動画選考で差をつけよう！志望動機を魅力的に伝える方法を徹底解説！

就活の動画選考とは？

就職活動における動画選考とは、履歴書やエントリーシートなどの書類選考に加え、学生が自分の声で自己PRや志望動機などを録画し、企業に提出する選考形式のことです。

カメラに向かって話すスタイルは、面接とも少し異なり、非対面でありながらも自分の個性や熱意を伝える手段として注目されています。

動画選考は、録画時間の制限があることも多く、短い時間で自分を印象づける力が求められます。

慣れていない学生にとっては戸惑う部分もあるかもしれませんが、話す内容を事前に整理し、何度も撮り直しができる点では、通常の面接よりも安心して臨むことができる選考形式です。

動画選考の種類と形式

動画選考には大きく分けて二つの形式があります。

どちらも録画を通して応募者の人柄や伝える力を評価するものですが、撮影や回答の進め方に違いがあるため、それぞれの特徴を理解して準備を進めることが大切です。

形式① 自分で動画を撮影・録画し企業に送る

もっとも一般的な形式が、自分で動画を撮影し、そのデータを企業に提出するパターンです。

企業からあらかじめ質問が提示されており、それに対して自宅などで録画した動画を、指定された方法でアップロードまたはメールなどで提出します。

この形式の大きな特徴は、撮影のタイミングや回数を自分で決められる点です。

納得のいくまで何度でも撮り直しができることが多いため、自分らしい表情や話し方を意識しながら、ベストな動画を準備することができます。

質問内容に対して時間内に収める必要があるため、事前の原稿作成や練習がポイントになります。

また、背景や照明、身だしなみなども自分で整える必要があるため、ただ話すだけでなく、映像としての印象づくりも重要になります。

提出前には必ず動画を見直し、話し方や声の聞き取りやすさ、目線の向きなどを確認しましょう。

形式② 企業からの質問にオンデマンドで答える形式

もう一つの形式は、企業側が用意した質問に対し、その場で録画して回答するオンデマンド形式です。

この方式では、企業が指定するオンラインツールにログインし、表示された質問にリアルタイムで答えて録画することになります。

事前に質問が公開されないケースも多く、即興で対応する力が求められます。

この形式では、撮り直しができない場合もあるため、一発勝負となることが多くなります。

想定外の質問が来たときにどう対応するか、焦らずに自分の考えを伝える冷静さも評価対象になります。

回答時間が限られていることも多いため、普段から面接練習を重ねておくことが有効です。

録画環境も重要な要素です。通信状態が不安定だと録画が止まってしまうこともあるため、Wi-Fiの環境や使用する端末のカメラ・マイクの状態を事前に確認しておくと安心です。

動画選考が導入される背景と目的

企業が動画選考を取り入れるようになった背景には、さまざまな理由があります。

採用の効率を高めるという実務的な理由から、社会的な変化に対応するための工夫まで、いくつかの側面から考えることができます。

採用活動の効率化のため

応募者数が多い企業では、一人ひとりと面接を行うことが現実的ではありません。

そのような中で、動画による選考は効率的に多くの学生の人柄や印象を確認できる手段として注目されています。

特にエントリーシートや履歴書だけでは伝わりにくい部分を、短時間の動画を通して評価することで、選考の精度とスピードの両方を高めることができます。

また、採用担当者のリソースが限られる中で、あらかじめ録画された動画を好きなタイミングで確認できるという点も、選考業務の効率化につながっています。

面接の事前ステップとして動画選考を導入することで、面接に進む学生をより適切に選び出すことができるようになります。

書類だけではわからない魅力を知りたいため

書類選考では、学生の性格や話し方、表情といった情報は伝わりません。

文章では魅力が伝わりにくいと感じる学生もいれば、実際に話す姿を見れば印象が大きく変わることもあります。

動画選考を通じて、企業は学生の話し方や熱意、雰囲気を直接確認できるため、より多面的な評価が可能になります。

新型コロナウイルス感染症の影響のため

新型コロナウイルスの流行によって、対面での面接が難しくなったことも、動画選考の普及に拍車をかけました。

移動を伴う面接が避けられる中で、非接触かつ遠隔で行える動画選考は、安全面でも有効な手段とされ、多くの企業が導入に踏み切るきっかけとなりました。

当初は一時的な措置として始まったこの形式も、結果として運用のしやすさや評価のしやすさが認識され、現在では継続的に活用されるようになっています。

地方学生が選考を受けやすくするため

就職先として都市部を志望している地方の学生にとって、従来の対面選考は時間的・経済的に大きな負担がかかるものでした。

動画選考が導入されることによって、地理的な制約を受けることなく、自宅から選考に参加できるようになったことは、学生にとっても大きなメリットです。

企業側にとっても、地方在住でありながら高い能力や志を持つ学生と出会う機会を逃さずに済むようになったため、採用の幅を広げる手段として有効です。

選考の地域格差を少しでも解消するきっかけとして、動画選考は今後も重要な役割を果たしていくと考えられます。

応募ハードルを下げるため

動画選考には、応募者の心理的なハードルを下げるという側面もあります。

文章での表現に苦手意識がある学生にとって、書類選考だけでなく動画でも自分を伝えられる機会があることは安心材料になります。

また、面接のように緊張感のある場に出向かなくても、リラックスした環境で録画できるため、自分らしさを出しやすいと感じる学生も多いです。

企業にとっても、応募の敷居を下げることで、これまで接点を持ちにくかった層の学生からの応募が増える可能性があります。

動画選考の導入は、選考の柔軟性を高めるとともに、多様な人材との接点を生み出す効果が期待されています。

動画選考のメリットと特徴

動画選考は、就活生にとってまだ馴染みの薄い選考形式かもしれませんが、うまく活用すれば非常に効果的に自分をアピールできる手段です。

特に、限られた時間や環境の中で、自分のペースで準備ができるという点が大きな魅力といえます。

ここでは、動画選考ならではのメリットとその特徴を紹介します。

好きなタイミングで撮影できる

動画選考の最大の特徴の一つは、決められた時間に面接を受ける必要がないことです。

提出期限の範囲内であれば、自分の生活リズムに合わせて撮影のタイミングを自由に決めることができます。

体調が良い日や、落ち着いて取り組める時間帯を選ぶことで、より自信を持って撮影に臨めます。

面接特有の緊張感を少しでも和らげることができるのも、この形式ならではのメリットです。

話す内容を事前に準備できる

多くの動画選考では、事前に質問内容が提示されるケースが一般的です。

そのため、自分がどのように話すかをあらかじめ考え、構成を練ったうえで撮影に入ることができます。

あわてて答える必要がないため、話す内容に自信を持ちやすくなりますし、自分の強みや経験をより効果的に伝えるための工夫もできます。

ただし、原稿を丸暗記して話すと、どうしても不自然になってしまいます。

事前に準備はしつつも、自然な口調で話せるように練習を重ねることが大切です。話すスピードや言い回しも意識して、自分らしい伝え方を探していくとよいでしょう。

何度でも撮り直しができる（※形式による）

録画形式の動画選考では、撮り直しが可能な場合が多くあります。

納得のいく内容や表情で収録できるまで繰り返し挑戦できることは、就活生にとって安心できるポイントです。

一発勝負ではないため、ミスを恐れすぎずにチャレンジしやすくなります。

ただし、企業によっては、オンデマンド形式のようにその場で録画がスタートし、撮り直しができないケースもあります。

事前に案内されている形式をよく確認し、それに応じた準備をしておくことが必要です。

撮り直しができるからといって、油断せず、事前の練習や環境の整備はしっかり行いましょう。

書類では伝えられない自分の魅力を伝えられる

履歴書やエントリーシートでは、どれだけ頑張っても文章だけで自分の熱意や人柄を伝えるには限界があります。

動画選考では、声のトーン、表情、話し方など、文章では伝えきれない部分がそのまま評価されます。

実際に話す姿を見ることで、企業はあなたの雰囲気や誠実さ、前向きな姿勢を直接感じ取ることができます。

また、表情が明るい人や、話し方に親しみやすさがある人は、動画を通してその魅力が伝わりやすくなります。

たとえ文章に自信がないとしても、話すことに力がある人にとっては、動画選考は自分を最大限にアピールできるチャンスとなるはずです。

なぜ動画で志望動機を話すのか？

動画選考で志望動機を話す理由は、単に情報を伝えるためではなく、文章では伝わりにくい熱意や人柄をダイレクトに感じ取ってもらうためです。

企業側は履歴書やエントリーシートである程度の情報を把握していますが、どの学生が自社に強い関心を持っているのか、本気で働きたいと考えているのかを見極めるのは難しいことがあります。

その点、動画は学生の声のトーンや表情、話し方から多くのことを読み取ることができます。

とくに志望動機は、企業とのマッチ度をはかる重要な項目です。

何をきっかけに興味を持ったのか、どんな想いで応募しているのかを、自分の言葉で丁寧に伝えることで、企業側に「この人と実際に会ってみたい」と思わせることができます。

また、文字だけでは伝わりづらい感情の温度や言葉の力も、動画なら視覚と聴覚の両方を通じて印象づけることができます。

面接の前段階である動画選考で、どれだけ自分らしい志望動機を届けられるかが、次のステップへのカギとなります。

印象に残る志望動機にするためのポイント

動画での志望動機は、ただ内容が正確であるだけでは足りません。限られた時間の中で、採用担当者の印象にしっかり残るような話し方と構成が求められます。ここでは、動画ならではの工夫として意識しておきたいポイントを紹介します。

最初の5秒で「なぜこの企業か」を明確に伝える

動画を視聴する企業側も、多くの応募者の映像をチェックしているため、最初の数秒で強い関心を引けるかどうかがとても重要です。

冒頭でまごついたり、話が回りくどいと、内容に入る前に印象が薄れてしまうこともあります。

まず最初に、自分がなぜこの企業に惹かれたのか、何に共感したのかをシンプルに伝えるよう意識しましょう。

自分の経験・強みと業務内容を結びつける

ただ企業への憧れを語るだけでは、説得力のある志望動機とは言えません。

大切なのは、自分の経験や強みが、企業の業務や価値観とどうつながっているかを具体的に説明することです。

アルバイトや学業、サークル活動などを通して培ったスキルや姿勢を、応募する職種や事業内容と結びつけて語ることで、入社後の活躍イメージを持ってもらいやすくなります。

企業が求める人物像と自分の特徴が重なる部分を丁寧に言語化すると、説得力が増します。

笑顔とアイコンタクトで人柄を伝える

志望動機は内容が中心になるとはいえ、動画である以上、視覚的な印象も非常に大きな要素です。

緊張していても、口元を少し上げるだけで、見る側にとってはぐっと好印象になります。

また、話す際はカメラのレンズを見るように意識すると、アイコンタクトが取れているように見え、信頼感が生まれます。

動画では、話す内容そのものと同じくらい、話し方や表情、雰囲気も評価されています。

落ち着いた話し方と明るい笑顔を心がけることで、あなたらしさや誠実さが自然と伝わっていきます。

あいさつですべてが決まる！最初と最後の印象を大切に

最初の数秒で動画の印象はほぼ決まると言っても過言ではありません。

第一声は明るく、ハキハキと話すことを意識しましょう。

丁寧なあいさつは礼儀だけでなく、誠実な人柄を印象づける大きな要素になります。

また、締めくくりも同じくらい重要です。

「最後までご覧いただき、ありがとうございました」といった一言を忘れずに、最後まで丁寧な姿勢を見せることで、好印象のまま動画を終えることができます。

視聴する側にとって、余韻として残るのはラストの印象です。

撮影の構図にこだわろう

カメラに映る自分の構図にも工夫が必要です。

顔だけが大きく映りすぎると圧迫感が出たり、逆に遠すぎると表情が見えにくくなります。

おすすめは、胸元から頭の先までが自然に収まるバストショットや、少し広めのミディアムショットです。

また、目線が自然にカメラのレンズに向いているか、背景に余計なものが映っていないかも確認しておきましょう。

カメラを少しだけ目線の上に設置すると、明るく親しみやすい印象になりやすくなります。

小道具をうまく使って目を惹こう

自己PRやエピソードの中で、視覚的な工夫として小道具を取り入れるのも効果的です。

たとえば、フリップボードに要点を書いて見せる、過去の成果物や表彰状を画面に映すなど、話の内容に関連するアイテムをうまく使うことで、印象に残りやすくなります。

ただし、小道具がメインになってしまわないように注意が必要です。

話の補足として使うことを意識し、顔が隠れたり、カメラのピントがずれてしまわないように工夫しましょう。

照明に気を配ろう

動画の印象を大きく左右するのが照明です。

顔にしっかりと光が当たっていないと、表情が暗く見えてしまい、せっかくの笑顔も伝わりにくくなります。

昼間であれば、自然光が入る場所で撮影するのがおすすめですが、光が強すぎると白飛びしてしまうので、カーテンなどで調整するのが理想的です。

夜間に撮影する場合は、真正面から当たるライトを1つ、足りなければ白い紙やレフ板のようなもので光を反射させる工夫も有効です。

顔が明るく映るだけで、印象はぐっと良くなります。

「相手」をいつもより意識して話す

動画では話している相手の姿が見えない分、一方的な話し方になってしまいやすい傾向があります。

だからこそ、カメラの先に人がいることを意識して話すことが大切です。

画面越しに話しかけているつもりで、相手がうなずいてくれている場面を想像しながら話すと、自然と声のトーンや間の取り方がよくなります。

笑顔を絶やさず、身振り手振りも少し大きめに取り入れていくと、より伝わる話し方になります。

カメラの向こう側で自分の話を聞いてくれている誰かに向けて話しているという意識を持つことで、より人柄が伝わる温かい動画になります。

志望動機の動画例（構成フォーマット）

動画で志望動機を伝えるときは、短い時間の中で「なぜこの企業なのか」「なぜ自分なのか」をしっかり伝えることが大切です。ただし、内容を詰め込みすぎると伝わりづらくなってしまうため、構成をシンプルに整えることが効果的です。

以下は、1分前後の動画を想定した基本的な構成の例です。自然な流れで、自分らしさが伝わるように組み立てましょう。

動画選考が多い主な業界

動画選考は今や多くの企業で導入されていますが、特に活用が進んでいる業界には傾向があります。

業界ごとの採用スタイルや企業文化によって、動画選考の位置づけや重視されるポイントも異なります。

ここでは、動画選考を導入していることが多い代表的な業界を紹介します。

コンサル業界

コンサルティング業界では、限られた面接枠の中で多くの応募者をスクリーニングする必要があります。

そのため、動画選考を通じて論理的な話し方や構成力、簡潔に要点を伝える能力を見極めるケースが増えています。

時間制限のある中で自分の考えを分かりやすく伝える力は、実務でも重視されるスキルのひとつです。

また、即戦力人材を求める傾向が強いため、動画を通して話し方の落ち着きや、課題に向き合う姿勢が伝わるかどうかも評価の対象になります。

広告・メディア業界

広告やメディア業界は、発想力や表現力、プレゼンテーションスキルなど、コミュニケーション能力の高さが求められる仕事です。

文章だけでは伝わりにくい感性や人柄を判断するために、動画という形式が適しているとされ、多くの企業が導入しています。

特に志望動機や自己PRで、どのように自分の考えを言葉にするかが重視されるため、動画選考の時点から個性や雰囲気をしっかり見せることが重要になります。

IT・通信業界

ITや通信業界では、オンラインでの業務やリモートワークの文化が比較的早くから根づいていることもあり、選考フローの中に動画を取り入れる企業が多くあります。

エンジニアやデザイナー職であっても、チーム内外との円滑なやりとりが求められるため、話し方や対話力といった要素は見逃せません。

また、システム面に強い業界だけに、動画提出のための専用プラットフォームを自社で整えているケースもあります。

選考のスピードを重視する文化も背景にあり、動画を使った事前選考が効率的な手段として受け入れられています。

人材業界

人材業界では、求職者と企業の間に立ち、両者をつなぐ役割を担うため、高いコミュニケーション能力が求められます。

相手の話を引き出す力や、信頼感を生む表情や話し方は、まさに動画で判断しやすいポイントです。

また、企業によっては自社の選考で使用している動画面接ツールを開発・販売していることもあり、その意味でも先進的な取り組みが進んでいます。

動画選考に慣れている業界だからこそ、より高い完成度が求められる傾向もあります。

外資系企業（特にグローバル展開企業）

外資系企業やグローバルに展開している企業では、時差や距離の問題から、最初の選考ステップとして動画を取り入れるのが一般的です。

英語での自己紹介や志望動機が求められるケースもあり、語学力や国際感覚が問われることも少なくありません。

応募者の第一印象や、海外のチームと協働できそうな雰囲気かどうかを、動画で判断する意図があります。

また、欧米系企業ではもともと合理的な選考スタイルが主流であるため、動画の活用にも抵抗がなく、標準的なプロセスとして根づいています。

ベンチャー企業全般

ベンチャー企業では、少数精鋭の採用を行うケースが多く、書類選考だけでは候補者の魅力を見落としてしまう可能性があります。

そのため、選考の初期段階で動画を取り入れて、柔軟な発想や熱意、フィット感などを確認する企業が増えています。

スピード感のある採用を重視する企業が多く、オンラインで完結できる動画選考は非常に相性が良い手段とされています。

経営者やチームリーダーが直接動画を見て判断するケースも珍しくありません。

エンタメ・放送・出版業界

エンタメや放送、出版業界では、表現力や感性、そして話し方に対するこだわりが求められます。

文章では表せない空気感や語り口を見て判断するため、動画での自己PRや志望動機は非常に重要な材料となります。

番組制作や編集に関わる仕事であっても、社内外でのコミュニケーションが必要不可欠です。

そうした素養があるかを、動画の話しぶりから読み取ろうとする企業は多く、実際の採用フローにも動画選考が定着しつつあります。

動画選考の全体的な流れ

動画選考は、ただ話す動画を撮ればよいというものではありません。

内容の準備から撮影環境、話し方、提出まで、一つひとつの工程に丁寧な工夫が求められます。

ここでは、動画選考をスムーズに進めるための全体的な流れを段階ごとに紹介します。

準備段階（原稿を作る・練習する）

最初に取り組むべきは、話す内容の整理です。

志望動機や自己PRなど、想定される質問に対して簡潔に答えられるよう、原稿を作成しておきます。

このとき、1分間で話せる文字数はおよそ300字が目安です。

聞き手にとって自然に聞こえるように、口に出して読んでみながら言葉を整えていくとよいでしょう。

原稿ができたら、繰り返し練習をします。

最初は紙を見ながらでも構いませんが、徐々に自然に話せるようにしていくことが大切です。

ただ暗記するのではなく、自分の言葉として話せるようにすることで、伝わり方が大きく変わります。

撮影環境の整備（照明・構図・小道具など）

次に大切なのが、撮影する環境の準備です。

まず照明は、自分の顔が明るく見えるように正面から光を当てるのが基本です。

自然光が入る場所や、ライトを使った調整も効果的です。

逆光や暗すぎる場所では表情が伝わりにくくなるため、細かくチェックしておきましょう。

背景はシンプルで清潔感のあるものを選びます。

壁が白やベージュであれば理想的です。

画面内に私物が映り込まないように、周囲を片づけておくことも忘れずに。

必要に応じて、小道具（フリップなど）を使う場合は、話の邪魔にならないように位置やサイズも調整しておきましょう。

構図としては、バストショット（胸から上）やミディアムショット（腰上）が一般的です。

顔が中央にしっかり収まり、自然な角度になるようカメラの位置を調整します。

撮影（カメラの位置、目線、表情、話し方）

いよいよ撮影本番です。

カメラは目の高さに合わせ、正面から撮るようにします。

ノートパソコンやスマートフォンを使用する場合でも、台やスタンドを使って安定させ、見下ろしたり見上げたりしない角度を保ちましょう。

話すときの目線は画面ではなくカメラのレンズを見ることが重要です。

これにより、動画を再生している人と自然に目が合う感覚をつくれます。

また、口角を少し上げた明るい表情を意識し、ゆっくりと、はっきりと話すようにしましょう。

特に注意したいのが早口です。

制限時間があるとつい焦ってしまいがちですが、落ち着いた話し方のほうが内容が伝わりやすく、印象も良くなります。

言葉の一つ一つを丁寧に届ける意識を持ちましょう。

確認・編集（形式に応じて）

撮影が終わったら、必ず自分で録画内容を確認します。

話し方や目線、表情などが自然であるか、伝えたい内容が明確かどうかを見直しましょう。

話が途中で切れていたり、声が聞き取りづらいといった点があれば、再撮影を検討します。

形式によっては編集が禁止されていることもありますが、録画形式で撮り直しが可能な場合は、必要に応じて簡単な調整を行っても問題ありません。

ただし、過剰なカットや効果音などは避け、あくまで自然な形にとどめるのが原則です。

オンデマンド形式ではその場で撮影が完結するため、確認や修正ができない場合もあります。

どちらの形式なのか、企業の案内をよく確認しておきましょう。

アップロード・送付

録画した動画は、企業が指定する方法に従って提出します。

提出用フォームに直接アップロードする場合もあれば、クラウドサービスにアップしてURLを送るように求められる場合もあります。

ファイル形式やサイズ制限なども事前に確認しておくことが必要です。

提出が完了したら、できれば企業に一言メッセージを添えて連絡を入れると、丁寧な印象を与えることができます。

ちょっとした気配りが、選考全体の印象にもつながります。

撮影形式別の注意点と対策

動画選考はすべてが同じ形式ではなく、「撮り直しができる形式」と「一発勝負で撮り直しができない形式」があります。

形式によって求められる対策は大きく異なるため、自分が受ける企業の案内をしっかり確認した上で、それに合った準備を進めることが大切です。

ここでは、それぞれの形式における注意点と具体的な対策を解説します。

【撮り直しが可能な場合】

この形式では、自分の納得いくまで何度でも撮影し直すことができます。

事前に質問が提示されている場合が多く、時間をかけて内容をブラッシュアップできる点が特徴です。

安心感がある一方で、完成度が求められる分、思わぬ落とし穴もあります。

注意点：暗記厳禁！ スラスラ話すことが重要ではない

撮り直しができるからといって、原稿を完璧に暗記しようとすると、かえって不自然な話し方になってしまう恐れがあります。

スラスラ話せるようになること自体が目的になってしまうと、本来伝えるべき人柄や熱意が薄れてしまうことがあります。

表情や声の抑揚がなく、機械的な話し方になってしまうと、どれだけ内容が良くても印象は残りにくくなります。

自然な口調で、感情を込めて話すことのほうがずっと大切です。

対策：人を相手に練習しよう

最も効果的な対策は、人に向かって実際に話す練習をすることです。

友人や家族、学校のキャリアセンターの担当者などに協力してもらい、相手の反応を見ながら話すことで、伝え方の改善点が見えてきます。

また、録画を何度も見直し、自分の話し方や表情を客観的に確認することも重要です。

ただ原稿を覚えるのではなく、ポイントだけを頭に入れて自然に言葉が出てくるように練習を重ねましょう。

【撮り直しができない場合】

この形式では、企業側のシステムにログインするとその場で録画が始まり、一発で回答しなければなりません。

緊張感が高く、対面の面接に近い性質を持つため、対応力や臨機応変さが問われます。

注意点：想定外の質問への対応が重要！ 動揺した様子は見せない

この形式では、事前に質問内容が分からないことがほとんどです。

そのため、想定していない質問が来たときに、焦って言葉に詰まったり、表情が固まってしまうと、マイナスな印象を与える可能性があります。

話す内容の完成度以上に、落ち着いて対応できるか、予期せぬ状況でも前向きな姿勢でいられるかといった部分が見られています。

たとえ完璧な回答ができなくても、自分の言葉で一生懸命伝えることのほうが評価につながります。

対策：基本の面接対策はマスト！ 想定できる質問を洗い出しておこう

想定外の質問に備えるには、基本的な面接対策をしっかり行っておくことが不可欠です。

自己紹介、志望動機、学生時代に力を入れたこと、長所・短所など、よくある質問への答えを自分なりに整理しておきましょう。

さらに、業界や企業に関連する質問、時事的な話題、逆質問への対応なども幅広く準備しておくことで、焦らずに対応できるようになります。

日ごろから自分の考えを言葉にする練習を積み重ねておくことが、一発勝負の場で自信につながります。

動画選考で気を付けるべきポイント5選

動画選考では、話す内容や表情はもちろんのこと、見落としがちな技術的・環境的な要素も合否に影響する場合があります。

ここでは、意外と見落としやすいけれど、しっかり対策しておきたい5つのポイントを紹介します。

服装

動画であっても、選考である以上、服装は第一印象に直結します。

たとえ自宅で撮影する場合でも、基本的には上下スーツを着用するのが望ましいです。

上半身だけ整えて下はラフな格好というのは避けましょう。

ふとした動きで全身が映ることもあり、不意にマイナスの印象を与える可能性があります。

髪型やメイクも清潔感を重視し、自然光や照明で顔が暗くならないように工夫しておくと、より明るく誠実な印象になります。

私服が許可されている場合でも、ビジネスカジュアルを意識すると失敗しにくくなります。

動画編集

動画編集は基本的に不要です。

むしろ企業によっては、編集や加工を禁止している場合もあるため、撮影前に案内をよく確認することが重要です。

無音部分のカットや、音量の微調整など軽微な編集は許容される場合もありますが、テロップやBGMの追加、カットの多用は控えましょう。

撮り直しが可能な形式であれば、編集に頼らず、最初から通して撮影するのが理想的です。

自然体で話すことのほうが、企業にとっては評価しやすく、信頼感にもつながります。

フリップ

フリップ（スケッチブックや画用紙にキーワードを書いて見せる小道具）は、視覚的に印象を強めたい場合に有効です。

ただし、使い方を誤ると逆効果になることもあるため注意が必要です。

たとえば、フリップを顔の前に出しすぎて表情が見えなくなったり、話すことよりも見せることに意識が向きすぎたりすると、本来伝えるべき内容がぼやけてしまいます。

フリップはあくまで補助的な役割です。

話の流れをサポートするように、使いどころを厳選して取り入れましょう。

データ容量

提出する動画のファイルサイズには、企業や使用するシステムによって上限が設定されている場合があります。

高画質で撮影した結果、ファイルが大きくなりすぎてアップロードできないというトラブルも少なくありません。

撮影前に画質設定を適切なレベル（たとえば720p程度）にしておくと、必要な画質を保ちつつ容量も抑えられます。

また、スマートフォンで撮影する場合でも、自動的に4Kで保存される設定になっていないか確認しておくと安心です。

アップロードの前には、必ずファイルサイズをチェックしましょう。

通信環境

動画選考には、撮影形式にかかわらず安定した通信環境が欠かせません。

オンデマンド形式では、途中で通信が切れてしまうと録画が中断されたり、提出が完了できないこともあります。

また、録画形式でも、アップロード中にエラーが発生することがあります。

できる限り有線LANや安定したWi-Fi環境を使い、ルーターから近い場所で作業するようにしましょう。

マンションタイプのインターネット回線は時間帯によって通信速度が不安定になることもあるため、時間を選ぶ工夫も有効です。

提出の締切直前に慌てないよう、時間に余裕をもってアップロードを行うことが大切です。

よくある疑問とその回答

動画選考が初めての方にとって、細かい部分での不安や疑問はつきものです。

ここでは、特に多くの就活生が気になるポイントについて、Q&A形式で解説します。

カンペは見て良いの？

カンペ（カンニングペーパー）を見ること自体は禁止されているわけではありませんが、あくまで「見ながら話す」のではなく「話す補助」として使うことが望ましいです。

目線が頻繁に原稿に落ちてしまうと、不自然で伝わりづらくなります。

手元にメモを置く場合は、キーワードだけをまとめておき、カメラのレンズを見ながら話せるように練習しておくと良いでしょう。

本番で目線がブレないよう、なるべく原稿に頼らず話せる状態にしておくのが理想です。

撮り直しはできる？

録画形式であれば、基本的に撮り直しは何度でも可能です。

納得がいくまで練習と撮影を繰り返し、自信を持てる動画を提出しましょう。

ただし、オンデマンド形式や企業独自の録画ツールを使う場合は、一発勝負となることがあります。

その場合、事前に内容をしっかり準備し、想定問答も練っておくことが重要です。

どちらの形式なのか、事前に企業の案内をよく確認しておくようにしましょう。

編集や加工は必要？

動画の編集や加工は基本的に不要です。

企業によっては禁止されていることもあるため、あえて編集しない方が安全です。

特に、カット割りやBGM、テロップなどを加えると、かえって不自然な印象になってしまうこともあります。

どうしても気になる部分がある場合は、撮り直しで対応するのが基本です。

見せたいのは“あなた自身”ですから、自然な映像を大切にしましょう。

服装は私服でも大丈夫？

企業から明確な指定がない限り、動画選考ではスーツが基本と考えておいたほうが安心です。

特に志望度が高い企業の場合や、ビジネス色の強い業界では、服装も選考評価の一部として見られています。

一方で、ベンチャー企業やクリエイティブ系の職種では「私服OK」と明記されているケースもあります。

その場合でも、清潔感と品のある装いを意識し、Tシャツやパーカーなどカジュアルすぎる服装は避けた方が無難です。

カメラの向きは？

カメラの向きは、必ず目線の高さに合わせましょう。

上から見下ろす構図や、下から見上げる構図は不自然に映り、表情や話し方にも影響が出てしまいます。

机や本などで高さを調整し、真正面、もしくはほんの少し上から目線が来る程度の角度に設定するのが理想的です。

また、カメラのレンズを見ることを意識し、画面の自分ではなく“見る相手”に話しかける感覚で臨むと、より好印象になります。

まとめ

動画選考は、準備次第で大きく差がつく選考形式です。

話す内容や構成だけでなく、表情、目線、照明、服装など、映像としての「見え方」も評価の対象になります。

事前にしっかり準備し、何度も練習を重ねることで、自分らしい魅力が伝わる動画に仕上がります。

そして何より大切なのは、「うまく話す」ことよりも「誠実に伝える」ことです。

企業は完璧な答えを求めているわけではなく、あなたがどんな人で、どんな想いを持って応募しているのかを知りたいと考えています。

自分らしさを大切にしながら、準備を積み重ね、動画選考を突破して次のステップへ進みましょう。