明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
・「志望動機」と「実現したいこと」の違い
・それぞれの回答のコツ
・業界・職種別の例文
・「志望動機」と「実現したいこと」の違いがよくわからない人
・ESと面接の対策を入念に行いたい人
・豊富な例文を読んで感覚をつかみたい人
はじめに
就活において志望動機を聞かれる可能性はほとんど100%と言っても良いレベルですが、似ている質問として「実現したいことは何か」を聞かれることがあります。
これらはいずれも意図が異なる質問なのですが、それぞれ混同しがちであるため、明確に区別しておかなければなりません。
そこで今回はそれぞれの違いについて例文などを用いて詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
【志望動機と実現したいことの違い】志望動機と実現したいことの違いは?
両者は混同されがちですが、それぞれ目的や視点が異なります。
志望動機は自分の経験を活かして「なぜその企業で働きたいか」「どのように貢献できるか」を示すことが求められます。
一方で「実現したいこと」では自分自身の価値観や目指す働き方を伝えることが重要です。
つまり、企業とのマッチングを確認するために設けられている項目であり、自分自身の視点から企業をどう見ているかを話しましょう。
「私はこのような価値観を持ち、こういう働き方を目指している。その実現の場として貴社を選んだ」という論理が求められます。
一貫性をもたせよう
志望動機と「実現したいこと」は別々に書くことが多いものの、内容の一貫性が重要な意味を持ちます。
企業は志望動機で見せた熱意が実現したいことの中でどのように接続されているかを確認しています。
志望動機は「なぜその企業に入りたいのか」「どのような力を活かしたいのか」を伝える一方で、実現したいことでは「その企業で何を実現したいのか」「どのような価値観なのか」に焦点が移ることが多いです。
ここに矛盾があると、応募者の軸がブレていると思われ、評価を下げてしまう可能性があります。
したがって、内容を考える際には自分の価値観やキャリアの方向性を軸に据えて、それが志望動機から自然に続いていることが理解できるような構成を意識すると良いでしょう。
【志望動機と実現したいことの違い】志望動機を聞く理由
企業が志望動機を尋ねる理由は「働きたい理由を知りたいから」だけではありません。
最も重視しているのは、数ある企業の中でなぜ自社なのか、その応募者は本当に自社で働く意思があるのか、という点です。
つまり志望動機では企業への理解度やモチベーションの高さが見られています。
また、その企業が求めている人物像と強みや価値観が合致しているかも、見極めようとしていることが多いです。
また、志望動機には「説得力」が必要です。
自分の経験やスキルを根拠にしておき、その企業で自分がどう貢献できるかを明確に伝えることを求められます。
志望動機が漠然としていたり、他の企業でも通用するような内容になっていたりすると、熱意や志望度が低いと思われてしまいます。
【志望動機と実現したいことの違い】実現したいことを聞く理由
続いて、実現したいことについて聞かれる理由について考えてみましょう。
志望動機を聞く理由と重なる部分もありますが、やや異なる意図もあります。
それぞれ、なぜ聞かれるのか明確に理由を理解した上で、相手が求めている回答を提示しましょう。
企業とのミスマッチを防ぐため
企業が実現したいことを尋ねる最大の理由は就活生と自社との間で価値観のズレがないかを確認したいからです。
企業は長く活躍してくれる人材を求めているため、応募者がどのような目標を持ち、どのような働き方を大切にしているかを知り、自社の方向性と一致しているか見極めようとしています。
「思っていた仕事と違った」と早期退職されることは採用と育成に時間とお金を投入した企業からすると大損です。
したがって、応募者が自分の考えをしっかり持っていて、それが企業の理念や事業内容と矛盾していないかを丁寧に確認しているのです。
業務内容の理解
実現したいことを問う背景には、応募者がどれほど企業の業務内容を理解しているかを見極めたいという狙いもあります。
企業側としては自社の事業内容や具体的な業務、求められる役割などをきちんと把握した上で志望しているのかどうかを確認したいと考えています。
企業の知名度や福利厚生といった表面的な情報だけで志望しているのではなく、自分がどのような立場で何に取り組めるのかを考えた上でエントリーしたかをチェックされているのです。
もし、業務の実態とまったく異なることを「実現したいこと」として語ってしまうと、入社後に仕事内容とのギャップに悩むことになり、ミスマッチを招く可能性があります。
企業はそうしたミスマッチを未然に防ぐために、応募者の理解度を確認しようとしているのです。
実現したいことと将来の夢は似ているようで異なる概念であり、企業はその違いを理解した上での回答を期待しています。
「将来の夢」は自分の中にある理想や人生観に基づいた抽象的な目標であることが多く、必ずしも職務や企業との関連は強くありません。
一方、実現したいことは「入社後の業務を通じて何を目指したいか」という、より具体的で現実的な視点が求められます。
企業はこの質問によって、応募者がどのように働きたいと考えているのかを知り、職場でどう活躍するか、イメージを持とうとしています。
理想を語るだけでなく、現実の仕事と結びつけて考えられているかが重視されており、志望動機とのつながりや入社後の方向性との整合性も確認されていることが多いです。
【志望動機と実現したいことの違い】ESの書き方
ESで志望動機と「実現したいこと」について同時に聞かれることは少なくありません。
この両者を明確に区別した上で回答できれば、あなたの魅力がより伝わりやすいESが出来上がることでしょう。
ぜひそれぞれを比較しながら書き方を学んでください。
志望動機の書き方
まず、その企業でなければならない理由を明確に伝えることが最も重要です。
企業研究の内容を反映し、業界全体だけでなく、その企業特有の特徴に目を向けた上で自分が魅力を感じた点示すことが大切です。
また、企業の魅力を語るだけではあまりにも不十分であるため、自分自身の価値観や経験と企業の仕事がどのように結びつくのかを言語化しましょう。
自分がどのような人間で、どのような場面で力を発揮してきたかについて触れつつ、それを企業の業務と関連させることで、貢献できることを強調できます。
企業のどのようなフィールドで活かせるのかについて示して「この企業だからこそ挑戦したい」と感じていることが伝わるよう、構成することがポイントです。
実現したいことの書き方
実現したいことについてESで書く際は、まず自分はその企業で何を目指しているのか明確にする必要があります。
将来の目標が漠然とした夢や理想ではなく、企業の仕事を通じて現実的に実現可能なものであることを示さなければなりません。
そのためには背景やきっかけとなる経験を示し、自分の考えに根拠があることを伝えることが大切です。
また、その目標を実現する場としてなぜその企業を選んだのかも併せて説明することを心がけましょう。
自分の価値観やビジョンが企業の方向性と一致しており、自分が挑戦できる場であると説得力を持って書くことを心がけてください。
【志望動機と実現したいことの違い】基本の構成
それぞれの書き方がやや異なることについては、たった今紹介しました。
しかし、基本的な構成は、実は志望動機であっても実現したいことであっても変わりません。
以下の構成をマスターしてしまえば、どちらを聞かれた際もすぐに回答が提示できるようになるでしょう。
結論
エントリーシートでは志望動機や実現したいことの結論を明確に述べることが基本です。
文章を読み進める採用担当者が冒頭で何を伝えたいのかを把握できることで、後の内容も頭に入ってきやすくなります。
志望動機であれば「なぜその企業を目指しているのか」、実現したいことであれば「入社後に何を目指しているのか」を端的に考えて、自分の意思をはっきりと言語化することで文章全体の軸が明確になります。
特に志望理由が企業の特徴や自分の価値観と結びついていると、相手の関心も惹きやすいです。
第一印象を左右する冒頭だからこそ、簡潔かつ明確な主張を意識することが質の高い回答を作成することにつながるでしょう。
具体的なエピソードや経験
結論を伝えた後には、それを裏付ける自分の経験や行動を盛り込まなければなりません。
この部分ではどのような経験からその志望理由や目標に至ったのか、その経験における価値観や学びが何だったのかを丁寧に説明しましょう。
採用担当者はあなたのことを詳しく知っているわけではないため、誰が聞いてもイメージできる、わかりやすい説明をしてください。
そして、経験を通じてどのようにその企業を目指すようになったか説明できると、よりわかりやすくなります。
「過去の経験」から「現在の志望」へとつながる流れを示すことは、自分の軸が一貫していることを示すことにもつながります。
読み手に納得してもらうためにも、誰でも理解できる、客観的な書き方を心がけましょう。
なぜその企業なのか
志望動機や実現したいことを書く際には絶対に忘れてはならないのが「なぜ他の企業ではなく、この企業なのか」という点です。
ここを曖昧にしてしまうと「どの企業にも通じる汎用的すぎる内容だから、志望度が低い」と思われてしまうことでしょう。
企業が展開している事業、提供しているサービス、掲げている理念や風土などをリサーチして、自分が共感した点や興味を持った点を具体的に言語化することを心がけてください。
また、それらが自分の価値観や将来の方向性とどう結びついているのかも示すことで、さらに説得力が高まります。
この項目は企業研究の深さが問われる部分でもあるので、表面的な、誰でも書けるような表現にならないよう、しっかりと時間をかけて構成することが大切です。
志望度の高さを示す意気込み
文章の締めくくりでは志望度の高さや入社後にどう貢献していきたいかという意気込みを明確に伝えましょう。
ここで大切なのは「志望先で何をしたいか」という理想だけでなく、それを実現するために自分がどのように行動し、どのような姿勢で仕事に臨むつもりかを具体的に示すことです。
志望動機の場合であれば、自分の強みや経験を活かして、どのように企業の目標や事業に貢献していきたいかを述べましょう。
実現したいことの場合は、目標達成に向けた取り組み方や、自分が今後どのように成長していくかというビジョンを含めると、さらに説得力が増します。
このような意気込みは企業に対してモチベーションの高さを伝える要素でもあります。
読み手が「この人と一緒に働きたい」と感じるような内容になるよう、心がけてください。
【志望動機と実現したいことの違い】書く際のポイント
ここまで紹介した内容だけでも、志望動機と実現したいことの違いを踏まえてESを書けるようになっているでしょうし、面接でも回答できるようになっているはずです。
しかし、以下のそれぞれのポイントを踏まえた上で回答を作ると、より企業にあなたの魅力が伝わりやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。
志望動機を書く際のポイント
志望動機を作成する際は、ただ気持ちを伝えることや憧れを述べることに終始するのではなく、自分のスキルや経験を具体的に示さなければなりません。
抽象的な表現ではなく、自分がどこで、何を経験しているのか、どのような力を身につけてきたのかを具体的に記述することで、説得力ある内容になります。
また、それらのスキルや経験が志望先の企業の業務や理念とどのように結びついているのかを分かりやすく説明することも大切です。
企業側が重視するのは「応募者が入社後に本当に活躍できるかどうか」です。
したがって、自分のこれまでの取り組みがどのように企業の事業や風土とマッチしているかを示す言葉を忘れないでください。
企業の魅力を語るだけでなく「自分の価値がどこで活かせるのか」という視点を持って書くことで、より実践的かつ意欲が伝わる志望動機が出来上がります。
実現したいことを書く際のポイント
実現したいことを書く場合は、自分がどのような目標を持ち、仕事を通じてどのように成長していきたいかという展望を具体的に描くことが必要です。
ここで重要なのは、ただ理想論で終わらせるのではなく、業務に根ざした現実的な視点を持つことです。
仕事を通じてどのようなことに挑戦したいのか、どのような力を身につけたいのかを明確にして、その上で最終的に目指す姿が何なのかを示すと文章に厚みが出ます。
また、その目標を実現するにあたって、なぜその企業が最適な環境なのかを言語化することで、企業との相性や理解度の深さも伝わることでしょう。
自分で描く未来像と企業の方向性が重なっていることが伝わる構成を意識することがポイントです。
【志望動機と実現したいことの違い】受かるためのコツ
続いて、就活で内定を獲得するためにぜひ取り組んでいただきたい対策について紹介します。
以下の3つは志望動機や実現したいことの回答のクオリティを高めるだけでなく、自分に合った企業を見つけ、自己PR、ガクチカなど他の項目のクオリティを高めるにあたっても取り組んでいただきたい対策です。
まだ取り組んでいない方はもちろんのこと、少し不十分だと感じている方はぜひもう一度取り組んでみてください。
自己分析をする
志望動機や実現したいことをより分かりやすく伝えるためには、まず自己分析が欠かせません。
自分の強みや弱み、これまでの経験から得た価値観を理解しておくことで、ESや面接で語る内容に軸が生まれます。
自分がどのような環境で力を発揮できるのか、どのような仕事にやりがいを感じるのかといった内面的な理解が深まると、志望先との相性も見極めやすくなるでしょう。
また、自分が大切にしている価値観がどのように形成されたのかを言語化する力はES作成においても大きな武器となります。
根拠のある内容を伝えるためには、過去の経験を「棚卸し」しながら自分が何を大切にしてきたかを振り返る時間をしっかり取ることが大切です。
企業研究をする
選考に通過するためには、企業研究の質も非常に重要です。
企業がどのような理念や価値観を持ち、どのような事業を展開しているのかを調べて、自分の思考と重なる部分を明確にしましょう。
採用ページや公式サイトはもちろんのこと、IR資料や社員インタビューなども活用すると、企業が本当に求めている人物像やスキルが見えてきます。
その上で、自分がなぜその企業に共感したのか、どれに貢献できるのかについて考えると、より深い内容の志望動機に仕上げることができます。
企業研究が浅いと内容が表面的になり、他社にも使い回せるような汎用的なものになりがちです。
また、余裕があれば、OBOG訪問や会社説明会、インターンなども活用して企業に関する理解をさらに深めましょう。
就活エージェントを利用する
最もおすすめの対策は就活エージェントを利用することです。
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【志望動機と実現したいことの違い】志望動機のNGな回答
就活においてはポジティブな要素を伝えることに注力する方が多いでしょうが、ネガティブな印象を避けるために意識しなければならないことも存在します。
以下の3点を意識した上で志望動機を作成すれば、気づかぬうちにマイナスな印象を与えてしまう可能性も下がることでしょう。
志望動機と自分の強みが合っていない
志望動機と自分の強みが全く噛み合っていない回答はマイナスな印象を与えてしまう可能性が高いです。
自分が得意としていることだけを一方的にアピールしても、それが企業の方向性や仕事に合致していなければ説得力がありません。
企業は自社の目指すビジョンや課題を理解した上で、その中でどう活躍できるかを考えている人物を求めています。
したがって、自分のスキルだけを述べて終わるのではなく「企業の業務にどのように貢献できるのか」「どのような能力が企業に必要だと思ったのか」を言語化することが必要です。
自分に関する理解だけでなく、企業理解も大切であり、これが不足していると企業の魅力より自分の話ばかりになりやすく、評価を下げてしまうこともあります。
自分を過大評価している
自信を持つことは大切です。
しかし、それが行き過ぎると逆効果となってしまうでしょう。
「自分のスキルは唯一無二だ」「即戦力として完璧に活躍できる」といった過剰なアピールは避けてください。
特に新卒採用において企業は「ポテンシャル」や「成長意欲」を重視しており、完璧さよりも素直さや吸収力を重視する傾向にあります。
また、言い方によっては「現在働いている社員に対して失礼だ」と不快感を与えてしまうおそれもあります。
「初日から即戦力として大活躍する」などと述べてしまったら、人によっては「それならば、3年も5年も勤務している、当社の社員は無能だと言うのか?」と怒ってしまうかもしれません。
活躍のイメージを伝えることは大切ですが「すでに自分は完璧だ」とアピールするのではなく「入社後に成長して、1日も早く貢献したい」といったニュアンスが大切です。
福利厚生や待遇にばかり注目している
これはどのような項目においても共通することですが、福利厚生や待遇面ばかりに焦点を当ててしまうと、働く意欲や企業への関心が非常に弱い就活生であると思われてしまいます。
給与や休日などの条件面は就職先を選ぶ上で重要な要素であることは間違いありませんが、それは「本音の軸」であり「建前の軸」ではありません。
その企業の仕事にどのような魅力を感じたか、どのように貢献していきたいかといった主体的な動機を述べることを心がけましょう。
ほとんどの人事は就活生が福利厚生や待遇を見た上で企業選びをしていることを知っています。
しかし、社会人には「建前」も必要です。
いわゆる「常識的な、表面上の動機」を述べることができないと「配慮できない人だ」と思われてしまう可能性があります。
【志望動機と実現したいことの違い】実現したいことのNGな回答
続いて、実現したいことについて聞かれた際のNGな回答にありがちな要素について紹介します。
以下のような回答を提出してしまうと、企業はあなたの魅力が理解できず「一緒に働きたい」と思ってくれないことでしょう。
以下の3点は実現したいことについて答える際、覚えておいてください。
抽象的で説得力がない
内容があまりにも抽象的すぎると、読み手は何を目指しているのかを全く理解できず、説得力がないと思われてしまいます。
漠然とした理由や大きな目標だけを語っても、それを企業の業務とどう結びつけていくのかが見えなければ共感を得ることは全くできません。
採用担当者が知りたいと考えているのは「この人は自社でどのような価値を発揮してくれるか」という具体的な将来像です。
したがって、自分の経験や考えがどのように関係しているか、そしてそれを企業の環境でどのように形にしていくのか、というプロセスを明示する必要があります。
また、その企業でなければならない理由も含めることで、内容に一貫性と納得感が生まれます。
曖昧な表現を避けて、根拠と目的を丁寧に言語化する姿勢が大切です。
目標設定が低い
実現したいこととして挙げる目標があまりにも簡単に達成できそうな内容であると、成長意欲が低いと思われてしまう可能性が高いです。
企業は新入社員に対して即戦力であることは求めていませんが、成長を重ねて、将来的には重要な役割を担ってほしいと期待しています。
「誰かの役に立ちたい」など低い目標を話してしまうと「この人は将来の展望が曖昧で、目標が低い」と評価されてしまいます。
大切なのは、明確な将来像を持ちつつ、それに至るまでの過程をしっかりと考えている姿勢を示すことです。
中長期的な目標を述べて、現実性と挑戦意欲のバランスが取れた内容を話しましょう。
高すぎる理想を掲げると「舐めている」と思われてしまいますが、あまりにも低い目標を掲げないように、気をつけてください。
その会社で挑戦する必要がない
実現したいことがどの企業でもできるような浅い内容になっている場合、説得力が大きく損なわれてしまいます。
採用担当者が重視しているのは「なぜこの会社で挑戦をしたいのか」という企業との結びつきです。
実現したいこと自体が悪くなかったとしても、その会社の特徴を踏まえた内容になっていなければ、他社でも通用する表面的な志望に見えてしまいます。
企業は自社の環境や文化の中で力を発揮できる人材を求めているため、企業ならではの要素と実現したいことを関連付けて書くことを心がけましょう。
【志望動機と実現したいことの違い】業界別の例文
ここまで紹介してきた内容を踏まえた上で、メーカー、コンサル、広告、マスコミ、金融、ITの5つの業界に分けて志望動機と実現したいことそれぞれの例文を作成しました。
それぞれどのような点が異なるのか、見比べながら参考にしてみてください。
メーカー
志望動機の例文
貴社を志望する理由は生活に密着した製品を通じて人々の暮らしを豊かにするという姿勢に強く共感したからです。
学生時代、大学の研究室で消費者の購買行動に関する調査を行いました。
同じ商品でも使い勝手や機能性の違いが生活の質に大きな影響を与えることを実感し、利便性を重視することの重要性を痛感しました。
貴社の製品は利便性だけでなく、使う人の気持ちに寄り添う工夫が施されており、開発者の意思を感じています。
また、展示会で社員の方と話す際も「人に使ってもらって初めて意味がある製品を作る」という姿勢に心打たれました。
入社後は消費者の目線に立った製品開発に携わり、分析力と発想力を活かして人々の生活を支えるものづくりに貢献する所存です。
実現したいことの例文
私が貴社で成し遂げたいことは消費者の声を形にして生活の質を向上させる製品を生み出すことです。
大学のマーケティングゼミで食品メーカーの消費者調査を行い、既存商品に対する不満や「こうだったらいいのに」といった意見を一つひとつ拾い上げて、開発提案を行ったことがあります。
その後、新商品の試作段階に進み、小さな声を形にすることは社会に価値を生むという手応えを感じました。
貴社は常にユーザー視点を大切にし、細部にまで工夫が施された製品を数多く世に送り出しており、私の理想とするものづくりの姿勢と一致しています。
入社後は徹底したユーザー理解と企画力を活かし、暮らしの不満や潜在的なニーズに寄り添う製品づくりに貢献したいと考えています。
コンサル
志望動機の例文
貴社を志望する理由は課題の本質を見抜き、変革を実行する力を持つプロフェッショナル集団であるからです。
大学で地域企業の経営支援を行うゼミに所属し、中小企業の業務改善に取り組んだことがあります。
業務フローの可視化提案を行った際、現場の声を拾いながら論理的かつ柔軟に提案を形にしていく難しさと面白さを実感しました。
この経験を通して、クライアントに伴走しながら解決策を導くコンサルティング業務に強い興味が湧きました。
特に貴社は業界にとらわれず多くの案件に携わり、実行支援まで責任を持つ姿勢を大切にしており、まさしく私の志向に合致していると感じています。
将来は課題の核心を掴む思考力と信頼を築く対話力をさらに磨き、クライアントと変革に伴走できる人物として貢献する所存です。
実現したいことの例文
私が貴社で達成したいことは課題の本質を見極め、企業の変革を現場レベルでサポートすることです。
大学で地域企業と連携した経営改善プロジェクトに参加したことがあります。
当初は「解決策を提示すれば問題が解決する」と思っていましたが、現場の理解と納得がなければ定着しない現実を痛感しました。
その時に重要だと感じたのは丁寧に話を聞くことであり、従業員の声を反映させた上で提案した業務フロー改善策が今も運用されていると聞いています。
貴社は提案だけで終わらず、実行フェーズにおける現場支援まで徹底して行っており、私が目指す支援のあり方と完全に一致しています。
入社後は論理的な思考力と現場感覚の両方を磨き、クライアントと長期にわたって伴走する所存です。
広告・マスコミ
志望動機の例文
貴社を志望する理由はメッセージの力で人を動かし、社会とのつながりを生み出せる点に強く惹かれるからです。
大学時代、地域活性化団体の広報を担当し、地元の祭りの集客施策を企画しました。
前年より集客数が減っているということで、まずターゲット層の分析から着手し、来場者の声を元に「思い出がつながること」をテーマにSNSの告知動画を作成しました。
結果として目標比150%の集客を実現し、地域住民からも高い評価を受けました。
また、情報発信の工夫次第で人の感情も行動も大きく動かせることにやりがいを感じました。
貴社は商品や企業の魅力だけでなく、社会的な意味まで含めて伝える表現を追求しており、まさに私の価値観と完全に合致しています。
入社後は相手の心を掴む企画力と分析力を活かし、社会や企業を前向きに動かす広告制作に尽力する所存です。
実現したいことの例文
私が貴社で成し遂げたいことは社会や企業の課題を深く掘り下げて、人の心を動かす表現で解決に導くことです。
学生団体で広報を担当していた際、地域イベントの集客が減少してしまったことがあります。
そこで地域住民の方々にインタビューを行った結果、共感や懐かしさを軸にした動画コンテンツを作成する案に至り、前年比135%の集客を実現できました。
この経験を通じて、広告は商品やサービスを紹介するだけでなく、社会的な意味付けを与える力があると実感しました。
貴社は商品を訴求するだけでなく、社会的な背景まで掘り下げて本質に迫るクリエイティブを追求されており、まさしく私の考え方と合致しています。
入社後は深いインサイトと確かな表現力を身につけ、社会課題の解決に向けて世の中を動かす仕事がしたいと考えています。
金融
志望動機の例文
貴社を志望する理由は金融を通じて個人や企業の未来を支え、信頼関係を築いていく仕事に魅力を感じるからです。
大学時代、ボランティア団体の財務を担当していた際、予算管理が曖昧で活動が停滞したことがあります。
そこで収支の見える化と各プロジェクト単位での予算立案制度を導入した結果、団体全体の資金管理が安定し、活動件数も前年比約2倍に増加しました。
この経験から、お金の管理はただ数字を操作するだけでなく、人の意思決定を支え、行動の幅を広げる手段であると実感しました。
貴社は個人・法人双方に寄り添った金融サービスを展開し、長期的な関係構築に重きを置いている点で私の思考に魅力を感じています。
入社後は金融知識と対話力をさらに高めながら、お客様の人生や経営のパートナーとして信頼される存在を目指します。
実現したいことの例文
私が貴社で実現したいことは金融を通じて個人と企業の可能性を広げ、成長を支えることです。
大学ではゼミで中小企業の資金調達課題について学びました。
事業計画が優れているにもかかわらず、金融知識が乏しいことで資金繰りが難航している事例に多く出会い、金融の理解と伴走の重要性を痛感しました。
また、学生団体で財務を担当していた際も、資金管理の仕組み化によってメンバーのモチベーションが高まったことがあり、お金は挑戦を後押しする力になると感じています。
貴社は顧客の将来の可能性まで見据えた提案を強みとしており、まさしく私が考える金融の理想像です。
入社後はお客様の言葉に丁寧に耳を傾け、金融知識と信頼関係を基に成長を支援する人物として貢献できればと考えています。
IT
志望動機の例文
貴社を志望する理由はITの力で社会課題を解決し、人々の生活をより豊かに変えていける点に魅力を感じるからです。
大学で情報学を専攻し、災害時の情報伝達をテーマにしたアプリ開発のプロジェクトに取り組みました。
相談所の情報がSNS上に混在していたため、地域ごとにリアルタイムマップを作成した結果、地域の避難訓練でも活用されました。
この経験から、技術の使い方次第で人の行動や安心を支えられると実感しました。
貴社は行政、医療、教育など社会性の高い分野においてソリューションを展開しており、技術で人を支える姿勢に深く共感しています。
入社後は技術力と課題発見力をさらに磨きながら、社会に必要とされるサービスを多く開発し、人々の生活を支えるエンジニアとして貢献できればと考えています。
実現したいことの例文
私が貴社で成し遂げたいことはITの力で社会の不便を解消して、人々の選択肢と安心を増やすサービスを生み出すことです。
大学で情報工学を学び、災害時における避難情報の共有に課題を感じました。
そこでアプリ開発プロジェクトを立ち上げ、SNSから正確な情報を集約し、地図と連動させて表示する仕組みを構築しました。
自治体の避難訓練で使用された際は「安心できた」という声を多くいただき、技術は人の生活に確かな影響を与えることを実感しました。
貴社は行政、医療、教育など社会的意義の高い領域でシステム開発を行っており、技術で人を支える姿勢に深く共感しています。
入社後は課題の本質を捉える力と技術の応用力を磨き、より良い社会の基礎作りに貢献する所存です。
【志望動機と実現したいことの違い】職種別の例文
こちらでは志望動機と実現したいことの回答を職種別に5つ作成しました。
事務職、研究職、企画職、営業職、製造職と、この記事を読んでくれている皆さんが目指している可能性が高い職種を5つ厳選したので、ぜひ読んでみてください。
事務職
志望動機の例文
貴社を志望する理由は組織の基盤を支える事務の仕事に大きなやりがいを感じるからです。
大学時代、学園祭実行委員会で総務を担当し、会計管理や備品調整、連絡対応などを行っていました。
特に200名を超える関係者の予定調整と会場予約を1週間でまとめた際は、全体の動きを円滑にする大切さを強く実感しました。
また、事務処理の正確さやスピード、報連相の徹底によって信頼を得たことは自分の中での大きな成功体験となりました。
貴社は業務フローやサポート体制に強みを持ち、社員の皆様一人ひとりが働きやすい環境を整える点に惹かれています。
入社後は正確さと丁寧さを意識しながら、部門や社員の皆様が安心して働ける環境づくりに貢献する所存です。
実現したいことの例文
貴社で成し遂げたいことは社員一人ひとりが業務に集中できる環境を整え、組織の生産性を根底から支えることです。
大学時代はサークルで運営補佐を担当し、資料作成やスケジュール調整、議事録の管理などを担当していました。
特に大規模なイベントの準備ではメンバーの動きを把握しやすくするために進捗管理表を作成し、それにより全体の作業効率が向上したことがあります。
この時、誰かの業務を裏側から支えることにやりがいを強く感じました。
貴社は業務効率化の取り組みやチームでの協力体制が整っており、業務支援を重視する文化が根付いていると感じています。
入社後は正確さと丁寧さを追求して事務業務を行い、円滑な業務運営に貢献する所存です。
研究職
志望動機の例文
貴社を志望する理由は社会課題の解決に向けて地道に実験を積み重ねる研究職の役割に大きな魅力を感じるからです。
大学では環境科学を専攻し、水質浄化に関する研究に取り組んでいました。
微生物の活性化に注目し、複数の培養条件を比較する実験を半年以上繰り返しました。
期待した結果が出ない日々も多くありましたが、仮説を見直しながら試行錯誤を重ねた結果、論文発表にもつながる知見を得ることができました。
地道な作業を続けた経験が、自分の粘り強さと分析力を育ててくれたと考えています。
貴社は長年にわたり応用研究と実用化の両面で成果を上げており、真摯に技術と向き合う姿勢に深く共感しています。
入社後は探究心と論理的思考力を武器に、社会と技術の橋渡しとなる研究者として貢献する所存です。
実現したいことの例文
貴社で成し遂げたいことは未解決の技術的課題に挑み、社会に役立つ技術を生み出すことです。
大学で材料工学を専攻し、耐熱合金の強度向上に関する研究に取り組みました。
高温下での持久性を高めるために微細組織の観察と成分調整を繰り返し行いましたが、想定通りの結果が得られず、何度も壁にぶつかりました。
それでも文献調査や教授との議論を通じて粘り強く検証を続け、学会での発表にもつながる成果を上げることができました。
貴社は基礎研究から応用研究までの幅広い開発を行っており、技術に向き合える環境が整っている点に魅力を感じています。
今後は自らの探究心と粘り強さを活かして、未来を支える技術の実用化にさらに貢献する所存です。
企画職
志望動機の例文
貴社を志望する理由は企画の力で人々の行動を変える仕事に強く惹かれているからです。
学生時代に運営していたオンライン勉強会では参加率が高くありませんでしたが、アンケートの「仲間と一緒に頑張れる環境が欲しい」という声に注目し、週次で成果報告会を導入したところ、1ヶ月で参加率が2.5倍以上に改善されました。
この経験から、相手のニーズを掘り下げて形にすることで行動や意識に変化を起こせる面白さを実感しました。
貴社は消費者インサイトに基づいた商品開発やサービス企画に力を入れており、まさしく自分の目標と一致しています。
入社後は分析力と想像力を活かして、生活者の本音に応える企画を生み出し続ける所存です。
実現したいことの例文
私が貴社で成し遂げたいことは生活者の本音を起点に新たな価値を提供する企画を生み出すことです。
大学時代、地域密着型のカフェとサークルでプロモーションを企画したことがあります。
若年層の来店が少ないため、私の大学とのコラボメニューやSNSを活用したキャンペーンを提案した結果、2ヶ月で来店者数が前年比140%に達し、店舗の売上にも大きく寄与しました。
この経験を通じて、消費者の目線を丁寧に読み解き、課題を具体的な施策に落とし込むことの面白さを実感しました。
貴社は市場調査とアイデア創出の両面を重視し、消費者と深く向き合う姿勢を大切にされていると感じています。
入社後は分析力と発想力を武器に、社会の変化に応じて柔軟な企画を形にし、貴社の更なる成長に貢献する所存です。
営業職
志望動機の例文
貴社を志望する理由はお客様の心理を紐解き、最適な提案で課題解決を図る営業の仕事にやりがいを感じるからです。
アルバイト先の書店で売上が低迷するジャンルの棚作りを任されたことがあります。
お客様の動線や購買データをもとにレイアウトとポップを工夫したところ、対象商品の売り上げが1.8倍に増加しました。
貴社はただ売り込むだけでなく、本質的な課題に寄り添った提案力を重視している点に強く共感しています。
入社後は相手の期待以上の提案を行い、ただの営業職でなくビジネスパートナーとしてお客様に長く貢献できればと考えています。
実現したいことの例文
貴社で達成したいことはお客様の課題に真摯に向き合い、信頼関係を築き、長きにわたって良好な関係を築くことです。
学習塾でアルバイトをしていた際、保護者との面談対応を任されたことがあります。
不安そうなお母様に対して成績の推移や本人の得意分野、今後の学習方針をデータと共に丁寧に説明したところ「安心してお任せできます」という言葉をいただきました。
この経験から、目の前の不安を取り除きながら価値を提供することの意義を実感しました。
貴社は売上だけでなく、顧客満足と信頼を重視して営業を行っており、まさに私が目指す将来像と完全に一致しています。
入社後は傾聴力と提案力をさらに磨き、お客様にとって真に価値ある営業担当として尽力する所存です。
製造職
志望動機の例文
貴社を志望する理由は高品質な製品作りを通じて社会の安全や安心を支える現場に魅力を感じるからです。
大学では工学系の研究室に所属し、加工精度のばらつきを抑えるための工程改善に取り組みました。
特に実験装置の動作に微小な誤差が生じる場面では、部品のわずかな摩耗が原因であることを突き止め、素材の選定を見直すことで安定性を向上させられました。
また、地道な観察や改善を積み重ねる中で、品質への責任感とチームでの連携の大切さを学びました。
貴社の製造現場における改善活動や人材育成にも注力しており、働く人の技術を大切にする企業文化に惹かれています。
入社後は現場での気づきを起点に、品質と効率を高める製造職として真摯にものづくりに取り組み続ける所存です。
実現したいことの例文
貴社で達成したいことは高品質な製品を安定して生産できる現場作りに貢献することです。
大学では生産システムの研究室に所属し、小規模工場の工程改善に関する実地調査を行いました。
現場でヒアリングを行い、工程ごとの時間のばらつきや作業手順の重複が非効率の原因であることを発見し、作業手順の再構成とレイアウトの改善を提案しました。
その結果、作業時間が全体で約15%短縮され、生産性が大幅に向上しました。
この経験から、現場に足を運び、丁寧に状況を観察しながら改善策を見出す大切さを学びました。
貴社は現場での改善活動を重視しており、現場主導のものづくりの姿勢に共感しています。
入社後は現場での気づきを大切にし、品質と効率の両方を目指し、貴社に長く貢献できればと考えています。
まとめ
今回は志望動機と「実現したいこと」という就活において聞かれることの多い2つの項目に焦点を当てて、それぞれの違いや回答のポイント、例文などを詳しく紹介しました。
いずれも就活において重要な質問であり、数ある質問の中でも特に力を入れて回答を準備する必要があります。
ぜひこの記事を参考に、それぞれしっかりと対策を行い、本番で良い印象を与えられるように準備しておいてください。
