不動産業界はやめとけ?後悔する人の特徴とホワイト企業を見極める方法

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柴田貴司
監修者

明治大学院卒業後、就活メディア運営|自社メディア「就活市場」「Digmedia」「ベンチャー就活ナビ」などの運営を軸に、年間10万人の就活生の内定獲得をサポート

この記事を読んでわかること

・不動産業界が「やめとけ」と言われる具体的な理由
・不動産業界に向いている人・向いていない人の特徴
・就活でブラック企業を避けるための具体的な見極め方

この記事をおすすめしたい人

・不動産業界に興味があるが、ネガティブな評判に不安を感じている方
・不動産業界のリアルな仕事内容や厳しさを知りたい方
・自分に不動産業界への適性があるか客観的に判断したい方

目次目次を全て表示する

はじめに

就活を進める中で「不動産業界はやめとけ」という言葉をSNSや先輩から聞いたことがあるかもしれません。

厳しいノルマや過酷な労働環境といったイメージから、不安を感じている方も多いでしょう。

この記事では「やめとけ」と言われる理由から業界のメリット、優良企業の見極め方までを解説します。

まずはなぜそう言われるのか、具体的な理由から見ていきましょう。

不動産業界が「やめとけ」と言われる主な理由

「やめとけ」という強い言葉の裏にはどのような理由が隠されているのでしょうか。

不動産業界が厳しいと言われる背景にはこの業界特有のビジネスモデルや、一部の企業に残る古い体質が関係しています。

もちろん、これから挙げる理由が、不動産業界の全ての企業に当てはまるわけではありません。

しかし、業界全体としてこうした傾向があることを知っておくのは後悔しない選択のために重要です。

これらのネガティブな側面を理解した上で自分がその環境に対応できるのかを冷静に判断する材料にしてください。

ノルマ・数字・プレッシャーが重すぎるため

不動産業界、特に営業職において「きつい」と言われる最大の理由が、厳しい営業ノルマの存在です。

多くの企業で社員一人ひとりに対して月間や四半期ごとの売上目標が設定されます。

達成できなければ上司から厳しい指導を受けたり、給与が大幅に下がったりすることもあります。

不動産は扱う金額が非常に大きいため、契約を1件取ることの難易度は高いです。

そのため、月末が近づくにつれて、目標数字へのプレッシャーは精神的に重くのしかかります。

常に数字に追われ、成果が出なければ評価されないという「結果が全て」の文化は人によっては大きなストレスとなるでしょう。

このプレッシャーに耐えきれず、心を病んでしまう人も少なくありません。

残業・休日出勤・クレーム対応などの過酷な労働環境のため

不動産業界の仕事は顧客の都合に合わせて動くことが基本です。

そのため、平日の夜遅くに商談が入ったり、土日が物件案内のピークになったりすることが多く、労働時間が不規則になりがちです。

契約後の事務作業も膨大であり、結果として長時間労働が常態化している企業も少なくありません。

また、扱う商品が高額であるため、顧客からのクレームも深刻化しやすい傾向があります。

設備の不具合や近隣住民とのトラブルなど、営業担当者が窓口となって対応する場面も多いです。

休日でも顧客から電話がかかってくることもあり、心身ともに休まらないという声も聞かれます。

こうした労働環境の厳しさも「やめとけ」と言われる大きな理由の1つです。

離職率が高い/ブラック企業が多いとされるため

厳しいノルマや長時間労働、大きなプレッシャーなどが原因で不動産業界は他の業界と比較して離職率が高い傾向にあると言われます。

特に若手のうちは厳しい環境に耐えきれずに心身のバランスを崩し、数年で辞めてしまう人も少なくありません。

一部の企業では人の入れ替わりが激しいことを前提とした採用活動を行っているケースも見られます。

教育に時間をかけず、成果を出せない社員は辞めていくのが当然という文化が根付いているのです。

こうした実態が「ブラック企業が多い」というイメージに繋がり、業界全体の評判を下げている一因となっています。

もちろん全ての企業がそうではありませんが、こうした企業が目立つことも事実です。

景気・金利・市況に左右されやすい不安定なため

不動産の価格や売れ行きは社会全体の景気動向や、政府の金融政策、特に金利の変動に大きく影響されます。

景気が良く金利が低い時期は住宅ローンを組んで家を買う人が増えるため、不動産は売れやすくなります。

しかし、不景気になったり金利が上昇したりすると、顧客の購買意欲は一気に低下します。

そうなると、個人の営業努力だけではどうにもならず、業界全体が厳しい状況に陥ります。

好景気の時は大きな収入を期待できますが、市況が悪化すると収入が激減するリスクもあります。

このように自分の努力以外の外部要因によって業績が左右されやすい不安定さもこの業界の厳しい側面です。

体育会系文化・根性論が残る企業風土のため

不動産業界、特に昔ながらの営業会社の中には今もなお体育会系の企業文化や根性論が強く残っている場合があります。

「上司の言うことは絶対」というトップダウンの風潮や「気合と根性で契約を取ってこい」といった精神論が、当たり前のようにまかり通っているのです。

若手社員は成果に関わらず、毎日数百件の電話営業、つまりテレアポや個人宅への飛び込み営業を強制されることもあります。

非効率だと感じていても、それに異を唱えることは許されません。

論理的・合理的に仕事を進めたいと考える人にとって、こうした古い企業風土は大きなストレスとなり、早期離職に繋がる原因にもなっています。

給料の格差が激しく、成果が出ないと低収入のため

不動産業界の営業職の給与体系は「固定給+インセンティブ(歩合給)」という形が一般的です。

これは個人の売上成績に応じて、基本給に加えて成果給が上乗せされる仕組みです。

この仕組みにより、成果を上げれば20代で年収1,000万円を超えるような高収入を得ることも可能です。

しかし、その裏返しとして、成果が出なければインセンティブは全くなく、基本給しかもらえません。

企業の基本給の設定によっては同年代の他業界の友人と比べて、はるかに低い収入になってしまうリスクもあります。

毎月の給与が安定しないため、長期的な視点でライフプランを立てにくいと感じる人も多いでしょう。

専門知識・資格など求められるハードルが高いため

不動産の取引には民法や借地借家法といった法律、住宅ローンや税金の知識、さらには建築に関する知識まで非常に幅広い専門知識が求められます。

顧客は数千万円、時には数億円という高額な買い物をするため、営業担当者を「プロフェッショナル」として信頼し、的確なアドバイスを求めてきます。

そのため、日々の営業活動と並行して、常に新しい知識を学び続ける姿勢が不可欠です。

特に「宅地建物取引士(宅建)」の資格は重要事項の説明などで必須の国家資格であり、多くの企業で取得が推奨、あるいは義務付けられています。

こうした継続的な学習が苦手な人にとっては厳しい業界と言えるでしょう。

不動産業界のメリット

ここまで不動産業界の厳しい側面を中心に見てきましたが、もちろん「やめとけ」の一言で片付けられない、大きなメリットも数多く存在します。

むしろ、厳しい環境だからこそ得られる他の業界にはない魅力があるのも事実です。

ネガティブな情報だけで判断するのではなく、これから紹介するメリットが自分にとってどれだけ魅力的かを考えることが、後悔のない業界選びに繋がります。

ここでは代表的な4つのメリットを詳しく見ていきましょう。

高収入・成果主義のインセンティブ制度

不動産業界の最大の魅力として挙げられるのが、成果が収入に直結するインセンティブ制度です。

年齢や社歴、学歴に関係なく、成果を上げた人が正当に評価され、高い報酬を得られます。

若くして年収1,000万円以上を稼ぐ営業担当者も珍しくありません。

「結果が全て」という厳しい文化は裏を返せば、プロセスではなく結果で評価されたい人にとっては非常に公平で分かりやすい制度と言えます。

自分の頑張り次第で同年代の何倍もの収入を得られる可能性があることは仕事への強いモチベーションになるでしょう。

ハングリー精神が旺盛で自分の力で稼ぎたいと考える人にとっては最高の環境です。

若いうちから成長できる環境

現代ではなかなか受け入れられにくい考え方ですが、事実として厳しい環境は人を大きく成長させます。

不動産業界では若いうちから責任の大きな仕事を任されるため、同年代よりも圧倒的なスピードで成長できる可能性があります。

高額な商品を扱い、顧客の人生における重要な決断に立ち会うため、自然と高いレベルの責任感や当事者意識が身につきます。

また、日々様々な顧客と交渉を重ねる中で高度なコミュニケーション能力や課題解決能力が実践的に鍛えられていくでしょう。

成果主義の環境では実力さえ示せば年齢に関係なく、チームリーダーなどのポジションに抜擢されることもあります。

成長意欲の高い人にとっては、これ以上ない環境です。

不動産知識・営業スキルが一生モノの武器になる

不動産業界で働くことを通じて得られる専門知識やスキルはあなたのキャリアにおける一生モノの武器になります。

仕事で身につける法律や税金、金融、建築といった不動産に関する知識は非常に専門性が高いです。

そのため、業界内でキャリアアップする際はもちろん、将来自分自身が家を購入したり、不動産投資を考えたりする際にも必ず役立ちます。

また、高額な商品を扱うことで培われる高度な営業スキルも大きな財産です。

顧客との信頼関係を築く力、相手の潜在的なニーズを引き出すヒアリング力、そして説得力のある提案力。

これらの能力はどんな業界や職種でも通用する、普遍的なビジネススキルと言えるでしょう。

キャリアの多様性(独立・管理職・投資家など)

不動産業界での経験はその後の多様なキャリアパスに繋がります。

営業としてスキルと人脈を築き、宅建の資格を取得して、自身の不動産仲介会社を立ち上げる「独立開業」の道があります。

また、プレイヤーとして実績を上げた後、マネージャーとして後進の育成に携わる「管理職」への道も一般的です。

さらに仲介営業から、より専門的な不動産開発、つまりデベロッパーや不動産投資ファンドといった分野へキャリアチェンジする選択肢もあります。

仕事を通じて得た知識を活かし、個人として「不動産投資家」になる人も少なくありません。

このように1つの会社に留まるだけでなく、様々なキャリアの可能性が広がることもこの業界の大きな魅力です。

不動産業界に向いてる人

不動産業界の厳しい側面と、大きな魅力の両方を理解した上でどのような人がこの業界で活躍できるのでしょうか。

「やめとけ」と言われるような厳しい環境も人によっては「自分を成長させてくれる絶好の機会」と捉えることができます。

大切なのは業界のイメージに惑わされず、その本質が自分の性格や価値観と合っているかを見極めることです。

ここでは不動産業界で特に成果を出しやすく、やりがいを感じられる人の特徴を3つ紹介します。

営業志向がある人

不動産業界、特に営業職で活躍するためには「人と話すのが好き」というだけでは不十分です。

顧客との対話を通じて課題を解決し、契約という目標を達成することに喜びを感じられる、強い「営業志向」が求められます。

初対面の人とも物怖じせずに話せるコミュニケーション能力はもちろん、相手の懐に自然と飛び込んでいけるような人間的な魅力も大きな武器になります。

また、顧客から厳しい言葉を投げかけられたり、何度も断られたりしても気持ちを切り替えて次の行動に移せる精神的な強さも不可欠です。

自分の働きかけで顧客の心を動かし、成果を出すことにやりがいを感じる人にとって、不動産営業は天職となり得ます。

体力がある人

不動産業界で長く活躍するためには精神的なタフさだけでなく、純粋な「体力」も非常に重要になります。

営業担当者は物件の調査や顧客への訪問などで1日中外を歩き回ることも少なくありません。

夏は炎天下、冬は厳しい寒さの中での活動も日常茶飯事です。

また、顧客の都合に合わせて動くため、勤務時間も不規則になりがちで、休日出勤や夜遅くまでの残業が続いても体調を崩さずに乗り切れる自己管理能力が求められます。

厳しいノルマのプレッシャーやクレーム対応といった精神的なストレスに耐えうる心身両面のタフさがなければ、この業界で成果を出し続けるのは難しいでしょう。

数字に強い人

不動産業界の仕事は常に「数字」と向き合う仕事です。

顧客に物件を提案する際には物件価格はもちろん、住宅ローンの返済計画、税金のシミュレーション、投資用物件の利回り計算など、様々な数字を正確に扱わなければなりません。

感覚的なセールストークではなく、客観的な数字という根拠に基づいて、論理的に提案する能力が顧客からの信頼に繋がります。

また、自身の営業成績、つまり売上、契約件数、利益率などを常に意識し、目標達成のために何をすべきかを数字で逆算して考えられる能力も重要です。

細かい数字の確認作業を厭わない几帳面さや、数字に対する苦手意識がないこともこの業界で働く上での大切な資質と言えるでしょう。

不動産業界に向いていない人

一方でどのような人が不動産業界で働くことにミスマッチを感じやすいのでしょうか。

自分の性格や価値観が、業界から求められるものと大きく異なっている場合、入社後に理想と現実のギャップに苦しみ、早期離職に繋がってしまう可能性があります。

これは個人の能力に優劣があるという話ではありません。

単純にその人との相性が良くないというだけのことです。

ここで紹介する特徴に多く当てはまる場合は、無理に不動産業界を目指すのではなく、他の業界も視野に入れてみることをおすすめします。

受け身の人

不動産業界、特に営業職においては指示を待っているだけの受け身な姿勢では決して成果を出すことはできません。

会社が手取り足取り教えてくれるのを待っているだけでは、あっという間に時間だけが過ぎていきます。

常に自分で目標を設定し、その達成のために何をすべきかを考え、主体的に行動し続ける力が求められます。

見込み顧客がいなければ、自ら電話をかけたり、過去の顧客にアプローチしたりと、ゼロから仕事を生み出す姿勢が必要です。

マニュアル通りに仕事をしたい人や、上司から細かく指示をもらわないと動けないタイプの人はこの業界で生き残っていくのは難しいでしょう。

安定志向の人

「安定」を仕事に求める人にとって、不動産業界は最も相性の悪い業界の1つかもしれません。

まず、インセンティブ制度が中心のため、毎月の給与が大きく変動します。

成果が出なければ、生活が苦しくなるほどの低収入になるリスクも常にあります。

また、成果を出せない社員に対して、退職を促すような厳しいプレッシャーがかかる企業も存在します。

終身雇用や年功序列といった、伝統的な日本の雇用形態とは全く異なります。

さらに業界全体が景気や金利の動向に大きく左右されるため、個人の努力ではどうにもならない要因で突然仕事が厳しくなることもあります。

公務員のように安定した環境で腰を据えて長く働きたいと考える人には全く向いていないでしょう。

ワークライフ重視の人

仕事とプライベートの時間をきっちりと分け、充実した私生活を送りたいと考える、ワークライフバランス重視の人にも不動産業界は厳しい環境と言えます。

この業界では顧客の都合が最優先され、多くの人が休みである土日や祝日が、最も忙しい書き入れ時となります。

平日の夜も仕事終わりの顧客との商談で遅くなることが日常茶飯事です。

休日であっても顧客から緊急の電話がかかってきたり、契約準備のために出社したりすることも珍しくありません。

常に仕事のことが頭から離れず、心から休まる時がないと感じる人も多いでしょう。

定時で帰ってアフターファイブを楽しみたい、という希望はこの業界では叶えにくいのが現実です。

職種別の解説

ここまで不動産業界全体の話をしてきましたが「不動産業界の仕事」と一括りに言ってもその中には様々な職種が存在します。

「不動産業界=厳しい営業」というイメージが強いかもしれませんが、実際にはそれ以外の役割も数多くあります。

職種が異なれば、仕事内容や働き方、求められるスキル、そして「やめとけ」と言われる理由の当てはまり方も大きく変わってきます。

自分がどの職種に興味があるのか、どの職種なら自分の強みを活かせそうかを考えることで業界への理解はさらに深まるでしょう。

賃貸営業:繁忙期の忙しさと契約数勝負の世界

賃貸営業はアパートやマンションの部屋を探しているお客様に対し、希望に合う物件を紹介し、契約に結びつける仕事です。

新生活を始める学生や新社会人、転勤する会社員などが主な顧客となります。

不動産業界の中では比較的未経験からでも挑戦しやすい職種と言えるでしょう。

この仕事の厳しさは1月から3月の繁忙期に集中します。

この時期は休みが取れないほど忙しくなることも珍しくありません。

また、売買に比べて1件あたりの仲介手数料が低いため、多くの契約件数をこなす必要があります。

ノルマも「契約件数」で設定されることが多く、スピード感と効率性が求められる、まさに数で勝負する世界です。

売買営業:高額案件・ノルマ・責任の重さ

売買営業は戸建てやマンション、土地などを「買いたい人」と「売りたい人」を結びつけ、その取引を成立させる仕事です。

扱う金額が数千万円から数億円と非常に高額になるため、顧客の人生を左右する大きな決断に深く関わります。

そのため、賃貸営業とは比較にならないほど、重い責任を伴います。

契約までのプロセスも複雑で法律や税金、住宅ローンなど高度な専門知識が不可欠です。

ノルマは契約金額で設定されることが多く、1件の契約の重みが非常に大きいため、成果が出ない月のプレッシャーは計り知れません。

しかし、その分、1件の契約で得られるインセンティブは大きく、顧客から深く感謝されるやりがいのある仕事です。

管理・開発・投資:安定志向ならこちらも選択肢

不動産業界には営業以外にも多様な職種があります。

「管理」の仕事はマンションやビルのオーナーに代わって物件の維持管理や家賃回収、入居者対応などを行います。

比較的、毎月の業務が定型化しており、営業職に比べて安定した働き方が可能です。

また「開発」は不動産デベロッパーなどが、土地を仕入れてどのような建物を建てるか企画し、プロジェクト全体を推進する仕事で、街づくりそのものに関われるスケールの大きなやりがいがあります。

「投資」は不動産投資ファンドなどで投資家から集めた資金を元に不動産を運用し、利益を還元する仕事です。

これらの職種は営業職ほど個人のノルマに追われることは少なく、安定志向の人でも十分に活躍できる選択肢です。

不動産ディベロッパー・ハウスメーカーとの違い

就活では不動産業界の中でも「仲介」と「デベロッパー」「ハウスメーカー」の違いを理解しておくことが重要です。

これまで主に解説してきた賃貸や売買の営業は「不動産仲介(流通)」にあたります。

既存の物件を売りたい人と買いたい人の間に入って取引を成立させるのが役割です。

一方「不動産デベロッパー」は自らが事業主となり、土地の仕入れから企画、開発までを手がけ、新しい街や建物を「創造」する仕事です。

「ハウスメーカー」は自社ブランドの戸建て住宅などを「製造・販売」する会社です。

同じ不動産という領域でもビジネスモデルや仕事内容、求められる資質は全く異なります。

ブラック企業を避ける!就活での見極め方

不動産業界には厳しい側面もありますが、全ての企業が「ブラック」というわけではありません。

中には社員を大切にし、健全な経営を行っている「ホワイト企業」も数多く存在します。

就活で後悔しないためにはこうした優良企業を自分自身の目で見極めることが何よりも重要です。

しかし、企業のWebサイトやパンフレットは良いことしか書かれていないため、その情報だけを鵜呑みにするのは危険です。

ここでは求人票のチェックポイントや面接で聞くべき質問など、ブラック企業を避けるための具体的な方法を解説します。

求人票で分かる危険サイン(歩合・固定給・残業記載)

求人票は企業の実態を推測するための重要な情報源です。

特に注意して見るべきは「給与」と「残業」に関する記載です。

「月給50万円以上も可能!」といった高収入を過度にアピールしている場合、それはインセンティブを含んだ最高額である可能性が高いです。

本当に見るべきは「固定給」がいくらか、生活できる水準であるかという点です。

固定給が極端に低かったり「完全歩合制」と書かれていたりする場合は、成果が出なければ収入が著しく不安定になるため注意が必要です。

また「みなし残業代(固定残業代)」の記載も確認しましょう。

「月45時間分のみなし残業代を含む」といった記載があれば、毎月その時間分の残業が常態化している可能性が高いと判断できます。

面接・説明会で質問すべき内容

面接や説明会はこちらから企業の情報を引き出す絶好の機会です。

受け身の姿勢でいるのではなく、気になる点は積極的に質問しましょう。

働き方については「営業担当者の方の1日の平均的なスケジュールを教えてください」と聞くことでリアルな勤務実態が見えてきます。

「月の平均残業時間はどのくらいですか」「休日出勤の頻度と、その際の振替休日の取得率について教えてください」といった質問も有効です。

また、評価制度について「インセンティブの具体的な計算方法について、可能な範囲で教えていただけますか」と聞くことで給与体系の透明性が分かります。

これらの質問に対し、担当者が言葉を濁したり、曖昧な答えしか返ってこなかったりする場合は何か隠していることがあるのかもしれないと考えるべきでしょう。

口コミ・離職率・社員の声の調べ方

企業が公式に発信する情報だけでなく、第三者からの客観的な情報を集めることも非常に重要です。

この記事を読んでくれている方の多くは就活中の大学生の方でしょうが、転職者向けの口コミサイトもおすすめです。

現役社員や元社員による、給与や残業時間、社風といったリアルな声が数多く投稿されているからです。

良い点も悪い点も書かれているため、企業の実態を知る上で非常に参考になります。

ただし、個人的な不満からネガティブな意見に偏る傾向もあるため、あくまで「参考情報」として捉えましょう。

また企業の採用サイトや就職四季報などで確認できる「新卒3年後離職率」は若手が定着しているかどうかの重要な指標です。

この数値が極端に高い企業は労働環境などに何らかの問題を抱えている可能性が高いと考えられます。

ホワイト企業の特徴(労働環境・制度・教育)

では逆にホワイトな不動産会社にはどのような特徴があるのでしょうか。

まず、給与体系において固定給の比率が高く、生活の安定が保障されていることが挙げられます。

年間休日が120日以上ある、休日出勤した場合は振替休日を確実に取得できるなど、労働環境が整備されていることも特徴です。

また、福利厚生が充実している点も見逃せません。

特に宅建などの資格取得を支援する制度や、家賃補助などの住宅手当が手厚い企業は社員を大切にしている可能性が高いです。

そして最も重要なのが、教育体制です。

新人研修が充実しており、独り立ちできるまで先輩社員がOJTで丁寧に指導してくれる文化があるかを確認しましょう。

長期的な視点で社員を育てようという姿勢のある企業こそが、本当の意味での優良企業と言えます。

就活生がやるべき準備

不動産業界の厳しい側面と、それを上回る魅力を理解し、この業界で挑戦したいという意志が固まったら、次に行うべきは内定を勝ち取るための具体的な準備です。

「やめとけ」と言われることも多い業界だからこそ、生半可な気持ちで選考に臨んでも採用担当者に見抜かれてしまいます。

業界への深い理解と、ここで働きたいという強い熱意を具体的な行動で示すことが、他の就活生との大きな差別化に繋がります。

ここでは不動産業界を目指す上で必ずやっておくべき4つの準備について解説します。

インターン・OB訪問でリアルを確認する

業界研究や企業分析で得た知識を自分自身の「リアルな実感」に変えるためにインターンシップやOB・OG訪問には積極的に参加しましょう。

インターンシップでは営業同行などを通じて仕事の面白さと同時に泥臭さや厳しさも肌で感じることができます。

その経験を通じて「自分は本当にこの仕事がしたいのか」「この環境でやっていけるのか」を最終確認する良い機会になります。

また、OB・OG訪問では「仕事で一番つらかった経験はなんですか」「なぜこの会社で働き続けているのですか」といった、より踏み込んだ質問をしてみましょう。

そこで語られる本音の言葉は企業のWebサイトからは決して得られない、貴重な情報です。

宅建など資格取得で差別化を図る

不動産業界への高い志望度を客観的に示す上で最も有効な武器の1つが「宅地建物取引士(宅建)」の資格です。

宅建は不動産取引における重要事項の説明などで必須となる国家資格であり、多くの企業が入社後の取得を義務付けています。

学生のうちにこの難関資格を取得しておけば「業界への熱意」と「入社後も学び続ける意欲」を強力にアピールできます。

また、不動産取引に関する基礎知識が身についている証明にもなり、即戦力としての期待も高まるでしょう。

合格率は15%前後と簡単ではありませんが、意地悪な問題が出ることが少ない試験なので、コツコツと勉強すれば取得が不可能な資格ではありません。

志望動機の作り方(やめとけを踏まえたロジック構成)

不動産業界の面接官は「なぜ、わざわざ厳しいと言われるこの業界を選ぶのか」という視点であなたを見ています。

そのため、志望動機では業界の厳しい側面を理解した上でそれでも挑戦したいという「覚悟」を示すことが重要です。

まず、例を挙げるならば「成果が正当に評価される環境で若いうちから成長したい」といった結論を述べます。

次に「貴社の〇〇という事業に魅力を感じた」と続けましょう。

そして「厳しいノルマがあることも理解していますが、学生時代の〇〇の経験で培った粘り強さを活かせると考えます」というようにネガティブな側面から逃げず、自身の強みと結びつけて乗り越えられる根拠を示せれば理想的です。

このロジック構成があなたの志望動機の説得力を格段に高めてくれるでしょう。

キャリアプラン・5年後の自分像を描くコツ

「入社後のキャリアプラン」や「5年後の自分像」という質問はあなたが長期的に働く意欲があるか、そして成長意欲が高いかを見極めるためのものです。

漠然と「成長したい」と答えるのではなく、具体的なプランを語れるように準備しておきましょう。

そのためにはまず、その企業のキャリアパスを研究することが大切です。

その上で、段階的かつ現実的な目標を提示します。

企業の事業展開と結びつけ「将来的には貴社の海外事業に挑戦したい」といった展望を語るのも有効でしょう。

不動産業界の将来性と今後の変化

不動産業界は今まさに大きな変化の時代を迎えています。

人口の減少やテクノロジーの進化といった社会の変化が、業界の構造を根本から変えようとしているのです。

「やめとけ」と言われる原因となってきた、非効率な営業手法や長時間労働といった古い体質もこうした変化の波の中で見直されつつあります。

ここでは業界の未来を読み解く上で重要な3つの変化について解説します。

人口減少・空き家問題と業界の構造変化

日本の最大の社会課題である「人口減少」は不動産業界に大きな影響を与えます。

家を買う人の数が減り、全国的に空き家が増え続ける中でこれまでのように「新しい建物を次々と建てて売る」というビジネスモデルはいずれ限界を迎えるでしょう。

これからの不動産業界で重要になるのは「今ある不動産の価値をいかにして高めるか」という視点です。

古いマンションや戸建てを現代のライフスタイルに合わせて改修する「リノベーション」事業や、空き家を宿泊施設やシェアオフィスとして再生させるビジネスなどが、新たな成長領域として注目されています。

これからの主戦場は新築から既存物件の活用、すなわち「ストック活用」へと移っていきます。

テクノロジー・DX化による効率化

不動産業界はこれまで「アナログで非効率」な業界の代表格とされてきました。

しかし近年、IT技術を活用して業界の課題を解決する「不動産テック(RealEstateTech)」の動きが急速に広がっています。

現地に行かなくても物件の様子が分かる「VR内見」や、契約書への署名・捺印がオンラインで完結する「電子契約」などが普及し始めています。

また、AIが膨大なデータを分析して不動産の適正価格を瞬時に算出したり、顧客情報をデータで一元管理して効率的な営業活動を支援したりするシステムも導入が進んできました。

これらの技術は業界の生産性を向上させ、労働環境の改善にも繋がると期待されています。

安定職種・成長領域(管理/テック/再開発など)

業界構造の変化に伴い、これまでとは異なる分野の仕事の重要性が増しています。

厳しい営業職というイメージだけでなく、これらの安定・成長領域に目を向けることで不動産業界での多様なキャリアの可能性が見えてきます。

既存物件の価値を高める「ストック活用」の流れの中で物件の価値を維持・向上させる「不動産管理」の仕事は今後ますます重要になるでしょう。

また、業界のDX化を推進する「不動産テック」の分野も大きな成長が期待される領域です。

人口が都心に集中する傾向は続くとみられており、都市部の魅力を高める「再開発」の仕事も引き続き活発でしょう。

こうした変化を捉えることで、自分に合った働き方が見つかるかもしれません。

まとめ

本記事では「不動産業界はやめとけ」と言われる理由から、その裏にあるメリット、優良企業の見極め方、そして業界の将来性までを多角的に解説しました。

大切なのはネガティブなイメージだけでこの業界を敬遠するのではなく、その厳しさと魅力の両方を正しく理解することでしょう。

その上で自分の価値観や強みと照らし合わせ、自分に合う場所かどうかを判断することが重要です。

ぜひこの記事を参考に、不動産業界を目指すかどうかじっくり検討してみてください。

 

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