はじめに
りそな銀行は、「メガバンクでも地方銀行でもない」独自のポジションを確立し、リテール(個人・中小企業)分野に強みを持つ大手銀行です。
そのユニークなビジネスモデルと変革への積極的な姿勢から、就職活動生にとって非常に高い人気を誇ります。
りそな銀行の内定を獲得するためには、その独自の強みと企業文化を深く理解し、「なぜ他の銀行ではなく、りそな銀行なのか」を明確に示す論理的な志望動機が不可欠です。
この記事では、りそな銀行の企業研究から求める人物像、競合比較までを徹底的に解説し、あなたの志望動機を完成させるための実践的な知識を提供します。
志望動機が完成したらAIチェッカーを使おう
志望動機を書き上げた後、その最終確認としてAIチェッカーを活用することは非常に有効な手段です。
銀行業界、特にりそな銀行の選考では、志望動機に論理の一貫性と明確な根拠が求められます。
採用担当者は膨大な数のエントリーシートを審査するため、誤字脱字はもちろん、文章のねじれや論理の飛躍といった基本的なミスは、注意力や思考力を疑われる原因となります。
AIチェッカーは、こうした客観的な誤りを検出するだけでなく、より簡潔で伝わりやすい表現への修正案も提示してくれます。
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【りそな銀行の志望動機】りそな銀行を知ろう
りそな銀行の志望動機を作成する上で、最初のステップは「りそな銀行がどのような銀行か」を正確に理解することです。
りそな銀行は、りそなホールディングスの中核企業であり、メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)に次ぐ規模を持ちながらも、そのビジネスモデルは大きく異なります。
最大の特徴は、大企業向けの国際業務や投資銀行業務よりも、国内の個人顧客や中小企業との取引(リテールバンキング)に経営資源を集中している点です。
さらに、多くの銀行が信託部門を別会社化しているのに対し、りそな銀行は銀行業務と信託業務を一体で提供できる「信託併営」という強力な武器を持っています。
これにより、預金や融資だけでなく、遺言信託や資産承継といった専門的なニーズにもワンストップで応えることが可能です。
この「リテール特化」と「信託併営」こそが、りそな銀行の独自性を理解する鍵となります。
りそな銀行の事業内容
りそな銀行の事業内容は、大きく「リテール(個人・中小企業)」と「信託」の二つの領域が融合している点に特徴があります。
就活生がまず理解すべき主力事業は、全国の支店ネットワークを通じた個人および中小企業向けの金融サービスです。
個人向けには、預金、住宅ローン、資産運用(投資信託・保険)の提案など、お客様のライフプランに寄り添うサービスを提供しています。
中小企業向けには、事業資金の融資だけでなく、経営課題の解決に向けたコンサルティング(例:DX支援、事業承継)に力を入れています。
りそな銀行のビジネスモデルで最も重要なのが「信託併営」です。
他の銀行では専門の信託銀行が担うような、遺言信託、相続手続き、不動産仲介、企業年金の管理といった高度な信託機能を、りそな銀行の窓口で一体的に提供できます。
この「銀行+信託」のワンストップサービスこそが、特に資産承継や事業承継のニーズが高まる現代において、他のメガバンクや地方銀行に対する強力な差別化要因となっています。
りそな銀行の業績
企業の安定性や将来性を判断するために、業績の動向を把握することは不可欠です。
りそな銀行(りそなホールディングス)の業績は、国内の低金利環境が続く中でも、その独自のビジネスモデルによって堅調に推移しています。
メガバンクとは異なり、国内のリテール分野に集中しているため、海外市場の変動や大企業向け融資の利ざや競争の影響を受けにくい安定した収益構造を持っています。
特に強みを発揮しているのが、融資による金利収入以外の「非金利収益」です。
これは、投資信託や保険の販売手数料、そして「信託併営」の強みを活かした遺言信託や不動産関連のサービスから得られる手数料収入を指します。
就活生が注目すべきは、発表されている「中期経営計画」です。
そこでは、「リテールNo.1」を目指し、デジタル技術(りそなグループアプリなど)を活用した顧客接点の強化や、コンサルティング機能のさらなる向上、そして信託機能の拡充といった戦略が示されています。
企業の成長戦略を理解し、自身がその中でどう貢献したいかを語ることが重要です。
りそな銀行の企業理念
りそな銀行(りそなホールディングス)は、その企業理念として「りそなグループは、創造性に富んだ金融サービス企業を目指します」と掲げ、スローガンとして「想いを、つなぐ。
」を打ち出しています。
これは、単に金融商品を販売するのではなく、銀行業務と信託業務を融合させながら、お客様一人ひとりの想い(例:家族に資産を残したい、会社を次世代に引き継ぎたい)を真摯に受け止め、それを未来へ繋いでいくという強い意志の表れです。
また、行動規範として「お客さまの信頼」「新しい価値の創造」「自己変革への挑戦」などを大切にしています。
志望動機に活かす際は、これらの理念、特に「信託併営」の背景にある「想いをつなぐ」という姿勢に、自身のどのような価値観や経験が共鳴するのかを具体的に示すことが重要です。
例えば、「アルバイト先で、お客様の表面的なニーズだけでなく、その背景にある想いを汲み取って行動した経験」などを結びつけ、理念への深い共感とカルチャーフィットをアピールすることが求められます。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行が志望動機で見ていること
りそな銀行は、「メガバンクでも地方銀行でもない」という独自の立ち位置を持つ金融機関として、志望動機を通じて応募者の適性を多角的に評価しています。
採用担当者が知りたいのは、単なる金融業界への憧れや安定志向ではありません。
りそな銀行のビジネスモデルの核である「リテール(個人・中小企業)への深い理解」と「信託併営の強み」を正しく認識しているか、そして何よりも「お客さまの想いをつなぐ」という理念に共感し、それを実践できる人間性を持っているかを厳しく見ています。
また、過去の公的資金注入の歴史を経て、常に「変革」を続けてきた企業として、現状維持を良しとしない「挑戦意欲」も重要な評価軸です。
この章では、りそな銀行が志望動機で特にチェックしている3つの重要なポイントについて詳しく解説します。
志望動機で特に重視されるポイント①:「なぜメガバンクではないのか」という明確な理由
りそな銀行の選考で最も重要視されるのが、「なぜメガバンクではなく、りそな銀行なのか」という志望動機の明確さです。
金融業界を志望する学生は多いため、ここが曖昧だと「他の銀行でも良いのでは」と即座に判断されてしまいます。
この問いに答える鍵は、りそな銀行の「リテール特化」戦略への共感です。
メガバンクがグローバル展開や大企業向けビジネス(ホールセール)に強みを持つのに対し、りそな銀行は経営資源を国内の個人・中小企業に集中させています。
志望動機では、「グローバルな金融ダイナミズムよりも、日本の地域社会や中小企業の成長に、より深く寄り添い、長期的な関係性を築く仕事がしたい」といった、リテール分野への強いこだわりを、自身の価値観や原体験(例:アルバイトでの接客経験、地元の中小企業への想い)と結びつけて語ることが不可欠です。
志望動機で特に重視されるポイント②:「信託併営」の強みへの理解
次に重視されるのが、りそな銀行の最大の武器である「信託併営」への理解度です。
多くの就活生が銀行業務(預金・融資・為替)のイメージしか持っていない中で、「信託機能」の重要性にまで言及できれば、企業研究の深さを際立たせることができます。
現代の日本では、高齢化の進展に伴い、「資産承継(相続・遺言)」や「事業承継」のニーズが爆発的に高まっています。
りそな銀行は、これらの高度な信託サービスを、銀行の窓口でワンストップ提供できる唯一無二の存在です。
志望動機では、この「信託併営」の強みを認識していると示した上で、「お客様の預金や融資といった目先の課題だけでなく、相続や事業承継といった、世代を超える『想い』までを繋ぐことができる点に強く惹かれた」といった形で、その社会的意義や将来性への共感をアピールすることが求められます。
志望動機で特に重視されるポイント③:「変革」への主体的な姿勢
りそな銀行は、過去に公的資金の注入を受けた歴史的経緯から、常に「自己変革」をDNAとして持つ企業です。
業界に先駆けて「(原則)午後5時までの窓口営業」や「りそなグループアプリ」といった革新的なサービスを導入してきたのも、その表れです。
そのため、採用においても「安定志向」や「指示待ち」の人材ではなく、現状の課題を自ら発見し、改善に向けて主体的に行動できる「変革」への挑戦意欲を強く求めています。
志望動機では、りそな銀行の持つ「安定性」の側面だけに惹かれているのではなく、「銀行の常識を変えようとする挑戦的な姿勢」に共感していることを示すべきです。
そして、「学生時代に、既存のやり方に疑問を持ち、自ら新しい提案をして周囲を巻き込み、状況を改善した」といった、自身の「主体性」や「挑戦心」を示す具体的なエピソードを盛り込むことが、入社後の活躍イメージを伝える上で極めて有効です。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行の求める人物像
りそな銀行が求める人物像は、その企業理念である「想いを、つなぐ。
」と、業界の常識に挑戦し続ける「変革」の姿勢に集約されます。
単に金融知識が豊富であることや、論理的思考力が高いこと(ハードスキル)以上に、お客様や地域社会の課題に真摯に寄り添い、その「想い」を実現するために汗をかける「人間性」や「誠実さ」(ソフトスキル)を重視しています。
また、銀行業務と信託業務という二つの専門性を融合させ、常に新しい価値を生み出そうとする「学習意欲」と「主体性」も不可欠です。
「リテールNo.1」を目指すという高い目標に向かい、チームとして協働できる「協調性」も、個人の能力と同等に重要な資質とされています。
この章では、りそな銀行で活躍する人材に共通して求められる4つの重要な人物像について、その背景にある企業文化や仕事内容と関連付けながら詳しく解説します。
求める人物像①:お客様の「想い」に寄り添う誠実さ
りそな銀行が求める人物像の根幹は、「誠実さ」と、お客様の立場に立って物事を考える「顧客志向」です。
これは、りそな銀行のビジネスが、地域に根差した個人や中小企業との長期的な信頼関係によって成り立っているためです。
特に「信託併営」の強みを活かす場面(相続や事業承継)では、お客様の非常にデリケートな悩みや「想い」に触れることになります。
目先の収益やノルマを優先するのではなく、お客様が本当に何を望んでいるのかを深く傾聴し、その最善の利益のために行動できる高い倫理観が求められます。
学生時代の経験においても、相手の立場に立ち、誠実な行動で信頼を勝ち得たエピソードは、りそな銀行のカルチャーにフィットする人材であることを示す強力な証拠となります。
求める人物像②:常識にとらわれない「変革への挑戦心」
りそな銀行は、その歴史的背景から「変革」を企業のDNAとしています。
業界の常識であった「午後3時閉店」を覆したのも、その象徴です。
金融業界がデジタル化の波に直面する現在も、「りそなグループアプリ」の推進など、常に「新しい銀行」のあり方を模索し続けています。
そのため、求めているのは、既存のルールややり方に従うだけの「安定志向」の人材ではありません。
むしろ、「これは本当にお客様のためになっているのか」「もっと効率化できるのではないか」と、常に現状に疑問を持ち、主体的に課題を発見し、その解決に向けて行動を起こせる「挑戦心」を持った人材です。
前例のないことにも臆せず、新しい知識を学び、周囲を巻き込んで変化を生み出せるポテンシャルが重視されます。
求める人物像③:「銀行+信託」を使いこなす学習意欲
りそな銀行のコンサルティングは、「銀行業務」と「信託業務」の両方の知識を駆使して行われます。
これは、他の銀行にはない強力な武器であると同時に、行員には学ぶべき専門知識が2倍あることを意味します。
入社後は、預金や融資といった銀行の基礎知識に加え、相続、不動産、年金といった高度な信託の知識も猛スピードで学習しなくてはなりません。
したがって、自身の専門性を高めることに貪欲であり、新しい知識の習得を厭わない高い「学習意欲」が不可欠です。
お客様の多様で複雑なニーズに応えるためには、常に自己研鑽を続け、「銀行」と「信託」の両方の引き出しを持つプロフェッショナルへと成長する意欲が求められます。
求める人物像④:チームで成果を出す「協調性」
りそな銀行の仕事は、決して一人で完結するものではありません。
特に、お客様の複雑な課題(例:事業承継)を解決する際には、融資担当、信託担当、本部専門部署、さらには税理士や弁護士といった外部の専門家とも連携する「チームプレー」が不可欠です。
個人のスキルを磨くだけでなく、自分の役割を理解し、周囲と円滑に情報共有し、チーム全体の成果を最大化しようとする「協調性」が極めて重視されます。
お客様の「想いを、つなぐ。
」というスローガンは、行員同士が「想い」を共有し、連携することによってはじめて実現できます。
学生時代に、チームの中でハブとなり、異なる意見を調整しながら目標を達成した経験などは、この協調性をアピールする上で有効です。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行の志望動機に入れ込むべきポイント3選
りそな銀行の志望動機を、他の多くの就活生と差別化するためには、いくつかの戦略的な「視点」を盛り込む必要があります。
単に「金融業界で働きたい」という熱意だけでは不十分です。
採用担当者に「この学生は、りそな銀行の本質を深く理解し、ここで活躍できるポテンシャルがある」と確信させなければなりません。
そのためには、りそな銀行独自の強みと、自身の強みやキャリアビジョンを、具体的な言葉で結びつけることが不可欠です。
特に「リテール特化」や「信託併営」といった特徴をどう捉えているかは、合否を分ける重要なポイントになります。
この章では、りそな銀行の採用担当者に響く、志望動機に必ず入れ込むべき3つの重要なポイントについて、その理由とともに解説します。
入れ込むべきポイント①:「リテールNo.1」戦略への共感
りそな銀行の志望動機でまず明確にすべきは、「なぜメガバンクのホールセール(大企業向け)ではなく、りそな銀行のリテール(個人・中小企業向け)なのか」という点です。
りそな銀行は「リテールNo.1」を明確な経営目標として掲げ、経営資源をこの分野に集中させています。
志望動機では、この戦略への強い共感を示すことが不可欠です。
例えば、「グローバルな大企業を相手にするよりも、地域社会に根差し、顔の見える関係性の中で、個人のお客様のライフプランや、地元の中小企業の成長を長期的に支援する仕事にこそ、真のやりがいを感じる」といった形で、自身の価値観とリテール分野への適性を結びつけてください。
自身の原体験(例:地元の商店街への想い、接客アルバイトでの経験)を交えて語ると、より説得力が増します。
入れ込むべきポイント②:「信託併営」の独自性への着目
りそな銀行の志望動機を差別化する最大の武器が、「信託併営」への着目です。
これは、他のメガバンクや多くの地銀が持たない、りそな銀行の絶対的な優位性です。
多くの就活生が銀行業務(預金・融資)のイメージに留まる中で、「信託」の重要性を理解していると示すことは、企業研究の深さを証明する何よりの証拠となります。
高齢化が進む日本において、「相続・遺言」や「事業承継」といったニーズは、今後ますます高まっていきます。
「お客様の資産運用だけでなく、その資産を『誰に・どう残すか』という『想い』までを、ワンストップでサポートできる唯一無二の銀行である点に強く惹かれた」といった形で、信託機能の社会的意義と将来性への理解を示すことが、極めて有効なアピールとなります。
競合他社との比較して優れた点を盛り込む
志望動機の説得力を決定づけるのが、「なぜ他の銀行ではなく、りそな銀行なのか」という問いへの明確な回答です。
これを実現する最も効果的な方法が、競合他社との比較点を盛り込むことです。
この比較を志望動機に加える最大のメリットは、あなたの企業研究の深さと、入社意欲の高さを客観的に示せる点にあります。
例えば、メガバンク(三菱UFJなど)と比較し、「グローバルなホールセール業務も魅力的だが、自分はりそな銀行の『リテール特化』戦略と、国内のお客様に深く寄り添う姿勢に共感する」と説明できます。
また、信託銀行(三井住友信託など)と比較し、「信託の専門性も重要だが、りそな銀行は『銀行業務』という日常的な接点を持ちながら信託機能を提供できるため、よりお客様の身近な存在として課題解決ができる」といった優位性を指摘します。
他社にはないりそな銀行独自の魅力(リテール特化、信託併営、変革のスピードなど)を具体的に挙げ、それが自身のキャリアビジョンとどう合致するかを論理的に説明することで、志望動機は格段に差別化されます。
【りそな銀行の志望動機】競合他社との比較しよう
りそな銀行の志望動機を作成する上で、競合他社との比較分析は避けて通れない、最も重要なプロセスです。
なぜなら、採用担当者が知りたいのは、「なぜ数ある銀行の中で、りそな銀行を選んだのか」という明確な理由だからです。
メガバンク、信託銀行、地方銀行など、金融業界には多くのプレイヤーが存在します。
各社の強み、事業領域、顧客基盤の違いを正確に把握し、りそな銀行にしかない独自の魅力(=リテール特化、信託併営)を自分の言葉で語ること。
それが、あなたの企業研究の深さを示し、入社意欲の本気度を証明する鍵となります。
この章では、主要な比較対象を取り上げ、就活生が注目すべき具体的な比較軸を解説します。
三菱UFJ銀行(競合A)との違い:「リテール特化」と「ホールセール・グローバル」
三菱UFJ銀行をはじめとするメガバンクは、りそな銀行との比較において最も重要な対象です。
三菱UFJ銀行の最大の強みは、国内トップの法人顧客基盤を活かした「法人融資(ホールセール)」と、MUFGグループの総合力を背景にした「グローバル事業」にあります。
大企業向けの高度な金融ソリューションや、海外駐在を含むキャリアパスに強みがあります。
一方、りそな銀行は、これらの分野よりも国内の「リテール(個人・中小企業)」に経営資源を集中させています。
就活生としては、「グローバルな舞台で大企業」を相手にしたいのか、「国内の地域社会で個人・中小企業」に寄り添いたいのか、というキャリア観の違いを明確に意識する必要があります。
りそな銀行の「リテールNo.1」という戦略は、メガバンクの戦略とは明確に一線を画しています。
三井住友信託銀行(競合B)との違い:「信託専業」と「銀行+信託」
りそな銀行の「信託併営」を理解する上で、三井住友信託銀行のような「専業信託銀行」との比較は不可欠です。
三井住友信託銀行は、その名の通り「信託業務」のプロフェッショナル集団であり、不動産、証券代行、企業年金、資産運用など、銀行業務(リテール窓口)以上に幅広い信託ソリューションを専門的に手掛けています。
一方、りそな銀行の強みは、あくまで「銀行業務」という日常的な顧客接点を持ちながら、そこから派生する相続や事業承継といった信託ニーズにワンストップで応えられる点にあります。
就活生は、「信託の専門性を極めたい」のであれば専業信託、「銀行業務を基盤に、お客様の身近な立場で信託も提案したい」のであればりそな銀行、というように、両者の「信託」へのアプローチの違いを理解することが重要です。
横浜銀行(競合C)との違い:「地域密着」の範囲と「信託機能」
横浜銀行(コンコルディア・フィナンシャルグループ)に代表される大手地方銀行も、リテール分野における競合相手です。
地方銀行の最大の強みは、特定の地域(例:神奈川県・東京都)における圧倒的な「地域密着度」と、地元の行政や企業との強固なネットワークです。
その地域経済の発展に深くコミットする姿勢は、りそな銀行のリテール戦略と共通する部分もあります。
しかし、りそな銀行は、首都圏・関西圏・埼玉という複数の大都市圏にまたがる広域なネットワークを持っており、地方銀行よりもカバーエリアが広い点が異なります。
また、「信託併営」による高度なソリューション提供能力は、一般的な地方銀行(信託機能が限定的)に対する明確な優位性となります。
特定の地域に骨を埋めるか、より広域なリテール市場で戦うか、という違いがあります。
ゆうちょ銀行(競合D)との違い:「ネットワークの質」と「ビジネスモデル」
ゆうちょ銀行も、リテール分野における巨大なプレイヤーです。
ゆうちょ銀行の強みは、全国約2万4千という圧倒的な「郵便局ネットワーク」と、約1.2億の顧客基盤がもたらす「ユニバーサルサービス(あまねく全国に金融サービスを届ける)」という公共性の高さです。
一方、りそな銀行も広範なネットワークを持ちますが、その拠点は大都市圏に集中しており、より金融ニーズの多様な顧客層をターゲットにしていると言えます。
また、ビジネスモデルも大きく異なります。
ゆうちょ銀行は法律上の制約から「融資」が原則できず、資産運用と手数料ビジネスが中心です。
りそな銀行は、「融資」も「資産運用(信託含む)」もフルラインナップで提供できる、総合的な金融サービス機関である点が決定的な違いです。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行のES通過者の志望動機の共通点
りそな銀行のエントリーシート(ES)を通過する志望動機には、いくつかの明確な共通点が存在します。
最も顕著なのは、「なぜメガバンクではないのか」という問いに対し、りそな銀行独自の強みである「リテールNo.1」戦略への共感を、自身の具体的な経験(例:接客アルバイト、地域活動)と結びつけて論理的に説明している点です。
さらに、他の就活生と差別化する要素として、「信託併営」というキーワードを挙げ、相続や事業承継といった社会課題の解決に貢献したいという、一歩踏み込んだ企業理解を示しているケースが多く見られます。
また、単なる「安定志向」ではなく、りそな銀行が推進する「変革への挑戦」(DX推進など)にも言及し、自身の主体性や挑戦心を示すエピソードをバランス良く盛り込んでいる点も、高く評価される共通点です。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行の志望動機を作成する際の4つの注意点
りそな銀行は、その独自の立ち位置から、就活生に非常に人気のある銀行です。
しかし、その志望動機作成においては、多くの学生が陥りがちな典型的な「落とし穴」が存在します。
特に、メガバンクや地方銀行との違いを明確に意識できていない志望動機は、「りそな銀行の本質を理解していない」と判断され、即座に評価を下げてしまいます。
採用担当者に「この学生は、当行の理念や戦略とマッチしない」と見なされないよう、失敗パターンを確実に避けることが選考突破の第一歩です。
この章では、りそな銀行の志望動機を作成する上で、絶対に避けるべき4つの注意点を具体的に解説します。
注意点①:「メガバンクとの違い」が曖昧
「銀行業界で人々の生活を支えたい」「金融を通じて日本経済に貢献したい」といった志望動機は、りそな銀行でなくても、メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)でも実現可能です。
これでは、「なぜ、りそな銀行なのか」という最も重要な問いに答えられていません。
このミスを犯すと、企業研究が不十分であると即座に判断されます。
志望動機には、りそな銀行独自の戦略、すなわち「リテール(個人・中小企業)特化」や「信託併営」といったキーワードを盛り込み、「グローバルなホールセール業務よりも、国内のリテール分野で、信託も含めた深い提案がしたい」といった、明確な比較意識を示す必要があります。
注意点②:「安定志向」や「ホワイトなイメージ」を前面に出す
りそな銀行は、過去の公的資金注入の反省から、常に「変革」をDNAとする企業です。
また、業界に先駆けて営業時間を延長するなど、顧客利便性を追求してきた歴史があります。
「安定しているから」「(メガバンクと比べて)働きやすそうだから」といった「安定志向」や「受け身」の姿勢を志望動機で前面に出すことは、りそな銀行が求める「変革への挑戦心」を持つ人物像とは真逆の印象を与えてしまいます。
もちろん、働きやすい環境は魅力の一つですが、アピールすべきは、その安定した基盤の上で、「どのような新しい挑戦がしたいか」という主体的な意欲です。
注意点③:「信託機能」への理解が欠如している
りそな銀行の最大の武器であり、競合他社との明確な差別化要因が「信託併営」です。
この点に一切触れず、銀行業務(預金・融資・為替)の話だけに終始してしまうと、企業研究が浅いと見なされる可能性が非常に高いです。
高齢化社会の進展に伴い、「相続・遺言」や「事業承継」といった信託ニーズは、りそな銀行のリテール戦略の中核を占めています。
「銀行機能と信託機能をワンストップで提供できる」という独自の強みを理解していると示すことは、入社意欲の高さと、市場ニーズへの感度の高さを示す上で極めて重要です。
注意点④:「誠実さ」や「顧客志向」のアピールが抽象的
りそな銀行が「お客さまの想いをつなぐ。
」をスローガンに掲げ、「誠実さ」や「顧客志向」を重視していることは事実です。
しかし、「私には誠実さがあります」「お客様の立場に立って行動できます」と、単語を主張するだけでは全く説得力がありません。
採用担当者が知りたいのは、その主張の根拠となる「事実(エピソード)」です。
必ず、「どのような状況」で(例:アルバイト先のクレーム対応で)、「どのように顧客志向の行動」を取り(例:マニュアルを超えて相手の真の要望を傾聴し、解決策を探した)、「その結果どうなったか」(例:お客様から深い感謝の言葉をいただいた)という、具体的な行動プロセスで裏付けてください。
【りそな銀行の志望動機】インターンに参加して有利に本選考を進めよう
りそな銀行の内定獲得を目指す上で、インターンシップへの参加は極めて有効な戦略です。
インターンは、単なる企業説明会とは異なり、りそな銀行の業務内容や企業文化を深く理解するための絶好の機会となります。
特に、メガバンクとは異なる「リテール特化」の戦略や、最大の武器である「信託併営」の具体的な業務イメージを、グループワークや社員との交流を通じて掴むことができます。
これにより、志望動機の解像度が飛躍的に高まり、「なぜりそな銀行なのか」という問いに対して、他の就活生と差別化できる具体的な根拠を得ることが可能です。
さらに、インターンでのパフォーマンスが優秀であると認められた場合、本選考の早期選考ルートに案内されたり、選考プロセスの一部が免除されたりするなど、内定獲得に向けて大きく前進できる可能性が非常に高くなります。
【りそな銀行の志望動機】りそな銀行の志望動機例文
りそな銀行の志望動機を作成する際、どのような切り口で自身の強みと企業の魅力を結びつけるかが重要です。
ここでは、りそな銀行が重視する「リテールへのこだわり」「信託機能への理解」「変革への挑戦心」といった異なる強みに焦点を当てた、5つの志望動機例文を紹介します。
①リテール特化(顧客志向)ベース、②信託併営(専門性)ベース、③変革への挑戦(主体性)ベース、④中小企業支援(地域貢献)ベース、⑤協調性(チームワーク)ベース、という異なるアプローチです。
これらはあくまで型であり、最も重要なのはあなた自身の具体的なエピソードです。
自分の経験をこれらのフレームワークに当てはめ、なぜりそな銀行でなければならないのかを明確に示す、オリジナルの志望動機を作成してください。
例文①:リテール特化(顧客志向)ベース
私が数ある銀行の中で貴行を強く志望する理由は、「リテールNo.1」を掲げ、個人のお客様の人生に深く寄り添う姿勢に強く共感したからです。
私はカフェのアルバイトリーダーとして、常連のお客様一人ひとりの好みや会話を記憶し、マニュアルを超えた「おもてなし」を実践してきました。
お客様から「あなたがいるからここに来る」という言葉を頂いた経験から、長期的な信頼関係を築き、人の生活を豊かにする仕事に就きたいと考えるようになりました。
メガバンクがグローバルやホールセールに注力する中、貴行は一貫して国内のリテール分野に経営資源を集中させています。
「午後5時まで営業」といった顧客視点の変革を続ける姿勢にも魅力を感じています。
私の強みである「相手の立場に立つ傾聴力」を活かし、お客様のライフプランに真摯に向き合い、貴行の「最も身近なパートナー」として貢献したいです。
(441文字)
例文②:信託併営(専門性)ベース
私が貴行を志望する最大の理由は、銀行業務と信託業務を融合させた「信託併営」という唯一無二の強みを持ち、お客様の「想いを、つなぐ。
」という理念を体現できると確信しているからです。
私は大学のゼミで、日本社会における高齢化と資産承継の問題について研究しました。
多くの人が相続や事業承継に漠然とした不安を抱えている一方で、相談先が分からず悩んでいる現状を知りました。
貴行は、日常的な銀行取引の窓口で、遺言信託や資産承継といった高度な専門ニーズにもワンストップで応えられる体制を整えています。
「銀行の身近さ」と「信託の専門性」を両立させている点に、他の金融機関にはない社会的意義の大きさを感じています。
私は、ゼミの研究で培った論理的思考力と粘り強さを活かし、入社後は信託業務の専門知識も貪欲に吸収し、お客様の世代を超える「想い」に寄り添うプロフェッショナルとして貢献したいです。
(449文字)
例文③:変革への挑戦(主体性)ベース
私が貴行を志望する理由は、業界の常識にとらわれず、「新しい価値の創造」に向けて「自己変革への挑戦」を続ける企業文化に強く惹かれているからです。
私は大学のサークル活動において、従来の非効率な広報活動が原因で新入生が減少しているという課題を発見しました。
そこで、私は自らSNSを活用したデジタル広報チームの立ち上げを提案し、反対する先輩とも粘り強く対話しました。
結果として、前例のない手法を取り入れたことで、ターゲット層に的確に情報を届けることができ、前年比1.5倍の入部者数を達成しました。
貴行は、過去の困難を乗り越え、常に「銀行の当たり前」を疑い、「りそなグループアプリ」の推進など、顧客本位の変革をリードし続けています。
私の強みである「主体的な課題発見力」と「挑戦心」を活かし、貴行の更なる変革の一翼を担い、未来の「リテールNo.1」の実現に貢献したいです。
(447文字)
例文④:中小企業支援(地域貢献)ベース
私が貴行を志望するのは、メガバンクや地方銀行とも異なる独自の立ち位置から、日本経済の屋台骨である中小企業の成長を力強く支援できると考えるからです。
私の実家は小さな部品工場を営んでおり、資金繰りや後継者問題に悩む経営者の姿を間近で見てきました。
その経験から、大企業向けの金融だけでなく、地域に根差した中小企業の課題解決に貢献したいという強い想いがあります。
貴行は、リテール特化戦略のもと、中小企業取引に強みを持ち、単なる融資に留まらないコンサルティング営業を推進しています。
特に、「信託併営」の機能を活かした事業承継ソリューションは、後継者不足に悩む多くの中小企業にとって不可欠なサービスです。
私は、中小企業診断士の資格取得に向けて勉強しており、この知識と当事者意識を活かして、貴行の法人営業部門で経営者に真に寄り添い、その「想い」を次世代につなぐサポートがしたいです。
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例文⑤:協調性(チームワーク)ベース
私が貴行を志望する理由は、お客様の複雑な課題に対し、多様な専門家が連携する「チームプレー」で応える姿勢に魅力を感じるからです。
貴行の強みである「銀行+信託」のワンストップサービスは、行員一人ひとりの専門性に加え、部門や役職を超えた円滑な「協調性」なくしては成り立たないと理解しています。
私は学生時代、学園祭の実行委員として、企画部門と会計部門の橋渡し役を担いました。
両者の意見が対立した際、私が中立的な立場で双方の言い分を整理し、共通のゴール(=来場者の満足度向上)を再確認することで、予算と企画内容の両立を実現しました。
この経験で培った「異なる立場の意見を調整し、チームをまとめる力」は、貴行において、信託や不動産といった専門部署と連携しながら、お客様にとっての最適なソリューションを創出する上で必ず活かせると自負しております。
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【りそな銀行の志望動機】よくある質問
りそな銀行の選考を目指すにあたり、多くの就活生が共通の疑問や不安を抱えています。
特に「メガバンクとの違い」や「信託業務の難易度」、「変革」を掲げる企業風土など、りそな銀行の独自性に関する質問は後を絶ちません。
これらの疑問点を事前に解消しておくことは、自信を持って面接に臨み、志望動機の論理性を高めるために非常に重要です。
この章では、就活生から特によく寄せられる質問をピックアップし、りそな銀行の採用実態と事業戦略を踏まえた具体的な回答を提示します。
質問①:メガバンクとの一番の違いは何ですか?
最も大きな違いは、「戦略の方向性」と「強み」です。
メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)は、グローバル展開や大企業向けビジネス(ホールセール)、投資銀行業務に大きな強みを持っています。
一方、りそな銀行は、これらの分野よりも国内の「リテール(個人・中小企業)」に経営資源を集中させ、「リテールNo.1」を目指す戦略を採っています。
また、メガバンクの多くが信託銀行を別会社化しているのに対し、りそな銀行は「信託併営」により、銀行の窓口で相続や事業承継といった高度な信託サービスを一体で提供できる点が、決定的な優位性となっています。
質問②:「信託」の知識が全くありませんが、不利になりますか?
応募段階において、信託に関する専門知識や資格(例:宅建、FP)が必須とされることはありません。
入社後の研修や実務を通じて、ゼロから学ぶ環境が整備されています。
採用担当者が見ているのは、現時点での知識量よりも、入社後に「銀行業務」と「信託業務」という二つの専門分野を貪欲に吸収しようとする「学習意欲」と「知的好奇心」です。
「信託」という分野が、今後の日本社会(高齢化、資産承継)において非常に重要であることを理解し、それを学ぶ意欲があることを示す方が重要です。
むしろ、知識がないからこそ、りそな銀行独自の環境で学びたいという姿勢は、ポジティブな動機として伝えることができます。
質問③:りそな銀行は「変革」を掲げていますが、企業風土は体育会系ですか?
りそな銀行が「変革」をDNAとし、「挑戦」を奨励する企業文化であることは事実です。
しかし、それが一般的にイメージされるような、メガバンクの一部で言われるような体育会系の「上下関係」や「ノルマへの強い圧力」を意味するとは限りません。
りそな銀行の「変革」は、顧客視点に基づいた業務改善(例:午後5時まで営業、アプリの利便性向上)や、行員の主体性を促す風土づくりを指しています。
むしろ、「誠実さ」や「協調性」を重視し、チームで成果を出すことを大切にする文化があります。
必要なのは、声の大きさや体力ではなく、論理的に課題を発見し、主体的に行動する「挑戦心」です。
質問④:なぜ窓口は「午後5時まで」なのですか?
りそな銀行が、他の多くの銀行が「午後3時」で窓口を閉める中で、「(原則)午後5時まで」の営業を続けているのは、その徹底した「顧客志向」と「リテール特化」戦略の象徴です。
日中働く会社員や、日中忙しい個人事業主など、「午後3時以降に銀行窓口を利用したい」というお客様のニーズに真摯に応えるためです。
これは、単に時間を延長するだけでなく、行内の事務プロセスを徹底的に効率化・集中化する「変革」があって初めて可能になりました。
この取り組みは、「銀行の常識は、お客様の非常識」という考えのもと、りそな銀行が「変革への挑戦」を続ける企業であることを示す、非常に分かりやすい事例と言えます。
まとめ
りそな銀行の内定を獲得するためには、その「メガバンクでも地方銀行でもない」という独自の立ち位置を深く理解することが不可欠です。
本記事で解説した「リテールNo.1」戦略、そして最大の武器である「信託併営」の強みを、あなた自身の経験と価値観に結びつけてください。
「なぜメガバンクではないのか」「なぜりそな銀行なのか」という問いに対し、論理的かつ具体的に答えることができれば、必ず道は開けます。
りそな銀行が求める「誠実さ」と「挑戦心」の両方を備えた人材であることを示し、自信を持って選考に臨んでください。