志望動機で「御社」と「貴社」どちらを使うべき?例文を用いて解説!

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・「御社」と「貴社」の違い
・「御社」と「貴社」を使う具体的な場面
・「御社」と「貴社」を間違えた時の対応

この記事をおすすめしたい人

・就活を始めたての人
・「御社」と「貴社」の違いがわからなくなってきた人
・ビジネスマナーをおさらいしたい人

はじめに

就活で志望動機を書くにあたって迷ってしまうポイントの1つとして「御社」と「貴社」の使い分けが挙げられます。

どちらも相手の企業を敬う表現ではあるのですが、場面によって使い分けは異なります。

うっかり間違えると、マナーや常識を疑われてしまうでしょう。

そこでこの記事では志望動機や面接などの就活シーンにおいて「御社」と「貴社」をどのように使い分ければ良いのか、わかりやすく解説します。

志望動機での「御社」「貴社」の使い分け

「御社」「貴社」の使い分け
  • 御社(おんしゃ):話し言葉
  • 貴社(きしゃ):書き言葉

「御社」「貴社」の使い分けは基本的なマナーとして押さえておきたい重要なポイントです。

間違えて使ってしまったからと言って評価が大きく下がるわけではありませんが、就活への意識の高さやビジネスマナーの理解度を疑われることもあります。

結論として、以下のように使い分けると覚えておけば問題ありませんが、もう少し下の項目で詳しく紹介します。

御社:「話し言葉」として用いられ、面接や電話などのやり取りに利用します。

貴社:「書き言葉」であり、エントリーシート、メール、ビジネスの文章などの文章表現で使うのが適切です。

御社(おんしゃ):話し言葉

御社」という言葉は主に口頭でのやり取りにおいて用いられます。

話し言葉として位置付けられ、電話や面接といった行動でのやり取りの場でのみ用いられるものです。

したがって、志望動機を話すならば「御社の事業内容に魅力を感じました」のように使うと良いです。

「話し言葉」「書き言葉」ではわかりにくく、混同してしまいそうな人は「自分の口を使う時は御社」と覚えておくと分かりやすいかもしれません。

貴社(きしゃ):書き言葉

一方で「貴社」は書き言葉に分類され、エントリーシート、履歴書、メールなど文面でのやり取りに使うものです。

志望動機の欄に書くならば「貴社の理念に共感しております」といった形で使用します。

就活を始めたばかりの人の場合、つい「御社」と書いてしまいがちですが、書き言葉の時は「貴社」を使うようにしましょう。

先ほど説明したように「自分の口が動いている時は御社、それ以外の時は貴社」と覚えると、間違えることも少なくなってくるはずです。

「御社」「貴社」のシーン別例文

「御社」「貴社」のシーン別例文
  • 「御社」を使った例文
  • 「貴社」を使った例文

「御社」と「貴社」の違いを理解していても、実際にどの場面でどちらを使えば良いのか迷うことは少なくありません。

場面ごとの使い方を具体的に知っておくと安心でしょう。

そこでここからは「御社」を使った例文と「貴社」を使った例文を紹介した後に、簡単な解説も行うため、参考にしてみてください。

「御社」を使った例文

まずは「御社」を使った例文を紹介します。

ここまで何度も説明しているように「話し言葉」であるため、面接や電話、会社説明会やOB・OG訪問などで利用します。

どのように使うのか確認しておいてください。

面接

例文

御社の成長戦略と社員一人ひとりの挑戦を後押しする風土に強く惹かれ、志望いたしました。

面接は話し言葉が基本となるため「貴社」ではなく「御社」を使用して話しましょう。

また、面接においては「成長戦略」や「挑戦を後押しする風土」といった具体的な内容を盛り込んで、企業研究の深さや自身の価値観との共通点を伝えることが大切です。

電話

例文

(内定をもらった時の電話)

内定のご連絡、ありがとうございます。

ぜひ御社に入社したいと考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

電話でのやり取りも、もちろん話し言葉で進行するものであるため「御社」を使用するのが適切です。

就活において志望先の企業と電話でやり取りをすることは頻繁にはありませんが、内定通知は電話で来ることが多いです。

テンションが上がって「御社」と「貴社」のどちらが適切かわからなくなってしまうかもしれませんが、落ち着いて「話し言葉だから、御社」と思い出して受け答えをしましょう。

とはいえ、間違えて「貴社」と言ってしまったからといって、内定を取り消されるわけではないため、そこまで過敏になる必要はないでしょう。

会社説明会

例文

本日の会社説明会で御社の事業内容や今後のビジョンについて直接伺うことができ、大変参考になりました。

会社説明会も対面で行われることが多く、またオンラインであったとしても電話やZoomで感想を述べることが多いため「御社」という表現で問題ありません。

会社説明会の感想を求められた時は「勉強になりました」「学びが多くありました」と表面的に述べるだけでなく、どのような学びが得られたのか、どのように入社へのモチベーションが高まったのかなど一言添えられると、他の就活生に差をつけられます。

OB・OG訪問

例文

本日のOB訪問を通じて御社での働き方や職場の雰囲気について具体的に知ることができ、大変貴重な機会となりました。

貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

OB・OG訪問は企業に在籍する先輩社員と「直接会話する」ものであるため、もちろん口頭でのやり取りであり「御社」を用いるのが適切です。

OB・OG訪問は直接採用担当者とやり取りをするわけではないため、情報収集としての役割しか果たさないと思われがちです。

しかし、担当したOBの方が人事の方と親しく「あの就活生が応募してきたら注目してほしい」など良い助言をしてくれる可能性もゼロではありません。

よって、良い印象を与えられるよう、積極的にアピールしましょう。

「貴社」を使った例文

続いて「貴社」を使った例文です。

「貴社」は話し言葉ではなく書き言葉ですから、文章を手書きする時、もしくはメールなどを打ち込む時に用いるものと覚えておいてください。

エントリーシートやメールを作成する際に利用します。

ES(エントリーシート)

例文

貴社の理念に共感し、貴社の一員として社会に価値を届けたいと考え、志望いたしました。

エントリーシートは「文章を提出するもの」であるため「貴社」を利用するのが適切です。

応募書類は全て書き言葉を用いるため「貴社」と覚えておけば忘れにくいでしょう。

また、志望動機を作成する際のポイントとして「競合他社ではなく、なぜその企業なのか」といった点に焦点を当てて述べられると、良い印象を与えられます。

メール

例文

この度は貴社の採用ご担当者様にご連絡を差し上げたく、メールをお送りいたしました。

メールも当然書き言葉であるため、貴社を用いるのが適切です。

また、口頭の場合は見逃されがちな簡単なミスでも、文章に直してしまうとすぐに見抜かれてしまうため、特にメールにおいては正しい敬語を意識しましょう。

特にありがちなのが「お送りさせていただきます」です。

実は「させていただく」は「自分の行為に対して、相手の許可・恩恵があるとき」に用います。

非常にややこしいですが、メールを送ることは「自分の業務」であるため、相手の恩恵を受けておらず「お送りいたします」で十分です。

やや高度であるため、間違えても特に悪い印象を与えるわけではありませんが、せっかくなのでこの記事で覚えておいてください。

「御社」「貴社」の使い分けを間違えたら

使い分けを間違えたら
  • 面接や電話で間違えた場合の対処法
  • 提出前に見直しをする

面接、エントリーシートなどで「御社」と「貴社」の使い分けを間違えてしまった場合、評価が下がるのではと不安に感じることも多いでしょう。

しかし、企業側も学生の緊張などを理解してくれるため、ただ使い方を間違えたからといって、それだけで落とされるというわけではありません。

とはいえ、間違えないことが理想的ですし、もし間違えた際にどのように対処すべきか知っておくだけでも、評価が大きく変わる可能性があります。

ぜひ以下の2点は確認しておいてください。

面接や電話で間違えた場合の対処法

面接や電話など口頭でのやり取りにおいて「貴社」と言ってしまった場合、多くの方は焦ってしまいがちですが、落ち着いて対応すれば大きな問題にはなりません。

「御社」と「貴社」の使い分けは確かに基本的なビジネスマナーの1つですが、つい間違えてしまう人も多いです。

慌てずに言い直せば、十分に挽回することは可能です。

無理に取り繕う必要はなく「貴社の…、失礼しました、御社の〜」と言い換えれば十分です。

緊張が伝わってしまうかもしれませんが、それだけ真剣に面接に臨んでいることの裏返しでもあるため、特に問題ないでしょう。

提出前に見直しをする

ESやメールなど、書類での提出において「御社」と「貴社」の使い分けを間違えてしまうと、少し悪い印象を与えてしまいます。

何度も説明しているように「御社」は話し言葉であるため、書類内で使うとビジネスマナーをよく知らない人物であると思われてしまうことでしょう。

そこで、書き終えた後の確認作業を必ず行うようにしてください。

内容に集中しているとついミスを見落とすこともあるため、文章全体を一通り読みながら「貴社」で統一されているかを確認する時間を設けるようにしましょう。

電子媒体であればAIを活用して確認しても良いですし、WordやGoogleドキュメントなどにコピーして「御社」と検索すれば、誤って使用している箇所がないか確認できます。

「御社」「貴社」を使う際の注意点

「御社」「貴社」を使う際の注意点
  • 一般企業以外は言い方が異なる
  • 二重敬語に気をつける
  • 混同されやすい言葉に気を付ける

「御社」や「貴社」は相手企業への敬意を示す表現ではあるのですが、使い方を誤ってしまうとマナーが備わっていない印象を与えてしまうことがあります。

一般企業以外は言い方が異なることもありますし、二重敬語などを使ってしまうと敬語ができない人だと思われることもあるため、注意点は確実に覚えておいてください。

もちろん、あなたが応募しない業界も含まれているでしょうが、将来取引先として関わることになる可能性もあるため、常識として覚えておいて損はありません。

一般企業以外は言い方が異なる

応募先の企業によって敬称の使い方が異なることを理解しておかなければなりません。

この記事の本題は「御社」か「貴社」かですが、それ以外にも「御行」や「貴行」「御校」や「貴校」など、様々な敬称が存在します。

代表的かつ特別な敬称を用いる応募先を紹介するため、確認しておいてください。

銀行、信用金庫

金融業界を志望する場合は敬称の使い方に必ず気をつけておきましょう。

銀行や信用金庫の場合は「御行」「貴行」という別の敬称を使用します。

特に銀行は格式や礼儀を重んじる業界であるため、細かい敬語表現にも配慮が求められます。

面接では「御行」を、エントリーシートやメールなどの文章では「貴行」を使用し、話し言葉と書き言葉の使い分けを意識してください。

学校・学校法人

教育機関に応募する際も注意が必要です。

「貴社」や「御社」ではなく「御校」「貴校」という敬称を使う必要があります。

学校や大学、専門学校などは学校法人にあたるため、業種による敬称の使い分けが求められる場面の1つです。

書類で「貴社」と記載してしまうと、教育機関に対する理解があまりないと思われてしまいます。

銀行、信用金庫と同様に、教育業界も言葉の選び方に敏感な傾向があり、常識の有無を細かく見られる場合が多いため、注意しましょう。

省庁

国家公務員を目指す場合は省庁に向けた敬称に特別な言い回しが求められるため注意が必要です。

「貴社」や「御社」ではなく「御庁」「貴庁」という表現が正しい敬語表現です。

外務省、厚生労働省などを目指す際には「貴社」ではなく「貴庁」と記載しましょう。

省庁は公共性の高い機関であり、国民全体への影響を持つ業務を担っており、その分応募者にも厳格な言葉遣いや礼儀が求められるため、特に注意が必要です。

病院

医療機関を志望する際には「御院」「貴院」といった敬称が正しいです。

医療分野は患者に対して丁寧な対応が重要であり、信頼が大切であるため、正確な言葉遣いや気配りができることが必須です。

「御社」「貴社」などと記載してしまうと、細かい気配りができず、現場でも活躍できないと思われてしまう可能性があります。

必ず、病院を目指す際は表現に注意しましょう。

財団法人や社会法人など

財団法人や社会法人といった非営利組織に応募する際も、敬称に注意が必要です。

「御社」や「貴社」ではなく「御法人」や「貴財団」といった敬称を使い分ける必要があります。

非営利組織や社会法人はその高い社会貢献性から、細かな配慮や気配りができる人材を求めています。

また、公務員ほどではないものの、公共性が高いため、こうした細かいルールにも厳しい可能性が高いです。

間違えただけで落とされるというわけではありませんが、マイナスな印象を与える可能性は高いため、注意しましょう。

二重敬語に気をつける

敬語を丁寧に使おうとするあまり「御社様」「貴社様」などといった二重敬語を使ってしまうケースがありますが、これは誤った表現です。

もともと「御社」「貴社」という言葉自体に敬意が含まれているため、そこにさらに「様」をつけるのは過剰であり、ビジネスマナーとして全くふさわしくありません。

丁寧なように感じるかもしれませんが、言葉遣いの基礎が身についていないという印象を与えてしまう可能性が高いため、注意してください。

「丁寧であれば何でも良い」というわけではなく、正確にビジネスマナーに沿った言葉を使うことが大切です。

混同されやすい言葉に気を付ける

「御社」や「貴社」と並んで混同されやすい言葉として「弊社」「当社」など自分側の組織を指す敬称があります。

これらは話し相手に敬意を示す言葉ではなく、自分の所属する企業や組織をへりくだって表現するためのものです。

就活生の方はどこかの会社に所属していることは少ないため、これらの言葉を使う機会はほとんどありません。

したがって「弊社」や「当社」という言葉は基本的に就活において使わないと思っておけば良いでしょう。

誤って応募先の企業に対して当社などと送ってしまうと、常識がなく、礼儀がなっていない人物であると思われてしまいます。

次の項目で、弊社と当社の使い分けについても紹介するため、覚えておいてください。

混同されがちな「弊社」「当社」のビジネスシーンでの使い方

ビジネスシーンでの使い方
  • 弊社(へいしゃ):社外の人に話す時に使う
  • 当社(とうしゃ):自社の人に話す時に使う

この記事を読んでくれている方の多くは「御社」と「貴社」の違いを明確にしたいと思っていることでしょう。

そして「御社」と「貴社」を混同している方の中には「弊社」と「当社」の使い方も混同している方が多いのではないでしょうか。

以下で「弊社」と「当社」のビジネスシーンでの使い分けについても紹介するため、こちらもぜひ覚えておいてください。

こちらは「就活に役立つ」というよりは「インターン時や入社後に役立つ知識」です。

弊社(へいしゃ):社外の人に話す時に使う

「弊社」という表現はビジネスシーンにおいて自社を社外の相手に対してへりくだって伝えるための敬語です。

主に取引先や顧客など、社外の関係者との会話やメール、提案書などで用いるものです。

基本的に就活の場面で使うことはあまりないため「インターンで、取引先の人から電話がかかってきた時などに用いる」と覚えておけば良いでしょう。

当社(とうしゃ):自社の人に話す時に使う

「当社」は自社を社内や同じ立場にある相手に対してフラットに指す表現です。

社外の相手に対して敬意を表す必要がない場面、つまり社内での会話や社内向けの資料、プレゼンなどに用いられることが多いです。

「弊社」とは異なり謙譲語ではないため、社外とのやり取りに使ってしまうと、ぶしつけな印象を与えてしまう可能性があります。

クライアントとの打ち合わせで「当社ではこのように考えています」といった表現を使う人もいますが、これは間違いです。

とはいえ、こちらも就活で使う場面はほとんどないため、基本的には使わず「インターンで、社内の人と話す時に使う」ぐらいに覚えておけば良いでしょう。

まとめ

今回は志望動機を作成するにあたって「御社」と「貴社」の違いがよくわからなくなってしまった方のために、具体的なシーンを例に挙げながら両者の使い分けについて紹介しました。

記事中で何度も説明したように、一言で言うならば「御社は話し言葉、貴社は書き言葉」です。

しかし、就活という重要な場面において緊張してしまうと、どちらがどちらかわからなくなってしまう場合も多いでしょう。

そのような時は、この記事で紹介した使い分け方や注意点を思い出し、落ち着いて対応してください。

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