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企画力の自己PR例文集|課題発見から実行までを伝えるアピール術
自己PRで「企画力」をアピールしたいけれど、ただの「アイデアマン」だと思われないか不安ではありませんか。
企業が求める企画力とは、単なる発想力ではなく、課題を発見し、計画を立て、実行し、成果を出すまでの一連のプロセスを指します。
この記事では、あなたの企画力を「ビジネススキル」として正しく伝えるための構成要素、エピソード別の例文、そして評価を下げてしまうNG例まで徹底解説します。
【私の強み「企画力」】企業が評価する本質的な意味
自己PRで「企画力」をアピールすることは、多くの就活生にとって魅力的な選択肢です。
しかし、企業が評価する「企画力」は、単に「面白いアイデアを出せる」ことだけではありません。
ビジネスの現場では、現状の課題を見抜き、それを解決するための具体的な計画を立て、周囲を巻き込んで実行し、最終的に成果を出すまでの一連のプロセス全体が「企画力」と呼ばれます。
このセクションでは、企業が本当に求めている「企画力」の本質的な意味と、面接官があなたのどこを見ているのかについて深く掘り下げます。
この本質を理解することが、説得力のある自己PRへの第一歩です。
ビジネスにおける「企画力」の3つのステップ
企業が評価する「企画力」は、大きく分けて3つのステップで構成されています。
自己PRでアピールする際は、この3ステップを踏まえたエピソードを語ることが不可欠です。
第一のステップは「課題発見」です。
なぜその企画が必要なのか、現状にどのような問題があるのかを正確に把握する力です。
データ分析やヒアリングを通じて、潜在的なニーズや本質的な問題点を見つけ出す洞察力が求められます。
第二のステップは「立案・構築」です。
発見した課題を解決するための具体的なアイデアを出し、それを実現可能な計画に落とし込む力です。
ここでは、斬新な発想力と同時に、コストやスケジュール、関係者の調整などを考慮した論理的な構築力が問われます。
第三のステップは「実行・推進」です。
立てた計画を絵に描いた餅で終わらせず、周囲の人々を巻き込み、リーダーシップを発揮して最後までやり遂げる力です。
企画力のアピールでは、この「実行」部分が最も重要視されると言っても過言ではありません。
面接官が「企画力」で見ている再現性
面接官があなたの「企画力」のエピソードを聞く際、最も重視しているのは「その能力に入社後も再現性があるか」という点です。
学生時代のサークルイベントで一度だけ奇抜なアイデアが成功した、という話だけでは不十分です。
面接官は、あなたが「なぜその企画が成功したのか」を論理的に分析できているかを知りたがっています。
成功の要因は、偶然やまぐれではなく、しっかりとした現状分析、ターゲット設定、周到な準備、そして実行後の改善活動にあったはずです。
自己PRでは、その企画が「思いつき」ではなく、一連の思考プロセスと行動に基づいたものであることを示す必要があります。
「課題Aに対して、私はBという分析を行い、Cという仮説を立て、Dという企画を実行し、Eという結果を得た」というように、一連のプロセスを体系立てて説明することで、あなたの企画力が特定の状況に依存しない、再現性のあるビジネススキルであることを証明できます。
他の強み(課題解決力・創造力)との明確な違い
「企画力」は、「課題解決力」や「創造力(発想力)」といった他の強みと混同されやすいですが、明確な違いがあります。
「創造力」は、主に新しいアイデアを生み出す「ゼロからイチ」の発想力を指します。
これは企画力の一要素ではありますが、すべてではありません。
「課題解決力」は、目の前にある問題を特定し、それを解消するための手段を見つける力を指します。
これも企画力と非常に近いですが、「企画力」は、まだ顕在化していない課題や、より良くするための「プラスアルファ」を生み出すという、未来志向で能動的な側面をより強く含みます。
例えば、売上が落ちている(課題)のを元に戻す(課題解決)だけでなく、さらに新しい客層を開拓して売上を伸ばす(企画)というイメージです。
自己PRで「企画力」をアピールする際は、単なる問題解決やアイデア出しに留まらず、自ら主体的に課題を設定し、新しい価値を生み出すために行動したという点を強調することが、他の強みとの差別化につながります。
【私の強み「企画力」】アピールできる具体的な要素
「企画力」という言葉は非常に幅広いため、自己PRでアピールする際は、それを具体的な要素に分解することが不可欠です。
面接官は、あなたが「企画」というプロセスの中で、特にどの部分に強みを持っているのかを知りたがっています。
ここでは、「企画力」を構成する代表的な3つの要素を解説します。
自分のエピソードが、これらのどの要素と最も強く結びついているかを考えることで、自己PRの軸が明確になり、説得力が格段に向上します。
自分の経験を棚卸ししながら、どの要素をアピールするかを定めていきましょう。
現状を分析し本質を見抜く「課題発見力」
これは、企画のスタートラインとなる最も重要な能力です。
単に「何か新しいことをやりたい」という動機ではなく、「現状には〇〇という問題がある」「〇〇を改善すればもっと良くなる」という明確な課題意識から企画が始まっていることをアピールします。
例えば、アルバイト先の売上が低迷しているという事実に対し、「なぜ売上が低いのか」を分析する力です。
「客単価が低いのか」「来客数が少ないのか」「競合店に客が流れているのか」など、データを収集・分析し、問題の本質を突き止めるプロセスがこれにあたります。
自己PRでは、自分がどのような情報(アンケート、売上データ、ヒアリングなど)を元に、どのような本質的な課題を発見したのかを具体的に述べることが重要です。
この「課題発見力」を示すことで、あなたは単なるアイデアマンではなく、ロジカルに物事を考えられる人材だと評価されます。
情報を収集し論理的に組み立てる「分析・構築力」
課題を発見したら、次はその課題を解決するための具体的な企画を「構築」する力が必要です。
ここで重要なのは、アイデアが「思いつき」ではないことを証明することです。
そのアイデアを採用する「根拠」を、情報収集と分析によって論理的に説明する能力が問われます。
例えば、「新商品を開発する」という企画であれば、「ターゲット層は誰か」「競合商品との違いは何か」「価格設定の根拠は何か」「どのようなプロモーションが有効か」といった点を、市場調査やアンケート結果などの客観的なデータに基づいて組み立てていく力です。
自己PRのエピソードでは、自分がどのような情報を収集し、それをどう分析して、企画の細部を詰めていったのかを詳細に語ることで、あなたの「分析・構築力」をアピールできます。
この力は、計画の実現可能性や説得力を担保する上で不可欠なスキルです。
周囲を巻き込み実現に導く「実行・推進力」
どれほど優れた企画書を作成しても、それを実行しなければ何の成果も生まれません。
面接官が「企画力」のアピールで最も重視する点の一つが、この「実行・推進力」です。
企画は多くの場合、一人では完結できません。
サークルの仲間、アルバイト先の店長や同僚、ゼミの教授やメンバーなど、様々な関係者を説得し、協力を仰ぎ、チームとして動かしていく力が求められます。
例えば、企画に反対するメンバーがいた場合、どのように説得したのか。
人手が足りない時、どのようにして仲間を集めたのか。
計画通りに進まない時、どのように軌道修正したのか。
こうした「実行」のプロセスで直面した困難と、それを乗り越えるために行った「具体的な行動」を語ることで、あなたの「実行・推進力」は強く印象付けられます。
「企画立案」だけでなく、「実行」までやり遂げた経験こそが、ビジネスの現場で最も評価されるのです。
【私の強み「企画力」】陥りがちな弱点とデメリット
「企画力」は強力なアピールポイントですが、その強みが裏目に出ると、かえってマイナスの評価につながる危険性も秘めています。
面接官は、あなたが自分の強みを客観視できているか、その強みに伴う潜在的なリスクを理解しているかも見ています。
ここでは、「企画力」が高いと自負する人が陥りがちな弱点やデメリットを3つ紹介します。
これらのデメリットをあらかじめ認識しておくことで、自己PRでアピールする際に予防線を張ったり、短所として指摘された際に的確に回答したりする準備ができます。
アイデアだけで終わる「実行力不足」
これは、企画力のアピールにおける最も典型的な失敗例です。
新しいアイデアを次々と思いつく「発想力」は豊かでも、それを実現するための地道な作業や、泥臭い調整・実行を疎かにしてしまうタイプです。
「〇〇というイベントを企画しました」と語っても、面接官に「で、その企画はどうなったのですか」と問われた際に、「アイデアを出しただけで、実行は他の人がやりました」となれば、評価は著しく下がります。
企業が求めているのは「アイデア評論家」ではなく、「実行者」です。
アイデアを出すことはスタートラインに過ぎず、それを形にするまでの「実行力」こそが本質だと理解していないと、「計画性がない」「責任感がない」と見なされるリスクがあります。
自己PRでは、自分が企画の「実行」部分にどれだけ深く関与したかを明確に示す必要があります。
実現可能性を無視した「机上の空論」
斬新さや面白さを追求するあまり、コスト、時間、人員、技術的な制約といった「現実」を無視した企画を立ててしまうケースです。
ビジネスにおける企画は、アート作品とは異なり、必ず「実現可能性」と「費用対効果」が問われます。
例えば、「大学の学園祭でプロの有名アーティストを呼ぶ企画」を立てたとして、その予算や交渉ルートを全く考慮していなければ、それは「企画」ではなく単なる「願望」です。
面接官は、あなたの企画が、与えられたリソース(人・モノ・金・時間)の中で最大限の成果を出すために、どれだけ知恵を絞ったかを見ています。
突拍子もないアイデアよりも、限られた予算内で集客を10%増やすための地道な工夫や改善案のほうが、よほど高く評価されます。
「机上の空論」で終わらせないための、現実的な視点を持っていたかをアピールすることが重要です。
周囲の意見を軽視する「独りよがり」な計画
自分のアイデアや分析に自信があるあまり、周囲の意見や反対を軽視し、強引に計画を進めようとするデメリットです。
企画力がある人は、良くも悪くも「自分が正しい」と考えがちです。
しかし、ビジネスの現場では、自分より経験豊富な上司や、異なる視点を持つ他部門の協力が不可欠です。
「自分の企画は完璧だ」と信じ込み、周囲への説明や調整を怠れば、「協調性がない」「独善的だ」というレッテルを貼られてしまいます。
優れた企画とは、多くの関係者の知見を取り入れ、磨き上げられていくものです。
自己PRのエピソードでは、自分の企画を実現するために、いかに周囲の意見に耳を傾け、反対意見を調整し、最終的に「チームの合意」を形成したかというプロセスを語ることが、この「独りよがり」のリスクを回避する鍵となります。
【私の強み「企画力」】弱点を克服する具体的な改善法
「企画力」が持つ潜在的なデメリットを理解したら、次はそれをどう克服し、より洗練された強みに変えていくかを考える必要があります。
「アイデア倒れ」や「独りよがり」といった弱点を自覚し、それを補うための具体的な行動を実践していれば、あなたの「企画力」はより信頼性の高いスキルとして評価されます。
ここでは、「企画力」の弱点を補強し、「確実に成果を出せる企画力」へと昇華させるための改善法を3つ紹介します。
これらの視点を持ってエピソードを語ることで、自己分析の深さを示すことができます。
企画の「解像度」を上げる5W1Hの徹底
「机上の空論」や「実行力不足」を防ぐ最も効果的な方法は、企画の「解像度」を徹底的に上げることです。
それには、「5W1H」(When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)のフレームワークを使うのが有効です。
「学園祭で新しいイベントをやる」という曖昧なアイデアではなく、「(Why)来場者の滞在時間を延ばすため、(When)客足が鈍る14時~16時に、(Where)中庭のステージで、(Who)音楽サークルとダンスサークルが合同で、(What)観客参加型のパフォーマンスを、(How)SNSでの事前告知と連動して行う」というレベルまで具体化します。
ここまで具体化すれば、「誰が」「いつまでに」「何を」すべきかというタスクが明確になり、実行に移しやすくなります。
自己PRでも、この5W1Hを意識してエピソードを語ることで、あなたの企画が綿密に練られたものであることを示せます。
関係者への「ヒアリング」と「根回し」の習慣化
「独りよがり」な企画を避けるためには、企画の初期段階から「関係者」を巻き込むことが不可欠です。
ここで言う関係者とは、企画を実行する仲間だけでなく、その企画によって影響を受ける人々(例:アルバイト先の店長、サークルの顧問、顧客)全員を指します。
自分の頭の中だけで完璧な企画書を作る前に、「こういうことを考えているのですが、どう思いますか」「現場で困っていることはありませんか」と積極的にヒアリングに回る習慣が重要です。
これにより、現場のリアルな意見を反映でき、企画の精度が上がります。
また、事前に話を通しておくこと(いわゆる「根回し」)で、いざ企画を発表した際の反発を最小限に抑え、協力を得やすくなります。
自己PRで「企画の実行にあたり、関係者全員と個別面談の時間を設けた」といったエピソードを加えれば、あなたの「協調性」や「調整力」も同時にアピールできます。
PDCAサイクルを意識した「改善」のプロセス
「企画力」は、企画を「実行して終わり」ではありません。
本当に評価されるのは、実行した結果(Do)を「検証(Check)」し、次の「改善(Action)」につなげる力、すなわちPDCAサイクルを回す力です。
例えば、「イベントを企画して、100人の集客に成功した」という結果(Do)で満足するのではなく、「なぜ100人集まったのか」「目標は達成できたのか」「アンケート結果はどうだったか」(Check)を徹底的に分析します。
その結果、「SNS告知は効果があったが、当日の誘導が分かりにくかった」という課題が見つかれば、「次回の企画では、誘導看板を増やす」(Action)という具体的な改善策につなげます。
自己PRのエピソードに、この「実行後の検証と改善」のプロセスまで含めることで、あなたの企画力が一過性のものではなく、継続的に成果を生み出せる「再現性のあるスキル」であることを強力に証明できます。
【私の強み「企画力」】「成果」へ変えるアピール術
自己PRで「企画力」をアピールする際、最も重要なのは、その企画が「どのような成果につながったか」を明確に示すことです。
アイデアの斬新さや計画の緻密さを語るだけでは不十分です。
面接官は、あなたの企画が組織やチームに対して具体的にどのような「価値(=成果)」をもたらしたのかを知りたがっています。
ここでは、あなたの企画力を「自己満足」で終わらせず、「客観的な成果」としてアピールするための3つのステップを解説します。
このフレームワークに沿ってエピソードを再構築することで、あなたの自己PRは格段に説得力を増すでしょう。
企画の「WHY(背景・課題)」を明確にする
すべての優れた企画には、明確な「WHY(なぜ、それが必要だったのか)」が存在します。
エピソードの冒頭で、企画が立ち上がった「背景」と「課題」を面接官と共有することが極めて重要です。
例えば、「サークルの新入生歓迎イベントを企画した」と語り始めるのではなく、「私のサークルは例年、新入生の入会率が低く、特にイベント参加後の離脱が多いという『課題』がありました」と切り出します。
このように最初に課題を提示することで、面接官は「その課題を解決するために、この学生はどんな企画をしたのだろう」と、あなたの話に引き込まれます。
「なぜ、あなたがその企画をやる必要があったのか」を明確にすることで、あなたの行動の「主体性」と「課題発見力」を同時にアピールできます。
背景が曖昧なままでは、以降の行動や成果もぼやけてしまいます。
企画の「HOW(具体的な行動)」を詳細に語る
課題(WHY)を提示したら、次はそれを解決するために「HOW(どのように行動したか)」を具体的に語ります。
ここが「実行・推進力」をアピールする中心部分です。
「イベントを企画しました」という一言で終わらせず、企画を実現するために乗り越えた「困難」や、自分なりに「工夫した点」を詳細に描写します。
例えば、「新入生との交流時間を増やすため、従来の全体説明会を廃止し、少人数の座談会形式に変更しました。
しかし、メンバーからは『準備が大変だ』と反対されました。
そこで、私は座談会のメリットをデータで示し、さらに司会進行マニュアルを作成してメンバーの負担を軽減する工夫をしました」といった具合です。
直面した問題、それに対するあなたの思考、そして具体的なアクションをセットで語ることで、あなたの主体性や周囲を巻き込む力がリアルに伝わります。
企画の「RESULT(結果・学び)」を数字で示す
エピソードの締めくくりは、必ず「RESULT(結果)」でなければなりません。
あなたの企画と行動が、最終的にどのような「成果」をもたらしたのかを客観的に示します。
この際、可能な限り「数字」を用いることが、説得力を高める最大のポイントです。
「たくさんの新入生が入ってくれました」という曖昧な表現ではなく、「結果、座談会参加者の入会率は前年比で20%向上し、過去最高の50名の新入生を迎えることができました」と具体的に述べます。
数字で示せない場合でも、「メンバーからの反対がなくなり、全員が積極的に参加してくれるようになった」「店長から『業務効率が上がった』と評価された」といった「客観的な変化」や「第三者からの評価」を盛り込みましょう。
そして最後に、その経験から何を学んだのかを簡潔に添えることで、あなたの成長意欲もアピールできます。
【私の強み「企画力」】エピソード別の優れた例文
ここからは、実際に使える「企画力」の自己PR例文を、エピソード別に3つ紹介します。
これまでの解説で学んだ「WHY(課題)→HOW(行動)→RESULT(結果)」のフレームワークと、「課題発見力」「構築力」「実行力」の3要素がどのように盛り込まれているかに注目してください。
これらの例文はあくまで型です。
あなた自身の具体的な経験と言葉に置き換え、オリジナリティのある自己PRを完成させましょう。
各例文の後には、どこが評価ポイントなのかを簡潔に解説します。
例文:サークルイベント(集客改善)での活用例
所属する写真サークルでは、毎年開催する写真展の来場者数が減少しているという課題(WHY)がありました。
私は原因を探るため、過去の来場者アンケートを分析したところ、「開催日程が分かりにくい」「SNSでの告知が直前すぎる」という声が多いことを発見しました。
そこで私は、従来のポスター掲示中心の広報から、SNSを軸にした広報戦略への転換を企画しました。
(HOW)具体的には、開催3ヶ月前からカウントダウン企画を実施し、出展作品の一部を先行公開することで期待感を高める施策を提案しました。
当初、作品の先行公開に難色を示すメンバーもいましたが、「作品の魅力を伝えることで、より多くの人に見てもらえる」と粘り強く説得し、全員の協力を得て実行しました。
(RESULT)結果として、SNSのフォロワー数は2倍に増加し、写真展の来場者数は前年比150%となる300名を達成しました。
この経験から、課題分析に基づいた企画と、実現のための周囲への働きかけの重要性を学びました。
この例文は、アンケート分析という「課題発見力」、SNS活用という「構築力」、反対メンバーを説得した「実行力」、そして来場者数150%増という「数字による成果」が明確に示されています。
例文:アルバイト(売上向上施策)での活用例
私はカフェのアルバイトで、雨天時の売上が著しく落ち込むという課題(WHY)を認識していました。
店長も諦めムードでしたが、私は「雨の日だからこそ来店する価値」を提供できないかと考えました。
そこで、ターゲットを「雨の日にゆっくり読書をしたい学生」に絞り、「雨の日限定・2杯目ドリンク半額クーポン」の企画を立案しました。
(HOW)この企画の実現のため、私はまず過去の売上データを分析し、クーポンを発行しても利益が出る価格設定をシミュレーションして店長に提示しました。
さらに、手書きのPRポップを作成し、近隣の大学図書館の掲示板に許可を得て掲示するという、低コストで実行可能な施策を併せて実行しました。
(RESULT)結果、施策実行後の雨天日の平均売上は、実行前と比較して30%向上しました。
店長からも「主体的な提案で店の売上に貢献してくれた」と評価いただきました。
貴社でも、現状に満足せず、常に改善点を見つけて行動に移したいです。
この例文は、アルバイトの立場ながら主体的に「課題発見」し、利益計算や低コスト施策といった「実現可能性(構築力)」を考慮した点が優れています。
売上30%増という「数字の成果」と「第三者評価」も強力なアピールです。
例文:ゼミ(ビジネスコンテスト)での活用例
所属する経営学のゼミで、地域の商店街活性化をテーマにしたビジネスコンテストに参加しました。
多くのチームがイベント開催など短期的な施策を提案する中、私たちのチームは「なぜ商店街の魅力が伝わっていないのか」という本質的な課題(WHY)に着目しました。
(HOW)私は、まず商店街の全50店舗に直接足を運び、店主の方々へヒアリングを実施しました。
その結果、個々の店舗は魅力的でも、情報がアナログで発信されていないという共通の問題を発見しました。
そこで、各店舗の「こだわり」をプロの視点で取材し、統一感のあるデザインで発信するWebメディアの立ち上げを企画しました。
企画書作成にあたっては、類似の成功事例を徹底的に調査し、マネタイズの方法まで含めた事業計画を策定しました。
(RESULT)結果、私たちの企画は「最も実現可能性と継続性が高い」と評価され、コンテストで最優秀賞を受賞しました。
この経験で培った、足で稼ぐ情報収集力と論理的な企画構築力を、貴社の業務でも活かしたいです。
この例文は、「課題発見」のプロセス(全店舗へのヒアリング)が非常に具体的で、行動力を示せています。
事業計画まで策定した「構築力」と、最優秀賞という「客観的な成果」がアピールポイントです。
【私の強み「企画力」】評価を下げるNG例文
「企画力」はアピールしやすい反面、伝え方を間違えると「中身がない」「独りよがりだ」と判断されてしまう危険な強みでもあります。
面接官は、学生の「企画力」という言葉に隠された「実行力」や「客観性」の欠如を厳しく見ています。
ここでは、就活生が陥りがちな「企画力」のNG例文を3つのパターンに分けて紹介します。
これらの例を反面教師として、自分の自己PRが同じような欠点を持っていないかを厳しくチェックしてみてください。
少しの表現の違いが、評価を大きく左右します。
NG例文:「企画しました」で終わる実行力不足のアピール
大学の学園祭で、私は今までにない新しいイベントを企画しました。
私は、来場者がもっと楽しめるように、eスポーツ大会の開催を提案しました。
会議でそのアイデアを発表したところ、斬新だと評価されました。
私は、新しいことを考えるのが得意です。
貴社でも、この発想力を活かして新しい企画を提案したいです。
この例文のNGポイントは、「提案した(企画した)」だけで、「実行した」プロセスと「結果」が全く書かれていない点です。
eスポーツ大会は「結局、開催されたのか」「開催するために、どのような準備や困難があったのか」「結果、来場者は増えたのか」が一切不明です。
これでは、まさに「アイデア倒れ」「実行力不足」の典型例と見なされます。
企業が知りたいのは「アイデアの斬新さ」よりも「それを実現する力」であることを忘れてはいけません。
NG例文:成果が曖昧で独りよがりなエピソード
私はサークルの飲み会幹事を任された際、いつもと違う会にしたいと思い、サプライズでメンバーの誕生日を祝う企画を立てました。
私はこっそりと準備を進め、当日、特製のケーキとプレゼントを渡しました。
みんなとても驚き、喜んでくれたので、企画は成功したと思います。
私は、このように人を喜ばせる企画を考えるのが好きです。
この例文のNGポイントは、エピソードが「内輪の思い出話」の域を出ておらず、ビジネススキルとしての「企画力」を証明できていない点です。
「飲み会のサプライズ」は、サークルの課題解決とは言えません。
また、「喜んでくれた」「成功したと思う」といった成果は非常に主観的・曖昧であり、客観的な評価がありません。
さらに、「こっそりと準備を進め」という部分は、「独りよがり」で「協調性がない」と受け取られるリスクすらあります。
ビジネスの企画は、自己満足ではなく、組織の課題解決のために行うものです。
NG例文:課題分析が浅い「思いつき」レベルの企画
私がアルバイトをしている居酒屋は、学生の利用が少ないと感じていました。
そこで私は、学生向けに「全品半額キャンペーン」を行うことを店長に企画・提案しました。
学生に安くすれば、もっとお店に来てくれると思ったからです。
貴社でも、こうした大胆な企画を提案して売上に貢献したいです。
この例文のNGポイントは、企画の「根拠」が「~と思ったから」という主観だけで、課題分析が一切行われていない点です。
なぜ学生が少ないのか(立地、価格帯、メニュー、雰囲気?)、全品半額にして利益は出るのか、競合店はどうしているのか、といった「分析」が皆無です。
これでは「企画」ではなく、単なる「思いつき」です。
「机上の空論」であり、コスト意識や実現可能性が欠如していると判断されます。
企画力のアピールは、その提案に至った「論理的な根拠」が示せなければ、評価されません。
【私の強み「企画力」】面接官に響く伝え方まとめ
自己PRで「企画力」をアピールすることは、あなたの「課題発見力」「論理的構築力」「実行推進力」を総合的に示す絶好のチャンスです。
面接官に響くアピールにするためには、「企画力」を「アイデア出し」だけで終わらせないことが鉄則です。
まず、企業が求める企画力とは、「課題発見」から「立案・構築」、そして「実行・推進」までの一連のプロセスであることを理解しましょう。
その上で、あなたのエピソードを「WHY(なぜその企画が必要だったかという課題)」「HOW(どうやって困難を乗り越え実行したかという行動)」「RESULT(その結果どうなったかという成果)」のフレームワークで再構築してください。
成果は、可能な限り「数字」を用いて客観的に示すことが説得力を高める鍵です。
「アイデア倒れ」「机上の空論」「独りよがり」といったNG例を避け、地に足のついた分析と、周囲を巻き込んだ実行力を伴った「ビジネスで通用する企画力」をアピールしましょう。