように考え行動したか(主体的なプロセス、周囲との関わり)、③その結果何が変わったか(成果と学び)など自分自身を振り返り、これまでの経験を整理する良い機会でもあります。
具体的に示しましょう。
特に、周囲を巻き込んで成し遂げた経験は、リーダーシップや協調性も伝えられ効果的です。
エピソードは志望企業の求める人物像と関連付け、あなたの強みが際立つよう構成を工夫してください。
何より大切なのは、嘘や誇張なく、正直に自分の言葉で語ること。
この記事で解説したポイントを参考に、あなたならではの経験を説得力をもって伝え、企業の心をつかむESを作成しましょう。
木下恵利
「変化・変革」には、現状の課題を発見し、それを解決するために自ら行動を起こす力が不可欠です。どのような課題を見つけ、なぜそれが課題だと感じたのか、そしてその課題に対してどのようなアプローチで取り組んだのかを詳細に記載することで、あなたの主体性と問題解決能力をアピールできます!