・企業選びの軸が聞かれる理由
・企業選びの軸を定めるメリット
・企業選びの軸の考え方
・企業選びの軸の回答例文
・企業選びの軸が定まっていない人
・企業選びに困っている人
・企業選びの軸の見つけ方を知りたい人
・企業選びの軸の回答例文を見たい人
就活ではどの企業に応募すべきか、企業選びに困ることも少なくありません。
「どの企業も魅力的に見える」「何を基準にして志望先を見極めれば良いかわからない」と不安を抱いている就活生は、多いのではないでしょうか。
そこで今回は、就活に取り組むにあたってチェックしておきたい「企業選びの軸」の考え方を整理していきます。
的確にエントリー先を絞り込んでいくには、基準となる軸が必須となります。
軸のまとめ方・軸を固める方法をしっかり見たうえで、自分にぴったりの志望先を厳選していきましょう。
目次[目次を全て表示する]
【企業選びの軸】企業選びの軸とは
就活で大きく迷うことの一つに、企業選びが挙げられます。
後悔や失敗を避けたうえで自身にマッチする企業を見つけるには、企業選びの軸が必要となります。
軸がしっかり固まっていれば、方向性を見失わずに済むため、自分の価値観・考え方と相性の良い企業を見極められます。
結果、内定・入社後にミスマッチが起こる可能性は低くなり、就活失敗を回避できるのです。
企業選びの軸は、価値観・なりたい姿・目標などに沿って決められる、志望先企業を見極める際の判断基準です。
判断基準がはっきりしていれば、今後さまざまな場面で決定に迷わずに済み、就活全体をとおして自信が持てるようになります。
企業選びでは、前もって軸を形成することで、判断基準を明確にすることが大切です。
【企業選びの軸】企業が軸について聞く意図
企業選びでは、人によってさまざまな点が軸になるため、具体的な軸の内容からはそれぞれの価値観や考え方、興味関心、その他総合的な人柄が伝わってきます。
そのため企業は面接などの選考を実施する際に、就活生に軸について質問する場合があります。
自分の軸を明確に述べたうえで、良いアピールにつなげるには、まず企業がなぜ軸を聞くのか理解することが大事です。
企業が軸について聞く意図としては、下記のことが挙げられます。
- 志望度の高さを知るため
- 自社とマッチする人材か知るため
- 長く働いてくれる人材か確認するため
このように企業は軸をヒアリングすることで、自社で活躍できるポテンシャルを測っているといえます。
では、それぞれの意図について詳細を見ていきましょう。
志望度の高さを知るため
企業が面接の際に軸のことを質問するのは、それぞれの志望度の高さを知りたいという意図があるためです。
前もって軸を固めたうえでエントリー先を厳選していれば、それだけ真剣に、企業選びや就活そのものに向き合っていることがわかります。
自分にマッチする企業を見極めるために、軸にこだわっていることがうかがえるため、志望度の高さも同時に測れるでしょう。
しっかりと自分なりのこだわりを持ち、志望先企業を絞り込んでいれば、入社後も積極的に活躍できると期待できます。
企業にとって新卒を採用するうえで重視するポイントはさまざまありますが、そのうちの一つに、志望度の高さがあります。
アピールの内容や向き合い方の姿勢から「絶対にここに入社したい」という強い意欲が伝わってくれば、企業はその思いに動かされるものです。
意欲の高い人は、入社後も高いモチベーションを維持できる可能性があります。
自社とマッチする人材か知るため
企業の採用担当者は、学生一人ひとりに企業選びの軸について聞くことで、自社とのマッチ度をチェックしています。
当然ながら、企業は総合的に見てマッチ度が高い学生に、入社してもらいたいと考えています。
マッチ度が高く、企業と価値観などが一致する部分が多いことは、就活生にとっても会社にとってもメリットとなります。
まず就活生の場合、マッチ度の高い企業に勤められれば、モチベーションを保つきっかけになります。
積極的に働きたい・貢献したいという気持ちも、自然と強くなるでしょう。
企業も、もちろん採用した新卒社員が高いモチベーションをもって活躍してくれることには、メリットを感じられます。
また、ミスマッチがないということは、早期離職が起きにくいことにつながります。
早期離職はどちらにもデメリットになるため、企業は軸などを聞くことで、マッチ度の高い就活生を厳選する必要があるのです。
長く働いてくれる人材か確認するため
企業選びの軸を選考の際にヒアリングされるのは、長く働いて入れる人材かチェックするため、という見方もあります。
軸をしっかり持って就活に臨んでいる人は、「将来何をしたいか」「どんな形でキャリアを築きたいか」という未来に対するイメージに具体性があります。
将来のビジョンが明確に定まっているため、入社後は夢や目標の実現のために積極的に働いてくれると考えられ、同時に長く働いてくれることにも期待が持てます。
昨今は多くの人が転職を経験する時代ですが、それでも企業はノウハウをしっかりと蓄積させる必要があるため、長く会社に貢献してくれる人材を求めています。
長期的に勤めてくれる社員でスタッフの大部分を固められれば、新たに採用コストがかかることもありません。
そのため企業は、面接の際に一人ひとりの軸をチェックし、将来との向き合い方を評価しているのです。
【企業選びの軸】軸を定めるメリット
企業選びにおいて軸の設定は欠かせませんが、最初のうちは、なぜ軸が必要なのかわからず迷うことも多いかもしれません。
その際は、まず、軸を明確に設定するメリットを整理してみましょう。
主なメリットは、下記の3つが挙げられます。
- エントリーするべき企業がわかる
- 志望動機に厚みを持たせられる
- さまざまな質問に対応できる
エントリーする会社の選び方で軸がしっかりしていれば、上記のことで利点を感じられるため、就活も進みやすくなるでしょう。
では、それぞれのメリットにおける重要なポイントを、以下から解説していきます。
エントリーするべき企業がわかる
企業選びで軸をしっかり持っておけば、エントリーすべき企業が自然と見極められます。
「どの企業に応募すれば良い?」「どこの会社が自分に合ってる?」と迷うことがなくなり、効率的に就活を進められるのが利点です。
選んだあとに、ミスマッチに悩まされる可能性も低いといえるでしょう。
軸は、志望先企業を見極めるうえで重要な判断基準になります。
判断基準に則ってエントリーすべき企業を厳選すれば、自分の価値観や考え方、興味関心から見て適した企業が見つかります。
反対に軸が不明確だと、気になった企業へむやみやたらにエントリーしてしまい、のちにミスマッチが起こる可能性があります。
「なんとなく」の心理で応募してしまうため、具体的な志望動機も定まらず、行き当たりばったりの就活になってしまうのが難点です。
効率良くスムーズに就活を進めるには、志望先企業を的確に絞り込めるように、事前に軸の設定が必要です。
志望動機に厚みを持たせられる
企業選びの軸が自分の中に存在していれば、志望動機に厚みを持たせられ、説得力のある志望動機が書けます。
軸に沿って志望先企業を厳選しているからこそ、「なぜ志望したのか」という動機が明確に定まっているからです。
企業には、価値観や考え方がマッチしていることを明確に示せるため、アピールとして効果的なのは間違いありません。
さらに軸を固めたときのエピソードも活用しながら志望動機を書けば、ほかとかぶらない内容になり、採用担当者にとって印象に残りやすくなります。
結果、選考ではより有利になる可能性があり、内定獲得にもつながりやすくなるでしょう。
厚みを持たせた志望動機で自分自身をアピールするには、前もって企業選びの軸を明確に持つことが重要なのです。
さまざまな質問に対応できる
軸をあらかじめ設定すれば、選考において、さまざまな質問に対応できるようになるでしょう。
将来のビジョンや働くうえで重視することなどが軸によって固まっているため、どんな質問にも、自信を持って受け答えできるのです。
想定外の質問が来ても困りにくく、しっかりと自分自身の意思を表明したり強みをアピールできたりします。
そのため、質問への対応力を高めるという意味でも、企業選びにおける軸は必須といえるでしょう。
どれだけ質問のシミュレーションを重ねても、面接の際は、想定していないことを聞かれる場合があります。
付け焼き刃の準備では、想定外の質問が来ればたちまち困ってしまいます。
しかし軸に基づいて就活を進めていれば、すべての行動・発言の根底に大事にしている軸があるため、想定外の質問に対しても伝えるべきことをしっかり伝えられるのです。
【企業選びの軸】軸の考え方の型
軸を設定する際は、どう考えて決めるべきか困ることも多いです。
そのため、最初は考え方の型から整理してみましょう。
軸を固める際の考え方には、3つの種類の型があります。
- 過去軸
- 未来軸
- Must軸
このように考え方には複数のアプローチがあり、型によって導き出される自分の要望の種類は異なり、最終的に形成される軸も変わってきます。
よって、軸を固めるときは、それぞれの型で自分の要望や目標などを整理することが望ましいでしょう。
一つの考えにのみ固執しない多角的な見方で、さまざまな軸を決めていけるはずです。
では、型の特徴や、具体的な軸の内容などをまとめていきます。
過去軸
過去軸は、過去の経験を振り返ったうえで自分の強みをピックアップし、その強みを活かせる企業を見極めていくアプローチになります。
自分のスキルや得意分野、長所などを働くうえで活かせるため、やりがいを感じられる働き方につながるでしょう。
たとえば過去の部活動の経験から、リーダーシップに自信がある人は、リーダーシップを強みとしてエントリーすべき企業を絞り込んでいく流れです。
強みを活かせる環境はモチベーションを高く保てるため、過去を振り返る際は、「自分のモチベーションの源泉は何か」「いつもどんなときにやる気を出していたか」を細かく整理すると良いでしょう。
快適に働くうえで、業界・職種問わず、多かれ少なかれやりがいは欠かせません。
モチベーションが上がるポイントを見極められるように、過去軸でまずは考えてみましょう。
未来軸
未来軸では、その名の通り過去と異なり、未来に目を向けたアプローチになります。
未来の自分の姿を具体的にイメージし、なりたい自分の姿や実現したい目標、夢などをより明確にしていきます。
将来的にやりたいことや理想の環境などを整理すれば、おのずと選ぶべき企業は絞られてくるでしょう。
これから来る未来のために、なりたい姿や目標のイメージを実現できる企業を選ぶ必要があるからです。
未来軸で考える際は、不確定のこととはいえ今後の就活の指針に関わることのため、より具体的で明確なビジョンを持つことが大事です。
イメージに具体性があるほど、今すべきことや設定すべき軸が明確になるからです。
10年後・20年後…と将来の自身の姿を想像し、それを実現できる軸を固めましょう。
Must軸
Must軸では、自分にとって譲れない条件をベースとして、企業選びの軸を固めていくのが特徴です。
譲れない条件になるため、現実的な内容であれば、どのようなアプローチで考えても問題ありません。
就職先を見つける際は、企業によってさまざまな特徴が見られるからこそ、誰にでも譲れない条件があるものです。
周りからすれば特に大事でないこだわりも、自身にとっては重要な条件であり、人によっては働くうえでのモチベーションになることもあります。
Must軸で考えたときの企業選びの軸として、下記の例が挙げられるでしょう。
- 英語力を活かしたい
- 都内で働きたい
- 実家から通いたい
- 転勤を避けたい
- 趣味と両立しやすい仕事が良い
上記の譲れないポイントも、自分に合った会社を見つける際には重要な軸になります。
過去軸・未来軸のアプローチで考えたうえで、さらにMust軸として大事なことはないかしっかりチェックしていきましょう。
【企業選びの軸】軸の見つけ方
就活でエントリーする企業を絞り込むうえで、軸を明確に定めるときは、下記の見つけ方を意識して自分に合う軸を考えましょう。
- 自己分析
- 業界研究
- 職種研究
- OBOG訪問
- インターンシップへの参加
- 会社説明会への参加
軸を見つけるきっかけはさまざまあり、「軸をどう設定すれば良いかわからない」と困っている人でも、上記の方法を実践すれば自分に合う軸が見つかる可能性があります。
企業選びにおける軸は、自分の重視する方向性からぶれずに就活を進めるうえで、欠かせない指針です。
自己分析やインターンシップ参加など、さまざまな方法を通じて情報を整理し、軸を固めていきましょう。
では、それぞれの方法について詳細をまとめていきます。
自己分析
軸をしっかり固める際は、自己分析から実践してみましょう。
自己分析では、これまでの体験や印象的だった出来事、楽しかったことや辛かったことなどを整理していきます。
そのうえで自分自身のモチベーションが高まるポイント、強みを発揮できる場所・環境、反対にやる気が出なくなる状況などをまとめていきましょう。
このように自己分析によって自己理解度を高めれば、自分の適性や向いている仕事などがある程度見えてきます。
そこから得た情報をもとに、軸を考えていくと、スムーズに企業選びにおける軸がまとまります。
自分とはどんな人なのかを冷静に見極めれば、今後、志望動機や自己PR、長所短所などを伝える際にも役立ちます。
そして分析結果に基づいて、軸の決定に役立てていきましょう。
なお、自分でいまいち判断できず困ったときは、自己分析ではなく他己分析を行うのもおすすめです。
業界研究
業界研究を徹底的に実践し、業界についてよくリサーチしたうえで軸を見いだしていくことも大事です。
そもそも就活を進める際は、業界について理解を深めることは常に行うべきことです。
業界によって扱う商材は多種多様で、ワークスタイルにもさまざまな違いが見られます。
調べてみなければわからないことは多々あるため、軸が固まらない場合は、とにかく業界研究を進めてみましょう。
そのうえで一通り業界の特徴をチェックし、どの企業が理想的なのか確かめていきます。
結果、軸につながる要素や希望条件などが見えてくることは多いです。
業界研究を入念に行えば、志望する業界のトレンドや課題、事情などさまざまなことが見えてきます。
今後業界について適性があることを示す際にも研究は欠かせないため、納得いくまでリサーチすることが大切です。
職種研究
職種研究をすることで、就活の軸が見つかることも少なくありません。
同じ企業でも、職種ごとに業務内容や働き方が異なってくるため、職種ごとの理解を深めて、新たに合った職種を探すことが求められます。
例えば、営業職ならば、様々な企業の担当者と関わることを就活の軸とすることができますし、プロジェクトマネージャーならば、多くのメンバーを統率して1つの方向に導くことにやりがいを感じるかもしれません。
その職種において、どのようなやりがいがあるのかを確認することで、企業選びの軸が見つかることもあるのです。
OBOG訪問
自己分析や業界研究のほかには、OBOG訪問でさまざまな情報を集めることも大事です。
OBOG訪問で、実際に働き方などの感想・意見を聞けば、企業・業界についてよりリアルなかたちで理解を深められるでしょう。
単純に調べているのみでは見えにくいことも多いため、OBOG訪問は、生の声を聞くという意味でも有意義といえます。
OBOG訪問で業務の特徴や具体的な働き方などを知れば、マッチ度や相性を改めて見極める良い機会になるでしょう。
場合によっては「イメージと全然違った」というケースもあるため、注意が必要です。
しかしそんなときOBOG訪問の機会を有効活用していれば、事前にイメージと大きく乖離していたことがわかるため、ミスマッチを避けられるでしょう。
適切に軸を固めるうえでも、大きく役立ちます。
インターンシップへの参加
インターンシップへの参加が、軸を固めるうえで役立つ場合もあります。
企業が行うインターンシップは、実際にその企業で働く社員と関わりながら、業務を疑似体験できることが最大の利点です。
実際にどんな業務を行うのか自ら体験できるため、向き不向きの判断には大きく役立つでしょう。
調べるばかりではわからなかったことについても、理解が深まるでしょう。
中長期のインターンシップなら、職場の雰囲気などもある程度把握できるため、企業をよく知るうえでは良い機会になるといえます。
このように企業に関する知識の解像度を高めれば、適性や興味があることなどがわかりやすくなるため、結果として軸の形成にもつながる仕組みです。
軸がまとまらないときは、インターンシップの機会も積極的に活かしてみてください。
会社説明会への参加
会社説明会に参加し、軸をまとめていくのも良いでしょう。
会社説明会では、企業の担当者から事業内容の詳細や企業理念、会社の歴史などを教えてもらえます。
企業の特徴をつかみ、理解を深めるうえでは良い機会になります。
特にエントリーすべきか迷っている業界・企業の場合、最初のステップとして全体的な特徴を把握できるため、自分に合うかどうか確かめるうえでは良い判断材料になるでしょう。
企業選びの軸を固める際にも、役立つ情報になるはずです。
会社説明会では質疑応答の時間もあるため、参加する際は、必要に応じて質問を用意していくことも大事です。
また、さまざまな情報をリサーチして軸の形成につなげるなら、就職フェアなどのイベントに参加するのも良いでしょう。
【企業選びの軸】軸の伝え方
企業選びの軸を面接などでヒアリングされたときは、内容のわかりやすさにしっかりこだわり、効果的なアピールをする必要があります。
そのため軸について述べるときは、下記の構成・流れを意識しましょう。
- 結論
- 理由
- エピソード
- 入社後の貢献
はじめに結論に触れたうえでエピソードで内容を掘り下げ、最終的に意欲を伝えるという流れは、物事をわかりやすく伝えるうえで基本となる構成です。
軸の伝え方のみでなく、自己PRや志望動機などでも活用できるため、しっかりチェックしておきましょう。
では、ステップごとに重要なポイントをまとめていきます。
結論
はじめに、結論として「何を軸にしているか」をはっきり伝えましょう。
基本的に結論は端的にわかりやすく述べる必要があるため、必要以上に長い文章である必要はありません。
最初に結論から話すことが大事な理由は、伝えたいことの主旨・テーマがはっきりと先方に伝わるからです。
結果、採用担当者はこのあと述べるエピソードについても内容を把握しやすくなり、「わかりにくい」という印象を持ちにくくなります。
先にきっかけや背景などを述べてダラダラと話を始めると、「軸は〇〇」という主旨が明確に伝わらない可能性があるため注意が必要です。
理由
なぜその企業選びの軸を大切にしているのか、理由についてもわかりやすく説明しなければなりません。
その理由が明確でなければ、あなたがなぜその企業に入りたいのかが今まで伝わりづらくなってしまうことでしょう。
ただし、この部分は結論とエピソードをつなぐ部分であるため、だらだらと長く話す必要はありません。
エピソード
次に、軸を持つに至ったきっかけや過去の出来事を、付随するエピソードとして伝えましょう。
エピソードは、結論である軸について詳細を伝える部分になります。
なるべく具体的に内容を伝え、わかりやすさやイメージしやすさを意識すると、ほかとの差別化につながります。
エピソードからはそれぞれの価値観や人柄がうかがえるため、細かく伝えるほど、採用担当者から親しみを持ってもらえるきっかけになります。
どのような背景から軸を決めたのか、説得力を持たせるポイントにもなるでしょう。
入社後の貢献
企業選びにおける自分の軸を伝えるときは、最後に、入社後にどのような貢献をしたいのかアピールするかたちで締めくくりましょう。
軸や大事にしている信念、活かしたい強みなどをもってして、自分は何ができるのかを明確に述べていきます。
もちろん、単純に「頑張りたい」「一生懸命働きたい」などと述べるのみでは、抽象的すぎるためアピールとして意味をなしません。
そのため最後のアピールは、企業が求める人物像や期待している活躍の仕方に基づいて、具体的に述べましょう。
【企業選びの軸】回答する際の例文紹介
企業選びにおける軸を伝えるときは、具体的にどんな表現を使えば良いのかわからないことも多いため、最初は例文から参考にするのも良いでしょう。
今回紹介する例文は、下記のように複数のアプローチで考えた軸のため、自分に近いものを見つけて参考にしてみてください。
- 成長環境
- グローバルに活躍できる
- ビジョンへの共感
- 強みが活かせる
- 裁量権の大きさ
- 社風への共感
いずれの軸の例文も、業界・企業問わず活用できる可能性があります。
事前に例文をチェックしておけば、表現方法や言い回し、文章の流れがわかるため、練習にも役立つでしょう。
成長環境
私にとって成長はモチベーションを高めるきっかけになり、働くうえで良い循環を生んでいけると考えています。
学生時代は野球部に所属していましたが、部活は上下関係が厳しかったため、常に緊張感をもって活動に取り組んでいました。
しかしそのおかげで私は、組織内で周りを気遣う姿勢や、目上の人を敬う精神を身につけられたため、自分の成長を実感するたび野球部の活動にはやりがいを感じていました。
家族からも「昔より精神的に大人になり、気配りができるようになった」と褒めてもらう機会があり、私は将来も、常に成長できる環境に身を置きたいと考えるようになりました。
御社に入社した際は、営業目標を常に意識しながら自身のスキルを高め、常に成長を続けられる営業マンとして売上に貢献したいと考えています。
グローバルに活躍できる
私は大学時代に国際交流サークルに所属していたため、ほかの大学のメンバーも含めると、海外出身の留学生の友人を20人以上作ることができました。
海外の文化や価値観はやはり日本と違う部分がさまざまあり、現在も、彼らと接するときは驚きの連続でとても刺激的です。
そんな状況に2年以上も身を置いてきたため、社会人になったあとも、グローバルな環境で働きたいと考えるようになりました。
御社は海外のお客様が9割以上を占め、社員も多国籍だとうかがっており、私が求める刺激的な異文化交流の場として、非常に魅力を感じています。
入社後は異文化理解の姿勢を活かし、接したことのない国のお客様とも、積極的にコミュニケーションを取っていきたいと考えています。
ビジョンへの共感
そのようなビジョンをもって暮らしを便利にするサービス・商品を提供し続ける会社であれば、幼い頃から培ってきたプログラミングスキルを活かせると考えているからです。
私はロボットの開発に興味があり、幼い頃からロボットの自作を趣味としてきました。
初めて物を持ち上げる動作を実装できたときは、子どもながらに感動し、ロボットの実用化に向けて開発に携わり、世の中を便利にしたいという気持ちに駆られました。
御社は家庭用の見守りロボットを多く開発しており、高齢の方の見守りの効率化に貢献してきています。
今後は見守り以外の機能も多く搭載したうえで、さらに便利なロボットを開発するとうかがっており、便利な暮らしを支え続けるという姿勢には大変共感しています。
入社後は培ったロボット工学知識とプログラミングスキルを活かし、開発チームの一員としてお役に立ちたいと考えています。
強みが活かせる
自分の強みを仕事で活かすことができれば、いち早く会社に貢献でき、自分自身もやりがいを感じられるためです。
私は、コミュニケーション能力の高さを強みとしており、誰に対しても人見知りしないことが自慢です。
大学生活ではそのコミュニケーション能力を活かし、農業サークルの創設に携わりました。
とにかくたくさんの人に声をかけ、最初は友人と二人だけだったところから、最終的には100人規模までサークルを発展させることができました。
このコミュニケーション能力を活かし、御社に入社した際も多くのお客様と積極的にやり取りし、心地よくやり取りできる担当者を目指したいと考えています。
裁量権の大きさ
私は大きな仕事にチャレンジし、いち早く社会人として成長したうえで、ゆくゆくは会社の経営に携わりたいと考えています。
小中高と私は生徒会長を経験し、それ以外でも幼少期からリーダーポジションを多く任されてきたため、リーダーシップと大きな仕事にチャレンジする精神には自信があります。
責任の伴う仕事には確かに緊張感もあり、大変だと感じることもありますが、その分達成感も大きいため、仕事をやり遂げたときの快感とは社会人になったあとも続けて味わっていきたいと考えています。
御社は柔軟な人事を行っており、1年目からプロジェクトリーダーを任されることもあるとうかがっています。
実力次第で経営に携われるチャンスがあるという体制にも、大変惹かれました。
入社後はいち早く裁量の大きい仕事を任せていただけるように、真面目に業務に取り組み、成果を出したいと考えています。
社風への共感
過剰な緊張感を持たず、心を解放して業務に取り組めれば、仕事がしやすくなることでモチベーションが高まると考えたからです。
私は、母の実家である北海道によく行くのですが、実家の付近には広大な農地が広がっており、のどかな雰囲気にいつも癒されています。
夏休みに足を運んだ際は、期間限定で近くのカフェのアルバイトをし、リラックスして働ける雰囲気を感じたことから、将来はこのような癒しのある空間で無理をしない働き方をしたいと考えるようになりました。
御社は社風として「無理をしない働き方」を掲げており、リラックスできる職場づくりに力を入れている点に共感いたしました。
入社後は過剰なストレスを自分自身にかけないことを意識し、一つひとつの業務のパフォーマンスを高めたいと考えています。
社会貢献
大学時代、地域の高齢者の方向けにボランティア活動に取り組んでいた経験があります。
買い物のサポートや定期的な安否確認を行うプログラムを主催し、多くの高齢者の方が安心して生活できる環境づくりに寄与しました。
この経験を通じて、貴社のような地域貢献を大切にしている企業で働くことを通じて、地域に貢献したいと考えるようになりました。
入社後は、貴社の事業を通じて地域社会や環境、さらには社会全体にポジティブな影響を与える仕事に取り組みたいと考えています。
最終的には、貴社の社会的責任の一環として地域貢献プロジェクトの推進や、社会問題に関する解決策の提案に力を注ぎ、貢献する所存です。
働きやすい環境
これはただ「楽に仕事ができる」ということではなく、やりがいを持って、お互いに尊重しながら業務に取り組める環境で働きたいという思いから、大切にしています。
貴社のインターンに参加した際、お互いが意見を尊重し合い、得意な部分をフル活用して業務に取り組むことで成果を達成することに強い魅力を感じました。
これ以降、仕事はただ給与を得るためのものではなく、互いに協力して目標を達成し、自己実現をすることであると考えるようになりました。
貴社に入社した暁には、現在の非常に働きやすい環境を保ちつつ、さらにマニュアルを充実させ、福利厚生を見直すなど、より社員の方が働きやすい環境を整え、さらに優秀な方が入社したくなるような企業づくりに貢献したいと考えています。
将来性
長きにわたって勤められ、そして共に成長できる企業で働きたいと考えています。
いくら現在は好調な企業であったとしても、新しいプロジェクトに取り組まず、既存の事業だけを展開しているだけでは成長できないと考えています。
貴社は常に新しいプロジェクトを実施しており、社会に新しい価値を提供するために様々な物事に取り組んでいます。
企業説明会に参加した際、貴社のように将来性のある、そしてお互いに成長を目指す環境で働くことが、自分のまさしく求めていることであると気づきました。
貴社に入社した暁には、様々な新規プロジェクトに取り組み、貴社の価値を向上させるとともに、社会に貢献することで日々やりがいを感じながら業務に取り組みたいと考えています。
【企業選びの軸】NGな企業選びの特徴
企業選びにおける軸は、自己分析や業界研究などを通じて固めていくことが重要ですが、人によっては知らず知らずのうちにNGな軸を設置してしまっていることがあります。
「正しく軸を設定したつもりが、無意識のうちにまったく見当違いなアプローチになってしまった」というケースはあるものです。
NGな企業選びは、たとえば以下が挙げられるため、当てはまるかチェックしてみましょう。
- 好きな仕事を軸にしている
- 福利厚生を軸にしている
- 企業の知名度を軸にしている
上記の選び方について心当たりがある人は、企業選びの軸を検討し直すことが肝心です。
軸といっても何でも当てはまるわけではないため、NGな企業選びにならないように、注意しましょう。
好きな仕事を軸にしている
単純に好き嫌いで仕事を選び、好きな仕事=軸といった安易な設定をしている人は、的確に企業選びができていない可能性が高いです。
好きな仕事を軸にしていると、「真剣に就活していない」「真面目に自分自身と向き合っていない」という評価につながりやすいです。
ほかには、「自分のやりたいことしかやらないのでは」といったように、わがままで扱いにくい印象を持たれることも少なくありません。
企業を選ぶうえでの軸は、単に好きな仕事を選べば良いわけではありません。
軸は自己分析や業界研究などを経て、自分のスキルに合った活躍が見込めるのかを考えながら設定していきます。
ただ好きなだけでは、志望動機を効果的に伝えられない可能性もあります。
軸に沿って企業を選んだものの、どこかしっくりこない…と感じたときは、軸のに内容から見直してみましょう。
福利厚生を軸にしている
企業選びの際の軸は、福利厚生を基準に考えるのもあまり好ましくありません。
福利厚生重視で企業を選んではならないわけではないのですが、企業の業務については、一切関心がないように思われる原因になります。
自己中心的で、打算的なイメージにもつながるでしょう。
たとえば休暇制度、食堂サービス、その他各種手当などが挙げられます。
上記はいずれも大事な条件ですが、企業選びの軸として、わざわざ一番に伝える必要はないということです。
それよりも企業の事業内容や理念に目を向けたうえで軸を伝え、企業とのマッチ度の高さをアピールすることが重要です。
軸が思いつかないときは、未来軸・過去軸・Must軸(福利厚生以外)で考えて軸を形成し、本当に自分に合っている企業を見極めましょう。
企業の知名度を軸にしている
企業の知名度の有無を企業選びの軸として伝えてしまうと、企業への熱意や志望度が伝わりにくく、自己分析や企業分析をしっかりできていないという印象を与えてしまう可能性が非常に高いです。
知名度だけで企業選びをするような就活生は、どの企業も採用したいとは思いませんし、就職した後にモチベーション高く業務に取り組んでくれるかが怪しいです。
したがって、もし本当に企業の知名度を軸にしているとしても、実際に述べる場合はオブラートに包んだ説明をするか、企業の業務内容やその他のやりがいを軸にしていることをアピールすることを推奨します。
【企業選びの軸】企業選びの軸が定まらない場合は
企業選びの軸がうまくまとまらないときは、就活のプロである就活エージェントへの相談が望ましいでしょう。
就活エージェントのジョブコミットには、年間1,000人以上を指導してきた実績があります。
相談の際は自己分析や業界研究のサポートが可能なため、そこから軸の設定についてもアドバイスを受けられます。
気になる企業にエントリーする際は、志望動機を含む書類添削、模擬面接などの支援も受け付けてくれます。
総合的にサポートを受けて少しでも就職を有利にしたい人は、まずは企業選びの軸について、相談してみてください。
おわりに
企業選びの軸は、自分にぴったり合う企業を見極めるうえで重要な軸です。
価値観や考え方、関心の方向性などに基づいて軸を固めれば、ミスマッチを防ぎつつ、エントリーすべき企業が見つかります。
軸があれば、志望動機などの別の受け答えにも深みが出るため、採用担当者には強い印象を残せるでしょう。
なお、軸が固まらないときは、事前に例文からチェックしておくのもおすすめです。
必要に応じて就活エージェントへの相談も検討しつつ、軸を固め、スムーズな企業選びをしましょう。