明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート
- 就活生から特に人気の10個の業界と代表的な企業
- 人気な業界に就職するためにすべきこと
- 人気な業界に応募するために知っておきたいこと
- まだ目指す業界を絞り込んでいない人
- 幅広い業界から企業選びをしたい人
- 条件が良く、人気の業界の企業に就職したい人
はじめに
就活を始めたばかりで、まだどの業界が人気なのか、そしてどのような業界があるのかについて、理解できていない方も多いでしょう。
そこで今回は業界選びに悩んでいる方のために、人気の業界にはどのようなものがあり、なぜ人気なのか、人気のある業界に就職するためにはどのような対策をすればよいかについて詳しく紹介します。
【人気業界はどこ】人気業界10選
まずは人気の業界を10個紹介します。
どのようなビジネスモデルであり、なぜ人気なのか、どのような学生から人気があり、代表的な企業には何があるのかについて詳しく紹介します。
気になる業界があれば、より詳しく紹介している記事のリンクも貼っておきますので、参考にしてみてください。
- 商社
- 銀行
- SIer
- 食品メーカー
- コンサル
- 広告・エンタメ
- 通信
- 保険
- 証券
- 化学
商社
商社は商品の売り手と買い手を仲介し、国内外の幅広い商材を扱う業界です。
トレーディング(物資の売買)と事業投資を収益の二本柱としており、食品からインフラまで多様な分野でビジネスを展開しています。
商社のやりがいとして、世界規模の大きな取引に携われる点や、多様な業界の人々と出会いグローバルに活躍できる点が挙げられます。
一度の商取引で億単位の資金を動かすこともあり、スケールの大きな達成感を味わえるでしょう。
- 三菱商事:五大商社の筆頭である日本最大の総合商社。エネルギー資源や金属、機械、食品流通からコンビニ事業に至るまで事業領域が非常に広い。
- 伊藤忠商事:五大商社の一角。繊維や食品など消費財分野に強みを持ち、近年はICTやヘルスケアなど新分野にも積極的に展開している。
- 三井物産:グローバルに展開する総合商社。資源開発やインフラ・機械事業に強みがあり、多彩な海外プロジェクトを手掛けている。
銀行
銀行業界は預金を集めて企業や個人に融資を行い、利息や各種手数料収入を得る金融サービス業です。
お金の流れを仲介し、決済や資産運用など経済の根幹を支える役割を担っています。
メガバンクなど大手銀行は全国に支店網を持ち、経営が安定しているため、就活生にも人気の業界です。
銀行で働くやりがいは金融のプロとして企業や個人の経済活動を支え、社会的信頼を得られる点です。
企業の成長を資金面で後押ししたり、個人の資産形成をサポートしたりと「経済を支えている」という実感が得られます。
- 三菱UFJ銀行:国内最大の総資産規模を誇るメガバンク。銀行・信託・証券など幅広い金融サービスをグループで提供し、グローバル展開も進めている。
- みずほ銀行:三大メガバンクの一角。法人融資や市場業務に強みを持ち、国内外で多様な金融サービスを展開している。
- 三井住友銀行:三大メガバンクの1つ。個人向けから企業向けまでバランス良く事業展開を行っている。
SIer
SIerは企業のITシステムの設計・開発・運用保守を一括して請け負う業界です。
クライアントの経営課題をヒアリングし、最適なシステム構築によって業務効率化や課題解決をサポートします。
幅広い業界のITニーズに応えるために大規模なソフトウェア開発からインフラ構築、クラウド導入支援まで多彩なサービスを提供しています。
SIer業界の魅力は社会を支える大規模システムに若手のうちから携われることです。
金融機関や官公庁の基幹システムなど大規模案件を通じて、社会インフラの一端を担っている実感が得られます。
- NTTデータ:NTTグループの中核を担う日本最大規模のシステムインテグレーター。官公庁や金融機関向けの大型システム開発に強みを持ち、グローバル展開も積極的に行う。
- 富士通:国内トップクラスの総合ITベンダーで、自社でハードウェアからソフトウェアまで幅広く手掛けるメーカー系SIer。インフラ構築やクラウド、AI・IoT技術を活用したサービス提供にも強みを持つ。
- TIS:独立系SIerの代表格。特に金融分野のシステム開発や決済サービスに強みがあり、幅広い業界向けのソリューション提供を行っている。
食品メーカー
食品メーカーは飲料・食品など人々の生活に欠かせない商品を開発・製造し、消費者に届ける業界です。
安全で高品質な商品を生み出すために、研究開発から生産・品質管理、マーケティングまで一貫したモノづくりを行っています。
「食」という日常に密接する分野であることから、景気に左右されにくく、比較的安定した需要があるのも特徴です。
生活に直結する製品であるため、社会貢献度が高く「人々の暮らしを支えたい」という思いを形にできるでしょう。
- 明治:菓子・乳製品から医薬品まで手がける総合食品メーカー。ヨーグルトやチョコレートなどのロングセラー商品を多数持ち、幅広い事業を展開している。
- キユーピー:マヨネーズで有名な食品メーカー。調味料やパスタソースなど加工食品に強みを持ち、サラダなど食文化の発展にも寄与している。
- 味の素:調味料や冷凍食品で世界展開する食品メーカー。海外売上比率が約6割に上るグローバル企業で、CSR活動や健康・栄養への貢献にも取り組んでいる。
コンサル
コンサル業界では企業や官公庁が抱える経営課題に対し、専門知見を活かして解決策を提案・実行支援を行います。
戦略立案から業務改革、IT導入支援まで領域は多岐にわたり、クライアントの成長を支えるプロフェッショナル集団です。
若手のうちから高度な課題解決スキルを身につけられる環境があり、高収入も期待できる人気の高い業界です。
コンサルの仕事のやりがいは自ら立案した戦略で企業業績が向上したり、組織改革が成功したりするなど、 クライアントの変革に直接貢献できることです。
- アクセンチュア:世界50か国以上で事業展開する世界最大級の総合コンサルティング企業。大手企業や官公庁に対して経営・IT両面の支援を行い、デジタル領域でも先導する。
- 野村総合研究所(NRI):日本初のシンクタンクとして創業した国内大手コンサルティング会社。コンサルとITソリューションを融合したサービスで金融・産業分野に強みを持つ。
- デロイトトーマツコンサルティング:グローバル4大会計事務所グループの一員として日本でコンサルティングサービスを担う。提言から戦略立案、実行まで一貫して支援し、幅広い業界のプロジェクトを手掛ける。
広告・エンタメ
広告・エンタメ業界は企業の広告宣伝やメディアコンテンツを扱うクリエイティブな分野です。
広告代理店は企業のマーケティングパートナーとして、テレビ・ネット・雑誌など媒体を横断した宣伝戦略を立案・実行します。
一方、エンタメ領域ではインターネットメディアや動画配信、ゲームなどを企画・運営し、大衆に娯楽を提供するのが仕事で、人々の心を動かす企画力が求められる華やかな業界です。
両業界に共通するやりがいは「自分の携わった広告やコンテンツが世の中に大きな影響を与えること」です。
CMをヒットさせたり、話題となるWebキャンペーンを仕掛けたりして世間の関心を集める醍醐味があります。
- 電通:日本最大の広告代理店。圧倒的な市場シェアを持ち、クリエイティブからメディアプランニングまで統合的に手掛ける総合広告会社。
- 博報堂:業界2位の広告会社。「生活者発想」を掲げ、消費者視点に立ったマーケティング戦略とクリエイティブに強みを持つ。
- サイバーエージェント:インターネット広告とメディア事業の大手。国内トップクラスのネット広告代理事業と、自社運営の動画配信プラットフォーム「ABEMA」などエンタメ分野のサービスを展開する。
通信
通信業界は携帯電話やインターネットなど人々の通信インフラを支える業界です。
大手ともなると全国規模のネットワーク網を構築し、音声通話やデータ通信、IoTサービスまで提供します。
現代社会に不可欠なインフラを運営する使命から経営基盤は安定しており、就職先としても根強い人気があります。
自分たちが整備したネットワークが人々の生活やビジネスを支える基盤となるため、大きな誇りを感じられる仕事が多いです。
- NTTドコモ:携帯電話契約数で国内シェア首位を誇る通信事業者。NTTグループの一員として5G普及をリードし、多彩な新サービス展開にも積極的。
- KDDI(au):携帯キャリア第2位の大手通信企業。移動体通信のほか、光回線や金融・エネルギー事業にも進出し、幅広い生活インフラサービスを提供する。
- ソフトバンク:通信業界第3位の大手通信企業。携帯通信だけでなく、Yahoo!などのネット事業や先端技術への投資にも注力し、グループシナジーを活かしたサービス展開が特徴。
保険
保険業界は個人や企業の万一に備え、経済的保障を提供する業界です。
生命保険会社は死亡保障や医療保障など長期の安心を提供し、損害保険会社は事故や災害による損失を補償します。
大手保険会社は経営基盤が盤石で、福利厚生が充実している企業も多く、働きやすい点も魅力です。
保険の仕事のやりがいはお客様の人生や事業を陰ながら支え、いざという時に経済的救済を提供できる点で「社会の安全網を担っている」という誇りが持てます。
- 日本生命保険:国内最大手の生命保険会社。全国に広がる営業職員網を通じて個人・法人向けの幅広い保険商品を提供する伝統企業。
- 第一生命ホールディングス:大手生命保険グループ。国内市場に加え海外保険市場にも展開し、資産運用ビジネスにも強みを持つ。
- 東京海上日動火災保険:国内トップクラスの損害保険会社。自動車保険や火災保険などの損保商品で高いシェアを誇り、グローバル展開にも積極的。
証券
証券業界は株式や債券など有価証券の売買や発行を通じて資金調達と資産運用を仲介する金融業界の一部です。
証券会社は投資家に株式や投資信託を販売し、その取引手数料などで利益を得ており、また、企業のIPOや増資を引き受けて資金調達を支援する投資銀行業務も重要な仕事の1つです。
株式市場の発展とともに成長してきた業界で、高収益なビジネスモデルから新卒就職でも人気があります。
経済の最前線で市場と向き合いながら大きなお金を動かすダイナミックな仕事ができる点にやりがいを感じる人が多いです。
- 野村證券:国内最大手の証券会社。リテール営業から投資銀行業務まで幅広く展開し、日本の証券市場をリードしてきた伝統ある企業。
- 大和証券:国内有数の大手証券会社。全国の店舗網とオンラインサービスで個人の資産運用を支援し、企業の資金調達業務でも実績を持つ。
- SMBC日興証券:三井住友フィナンシャルグループ傘下の大手証券会社。銀行系の強みを活かし、ホールセール分野や個人向けサービスに注力している。
化学
化学業界は石油や鉱物など原料を加工して素材や化学製品を生み出す基幹産業です。
プラスチックや合成繊維、医薬品原料、電子材料など幅広い製品を供給し、自動車・家電・農業といった様々な産業を支えています。
特に大手の化学メーカーには国内トップクラスの売上規模を誇る企業もあり、安定した業績から就職先として根強い人気があります。
化学業界で働くやりがいは「自分の携わった素材が世の中のあらゆる製品の一部となり、人々の生活を便利にすること」です。
- 花王:日用品分野を主体とする大手消費財化学メーカー。石鹸・洗剤や化粧品といった身近な製品を多数展開し、国内外で広く事業を展開する。
- 旭化成:総合化学メーカーで、素材から住宅、医療機器まで事業を多角展開している。化学技術を基盤に、人々の暮らしと健康に資する製品を生み出している。
- 住友化学:三菱ケミカルグループに次ぐ国内第2位の化学メーカー。石油化学、エレクトロニクス材料、農業関連製品、医薬品など5つの事業分野で幅広い製品を提供している。
【人気業界はどこ】知っておきたい隠れ優良業界3選
就職活動というと、多くの学生は一般消費者に身近な企業や、華やかなイメージのある人気業界に目を向けがちです。
しかし、世の中には知名度こそ高くないものの、安定した経営基盤と優れた将来性を誇る「隠れ優良業界」が数多く存在します。
視野を広げてこうした業界を知ることは、より自分に合ったキャリアを見つけるための重要な鍵となります。
今回は、その中でも特に知っておきたい3つの業界を厳選してご紹介します。
- BtoBメーカー
- 専門商社
- 社会インフラ
BtoBメーカー
BtoBメーカーは、企業向けに部品や素材、生産設備などを製造・販売する業界です。
一般消費者には馴染みが薄いため、就職活動では見過ごされがちですが、実は安定性が高く、優れた技術力を持つ優良企業が数多く存在します。
特定の分野で世界的なシェアを誇る企業も少なくなく、専門性を高めながら長期的なキャリアを築くことが可能です。
景気の波を受けにくい安定した経営基盤と、社員の定着率の高さが大きな魅力と言えるでしょう。
専門商社
専門商社は、特定の分野に特化して商品を売買する商社です。
総合商社と比べて知名度は低いものの、その分野では圧倒的なシェアを誇り、高い専門性と情報網を武器に安定した収益を上げています。
化学品や鉄鋼、食品など、扱う商材は多岐にわたり、ニッチな市場でトップクラスの実績を持つ企業が少なくありません。
顧客と深い関係を築き、専門知識を活かして価値を提供する仕事は、大きなやりがいを感じられるでしょう。
社会インフラ
社会インフラ業界は、電気、ガス、水道、鉄道、通信など、私たちの生活に不可欠なサービスを提供する業界です。
景気変動の影響を受けにくく、極めて安定した需要があるため、長期的に安心して働ける環境が整っています。
また、社会貢献性が非常に高く、人々の生活を支えているという実感を得やすいのも大きな特徴です。
専門的なスキルを身につけやすく、安定した環境で社会に貢献したいと考える人にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
【人気業界はどこ】文系・理系別それぞれの人気業界は?
就職活動において、自身の専攻や学んできたスキルをどう活かすかは大きなテーマです。
文系学生と理系の学生では何が違うのでしょうか。
ここでは、それぞれに人気の業界を具体的に見ていきましょう。
文系学生に人気の業界
- 総合商社
- 金融業界
- コンサル業界
- IT・通信業界
- メーカー
文系学生に人気の業界は、コミュニケーション能力といった対人スキルが重視される特徴があります。
特定の分野に留まらず社会全体に広く貢献できる点も魅力です。
専門知識が問われにくいため、入社後の研修が充実しており個人のポテンシャルを重視した採用が行われます。
さらに、経営の安定性や将来性に加え、高い給与水準といった待遇の良さも支持される大きな理由となっています。
理系学生に人気の業界
- IT・通信業界
- メーカー
- 医薬品・医療機器業界
- 食品・化粧品業界
- インフラ業界
理系学生に人気の業界は、大学で培った専門知識を研究開発などに直接活かせる特徴があります。
技術革新の最前線で「ものづくり」の根幹に携わり、自分の技術が製品という目に見える形で社会に貢献することに、大きなやりがいを感じられます。
また、研究活動を通じて身につけた論理的思考力が高く評価されることも、学生から強く支持される理由です。
人気な仕事5選
続いて就活生から人気な職種に就いて解説をしていきます。
将来のキャリアプランを考える上で、どのような職種に注目が集まっているのかを知ることは、企業選びの視野を広げるきっかけになります。
ここでは、新卒の就活生から特に人気が高い仕事を5つ選び、その魅力や理由について具体的に解説していきます。
・マーケティング・企画職
・データサイエンティスト
・コンサルタント(戦略系)
・研究開発職
・出版社の編集者
マーケティング・企画職
まず挙げられるのはマーケティング職や企画職です。
この仕事の大きな魅力は、自ら企画した商品やサービスが世の中に広まっていく過程を実感できる点にあります。
市場調査やデータ分析を通じて消費者のニーズを的確に捉え、新しいコンセプトを立案し、プロモーション戦略を実行します。
自分のアイデアが形になり、多くの人に利用されたり話題になったりすることに、大きなやりがいと達成感を感じられるでしょう。
創造性を発揮しながらビジネスに貢献したいと考える学生にとって、非常に人気のある職種です。
データサイエンティスト
次に、近年急速に需要が高まっているデータサイエンティストです。
人気の背景には、社会全体のDX、すなわちデジタルトランスフォーメーションの進展があります。
あらゆる業界でビッグデータなどのデータ活用が経営の根幹を担うようになり、専門的なスキルを持つデータサイエンティストは引く手あまたの状態です。
統計学や情報科学の知識を駆使して、企業のビジネス課題を解決に導くことができる点が大きな魅力となっており、将来性の高い専門職として注目を集めています。
コンサルタント(戦略系)
続いては、特に成長意欲の高い学生から絶大な人気を集める戦略系コンサルタントです。
この職種の魅力は、20代のうちから日本を代表するような大企業の経営課題に直接向き合える点にあります。
高度な論理的思考力や問題解決能力が求められる厳しい環境ですが、その分、圧倒的なスピードで成長できる機会が整っています。
自身の能力を試し、ビジネスの最前線で市場価値の高いキャリアを築きたい学生にとって、挑戦しがいのある仕事といえます。
研究開発職
理系の学生にとって、研究開発職は不動の人気を誇る仕事です。
特に化学、食品、製薬、自動車といったメーカーを志望する場合、多くの学生がこの職種を目指します。
大学や大学院で学んだ専門知識を直接活かし、まだ世にない新しい技術や製品を生み出すプロセスは、自身の知的好奇心を満たす大きな喜びがあります。
未来の社会を豊かにするかもしれない技術の種を見つけ、育てるというロマンを感じられる点が、高い人気の理由です。
出版社の編集者
最後に紹介するのは、クリエイティブな仕事の代表格である出版社の編集者です。
自分の感性で作家や企画の才能を見出し、それを本という形にして世に送り出すことで文化を創造する仕事である、というロマンあふれるイメージが根強い人気につながっています。
著者との信頼関係を築き、読者の心に響く一冊を届けるまでの全ての過程に関わるため、高いコミュニケーション能力や企画力が求められますが、新しい価値を生み出したいと考える学生から強く支持されています。
【人気業界はどこ】人気業界の動向
続いて、人気業界に当てはまる可能性が高い動向についても紹介します。
あなたのライバルとなる就活生の方々がどのように人気業界を見極め、どのような判断軸で就活を進めているか、また就活の軸として何を重視しているか、参考にしてください。
- 「安定」×「成長性」
- DX・AI対応があらゆる業界で評価軸に
- 職種主導型の志望が拡大(業界より職種)
「安定」×「成長性」
まず、近年の就活において就活生が業界を選ぶ際に重視する軸である安定性と成長性の両立について紹介します。
景気の影響を受けにくい経営基盤や長年の信頼に支えられた実績があり、そのうえで時代の変化に合わせて柔軟に事業を展開できる業界が特に人気を集めているのが特徴です。
その代表例が総合商社と言えるでしょう。
資源や食品といった分野で安定した取引を築いてきた一方で、近年では再生可能エネルギーやスタートアップ投資、海外展開など、積極的に新しい分野への進出を図っています。
このように、既存事業で安定した収益を確保しながら、成長市場に向けて挑戦を続けている業界は、長いキャリアを見据えている就活生から特に注目を集めています。
DX・AI対応があらゆる業界で評価軸に
DXやAIの導入状況が近年では企業選びにおける重要な判断基準になりつつあります。
業界全体のデジタル対応が進む中、業務効率化や顧客体験の向上、新規ビジネスの創出などに積極的なことは判断基準の1つです。
金融業界では従来の店舗型サービスに加え、スマートフォンアプリを活用したオンラインバンキングやフィンテックの導入が進み、デジタル対応を武器に競争力を強化しています。
また、広告業界でも、テレビCMや紙媒体に加えてSNS・Web広告を活用し、データドリブンな戦略が主流となりつつあり、クリエイティブだけでなく、テクノロジーを活用できるかどうかが求められています。
このように、DXやAIの取り組みを積極的に進めているかどうかは、重要な業界選びの評価軸の1つです。
職種主導型の志望が拡大(業界より職種)
以前は「商社志望」「メーカー志望」など、業界を軸に就職活動を進める学生が主流でしたが、現在では「どのような仕事をしたいか」に重きを置く「職種主導型」の志望が拡大しています。
マーケティングや企画、エンジニア、データアナリスト、UI/UXデザイナーなど、具体的な業務内容に関心を持ち、その職種が活躍できる環境を業界横断的に探す学生が増えているのです。
この探し方はイメージが湧きやすく、自分の得意分野や興味関心を軸にキャリア設計ができるというメリットがあります。
また、職種を軸に企業を比較検討することで、業界ごとの市場環境や職場環境、役割の違いも見えてくるため、より自分に合った企業を選びやすいでしょう。
【人気業界はどこ】人気業界の難易度
業界 難易度(5段階) 傾向と理由
- 商社(総合商社)★★★★★(極めて高い)東大・京大など難関層からの志望が集中。高年収・グローバル志向により競争倍率が非常に高い。
- コンサル(戦略/総合)★★★★★(極めて高い)論理思考・ケース面接・学歴など複数ハードルあり。地頭と人物の両方が見られる。
- 広告・エンタメ ★★★★☆(かなり高い)電通・博報堂・テレビ局などは狭き門。志望者数が多く倍率が高いが、求められる個性も重視される。
- 食品メーカー ★★★★☆(やや高い)ブランド人気・志望者多。内定枠が少なめなため“狭き門”になりやすい。学部学科不問が多く文系も集中。
- 証券 ★★★★☆(やや高い)数字に強い人材が求められ、営業スキルやタフさも必要。給与が高い反面、離職率高め。
- 銀行(メガバンク)★★★☆☆(標準~やや高い)採用数は多いが、志望者も多い。AIやDXの流れで職種によって変化。安定志向の学生が集中。
- |通信(キャリア系)★★★☆☆(標準~やや高い)NTT・KDDIなどは一定の人気。安定性と技術力、柔軟な働き方を求める人にマッチ。
- 保険(生保・損保) ★★★☆☆(標準)営業系職種は広く募集あり。論理性と人当たりの良さが見られる。内定は取りやすいが職種間に差がある。
- 化学メーカー ★★☆☆☆(やや易しめ)専門性のある理系に有利。BtoB中心で派手さはないが、技術系志望には根強い人気。
- SIer(ITインフラ)★★☆☆☆(やや易しめ)安定志向の理系層から人気。大手でも門戸は広い。文理不問職も増えており、比較的入りやすい。
【人気業界はどこ】人気業界に就職する学生の特徴3選
続いて、人気業界に就職する学生の皆様の特徴について紹介します。
弊社は就活エージェントを運営しているため、様々な就活生の方をサポートしてきましたが、人気の業界に就職していった方には、以下のような特徴が当てはまっていることが非常に多かったです。
ぜひ自分に当てはまる特徴なのか確認して、もし当てはまらない項目があれば、今からでも近づけるように取り組んでみてください。
- 地頭が良く論理的思考力が高く、アウトプット力がある
- 早期に動き出し、インターン、OB訪問で情報収集している
- 企業研究・業界研究が深い
地頭が良く論理的思考力が高く、アウトプット力がある
人気業界に就職する学生には物事を整理して考える力や、課題を正確に言語化してそれを相手に伝える力が備わっている傾向があります。
特にコンサル業界や総合商社といった業界では限られた情報から「本質」を見抜き、筋道を立てて意見を述べる力が必要です。
加えて、自分の考えをわかりやすく言語化し、面接やグループディスカッションの場でしっかりアウトプットできるかどうかは、評価の分かれ目となります。
こうした論理的思考力と表現力のバランスは知識量だけでなく、日頃からの問題解決への姿勢や情報の捉え方に深く関与しています。
人気業界では地頭の良さだけでなく、それをどう活用して相手に伝えられるかが問われるため、自己分析や面接対策を通じてこの力を磨いてきた学生が内定を獲得しやすいです。
早期に動き出し、インターン、OB訪問で情報収集している
人気業界を目指す学生に共通しているのは「スタートの早さ」です。
特にコンサル、広告、金融、総合商社などの業界では春夏のインターンがそのまま本選考への入り口となることも多く、インターンの段階で選考が進み、早期内定が出るケースも多いです。
こうした事実を理解している方は学年が上がる前から業界研究を始め、インターンへのエントリー準備を着実に進めています。
また、OB訪問を通じて情報収集し、自分なりの判断軸を固め、説得力のある志望動機や面接対応を完成させている人も多いです。
早い段階から動いている人ほど、情報面でも精神面でも余裕があり、選考過程でも自信を持って臨むことができる点が、内定を取れる所以と言えるでしょう。
企業研究・業界研究が深い
人気業界の内定者は企業や業界の理解度が非常に高いことが特徴です。
ただ企業の公式サイトや就活サイトを読んで得られるレベルの知識だけでなく、同業他社との違いや業界全体の動向、企業が掲げる中長期的なビジョンまで把握しているケースが多く見受けられます。
企業側も学生が自社の理念や事業内容をどれだけ深く理解しているかを重視しており、ただの表面的な志望動機では通用しません。
したがって、人気業界を目指す学生ほど、業界の構造や課題、今後の方向性に対して自分なりの見解を持ち、それが自分のキャリアの軸とどのように結びつくか言語化できるよう準備していることが多いです。
人気業界に行くメリット
続いて人気業界に行くメリットについて解説していきます。
就職活動において、多くの学生が憧れる人気業界ですが、そこを目指すことには具体的にどのような利点があるのでしょうか。
業界研究を深める上で知っておきたい、人気業界で働くことの主なメリットを3つの観点から解説します。
・給与水準が高い
・業界・企業の安定性が高い
・市場価値を高めることができる
給与水準が高い
人気業界の大きな魅力の一つは、給与水準の高さです。
平均年収や生涯賃金が他の業界に比べて高く設定されていることがほとんどです。
特に、総合商社やコンサルティング、金融業界などは、20代のうちから高い収入を得られる可能性があります。
経済的な安定は、生活の質を高めるだけでなく、自己投資や将来設計においても大きなアドバンテージとなります。
業界・企業の安定性が高い
人気業界を牽引する企業の多くは、長い歴史を持つ大手企業や、成長分野で確固たる地位を築いている企業です。
そのため、経営基盤が非常に安定しており、倒産のリスクが低いと考えられます。
福利厚生が充実している場合も多く、長期的な視点で自身のキャリアプランを描きやすいという安心感は、働く上での精神的な支えになるでしょう。
市場価値を高めることができる
社会的に影響力の大きい大規模なプロジェクトや、最先端の技術に触れる機会が多いのも人気業界の特徴です。
そのような環境で得られる高度なスキルや貴重な経験は、ビジネスパーソンとしての個人の市場価値を大きく高めてくれます。
将来的に転職やキャリアチェンジを考える際にも、そこで得た経験は強力な武器となるはずです。
人気業界に行くデメリット
続いて人気業界に行くデメリットについて解説していきます。
一見華やかに見える人気業界には、就活生が事前に理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。
メリットばかりに目を向けるのではなく、これから解説するマイナスの側面もしっかりと把握し、後悔のない企業選びを行いましょう。
・激しい競争環境
・激務の可能性がある
・配属のリスクがある
激しい競争環境
人気業界には、当然ながら全国から優秀な学生が多く志望し、入社します。
そのため、入社後も同期との出世競争や成果をめぐる競争が激しい場合があります。
常に高いパフォーマンスを求められるプレッシャーの中で、主体的に学び続ける姿勢がなければ、厳しい環境で活躍し続けるのは難しいかもしれません。
激務の可能性がある
人気業界が手掛ける仕事は規模が大きく、社会に対する責任も重いため、結果として長時間労働になりやすい傾向が見られます。
もちろん全ての企業や部署がそうではありませんが、重要なプロジェクトの納期前など、時期によってはプライベートの時間を確保しづらくなる可能性も考慮すべきです。
ワークライフバランスを重視する学生は、OB・OG訪問などで実情を確認することが大切です。
配属のリスクがある
総合職として採用される場合、自身の希望が必ずしも通るとは限りません。
人気業界の大手企業は国内外に多くの拠点や多様な事業部を持っていることなどから、希望しない部署や職種、また想定外の地域に配属される可能性があります。
これは配属のリスクと呼ばれ、自身のキャリアプランやライフプランに大きく影響するため、注意が必要です。
【人気業界はどこ】人気のある業界に就職するためにすべきことは
続いて、人気のある業界に就職するためにぜひ取り組んでいただきたい対策について紹介します。
以下の対策を入念に行うことができれば、あなたは人気のある業界に就職できる可能性が非常に高まるでしょう。
就活において非常に重要な対策であるため、ぜひ取り組んでみてください。
- 業界・企業研究
- インターンシップに参加
- OB/OG訪問
業界・企業研究
人気業界に就職するためには徹底した業界・企業研究が必要不可欠です。
競争が激しい業界では志望者の数が多い分、面接やエントリーシートの段階でどれだけ理解しているかが問われます。
表面的な情報だけで臨むと、他の就活生と差別化できず、評価につながりません。
志望する企業の業務内容や強み、直近の動向だけでなく、同業他社との違いや中長期的なビジョン、市場の構造的な特徴なども押さえておくことが重要です。
さらに、その企業でどのような価値を発揮できるか、自分の経験とどうつながるかまで言語化できれば、より説得力のある志望動機が出来上がることでしょう。
インターンシップに参加
人気業界ではインターンに参加することがそのまま本選考の入り口となっていることが多いため、ぜひ積極的に応募してみてください。
仕事や社員とのやり取りを通じてその業界のスピード感や職場の雰囲気、自分との相性を体感できる重要な機会であり、就職先を選ぶ際の判断材料としてもおすすめです。
また、インターンで得た経験は志望動機や自己PRを語る際にも強力なエピソードとなりやすく、説得力のある回答作成に大いに役立ちます。
さらに、企業側もインターンに参加した学生を早期選考に招待してくれることがあるため、うまくいけば第一志望から早々に内定をもらうことも夢ではありません。
OB/OG訪問
OB・OG訪問もおすすめの情報収集方法です。
その企業で働いている先輩から話を聞くことで職場の雰囲気や業務の内容、キャリアへの考え方まで、ネットや説明会よりも深い情報を得られます。
特に人気業界では競争が激しい分、汎用的すぎる志望動機では評価されません。
OB・OG訪問で得た具体的なエピソードや気づきは差別化されたES作成に大いに役立つことでしょう。
また、質問を通じて自身の理解を深めることで、その業界や企業に対する解像度が高まり、自信を持ってエントリーし、そして面接に臨めるようになります。
人気業界から志望業界を絞る方法
続いて人気業界から志望業界を絞る方法について解説していきます。
多くの選択肢がある人気業界の中から、本当に自分に合った業界を見つけ出すのは簡単なことではありません。
ここでは、数ある人気業界から志望業界を効果的に絞り込むための具体的な方法を3つ紹介します。
・就活の軸と照らす
・将来像と照らし合わせる
・大学時代の専攻を参考にする
就活の軸と照らす
まず最も重要なのは、自身の就活の軸と照らし合わせることです。
丁寧な自己分析によって明らかになった、自分が仕事選びで大切にしたい価値観、例えば社会貢献性の高さや成長できる環境、ワークライフバランスなどを基準に各業界を評価します。
この作業を通じて、表面的なイメージだけでなく、自分の価値観に本当に合う業界を選択することができるようになります。
将来像と照らし合わせる
自分が将来こうありたいと願う姿や、こうなっていたいという理想像と照らし合わせることも、業界を絞るための有効な方法です。
数年後、数十年後にどのようなキャリアを歩み、どのような生活を送りたいかを具体的に想像してみましょう。
その際に、理想の姿を考えるだけでなく、将来こうはなっていたくないという最低限のラインを決めておくことも、ミスマッチを防ぐ上で大切になります。
大学時代の専攻を参考にする
大学時代に専攻した学問を基に業界を絞ることも一つの方法です。
例えば、経済学部や法学部で学んだ知識は金融業界やコンサルティング業界で活かすことができますし、理系の学生であれば自身の研究内容が直結するメーカーの研究開発職などを目指せます。
専門性を活かすことは、志望動機を深める上でも有利に働くでしょう。
人気な業界を志望する際の注意点
続いて人気な業界を志望する際の注意点について解説していきます。
憧れの人気業界を目指すことは素晴らしい挑戦ですが、そこには特有の難しさも存在します。
ここでは、人気業界を志望する上で心に留めておくべき3つの注意点を解説します。
現実的な視点を持つことが、後悔しない就職活動につながります。
・優秀な学生と競う
・特殊な選考フローがある
・視野が狭くなる可能性がある
優秀な学生と競う
人気業界には、毎年全国から極めて優秀な学生が数多く志望します。
そのため、生半可な準備では内定を獲得するのは困難です。
特に、志望動機や自己分析の内容が浅いと、面接で何度も深掘りされて答えに詰まってしまう可能性があります。
なぜこの業界でなければならないのか、徹底的な自己分析と業界研究に基づいた事前準備が不可欠です。
特殊な選考フローがある
志望者数が膨大であるため、効率的に候補者を絞り込むための特殊な選考フローを設けている業界も存在します。
例えば、外資系のコンサルティングファームで課されるケース面接や、特定のインターンシップへの参加が事実上の必須条件となっている場合などです。
選考スケジュールが長期にわたることも多いため、早めの情報収集と対策が求められます。
視野が狭くなる可能性がある
人気業界の情報ばかりを追っていると、どうしても視野が狭くなってしまう危険性があります。
世の中には、知名度は高くなくても、独自の技術力や素晴らしい社風を持つ優良企業が数多く存在します。
人気というフィルターだけで企業選びを進めると、自分に本当に合った素晴らしい企業との出会いを見逃してしまうかもしれません。
幅広い業界に目を向ける姿勢が大切です。
適職診断ツールを使おう
ここまで人気の業界について詳しく紹介してきましたが「人気であることは分かったものの、自分に向いているかどうかわからない」という方は多いでしょう。
そこで活用していただきたいのが、弊社が提供している適職診断ツールです。
就活のプロが用意した52個の質問にLINEで答えるだけで、簡単にあなたの強みや向いている業界の特徴などが明確になります。
完全無料で利用でき、ツールで導き出された情報をもとに就活のサポートなども無料で行えるため、ぜひ気になる方は利用してみてください。
エージェントに相談しよう
人気業界の中でもどれが自分に合うかわからない。
そう思う学生さんも多いと思います。
ぜひこの適職診断ツールを使って自分に合う職業を探してみてください。
おわりに
今回は人気の業界を10個紹介しつつ、人気の業界に共通していることの多い動向や、本当にその人気の業界が自分に向いているか確認する方法などについても詳しく紹介しました。
確かに人気の業界は魅力があることが多いですが、人気だからといって、あなたに最適とは限りません。
良い点と悪い点、両方を理解した上で、自分がどの業界を目指すか、方向性を少しずつ絞り込んでいきましょう。
















